JP2006155838A - 光ディスクの製造方法、光ディスク、および光ディスク製造用スタンパ - Google Patents
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Abstract
【課題】 ICチップが搭載された光ディスクの製造コストを低減する。
【解決手段】 ICチップが具備する接続端子31aおよび31bの配設位置に対応するバンプ13aおよび13bを表面に設けたディスク基板10を、樹脂材料を用いて射出成形により形成する(ステップS11)。次に、ICチップの配線用のスパイラル状の配線パターン20を、その端部20aおよび20bがバンプ13aおよび13b上にそれぞれ重なって配置されるように、ディスク基板10の表面に薄膜形成する(ステップS12)。次に、接続端子31aおよび31bが対応するバンプ13aおよび13b上に配置されるように、ICチップを異方導電性接着剤40を介してディスク基板10に圧着して接合する(ステップS13)。
【選択図】 図7
【解決手段】 ICチップが具備する接続端子31aおよび31bの配設位置に対応するバンプ13aおよび13bを表面に設けたディスク基板10を、樹脂材料を用いて射出成形により形成する(ステップS11)。次に、ICチップの配線用のスパイラル状の配線パターン20を、その端部20aおよび20bがバンプ13aおよび13b上にそれぞれ重なって配置されるように、ディスク基板10の表面に薄膜形成する(ステップS12)。次に、接続端子31aおよび31bが対応するバンプ13aおよび13b上に配置されるように、ICチップを異方導電性接着剤40を介してディスク基板10に圧着して接合する(ステップS13)。
【選択図】 図7
Description
本発明は、ICチップが搭載された光ディスクの製造方法、光ディスク、および光ディスク製造用スタンパに関し、特に樹脂製ディスク基板を用いた光ディスクの製造方法、光ディスク、および光ディスク製造用スタンパに関する。
近年、映像などの大容量データを記録可能な光ディスク媒体として、DVD(Digital Versatile Disk)の普及が著しい。また最近では、さらに高画質でかつ長時間の映像の記録などを目的として、青色半導体レーザを光源とする光ディスクの開発が進められており、その一種としてすでにブルーレイディスク(登録商標)が商品化されている。
このように、高品質のデジタルコンテンツを可搬型の記録媒体に容易に保存できるようになるのに伴い、デジタルコンテンツの著作権保護の重要性が高まっている。ブルーレイディスクでは、ディスクごと固有なIDを、バーコード状のパターンとしてBCA(Burst Cutting Area)と呼ばれる信号記録領域の最内周部に記録し、プレーヤにおいてこのIDを読み取ることで、不正なディスクが再生されないように管理している。しかし、不正なディスクを作成する技術は年々高度になっており、さらに強固な著作権保護対策が必要であると言われている。
一方、近年、非接触で外部との情報の受け渡しが可能なICチップであるRFID(Radio Frequency Identification)タグが、IDカードや交通乗車券、電子マネーなどに利用されるようになっている。RFIDタグは、内蔵電池を持たず、リーダ/ライタ(R/W)からの電波あるいは磁界をアンテナで受信して起電力に変換するため、軽量で携帯性に優れ、半永久的に使用可能であるという特徴を持つ。これに加えて、複製が非常に困難であるという特徴もある。
このような背景から、光ディスクにRFIDタグを搭載して、著作権保護対策を強化することが考えられている。例えば、読み取り専用の状態でディスクIDを記録したRFIDタグを光ディスクに搭載させることで、同じディスクIDを持つ光ディスクが複製される危険性を、上記のBCAパターンを用いた場合より大幅に低下させることができる。
さらに、RFIDタグの記憶容量に余裕がある場合、余った記憶領域にユーザに対して利益を供与するアプリケーションを格納して、光ディスクに新たな付加価値を発生させることもできる。例えば、ゲームソフトが格納されたROM(Read Only Memory)型光ディスクにRFIDタグを設けて、ゲームの途中状態をそのRFIDタグに保存する、あるいは、光ディスク内の記録内容をRFIDタグに記録して、その光ディスクをプレーヤに挿入しなくてもR/Wにかざすだけで記録内容を知ることができるようにする、などといった用途が考えられる。
ところで、ICチップを光ディスクに搭載させる場合、無線通信や電力供給のためのアンテナを光ディスクの上に形成する必要がある。光ディスクは中心を軸に回転する円盤であるため、重量バランスの観点からコイル状のアンテナ(以下、アンテナコイルと呼称する。)との親和性が高い。このため、光ディスクの上の信号記録領域よりさらに内側部分、あるいは信号記録領域の裏側にアンテナコイルを形成することが考えられている。
なお、基板上にICチップを搭載させる際に、ICチップと基板上のアンテナコイルとの接合を容易にする技術として、ICチップモジュールの接合端子にバンプをつけ、異方導電性接着剤を用いて接合したものがあった(例えば、特許文献1参照)。また、ICチップ側のバンプの有無にかかわらず、基板側にバンプを設けて、ICチップ側のバンプまたは電極と接合したものもあった(例えば、特許文献2参照)。
図17は、ICチップと光ディスク基板上のアンテナコイルとを異方導電性接着剤を用いて接続する様子を示した図である。
ICチップ100が搭載された光ディスクでは、図17に示すように、無線通信用の電波の送受信やICチップ100への電力供給を目的としたアンテナコイル200が、ディスク基板300上に形成されている。このアンテナコイル200は、例えばスパッタリングや印刷などにより形成される。
ICチップ100が搭載された光ディスクでは、図17に示すように、無線通信用の電波の送受信やICチップ100への電力供給を目的としたアンテナコイル200が、ディスク基板300上に形成されている。このアンテナコイル200は、例えばスパッタリングや印刷などにより形成される。
また、アンテナコイル200とICチップ100とを異方導電性接着剤400を用いて接続する場合、従来は、ICチップ100の接続端子であるアルミ電極101に、アンテナコイル200と接続するためのバンプ電極102を形成しておく。そして、バンプ電極102とアンテナコイル200の接続端子との位置合わせを行って、ICチップ100とディスク基板300との間に異方導電性接着剤400を挟んで加熱・加圧することにより、突出したバンプ電極102とアンテナコイル200との間のみが電気的に接続される。
異方導電性接着剤には、ACF(Anisotropic Conductive Film;異方導電性フィルム)やACP(Anisotropic Conductive Paste;異方導電性ペースト)などがあり、ICチップなどの接合には信頼性などの問題からACFが主に使われている。
この異方導電性接着剤は、一定の圧力が加わると圧力方向に導通し、圧力方向とは垂直な方向には絶縁性をもつ接着剤であり、ICチップの隣接端子同士の絶縁性を保ちつつ、接続端子とアンテナコイルとの導通を取ることができる。また、隣接端子間は導通しないので、接触面だけでなくICチップの下部全体に配設しておくことにより、信頼性を得るために通常用いられるアンダフィル材をICチップとディスク基板の隙間に注入する工程が不要となるというメリットもある。
特開平8−287208号公報(段落番号〔0017〕〜〔0018〕、図1)
特開2002−313841号公報(段落番号〔0004〕、図2)
しかし、異方導電性接着剤を用いてICチップとアンテナコイルを接続する際には、ICチップまたはディスク基板の少なくとも一方にバンプを形成しなければならず、そのバンプ形成作業はICチップやディスク基板の作成作業とは別に行わなければならないという問題点があった。
例えば、ICチップへのバンプ形成手法としては、電解メッキ法、無電解メッキ法、ワイヤバンプ法、印刷法などが知られているが、いずれの方法でもICチップへのバンプ形成はICチップ自体の製造とは別工程として行う必要があり、生産性が低下し、チップの裏面研削加工を困難にするなどの問題がある。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、ICチップが搭載された光ディスクの製造コストを低く抑えることが可能な光ディスクの製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、ICチップが搭載されながらも、その製造コストが低く抑えられた光ディスクを提供することである。
さらに、本発明の他の目的は、ICチップが搭載された光ディスクの製造コストを低く抑えることが可能な光ディスク製造用スタンパを提供することである。
さらに、本発明の他の目的は、ICチップが搭載された光ディスクの製造コストを低く抑えることが可能な光ディスク製造用スタンパを提供することである。
本発明では上記問題を解決するために、ICチップが搭載された光ディスクの製造方法において、前記ICチップが具備する接続端子の配設位置に対応するバンプを表面に設けた前記光ディスクのディスク基板を、樹脂材料を用いて射出成形により形成する基板形成工程と、前記ICチップの配線用の配線パターンを、その一部が前記バンプ上に重なって配置されるように前記ディスク基板の表面に薄膜形成するパターン形成工程と、前記接続端子が対応する前記バンプ上に配置されるように、前記ICチップを異方導電性接着剤を介して前記ディスク基板に圧着して接合する接合工程とを含むことを特徴とする光ディスクの製造方法が提供される。
このような光ディスクの製造方法では、ディスク基板に形成されたバンプ上に接続端子が配置されるようにICチップをディスク基板に圧着することで、ICチップの接続端子とバンプ上に形成された配線パターンとの間のみが異方導電性接着剤により電気的に接続される。また、ディスク基板の射出成形時にバンプが同時に形成されるので、ICチップやディスク基板にバンプを設ける工程が不要となり、ICチップを搭載した光ディスクの製造効率が向上され、その製造コストが低減される。
また、本発明では、ICチップが搭載された光ディスクの製造方法において、前記ICチップが具備する接続端子の配設位置に対応するバンプを表面に設けた前記光ディスクのディスク基板を、樹脂材料を用いて射出成形により形成する基板形成工程と、前記ICチップの配線用の配線パターンを、その一部が前記バンプ上に重なって配置されるように前記ディスク基板の表面に薄膜形成するパターン形成工程と、塑性材料を用いた前記接続端子を具備する前記ICチップを、前記接続端子が対応する前記バンプ上に配置されるように前記ディスク基板に圧着し、前記バンプを前記接続端子に刺すことで前記ICチップと前記ディスク基板とを接合する接合工程とを含むことを特徴とする光ディスクの製造方法が提供される。
このような光ディスクの製造方法では、塑性材料による接続端子にディスク基板上のバンプが刺さることで、ICチップの接続端子とバンプ上に形成された配線パターンとが電気的に接続される。また、ディスク基板の射出成形時にバンプが同時に形成されるので、ICチップやディスク基板にバンプを設ける工程が不要となり、ICチップを搭載した光ディスクの製造効率が向上され、その製造コストが低減される。
また、本発明では、ICチップが搭載された光ディスクにおいて、前記ICチップが具備する接続端子の配設位置に対応するバンプが表面に設けられた、射出成形により形成された樹脂製のディスク基板と、その一部が前記バンプ上に重なるように前記ディスク基板の表面に薄膜形成された前記ICチップの配線用の配線パターンとを有し、前記接続端子が対応する前記バンプ上に配置されるように、前記ICチップが異方導電性接着剤を介して前記ディスク基板に接合されたことを特徴とする光ディスクが提供される。
このような光ディスクでは、ディスク基板に形成されたバンプ上にICチップの接続端子が配置されたことで、この接続端子とバンプ上に形成された配線パターンとの間のみが異方導電性接着剤により電気的に接続される。また、ディスク基板の射出成形時にバンプを同時に形成できるので、ICチップやディスク基板にバンプを設ける工程が不要となり、ICチップを搭載した光ディスクの製造効率が向上され、その製造コストが低減される。
また、本発明では、ICチップが搭載された光ディスクにおいて、前記ICチップが具備する接続端子の配設位置に対応するバンプが表面に設けられた、射出成形により形成された樹脂製のディスク基板と、その一部が前記バンプ上に重なるように前記ディスク基板の表面に薄膜形成された前記ICチップの配線用の配線パターンとを有し、塑性材料を用いた前記接続端子を具備する前記ICチップが、前記接続端子が対応する前記バンプ上に配置されるように前記ディスク基板に圧着され、前記バンプが前記接続端子に刺さることで前記ICチップと前記ディスク基板とが接合されたことを特徴とする光ディスクが提供される。
このような光ディスクでは、塑性材料による接続端子にディスク基板上のバンプが刺さることで、ICチップの接続端子とバンプ上に形成された配線パターンとが電気的に接続される。また、ディスク基板の射出成形時にバンプを同時に形成できるので、ICチップやディスク基板にバンプを設ける工程が不要となり、ICチップを搭載した光ディスクの製造効率が向上され、その製造コストが低減される。
本発明の光ディスクの製造方法によれば、ディスク基板の射出成形時にバンプが同時に形成されるので、ICチップやディスク基板にバンプを設ける工程が不要となり、ICチップを搭載した光ディスクの製造効率を向上させ、その製造コストを低減することができる。
また、本発明の光ディスクによれば、ディスク基板の射出成形時にバンプを同時に形成できるので、ICチップやディスク基板にバンプを設ける工程が不要となり、ICチップを搭載した光ディスクの製造効率を向上させ、その製造コストを低減することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係る光ディスクの構成を示す図である。
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係る光ディスクの構成を示す図である。
図1に示すように、光ディスク1は樹脂製のディスク基板10を備え、その中心部には中心孔11が設けられている。この光ディスク1は、プレーヤに挿入されたときには中心孔11を中心に回転され、信号記録面にレーザ光が照射されて、その反射光の光量に応じて信号が読み取られる。また、この光ディスク1では、信号読み取り面の反対面に、非接触で情報の受け渡しが可能なRFIDタグが設けられている。RFIDタグは、情報を記録する素子などが集積されたICチップと、信号送受信のためのアンテナとからなる。
信号読み取り面の裏面のディスク基板10上には、中心孔11の周りにスパイラル状の形状を有する、ICチップの無線通信のためのアンテナコイル20が薄膜状に形成されている。また、この面には、アンテナコイル20の両端を接続するとともにICチップとの配線を行う機能を有するICチップモジュール30が設けられている。このICチップモジュール30は、ディスク基板10上に射出成形時にあらかじめ形成された凹部12の内部に配設される。後述するように、この凹部12の底面には2つのバンプが同様に射出成形時に形成されており、バンプ13上にそれぞれ形成されたアンテナコイル20の両端と、ICチップモジュール30の接続端子とが、異方導電性接着剤によって電気的に接続されている。
図2は、ICチップモジュールを拡大して示した図である。
図2に示すように、ICチップモジュール30は、両端に離間して設けられた2つの接続端子31aおよび31bと、その各接続端子31aおよび31bの間に設けられた絶縁部32と、絶縁部32内に設けられたICチップ33とからなる。各接続端子31の間の距離は、アンテナコイル20の各端点間の離間距離と同じにされる。また、ICチップ33の接続端子は、絶縁部32の内部で各接続端子31aおよび31bと接続されており、例えばその接続のための配線の周りを絶縁被膜などで覆うことで絶縁部32が形成されている。なお、実際にはICチップ33自体も絶縁膜により被膜されていることが望ましい。
図2に示すように、ICチップモジュール30は、両端に離間して設けられた2つの接続端子31aおよび31bと、その各接続端子31aおよび31bの間に設けられた絶縁部32と、絶縁部32内に設けられたICチップ33とからなる。各接続端子31の間の距離は、アンテナコイル20の各端点間の離間距離と同じにされる。また、ICチップ33の接続端子は、絶縁部32の内部で各接続端子31aおよび31bと接続されており、例えばその接続のための配線の周りを絶縁被膜などで覆うことで絶縁部32が形成されている。なお、実際にはICチップ33自体も絶縁膜により被膜されていることが望ましい。
図3は、光ディスク基板上の凹部の内部構造を示す斜視図である。また、図4は、図1の光ディスクをX1矢視から見たときの断面図である。また、図5は、図1の光ディスクをY1矢視から見たときの断面図である。なお、図4では、図1中のA−A線、B−B線、C−C線およびD−D線での断面をそれぞれ断面A、断面B、断面Cおよび断面Dとして示している。
図3に示すように、光ディスク1のディスク基板10の上面には凹部12が形成され、さらにその底面には2つのバンプ13aおよび13bがディスク半径方向に離間して形成される。これらの凹部12とバンプ13aおよび13bは、ディスク基板10の射出成形時に同時に形成されるものである。また、アンテナコイル20は、その端部20aおよび20bがそれぞれバンプ13aおよび13bの上で終端されるように形成されている。
図4に示すように、凹部12の底面はICチップモジュール30を収容可能な大きさを有している。また、ICチップモジュール30の接続端子31aおよび31bの間の距離は、アンテナコイル20の端部20aおよび20bの間と略同一とされている。ICチップモジュール30は、接続端子31aおよび31bがそれぞれアンテナコイル20の端部20aおよび20bの上に位置するように凹部12の内部に配設されて、異方導電性接着剤40(ここではACF)によってディスク基板10に接合される。このとき、各バンプ13aおよび13bの上に形成されたアンテナコイル20の端部20aおよび20bは、異方導電性接着剤40にICチップモジュール30と接続するためのバンプ電極として機能する。
また、図5の断面A〜Dに示すように、ディスク基板10の上面と凹部12の底面との間のアンテナコイル20が通る接続面は傾斜しており、アンテナコイル20を薄膜形成した際に上面と底面との間でアンテナコイル20が断線しないようになっている。また、断面AおよびDに示すように、凹部12の底面とバンプ13aおよび13bの上面との間のアンテナコイル20が通る接続面も傾斜しており、同様に底面と上面との間でアンテナコイル20が断線しないようになっている。なお、アンテナコイル20の断線をより確実に防止するために、傾斜面の両端部を面取りして滑らかにしておくことが望ましい。
図6は、上記光ディスクの製造工程を説明するための上面図である。また、図7は、上記光ディスクの製造工程を説明するための図1のX1矢視から見た断面の拡大図である。
まず、光ディスク1のディスク基板10を、樹脂材料を用いて射出成形法で形成する。その際に、ICチップモジュール30を配設するための凹部12と、その凹部12の底面のバンプ13a,13bとを、これらに対応する形状を有するスタンパを用いて同時に形成する(ステップS11)。このディスク基板10の射出成形工程では、記録データ用スタンパを用意し、移動型側に凹部12を形成するための突起を設け、信号記録面とその裏側の凹部12とを同時に形成してもよい。また、凹部12をスタンパにより形成したディスク基板10に、後にあらためて別の樹脂を塗布し、その樹脂面にスタンパにより信号を記録してもよい。
まず、光ディスク1のディスク基板10を、樹脂材料を用いて射出成形法で形成する。その際に、ICチップモジュール30を配設するための凹部12と、その凹部12の底面のバンプ13a,13bとを、これらに対応する形状を有するスタンパを用いて同時に形成する(ステップS11)。このディスク基板10の射出成形工程では、記録データ用スタンパを用意し、移動型側に凹部12を形成するための突起を設け、信号記録面とその裏側の凹部12とを同時に形成してもよい。また、凹部12をスタンパにより形成したディスク基板10に、後にあらためて別の樹脂を塗布し、その樹脂面にスタンパにより信号を記録してもよい。
次に、そのディスク基板10上に、スパイラル状のアンテナコイル20をスパッタリング法や印刷法などにより薄膜形成する(ステップS12)。このアンテナコイル20はその端部20aおよび20bがバンプ13aおよび13b上に配置されるように位置合わせを行って形成され、これらのバンプ13aおよび13bの上面がバンプ電極となる。なお、アンテナコイル20の材料としては、Al、Agなどが用いられる。
また、上述したように、ディスク基板10の上面と凹部12の底面、および凹部12の底面とバンプ13aおよび13bとの間では、アンテナコイル20が通る部分を傾斜面により接続するようにしたので、アンテナコイル20を1回薄膜形成することで、上層と下層の各アンテナコイル20を断線することなく容易に接続させることができる。
なお、ICチップモジュール30を凹部12の内部に配設し、ディスク基板10の上面に突出しない構造としたことで、ディスク基板10上に形成する保護層の厚さ(例えばブルーレイディスクの場合)、あるいは貼り合わせる他方のディスク基板の厚さ(例えばDVDの場合)の増加が抑制され、光ディスク1の全体の厚さを既存の規格内に抑えることができる。また、ディスク基板10自体を薄くすることで光ディスク1の厚さを抑制することは可能であるが、その場合はディスク基板10の強度が低下するので、製造時にディスク基板10が破損する可能性が高まり、既存の光ディスクの製造ラインを変更する必要も生じる。従って、上記構成としたことで、製造時の安全性が高く、コスト増加が最小限に抑えられた薄型の光ディスク1が実現される。
次に、凹部12に異方導電性接着剤40を配設し、さらにその上からICチップモジュール30を接続端子31aおよび31bをそれぞれバンプ13aおよび13bの位置に合わせて配設し、加圧・加熱を行う(ステップS13−1)。これにより、ICチップモジュール30が凹部12の内部に接合されるが、凹部12の底面のうち、バンプ13aおよび13bの形成部にのみ加わる圧力が高くなるため、バンプ13aおよび13b上のアンテナコイル20の端部20aおよび20bと、ICチップモジュール30の接続端子31aおよび31bとがそれぞれ導通されて、その他の部分では絶縁状態が保持される(ステップS13−2)。以上の工程により、ICチップモジュール30とアンテナコイル20とが結線される。
ここで、ICチップを異方導電性接着剤を用いて接合する際には、従来はICチップモジュールやディスク基板の作成工程とは別にバンプ電極の形成工程が必要であった。これに対して、本実施の形態では、上述したようにディスク基板の射出成形と同時にディスク基板上にバンプを形成しておき、アンテナコイルをその端部がバンプ上で終端されるように形成することにより、バンプ電極を形成する工程が不要になる。従って、ICチップが搭載された光ディスクの製造効率を向上させ、その製造コストを減らすことができる。また、ICチップ側にバンプ電極を形成する必要がないので、ICチップの製品やメーカの選択の自由度が高くなる。
〔第1の実施の形態でのICチップモジュール形状例〕
ところで、上記の例では、ICチップモジュール30の各接続端子31aおよび31bを、対応するバンプ13aおよび13bに合わせた同程度の大きさとしていたが、必ずしも同程度の大きさである必要はなく、様々な使用のICチップモジュール30を使用することが可能である。
ところで、上記の例では、ICチップモジュール30の各接続端子31aおよび31bを、対応するバンプ13aおよび13bに合わせた同程度の大きさとしていたが、必ずしも同程度の大きさである必要はなく、様々な使用のICチップモジュール30を使用することが可能である。
図8は、ICチップモジュールの他の形状例と、ディスク基板への搭載例を示す図である。図8(A)はICチップモジュールの平面図、(B)はこのICチップモジュールをディスク基板へ搭載したときのディスク回転方向に沿って見た断面図(図1のX1矢視に対応)である。なお、図8では、図2や図7と対応する部分については同じ符号を付して示している。
図8(A)に示すICチップモジュール30aでは、ICチップ33の周囲を絶縁膜で覆わずに、接続端子31aおよび31bがICチップ33に直接接合されている。各接続端子31aおよび31bは、図8(B)に示すように、ディスク基板10上のバンプ13aおよび13bの上面より大きく形成されている。このような形状のICチップモジュール30を用いた場合でも、異方導電性接着剤40を介してICチップモジュール30aを凹部12内に加圧して加熱したときには、バンプ13aおよび13bの上部のみ導通がとられ、バンプ13aおよび13bの間に形成された2本のアンテナコイル20と各接続端子31aおよび31bとの絶縁状態は保たれる。
〔第1の実施の形態でのバンプ形状の変形例〕
ところで、凹部12内のバンプの形状は、上記の形状に限らない。バンプはディスク基板の射出成形時に形成するので、バンプの形状に対応するスタンパを用意しておくことで、様々な形状のバンプをコストを上昇させることなく大量に生産することが可能である。
ところで、凹部12内のバンプの形状は、上記の形状に限らない。バンプはディスク基板の射出成形時に形成するので、バンプの形状に対応するスタンパを用意しておくことで、様々な形状のバンプをコストを上昇させることなく大量に生産することが可能である。
図9は、バンプの他の形状例を示す斜視図である。また、図10は、図9(A)または(B)の場合の凹部をディスク回転方向に沿って見た断面図(図1のX1矢視に対応)である。さらに、図11は、図9(B)の場合の凹部をディスク半径方向に沿って見た断面図である。
なお、図9〜図11では、図3〜図5に対応する部分には同じ符号を付して示している。また、図11の断面A〜Dは、図1におけるA−A線、B−B線、C−C線、D−D線での断面にそれぞれ対応している。
図9(A)の例では、凹部12の底面のうち、ディスク外周方向および内周方向の側を一様に高くしてバンプ13aおよび13bとしている。また、図9(B)の例では、図10でも示したように、図9(A)におけるバンプ13aおよび13bのディスク回転方向側の端面のうち、アンテナコイル20が通らない側の端面が凹部12の底面と接続するようにしている。
これらの形状のバンプ13aおよび13bを形成した場合でも、その製造工程は図7の場合と同様である。すなわち、図10に示すように、上記形状のバンプ13aおよび13bを有するディスク基板10を、これらの反転形状が形成されたスタンパを用いて射出成形により同時に形成し(ステップS21)、そのディスク基板10上にアンテナコイル20を薄膜形成する(ステップS22)。このとき、バンプ13aおよび13b上に、アンテナコイル20の端部20aおよび20bが配置されるようにする。そして、凹部12内に異方導電性接着剤40を配設した後、その上にICチップモジュール30を配設して、加圧・加熱を行う(ステップS23−1)。これにより、バンプ13aおよび13bと、その上に配置されたICチップモジュール30の接続端子31aおよび31bとが、異方導電性接着剤40を介して電気的に接続される(ステップS23−2)。
図12は、バンプのさらに他の形状例を示す斜視図である。なお、図12では、図3に対応する部分には同じ符号を付して示している。
図12(A)の例では、バンプ13aおよび13bについて、アンテナコイル20が形成される方向に沿った部分のみ、凹部12の底面から突出させるようにしている。また、図12(B)の例では、図12(A)のバンプ13aおよび13bの形状からさらに、アンテナコイル20が通らない側の端面を凹部12の底面と接続させた形状としている。
図12(A)の例では、バンプ13aおよび13bについて、アンテナコイル20が形成される方向に沿った部分のみ、凹部12の底面から突出させるようにしている。また、図12(B)の例では、図12(A)のバンプ13aおよび13bの形状からさらに、アンテナコイル20が通らない側の端面を凹部12の底面と接続させた形状としている。
この図12や上述した図3〜図5の形状のように、ICチップ33側と導通させるべき範囲、すなわちアンテナコイル20の端部20aおよび20bが形成された範囲に、バンプ13aおよび13bの上面の大きさを合わせることにより、ICチップモジュール30を凹部12に加圧したときに、導通させるべき範囲に集中的に高い圧力が加わるようになり、この範囲のみ導通させて、その他の部分を確実に絶縁させておくことが可能となる。このような形状は特に、アンテナコイル20の間隔が狭い場合や、図8で示したようにバンプ13aおよび13bと比較してICチップモジュール30の接続端子31aおよび31bが大きく形成されている場合などに適している。
なお、凹部12の深さや、その底面からのバンプ13aおよび13bの高さなどは、ICチップモジュール30を凹部に配設した際に、導通部分と絶縁部分とで十分な圧力差が生じ、かつ、ICチップモジュール30がディスク基板10の上面に突出しないといった条件を満たすように決められる。例えば、ディスク基板10の上面からバンプ13aおよび13bの上面までの深さ(図11中のD1)は、現在の一般的なICチップモジュール30の厚さ(図11中のT1)を考慮して、100μm以上であることが望ましい。
一方、ディスク基板10の厚さ(図11中のT2)は、貼り合わせ方式のDVDの場合は片面で0.6mm、ブルーレイディスクの場合は1.1mmであり、貼り合わせ方式のDVDでは、強度などの観点から凹部12の深さ(図11中のD2)は400μm以下とすることが望ましい。さらに、アンテナコイル20の膜厚(図11中のT3)は、スパッタリング法で形成した場合は数十nm〜数百nm程度であるが、印刷法で形成した場合は数μm〜数十μmとなるので、上記各寸法を決定する際に考慮に入れる必要がある。
〔第2の実施の形態〕
図13は、第2の実施の形態に係る光ディスクの構成を示す図である。
この実施の形態では、図13に示すように、ディスク基板10上に円状のアンテナコイル21が薄膜状に形成され、このアンテナコイル21にICチップ33がベアチップで接続されている。ICチップ33は、ディスク基板10上に形成された凹部14に配設される。また、アンテナコイル21の一部は離間しており、その離間した両端部が凹部14内に形成されて、ICチップ33はアンテナコイル21の両端部と接続される。なお、このような1ターンのアンテナコイル21は、無線通信周波数帯域として短波帯(13.56MHzなど)を用いるICチップに適している。
図13は、第2の実施の形態に係る光ディスクの構成を示す図である。
この実施の形態では、図13に示すように、ディスク基板10上に円状のアンテナコイル21が薄膜状に形成され、このアンテナコイル21にICチップ33がベアチップで接続されている。ICチップ33は、ディスク基板10上に形成された凹部14に配設される。また、アンテナコイル21の一部は離間しており、その離間した両端部が凹部14内に形成されて、ICチップ33はアンテナコイル21の両端部と接続される。なお、このような1ターンのアンテナコイル21は、無線通信周波数帯域として短波帯(13.56MHzなど)を用いるICチップに適している。
図14は、図13のX2矢視から見た凹部の周辺の断面図である。また、図15は、図13のY2矢視から見た凹部の周辺の断面図である。
図14に示すように、凹部14の底面には、ディスク回転方向に離間した2つのバンプ15aおよび15bが形成されている。この例では、バンプ15aおよび15bのディスク回転方向の端部のうち、凹部14の外側方向については、ディスク基板10の表面と傾斜面で接続され、その接続面が滑らかな曲線になるような形状としている。また、図15に示すように、各バンプ15aおよび15b(図ではバンプ15bのみ表示)のディスク半径方向の端部は、凹部14の底面と垂直な側面により接続されている。このような凹部14およびバンプ15aおよび15bは、ディスク基板10の射出成形の際に同時に形成することができる。
図14に示すように、凹部14の底面には、ディスク回転方向に離間した2つのバンプ15aおよび15bが形成されている。この例では、バンプ15aおよび15bのディスク回転方向の端部のうち、凹部14の外側方向については、ディスク基板10の表面と傾斜面で接続され、その接続面が滑らかな曲線になるような形状としている。また、図15に示すように、各バンプ15aおよび15b(図ではバンプ15bのみ表示)のディスク半径方向の端部は、凹部14の底面と垂直な側面により接続されている。このような凹部14およびバンプ15aおよび15bは、ディスク基板10の射出成形の際に同時に形成することができる。
また、アンテナコイル21は、その離間した端部が各バンプ15aおよび15bの上面で終端されるように薄膜形成される。このようなアンテナコイル21は、スパッタリング法などにより一度に薄膜形成される。このとき、凹部14と各バンプ15aおよび15bとの間の傾斜した接続面上にアンテナコイル21が形成されるので、接続面での断線が防止される。
そして、それらのバンプ15aおよび15bの上に、ICチップ33の接続端子であるアルミ電極33aおよび33bがそれぞれ配置されるようにICチップ33が凹部14に配設され、異方導電性接着剤40を用いて接合されている。接合の際には、ICチップ33を異方導電性接着剤40を挟んで凹部14に加圧し、加熱することで、凹部14においては、バンプ15aおよび15bの上部に対してその他の部分より高い圧力がかかる。これにより、バンプ15aおよび15b上に形成されたアンテナコイル21の両端部のみがICチップ33のアルミ電極33aおよび33bと導通し、その他の部分では絶縁が保たれる。
従って、本実施の形態においても、バンプ15aおよび15bがディスク基板10の射出成形時に同時に形成され、その後にアンテナコイル21を形成することによりバンプ15aおよび15b上に電極を形成できるので、ICチップ33側あるいはディスク基板10側にバンプ電極を形成する工程が不要となり、製造効率が向上され、その製造コストが低減される。また、各バンプ15aおよび15bの間や、ICチップ33のアルミ電極33aおよび33bの間をそれぞれ十分離間させておくことにより、アルミ電極33aおよび33bの間を絶縁膜で被膜する必要がなくなり、ICチップ33をそのまま光ディスク1に搭載することが可能であるため、ICチップを搭載した光ディスクの製造コストが低減できる。
なお、本実施の形態においても、ICチップ33をベアチップの状態でなく、ICチップモジュールの状態で搭載するようにしてもよい。この場合例えば、ICチップモジュールの両端の接続端子の間が離間されてさえいれば、接続端子の大きさとバンプ15aおよび15bの大きさとを厳密に合わせる必要がなくなるといった利点がある。
また、上記の例では、図15に示したように、ディスク半径方向のバンプ15aおよび15bの幅をアンテナコイル21の両端部の幅とほぼ同一とし、幅方向の両側に溝が形成された構成としている。これは、バンプ15aおよび15b上のアンテナコイル21がバンプ電極として機能して、ICチップ33の圧着時にその圧力が導通すべき部分に十分にかかるようにするためである。
圧着時に導通部分に十分な圧力がかかるならば、ディスク半径方向についてはバンプ15aおよび15bの幅を広げて、バンプ15aおよび15bの両端部が凹部14の側壁と溝を介さずに直接接続するようにしてもよい。逆に、圧着時になお十分な圧力がかからないならば、バンプ15aおよび15bのディスク回転方向の端部のうち凹部14の外側の部分を、ディスク基板10の上面でなく凹部14の底面と傾斜面により接続させて、この間に窪みを形成するようにし、アンテナコイル21とアルミ電極33aおよび33bとの接触面積を少なくすることによって十分な圧力がかかるようにしてもよい。
さらに、本実施の形態の光ディスクの製造方法は、1ターンアンテナに限らず、例えば円弧状あるいはスパイラル状の形状を有して、その途中の一部が離間されたアンテナコイルに対して、アンテナコイルの離間部にICチップを接合する場合にも有効である。
〔第3の実施の形態〕
図16は、第3の実施の形態に係る光ディスクの製造工程を説明するための断面図である。なお、この断面図は、図1のX1矢視から見た場合に対応している。
図16は、第3の実施の形態に係る光ディスクの製造工程を説明するための断面図である。なお、この断面図は、図1のX1矢視から見た場合に対応している。
この実施の形態では、ACFなどの異方導電性接着剤を使わずに、ディスク基板上に形成したバンプ電極を、ICチップモジュールの塑性材料からなる接続端子に刺すことで、ICチップとディスク基板上のアンテナコイルとを接続させる。
図16に示すように、まず、樹脂製のディスク基板10を射出成形する際に、凹部12と、その底面にバンプ16aおよび16bを形成する。そのとき、バンプ16aおよび16bは鋭利な形状にする(ステップS31)。なお、凹部12は、図1と同様に長手方向がディスク半径方向となるようにする。
次に、ディスク基板10の上にアンテナコイル20を薄膜形成する。アンテナコイル20の形状も図1と同様とし、このとき、アンテナコイル20の端部20aおよび20bが、バンプ16aおよび16bの上にそれぞれ重なるように位置合わせを行う(ステップS32)。
次に、ICチップモジュール30bを凹部12の底面に圧着する。ここで、ICチップモジュール30bの各接続端子31aおよび31bには、あらかじめ印刷電極34aおよび34bを形成しておき、それら印刷電極34aおよび34bがバンプ16aおよび16bの上に重なるように配置する(ステップS33)。そして、ICチップモジュール30bを凹部12の底面に押圧する。印刷電極34aおよび34bは比較的柔らかい材質であるので、押圧により鋭利なバンプ16aおよび16bの先端が印刷電極34aおよび34bに刺さる(ステップS34)。これにより、ICチップモジュール30bがディスク基板10に接合されるとともに、バンプ16aおよび16b上のアンテナコイル20の端部が、それぞれ印刷電極34aおよび34bと接続し、ICチップが配線される。
その後、信頼性を確保するために、ICチップモジュール30bと凹部12の底面との隙間に絶縁性のアンダフィル物質41を充填する(ステップS35)。
この実施の形態においても、ディスク基板10の射出成形と同時にバンプ16aおよび16bを形成し、そのバンプ16aおよび16bの上に重なるようにアンテナコイル20を薄膜形成することによって、アンテナコイル20の端点がバンプ電極となるので、バンプ電極を形成する工程が不要となり、ICチップを搭載した光ディスクの製造コストを低減できる。さらに、異方導電性接着剤を使用しないので、接合時に加熱する必要がなくなり、ICチップや樹脂製のディスク基板10に加熱による悪影響を与えることがなくなる。
この実施の形態においても、ディスク基板10の射出成形と同時にバンプ16aおよび16bを形成し、そのバンプ16aおよび16bの上に重なるようにアンテナコイル20を薄膜形成することによって、アンテナコイル20の端点がバンプ電極となるので、バンプ電極を形成する工程が不要となり、ICチップを搭載した光ディスクの製造コストを低減できる。さらに、異方導電性接着剤を使用しないので、接合時に加熱する必要がなくなり、ICチップや樹脂製のディスク基板10に加熱による悪影響を与えることがなくなる。
なお、バンプ電極と接合するためにICチップモジュール30bに設ける電極は、バンプ電極が刺さって固定されれば、例えば粘性のあるペースト状の材料などを用いて形成してもよい。また、同様にディスク基板10側に形成するバンプ16aおよび16bの形状も、ICチップモジュール30b側の電極と接合できればどのような形状でもよく、また射出成形により様々な形状のバンプ16aおよび16bを容易に大量生産することができる。
また、以上の各実施の形態では、バンプをディスク基板上の凹部の底面に形成した例を示したが、ディスク基板の上面にバンプを形成してもよい。例えば、ブルーレイディスクでは、ディスク基板の厚さが1.1mmと比較的厚いため、製造時の安全性を確保できる程度に規格より薄いディスク基板を形成し、このディスク基板上にバンプを形成してICチップを接合した後、その上面にさらにカバー層を形成して、全体の厚さが規格通りになるようにしてもよい。また、貼り合わせ方式のDVDの場合でも、0.6mmの一方のディスク基板の貼り合わせ面上にバンプを形成してICチップを接合し、他方のディスク基板の貼り合わせ面に凹部を形成しておいて、凹部内にICチップが収容されるようにしてもよい。
さらに、本発明はブルーレイディスクやDVDに限らず、CD(Compact Disc)などの様々な光ディスクに適用することが可能である。また、上記各実施の形態では、アンテナコイルを信号記録面の裏面全体に設けたが、例えば信号記録領域と中心孔との間の領域にアンテナコイルを設けた場合にも、本発明を適用することが可能である。
1……光ディスク、10……ディスク基板、11……中心孔、12……凹部、13a,13b……バンプ、20……アンテナコイル、20a,20b……端部、30……ICチップモジュール、31a,31b……接続端子、32……絶縁部、40……異方導電性接着剤
Claims (22)
- ICチップが搭載された光ディスクの製造方法において、
前記ICチップが具備する接続端子の配設位置に対応するバンプを表面に設けた前記光ディスクのディスク基板を、樹脂材料を用いて射出成形により形成する基板形成工程と、
前記ICチップの配線用の配線パターンを、その一部が前記バンプ上に重なって配置されるように前記ディスク基板の表面に薄膜形成するパターン形成工程と、
前記接続端子が対応する前記バンプ上に配置されるように、前記ICチップを異方導電性接着剤を介して前記ディスク基板に圧着して接合する接合工程と、
を含むことを特徴とする光ディスクの製造方法。 - 前記基板形成工程では、前記バンプの上面と前記ディスク基板の表面との間が傾斜面により接続されるように前記ディスク基板を形成することを特徴とする請求項1記載の光ディスクの製造方法。
- 前記基板形成工程では、前記ディスク基板の表面に凹部を形成して、前記凹部の底面に前記バンプを形成し、
前記接合工程では、前記ICチップを前記凹部の内部に前記異方導電性接着剤を介して配設して圧着することを特徴とする請求項1記載の光ディスクの製造方法。 - 前記基板形成工程では、前記バンプの上面と前記ディスク基板の表面との間が傾斜面に接続されるようにし、
前記パターン形成工程では、前記ディスク基板の表面から前記傾斜面を通って前記バンプの上面に達するように前記配線パターンを形成する、
ことを特徴とする請求項3記載の光ディスクの製造方法。 - 前記基板形成工程では、前記ディスク基板の表面と前記凹部の底面、および前記凹部の底面と前記バンプの上面との間が、それぞれ第1および第2の傾斜面を通って接続されるようにし、
前記パターン形成工程では、前記ディスク基板の表面から前記第1および第2の傾斜面を通って前記バンプの上面に達するように前記配線パターンを形成する、
ことを特徴とする請求項3記載の光ディスクの製造方法。 - 前記基板形成工程では、前記ディスク基板の中心と外周部との間に2つの前記バンプをディスク半径方向に離間して形成し、
前記パターン形成工程では、前記配線パターンとしてスパイラル状のアンテナパターンを、その両端部がそれぞれ一方の前記バンプの上面に配置されるように形成し、
前記接合工程では、前記ICチップが具備する離間した2つの前記接続端子をそれぞれ2つの前記バンプ上に配置する、
ことを特徴とする請求項1記載の光ディスクの製造方法。 - 前記接合工程では、離間した2つの前記接続端子の間を絶縁材料によって被膜し、前記絶縁材料の内部に前記ICチップを設けたICチップモジュールを前記ディスク基板の表面に接合することで、2つの前記バンプ上の前記アンテナパターンと前記各接続端子との間を接続することを特徴とする請求項6記載の光ディスクの製造方法。
- 前記基板形成工程では、前記ディスク基板の表面に凹部を形成して、前記凹部の底面に2つの前記バンプを形成し、
前記接合工程では、前記ICチップを前記凹部の内部に前記異方導電性接着剤を介して配設して圧着する、
ことを特徴とする請求項6記載の光ディスクの製造方法。 - 前記基板形成工程では、前記ディスク基板の表面に2つの前記バンプをそれぞれ中心から略同じ距離に離間して形成し、
前記パターン形成工程では、前記配線パターンとして、円状、円弧状、またはスパイラル状のいずれかの形状であってその一部が離間した形状のアンテナパターンを、離間部の両端がそれぞれ2つの前記バンプの上面に配置されるように形成し、
前記接合工程では、前記ICチップが具備する離間した2つの前記接続端子をそれぞれ2つの前記バンプ上に配置する、
ことを特徴とする請求項1記載の光ディスクの製造方法。 - 前記基板形成工程では、前記ディスク基板の表面に凹部を形成して、前記凹部の底面に2つの前記バンプを形成し、
前記接合工程では、前記ICチップを前記凹部の内部に前記異方導電性接着剤を介して配設して圧着する、
ことを特徴とする請求項9記載の光ディスクの製造方法。 - ICチップが搭載された光ディスクの製造方法において、
前記ICチップが具備する接続端子の配設位置に対応するバンプを表面に設けた前記光ディスクのディスク基板を、樹脂材料を用いて射出成形により形成する基板形成工程と、
前記ICチップの配線用の配線パターンを、その一部が前記バンプ上に重なって配置されるように前記ディスク基板の表面に薄膜形成するパターン形成工程と、
塑性材料を用いた前記接続端子を具備する前記ICチップを、前記接続端子が対応する前記バンプ上に配置されるように前記ディスク基板に圧着し、前記バンプを前記接続端子に刺すことで前記ICチップと前記ディスク基板とを接合する接合工程と、
を含むことを特徴とする光ディスクの製造方法。 - 塑性材料による前記接続端子は印刷によって形成された印刷電極であることを特徴とする請求項11記載の光ディスクの製造方法。
- 前記基板形成工程では、前記ディスク基板の表面に凹部を形成して、前記凹部の底面に2つの前記バンプを形成し、
前記接合工程では、前記ICチップを前記凹部の内部に配設して圧着する、
ことを特徴とする請求項11記載の光ディスクの製造方法。 - ICチップが搭載された光ディスクにおいて、
前記ICチップが具備する接続端子の配設位置に対応するバンプが表面に設けられた、射出成形により形成された樹脂製のディスク基板と、
その一部が前記バンプ上に重なるように前記ディスク基板の表面に薄膜形成された前記ICチップの配線用の配線パターンと、
を有し、
前記接続端子が対応する前記バンプ上に配置されるように、前記ICチップが異方導電性接着剤を介して前記ディスク基板に接合されたことを特徴とする光ディスク。 - 前記バンプの上面と前記ディスク基板の表面との間が傾斜面により接続され、前記配線パターンが前記ディスク基板の表面から前記傾斜面を通って前記バンプの上面に達するように形成されたことを特徴とする請求項14記載の光ディスク。
- 前記ディスク基板の表面には凹部が形成され、前記凹部の底面に2つの前記バンプが形成されており、
前記ICチップは、前記凹部の内部に前記異方導電性接着剤を介して配設されたことを特徴とする請求項14記載の光ディスク。 - 前記ディスク基板の中心と外周部との間に2つの前記バンプがディスク半径方向に離間して形成され、
前記配線パターンとしてスパイラル状のアンテナパターンが、その両端部がそれぞれ一方の前記バンプの上面に配置されるように形成され、
前記ICチップが具備する離間した2つの前記接続端子がそれぞれ2つの前記バンプ上に配置されたことを特徴とする請求項14記載の光ディスク。 - 前記ディスク基板の表面に2つの前記バンプがそれぞれ中心から略同じ距離に離間して形成され、
前記配線パターンとして、円状、円弧状、またはスパイラル状のいずれかの形状であってその一部が離間した形状のアンテナパターンが、離間部の両端がそれぞれ2つの前記バンプの上面に配置されるように形成され、
前記ICチップが具備する離間した2つの前記接続端子がそれぞれ2つの前記バンプ上に配置されたことを特徴とする請求項14記載の光ディスク。 - ICチップが搭載された光ディスクにおいて、
前記ICチップが具備する接続端子の配設位置に対応するバンプが表面に設けられた、射出成形により形成された樹脂製のディスク基板と、
その一部が前記バンプ上に重なるように前記ディスク基板の表面に薄膜形成された前記ICチップの配線用の配線パターンと、
を有し、
塑性材料を用いた前記接続端子を具備する前記ICチップが、前記接続端子が対応する前記バンプ上に配置されるように前記ディスク基板に圧着され、前記バンプが前記接続端子に刺さることで前記ICチップと前記ディスク基板とが接合されたことを特徴とする光ディスク。 - 塑性材料による前記接続端子は印刷によって形成された印刷電極であることを特徴とする請求項19記載の光ディスク。
- 前記ディスク基板の表面には凹部が形成され、前記凹部の底面に2つの前記バンプが形成されており、
前記ICチップは、前記凹部の内部に配設されたことを特徴とする請求項19記載の光ディスク。 - ICチップが搭載された光ディスクの樹脂製のディスク基板を射出成形により形成する際に用いる光ディスク製造用スタンパにおいて、
前記ICチップが具備する接続端子の配設位置に対応するバンプを前記ディスク基板の表面に転写するための凹部を有することを特徴とする光ディスク製造用スタンパ。
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