JP2006142895A - 車両運動制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 タイヤの状態を精度よく検出して車両の運動制御に反映させる。
【解決手段】 車両運動制御装置1は、車体に設置されたタイヤ温度検出手段5および実舵角検出手段8によりタイヤ温度およびタイヤ実舵角を検出し、これをステアリング制御手段11による車両のステアリング制御に反映させる。
【選択図】 図1
【解決手段】 車両運動制御装置1は、車体に設置されたタイヤ温度検出手段5および実舵角検出手段8によりタイヤ温度およびタイヤ実舵角を検出し、これをステアリング制御手段11による車両のステアリング制御に反映させる。
【選択図】 図1
Description
この発明は、タイヤに関わる種々の情報に基づいて車両の運動制御を行う車両運動制御装置に関するものである。
ステアリング制御などの車両の運動制御を行う場合、タイヤの状態(例えば、タイヤの実舵角など)を正確に検知することが非常に重要である。従来、タイヤの実舵角を検出する方法としては、ハンドルの操作量から推定する方法が知られている。
また、ステアリング制御などの車両の運動制御を行う場合、タイヤの滑り角とタイヤの横力との関係(以下、タイヤ特性)を把握しておくことも非常に重要である。タイヤ特性を推定する技術は例えば特許文献1に開示されている。
特開平9−58449号公報
また、ステアリング制御などの車両の運動制御を行う場合、タイヤの滑り角とタイヤの横力との関係(以下、タイヤ特性)を把握しておくことも非常に重要である。タイヤ特性を推定する技術は例えば特許文献1に開示されている。
しかしながら、ハンドルの操作量からタイヤの実舵角を推定した場合には、サスペンションのブッシュの撓みなどの影響が反映されないため、実際の実舵角との間に誤差があり、精度が悪かった。これは、この実舵角を用いて行う車両の運動制御にとって好ましくない。
また、タイヤ特性は、タイヤ交換やタイヤの劣化や路面状態などによって変化するが、従来はタイヤ特性を推定する際にこれらを考慮していないため、精度が悪かった。これは、このタイヤ特性を用いて行う車両の運動制御にとって好ましくない。
また、タイヤ特性は、タイヤ交換やタイヤの劣化や路面状態などによって変化するが、従来はタイヤ特性を推定する際にこれらを考慮していないため、精度が悪かった。これは、このタイヤ特性を用いて行う車両の運動制御にとって好ましくない。
そこで、この発明は、タイヤの状態を精度よく検出して車両の運動制御に反映させた車両運動制御装置を提供するものである。
また、この発明は、タイヤの撓み量を精度よく検出して車両の運動制御に反映させた車両運動制御装置を提供するものである。
また、この発明は、経時的に変化するタイヤ特性を走行中に学習して車両の運動制御に反映させた車両運動制御装置を提供するものである。
また、この発明は、タイヤの撓み量を精度よく検出して車両の運動制御に反映させた車両運動制御装置を提供するものである。
また、この発明は、経時的に変化するタイヤ特性を走行中に学習して車両の運動制御に反映させた車両運動制御装置を提供するものである。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、車体(例えば、後述する実施例における車体13)に設置されたカメラ(例えば、後述する実施例におけるサーモカメラ5a、実舵角検出用カメラ8a)によりタイヤ(例えば、後述する実施例におけるフロントタイヤ12)の状態を検知し、そのタイヤの状態に応じて車両の運動制御を行うことを特徴とする車両運動制御装置(例えば、後述する実施例における車両運動制御装置1)である。
このように構成することにより、高精度に検出されたタイヤの状態を車両の運動制御に反映させることができる。
このように構成することにより、高精度に検出されたタイヤの状態を車両の運動制御に反映させることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記タイヤの状態はタイヤの温度であることを特徴とする。
このように構成することにより、高精度に検出されたタイヤ温度を車両の運動制御に反映させることができる。
このように構成することにより、高精度に検出されたタイヤ温度を車両の運動制御に反映させることができる。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記タイヤの状態はタイヤの実舵角であることを特徴とする。
このように構成することにより、高精度に検出されたタイヤの実舵角を車両の運動制御に反映させることができる。
このように構成することにより、高精度に検出されたタイヤの実舵角を車両の運動制御に反映させることができる。
請求項4に係る発明は、路面(例えば、後述する実施例における路面G)との間の距離を測定する距離測定手段(例えば、後述する実施例における撓み量検出用カメラ6a)を車体(例えば、後述する実施例におけるナックル14)に設置し、この距離測定手段で検出した測定距離に基づいてタイヤの撓み量を推定し、推定した撓み量に応じて車両の運動制御を行うことを特徴とする車両運動制御装置(例えば、後述する実施例における車両運動制御装置1)である。
このように構成することにより、高精度に推定されたタイヤの撓み量を車両の運動制御に反映させることができる。
このように構成することにより、高精度に推定されたタイヤの撓み量を車両の運動制御に反映させることができる。
請求項5に係る発明は、タイヤ(例えば、後述する実施例におけるフロントタイヤ12)の滑り角とタイヤ横力の関係を車両の走行中に学習し、学習した前記関係に基づきタイヤの状態に応じて車両の運動制御を行うことを特徴とする車両運動制御装置(例えば、後述する実施例における車両運動制御装置1)である。
このように構成することにより、タイヤの滑り角とタイヤ横力の関係についての最新の情報を車両の運動制御に反映させることができる。
このように構成することにより、タイヤの滑り角とタイヤ横力の関係についての最新の情報を車両の運動制御に反映させることができる。
請求項1に係る発明によれば、高精度に検出されたタイヤの状態を車両の運動制御に反映させることができるので、車両の運動制御を精度よく行うことができる。
請求項2に係る発明によれば、高精度に検出されたタイヤ温度を車両の運動制御に反映させることができるので、車両の運動制御を精度よく行うことができる。
請求項3に係る発明によれば、高精度に検出されたタイヤの実舵角を車両の運動制御に反映させることができるので、車両の運動制御を精度よく行うことができる。
請求項2に係る発明によれば、高精度に検出されたタイヤ温度を車両の運動制御に反映させることができるので、車両の運動制御を精度よく行うことができる。
請求項3に係る発明によれば、高精度に検出されたタイヤの実舵角を車両の運動制御に反映させることができるので、車両の運動制御を精度よく行うことができる。
請求項4に係る発明によれば、高精度に推定されたタイヤの撓み量を車両の運動制御に反映させることができるので、車両の運動制御を精度よく行うことができる。
請求項5に係る発明によれば、タイヤの滑り角とタイヤ横力の関係についての最新の情報を車両の運動制御に反映させることができるので、車両の運動制御を精度よく行うことができる。
請求項5に係る発明によれば、タイヤの滑り角とタイヤ横力の関係についての最新の情報を車両の運動制御に反映させることができるので、車両の運動制御を精度よく行うことができる。
以下、この発明に係る車両運動制御装置の実施例を図1から図10の図面を参照して説明する。
<実施例1>
初めに、この発明に係る車両運動制御装置の実施例1を図1から図9を参照して説明する。
図1に示すように、この車両運動制御装置1は、ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角センサ2と、車速を検出する車速センサ3と、車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサ4と、タイヤの温度を検出するタイヤ温度検出手段5と、タイヤの撓み量を検出するタイヤ撓み量検出手段6と、車体の前後方向速度および横方向速度(左右方向速度)を検出する方向別車体速度検出手段7と、タイヤの実舵角を検出するタイヤ実舵角検出手段8と、車両の旋回状態がアンダーステア(US)かオーバーステア(OS)かを判定するUS/OS判定手段9と、フロントタイヤのタイヤ滑り角を検出するタイヤ滑り角算出手段10と、車両運動制御手段としてのステアリング制御手段11と、を備えている。
<実施例1>
初めに、この発明に係る車両運動制御装置の実施例1を図1から図9を参照して説明する。
図1に示すように、この車両運動制御装置1は、ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角センサ2と、車速を検出する車速センサ3と、車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサ4と、タイヤの温度を検出するタイヤ温度検出手段5と、タイヤの撓み量を検出するタイヤ撓み量検出手段6と、車体の前後方向速度および横方向速度(左右方向速度)を検出する方向別車体速度検出手段7と、タイヤの実舵角を検出するタイヤ実舵角検出手段8と、車両の旋回状態がアンダーステア(US)かオーバーステア(OS)かを判定するUS/OS判定手段9と、フロントタイヤのタイヤ滑り角を検出するタイヤ滑り角算出手段10と、車両運動制御手段としてのステアリング制御手段11と、を備えている。
この実施例1におけるステアリング制御手段11は、運転者が操作するステアリングホイール(操作子)と転舵輪とが機械的に連結されていない、所謂、SBW(Steer By Wire)式のステアリング装置において、転舵輪としてのフロントタイヤの舵角を制御するものであり、基本制御としては、操舵角センサ2で検出される操舵角と車速センサ3で検出される車速に応じて目標転舵角を算出し、この目標転舵角と実舵角検出手段で検出される実舵角とが一致するように、図示しないステアリングモータの目標電流を算出し、ステアリングモータに流れる電流が目標電流となるようにフィードバック制御を行う。
操舵角センサ2と車速センサ3とヨーレートセンサ4は、従来からある周知のものであり、この発明の要旨ではないので説明を省略する。
この実施例1において、タイヤ温度検出手段5はサーモカメラ5aを含んで構成されている。図2に示すように、サーモカメラ5aは車体13に設置され、フロントタイヤ12の真上から、フロントタイヤ12において最上部に位置するタイヤトレッドを撮影する。タイヤ温度検出手段5は、サーモカメラ5aで撮影したフロントタイヤ12のタイヤトレッドの画像データに基づいてフロントタイヤ12の温度を検出する。このタイヤ温度検出手段5によりフロントタイヤ12のタイヤ温度を高精度に検出することができる。
この実施例1において、タイヤ温度検出手段5はサーモカメラ5aを含んで構成されている。図2に示すように、サーモカメラ5aは車体13に設置され、フロントタイヤ12の真上から、フロントタイヤ12において最上部に位置するタイヤトレッドを撮影する。タイヤ温度検出手段5は、サーモカメラ5aで撮影したフロントタイヤ12のタイヤトレッドの画像データに基づいてフロントタイヤ12の温度を検出する。このタイヤ温度検出手段5によりフロントタイヤ12のタイヤ温度を高精度に検出することができる。
この実施例1において、実舵角検出手段8は実舵角検出用カメラ8aを含んで構成されている。図2に示すように、実舵角検出用カメラ8aは、車体13にサーモカメラ5aと併設されており、フロントタイヤ12の真上から、フロントタイヤ12において最上部に位置するタイヤトレッドを撮影する。実舵角検出手段8は、図3に示すように、実舵角検出用カメラ8aで撮影されたフロントタイヤ12におけるタイヤトレッドのある輝点の単位時間当たりの移動量を検出し、この単位時間当たりの移動量に基づいてフロントタイヤ12の実舵角δを算出する。なお、サーモカメラ5aで撮影した画像を所定に処理して実舵角を算出することも可能であり、そのようにすると実舵角検出用カメラ8aが不要になる。この実舵角検出手段8によりフロントタイヤ12の実舵角を高精度に検出することができる。
この実施例1において、タイヤ撓み量検出手段6は、撓み量検出用カメラ(距離測定手段)6aを含んで構成されている。図4に示すように、撓み量検出用カメラ6aは、フロントタイヤ12を支持するナックル(車体)14に設置されており、フロントタイヤ12が接地する路面Gを撮影する。タイヤ撓み量検出手段6は、撓み量検出用カメラ6aで撮影された画像に基づいてフロントタイヤ12の回転中心軸から接地点Gまでの距離を算出し、これからフロントタイヤ12の撓み量を算出する。フロントタイヤ12の撓み量が検出することができると、予めベンチテストで求めておいたタイヤ撓み量とタイヤ荷重のマップを参照することにより、フロントタイヤ12に加わるタイヤ荷重を算出することができる。このタイヤ撓み量検出手段6によりフロントタイヤ12の撓み量を高精度に検出することができ、その結果、フロントタイヤ12のタイヤ荷重を高精度に検出することができる。
この実施例1において、方向別車体速度検出手段7は、例えば車体前方の定点を撮影する図示しない車速検出用カメラを含んで構成することができ、この車速検出用カメラで捕らえた輝点の移動量から車体の前後方向速度と横方向速度を算出する。
そして、US/OS判定手段9は、操舵角センサ2、車速センサ3、ヨーレートセンサ4からの出力信号に基づいて、車両の運動状態がアンダーステア(US)かオーバーステア(OS)かを判定する。詳述すると、操舵角センサ2により検出された操舵角と車速センサ3により検出された車速に基づいて、該操舵角と該車速のときの規範ヨーレートを算出し、ヨーレートセンサ4により検出されたヨーレート(すなわち、実ヨーレート)と規範ヨーレートを比較し、実ヨーレートが規範ヨーレートよりも大きい場合はオーバーステアと判定し、実ヨーレートが規範ヨーレートよりも小さい場合はアンダーステアと判定する。
そして、US/OS判定手段9は、操舵角センサ2、車速センサ3、ヨーレートセンサ4からの出力信号に基づいて、車両の運動状態がアンダーステア(US)かオーバーステア(OS)かを判定する。詳述すると、操舵角センサ2により検出された操舵角と車速センサ3により検出された車速に基づいて、該操舵角と該車速のときの規範ヨーレートを算出し、ヨーレートセンサ4により検出されたヨーレート(すなわち、実ヨーレート)と規範ヨーレートを比較し、実ヨーレートが規範ヨーレートよりも大きい場合はオーバーステアと判定し、実ヨーレートが規範ヨーレートよりも小さい場合はアンダーステアと判定する。
タイヤ滑り角算出手段10は、ヨーレートセンサ4で検出されたヨーレートと、方向別車体速度検出手段7で検出された車体前後方向速度および車体横方向速度と、実舵角検出手段8で検出されたフロントタイヤ12の実舵角とに基づいて、[数1]によりフロントタイヤ12のタイヤ滑り角を算出する。なお、[数1]においてLfは、車両重心点とフロント車軸との距離である。
そして、ステアリング制御手段11は、タイヤ温度検出手段5、タイヤ撓み量検出手段6、US/OS判定手段9、タイヤ滑り角算出手段10からの出力信号に基づき、タイヤマップを参照して、アンダーステアおよびオーバーステア時のステアリングの舵角制御量を算出する。
ここで、タイヤマップについて説明する。タイヤマップは、フロントタイヤ12のタイヤ温度とタイヤ荷重をパラメータとしてフロントタイヤ12のタイヤ横力とタイヤ滑り角の関係(すなわちフロントタイヤ12のタイヤ特性)をマップ化したものであり、予め標準モデルが設定されている。
図5は、タイヤ荷重を一定値としたときのタイヤ温度をパラメータとしたタイヤマップであり、タイヤ横力はタイヤ温度がある特定の温度(以下、横力最大温度と称す)のときに最大横力が発生し、タイヤ温度が横力最大温度よりも低くても高くてもタイヤ横力が小さくなる特性がある。なお、横力最大温度は使用するタイヤによって異なる。
図6は、タイヤ温度を一定値としたときのタイヤ荷重をパラメータとしたタイヤマップであり、タイヤ横力はタイヤ荷重の増加にしたがって増加する特性がある。
実際のタイヤマップは、フロントタイヤ12のタイヤ荷重毎に図5に示すタイヤ温度をパラメータとしたタイヤマップが多数用意されている。
ここで、タイヤマップについて説明する。タイヤマップは、フロントタイヤ12のタイヤ温度とタイヤ荷重をパラメータとしてフロントタイヤ12のタイヤ横力とタイヤ滑り角の関係(すなわちフロントタイヤ12のタイヤ特性)をマップ化したものであり、予め標準モデルが設定されている。
図5は、タイヤ荷重を一定値としたときのタイヤ温度をパラメータとしたタイヤマップであり、タイヤ横力はタイヤ温度がある特定の温度(以下、横力最大温度と称す)のときに最大横力が発生し、タイヤ温度が横力最大温度よりも低くても高くてもタイヤ横力が小さくなる特性がある。なお、横力最大温度は使用するタイヤによって異なる。
図6は、タイヤ温度を一定値としたときのタイヤ荷重をパラメータとしたタイヤマップであり、タイヤ横力はタイヤ荷重の増加にしたがって増加する特性がある。
実際のタイヤマップは、フロントタイヤ12のタイヤ荷重毎に図5に示すタイヤ温度をパラメータとしたタイヤマップが多数用意されている。
次に、図7を参照してステアリングの舵角制御量算出処理を説明する。
まず、ステップS11において、タイヤ温度検出手段5で検出したフロントタイヤ12のタイヤ温度と、タイヤ撓み量検出手段6で検出したフロントタイヤ12のタイヤ撓み量に基づいて算出したフロントタイヤ12のタイヤ荷重から、適合するタイヤマップを選択する。
次に、ステップS12に進み、US/OS判定手段9の判定結果がアンダーステア(US)か否かを判定する。ステップS12における判定結果が「YES」である場合は、ステップS13に進み、実ヨーレートと規範ヨーレートとの差からアンダーステアの度合いを算出する。
次に、ステップS14に進み、ステップS11で選択したタイヤマップを参照し、ステップS13で算出したアンダーステアの度合いに応じて舵角制御量を決定し、本ルーチンの実行を終了する。すなわち、この場合には、アンダーステアの度合いに応じて決定した舵角制御量分だけフロントタイヤ12の目標転舵角を減少する補正を行う。
まず、ステップS11において、タイヤ温度検出手段5で検出したフロントタイヤ12のタイヤ温度と、タイヤ撓み量検出手段6で検出したフロントタイヤ12のタイヤ撓み量に基づいて算出したフロントタイヤ12のタイヤ荷重から、適合するタイヤマップを選択する。
次に、ステップS12に進み、US/OS判定手段9の判定結果がアンダーステア(US)か否かを判定する。ステップS12における判定結果が「YES」である場合は、ステップS13に進み、実ヨーレートと規範ヨーレートとの差からアンダーステアの度合いを算出する。
次に、ステップS14に進み、ステップS11で選択したタイヤマップを参照し、ステップS13で算出したアンダーステアの度合いに応じて舵角制御量を決定し、本ルーチンの実行を終了する。すなわち、この場合には、アンダーステアの度合いに応じて決定した舵角制御量分だけフロントタイヤ12の目標転舵角を減少する補正を行う。
一方、ステップS12における判定結果が「NO」である場合は、ステップS15に進み、US/OS判定手段9の判定結果がオーバーステア(OS)か否かを判定する。ステップS15における判定結果が「YES」である場合は、ステップS16に進み、実ヨーレートと規範ヨーレートとの差からオーバーステアの度合いを算出する。
次に、ステップS14に進み、ステップS11で選択したタイヤマップを参照し、ステップS16で算出したオーバーステアの度合いに応じて舵角制御量を決定し、本ルーチンの実行を終了する。すなわち、この場合には、オーバーステアの度合いに応じて舵角制御量分だけフロントタイヤ12の目標転舵角を減少する補正を行う。
また、ステップS16における判定結果が「NO」である場合は、アンダーステアでもオーバーステアでもないニュートラルステアであるので、本ルーチンの実行を終了する。すなわち、この場合は目標転舵角の補正は不要である。
次に、ステップS14に進み、ステップS11で選択したタイヤマップを参照し、ステップS16で算出したオーバーステアの度合いに応じて舵角制御量を決定し、本ルーチンの実行を終了する。すなわち、この場合には、オーバーステアの度合いに応じて舵角制御量分だけフロントタイヤ12の目標転舵角を減少する補正を行う。
また、ステップS16における判定結果が「NO」である場合は、アンダーステアでもオーバーステアでもないニュートラルステアであるので、本ルーチンの実行を終了する。すなわち、この場合は目標転舵角の補正は不要である。
図8はアンダーステアのときの舵角制御量の算出モデルである。選択されたタイヤマップに基づき前述の如くアンダーステアの度合いに応じて決定した舵角制御量だけフロントタイヤ12の転舵角を減少させると、タイヤ横力を増大させることができ、ヨーモーメントを増加することができるので、その結果、アンダーステアを減少させることができる。
図9はオーバーステアのときの舵角制御量の算出モデルである。例えば、車両の旋回中に何らかの原因でスピン挙動が発生してオーバーステアとなったときに、選択されたタイヤマップに基づき前述の如くオーバーステアの度合いに応じて決定した舵角制御量だけフロントタイヤ12の転舵角を減少させると、タイヤ横力を減少させることができ、その結果、スピン挙動を打ち消すヨーモーメントを発生させることができ、オーバーステアを減少させることができる。
このように、この車両運動制御装置1によれば、タイヤ温度検出手段5で高精度にタイヤ温度を検出し、タイヤ撓み量検出手段6で高精度に検出したタイヤ撓み量に基づいてタイヤ荷重を高精度に検出し、実舵角検出手段8でフロントタイヤ12の実舵角を高精度に検出し、これを利用してタイヤ滑り角を高精度に検出し、これらタイヤ温度、タイヤ荷重、タイヤ滑り角に基づいて必要に応じてフロントタイヤ12の目標転舵角を補正するので、アンダーステアおよびオーバーステアを抑制することができ、操舵安定性が向上する。
<実施例2>
次に、この発明に係る車両運動制御装置の実施例2を図10を参照して説明する。
タイヤ特性はタイヤ温度とタイヤ荷重に応じて異なるだけでなく、前述したように、タイヤ交換や経時的なタイヤの劣化によって変化する。そこで、実施例2の車両運動制御装置1では、車両の走行中にタイヤ特性を学習し、タイヤマップを最新のタイヤ特性データに更新していくことで、最新のタイヤ特性を車両のステアリング制御に反映させるようにした。これにより、車両のステアリング制御を精度よく行うことができる。
次に、この発明に係る車両運動制御装置の実施例2を図10を参照して説明する。
タイヤ特性はタイヤ温度とタイヤ荷重に応じて異なるだけでなく、前述したように、タイヤ交換や経時的なタイヤの劣化によって変化する。そこで、実施例2の車両運動制御装置1では、車両の走行中にタイヤ特性を学習し、タイヤマップを最新のタイヤ特性データに更新していくことで、最新のタイヤ特性を車両のステアリング制御に反映させるようにした。これにより、車両のステアリング制御を精度よく行うことができる。
図10に示す実施例2の車両運動制御装置1のブロック図において、US/OS判定手段9、タイヤ滑り角算出手段10、車両運動制御手段11については、実施例1の場合と同じであるので説明を省略する。
実施例2の車両運動制御装置1が実施例1のものと相違する点は、タイヤ発生横力算出手段21と、タイヤマップ更新手段22を備えることである。
タイヤ発生横力算出手段21は、車両の諸元(例えば、車両重量、車両寸法等)、フロント軸重、車両の運動状態(ヨーレート、横加速度等)、サスペンションストローク等に基づいてフロントタイヤ12の発生横力を算出する。なお、サスペンションストロークから、発生横力の算出に必要な車両のロール角、ピッチ角等の車両状態を算出する。
実施例2の車両運動制御装置1が実施例1のものと相違する点は、タイヤ発生横力算出手段21と、タイヤマップ更新手段22を備えることである。
タイヤ発生横力算出手段21は、車両の諸元(例えば、車両重量、車両寸法等)、フロント軸重、車両の運動状態(ヨーレート、横加速度等)、サスペンションストローク等に基づいてフロントタイヤ12の発生横力を算出する。なお、サスペンションストロークから、発生横力の算出に必要な車両のロール角、ピッチ角等の車両状態を算出する。
タイヤマップ更新手段22は、タイヤ温度検出手段5から出力されるタイヤ温度の最新情報、タイヤ撓み量検出手段6から出力されるタイヤ撓み量の最新情報、タイヤ発生横力算出手段21から出力されるタイヤ発生横力の最新情報、タイヤ滑り角算出手段10から出力されるタイヤ滑り角の最新情報に基づいて、タイヤマップを更新していく。
そして、実施例2の車両運動制御装置1では、この更新された最新のタイヤマップを参照して、ステアリング制御手段11が、タイヤ温度検出手段5から出力されるタイヤ温度情報、タイヤ撓み量検出手段6から出力されるタイヤ撓み量情報、US/OS判定手段9から出力される判定情報、タイヤ滑り角算出手段10から出力されるタイヤ滑り角情報に基づいて、アンダーステアおよびオーバーステア時のフロントタイヤ12の舵角制御量を算出する。この舵角制御については実施例1の場合と同じであるので説明を省略する。
〔他の実施例〕
なお、この発明は前述した実施例に限られるものではない。
例えば、前述した実施例ではフロントタイヤを転舵輪とするステアリング制御の態様で説明したが、この発明は、リヤタイヤを転舵輪とするステアリング制御にも適用可能である。
前述した実施例では、路面との距離を測定する距離測定手段をカメラにより構成したが、これに限定されるものではなく、カメラ以外の非接触式の測定手段で構成することも可能である。
なお、この発明は前述した実施例に限られるものではない。
例えば、前述した実施例ではフロントタイヤを転舵輪とするステアリング制御の態様で説明したが、この発明は、リヤタイヤを転舵輪とするステアリング制御にも適用可能である。
前述した実施例では、路面との距離を測定する距離測定手段をカメラにより構成したが、これに限定されるものではなく、カメラ以外の非接触式の測定手段で構成することも可能である。
前述した実施例では、車両運動制御手段をSBW式のステアリング制御手段としているが、車両運動制御手段はこれに限るものではなく、例えば前輪あるいは後輪の制動を制御してアンダーステアやオーバーステアを抑制する、所謂スタビリティコントロール手段(VSA)や、駆動輪の左右に配分量を制御する左右駆動力配分制御装置としてもよい。
1 車両運動制御装置
5a サーモカメラ(カメラ)
6a 撓み量検出用カメラ(距離測定手段)
8a 実舵角検出用カメラ(カメラ)
12 フロントタイヤ(タイヤ)
13 車体
14 ナックル(車体)
G 路面
5a サーモカメラ(カメラ)
6a 撓み量検出用カメラ(距離測定手段)
8a 実舵角検出用カメラ(カメラ)
12 フロントタイヤ(タイヤ)
13 車体
14 ナックル(車体)
G 路面
Claims (5)
- 車体に設置されたカメラによりタイヤの状態を検知し、そのタイヤの状態に応じて車両の運動制御を行うことを特徴とする車両運動制御装置。
- 前記タイヤの状態はタイヤの温度であることを特徴とする請求項1に記載の車両運動制御装置。
- 前記タイヤの状態はタイヤの実舵角であることを特徴とする請求項1に記載の車両運動制御装置。
- 路面との間の距離を測定する距離測定手段を車体に設置し、この距離測定手段で検出した測定距離に基づいてタイヤの撓み量を推定し、推定した撓み量に応じて車両の運動制御を行うことを特徴とする車両運動制御装置。
- タイヤの滑り角とタイヤ横力の関係を車両の走行中に学習し、学習した前記関係に基づきタイヤの状態に応じて車両の運動制御を行うことを特徴とする車両運動制御装置。
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JP2004332920A JP2006142895A (ja) | 2004-11-17 | 2004-11-17 | 車両運動制御装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2006142895A true JP2006142895A (ja) | 2006-06-08 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009274520A (ja) * | 2008-05-13 | 2009-11-26 | Nissan Motor Co Ltd | 車両停止保持装置 |
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