JP2006145915A - 反射フィルム - Google Patents
反射フィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006145915A JP2006145915A JP2004336769A JP2004336769A JP2006145915A JP 2006145915 A JP2006145915 A JP 2006145915A JP 2004336769 A JP2004336769 A JP 2004336769A JP 2004336769 A JP2004336769 A JP 2004336769A JP 2006145915 A JP2006145915 A JP 2006145915A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- layer
- reflective film
- fine powder
- reflective
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
【解決手段】脂肪族ポリエステル系樹脂及び微粉状充填剤を含有してなるA層と、ポリエステル系樹脂を含有してなるフィルムを二軸延伸してなる二軸延伸ポリエステルフィルム(B層)とが積層されてなる構成を備えた反射フィルムを提案する。
【選択図】 なし
Description
従って、本発明の反射フィルムは、パソコンやテレビなどのディスプレイ、照明器具、照明看板等の反射板等に用いる反射フィルムとして好適であるばかりか、大型液晶テレビなどの特に優れた耐熱性が要求される用途の反射フィルムとしても好適に用いることができる。
ここで、主成分と言うのは、当該成分の機能を妨げない限りにおいて、それ以外の成分を含むことを許容する意であり、主成分の含有割合は特に制限されないが、各層において主成分が50質量%以上、中でも70質量%以上、特に80質量%以上、殊更90質量%以上を占めるのが好ましい。
本実施形態に係る反射フィルムを構成するA層は、主に反射フィルムの光反射性を付与する層であって、例えば、フィルムを積層したり、薄膜状の層を製膜したりして形成することができる。
以下、A層を構成する脂肪族ポリエステル系樹脂について説明する。
脂肪族ポリエステル系樹脂としては、化学合成されたもの、微生物により発酵合成されたもの、及び、これらの混合物を用いることができる。
化学合成された脂肪族ポリエステル系樹脂としては、ポリε−カプロラクタム等、ラクトンを開環重合して得られる脂肪族ポリエステル系樹脂、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンアゼレート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンアゼレート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリテトラメチレンサクシネート、シクロヘキサンジカルボン酸/シクロヘキサンジメタノール縮合体等、二塩基酸とジオールとを重合して得られる脂肪族ポリエステル系樹脂、ポリ乳酸、ポリグリコール等ヒドロキシカルボン酸を重合して得られる脂肪族ポリエステル系樹脂、前記脂肪族ポリエステルのエステル結合の一部、例えば全エステル結合の50%以下がアミド結合、エーテル結合、ウレタン結合等に置き換えられた脂肪族ポリエステル等を挙げることができる。
また、微生物により発酵合成された脂肪族ポリエステル系樹脂としては、ポリヒドロキシブチレート、ヒドロキシブチレートとヒドロキシバリレートとの共重合体等を挙げることができる。
脂肪族ポリエステル系樹脂は、分子鎖中に芳香環を含まないので紫外線吸収を起こさない。従って、液晶表示装置等の光源から発せられる紫外線によってフィルムが劣化、黄変することがなく、光反射性が経時的に低下することが少ない。
脂肪族ポリエステル系樹脂と微粉状充填剤との屈折率の差は、0.15以上であることが好ましく、0.20以上であれば更に好ましい。
脂肪族ポリエステル系樹脂の屈折率が1.52未満であれば、微粉状充填剤の屈折率との差が0.15以上の条件を確保することが容易であり、組み合わせられる微粉状充填剤の種類も豊富になる。
次に、A層に含有される微粉状充填剤について説明する。
有機質微粉体としては、木粉、パルプ粉等のセルロース系粉末や、ポリマービーズ、ポリマー中空粒子等から選ばれた少なくとも一種が好ましい。
無機質微粉体としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、アルミナ、水酸化アルミニウム、ヒドロキシアパタイト、シリカ、マイカ、タルク、カオリン、クレー、ガラス粉、アスベスト粉、ゼオライト、珪酸白土等から選ばれた少なくとも一種が好ましい。得られる反射フィルムの光反射性を勘案すれば、脂肪族ポリエステル系樹脂との屈折率差が大きいものが好ましく、すなわち、無機質微粉体としては屈折率が大きいもの、基準としては1.6以上が好ましい。具体的には、屈折率が1.6以上である炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、又は酸化亜鉛を用いることがさらに好ましく、これらの中でも酸化チタンが特に好ましい。酸化チタンを用いることにより、より少ない充填量でフィルムに高い反射性能を付与することができ、また、薄肉でも高い反射性能のフィルムを得ることができる。
ここで、高純度酸化チタンとは、可視光に対する光吸収能が小さい酸化チタン、すなわち、バナジウム、鉄、ニオブ、銅、マンガン等の着色元素の含有量が少ないものの意である。本発明では、酸化チタンに含まれるバナジウムの含有量が5ppm以下である酸化チタンを高純度酸化チタンと称すことにする。
表面処理剤としては、例えば、酸化チタンの表面をシロキサン化合物、シランカップリング剤等から選ばれた少なくとも一種類の無機化合物を用いることができ、これらを組み合わせて用いることもできる。さらに、シロキサン化合物、シランカップリング剤、ポリオール及びポリエチレングリコールからなる群から選ばれた少なくとも一種の有機化合物等を用いることができる。また、これらの無機化合物と有機化合物とを組み合わせて用いてもよい。
A層は、内部に空隙を有していてもよい。空隙を有していれば、脂肪族ポリエステル系樹脂と微粉状充填剤との屈折率差による屈折散乱のほか、脂肪族ポリエステル系樹脂と空隙(空気)、微粉状充填剤と空隙(空気)との屈折率差による屈折散乱からも反射性能を得ることができる。
例えば、A層が空隙を有さない場合(すなわち、空隙率=0%)であっても、微粉状充填剤として酸化チタンを用いれば、高い光反射性を得ることができる。これは、脂肪族ポリエステル系樹脂と酸化チタンとの屈折率差による屈折散乱が大きいことと共に、酸化チタンの隠蔽力が高いことに起因すると推察される。
本実施形態に係る反射フィルムを構成するB層は、主に、反射フィルムに耐熱性、寸法安定性を付与する層である。
以下、B層を構成する二軸延伸ポリエステルフィルムについて説明する。
また、これらポリエステル系樹脂は、ホモポリエステルとして単独で使用する他、二種類以上をブレンドして使用してもよい。さらに、共重合体であってもよく、共重合成分として、例えば、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール等から選ばれた一種類以上のジオール成分、及び、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等から選ばれた一種類以上のジカルボン酸成分を共重合した共重合体も使用することができる。
また、ポリエステル系樹脂と非相溶である樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂や、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリフェニレンスルフィド、フッ素系樹脂等の樹脂を挙げることができ、中でも、ポリオレフィン系樹脂、特に臨界表面張力の小さいポリプロピレン、ポリメチルペンテンが好ましい。
例えば、空隙を有さない場合であっても、高純度酸化チタンを用いれば、高い光反射性を得ることができる。これは、二軸延伸ポリエステルフィルムと高純度酸化チタンとの屈折率差による屈折散乱が大きいことと共に、酸化チタンの隠蔽力が高いことに起因すると推察される。
本実施形態に係る反射フィルムを構成するA層及びB層は、本発明の効果を損なわない範囲内で上記以外の樹脂を含有していてもよい。
また、本発明の効果を損なわない範囲内で、加水分解防止剤、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、滑剤、分散剤、紫外線吸収剤、白色顔料、蛍光増白剤、及びその他の添加剤を含有していてもよい。
―(N=C=N−R−)n―
式中、nは1以上の整数を示し、Rは有機系結合単位を示す。例えば、Rは脂肪族、脂環族、芳香族のいずれかであることができる。また、nは、通常、1〜50の間で適当な整数が選択される。
具体的には、例えば、ビス(ジプロピルフェニル)カルボジイミド、ポリ(4,4’−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリルカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(メチル−ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド)等、及び、これらの単量体が、カルボジイミド化合物として挙げることができる。これらのカルボジイミド化合物は、単独で使用しても、あるいは、二種以上組み合わせて使用してもよい。
本実施形態に係る反射フィルムは、高い反射性能を有するA層と高い耐熱性を有するB層とを積層することで、両者の特徴を併せ持つこととなり、例えば、大型液晶テレビ等の用途における80℃以上の耐熱性、すなわち80℃の加熱環境下での寸法安定性を確保することができる。
中でも、光が照射される側(反射使用面側)にA層を配置すると、反射フィルムの黄変を防止して、その光反射性を維持できるので好ましい。
また、本実施形態に係る反射フィルムは、これらの層の間に、さらに他の層を有していてもよい。具体的には、A層とB層とを積層するために接着剤層を介在させてもよい。
本実施形態に係る反射フィルムにおいて、A層が占める割合は、反射フィルム全体の厚さに対する比率で、20%以上90%以下、好ましくは40%以上80%以下、さらに好ましくは50%以上70%以下の範囲が好適である。20%以上であれば、光反射性を十分に付与することができ、90%以下であれば、耐熱性を十分に得ることができる。
本実施形態に係る反射フィルムは、反射使用面側から測定した波長550nmの光に対する反射率が95%以上であることが好ましく、97%以上であることがさらに好ましい。反射率が95%以上であれば、良好な反射特性を示し、液晶ディスプレイ等の画面に充分な明るさを与えることができる。
例えば、大型液晶テレビ等の反射板として組み込まれる場合には、光源に晒された状態で長時間使用されるので、その期間において波打やシワの発生を抑える必要がある。すなわち、耐熱性、加熱環境下での寸法安定性が要求される。従って、前記の如く、80℃で180分間加熱した後の熱収縮率が縦方向(MD)及び横方向(TD)ともに−0.1%より大きく且つ0.7%未満であれば、反射フィルムの平面性を維持し得る寸法安定性を有する。
本実施形態に係る反射フィルムは、以上のように高度な反射性能と高い耐熱性を兼ね備えていることから、パソコンやテレビなどのディスプレイ、照明器具、照明看板等の反射板等に用いる反射フィルムとして好適であるばかりか、大型液晶テレビ等の特に優れた耐熱性が要求される反射板に用いる反射フィルムとしても好適に用いることができる。
例えば、金属板もしくは樹脂板の反射フィルムを貼り合わせる側の面に、ポリエステル系、ポリウレタン系、エポキシ系等の接着剤を塗布し、反射フィルムを貼り合わせることができる。この方法においては、リバースロールコーター、キスロールコーター等の一般的に使用されるコーティング設備を使用し、反射フィルムを貼り合わせる金属板等の表面に乾燥後の接着剤膜厚が2〜4μm程度となるように接着剤を塗布する。次いで、赤外線ヒーター及び熱風加熱炉により塗布面の乾燥及び加熱を行い、板の表面を所定の温度に保持しつつ、直にロールラミネーターを用いて、反射フィルムを被覆、冷却することにより、反射板を得ることできる。この場合、金属板等の表面を210℃以下に保持すると、反射板の光反射性を高く維持できて好ましい。
本実施形態に係る反射フィルムは、例えば、(1)二軸延伸ポリエステルフィルム(以下、フィルムBという)に、脂肪族ポリエステル系樹脂及び微粉状充填剤を含有してなる樹脂組成物(以下、樹脂組成物Aという)から形成されるフィルム(以下、フィルムAという)を積層するようにして製造することも、また、(2)フィルムB上に、樹脂組成物AからなるA層を製膜するようにして製造することもできる。
以下、本実施形態に係る反射フィルムの製造方法について、先ず、(1)の製造方法について説明し、次いで、(2)の製造方法について説明するが、下記製造法に何等限定されるものではない。
B層を構成するフィルムBは、ポリエステル系樹脂に必要に応じて微粉状充填剤等の添加物を配合した樹脂組成物B(以下、樹脂組成物Bという)を溶融してフィルム状に形成した後、二軸方向に延伸して得ることができる。以下、詳細に説明する。
なお、ポリエステル系樹脂と、微粉状充填剤や添加剤等を別々のフィーダー等により所定量を添加することによって樹脂組成物Bを得るようにしてもよい。また、予め、微粉状充填剤や添加剤等をポリエステル系樹脂に高濃度に配合した、いわゆるマスターバッチを作っておき、このマスターバッチとポリエステル系樹脂を混合して所望の濃度の樹脂組成物Bとしてもよい。
押出温度は、例えば、ポリエチレンテレフタレートの場合、270℃〜300℃の範囲が好ましい。
溶融した樹脂組成物Bは、Tダイのスリット状の吐出口から押し出し、冷却ロールに密着固化させてキャストシート(未延伸状態)を形成する。
延伸する際の延伸温度は、樹脂のガラス転移温度(Tg)程度から(Tg+50℃)の範囲内の温度であることが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレートの場合には80℃以上、120℃以下であることが好ましい。延伸温度がこの範囲であれば、延伸時に破断することがなく好ましい。
熱処理の処理温度は、例えばポリエチレンテレフタレートの場合、150℃〜230℃であることが好ましい。熱処理に要する処理時間は、好ましくは1秒〜5分である。また、延伸設備等については特に限定はないが、延伸後に熱固定処理を行うことができるテンター延伸を行うことが好ましい。
なお、脂肪族ポリエステル系樹脂と、微粉状充填剤、加水分解防止剤等とを別々のフィーダー等により所定量を添加することによっても樹脂組成物Aを得ることもできる。また、予め、脂肪族ポリエステル系樹脂に微粉状充填剤、加水分解防止剤等を高濃度に配合した、いわゆるマスターバッチを作っておき、このマスターバッチと脂肪族ポリエステル系樹脂を混合して所望の濃度の樹脂組成物Aとすることもできる。
押出温度等の条件は、分解によって分子量が低下すること等を考慮して設定されることが必要であり、例えば、押出温度は、脂肪族ポリエステル系樹脂に乳酸系重合体を用いた場合であれば、170℃〜230℃の範囲が好ましい。
溶融した樹脂組成物AをTダイのスリット状の吐出口から押し出し、冷却ロールに密着固化させてキャストシート(未延伸状態)を形成し、フィルムAを得る。
ここで、フィルムを一軸延伸したのみでは、形成される空隙は一方向に伸びた繊維状形態にしかならないが、二軸延伸することによって、その空隙は縦横両方向に伸ばされた円盤状形態になる。すなわち、二軸延伸することによって、樹脂と微粉状充填剤との界面の剥離面積が増大し、フィルムの白化が進行し、その結果、フィルムの光反射性を高めることができる。さらに、二軸延伸するとフィルムの収縮方向に異方性がなくなるので、フィルムの耐熱性を向上させることができ、また、フィルムの機械的強度を増加させることもできる。
フィルムAの熱処理温度は90〜160℃であることが好ましく、110〜140℃であることがさらに好ましい。熱処理に要する処理時間は、好ましくは1秒〜5分である。また、延伸設備等については特に限定はないが、延伸後に熱固定処理を行うことができるテンター延伸を行うことが好ましい。
次に、前記の如く作製したフィルムAとフィルムBとを積層して反射フィルムを製造する。
積層方法としては、例えば、フィルムAとフィルムBとの間に接着剤(接着性シートを含む)を介在させる方法、フィルムAとフィルムBとを接着剤を使用せずに熱融着する方法等の積層方法があるが、特に限定されるものではない。
次に、フィルムB上に、樹脂組成物AからなるA層を製膜する場合の反射フィルムの製造方法について説明する。
ここで、製膜方法としては、例えば、押出ラミネート、サンドラミ、共押出等の方法があり、特に限定されるものではない。
(1)屈折率
使用した樹脂及び作製した反射フィルムの屈折率は、JIS K−7142のA法に基づいて測定した。
酸化チタンをマイクロウェーブ試料分解装置内でフッ化水素酸により分解し、得られた溶液について、ICP発光分光分析装置を用いて定量分析を行った。
(株)島津製作所製の型式「SS−100」の粉体比表面測定器(透過法)を用い、断面積2cm2、高さ1cmの試料筒に試料3gを充填して、500mm水柱で20ccの空気透過の時間より算出した。
延伸前のフィルムの密度(「未延伸フィルム密度」)と、延伸後のフィルムの密度(「延伸フィルム密度」)を測定し、下記式に代入して反射フィルムの空隙率を求めた。
空隙率(%)=
{(未延伸フィルム密度−延伸フィルム密度)/未延伸フィルム密度}×100
分光光度計(「U―4000」、(株)日立製作所製)に積分球を取付け、波長550nmの光に対する反射率を測定した。その際、本反射フィルムの反射使用面側から光を照射した。なお測定前に、アルミナ白板の反射率が100%になるように光度計を設定した。
反射フィルムのMD及びTDのそれぞれに200mm幅の標線を入れ、サンプルとして切り出した。この切り出したサンプルを、温度80℃の熱風循環オーブンの中に入れて3時間保持した後、標線間でのサンプルの収縮量を測定した。オーブンに入れる前のサンプル標線間原寸(200mm)に対する収縮量の比率を熱収縮率(%)とした。
サンシャインウェザーメーター試験器(水の間欠噴霧なく)内で、フィルムに紫外線を1,000時間照射した後、フィルムの表面を肉眼で観察し、視覚判断によりフィルム表面の色目が白色であるものを「白」、黄味がかかっているものを「黄」と表示した。
また、紫外線照射後のフィルムについても、上記(5)の測定方法に従って、反射率(%)を測定した。
重量平均分子量20万の乳酸系重合体(NW4032D:カーギルダウポリマー社製、L体:D体=98.5:1.5、屈折率n=1.46)のペレット50質量部に、平均粒径0.25μmの酸化チタン(タイペークPF−740:石原産業社製、バナジウム含有量1ppm、アルミナ、シリカ、ジルコニアによる表面処理済)を50質量部の割合で混合して混合物を得た。この混合物100質量部に、加水分解防止剤(ビス(ジプロピルフェニル)カルボジイミド)を2.5質量部添加して混合した後、二軸押出機を用いてペレット化して、いわゆるマスターバッチを作製した。このマスターバッチと前記の乳酸系重合体とを質量比60:40の割合で混合して樹脂組成物Aとし、該樹脂組成物Aを220℃に加熱された押出機に供給した。
フィルムBの組成を表2に示す。また、得られた反射フィルムについて、空隙率、紫外線照射前の反射率と紫外線照射後の反射率、黄変防止性、熱収縮率の測定及び評価を行った。その結果を表3に示す。
実施例1の酸化チタンに換えて、平均粒径0.7μmの硫酸バリウム(B−55:堺化学工業社製)を用いた以外は、実施例1と同様に、厚さ250μm、三層構造(A層/B層/A層)の反射フィルムを得た。得られた反射フィルムについて、実施例1と同様の測定及び評価を行った。
フィルムAの組成を表1に、フィルムBの組成を表2に、得られた反射フィルムの測定及び評価結果を表3に示す。
実施例1の酸化チタンに換えて、平均粒径1.1μmの炭酸カルシウム(μ−パウダー3S:備北粉加工業社製)を用いた以外は、実施例1と同様に、厚さ250μm、三層構造(A層/B層/A層)の反射フィルムを得た。得られた反射フィルムについて、実施例1と同様の測定及び評価を行った。
フィルムAの組成を表1に、フィルムBの組成を表2に、得られた反射フィルムの測定及び評価結果を表3に示す。
実施例1のフィルムBに換えて、ポリエチレンテレフタレート(日本ユニペット社製、屈折率n=1.58)のペレット80質量部に、実施例1と同じ酸化チタンを20質量部の割合で混合して得た樹脂組成物Bを溶融製膜し、MD2.5倍、TD2.5倍に二軸延伸して得たフィルムBを用いた以外は、実施例1と同様に、厚さ250μm、三層構造(A層/B層/A層)の反射フィルムを得た。得られた反射フィルムについて、実施例1と同様の測定及び評価を行った。
フィルムAの組成を表1に、フィルムBの組成を表2に、得られた反射フィルムの測定及び評価結果を表3に示す。
なお、フィルムBの製膜では、押出機の加熱温度を280℃、延伸温度を90℃とした。
実施例4と同じポリエチレンテレフタレートのペレット70質量部に、実施例1と同じ酸化チタンを30質量部の割合で混合して得た樹脂組成物を溶融製膜し、MD2.5倍、TD2.5倍の二軸延伸して、厚さ250μm、単層の反射フィルムを得た。得られた反射フィルムについて、実施例1と同様の測定及び評価を行った。
反射フィルムの組成を表2に、測定及び評価結果を表3に示す。なお、押出機の加熱温度を280℃、延伸温度を90℃とした。
実施例1と同じ乳酸系重合体のペレット50質量部に、実施例1と同じ酸化チタンを50質量部の割合で混合して混合物を得た。この混合物100質量部に、加水分解防止剤(ビス(ジプロピルフェニル)カルボジイミド)を2.5質量部添加して混合した後、二軸押出機を用いてペレット化して、いわゆるマスターバッチを作製した。このマスターバッチと実施例1と同じ乳酸系重合体とを質量比60:40の割合で混合して樹脂組成物とし、この樹脂組成物を220℃に加熱された押出機に供給した。
押出機によって得られた溶融状態の樹脂組成物を、Tダイを用いてシート状に押出し、冷却固化してフィルムを形成した。得られたフィルムを、温度65℃で、MD2.5倍、TD2.8倍となるように二軸方向に延伸し、140℃で熱処理し、厚さ250μm、単層の反射フィルムを得た。得られた反射フィルムについて、実施例1と同様の測定及び評価を行った。
得られた反射フィルムの組成を表1に、測定及び評価結果を表3に示す。
a:タイペークPF740 (石原産業社製 ルチル型結晶型酸化チタン)
b:B-55 (堺化学工業社製 硫酸バリウム)
c:μ−パウダー−3S (備北粉加工業社製 炭酸カルシウム)
表1及び表2中の表面処理(不活性無機化合物)
A:アルミナ
B:シリカ
C:ジルコニア
一方、比較例1の反射フィルムは、反射率が95%未満であり、紫外線照射後の反射率も90%未満であったことから、光反射性の点で実施例1〜4の反射フィルムに劣ることがわかった。比較例1の反射フィルムは、黄変が観察された。
比較例2の反射フィルムは、熱収縮率が0.7%を超えており、寸法安定性という点で実施例1〜4の反射フィルムに劣ることがわかった。
Claims (16)
- 脂肪族ポリエステル系樹脂及び微粉状充填剤を含有してなるA層と、ポリエステル系樹脂を含有してなるフィルムを二軸延伸してなる二軸延伸ポリエステルフィルム(B層)とが積層されてなる構成を備えた反射フィルム。
- A層中の脂肪族ポリエステル系樹脂の屈折率が、1.52未満であることを特徴とする請求項1記載の反射フィルム。
- A層中の脂肪族ポリエステル系樹脂が、乳酸系重合体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の反射フィルム。
- 微粉状充填剤は、A層全体の質量に対して10質量%〜60質量%の割合で含有されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の反射フィルム。
- 微粉状充填剤は、酸化チタンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の反射フィルム。
- 微粉状充填剤は、バナジウム含有量が5ppm以下の酸化チタンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の反射フィルム。
- 微粉状充填剤は、酸化チタンの表面がシリカ、アルミナ、及びジルコニアの群から選ばれる少なくとも一種類以上の不活性無機酸化物で被覆されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の反射フィルム。
- A層は、少なくとも一軸方向に1.1倍以上延伸されてなるフィルムから構成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の反射フィルム。
- A層は、内部に空隙率50%以下の空隙を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の反射フィルム。
- A層及びB層を含む二層以上の積層構成からなり、反射使用面側にA層が配設されることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の反射フィルム。
- B層を構成する二軸延伸ポリエステルフィルムは、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の反射フィルム。
- B層は、微粉状充填剤、及び、ポリエステル系樹脂と非相溶である樹脂のうち少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の反射フィルム。
- B層を構成する二軸延伸ポリエステルフィルムは、空隙を有することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の反射フィルム。
- 80℃で180分間加熱した後の熱収縮率が、縦方向(MD)及び横方向(TD)ともに−0.1%より大きく、かつ0.7%未満であることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の反射フィルム。
- 550nmの波長域における反射使用面側の反射率が95%以上であることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の反射フィルム。
- 請求項1〜15のいずれかに記載の反射フィルムを備えた反射板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004336769A JP2006145915A (ja) | 2004-11-19 | 2004-11-19 | 反射フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004336769A JP2006145915A (ja) | 2004-11-19 | 2004-11-19 | 反射フィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006145915A true JP2006145915A (ja) | 2006-06-08 |
Family
ID=36625675
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004336769A Pending JP2006145915A (ja) | 2004-11-19 | 2004-11-19 | 反射フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006145915A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008257229A (ja) * | 2007-03-14 | 2008-10-23 | Toray Ind Inc | 反射板用ポリエステルフィルム |
JP2009126094A (ja) * | 2007-11-26 | 2009-06-11 | Teijin Dupont Films Japan Ltd | 積層フィルム |
JP2017026676A (ja) * | 2015-07-16 | 2017-02-02 | 帝人フィルムソリューション株式会社 | 大型ディスプレイ用白色反射フィルム |
JP2017044886A (ja) * | 2015-08-27 | 2017-03-02 | 帝人フィルムソリューション株式会社 | 大型ディスプレイ用白色反射フィルム |
JP2017170657A (ja) * | 2016-03-19 | 2017-09-28 | 三菱ケミカル株式会社 | 積層ポリエステルフィルム |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10730A (ja) * | 1996-06-17 | 1998-01-06 | Toyo Ink Mfg Co Ltd | 光反射フィルム |
JP2000238125A (ja) * | 1999-02-25 | 2000-09-05 | Toyobo Co Ltd | 脂肪族ポリエステル系フィルム |
JP2003139926A (ja) * | 2001-10-31 | 2003-05-14 | Toray Ind Inc | 光反射フィルムおよびそれを用いた画像表示用バックライト装置 |
JP2004161888A (ja) * | 2002-11-13 | 2004-06-10 | Idemitsu Petrochem Co Ltd | 熱可塑性樹脂組成物配合用酸化チタン、熱可塑性樹脂組成物及びその成形体 |
JP2004309804A (ja) * | 2003-04-08 | 2004-11-04 | Yupo Corp | 光反射体 |
-
2004
- 2004-11-19 JP JP2004336769A patent/JP2006145915A/ja active Pending
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10730A (ja) * | 1996-06-17 | 1998-01-06 | Toyo Ink Mfg Co Ltd | 光反射フィルム |
JP2000238125A (ja) * | 1999-02-25 | 2000-09-05 | Toyobo Co Ltd | 脂肪族ポリエステル系フィルム |
JP2003139926A (ja) * | 2001-10-31 | 2003-05-14 | Toray Ind Inc | 光反射フィルムおよびそれを用いた画像表示用バックライト装置 |
JP2004161888A (ja) * | 2002-11-13 | 2004-06-10 | Idemitsu Petrochem Co Ltd | 熱可塑性樹脂組成物配合用酸化チタン、熱可塑性樹脂組成物及びその成形体 |
JP2004309804A (ja) * | 2003-04-08 | 2004-11-04 | Yupo Corp | 光反射体 |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008257229A (ja) * | 2007-03-14 | 2008-10-23 | Toray Ind Inc | 反射板用ポリエステルフィルム |
KR101453811B1 (ko) * | 2007-03-14 | 2014-10-22 | 도레이 카부시키가이샤 | 반사판용 폴리에스테르 필름 |
JP2009126094A (ja) * | 2007-11-26 | 2009-06-11 | Teijin Dupont Films Japan Ltd | 積層フィルム |
JP2017026676A (ja) * | 2015-07-16 | 2017-02-02 | 帝人フィルムソリューション株式会社 | 大型ディスプレイ用白色反射フィルム |
JP2017044886A (ja) * | 2015-08-27 | 2017-03-02 | 帝人フィルムソリューション株式会社 | 大型ディスプレイ用白色反射フィルム |
JP2017170657A (ja) * | 2016-03-19 | 2017-09-28 | 三菱ケミカル株式会社 | 積層ポリエステルフィルム |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3927585B2 (ja) | 脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム及び反射板 | |
JP4834549B2 (ja) | 脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム及び反射板 | |
JP4443515B2 (ja) | 反射フィルム | |
JP2007030284A (ja) | 脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム | |
JPWO2005039872A1 (ja) | 反射フィルム | |
JP2007033738A (ja) | 脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム | |
JP4750405B2 (ja) | 脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム及び反射板 | |
JP2007308539A (ja) | 反射フィルムおよびそれを用いた反射板 | |
JP2007021952A (ja) | 脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム及び反射板 | |
JP2007304516A (ja) | 反射フィルム及び反射板 | |
JP2006145915A (ja) | 反射フィルム | |
JP4694822B2 (ja) | 反射フィルム | |
JP4791028B2 (ja) | 光反射体及び光反射体の製造方法 | |
JP2006145568A (ja) | 脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム及び反射板 | |
JP4791609B2 (ja) | 光反射板及び光反射板の製造方法 | |
JP4630642B2 (ja) | 脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム及び反射板 | |
JP2006145912A (ja) | 反射フィルム | |
JP5054888B2 (ja) | 脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム及び反射板 | |
JP4804741B2 (ja) | 脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム及び反射板 | |
JP4607553B2 (ja) | 脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム及び反射板 | |
JP2006145916A (ja) | 反射フィルム | |
JP4550787B2 (ja) | 脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム及び反射板 | |
JP2007023185A (ja) | 脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム及び反射板 | |
JP5148089B2 (ja) | 脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム及び反射板 | |
JP2006145913A (ja) | 反射フィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070831 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100713 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20101102 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20101221 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20110125 |