JP2006150955A - 圧電アクチュエータの製造方法、液体移送装置の製造方法、及び、圧電アクチュエータの製造装置 - Google Patents

圧電アクチュエータの製造方法、液体移送装置の製造方法、及び、圧電アクチュエータの製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006150955A
JP2006150955A JP2005314017A JP2005314017A JP2006150955A JP 2006150955 A JP2006150955 A JP 2006150955A JP 2005314017 A JP2005314017 A JP 2005314017A JP 2005314017 A JP2005314017 A JP 2005314017A JP 2006150955 A JP2006150955 A JP 2006150955A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thickness
piezoelectric layer
diaphragm
manufacturing
piezoelectric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005314017A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4816002B2 (ja
Inventor
Hiroto Sugawara
宏人 菅原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2005314017A priority Critical patent/JP4816002B2/ja
Publication of JP2006150955A publication Critical patent/JP2006150955A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4816002B2 publication Critical patent/JP4816002B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

【課題】振動板の厚さのばらつきを圧電層の厚さにより補正することが可能な圧電アクチュエータの製造方法等を提供すること。
【解決手段】振動板30の厚さを測定し、測定された振動板30の厚さの、予め設定された振動板30の基準厚さに対するずれ量に基づいて、圧電層31の厚さを決定し、決定された厚さの圧電層31を、振動板30の圧力室と反対側に形成することにより、振動板30の厚さを圧電層31の厚さで容易に補正することが可能になる。
【選択図】図9

Description

本発明は、液体移送装置の圧電アクチュエータの製造方法、液体移送装置の製造方法、及び、圧電アクチュエータの製造装置に関する。
ノズルからインクを吐出するインクジェットヘッド等の液体移送装置は、液体に圧力を付与して液体を移送するアクチュエータを備えている。このアクチュエータとしては種々の構成のものを採用できるが、その中でも、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の強誘電性の圧電材料からなる圧電層を有し、電界が作用したときのこの圧電層の変形を利用して対象を駆動する圧電アクチュエータが広く用いられている。例えば、インクジェットヘッドの圧電アクチュエータは、一般的に、インクが収容される圧力室を覆う振動板と、この振動板の圧力室と反対側に配置された圧電層と、圧電層の両面に夫々配置された2つの電極とを備えている。
ここで、例えば、非常に小さな圧電材料の粒子をキャリアガスと混合させた状態で基板に吹き付けて高速で衝突させ、基板に堆積させるエアロゾルデポジション法(AD法、例えば、特許文献1参照)や、アルゴン等をイオン化してターゲットに衝突させることにより、ターゲットの粒子を基板に堆積させるスパッタ法(例えば、特許文献2参照)等を用いれば、圧電層を比較的均一な厚さで形成することができる。あるいは、PZT等のグリーンシートを焼成することにより得られた圧電シートを振動板に貼り付けることにより、圧電層を形成することもできる(例えば、特許文献3参照)。
そして、この圧電アクチュエータにおいて、一方の電極に駆動電圧が印加されると、2つの電極に挟まれた圧電層に厚み方向の電界が作用し、この圧電層は厚み方向に伸びて面と平行な方向に縮む。このとき、この圧電層の変形に伴って振動板も変形するため、圧力室の容積が変化し、圧力室内のインクに圧力が付与される。
特開2003−142750号公報 特開平10−286953号公報 特開2004−284109号公報
ところで、例えば、振動板が金属材料からなる場合に、シート状の金属板のロットごとに厚さがわずかに異なっていたりすることがあり、この場合には、振動板の厚さがアクチュエータごとにばらついてしまう。このように、振動板の厚さがばらついていると、前述のAD法やスパッタ法等を用いたり、あるいは、同じ厚さの圧電シートを用いて、アクチュエータごとで厚さが異なることがないように圧電層を形成することができたとしても、振動板の変形量や圧電アクチュエータの剛性などの特性がアクチュエータごとで異なってしまう。そうなると、ノズルから吐出されるインクの液滴体積や液滴速度がヘッドごとに異なり、印字品質がばらつくため、歩留まりが低下する。
また、電極に供給される駆動信号の、駆動電圧や駆動波形等の条件をヘッドごとに調整して振動板の厚さのばらつきを補正することも考えられるが、これらの条件をヘッド毎に補正するのは煩雑であるし、また、電極に駆動電圧を印加する駆動装置の仕様等によっては、この補正が困難な場合もある。
本発明の目的は、振動板の厚さのばらつきを圧電層の厚さにより補正することが可能な圧電アクチュエータの製造方法、液体移送装置の製造方法、及び、そのような圧電アクチュエータの製造装置を提供することである。また、本発明は、圧電アクチュエータを量産する際に、パーツとしての振動板の厚さのばらつきが存在していたとしても、一定で且つ所望の噴射特性を有する圧電アクチュエータを容易に製造することができる圧電アクチュエータの製造方法を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の第1の態様に従えば、圧力室を有する流路ユニットの一表面に設けられ、且つ、前記圧力室を覆う振動板、この振動板の圧力室と反対側に配置された圧電層、この圧電層の両面側に夫々配置されて前記圧電層を挟む2つの電極を有する、液体移送装置の圧電アクチュエータの製造方法であって、前記振動板の厚さを測定する振動板厚さ測定工程と、前記振動板厚さ測定工程で測定された前記振動板の厚さの、予め設定された振動板の基準厚さに対するずれ量に基づいて、前記圧電層の厚さを決定する圧電層厚さ決定工程と、前記圧電層厚さ決定工程で決定された厚さの前記圧電層を、前記振動板の前記圧力室と反対側に設ける圧電層形成工程とを備える圧電アクチュエータの製造方法が提供される。
圧電アクチュエータごとに振動板の厚さがばらついてしまうと、液体移送装置の液体の移送量や移送速度等に影響する、振動板の変形量や圧電アクチュエータの剛性等が複数の圧電アクチュエータの間で異なってしまう。しかし、本発明によれば、実際に測定された振動板の厚さの、基準厚さに対するずれ量に基づいて圧電層の適切な厚さを決定し、この決定された厚さの圧電層を振動板の圧力室と反対側の面に設けるため、振動板の厚さが基準厚さからずれている場合に、そのずれを圧電層の厚さで容易に補正することができ、製造工程における歩留まりも向上する。尚、本発明では、振動板とは別に2つの電極を形成する形態はもちろん、振動板が導電性材料で形成されており、この振動板が2つの電極のうちの一方を兼ねる形態も含まれる。
本発明の圧電アクチュエータの製造方法において、前記圧電層厚さ決定工程において、一方の前記電極に所定の電圧が印加されたときの、前記振動板の変形量が所定の変形量となるように、前記圧電層の厚さを決定してもよい。複数のアクチュエータの間で振動板の厚さのばらつきがある場合には、液体の移送量に影響する振動板の変形量がばらついてしまう。しかし、本発明によれば、振動板の変形量が所定の変形量となるように圧電層の厚さを決定することにより、振動板の厚さのばらつきを補正することができるため、複数のアクチュエータの間で振動板の変形量を等しくすることができる。
本発明において、振動板が圧電層の材料と同等以上の弾性率を有する材料からできており、前記振動板の厚さのずれ量をΔTv、前記圧電層の、予め設定された基準厚さに対する補正量をΔTp1としたときに、前記圧電層厚さ決定工程において、補正量ΔTp1を下記式(1)の範囲内で決定してもよい。
(−0.75×ΔTv)≦ΔTp1≦(−1.05×ΔTv)・・・(1)
この場合には、振動板の変形量が所定の変形量となるような圧電層の厚さを、簡単に決定することができる。
本発明の圧電アクチュエータの製造方法において、前記圧電層厚さ決定工程において、アクチュエータの剛性が所定の値となるように、前記圧電層の厚さを決定し得る。アクチュエータの剛性は、液体の移送速度や、個別電極に駆動電圧が印加されたときに圧力室内に発生する圧力波の伝播速度に影響するが、複数のアクチュエータの間で振動板の厚さがばらつくと、アクチュエータごとで剛性がばらついてしまう。しかし、本発明によれば、アクチュエータの剛性が所定の値となるように圧電層の厚さを決定して、振動板の厚さのばらつきを補正することができ、複数のアクチュエータの間でその剛性を等しくすることができる。
本発明において、振動板が圧電層の材料と同等以上の弾性率を有する材料からできており、前記振動板の厚さのずれ量をΔTv、前記圧電層の、予め設定された基準厚さに対する補正量をΔTp2としたときに、前記圧電層厚さ決定工程において、補正量ΔTp2を、下記式(2)の範囲内で決定してもよい。
(−1.0×ΔTv)≦ΔTp2≦(−1.3×ΔTv)・・・(2)
この場合には、アクチュエータの剛性が所定の値となるような圧電層の厚さを、簡単に決定することができる。なお、前記式(1)に式(2)を考慮すると、前記圧電層厚さ決定工程において、補正量ΔTp1を、下記式(3)の範囲内で決定することが製造上有利である。
(−1.0×ΔTv)≦ΔTp1≦(−1.05×ΔTv)・・・(3)
本発明の圧電アクチュエータの製造方法においては、前記振動板は、導電性材料で形成されて、前記2つの電極のうちの一方を兼ねており、前記圧電層形成工程において、前記圧電層を、前記振動板の前記圧力室と反対側の面に接して形成し、前記2つの電極の他方を、前記圧電層の前記振動板と反対側の面に接して形成し得る。このように、圧電層を、振動板との間に他の別の層(例えば、電極の層や、電極と振動板とを絶縁する絶縁材料層等)を介在させることなく、振動板の圧力室と反対側の面に直接形成するため、圧電層の厚さを調整することにより、振動板の厚さのばらつきを正確に補正することができる。また、振動板が2つの電極のうちの一方を兼ねているため、この一方の電極を振動板とは別に形成する工程を省略でき、製造工程を簡素化できる。
本発明の圧電アクチュエータの製造方法において、前記圧電層形成工程において、前記圧電層を、エアロゾルデポジション法、スパッタ法、又は、化学蒸着法により振動板上に形成し得る。これらの方法を用いることにより、圧電層厚さ決定工程で決定された厚さの圧電層を容易に形成することができる。このうち、製造上、エアロゾルデポジション法が好適である。なお、圧電層は、振動板上で形成する以外に、予めシート状に形成された材料を振動板に貼り合わせてもよい。
本発明の第2の態様に従えば、圧力室を有する流路ユニットの一表面に設けられ、且つ、前記圧力室を覆う振動板、この振動板の圧力室と反対側に配置された圧電層、この圧電層の両面側に夫々配置されて前記圧電層を挟む2つの電極を有し、振動板が圧電層の材料と同等以上の弾性率を有する材料からできている圧電アクチュエータの製造方法であって、前記振動板の厚さの設計値と前記圧電層の厚さの設計値の和を求める工程と、前記振動板の厚さを測定する測定工程と、前記測定された振動板の厚さに関して、前記和が維持されるように圧電層の厚みを決定する工程と、前記決定された厚さの前記圧電層を、前記振動板の前記圧力室と反対側に設ける圧電層形成工程とを備える圧電アクチュエータの製造方法が提供される。この方法によれば、振動板の設計値からの誤算の分だけ圧電層の厚みを調整して、振動板と圧電層の厚みの測定値の和を常に一定にすればよいので、極めて厚み調整、特に圧電層の厚み設定工程が容易となる。
本発明の第3の態様に従えば、圧力室を有する流路ユニットと、この流路ユニットの一表面に設けられ、且つ、前記圧力室を覆う振動板、この振動板の圧力室と反対側に配置された圧電層、この圧電層の両面側に夫々配置された2つの電極を有する圧電アクチュエータとを備えた液体移送装置の製造方法であって、前記振動板の厚さを測定する振動板厚さ測定工程と、前記振動板厚さ測定工程で測定された前記振動板の厚さの、予め設定された振動板の基準厚さに対するずれ量に基づいて、前記圧電層の厚さを決定する圧電層厚さ決定工程と、前記圧電層厚さ決定工程で決定された厚さの前記圧電層を、前記振動板の前記圧力室と反対側に設ける圧電層形成工程とを備える液体移送装置の製造方法が提供される。
この液体移送装置の製造方法によれば、振動板の厚さが基準厚さからずれていても、そのずれを圧電層の厚さで補正することができ、製造工程における歩留まりも向上する。また、振動板の変形量や圧電アクチュエータの剛性等が複数の圧電アクチュエータの間でばらついてしまうのを極力抑えることができ、複数の液体移送装置の間で、液体の移送量や移送速度等を等しくすることができる。
本発明の第4の態様に従えば、圧力室を有する流路ユニットの一表面に設けられ、且つ、前記圧力室を覆う振動板、この振動板の圧力室と反対側に配置された圧電層、この圧電層の両面側に夫々配置された2つの電極を有する、液体移送装置の圧電アクチュエータを製造する装置であって、前記振動板の厚さを測定する厚さ測定装置と、前記厚さ測定装置により測定された前記振動板の厚さの、予め設定された振動板の基準厚さに対するずれ量に基づいて、前記圧電層の厚さを決定する厚さ決定装置と、前記厚さ決定装置により決定された厚さの前記圧電層を、前記振動板の前記圧力室と反対側に形成する圧電層形成装置とを備えた圧電アクチュエータの製造装置が提供される。
この圧電アクチュエータの製造装置によれば、振動板の厚さが基準厚さからずれていても、そのずれを圧電層の厚さで補正することができ、製造工程における歩留まりも向上する。また、振動板の変形量や圧電アクチュエータの剛性等が複数の圧電アクチュエータの間でばらついてしまうのを極力抑えることができる。圧電アクチュエータの製造装置は、さらに、振動板の基準厚さに対するずれ量に対する前記圧電層の厚さの関係を記憶した記憶装置を備え得る。
本発明の実施の形態について説明する。本実施形態は、液体移送装置として、ノズルから記録用紙にインクを吐出するインクジェットヘッドに本発明を適用した一例である。
まず、インクジェットヘッド1を備えたインクジェットプリンタ100について簡単に説明する。図1に示すように、インクジェットプリンタ100は、図1の左右方向に移動可能なキャリッジ101と、このキャリッジ101に設けられて記録用紙Pに対してインクを噴射するシリアル式のインクジェットヘッド1と、記録用紙Pを図1の前方へ搬送する搬送ローラ102等を備えている。インクジェットヘッド1は、キャリッジ101と一体的に左右方向(走査方向)へ移動して、その下面のインク吐出面に形成されたノズル20(図2〜図5参照)の出射口から記録用紙Pに対してインクを噴射する。そして、インクジェットヘッド1により記録された記録用紙Pは、搬送ローラ102により前方(紙送り方向)へ排出される。
次に、インクジェットヘッド1について図2〜図5を参照して詳細に説明する。
図2〜図5に示すように、インクジェットヘッド1は、圧力室14を含む個別インク流路21(図4参照)がその内部に形成された流路ユニット2と、この流路ユニット2の上面に積層された圧電アクチュエータ3とを備えている。
まず、流路ユニット2について説明する。図4、図5に示すように、流路ユニット2はキャビティプレート10、ベースプレート11、マニホールドプレート12、及びノズルプレート13を備えており、これら4枚のプレート10〜13が積層状態で接着されている。このうち、キャビティプレート10、ベースプレート11及びマニホールドプレート12はステンレス鋼製の板であり、これら3枚のプレート10〜12に、後述するマニホールド17や圧力室14等のインク流路をエッチングにより容易に形成することができるようになっている。また、ノズルプレート13は、例えば、ポリイミド等の高分子合成樹脂材料により形成され、マニホールドプレート12の下面に接着される。あるいは、このノズルプレート13も、3枚のプレート10〜12と同様にステンレス鋼等の金属材料で形成されていてもよい。
図2〜図5に示すように、キャビティプレート10には、平面に沿って配列された複数の圧力室14が形成されている。これら複数の圧力室14は、後述の振動板30側(図4の上方)へ開口している。また、複数の圧力室14は、紙送り方向(図2の上下方向)に2列に配列されている。各圧力室14は、平面視で走査方向(図2の左右方向)に長い、略楕円形状に形成されている。また、キャビティプレート10には、図示外のインクタンクに連なるインク供給口18が形成されている。
図3、図4に示すように、ベースプレート11の平面視で圧力室14の長手方向両端部に重なる位置には、夫々連通孔15,16が形成されている。また、マニホールドプレート12には、紙送り方向(図2の上下方向)に延び、平面視で圧力室14の図2における左右何れか一方の端部と重なるマニホールド17が形成されている。このマニホールド17には、インクタンクからインク供給口18を介してインクが供給される。また、平面視で圧力室14のマニホールド17と反対側の端部と重なる位置には、連通孔19も形成されている。さらに、ノズルプレート13には、平面視で複数の連通孔19に夫々重なる位置に、複数のノズル20が夫々形成されている。ノズル20は、例えば、ポリイミド等の高分子合成樹脂の基板にエキシマレーザー加工を施すことにより形成される。
そして、図4に示すように、マニホールド17は連通孔15を介して圧力室14に連通し、さらに、圧力室14は、連通孔16,19を介してノズル20に連通している。このように、流路ユニット2内には、マニホールド17から圧力室14を経てノズル20に至る個別インク流路21が形成されている。
次に、圧電アクチュエータ3について説明する。図2〜図5に示すように、圧電アクチュエータ3は、流路ユニット2の上面に配置された導電性を有する振動板30と、この振動板30の上面(圧力室14と反対側の面)に形成された圧電層31と、この圧電層31の上面に複数の圧力室14に夫々対応して形成された複数の個別電極32とを備えている。
振動板30は、平面視で略矩形状の金属材料からなる板であり、例えば、ステンレス鋼等の鉄系合金、銅系合金、ニッケル系合金、あるいは、チタン系合金などからなる。この振動板30は、複数の圧力室14を覆うようにキャビティプレート10の上面に積層されて接合されている。また、この振動板30は、複数の個別電極32に対向して個別電極32と振動板30との間の圧電層31に電界を作用させる共通電極を兼ねている。
振動板30の上面には、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との固溶体であり強誘電体であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を主成分とする圧電層31が振動板30に直接接して形成されている。この圧電層31は、複数の圧力室14に跨って振動板30の上面に全面的に形成されている。尚、後述するように、この圧電層31の厚さは、振動板30の厚さのばらつきを圧電層31の厚さで補正するために、インクジェットヘッド1の製造段階において実際に測定された振動板30の厚さの、予め設定された基準厚さからのずれ量に基づいて決定されている。
圧電層31の上面には、圧力室14よりも一回り小さい楕円形の平面形状を有する複数の個別電極32が形成されている。これら複数の個別電極32は、平面視で、対応する圧力室14の中央部に重なる位置に夫々形成されている。また、個別電極32は金、銅、銀、パラジウム、白金、あるいは、チタンなどの導電性材料からなる。さらに、圧電層31の上面には、複数の個別電極32のマニホールド17側の端部から夫々走査方向に延びる複数の端子部35も形成されている。図4に示すように、これら複数の端子部35は、フレキシブルプリント配線板等の可撓性を有する配線部材(図示省略)を介してドライバIC37と電気的に接続されており、ドライバICから端子部35を介して複数の個別電極32に対して選択的に駆動電圧が供給される。
次に、圧電アクチュエータ3の作用について説明する。
複数の個別電極32に対してドライバIC37から選択的に駆動電圧が印加されると、駆動電圧が供給された圧電層31上側の個別電極32とグランド電位に保持されている圧電層31下側の共通電極としての振動板30の電位が異なる状態となり、個別電極32と振動板30の間に挟まれた圧電層31の部分に上下方向の電界が生じる。すると、駆動電圧が印加された個別電極32の直下の圧電層31の部分が分極方向である上下方向と直交する水平方向に収縮する。このとき、この圧電層31の収縮に伴って振動板30が圧力室14側に凸となるように変形するため、圧力室14内の容積が減少して圧力室14内のインクに圧力が付与され、圧力室14に連通するノズル20からインクの液滴が吐出される。
次に、インクジェットヘッド1の製造方法について説明する。
まず、金属材料からなるキャビティプレート10、ベースプレート11及びマニホールドプレート12に、エッチング等により、圧力室14やマニホールド17等となる穴を形成する。また、振動板30を、金属シートから所定のサイズに切り出して形成する。そして、図6(a)に示すように、キャビティプレート10、ベースプレート11及びマニホールドプレート12と、振動板30の、4枚の金属プレートを一括して接合する。
次に、図6(b)に示すように、振動板30の圧力室14と反対側の面に接して圧電層31を形成する。ここで、振動板30が切り出される金属シートの厚さがロットごとにばらついているなどの理由で、振動板30の厚さが圧電アクチュエータ3ごとで異なっていることがある。その場合には、振動板30の変形量や圧電アクチュエータ3の剛性等が複数の圧電アクチュエータ3の間でばらついてしまい、インクジェットヘッド1ごとに、ノズル20から吐出されるインクの液滴体積や液滴速度、あるいは、噴射タイミング等の、インクの噴射特性が異なってしまうため、印字品質にばらつきが生じる。そこで、本実施形態では、以下のようにして、複数のインクジェットヘッド1の間でインクの噴射特性が等しくなるように、振動板30の厚さのばらつきを圧電層31の厚さにより補正する。
まず、金属シートから切り出された振動板30の厚さを測定する(振動板厚さ測定工程)。ここで、振動板30の厚さは、1枚の振動板30ごとに測定してもよいが、金属シートは1つのロットではほぼ同じ厚さとなっていることが多いため、新しいロットの金属シート(圧延ロール)を使用するごとに振動板30の厚さを測定してもよい。また、振動板30を金属シートから切り出す前(即ち、振動板30をキャビティプレート10に接合する前)に金属シートの厚さを測定するようにしてもよい。
そして、測定された振動板30の厚さの、予め設定された振動板30の基準厚さに対するずれ量に基づいて、圧電層31の厚さを決定する(圧電層厚さ決定工程)。ここで、インクの噴射特性に影響する因子のうち、どの因子に特に着目するかによって、圧電層厚さ決定工程で決定される圧電層31の厚さが異なる。
振動板30の厚さが異なると振動板30の変形量も異なり、圧力室14内において発生する圧力が異なることとなるため、ノズル20から吐出されるインクの液滴速度や液滴体積がインクジェットヘッド1ごとにばらつき、印字品質がばらついてしまう。そこで、圧電層厚さ決定工程において、ドライバIC37から個別電極32に対して所定の駆動電圧が印加されたときの、振動板30の変形量が所定の変形量となるように、圧電層31の厚さを決定することができる。この場合には、予め、振動板30の厚さTv、及び、圧電層31の厚さTpと、振動板30の圧力室14の中央部と対向する位置の変位量Dd(以下、最大変位量Ddという)との関係を、有限要素法(Finite Element Method:FEM)による構造解析や、実験などにより求めておく。例えば、図5に示す、圧力室14の長手方向と直交する方向の長さである、圧力室14の幅Wcを250μm、個別電極32の幅Weを140μm、圧力室14が形成されていない部分である側壁部10aの幅Bを89μm、個別電極32に印加される駆動電圧を20Vとして、FEMによる構造解析を行ったときの、振動板30の厚さTv(μm)、及び、圧電層31の厚さTp(μm)に対する、最大変位量Dd(nm)の変化は、図7のようになる。なお、この解析では、振動板30の材質としてステンレス鋼を、圧電層31の材質としてチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を想定している。
ここで、この図7のグラフ中の数字は、Ddの値を示しており、横軸のTvの値と、縦軸のTpの値を変化させると、Ddの値が、TvとTpの交点の位置に記載されている数値になることを示している。また、図7における曲線aは、予め設定されたDdの目標値Dd0(Dd0=33)となる点を繋いだ線を示している。そして、実際に測定された振動板30の厚さTviの、予め設定された基準厚さTv0からのずれ量ΔTvと、図7に示すようなTv及びTpと、Ddとの関係から、最大変位量Ddが所定の目標値Dd0(図7では、Dd0=33)となるように、圧電層31の厚さの補正量ΔTp1(振動板30の厚さTvが基準厚さTv0であるときにDdが目標値Dd0となるような、予め設定された圧電層31の基準厚さTp0からの補正量)を決定する。図7では、縦軸のTpの値はTp0より下方が正の変位を表している。従って、グラフの曲線の傾きより、振動板の厚さの不足分を圧電層の厚さで補えばよいことが分る。
尚、振動板が圧電層の材料と同等以上の弾性率を有する材料からできている場合に、圧力室14の幅Wc、個別電極32の幅We、側壁部10aの幅B、振動板30の厚さTv、及び、圧電層31の厚さTpを実際的な範囲内で変化させてFEMにより解析を行った結果、これらWc、We、B、Tv及びTpの値によらず、補正量ΔTp1は、下記式(1)の条件を満たすことがわかった。
(−0.75×ΔTv)≦ΔTp1≦(−1.05×ΔTv)・・・・(1)
そこで、この関係を用いて、ΔTvからΔTp1を決定してもよい。この場合には、Wc、We、B、Tv及びTpの組み合わせごとに、図7のような関係を予め求めておく必要がないため、補正量ΔTp1の値を簡単に求めることができる。
また、複数の圧電アクチュエータ3の間で振動板30の厚さのばらつきがあると、圧電アクチュエータ3の剛性がばらついてしまう。そして、このように圧電アクチュエータ3の剛性がばらつくと、圧力室14内のインクの圧力に対する反力による、圧電アクチュエータ3の変位量が変化し、ノズル20から吐出されるインクの液滴速度や液滴体積がインクジェットヘッド1ごとに異なって、印字品質がばらついてしまう。さらに、圧電アクチュエータ3の剛性がばらつくと、圧力室14内を伝播する圧力波の速度(即ち、圧力波の伝播時間)も圧電アクチュエータ3ごとに異なってしまう。特に、振動板30を圧力室14側に凸となるように変形させた状態から、振動板30を元の形状に戻して圧力室14内の容積を増大させることにより負の圧力波を発生させ、この圧力波が正に転じるタイミングで振動板30を再び圧力室14側に凸となるように変形させることにより、インク内に大きな圧力を生じさせる、いわゆる、引き打ちによりインクを吐出する場合に、圧力波の伝播時間が設計値からずれてしまうと、圧力波が正に転じるタイミングで振動板30を圧力室14側に凸となるように変形させて、インクに大きな圧力を付与することができなくなる。従って、正しいタイミングでインクを噴射することができなくなり、さらには、液滴の噴射不安定を起こして印字品質が低下してしまう。そこで、圧電層厚さ決定工程において、圧電アクチュエータ3の剛性が所定の値となるように、圧電層31の厚さを決定してもよい。
この場合には、予め、振動板30の厚さTv、及び、圧電層31の厚さTpと、圧力室14内に所定の圧力が発生した場合の振動板30の最大変位量Di(圧力室14の中央部と対向する位置の変位量)との関係を、FEMによる構造解析や実験などにより求めておく。この圧電アクチュエータ3の駆動時の最大変位量Diは、圧電アクチュエータ3の剛性に対応するものである。そして、この変位量Diが増大する場合は、圧電アクチュエータ3の剛性が低下していることを示しており、圧力波の伝搬時間が増大する。例えば、図5における、圧力室14の幅Wcを250μm、個別電極32の幅Weを140μm、側壁部10aの幅Bを89μm、圧力室14内に発生したインクの圧力を0.1MPaとして、FEMによる構造解析を行ったときの、振動板30の厚さTv(μm)、及び、圧電層31の厚さTp(μm)に対する、最大変位量Di(nm)の変化は図8のようになる。なお、この解析においては、振動板30の材質としてステンレス鋼を、圧電層31の材質としてチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を想定している。
尚、この図8のグラフ中の数字は、最大変位量Diの値(圧力室14側への変位量を正とする)を示しており、横軸のTvの値と、縦軸のTpの値を変化させると、Diの値が、TvとTpの交点の位置に記載されている数値になることを示している。さらに、図8における曲線bは、Diの目標値Di0(Di0=−3.3)となる点を繋いだ線を示している。そして、測定された振動板30の厚さTviの、予め設定された基準厚さTv0からのずれ量ΔTvと、図8に示すようなTv及びTpと、Diとの関係から、最大変位量Diが所定の目標値Di0(図8では、Di0=−3.3)となるように、圧電層31の厚さの補正量ΔTp2(振動板30の厚さTvが基準厚さTv0であるときにDiが目標値Di0となるような、予め設定された圧電層31の基準厚さTp0からの補正量)を決定する。なお、図8では、縦軸のTpの値はTp0より下方が正の変位を表している。従って、グラフの曲線の傾きより、振動板の厚さの不足分を圧電層の厚さで補えばよいことが分る。
また、振動板が圧電層の材料と同等以上の弾性率を有する材料からできている場合に、圧力室14の幅Wc、個別電極32の幅We、側壁部10aの幅B、振動板30の厚さTv、及び、圧電層31の厚さTpを実際的な範囲内で変化させてFEMにより解析を行った結果、これらWc、We、B、Tv及びTpの値によらず、補正量ΔTp2は下記式(2)の関係を満たすことが分った。
(−1.0×ΔTv)≦ΔTp2≦(−1.3×ΔTv)・・・(2)
そこで、この関係を用いて、ΔTvからΔTp2を決定してもよい。この場合には、補正量ΔTp2を簡単に求めることができる。
さらに、非常に小さな圧電材料の粒子を基板に吹き付けて高速で衝突させ、基板に堆積させるエアロゾルデポジション法(AD法)を用いて圧電層31を形成する場合を例に挙げて、図9〜図11と、図12のフローチャートを参照して、より具体的に説明する。
図9〜図11に示すように、圧電アクチュエータ3の製造装置40は、振動板30の厚さを測定するレーザー変位計41(厚さ測定装置)と、振動板30に圧電層31を形成する成膜装置42(圧電層形成装置)と、レーザー変位計41で測定された振動板30の厚さに基づいて、成膜装置42で形成される圧電層31の厚さを制御する制御装置43(厚さ決定装置)を有する。制御装置43は記憶装置または記憶部(不図示)を備える。成膜装置42は、成膜チャンバー50と、エアロゾル発生器(図示省略)に接続された噴射ノズル51と、成膜チャンバー50内において振動板30を所定方向に移動させるステージ52を備えている。
エアロゾル発生器は、超微粒子状の圧電材料とキャリアガスとの混合物であるエアロゾルを発生させ、このエアロゾルを噴射ノズル51から噴射させるものであり、制御装置43からの指令に応じて所定の粒子濃度のエアロゾルを発生させるように構成されている。
また、ステージ52は、振動板30の所定の領域内に圧電層31を成膜するときに、エアロゾルを噴射する噴射ノズル51がこの領域内ともれなく対向するように、振動板30を噴射ノズル51に対して相対移動させるものである。このステージ52の相対移動の経路は、制御装置43により所望の成膜範囲に応じて適宜決定され、ステージ52は、制御装置43からの指令に応じて、決定された経路を移動する。
そして、この製造装置40を用いて、以下のようにして振動板30に圧電層31を形成する。まず、図9に示すように、キャビティプレート10に接合された振動板30を成膜チャンバー50内に収容する前に、レーザー変位計41により振動板30の厚さTvを測定する(図12のS10)。そして、制御装置43により、測定された振動板30の厚さTvの、基準厚さTv0からのずれ量ΔTvを算出する(S11)。さらに、ずれ量ΔTvと、Tv及びTpと最大変位量Ddとの関係(図7参照)、又は、前述した範囲(−0.75×ΔTv)≦ΔTp1≦(−1.05×ΔTv)から、振動板30の変形量が所定の値となるような圧電層31の厚さの補正量ΔTp1を算出する(S12)。あるいは、ずれ量ΔTvと、Tv及びTpと最大変位量Diとの関係(図8参照)、又は、前述した範囲(−1.0×ΔTv)≦ΔTp2≦(−1.3×ΔTv)から、圧電アクチュエータ3の剛性が所定の値となるような圧電層31の厚さの補正量ΔTp2を算出する(S13)。
そして、基準厚さΔTp0と、補正量ΔTp1又は補正量ΔTp2から、圧電層31の厚さTpを決定する(S14)。さらに、その決定された厚さTpの圧電層31を形成するために必要な成膜条件(ステージ52が予め定められた経路を移動する回数やステージ52の移動速度等)を決定する(S15)。尚、ステージ52の移動回数を多くすれば、その回数に応じて圧電層31を厚く形成することができる。また、ステージ52の移動速度を速くすれば、噴射ノズル51が、振動板30の所望の成膜範囲と対向する時間が短くなるため、圧電層31を薄くすることができる。従って、例えば、以下のようにして圧電層31の厚みを管理することができる。移動回数及び移動速度をそれぞれ種々の値に変更しつつ圧電層31の厚さを予め測定する。種々の移動回数及び移動速度に対する得られた圧電層31の厚さの関係をデータとして記憶装置に記憶する。実際に圧電層31を形成する際に、目的とする圧電層31の厚さに対応する移動回数及び移動速度で製造装置40を運転することができる。制御装置43が備える記憶部には、上記データ及び式(1)〜(3)を記憶しておくのが望ましい。
そして、図10に示すように、振動板30をステージ52に取り付けてから、図11に示すように、真空ポンプ(図示省略)により真空状態に維持された成膜チャンバー50内において、エアロゾル発生器で発生したエアロゾルを、噴射ノズル51から振動板30に対して噴射しながら、振動板30が取り付けられたステージ52を、制御装置43により、ステージ52を、S15で決定された移動回数及び移動速度で移動させて、振動板30に厚さTpの圧電層31を形成する(S16)。
尚、この製造装置40による圧電層形成工程において、別の成膜条件である、エアロゾルの粒子濃度を調整することにより、所望の厚さの圧電層31を形成するようにしてもよい。このエアロゾルの粒子濃度を大きくすることにより、圧電層31を厚く形成することができる。この場合もまた予備実験によりエアロゾルの粒子濃度を変更しつつ圧電層31の厚みをそれぞれ測定し、粒子濃度と圧電層31の厚みの関係を予めデータとして求めて、制御装置43の記憶部に保存しておくことが望ましい。このエアロゾルの粒子濃度と、前述のステージ52の移動回数及びステージ52の移動速度の3つの成膜条件のうちの少なくとも1つを選択して厚さを調整してもよいし、あるいは、これら3つの成膜条件を組み合わせて厚さを調整してもよい。
また、以上の説明では、AD法を用いて圧電層31を形成する場合を一例に挙げたが、AD法以外の方法、例えば、スパッタ法、化学蒸着法(CVD法)、あるいは、水熱合成法等の他の既知の方法を用いても、決定された所定厚さの圧電層31を振動板30に形成することは可能である。これらの場合においても、スパッタ時間及びスパッタ電圧、蒸着時間及び蒸着温度などを圧電層31の厚みとの関係で管理することで、所望の厚みの圧電層31を形成することができる。
このようにして振動板30の圧力室14と反対側の面に所定厚さの圧電層31を形成した後に、図6(c)に示すように、スクリーン印刷、スパッタ法、あるいは、蒸着法等により、圧電層31の振動板30と反対側の面に、複数の個別電極32と複数の端子部35を同時に形成する。なお、圧電層31を形成した後または圧電層31を形成しながら、圧電層31の厚みを測定してもよい。そして、最後に、図6(d)に示すように、マニホールドプレート12にノズルプレート13を接合して、インクジェットヘッド1の製造工程を完了する。
尚、ノズルプレート13が金属プレートである場合には、このノズルプレート13も、他の4枚の金属プレート(キャビティプレート10、ベースプレート11、マニホールドプレート12、及び、振動板30)と同時に接合するようにしてもよい。
上記実施形態では振動板が圧電層の材料と同等以上の弾性率を有する材料からできている場合に、式(1)または式(2)のいずれかの関係を用いることができるが、式(1)を満たす圧電層の厚さは、式(2)も満たすのが製造上有利であることがわかろう。すなわち、振動板が圧電層の材料と同等以上の弾性率を有する材料からできている場合に、下記式(3)を満たすように圧電層の厚さを調整するのが、振動板の変形量及びアクチュエータの剛性の観点から望ましい。
(−1.0×ΔTv)≦ΔTp1≦(−1.05×ΔTv)・・・(3)
式(3)に着目するとさらに、次の重要な結果が導かれる。圧電層の厚みと振動板の厚みは相補的な関係となっていることが分る。すなわち、振動板の厚みが基準値から誤差ΔTvだけ厚いならばその誤差ΔTvとほぼ等量(ΔTv≒ΔTp1)だけを圧電層の基準厚みTp0から減じればよい。それゆえ、次のような厚み設定方法が可能となる。振動板の設計値と圧電層の設計値からその和の設計値TT0(=Tp0+Tv0)を求めておく。最初に、振動板の厚みを測定し、基準値Tv0からのずれΔTvを求める。式(3)より和の設計値TT0が維持されるようにすればよいので、圧電層の厚みを(Tp0−ΔTv)となるように設定する。これによれば、振動板の厚みの誤差測定のみでその測定値をそのまま圧電層の厚みの補正値に使えるので圧電層の厚み設定工程が極めて簡単となる。
上記式(1)〜(3)の関係は、振動板の材質が、特に金属、シリコンまたはそれらの酸化物で構成されており、且つ圧電層の弾性率(elastic modulus or Young's modulus)と同等かそれ以上の弾性率を有する場合に限り成立する。例えば、弾性率70GPa(7000Kg/mm2)の圧電層材料のPZTに対して、以下のような材料が使用できる。アルミニウム(70GPa)、ステンレス(180GPa)、銅(130GPa)、チタン(120GPa)、ニッケル(210GPa)、アルミナ(300GPa)、シリコンSi(130〜190GPa:結晶方向により異なる)。なお、ポリイミドなどの樹脂は7GPaと弾性率が低いために使用できない。
以上説明したインクジェットヘッド1の製造方法によれば、次のような効果が得られる。
振動板30の厚さを測定して、その測定された厚さの、基準厚さに対するずれ量に基づいて圧電層31の適切な厚さを決定するため、振動板30の厚さが基準厚さからずれている場合でも、そのずれを圧電層31の厚さで補正することができ、製造工程における歩留まりも向上する。
圧電層厚さ決定工程において、振動板30の変形量が所定の変形量となるように圧電層31の厚さを決定すれば、振動板30の厚さのばらつきに起因する、圧電アクチュエータ3ごとの振動板30の変形量のばらつき(即ち、液滴体積のばらつき)を極力抑えることができる。また、圧電アクチュエータ3の剛性が所定の値となるように圧電層31の厚さを決定すれば、振動板30の厚さのばらつきに起因する、圧電アクチュエータ3ごとの剛性のばらつきを極力抑えることができるため、インクジェットヘッド1ごとでノズル20から吐出されるインクの液滴の体積を等しくし、さらに、どのインクジェットヘッド1においてもインクを安定的に噴射することができる。従って、インクジェットヘッド1ごとのインクの噴射特性のばらつきを小さくすることができる。
また、AD法等のような、圧電材料の粒子や分子を振動板30に堆積させる方法により圧電層31を形成すれば、圧電層31の厚さの微調整が可能となるため、圧電層厚さ決定工程において圧電層31の厚さTpを決定した後に、その厚さTpとなる圧電層31を容易に形成することができる。従って、インクジェットヘッド1を大量生産する場合に、その生産途中で振動板30の厚さに変化があったとしても、インクの噴射特性をばらつかせることなく生産を続行することができ、製造にかかるコストを低減することができる。
また、本実施形態のインクジェットヘッド1では、金属材料で形成されて導電性を有する振動板30が共通電極を兼ねており、圧電層31を、この振動板30との間に他の別の層(例えば、共通電極の層や、電極と振動板30とを絶縁する絶縁材料層等)を介在させることなく、振動板30の圧力室14と反対側の面に直接接して形成する。そのため、圧電層31の厚さを調整するだけで、振動板30の厚さのばらつきを正確に補正することができる。また、振動板30が共通電極を兼ねているため、共通電極を振動板30とは別に形成する工程を省略でき、製造工程を簡素化できる。
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
<第1変更形態>
前記実施形態のインクジェットヘッドの製造方法では、振動板30に、AD法等を用いて圧電材料の粒子を堆積させることにより圧電層31を形成するようになっているが、PZTのグリーンシートを焼成することにより得られた1又は複数枚の圧電シートを振動板30に接着することにより圧電層31を形成してもよい。この場合には、予め、複数種類の厚さの圧電シートを準備しておき、振動板30の厚さのずれ量ΔTvに基づいて圧電層31の厚さを所定の値に決定した後に、圧電層31の厚さがその所定値となるように、適切な厚さの圧電シートを選択して振動板30に接着すればよい。
<第2変更形態>
振動板が、絶縁材料(例えば、表面が酸化されたシリコン材料、PZT、アルミナ、ジルコニア等のセラミックス材料、あるいは、ポリイミド等の合成樹脂材料など)からなるものであってもよい。但し、この場合には、図13に示すように、圧電アクチュエータ3Aにおいて、絶縁性の振動板30Aの、圧力室14と反対側の面に、個別電極32と対向してその間の圧電層31に電界を生じさせるための、共通電極34が必要になる。
<第3変更形態>
前記実施形態では、圧電層31の振動板30と反対側に個別電極32が形成されているが、圧電層31の振動板30側に個別電極32が配置され、圧電層31の振動板30と反対側に共通電極34が配置されていてもよい。但し、振動板が金属材料からなる場合には、図14に示すように、圧電アクチュエータ3Bにおいて、複数の個別電極32の間を絶縁するために、金属製の振動板30の上面(圧力室14と反対側の面)には絶縁材料層60が形成されるなどして、個別電極32が配置される振動板30の面が絶縁性を有する必要がある。この絶縁材料層60は、例えば、アルミナ、ジルコニア等のセラミックス材料で、AD法、スパッタ法、CVD法、あるいは、ゾル・ゲル法等により形成することができる。一方、振動板が、シリコン材料、セラミックス材料、あるいは、合成樹脂材料等の絶縁材料からなる場合には、図15に示すように、圧電アクチュエータ3Cにおいて、振動板30Cの上面に直接個別電極32が配置されていればよく、絶縁性を有する振動板30Cにより複数の個別電極32の間が絶縁される。
<第4変更形態>
前記実施形態では、その内部に個別インク流路21を有する流路ユニットが、主に、積層された金属プレート(キャビティプレート10、ベースプレート11及びマニホールドプレート12)により構成されているが、流路ユニットが金属材料以外の材料(例えば、シリコン材料等)で形成されていてもよい。
前述した実施形態及びその変更形態は、インクを移送するインクジェットヘッドに本発明を適用した一例であるが、本発明を適用可能な液体移送装置はインクジェットヘッドに限られない。例えば、マイクロ総合分析システム(μTAS)内部で薬液や生化学溶液等の液体を移送する液体移送装置、マイクロ化学システム内部で溶媒や化学溶液等の液体を移送する液体移送装置等、インク以外の液体を移送する液体移送装置にも本発明を適用することもできる。
本発明の実施形態に係るインクジェットヘッドの概略斜視図である。 インクジェットヘッドの平面図である。 図2の一部拡大図である。 図3のIV-IV線断面図である。 図3のV-V線断面図である。 インクジェットヘッドの製造工程を示す図であり、(a)は金属プレートの接合工程、(b)は圧電層形成工程、(c)は個別電極形成工程、(d)はノズルプレートの接合工程を夫々示す。 振動板の厚さTv、圧電層の厚さTp、及び、振動板の変形量を表す最大変位量Ddとの関係を示す図である。 振動板の厚さTv、圧電層の厚さTp、及び、圧電アクチュエータの剛性を表す最大変位量Diとの関係を示す図である。 AD法により圧電層を形成する場合における、振動板を厚さを測定する工程を示す図である。 成膜チャンバー内のステージに振動板を取り付けた状態を示す図である。 噴射ノズルから振動板に対して圧電材料を噴射している状態を示す図である。 振動板の厚さのばらつきを圧電層の厚さで補正する一連の工程のフローチャートである。 変更形態の図5に相当する断面図である。 別の変更形態の図5に相当する断面図である。 さらに別の変更形態の図5に相当する断面図である。
符号の説明
1 インクジェットヘッド
2 流路ユニット
3,3A,3B,3C 圧電アクチュエータ
14 圧力室
20 ノズル
30,30A,30C 振動板
31 圧電層
32 個別電極
34 共通電極
40 製造装置
41 レーザー変位計
42 成膜装置
43 制御装置

Claims (21)

  1. 圧力室を有する流路ユニットの一表面に設けられ、且つ、前記圧力室を覆う振動板、この振動板の圧力室と反対側に配置された圧電層、この圧電層の両面側に夫々配置されて前記圧電層を挟む2つの電極を有する、液体移送装置の圧電アクチュエータの製造方法であって、
    前記振動板の厚さを測定する振動板厚さ測定工程と、
    前記振動板厚さ測定工程で測定された前記振動板の厚さの、予め設定された振動板の基準厚さに対するずれ量に基づいて、前記圧電層の厚さを決定する圧電層厚さ決定工程と、
    前記圧電層厚さ決定工程で決定された厚さの前記圧電層を、前記振動板の前記圧力室と反対側に設ける圧電層形成工程と、
    を備える圧電アクチュエータの製造方法。
  2. 前記圧電層厚さ決定工程において、一方の前記電極に所定の電圧が印加されたときの、前記振動板の変形量が所定の変形量となるように、前記圧電層の厚さを決定することを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータの製造方法。
  3. 前記振動板が圧電層の材料と同等以上の弾性率を有する材料からできており、前記振動板の厚さのずれ量をΔTv、前記圧電層の、予め設定された基準厚さに対する補正量をΔTp1としたときに、前記圧電層厚さ決定工程において、補正量ΔTp1を、(−0.75×ΔTv)≦ΔTp1≦(−1.05×ΔTv)の範囲内で決定することを特徴とする請求項2に記載の圧電アクチュエータの製造方法。
  4. 前記圧電層厚さ決定工程において、アクチュエータの剛性が所定の値となるように、前記圧電層の厚さを決定することを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータの製造方法。
  5. 前記振動板が圧電層の材料と同等以上の弾性率を有する材料からできており、前記振動板の厚さのずれ量をΔTv、前記圧電層の、予め設定された基準厚さに対する補正量をΔTp2としたときに、前記圧電層厚さ決定工程において、補正量ΔTp2を、(−1.0×ΔTv)≦ΔTp2≦(−1.3×ΔTv)の範囲内で決定することを特徴とする請求項4に記載の圧電アクチュエータの製造方法。
  6. 前記振動板の厚さのずれ量をΔTv、前記圧電層の、予め設定された基準厚さに対する補正量をΔTp1としたときに、前記圧電層厚さ決定工程において、補正量ΔTp1を、(−1.0×ΔTv)≦ΔTp1≦(−1.05×ΔTv)の範囲内で決定することを特徴とする請求項3に記載の圧電アクチュエータの製造方法。
  7. 前記振動板は、導電性材料で形成されて、前記2つの電極のうちの一方を兼ねており、
    前記圧電層形成工程において、前記圧電層を、前記振動板の前記圧力室と反対側の面に接して形成し、
    前記2つの電極の他方を、前記圧電層の前記振動板と反対側の面に接して形成することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の圧電アクチュエータの製造方法。
  8. 前記圧電層形成工程において、前記圧電層を、エアロゾルデポジション法、スパッタ法及び化学蒸着法からなる群から選ばれた一種の方法により前記振動板上に形成することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の圧電アクチュエータの製造方法。
  9. 前記圧電層形成工程において、前記圧電層を、エアロゾルデポジション法により前記振動板上に形成することを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータの製造方法。
  10. 圧力室を有する流路ユニットの一表面に設けられ、且つ、前記圧力室を覆う振動板と、この振動板の圧力室と反対側に配置された圧電層と、この圧電層の両面側に夫々配置されて前記圧電層を挟む2つの電極とを有し、振動板が圧電層の材料と同等以上の弾性率を有する材料からできている圧電アクチュエータの製造方法であって、
    前記振動板の厚さの設計値と前記圧電層の厚さの設計値の和を求める工程と、
    前記振動板の厚さを測定する測定工程と、
    前記測定された振動板の厚さに関して、前記和が維持されるように圧電層の厚みを決定する工程と、
    前記決定された厚さの前記圧電層を、前記振動板の前記圧力室と反対側に設ける圧電層形成工程とを備える圧電アクチュエータの製造方法。
  11. 圧力室を有する流路ユニットと、この流路ユニットの一表面に設けられ、且つ、前記圧力室を覆う振動板、この振動板の圧力室と反対側に配置された圧電層、この圧電層の両面側に夫々配置された2つの電極を有する圧電アクチュエータとを備えた液体移送装置の製造方法であって、
    前記振動板の厚さを測定する振動板厚さ測定工程と、
    前記振動板厚さ測定工程で測定された前記振動板の厚さの、予め設定された振動板の基準厚さに対するずれ量に基づいて、前記圧電層の厚さを決定する圧電層厚さ決定工程と、
    前記圧電層厚さ決定工程で決定された厚さの前記圧電層を、前記振動板の前記圧力室と反対側に設ける圧電層形成工程と、
    を備える液体移送装置の製造方法。
  12. 前記圧電層厚さ決定工程において、一方の前記電極に所定の電圧が印加されたときの、前記振動板の変形量が所定の変形量となるように、前記圧電層の厚さを決定することを特徴とする請求項11に記載の液体移送装置の製造方法。
  13. 前記振動板が圧電層の材料と同等以上の弾性率を有する材料からできており、前記振動板の厚さのずれ量をΔTv、前記圧電層の、予め設定された基準厚さに対する補正量をΔTp1としたときに、前記圧電層厚さ決定工程において、補正量ΔTp1を、(−0.75×ΔTv)≦ΔTp1≦(−1.05×ΔTv)の範囲内で決定することを特徴とする請求項12に記載の液体移送装置の製造方法。
  14. 前記圧電層厚さ決定工程において、アクチュエータの剛性が所定の値となるように、前記圧電層の厚さを決定することを特徴とする請求項11に記載の液体移送装置の製造方法。
  15. 前記振動板が圧電層の材料と同等以上の弾性率を有する材料からできており、前記振動板の厚さのずれ量をΔTv、前記圧電層の、予め設定された基準厚さに対する補正量をΔTp2としたときに、前記圧電層厚さ決定工程において、補正量ΔTp2を、(−1.0×ΔTv)≦ΔTp2≦(−1.3×ΔTv)の範囲内で決定することを特徴とする請求項14に記載の液体移送装置の製造方法。
  16. 前記振動板の厚さのずれ量をΔTv、前記圧電層の、予め設定された基準厚さに対する補正量をΔTp1としたときに、前記圧電層厚さ決定工程において、補正量ΔTp1を、(−1.0×ΔTv)≦ΔTp1≦(−1.05×ΔTv)の範囲内で決定することを特徴とする請求項13に記載の液体移送装置の製造方法。
  17. 前記振動板は、導電性材料で形成されて、前記2つの電極のうちの一方を兼ねており、
    前記圧電層形成工程において、前記圧電層を、前記振動板の前記圧力室と反対側の面に接して形成し、
    前記2つの電極の他方を、前記圧電層の前記振動板と反対側の面に接して形成することを特徴とする請求項11〜16の何れかに記載の液体移送装置の製造方法。
  18. 前記圧電層形成工程において、前記圧電層を、エアロゾルデポジション法、スパッタ法及び化学蒸着法からなる群から選ばれた一種の方法により前記振動板上に形成することを特徴とする請求項11〜17の何れかに記載の液体移送装置の製造方法。
  19. 前記圧電層形成工程において、前記圧電層を、エアロゾルデポジション法により前記振動板上に形成することを特徴とする請求項11に記載の圧電アクチュエータの製造方法。
  20. 圧力室を有する流路ユニットの一表面に設けられ、且つ、前記圧力室を覆う振動板、この振動板の圧力室と反対側に配置された圧電層、この圧電層の両面側に夫々配置された2つの電極を有する、液体移送装置の圧電アクチュエータを製造する装置であって、
    前記振動板の厚さを測定する厚さ測定装置と、
    前記厚さ測定手段により測定された前記振動板の厚さの、予め設定された振動板の基準厚さに対するずれ量に基づいて、前記圧電層の厚さを決定する厚さ決定装置と、
    前記厚さ決定装置により決定された厚さの前記圧電層を、前記振動板の前記圧力室と反対側に形成する圧電層形成装置とを備える圧電アクチュエータの製造装置。
  21. さらに、振動板の基準厚さに対するずれ量に対する前記圧電層の厚さの関係を記憶した記憶装置を備える請求項20に記載の圧電アクチュエータの製造装置。
JP2005314017A 2004-10-28 2005-10-28 圧電アクチュエータの製造方法、液体移送装置の製造方法、及び、圧電アクチュエータの製造装置 Expired - Fee Related JP4816002B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005314017A JP4816002B2 (ja) 2004-10-28 2005-10-28 圧電アクチュエータの製造方法、液体移送装置の製造方法、及び、圧電アクチュエータの製造装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004313802 2004-10-28
JP2004313802 2004-10-28
JP2005314017A JP4816002B2 (ja) 2004-10-28 2005-10-28 圧電アクチュエータの製造方法、液体移送装置の製造方法、及び、圧電アクチュエータの製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006150955A true JP2006150955A (ja) 2006-06-15
JP4816002B2 JP4816002B2 (ja) 2011-11-16

Family

ID=36629798

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005314017A Expired - Fee Related JP4816002B2 (ja) 2004-10-28 2005-10-28 圧電アクチュエータの製造方法、液体移送装置の製造方法、及び、圧電アクチュエータの製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4816002B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006179832A (ja) * 2004-12-24 2006-07-06 Tdk Corp 圧電素子
JP2015196344A (ja) * 2014-04-02 2015-11-09 株式会社東芝 インクジェットプリンタヘッド

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57181874A (en) * 1981-05-02 1982-11-09 Ricoh Co Ltd Manufacture of ink jet head
JPS58187365A (ja) * 1982-04-27 1983-11-01 Seiko Epson Corp オンデマンド型インクジエツト記録ヘツド
JPS61118261A (ja) * 1984-11-14 1986-06-05 Ricoh Co Ltd インクジエツトプリンタ用マルチノズルヘツド
JPH04263952A (ja) * 1991-02-19 1992-09-18 Seiko Epson Corp インクジェット記録ヘッド
JP2001277525A (ja) * 1999-12-27 2001-10-09 Seiko Epson Corp 圧電振動子ユニットの製造方法、液体噴射ヘッドの製造方法、圧電振動子ユニット、及び、液体噴射ヘッド
JP2002001945A (ja) * 2000-06-20 2002-01-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd インクジェットヘッド及びインクジェット式記録装置
JP2002067307A (ja) * 2000-08-24 2002-03-05 Ricoh Co Ltd 液滴吐出ヘッド
JP2002248763A (ja) * 2001-02-26 2002-09-03 Ricoh Co Ltd インクジェットヘッド及びその製造方法
JP2003321780A (ja) * 2002-04-26 2003-11-14 Hitachi Metals Ltd 超微粒子の成膜方法、圧電式アクチュエータおよび液体吐出ヘッド
JP2004066652A (ja) * 2002-08-07 2004-03-04 Ricoh Co Ltd 液滴吐出ヘッド、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置
JP2004223959A (ja) * 2003-01-24 2004-08-12 Seiko Epson Corp 液体吐出ヘッドの製造方法および薄膜構造体の膜厚調整方法

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57181874A (en) * 1981-05-02 1982-11-09 Ricoh Co Ltd Manufacture of ink jet head
JPS58187365A (ja) * 1982-04-27 1983-11-01 Seiko Epson Corp オンデマンド型インクジエツト記録ヘツド
JPS61118261A (ja) * 1984-11-14 1986-06-05 Ricoh Co Ltd インクジエツトプリンタ用マルチノズルヘツド
JPH04263952A (ja) * 1991-02-19 1992-09-18 Seiko Epson Corp インクジェット記録ヘッド
JP2001277525A (ja) * 1999-12-27 2001-10-09 Seiko Epson Corp 圧電振動子ユニットの製造方法、液体噴射ヘッドの製造方法、圧電振動子ユニット、及び、液体噴射ヘッド
JP2002001945A (ja) * 2000-06-20 2002-01-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd インクジェットヘッド及びインクジェット式記録装置
JP2002067307A (ja) * 2000-08-24 2002-03-05 Ricoh Co Ltd 液滴吐出ヘッド
JP2002248763A (ja) * 2001-02-26 2002-09-03 Ricoh Co Ltd インクジェットヘッド及びその製造方法
JP2003321780A (ja) * 2002-04-26 2003-11-14 Hitachi Metals Ltd 超微粒子の成膜方法、圧電式アクチュエータおよび液体吐出ヘッド
JP2004066652A (ja) * 2002-08-07 2004-03-04 Ricoh Co Ltd 液滴吐出ヘッド、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置
JP2004223959A (ja) * 2003-01-24 2004-08-12 Seiko Epson Corp 液体吐出ヘッドの製造方法および薄膜構造体の膜厚調整方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006179832A (ja) * 2004-12-24 2006-07-06 Tdk Corp 圧電素子
JP2015196344A (ja) * 2014-04-02 2015-11-09 株式会社東芝 インクジェットプリンタヘッド

Also Published As

Publication number Publication date
JP4816002B2 (ja) 2011-11-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7466067B2 (en) Piezoelectric actuator, method for producing piezoelectric actuator, liquid transporting apparatus, and method for producing liquid transporting apparatus
JP3726909B2 (ja) 液体噴射ヘッドの製造方法
US7594308B2 (en) Method for producing a piezoelectric actuator and a liquid transporting apparatus
US8657418B2 (en) Inkjet head and recording device
JP5358868B2 (ja) 圧電アクチュエータ、圧電アクチュエータの製造方法、液体移送装置及び液体移送装置の製造方法
JP5157185B2 (ja) 液体移送装置及び液滴噴射装置。
JP5003549B2 (ja) 液体移送装置及び液体移送装置の製造方法
US7465038B2 (en) Liquid transporting apparatus and method of manufacturing liquid transporting apparatus
US20110279551A1 (en) Inkjet print head and inkjet printer including the same
US7703896B2 (en) Liquid-droplet jetting apparatus and liquid transporting apparatus
JP4816002B2 (ja) 圧電アクチュエータの製造方法、液体移送装置の製造方法、及び、圧電アクチュエータの製造装置
JP5212627B2 (ja) 液体噴射ヘッドおよびプリンタ
JP2004066496A (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP2017045746A (ja) 接合構造体の製造方法、圧電デバイスの製造方法、及び、液体噴射ヘッドの製造方法
JP5061457B2 (ja) 液体移送装置及びその製造方法
JP5196106B2 (ja) 圧電素子の製造方法
JP2006205620A (ja) 液体移送装置
JP5134218B2 (ja) 液滴噴射装置及び液体移送装置
JP4924094B2 (ja) エアロゾルデポジション法を用いた圧電アクチュエータ、インクジェットヘッド及びインクジェットプリンタの製造方法並びに圧電アクチュエータ、インクジェットヘッド及びインクジェットプリンタ
JP2004090279A (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP2006231583A (ja) 液体噴射ヘッドの製造方法および液体噴射ヘッド
JP2005014506A (ja) インクジェットヘッド及びインクジェット式記録装置
JP2002001965A (ja) インクジェットヘッド及びインクジェット式記録装置
JP2006123275A (ja) 液体移送装置及び液体移送装置の製造方法
JP2004106216A (ja) インクジェットヘッドおよびそれを備えたインクジェット式記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081016

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110222

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110422

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110517

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110712

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110802

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110815

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140909

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4816002

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees