JP2006152025A - 脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂組成物 - Google Patents

脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】剛性と機械的強度のバランス、耐侯性、及び耐加水分解性に優れた脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂組成物を提供する。
【解決手段】脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂(A)100重量部に対して、ヒンダードアミン構造を2個以上有するヒンダードアミン系光安定剤(B)を0.001〜2重量部、カルボジイミド系化合物(D)を0.01〜10重量部、充填材(E)を1〜50重量部、及び好ましくは紫外線吸収剤(C)を0.001〜2重量部の割合で含有してなる脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂組成物に関し、更に詳しくは、剛性と機械的強度のバランス、耐侯性、及び耐加水分解性に優れた脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂組成物に関する。
従来より、脂肪族或いは脂環式ジオール成分と脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸成分とに由来する構成繰返し単位から主としてなる重縮合体或いは共重縮合体、ヒドロキシカルボン酸成分に由来する構成繰返し単位から主としてなる重縮合体或いは共重縮合体、ラクトン成分又は/及びラクチド成分に由来する構成繰返し単位から主としてなる重縮合体或いは共重縮合体等の脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂は、生分解生を付与できるプラスチックとして注目され、フィルム、シート、容器、繊維等の成形体として各種包装資材、農業資材、漁業資材、家電部品、自動車部品等に使用され、或いはその使用が試みられている。
しかしながら、それら各用途においては、廃棄処理の段階では容易に生分解できることが要求されるものの、使用中においては、剛性と機械的強度のバランスはもとより、耐侯性や耐加水分解性等を有することが要求されるのに対して、生分解性に優れる前述の脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂は、耐侯性や耐加水分解性等の長期性能が必ずしも十分と言えるものではなかった。
一方、脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂に耐加水分解性を付与する方法として、カルボジイミド系化合物を添加する方法が知られている(例えば、特許文献1等参照。)。又、耐侯性を付与する方法として、脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂に対して、紫外線吸収剤、無機フィラー、及びヒンダードアミン系光安定剤を添加した樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献2等参照。)が、本発明者の検討によると、そこに開示される樹脂組成物は、剛性と機械的強度のバランス、及び耐侯性等が総合的にみて未だ十分とは言えないことが判明した。
特開2003−3052号公報。 特開2003−147096号公報。
本発明は前述の従来技術に鑑みてなされたもので、従って、本発明は、剛性と機械的強度のバランス、耐侯性、及び耐加水分解性に優れた脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂において、無機フィラーと共に特定のヒンダードアミン系光安定剤を用いることにより、カルボジイミド系化合物との併用系において、前記課題を解決できることを見出し本発明に到達したものであり、従って、本発明は、脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂(A)100重量部に対して、ヒンダードアミン構造を2個以上有するヒンダードアミン系光安定剤(B)を0.001〜2重量部、カルボジイミド系化合物(D)を0.01〜10重量部、及び充填材(E)を1〜50重量部の割合で含有してなる脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂組成物、を要旨とする。
本発明によれば、剛性と機械的強度のバランス、耐侯性、及び耐加水分解性に優れた脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂組成物を提供することができる。
本発明の脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂組成物を構成する脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂(A)としては、脂肪族或いは脂環式ジオール成分と脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸成分とに由来する構成繰返し単位から主としてなる重縮合体及び共重縮合体、脂肪族或いは脂環式ヒドロキシカルボン酸成分に由来する構成繰返し単位から主としてなる重縮合体及び共重縮合体、ラクトン成分又は/及びラクチド成分に由来する構成繰返し単位から主としてなる重縮合体及び共重縮合体等が挙げられる。
尚、ここで、その脂肪族或いは脂環式ジオール成分としては、具体的には、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられ、これらの中で、炭素数が3〜10であるのが好ましく、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が更に好ましく、1,4−ブタンジオールが特に好ましい。尚、これらは2種以上が併用されていてもよい。
又、その脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸成分としては、具体的には、例えば、蓚酸、マロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸、ドデカジカルボン酸、ダイマー酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、及び、これらジカルボン酸の炭素数1〜4程度のアルキルエステル、無水物等のエステル形成性誘導体等が挙げられ、これらの中で、炭素数が4〜12であるのが好ましく、琥珀酸、アジピン酸、セバシン酸、及び、これらジカルボン酸のアルキルエステル、無水物等が更に好ましく、琥珀酸、アジピン酸、及び、これらのアルキルエステル、無水物等が特に好ましい。尚、これらは2種以上が併用されていてもよい。
又、その脂肪族或いは脂環式ヒドロキシカルボン酸成分としては、例えば、グリコール酸、乳酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−n−酪酸、3−ヒドロキシ−n−酪酸、4−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−n−吉草酸、3−ヒドロキシ−n−吉草酸、4−ヒドロキシ−n−吉草酸、5−ヒドロキシ−n−吉草酸、2−ヒドロキシ−n−ヘキサン酸、3−ヒドロキシ−n−ヘキサン酸、4−ヒドロキシ−n−ヘキサン酸、5−ヒドロキシ−n−ヘキサン酸、6−ヒドロキシ−n−ヘキサン酸、1−ヒドロキシ−1−シクロプロパンカルボン酸、2−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、3−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、及びこれらのヒドロキシカルボン酸の炭素数1〜4程度のアルキルエステル、分子内エステル等が挙げられ、又、これらに光学異性体が存在する場合には、D体、L体、又はラセミ体のいずれであってもよい。これらの中で、グリコール酸、乳酸が特に好ましい。尚、これらは2種以上が併用されていてもよい。
又、そのラクトン成分としては、例えば、プロピオラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン、ラウロラクトン等が、又、ラクチド成分としては、例えば、前記ヒドロキシカルボン酸の環状多量体等が、それぞれ挙げられ、これらは2種以上が併用されていてもよい。
又、これらの脂肪族或いは脂環式ポリエステル樹脂は、共重縮合成分として、例えば、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン等の芳香族ジオール、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、ヒドロキシ安息香酸等の芳香族オキシカルボン酸、及び、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ヒドロキシイソフタル酸、ヒドロキシテレフタル酸、没食子酸、或いはそれらの無水物等の芳香族多価カルボン酸或いはその無水物等の芳香族化合物に由来する構成繰返し単位、又は、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール等の3官能以上の脂肪族或いは脂環式多価アルコール、トリカルバリル酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、或いはそれらの無水物等の3官能以上の脂肪族或いは脂環式多価カルボン酸或いはその無水物、及び、林檎酸、ヒドロキシグルタル酸、ヒドロキシメチルグルタル酸、酒石酸、枸櫞酸等の3官能以上の脂肪族或いは脂環式ヒドロキシカルボン酸等に由来する構成繰返し単位を、5モル%以下の割合で、好ましくは2.5モル%以下の割合で含んでいてもよい。これらの中で、林檎酸、ヒドロキシグルタル酸、ヒドロキシメチルグルタル酸、酒石酸、枸櫞酸等の3官能以上の脂肪族ヒドロキシカルボン酸が好ましく、林檎酸、酒石酸、枸櫞酸が特に好ましい。
これらの脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂の中で、本発明においては、脂肪族或いは脂環式ジオール成分と脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸成分とに由来する構成繰返し単位から主としてなる重縮合体及び共重縮合体が好ましく、これらのジオール成分とジカルボン酸成分から主としてなり、脂肪族或いは脂環式ヒドロキシカルボン酸成分に由来する構成繰返し単位を、0.001モル%以上、更には0.01モル%以上、特には0.1モル%以上、又、30モル%以下、更には20モル%以下、特には10モル%以下、の割合で含有するのが好ましい。
脂肪族或いは脂環式ジオール成分と脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸成分とに由来する構成繰返し単位から主としてなる重縮合体及び共重縮合体は、前記脂肪族或いは脂環式ジオール成分と前記脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸成分とを、必要に応じて用いられる前記共重縮合成分と共に、エステル化反応或いはエステル交換反応を経て、無溶媒下、減圧下で溶融重縮合させる溶融重縮合法、又は、有機溶媒を用いた溶液加熱脱水重縮合法等の公知の方法で製造されるが、経済性及び製造工程の簡略性等の点から、溶融重縮合法によるのが好ましい。
即ち、前記脂肪族或いは脂環式ジオール成分と、前記脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸成分、必要に応じて用いられる前記共重縮合成分とを、攪拌下に混合して、常圧〜加圧下、加熱下で、エステル化反応させ、或いは、エステル交換触媒の存在下にエステル交換反応させた後、得られたエステル化反応生成物、或いはエステル交換反応生成物としてのポリエステル低分子量体を、好ましくは重縮合触媒の存在下に、常圧から漸次減圧としての減圧下、加熱下で、溶融重縮合させる。
その際、前記脂肪族或いは脂環式ジオール成分と前記脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸成分との使用割合は、後者のジカルボン酸成分1モルに対して、前者のジオール成分を通常0.8〜1.5モル、好ましくは0.9〜1.3モル、更に好ましくは0.9〜1.2モルの範囲とし、又、共重縮合成分として好ましいとするヒドロキシカルボン酸成分の使用割合は、全成分に対して、0.001〜30モル%とするのが好ましく、0.01〜20モル%とするのが更に好ましく、0.1〜10モル%とするのが特に好ましい。
又、エステル化反応或いはエステル交換反応は、通常150〜260℃程度、好ましくは180〜250℃程度の温度、通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で、通常、常圧〜10kPaの圧力下、好ましくは常圧下で、通常1〜10時間程度、好ましくは1〜4時間程度の時間でなされる。
又、溶融重縮合は、好ましくは重縮合触媒の存在下、通常150〜260℃程度、好ましくは180〜250℃程度の温度、通常10〜1,400Pa程度、好ましくは10〜400Pa程度の減圧下で、通常2〜15時間程度、好ましくは2〜10時間程度の時間でなされる。
又、溶融重縮合における重縮合触媒としては、ポリエステルの重縮合触媒として従来より慣用されている触媒、一般的には、周期表で、水素、炭素を除く1族〜14族金属元素、具体的には、例えば、チタン、ジルコニウム、錫、アンチモン、セリウム、ゲルマニウム、亜鉛、コバルト、マンガン、鉄、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、ナトリウム、及びカリウムからなる群から選ばれた1種以上の金属元素の、カルボン酸塩、アルコキシ塩、有機スルホン酸塩、β−ジケトナート塩等の有機化合物、並びに、酸化物、ハロゲン化物等の無機化合物、及びこれらの混合物等が挙げられる。
これらの中では、チタン、ジルコニウム、ゲルマニウム、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、又はカルシウムのいずれかの金属元素を含む化合物、及びそれらの混合物が好ましく、その中でも、特に、チタン化合物、ゲルマニウム化合物が好ましい。尚、触媒は、溶媒に溶解させた溶液として用いるか、エステル低重合体やポリエステルに溶解させて用いるのが、重合速度の面から好ましい。
これらの重縮合触媒の添加量は、生成するポリエステル系樹脂に対する金属量として、通常5〜30,000ppm、好ましくは10〜1,000ppm、更に好ましくは10〜250ppm、特に好ましくは10〜130ppmである。使用する触媒量が多すぎると、経済的に不利であるばかりでなく、得られるポリマーの熱安定性が低下する傾向となり、少なすぎると、重合活性が低くなり、それに伴いポリマー製造中にポリマーの分解が誘発され易い傾向なる。尚、重縮合触媒の添加時期は、重縮合反応以前であれば特に限定されず、原料仕込み時に添加しておいてもよく、減圧開始時に添加してもよい。
尚、本発明において、前記脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂を製造する反応装置としては、公知の縦型或いは横型撹拌槽型反応器を用いることができる。例えば、溶融重縮合を同一又は異なる反応装置を用いて、エステル化或いはエステル交換の工程と減圧重縮合の工程の2段階で行い、減圧重縮合の反応器としては、真空ポンプと反応器を結ぶ減圧用排気管を具備した攪拌槽型反応器を使用する方法が挙げられる。又、真空ポンプと反応器とを結ぶ減圧用排気管の間には、凝縮器が結合されており、該凝縮器にて重縮合反応中に生成する揮発成分や未反応モノマーが回収される方法が好んで用いられる。
本発明において、前記脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂は、実用上十分な機械的強度を得るため、フェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)混合溶媒にて30℃で測定した還元粘度(ηsp/C)が、通常1.5以上であり、1.6以上であるのが好ましく、1.7以上であるのが特に好ましい。又、ポリエステル系樹脂の重縮合反応後の反応装置からの抜き出し易さ、及び成形のし易さ等の点から、通常6.0以下であり、5.0以下であるのが好ましく、4.0以下であるのが特に好ましい。
尚、本発明において、前記脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂としては、前記還元粘度の範囲とするために、例えば、前記脂肪族或いは脂環式ジオール成分と前記脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸成分とに由来する構成繰返し単位から主としてなる重縮合体或いは共重縮合体に、前記脂肪族或いは脂環式オキシカルボン酸に由来する構成繰返し単位を含ませることにより高分子量化する方法、又は、末端が実質的にヒドロキシル基であるポリエステルジオールに、その溶融状態でカップリング剤としてのイソシアナート化合物を添加してウレタン結合により高分子量化する方法、その他、アミド結合、カーボネート結合、エーテル結合等により高分子量化する方法等が採られていてもよい。
又、前記脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂は、結晶化速度が高いものであり、示差走査熱量計において10℃/分で冷却した際の結晶化に基づく発熱ピークの半値幅が、通常15℃以下であり、10℃以下であるのが好ましく、8℃以下であるのが特に好ましい。
又、前記脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂は、190℃、21.18Nで測定したメルトフローレートが、通常0.1g/10分以上であり、100g/10分以下であるのが好ましく、50g/10分以下であるのが更に好ましく、30g/10分以下であるのが特に好ましい。
本発明の脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂組成物を構成するヒンダードアミン系光安定剤(B)は、ヒンダードアミン構造を2個以上有することを必須とし、ヒンダードアミン構造を1個しか有さないヒンダードアミン系光安定剤では、本発明の効果を得ることができない。
ここで、ヒンダードアミン構造としては、ピペリジンの2位と6位の炭素原子に結合する4個の水素原子がアルキル基、好ましくは炭素数が1〜4の直鎖状のアルキル基、特に好ましくはメチル基で置換された構造を有し、本発明におけるヒンダードアミン系光安定剤としては、下記一般式(I) で表される部分構造を有する化合物であるのが好ましい。
Figure 2006152025
〔式(I) 中、R1 はアルキル基、アルコキシ基、アシル基、又は水素原子を示す。〕
ここで、R1 のアルキル基、及びアシル基としては、炭素数が1〜4のものが好ましく、アルコキシ基としては、炭素数が1〜8のものが好ましい。尚、これらは更に置換基を有していてもよい。
前記一般式(I) で表される部分構造を2個以上有するヒンダードアミン系光安定剤(B)としては、具体的には、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−n−ブチル−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)マロネート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−n−ブチル−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)マロネート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチル−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)マロネート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチル−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)マロネート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ミックスド(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル/トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ミックスド(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ミックスド{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル/β,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−〔2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン〕ジエチル}−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ミックスド{1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/β,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−〔2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン〕ジエチル}−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,2‐ビス(3‐オキソ‐2,2,6,6‐テトラメチル−4−ピペリジル)エタン、1−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)ペンタン、ポリ〔1−オキシエチレン(2,2,6,6−テトラメチル−1,4−ピペリジル)オキシスクシニル〕、ポリ〔2−(1,1,4−トリメチルブチルイミノ)−4,6−トリアジンジイル−(2,2,6,6‐テトラメチル−4−ピペリジル)イミノヘキサメチレン−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕、N,N′−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス〔N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ〕−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物及びそのN−メチル化合物、琥珀酸と1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの重縮合物等が挙げられる。これらの中で、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチル−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)マロネートが特に好ましい。
本発明の脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂組成物において、前記ヒンダートアミン系光安定剤(B)の含有量は、前記脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂(A)100重量部に対して、0.001重量部以上であることを必須とし、0.005重量部以上であるのが好ましく、0.01重量部以上であるのが特に好ましい。又、2重量部以下であることを必須とし、1重量部以下であるのが好ましく、0.5重量部以下であるのが特に好ましい。ヒンダードアミン系光安定剤(B)の含有量が前記範囲未満では、組成物としての耐侯性が劣ることとなり、一方、前記範囲超過では、ブリードアウトにより組成物の成形体としての表面外観が不良となる。
本発明の脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂組成物は、耐侯性の付与を目的として含有する前記ヒンダードアミン系光安定剤(B)に加えて、更に、紫外線吸収剤(C)を含有するのが好ましい。その紫外線吸収剤(C)としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤の中で、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましく、具体的には、例えば、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5−t−オクチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシ−フェノール、メチル−3−〔3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イン)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネートとポリエチレングリコールとの縮合物等が挙げられる。これらの中で、2−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α、α−ジメチルベンジル)フェニル] −2H−ベンゾトリアゾール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシ−フェノールが特に好ましい。
本発明の脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂組成物において、前記紫外線吸収剤(C)の含有量は、前記脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂(A)100重量部に対して、0.001重量部以上であるのが好ましく、0.005重量部以上であるのが更に好ましく、0.01重量部以上であるのが特に好ましい。又、2重量部以下であるのが好ましく、1重量部以下であるのが更に好ましく、0.5重量部以下であるのが特に好ましい。紫外線吸収剤(B)の含有量が前記範囲未満では、組成物としての耐侯性が劣る傾向となり、一方、前記範囲超過では、ブリードアウトにより組成物の成形体としての表面外観が不良となる傾向となる。
本発明の脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂組成物を構成するカルボジイミド系化合物(D)は、分子中に1個以上のカルボジイミド基を有する化合物であり、このようなカルボジイミド化合物は、例えば触媒として有機燐系化合物又は有機金属化合物を用い、イソシアネート化合物を70℃以上の温度で、無溶媒又は不活性溶媒中で脱炭酸縮合反応させることにより合成することができる。
本発明において、カルボジイミド系化合物(D)としては、具体的には、例えば、ジメチルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジ−t−ブチルカルボジイミド、t−ブチルイソプロピルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、ジ−β−ナフチルカルボジイミド等のモノカルボジイミド化合物、並びに、例えば米国特許第2941956号明細書、特公昭47−33279号公報、J.Org.Chem.28巻、p2069−2075(1963)、及びChemical Review 1981、81巻、第4号、p.619−621等に記載された方法により製造されるポリカルボジイミド化合物等が挙げられる。これらの中で、工業的に入手が容易である等の点で、ジイソプロピルカルボジイミドやジシクロヘキシルカルボジイミド、及び、ポリカルボジイミド等が好ましい。
尚、ポリカルボジイミド化合物の製造原料である有機ジイソシアネートとしては、具体的には、例えば、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートの混合物、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,6−ジイソプロピルフェニルイソシアネート、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン−2,4−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート、及び、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、並びにこれらの混合物等を挙げることができる。又、これらのポリカルボジイミド化合物の合成時には、モノイソシアネートやその他の末端イソシアネート基と反応可能な活性水素含有化合物を用いて、所望の重合度に制御することもでき、このような目的に用いられる化合物としては、フェニルイソシアネート、トリルイソシアネート、ジメチルフェニルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ナフチルイソシアネート等のモノイソシアネート化合物、メタノール、エタノール、フェノール、シクロヘキサノール、N−メチルエタノールアミン、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル等の水酸基含有化合物、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、β−ナフチルアミン、シクロヘキシルアミン等のアミノ基含有化合物、コハク酸、安息香酸、シクロヘキサン酸等のカルボキシル基含有化合物、エチルメルカプタン、アリルメルカプタン、チオフェノール等のメルカプト基含有化合物、及び種々のエポキシ基含有化合物等を例示することができる。
本発明におけるカルボジイミド系化合物としては、ポリカルボジイミド化合物が好ましく、その重合度は、2以上であるのが好ましく、4以上であるのが更に好ましく、又、40以下であるのが好ましく、20以下であるのが更に好ましい。この重合度が大きすぎると組成物中における分散性が不十分となり、例えばフィルムにおいて外観不良の原因になったりする。
尚、有機ジイソシアネートの脱炭酸縮合反応に用いられるカルボジイミド化触媒としては、有機燐系化合物や一般式M(OR)n で示される有機金属化合物(但し、Mは、チタン、ナトリウム、カリウム、バナジウム、タングステン、ハフニウム、ジルコニウム、鉛、マンガン、ニッケル、カルシウム、バリウム等の金属原子を、Rは炭素原子数1〜20のアルキル基、又は炭素原子数6〜20のアリール基を示し、nは金属原子Mが取り得る原子価を示す。)が好適である。その有機燐系化合物では、例えば、3−メチル−1−フェニル−2−ホスフォレン−1−オキシド、3−メチル−1−エチル−2−ホスフォレン−1−オキシド、1,3−ジメチル−2−ホスフォレン−1−オキシド、1−フェニル−2−ホスフォレン−1−オキシド、1−エチル−2−ホスフォレン−1−オキシド、1−メチル−2−ホスフォレン−1−オキシド等のホスフォレンオキシド類、及びこれらの二重結合異性体を例示することができる。中でも工業的に入手が容易な3−メチル−1−フェニル−2−ホスフォレン−1−オキシドが特に好ましい。又、有機金属化合物ではチタン、ハフニウム、ジルコニウムのアルコシド類が活性が高く好ましい。
本発明の脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂組成物において、前記カルボジイミド系化合物(D)の含有量は、前記脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂(A)100重量部に対して、0.01重量部以上であることを必須とし、0.05重量部以上であるのが好ましく、0.1重量部以上であるのが特に好ましい。又、10重量部以下であることを必須とし、5重量部以下であるのが好ましく、3重量部以下であるのが特に好ましい。カルボジイミド系化合物(E)の含有量が前記範囲未満では、組成物としての耐加水分解性が低下することなり、一方、前記範囲超過では、添加効果が飽和し、添加量の増加に見合う効果が得られない。
本発明の脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂組成物を構成する充填材(E)としては、無機系、有機系のいずれであってもよい。無機系充填材としては、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、ジルコニウム、モリブデン、珪素、アンチモン、チタン等の金属の酸化物、その水和物(水酸化物)、硫酸塩、炭酸塩、珪酸塩、及びこれらの複塩、並びにこれらの混合物等が挙げられる。具体的には、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ)、その水和物、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム(マグネシア)、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛(亜鉛華)、四酸化三鉛(鉛丹)、ヒドロキシ炭酸鉛(鉛白)、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ホワイトカーボン、マイカ、タルク、ガラス繊維、ガラス粉末、ガラスビーズ、クレー、珪藻土、酸化珪素(シリカ)、ワラストナイト、酸化鉄、酸化アンチモン、酸化チタン(チタニア)、リトポン、軽石粉、硫酸アルミニウム(石膏等)、珪酸ジルコニウム、炭酸バリウム、ドロマイト、二硫化モリブデン、砂鉄等が挙げられる。又、有機系充填材としては、セルロース系、澱粉系等が挙げられ、具体的には、例えば、セルロースパウダー、木粉、古紙粉、籾殻粉、澱粉、可塑化澱粉等が挙げられる。
これらの充填剤のうち、粉末状及び平板状のものでは、径又は大きさが10μm以下であるのが好ましく、5μm以下であるのが更に好ましく、3μm以下であるのが特に好ましい。又、繊維状のものでは、径が1〜100μmであるのが好ましく、1〜50μmであるのが更に好ましく、又、長さが20〜1000μmであるのが好ましく、20〜300μmであるのが更に好ましい。これらの充填材のうちでも、特に平板状(フレーク状)及び粉末状のものが好適である。以上の充填材の中で、無機系平板状充填材が特に好適であり、具体的には、モンモリロナイト、バイデライトに代表されるジオクタヘドラルスメクタイト、ヘクトライト、サボナイトに代表されるトリオクタヘドラルスメクタイト等のスメクタイト類、、ジオクタヘドラルバーミキュライト、トリオクタヘドラルバーミキュライト等のバーミキュライト類、テニオライト、四珪素マイカ、マスコバイト、イライト、セリサイト、フロゴバイト、バイオタイト等のマイカ類、及びタルク類等が挙げられる。又、これらの充填材は、天然鉱物として産出するものでも、水熱合成、溶融法或いは固相法等の合成法により得たものであってもよい。
本発明の脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂組成物において、前記充填材(E)の含有量は、前記脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂(A)100重量部に対して、1重量部以上であることを必須とし、2重量部以上であるのが好ましく、5重量部以上であるのが特に好ましい。又、50重量部以下であることを必須とし、40重量部以下であるのが好ましく、30重量部以下であるのが特に好ましい。充填材(E)の含有量が前記範囲未満では、組成物としての剛性が劣ることとなり、一方、前記範囲超過では、機械的強度、特に耐衝撃強度が低下することとなる。
尚、本発明において、前記充填材(E)は、予めカップリング剤で表面処理されたものであってもよい。カップリング剤としては、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、及びアルミネート系カップリング剤等が挙げられる。シラン系カップリング剤の例としては、トリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−グルシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グルシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。又、チタネート系カップリング剤の例としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルオリス(ジオクチルバイロフォスフェート)、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルバイロフォスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルバイロフォスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルフォスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等が挙げられる。又、アルミネート系カップリング剤の例としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられる。
本発明の脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂組成物は、必須成分とする、前記脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂(A)、前記ヒンダードアミン系光安定剤(B)、前記カルボジイミド系化合物(D)、前記充填材(E)、及び任意成分とする前記紫外線吸収剤(C)の外、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の生分解性樹脂、例えば、芳香族ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、セルロースエステル等が含有されていてもよく、更に、成形体とする際の加工性や成形体としての物性等を調整する目的で、熱安定剤、可塑剤、滑剤、ブロッキング防止剤、核剤、架橋剤、発泡剤、着色剤等の添加剤が含有されていてもよい。
本発明の脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂組成物の調製方法は、特に限定されず、脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂ペレットと共に他の成分をドライブレンドした後、押出機で溶融混練し、ペレット化して成形に供することとしてもよく、又、それぞれの成分について高濃度のマスターバッチを予め作製しておき、そのマスターバッチを脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂ペレットとドライブレンドした後、押出機で溶融混練し、ペレット化して成形に供することとしても、或いは、ドライブレンドした後、直接成形機に供給して樹脂組成物を調製すると共に成形体を得ることとしてもよい。
本発明の脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂組成物の成形方法としては、プレス成形、押出成形、射出成形、中空成形等、従来の熱可塑性樹脂において採られる慣用の成形法が適用でき、更に、慣用の方法で積層体とすることもできる。又、一軸或いは二軸延伸物とすることもでき、その場合、通常30℃〜110℃の範囲の延伸温度で、縦、横方向にそれぞれ通常0.6〜10倍の範囲の延伸倍率で延伸する。更にその際、延伸後、熱風を吹き付ける方法、赤外線を照射する方法、マイクロ波を照射する方法、ヒートロール上に接触させる方法等により熱処理を施してもよい。
以下に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例によって限定されるものではない。尚、以下の実施例及び比較例において用いた、脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂(A)、ヒンダードアミン系光安定剤(B)、紫外線吸収剤(C)、カルボジイミド系化合物(D)、及び充填材(E)を以下に示す。
<脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂(A)>
A−1:攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計、及び減圧口を備えた容量1m3 の反応容器に、琥珀酸134kg、1,4−ブタンジオール121リットル、及び、酸化ゲルマニウムを1重量%溶解させた90%DL乳酸水溶液7.21kgを仕込んだ。容器内容物を攪拌下、窒素ガス雰囲気下とし、120℃から反応を開始し、1 時間40分かけて200℃まで昇温した。引き続き、1 時間25分かけて230℃に昇温すると共に133Paまで減圧し、230℃、133Paにて4時間20分重合を行い脂肪族ポリエステル系樹脂(A−1)を得た。得られた脂肪族ポリエステル系樹脂(A−1)は、以下に示す方法で測定した還元粘度(ηsp/C)2.3、結晶化に基づく発熱ピークの半値幅7.5℃、メルトフローレート4.2g/10分のものであった。
<還元粘度(ηsp/C)>
ウベローデ粘度管を用い、フェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合溶媒での0.5g/dlの濃度において、30℃で測定した。
<結晶化に基づく発熱ピークの半値幅>
示差走査熱量計(パーキンエルマー社製「DSC7」)を用い、10mgのサンプルを流量50mL/分の窒素気流下で加熱溶融させた後、10℃/分の速度で冷却し、結晶化に伴う発熱ピークを記録し、その半値幅を算出した。
<メルトフローレート>
温度190℃、荷重21.18Nで測定した。
<ヒンダードアミン系光安定剤(B)>
B−1:2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチル−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)マロネート(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「Tinuvin144」)
B−2:ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート(三共ライフテック社製「サノールLS765」)
B−3(比較例用):下記構造の化合物(三共ライフテック社製「サノールLS440」)
Figure 2006152025
B−4(比較例用):下記構造の化合物(三共ライフテック社製「サノールLS2626」)
Figure 2006152025
<紫外線吸収剤(C)>
C−1:2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシ−フェノール(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「Tinuvin1577FF」)
C−2:2−〔2−ヒドロキシ−3,5―ビス(α、α―ジメチルベンジル)フェニル〕―2H―ベンゾトリアゾール(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「Tinuvin234」)
<カルボジイミド系化合物(D)>
D−1:ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートを縮合して得られたポリカルボジイミド(重合度8〜12、軟化温度70℃、熱分解温度340℃)
<充填材(E)>
E−1:タルク(富士タルク社製「PKP―53S」)
実施例1〜5、比較例1〜9
脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂(A)、ヒンダードアミン系化合物(B)、紫外線吸収剤(C)、カルボジイミド化合物(D)、及び充填材(E)とを、表1に示した配合にて、二軸押出機にて190℃で溶融混練し、ペレット化した後、200℃で射出成形して試験片を作製し、引張特性、曲げ特性、耐衝撃性、耐侯性、及び耐加水分解性について、以下に示す方法で測定、評価し、結果を表1に示した。
<引張特性> JIS K6781に準拠して、引張破断強度、及び引張破断伸びを測定した。
<曲げ特性>
JIS K7113に準拠して、曲げ弾性率、及び曲げ強度を測定した。
<衝撃強度>
JIS K7110に準拠して、アイゾッド衝撃強度を測定した。
<耐侯性>
引張特性測定用試験片を用い、スガ試験器製サンシャインスーパーロングライフウェザーメーター「WEL−300L型」にて、63℃(ブラックパネル温度)、雨無しの条件下で200時間照射した後の引張破断伸びを測定し、その初期値に対する保持率を算出した。
<耐加水分解性>
引張特性測定用試験片を用い、50℃、90%RHの状態に400時間保持した後の引張破断伸びを測定し、その初期値に対する保持率を算出した。
Figure 2006152025
本発明によれば、剛性と機械的強度のバランス、耐侯性、及び耐加水分解性に優れた脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂組成物を提供することができ、この樹脂組成物は、プラスチックの通常の溶融成形法により、例えば、フィルム状、シート状、繊維状、トレイ状、ボトル状、パイプ状、その他特定形状等の成形体として、生分解性を有する、包装用資材、農業用資材、土木用資材、建築用資材、漁業用資材、自動車部品、家電部品、その他工業用資材等として好適に用いられる。

Claims (5)

  1. 脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂(A)100重量部に対して、ヒンダードアミン構造を2個以上有するヒンダードアミン系光安定剤(B)を0.001〜2重量部、カルボジイミド系化合物(D)を0.01〜10重量部、及び充填材(E)を1〜50重量部の割合で含有してなることを特徴とする脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂組成物。
  2. ヒンダードアミン構造を2個以上有するヒンダードアミン系光安定剤(B)が、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル―4―ピペリジル)セバケート、又は、2−(3,5―ジ―t―ブチル―4―ヒドロキシベンジル)―2―n―ブチル−ビス(1,2,2,6,6―ペンタメチル―4―ピペリジル)マロネートである請求項1に記載の脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂組成物。
  3. カルボジイミド系化合物(D)が、重合度2〜40のポリカルボジイミド化合物である請求項1又は2に記載の脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂組成物。
  4. 更に、紫外線吸収剤(C)を0.001〜2重量部含有してなる請求項1乃至3のいずれかに記載の脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂組成物。
  5. 紫外線吸収剤(C)が、2−〔2−ヒドロキシ−3,5―ビス(α、α―ジメチルベンジル)フェニル〕―2H―ベンゾトリアゾール、又は、2−(4,6―ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2―イル)―5―ヘキシルオキシ−フェノールである請求項4に記載の脂肪族或いは脂環式ポリエステル系樹脂組成物。
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