JP2006138452A - 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達チェーンおよび動力伝達装置 Download PDF

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伸二 安原
Shigeo Kamamoto
繁夫 鎌本
Nobuki Fukui
伸樹 福井
Kazuhisa Kitamura
和久 北村
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Abstract

【課題】リンクの前貫通孔および後貫通孔の一方に圧入嵌合されたピンを含むとともに、他方に遊嵌されたピンを含む動力伝達チェーンにおいて、チェーンの滑らかな屈曲を維持しつつ、耐久性を向上すること。
【解決手段】チェーン1は、複数のリンク2と、これらのリンク2を互いに連結する複数対の第1および第2のピン3,4とを備えている。各リンク2は、前貫通孔9および後貫通孔10と、各貫通孔9,10を互いに連通する連通溝33とを含んでいる。前貫通孔9には、第1のピン3が遊嵌されると共に第2のピン4が圧入嵌合され、後貫通孔10には、第1のピン3が圧入嵌合されると共に第2のピン4が遊嵌されている。各貫通孔9,10の周縁部23,28には、当該各貫通孔9,10に挿通された第1および第2のピン3,4の互いの転がり摺動接触を案内するための案内部34が形成されている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、動力伝達チェーンおよび動力伝達装置に関する。
通例、自動車のプーリ式無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)等の動力伝達装置は、入力軸に連なるドライブプーリと、出力軸に連なるドリブンプーリと、これら両プーリ間に巻き回される巻き掛け伝動節とを備えている。この巻き掛け伝動節として、伝動用無端ベルトを用いることがある(例えば、特許文献1参照)。
上記の伝動用無端ベルトは、ベルトの長手方向に沿って配置されたプーリ係合用のブロックと、ベルトの長手方向に沿って配置され前記ブロックに係合するピンと、前記ピンが挿通されるリンク片とを含んでいる。このうち、リンク片には、ベルト長手方向に長い単一の開口が形成されており、開口の長手方向の両端のそれぞれに、ピンが挿通されている。
特開平1−176832号公報
ところで、上記の巻き掛け伝動節として、動力伝達チェーンを用いることがある。動力伝達チェーンは、通例、複数のリンクをチェーン進行方向に並べ、チェーン進行方向に隣接するリンク同士をピンで連結してなる。
上記複数のリンクは、チェーン進行方向に並ぶ前貫通孔および後貫通孔をそれぞれ含んでおり、これらの貫通孔にピンがそれぞれ挿通されている。そして、ピンの一対の端部がプーリに挟持されて、プーリとの間で動力の伝達を行う。
上記の動力伝達チェーンのなかには、前貫通孔および後貫通孔の一方に圧入嵌合されたピンを含むとともに、当該前貫通孔および後貫通孔の他方に遊嵌されたピンを含むものがある。このような動力伝達チェーンにおいて、更なる耐久性の向上が求められている。本発明は、上記の課題を解決することを目的とする。
本願発明者は、リンクに相対移動を規制されて嵌め入れられるピン、およびリンクに相対移動可能に嵌め入れられるピンを含む動力伝達チェーンにおいて、耐久性を向上するために、リンクに1つの大きな孔を形成し、この孔のチェーン長手方向の両端のそれぞれにピンを挿通することを試みた。これにより、リンクの可撓性が向上し、チェーン駆動時にリンクがピン等から負荷を受けたときに、リンクが弾性変形し、その結果、リンクに発生する応力を低減できると考えたからである。
しかしながら、単にリンクに大きな孔を形成すると、リンクに移動可能に嵌め入れられたピンがリンクの孔内で不用意な方向に移動して、その結果、リンク間の相対位置がずれ、動力伝達チェーンの滑らかな屈曲が阻害されてしまうおそれがある。そのため、本願発明者は、動力伝達チェーンの滑らかな屈曲を確保しつつ耐久性の向上を達成するために、更なる鋭意研究を行い、本発明を想到するに至った。
具体的には、本発明は、複数のリンクと、これらのリンクを互いに連結する複数対の第1および第2の動力伝達部材とを備え、対をなす第1および第2の動力伝達部材は互いに転がり摺動接触する動力伝達チェーンにおいて、上記リンクは、チェーン進行方向に並ぶ第1および第2の貫通孔と、第1および第2の貫通孔を互いに連通する連通溝とを含み、上記第1の貫通孔には、当該第1の貫通孔に対応する第1の動力伝達部材が相対移動可能に嵌め入れられると共に当該第1の貫通孔に対応する第2の動力伝達部材が相対移動を規制されて嵌め入れられ、上記第2の貫通孔には、当該第2の貫通孔に対応する第1の動力伝達部材が相対移動を規制されて嵌め入れられると共に当該第2の貫通孔に対応する第2の動力伝達部材が相対移動可能に嵌め入れられ、第1および第2の貫通孔の少なくとも一方の周縁には、その貫通孔に相対移動可能に嵌め入れられた動力伝達部材を当該動力伝達部材が隣接する動力伝達部材に転がり摺動接触するように案内するための案内部が形成されることを特徴とするものである。
本発明によれば、各リンクの連通溝の周縁部分が弾性的に変形し易くなっている。これにより、各リンクにおいて、各貫通孔の周縁に生じる初期応力および動力伝達時の応力を格段に低減することができる。その結果、動力伝達時の各リンクの応力集中が過大になることを防止でき、耐久性を格段に向上することができる。また、案内部によって、各リンクの各貫通孔に相対移動可能に嵌め入れられた動力伝達部材の移動が案内されることにより、この動力伝達部材が不用意な方向に移動することを防止できる。その結果、リンク間の相対位置がずれることを防止して、動力伝達チェーンの滑らかな屈曲を達成することができる。
また、本発明において、上記第1および第2の動力伝達部材は、チェーン進行方向およびチェーン幅方向の双方に直交する方向に関する一端部および他端部をそれぞれ含み、上記案内部は、第1および第2の動力伝達部材の少なくとも一方の一端部を案内する第1の案内部と、第1および第2の動力伝達部材の少なくとも一方の他端部を案内する第2の案内部とを含む場合がある。
この場合、チェーン進行方向およびチェーン幅方向の双方に直交する方向に関して、リンクの連通溝の幅を十分に確保することができ、リンクに十分な可撓性を持たせることができる。
また、本発明は、複数のリンクと、これらのリンクを互いに連結する複数の動力伝達部材とを備える動力伝達チェーンにおいて、上記リンクは、チェーン進行方向に並ぶ第1および第2の貫通孔と、第1および第2の貫通孔を互いに連通する連通溝とを含み、上記第1の貫通孔には、当該第1の貫通孔に対応する動力伝達部材が相対移動可能に嵌め入れられると共に、上記第2の貫通孔には、当該第2の貫通孔に対応する動力伝達部材が相対移動を規制されて嵌め入れられ、第1の貫通孔の周縁には、当該第1の貫通孔に相対移動可能に嵌め入れられた動力伝達部材を当該第1の貫通孔の周縁に転がり摺動接触するように案内するための案内部が形成されることを特徴とするものである。
本発明によれば、各リンクの連通溝の周縁部分が弾性的に変形し易くなっている。これにより、各リンクにおいて、各貫通孔の周縁に生じる初期応力および動力伝達時の応力を格段に低減することができる。その結果、動力伝達時の各リンクの応力集中が過大になることを防止でき、耐久性を格段に向上することができる。また、案内部によって、各リンクの第1の貫通孔に相対移動可能に嵌め入れられた動力伝達部材の移動が案内されることにより、この動力伝達部材が不用意な方向に移動することを防止できる。その結果、リンク間の相対位置がずれることを防止して、動力伝達チェーンの滑らかな屈曲を達成することができる。
また、本発明において、上記リンクは、互いの間に上記連通溝を区画する一対の凸部を含み、上記案内部は各凸部にそれぞれ設けられる場合がある。この場合、連通溝を区画するための凸部を案内部として兼用することができ、リンクの形状をより簡素化して応力集中をより生じ難くすることができる。
また、本発明において、相対向する一対の円錐面状のシーブ面をそれぞれ有する第1および第2のプーリと、これらのプーリ間に巻き掛けられ、シーブ面に係合して動力を伝達する上記の動力伝達チェーンとを備える場合がある。この場合、耐久性に優れた動力伝達装置を実現することができる。また、動力伝達チェーンがプーリに噛み込まれて屈曲する際の屈曲が滑らかに行われ、その結果、静粛性に優れた動力伝達装置を実現することができる。
本発明の好ましい実施の形態を添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る動力伝達チェーンを備える動力伝達装置としてのチェーン式無段変速機(以下では、単に無段変速機ともいう)の要部構成を模式的に示す斜視図である。図1を参照して、無段変速機100は、自動車等の車両に搭載されるものであり、第1のプーリとしての金属(構造用鋼等)製のドライブプーリ60と、第2のプーリとしての金属(構造用鋼等)製のドリブンプーリ70と、これらの両プーリ60,70間に巻き掛けられた無端状の動力伝達チェーン1(以下では、単にチェーンともいう)とを備えている。なお、図1中のチェーン1は、理解を容易にするために一部断面を示している。
図2は、図1のドライブプーリ60(ドリブンプーリ70)およびチェーン1の部分的な拡大断面図である。図1および図2を参照して、ドライブプーリ60は、車両の駆動源に動力伝達可能に連なる入力軸61に取り付けられるものであり、固定シーブ62と可動シーブ63とを備えている。固定シーブ62および可動シーブ63は、相対向する一対のシーブ面62a,63aをそれぞれ有している。シーブ面62a,63aは円錐面状の傾斜面を含む。これらシーブ面62a,63a間に溝が区画され、この溝によってチェーン1を強圧に挟んで保持するようになっている。
また、可動シーブ63には、溝幅を変更するための油圧アクチュエータ(図示せず)が接続されており、変速時に、入力軸61の軸方向(図2の左右方向)に可動シーブ63を移動させることにより、溝幅を変化させるようになっている。それにより、入力軸61の径方向(図2の上下方向)にチェーン1を移動させて、入力軸61(プーリ60)に対するチェーン1の巻き掛け半径(有効半径)を変化できるようになっている。
一方、ドリブンプーリ70は、図1および図2に示すように、駆動輪(図示せず)に動力伝達可能に連なる出力軸71に一体回転可能に取り付けられており、ドライブプーリ60と同様に、チェーン1を強圧で挟む溝を形成するための相対向する一対のシーブ面73a,72aをそれぞれ有する固定シーブ73および可動シーブ72を備えている。ドリブンプーリ70の可動シーブ72には、ドライブプーリ60の可動シーブ63と同様に油圧アクチュエータ(図示せず)が接続されており、変速時に、この可動シーブ72を移動させることにより溝幅を変化させるようになっている。それにより、チェーン1を移動させて、出力軸71(プーリ70)に対するチェーン1の巻き掛け半径を変化できるようになっている。
図3は、チェーン1の要部の断面平面図である。図4は、図3のII−II線に沿う断面図であり、チェーン直線部分を示している。
図3および図4を参照して、チェーン1は、複数のリンク2と、これらのリンク2を互いに連結する複数対の第1および第2のピン3,4とを備えており、対をなす第1および第2のピン3,4は、互いに転がり摺動接触するようになっている。なお、転がり摺動接触とは、転がり接触およびすべり接触の少なくとも一方を含む接触のことをいう。
各リンク2は板状に形成されており、チェーン進行方向Xの前後に並ぶ一対の端部としての前端部7および後端部8を含んでいる。これら前端部7および後端部8には、第1の貫通孔としての前貫通孔9および第2の貫通孔としての後貫通孔10がそれぞれ形成されている。また、各リンク2における周縁部は、滑らかな曲線に形成されており、応力集中の生じ難い形状とされている。
リンク2を用いて、第1〜第3の列51〜53が形成されている。具体的には、第1の列51、第2の列52および第3の列53はそれぞれ、チェーン幅方向Wに並ぶ複数のリンク2を含んでいる。第1〜第3の列51〜53のそれぞれにおいて、同一列のリンク2は、チェーン進行方向Xの位置が互いに同じとなるように揃えられている。第1〜第3の列51〜53は、チェーン進行方向Xに沿って並んで配置されている。
第1〜第3の列51〜53のリンク2はそれぞれ、対応する第1および第2のピン3,4を用いて、対応する第1〜第3の列51〜53のリンク2と相互に屈曲可能に連結されている。
具体的には、第1の列51のリンク2の前貫通孔9と、第2の列52のリンク2の後貫通孔10とは、チェーン幅方向Wに並んで互いに対応しており、これらの貫通孔9,10を挿通する第1および第2のピン3,4によって、第1および第2の列51,52のリンク2同士がチェーン進行方向Xに屈曲可能に連結されている。
同様に、第2の列52のリンク2の前貫通孔9と、第3の列53のリンク2の後貫通孔10とは、チェーン幅方向Wに並んで互いに対応しており、これらの貫通孔9,10を挿通する第1および第2のピン3,4によって、第2および第3の列52,53のリンク2同士がチェーン進行方向Xに屈曲可能に連結されている。
図3において、第1〜第3の列51〜53は、それぞれ1つしか図示されていないが、チェーン進行方向Xに沿って第1〜第3の列51〜53が繰り返すように配置されている。そして、チェーン進行方向Xに互いに隣接する2つの列のリンク2同士が、対応する第1および第2のピン3,4によって順次に連結され、無端状をなすチェーン1が形成されている。
第1のピン3は、チェーン幅方向Wに延びる棒状の第1の動力伝達部材である。第1のピン3の一対の端部が、チェーン幅方向Wの一対の端部に配置されるリンク2からチェーン幅方向Wにそれぞれ突出している。第1のピン3の一対の端部には、動力伝達面5,6がそれぞれ設けられている。
図2を参照して、動力伝達面5,6は、各プーリ60,70の対応するシーブ面62a,63a,72a,73aに摩擦接触(係合)するためのものである。第1のピン3は、上記対応するシーブ面62a,63a,72a,73a間に挟持され、これにより、第1のピン3と各プーリ60,70との間で動力が伝達される。第1のピン3は、その動力伝達面5,6によって直接動力伝達に寄与するため、例えば、軸受用鋼(SUJ2)等の高強度耐摩耗材料で形成されている。
再び図3および図4を参照して、第2のピン4(ストリップ、またはインターピースともいう)は、第1のピン3と同様の材料により形成された、チェーン幅方向Wに延びる棒状の第2の動力伝達部材である。第2のピン4は、上記各プーリのシーブ面に接触しないように、第1のピン3よりも短く形成されている。チェーン進行方向X関して、第2のピン4は、第1のピン3よりも薄肉に形成されている。
第1のピン3は、対応する一のリンク2の前貫通孔9に遊嵌されてこのリンク2に対する相対移動が可能とされると共に、対応する他のリンク2の後貫通孔10に圧入嵌合されてこのリンク2に対する相対移動が規制されている。
具体的には、第1のピン3は、第1の列51のリンク2の前貫通孔9に遊嵌されて、第1の列51のリンク2に対する相対回転が可能とされると共に、第2の列52のリンク2の後貫通孔10に圧入嵌合されて、第2の列52のリンク2に対する相対回転が規制されている。同様に、第1のピン3は、第2の列52のリンク2の前貫通孔9に遊嵌されると共に、第3の列53のリンク2の後貫通孔10に圧入嵌合されている。
また、第2のピン4は、対応する一のリンク2の前貫通孔9に圧入嵌合されてこのリンク2に対する相対移動が規制されると共に、対応する他のリンク2の後貫通孔10に遊嵌されてこのリンク2に対する相対移動が可能とされている。
具体的には、第2のピン4は、第1の列51のリンク2の前貫通孔9に圧入嵌合されて、第1の列51のリンク2に対する相対回転が規制されると共に、第2の列52のリンク2の後貫通孔10に遊嵌されて、第2の列52のリンク2に対する相対移動(回転)が可能とされている。同様に、第2のピン4は、第2の列52のリンク2の前貫通孔9に圧入嵌合されると共に、第3の列53のリンク2の後貫通孔10に遊嵌されている。
上記の構成により、チェーン進行方向Xに隣接するリンク2が相互に屈曲する際、図5に示すように、第1のピン3は、隣り合う第2のピン4に対して転がり摺動接触する(図5において、チェーン最大屈曲部分を図示)。
なお、以下では、図4を参照して説明するときは、チェーン直線部分における状態を基準として説明し、図5を参照して説明するときは、チェーン最大屈曲部分における状態を基準として説明する。
図4を参照して、第1のピン3を基準とした、第1のピン3と隣り合う第2のピン4との接触線Tの軌跡が、概ねインボリュート曲線となるようにされている。
具体的には、第1のピン3の周面11(外周面)のうち、隣り合う第2のピン4と接触し得る接触部12が、断面インボリュート形状に形成されている。また、第2のピン4の周面13(外周面)のうち、隣り合う第1のピン3と接触し得る接触部14が、平坦面(断面直線形状)に形成されている。この平坦面は、チェーン進行方向Xと直交する平坦面を含んでいる。
第1のピン3の周面11は、チェーン幅方向W(図4の紙面に垂直な方向)に延びている。この周面11は、上記した接触部12と、接触部12に対向する背部17と、直交方向Vに関する一端部18および他端部19とを有している。なお、直交方向Vとは、チェーン進行方向Xおよびチェーン幅方向Wの双方に直交する方向をいう。
背部17は、平坦面を含んでいる。この平坦面は、チェーン進行方向Xと直交する平面A(図4において、紙面に直交する平面)に対して、所定の迎え角B(例えば、9.5°)を有している。すなわち、背部17は、平面Aに対して、図の反時計回り方向に9.5°傾いている。
一端部18は、第1のピン3の周面11のうち、チェーン外周側(直交方向Vの一方)の端部を構成しており、接触部12および背部17のチェーン外周側端部間に配置されている。この一端部18は、チェーン外周側に向けて凸湾曲する曲面に形成されている。一端部18の周方向の略中間部が、第1のピン3のチェーン外周側の頂部となっている。
他端部19は、第1のピン3の周面11のうち、チェーン内周側(直交方向Vの他方)の端部を構成しており、接触部12および背部17のチェーン内周側端部間に配置されている。この他端部19は、滑らかな面に形成されており、他端部19の周方向の中間部は、チェーン内周側を向く平坦面に形成されている。
第2のピン4の周面13は、チェーン幅方向Wに延びている。この周面13は、上記した接触部14と、接触部14に対向する背部20と、直交方向Vに関する一端部21および他端部22とを有している。
背部20は、チェーン進行方向Xと直交する平坦面を含んでいる。
一端部21は、第2のピン4の周面13のうち、チェーン外周側の端部を構成しており、接触部14および背部20のチェーン外周側端部間に配置されている。この一端部21は、チェーン外周側に向けて凸湾曲する曲面に形成されている。一端部21の周方向の略中間部が、第2のピン4のチェーン外周側の頂部となっている。
他端部22は、第2のピン4の周面13のうち、チェーン内周側の端部を構成しており、接触部14および背部20のチェーン内周側端部間に配置されている。この他端部22は、チェーン内周側に向けて凸湾曲する曲面に形成されている。他端部22の周方向の略中間部が、第2のピン4のチェーン内周側の頂部となっている。
リンク2の前貫通孔9における、第1のピン3の遊嵌および第2のピン4の圧入嵌合は、以下のようにされている。すなわち、リンク2の前貫通孔9の周縁部23は、第2のピン4が圧入嵌合される圧入部24と、第1のピン3が遊嵌される遊嵌部25とを含んでいる。
圧入部24は、第2のピン4の背部20ならびに一端部21および他端部22の形状に対応する形状に形成されている。この圧入部24は、上記背部20ならびに一端部21および他端部22を受けている。
遊嵌部25は、チェーン進行方向Xに関して、圧入部24の後方に配置されている。この遊嵌部25は、第1のピン3の断面形状より大きな形状に形成されている。チェーン直線部分において、遊嵌部25の案内部としての第1の部分26が、第1のピン3の他端部19を受けている。第1の部分26は、遊嵌部25のチェーン内周側端部のうち、チェーン進行方向Xの前端側に配置されている。
また、図5に示すように、チェーン最大屈曲部分において、前貫通孔9の遊嵌部25の案内部としての第2の部分27が、第1のピン3の一端部18を受けている。第2の部分27は、遊嵌部25のチェーン外周側端部のうち、チェーン進行方向Xの前端側に配置されている。
再び図4を参照して、リンク2の後貫通孔10における、第1のピン3の圧入嵌合および第2のピン4の遊嵌は、以下のようにされている。すなわち、リンク2の後貫通孔10の周縁部28は、第1のピン3が圧入嵌合される圧入部29と、第2のピン4が遊嵌される遊嵌部30とを含んでいる。
圧入部29は、第1のピン3の背部17ならびに一端部18および他端部19の形状に対応する形状に形成されている。この圧入部29は、上記背部17ならびに第1および第2の接触面18,19を受けている。
遊嵌部30は、チェーン進行方向Xに関して、圧入部29の前方に配置されている。
すなわち、圧入部29は、後貫通孔10のうち、チェーン進行方向Xの後端に配置されている。また、前貫通孔9の圧入部24は、前貫通孔9のうち、チェーン進行方向Xの前端に配置されている。このように、チェーン進行方向Xに関して、リンク2に圧入嵌合されるピンは、リンク2の長手方向外側寄りに配置され、リンク2に遊嵌されるピンは、リンク2に圧入嵌合されるピンよりも、リンク2の長手方向内側寄りに配置されている。
遊嵌部30は、第2のピン4の断面形状より大きな形状に形成されている。チェーン直線部分において、遊嵌部30の案内部としての第1の部分31が、第2のピン4の他端部22を受けている。第1の部分31は、遊嵌部30のチェーン内周側端部のうち、チェーン進行方向Xの後端側に配置されている。
また、図5に示すように、チェーン最大屈曲部分において、後貫通孔10の遊嵌部30の案内部としての第2の部分32が、第2のピン4の一端部21を受けている。第2の部分32は、遊嵌部30のチェーン外周側端部のうち、チェーン進行方向Xの後端に配置されている。
再び図4を参照して、本実施の形態の特徴とするところは、リンク2に、前貫通孔9および後貫通孔10を互いに連通する連通溝33が設けられると共に、対をなす第1および第2のピン3,4の互いの転がり摺動接触を案内するための案内部34が設けられている点にある。
具体的には、連通溝33は、一対の凸部35,36間に区画形成されている。一対の凸部35,36は、リンク2のうち、チェーン進行方向Xの中間部37(前貫通孔9と後貫通孔10との間)に設けられている。これら一対の凸部35,36は、リンク2のうち、前貫通孔9と後貫通孔10との間の部分をくりぬいて形成された空間部の縁部を含んでおり、応力集中の発生し難い滑らかな形状に形成されている。
なお、以下では、「前」または「後」をいうときは、チェーン進行方向Xに関する前または後をいうものとする。
一方の凸部35は、円弧形形状に形成されており、チェーン進行方向Xの中間部がチェーン内周側に凸湾曲している。一方の凸部35の前端部は、前貫通孔9の遊嵌部25のチェーン外周側後端部と滑らかに接続されている。また、一方の凸部35の後端部は、後貫通孔10の遊嵌部30のチェーン外周側前端部と滑らかに接続されている。
他方の凸部36は、円弧形形状に形成されており、チェーン進行方向Xの中間部がチェーン外周側に凸湾曲している。他方の凸部36の前端部は、前貫通孔9の遊嵌部25のチェーン内周側後端部と滑らかに接続されている。また、他方の凸部36の後端部は、後貫通孔10の遊嵌部30のチェーン内周側前端部と滑らかに接続されている。
一方の凸部35と他方の凸部36との間には、直交方向Vに隙間が空けられており、互いに直接接触しないようにされている。
連通溝33は、上記したように、一対の凸部35,36間に区画形成された溝であり、側面視において、例えば、鼓形形状をなしている。
案内部34は、前貫通孔9および後貫通孔10のそれぞれに遊嵌された対応する第1および第2のピン3,4を、当該第1および第2のピン3,4に隣接する対応する第1および第2のピン3,4(前貫通孔9および後貫通孔10のそれぞれに圧入嵌合された対応する第1および第2のピン3,4)に、転がり摺動接触するように案内するためのものである。案内部34は、第1および第2の案内部38,39を有している。
第1の案内部38は、前貫通孔9に遊嵌された第1のピン3の一端部18、および後貫通孔10に遊嵌された第2のピン4の一端部21を案内するためのものであり、前貫通孔9側および後貫通孔10側のそれぞれに配置されている。
前貫通孔9側に配置された第1の案内部38は、前貫通孔9の遊嵌部25および一方の凸部35の前端部の、互いの接続部分を含んでいる。換言すれば、前貫通孔9の遊嵌部25のチェーン外周側後端部、および一方の凸部35の前端部は、それぞれ前貫通孔9側に配置された第1の案内部38を含んでいる。この前貫通孔9側に配置された第1の案内部38は、チェーン直線部分において、対応する第1のピン3の一端部18を受けている。
後貫通孔10側に配置された第1の案内部38は、後貫通孔10の遊嵌部30および一方の凸部35の後端部の、互いの接続部分を含んでいる。換言すれば、後貫通孔10の遊嵌部30のチェーン外周側前端部、および一方の凸部35の後端部は、それぞれ後貫通孔10側に配置された第1の案内部38を含んでいる。この後貫通孔10側に配置された第1の案内部38は、チェーン直線部分において、対応する第2のピン4の一端部21を受けている。
図5を参照して、第2の案内部39は、前貫通孔9に遊嵌された第1のピン3の他端部19、および後貫通孔10に遊嵌された第2のピン4の他端部22を案内するためのものであり、前貫通孔9側および後貫通孔10側のそれぞれに配置されている。
前貫通孔9側に配置された第2の案内部39は、前貫通孔9の遊嵌部25および他方の凸部36の前端部の、互いの接続部分を含んでいる。換言すれば、前貫通孔9の遊嵌部25のチェーン内周側後端部、および他方の凸部36の前端部は、それぞれ前貫通孔9側に配置された第2の案内部39を含んでいる。この前貫通孔9側に配置された第2の案内部39は、チェーン最大屈曲部分において、対応する第1のピン3の他端部19を受けている。
後貫通孔10側に配置された第2の案内部39は、後貫通孔10の遊嵌部30および他方の凸部36の後端部の、互いの接続部分を含んでいる。換言すれば、後貫通孔10の遊嵌部30のチェーン内周側前端部、および他方の凸部36の後端部は、それぞれ後貫通孔10側に配置された第2の案内部39を含んでいる。この後貫通孔10側に配置された第2の案内部39は、チェーン最大屈曲部分において、対応する第2のピン4の他端部22を受けている。
以上が無段変速機100の概略構成である。図4を参照して、上記の構成により、チェーン直線部分では、前貫通孔9に遊嵌された第1のピン3は、前貫通孔9の遊嵌部25の第1の部分26、および前貫通孔9側に配置された第1の案内部38によって受けられ、隣接する第2のピン4との接触が保たれている。また、後貫通孔10に遊嵌された第2のピン4は、後貫通孔10の遊嵌部30の第1の部分31、および後貫通孔10側に配置された第1の案内部38によって受けられ、隣接する第1のピン3との接触が保たれている。
一方、図5を参照して、チェーン最大屈曲部分では、前貫通孔9に遊嵌された第1のピン3は、前貫通孔9の遊嵌部25の第2の部分27、および前貫通孔9側に配置された第2の案内部39によって受けられ、隣接する第2のピン4との接触が保たれている。また、後貫通孔10に遊嵌された第2のピン4は、後貫通孔10の遊嵌部30の第2の部分32、および後貫通孔10側に配置された第2の案内部39によって受けられ、隣接する第1のピン3との接触が保たれている。
以上説明したように、本実施の形態によれば、各リンク2の連通溝33の周縁部分が弾性的に変形し易くなっている。これにより、各リンク2において、各貫通孔9,10の周縁部23,28に生じる初期応力および動力伝達時の応力を格段に低減することができる。その結果、動力伝達時の各リンク2の応力集中が過大になることを防止でき、耐久性を格段に向上することができる。また、案内部34によって、各リンク2の各貫通孔9,10に相対移動可能に嵌め入れられた対応する第1および第2のピン3,4の移動が案内されることにより、当該各ピン3,4が不用意な方向に移動することを防止できる。その結果、リンク2間の相対位置がずれることを防止して、チェーン1の滑らかな屈曲を達成することができる。
また、案内部34は、各貫通孔9,10に遊嵌された対応する第1および第2のピン3,4の、それぞれの一端部18,21および他端部19,22を受けるようにしているので、直交方向Vに関して、リンク2の連通溝33の幅を十分に確保することができ、リンク2に十分な可撓性を持たせることができる。
さらに、案内部34を一対の凸部35,36のそれぞれに設けていることにより、連通溝33を区画するための一対の凸部35,36を案内部34として兼用することができ、リンク2の形状をより簡素化して応力集中をより生じ難くすることができる。
また、第1のピン3を、対応するリンク2の前貫通孔9に遊嵌すると共に対応するリンク2の後貫通孔10に圧入嵌合し、第2のピン4を、対応するリンク2の前貫通孔9に圧入嵌合すると共に対応するリンク2の後貫通孔10に遊嵌している。これにより、第1のピン3の動力伝達面5,6が各プーリ60,70の対応するシーブ面62a,63a,72a,73aに接触する際、対応する第2のピン4が、上記第1のピン3に対して転がり摺動接触することにより、リンク2同士の屈曲が可能とされている。
この際、互いに接触する第1および第2のピン3,4間において、互いの転がり接触成分が多くてすべり接触成分が極めて少なく、するとその結果、第1のピン3が上記各シーブ面62a,63a,72a,73aに対してほとんど回転しないこととなり、摩擦損失を低減して高い伝動効率を確保することができる。
さらに、隣り合う第1および第2のピン3,4の互いの接触線Tの軌跡が、概ねインボリュート形状を描くようにされていることにより、第1のピン3が各プーリ60,70に順次噛み込まれる際に、チェーン1に弦振動的な運動が生じることをより抑制できる。その結果、チェーン1の駆動時の騒音を十分に低減することができる。
このようにして、耐久性に優れた無段変速機100を実現することができる。また、チェーン1が各プーリ60,70に噛み込まれて屈曲する際の屈曲が滑らかに行われ、その結果、静粛性に優れた無段変速機100を実現することができる。
図6は、本発明の他の実施の形態の要部の断面側面図であり、チェーン直線部分を示している。なお、以下では、図1〜図5に示す実施の形態と異なる点について主に説明し、同様の構成については図に同一の符号を付してその説明を省略する。
図6を参照して、本実施の形態の特徴とするところは、1つの動力伝達部材としての第1のピン3によって、チェーン進行方向Xに隣り合うリンク2A同士が互いに屈曲可能に連結されている点にある。具体的には、リンク2Aの前貫通孔9Aに、対応する第1のピン3が相対移動可能に遊嵌され、後貫通孔10Aに、対応する第1のピン3が相対移動を規制されるように圧入嵌合されている。
前貫通孔9Aの遊嵌部25Aの前端は、直交方向Vに延びており、この前貫通孔9Aに遊嵌された第1のピン3の接触部12と転がり摺動接触するための接触部40とされている。これにより、リンク2Aと当該リンク2Aに遊嵌された第1のピン3とは、互いに転がり摺動接触可能となっている。また、第1のピン3を基準とした、リンク2Aと当該リンク2Aに遊嵌された第1のピン3との接触点TAの軌跡が、概ねインボリュート曲線となる。
連通溝33Aは、一対の凸部35A,36Aにより区画形成されている。
一方の凸部35Aの前端部は、前貫通孔9Aの遊嵌部25Aのチェーン外周側後端部と滑らかに接続されている。また、一方の凸部35Aの後端部は、後貫通孔10の圧入部29Aのチェーン外周側前端部と滑らかに接続されている。
他方の凸部36Aの前端部は、前貫通孔9Aの遊嵌部25Aのチェーン内周側後端部と滑らかに接続されている。また、他方の凸部36Aの後端部は、後貫通孔10Aの圧入部29Aのチェーン内周側前端部と滑らかに接続されている。
案内部34Aは、前貫通孔9Aに遊嵌された第1のピン3の接触部12を、当該前貫通孔9Aの接触部40に転がり摺動接触するように案内するためのものである。この案内部34Aは、第1および第2の案内部38A,39Aを有している。
第1の案内部38Aは、前貫通孔9Aに遊嵌された第1のピン3の一端部18を案内するためのものである。
第1の案内部38Aは、前貫通孔9Aの遊嵌部25Aおよび一方の凸部35Aの前端部の、互いの接続部分を含んでいる。換言すれば、前貫通孔9Aの遊嵌部25Aのチェーン外周側後端部、および一方の凸部35Aの前端部は、それぞれ第1の案内部38Aを含んでいる。この第1の案内部38Aは、チェーン直線部分において、対応する第1のピン3の一端部18を受けている。
図7を参照して、第2の案内部39Aは、前貫通孔9Aに遊嵌された第1のピン3の他端部19を案内するためのものである。
第2の案内部39Aは、前貫通孔9Aの遊嵌部25Aおよび他方の凸部36Aの前端部の、互いの接続部分を含んでいる。換言すれば、前貫通孔9Aの遊嵌部25Aのチェーン内周側後端部、および他方の凸部36Aの前端部は、それぞれ第2の案内部39Aを含んでいる。この第2の案内部39Aは、チェーン最大屈曲部分において、対応する第1のピン3の他端部19を受けている。
図6を参照して、上記の構成により、チェーン直線部分では、前貫通孔9Aに遊嵌された第1のピン3は、前貫通孔9Aの遊嵌部25Aの第1の部分26A、および第1の案内部38Aによって受けられ、当該遊嵌部25Aの接触部40との接触が保たれている。
一方、図7を参照して、チェーン最大屈曲部分では、前貫通孔9Aに遊嵌された第1のピン3は、前貫通孔9Aの遊嵌部25Aの第2の部分27A、および第2の案内部39Aによって受けられ、当該遊嵌部25Aの接触部40との接触が保たれている。
以上説明したように、本実施の形態によれば、各リンク2Aの連通溝33Aの周縁部分が弾性的に変形し易くなっている。これにより、各リンク2Aにおいて、各貫通孔9A,10Aの周縁部23A,28Aに生じる初期応力および動力伝達時の応力を格段に低減することができる。その結果、動力伝達時の各リンク2Aの応力集中が過大になることを防止でき、耐久性を格段に向上することができる。
また、案内部34Aによって、各リンク2Aの前貫通孔9Aに相対移動可能に嵌め入れられた第1のピン3の移動が案内されることにより、この第1のピン3が不用意な方向に移動することを防止できる。その結果、リンク2A間の相対位置がずれることを防止して、チェーン1の滑らかな屈曲を達成することができる。
さらに、案内部34Aは、前貫通孔9Aに遊嵌された第1のピン3の一端部18および他端部19を受けるようにしているので、直交方向Vに関して、リンク2Aの連通溝33Aの幅を十分に確保することができ、リンク2Aに十分な可撓性を持たせることができる。
また、案内部34Aを各凸部35A,36Aのそれぞれに設けていることにより、連通溝33Aを区画するための一対の凸部35A,36Aを案内部34Aとして兼用することができ、リンク2Aの形状をより簡素化して応力集中をより生じ難くすることができる。
さらに、第1のピン3を、対応するリンク2Aの前貫通孔9Aに遊嵌すると共に対応するリンク2Aの後貫通孔10Aに圧入嵌合している。これにより、第1のピン3の動力伝達面5,6が各プーリ60,70の対応するシーブ面62a,63a,72a,73aに接触する際、対応するリンク2Aが、上記第1のピン3に対して転がり摺動接触することにより、リンク2A同士の屈曲が可能とされている。
この際、互いに転がり摺動接触する第1のピン3およびリンク2A間において、互いの転がり接触成分が多くてすべり接触成分が極めて少なく、するとその結果、第1のピン3が上記シーブ面62a,63a,72a,73aに対してほとんど回転しないこととなり、摩擦損失を低減して高い伝動効率を確保することができる。
さらに、互いに転がり摺動接触する第1のピン3およびリンク2Aの互いの接触点TAの軌跡が、概ねインボリュート形状を描くようにされていることにより、第1のピン3が各プーリ60,70に順次噛み込まれる際に、チェーンに弦振動的な運動が生じることをより抑制できる。その結果、チェーンの駆動時の騒音を十分に低減することができる。
このようにして、耐久性に優れた無段変速機を実現することができる。また、チェーン1が各プーリ60,70に噛み込まれて屈曲する際の屈曲が滑らかに行われ、その結果、静粛性に優れた無段変速機を実現することができる。
なお、本発明は、以上の実施の形態に限定されない。例えば、図1〜図5に示す実施の形態において、第1および第2の案内部38,39を、それぞれ2箇所に設ける構成を説明したが、これら第1および第2の案内部38,39は、それぞれ1箇所にのみ設けられていてもよい。
すなわち、第1の案内部38を、前貫通孔9側および後貫通孔10側の何れか一方にのみ設けてもよいし、第2の案内部39を、前貫通孔9側および後貫通孔10側の何れか一方にのみ設けてもよい。
例えば、図8に示すように、第1の案内部38を前貫通孔9側にのみ設けると共に、第2の案内部39を前貫通孔9側にのみ設けるようにしてもよい。また、図9に示すように、第1の案内部38を前貫通孔9側にのみ設けると共に、第2の案内部39を後貫通孔10側にのみ設けるようにしてもよい。
さらに、図10に示すように、第1の案内部38を後貫通孔10側にのみ設けると共に、第2の案内部39を前貫通孔9側にのみ設けるようにしてもよい。また、図11に示すように、第1の案内部38を後貫通孔10側にのみ設けると共に、第2の案内部39を後貫通孔10側にのみ設けるようにしてもよい。この場合も、図1〜図5に示す実施の形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、第1の案内部38を、前貫通孔9側および後貫通孔10側の両方に設けると共に、第2の案内部39を、前貫通孔9側または後貫通孔10側にのみ設けるようにしてもよい。同様に、第1の案内部38を、前貫通孔9側または後貫通孔10側にのみ設けると共に、第2の案内部39を、前貫通孔9側および後貫通孔10側の両方に設けるようにしてもよい。この場合も、図1〜図5に示す実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、第2のピン4の接触部14の断面形状は、直線形状でなくてもよい。さらに、第2のピン4の一対の端部が各プーリ60,70に係合するようにしてもよい。
また、図1〜図5に示す実施の形態、図8に示す実施の形態、図9に示す実施の形態、図10に示す実施の形態および図11に示す実施の形態のそれぞれにおいて、各リンクの一対の凸部35,36は、チェーン進行方向Xの中間部が直交方向Vに互いに近接するように凸であるが、図12に示すように、チェーン進行方向Xの中間部が直交方向Vに互いに遠ざかるように凸であっても(凹状に形成されていても)よい。この場合も、一対の凸部35,36は、応力集中の生じ難い滑らかな形状に形成されている。
さらに、図6および図7に示す実施の形態において、リンク2Aの前貫通孔9Aの遊嵌部25Aの接触部40の断面形状は、直線形状でなくてもよい。また、各リンクの一対の凸部35A,36Aは、チェーン進行方向Xの中間部が直交方向Vに互いに近接するように凸であるが、図13に示すように、チェーン進行方向Xの中間部が直交方向Vに互いに遠ざかるように凸であっても(凹状に形成されていても)よい。この場合も、一対の凸部35A,36Aは、応力集中の生じ難い滑らかな形状に形成されている。
さらに、上記各実施の形態において、案内部を凸部に設けなくてもよい。また、直交方向Vに関する連通溝の幅は、図示したものより広くてもよいし、狭くてもよい。さらに、ピンが遊嵌された貫通孔の周縁のうち、当該ピンと直交方向Vに対向する部分の全体を案内部に含めてもよい。
さらにまた、迎え角Bの値は、上記例示した値より大きくてもよいし、小さくてもよい。また、第1のピン3の接触部12の断面形状は、インボリュート曲線でなくてもよい。さらに、リンクの前貫通孔と後貫通孔の配置とを互いに入れ換えてもよい。
また、第1のピン3の一対の端部のそれぞれの近傍に、動力伝達面5,6と同様の動力伝達面を有する部材を配置し、第1のピン3と当該動力伝達面を有する部材とを含む動力伝達ブロックを設け、これを第1の動力伝達部材(動力伝達部材)としてもよい。
さらに、ドライブプーリ60およびドリブンプーリ70の双方の溝幅が変動する態様に限定されるものではなく、何れか一方の溝幅のみが変動し、他方が変動しない固定幅にした態様であっても良い。また、上記では溝幅が連続的(無段階)に変動する態様について説明したが、段階的に変動したり、固定式(無変速)である等の他の動力伝達装置に適用しても良い。
本発明の一実施の形態に係る動力伝達チェーンを備える動力伝達装置としてのチェーン式無段変速機の要部構成を模式的に示す斜視図である。 図1のドライブプーリ(ドリブンプーリ)およびチェーンの部分的な拡大断面図である。 チェーンの要部の断面平面図である。 図3のII−II線に沿う断面図であり、チェーン直線部分を示している。 チェーン最大屈曲部分の一部断面側面図である。 本発明の他の実施の形態の要部の断面側面図であり、チェーン直線部分を示している。 チェーン最大屈曲部分の一部断面側面図である。 本発明のさらに他の実施の形態の要部の模式的な側面図である。 本発明のさらに他の実施の形態の要部の模式的な側面図である。 本発明のさらに他の実施の形態の要部の模式的な側面図である。 本発明のさらに他の実施の形態の要部の模式的な側面図である。 本発明のさらに他の実施の形態の要部の模式的な側面図である。 本発明のさらに他の実施の形態の要部の模式的な側面図である。
符号の説明
1 チェーン(動力伝達チェーン)
2,2A リンク
3 第1のピン(第1の動力伝達部材、動力伝達部材)
4 第2のピン(第2の動力伝達部材)
9,9A 前貫通孔(第1の貫通孔)
10,10A 後貫通孔(第2の貫通孔)
18 第1のピンの一端部(第1の動力伝達部材の一端部)
19 第1のピンの他端部(第1の動力伝達部材の他端部)
21 第2のピンの一端部(第2の動力伝達部材の一端部)
22 第2のピンの他端部(第2の動力伝達部材の他端部)
23,23A 周縁部(第1の貫通孔の周縁)
28,28A 周縁部(第2の貫通孔の周縁)
33,33A 連通溝
34,34A 案内部
35,35A 一方の凸部(一対の凸部の一方)
36,36A 他方の凸部(一対の凸部の他方)
38,38A 第1の案内部
39,39A 第2の案内部
60 ドライブプーリ(第1のプーリ)
62a,63a シーブ面
70 ドリブンプーリ(第2のプーリ)
72a,73a シーブ面
100 無段変速機(動力伝達装置)
V 直交方向(チェーン進行方向およびチェーン幅方向の双方に直交する方向)
W チェーン幅方向
X チェーン進行方向

Claims (5)

  1. 複数のリンクと、これらのリンクを互いに連結する複数対の第1および第2の動力伝達部材とを備え、対をなす第1および第2の動力伝達部材は互いに転がり摺動接触する動力伝達チェーンにおいて、
    上記リンクは、チェーン進行方向に並ぶ第1および第2の貫通孔と、第1および第2の貫通孔を互いに連通する連通溝とを含み、
    上記第1の貫通孔には、当該第1の貫通孔に対応する第1の動力伝達部材が相対移動可能に嵌め入れられると共に当該第1の貫通孔に対応する第2の動力伝達部材が相対移動を規制されて嵌め入れられ、
    上記第2の貫通孔には、当該第2の貫通孔に対応する第1の動力伝達部材が相対移動を規制されて嵌め入れられると共に当該第2の貫通孔に対応する第2の動力伝達部材が相対移動可能に嵌め入れられ、
    第1および第2の貫通孔の少なくとも一方の周縁には、その貫通孔に相対移動可能に嵌め入れられた動力伝達部材を当該動力伝達部材が隣接する動力伝達部材に転がり摺動接触するように案内するための案内部が形成されることを特徴とする動力伝達チェーン。
  2. 請求項1において、上記第1および第2の動力伝達部材は、チェーン進行方向およびチェーン幅方向の双方に直交する方向に関する一端部および他端部をそれぞれ含み、
    上記案内部は、第1および第2の動力伝達部材の少なくとも一方の一端部を案内する第1の案内部と、第1および第2の動力伝達部材の少なくとも一方の他端部を案内する第2の案内部とを含むことを特徴とする動力伝達チェーン。
  3. 複数のリンクと、これらのリンクを互いに連結する複数の動力伝達部材とを備える動力伝達チェーンにおいて、
    上記リンクは、チェーン進行方向に並ぶ第1および第2の貫通孔と、第1および第2の貫通孔を互いに連通する連通溝とを含み、
    上記第1の貫通孔には、当該第1の貫通孔に対応する動力伝達部材が相対移動可能に嵌め入れられると共に、上記第2の貫通孔には、当該第2の貫通孔に対応する動力伝達部材が相対移動を規制されて嵌め入れられ、
    第1の貫通孔の周縁には、当該第1の貫通孔に相対移動可能に嵌め入れられた動力伝達部材を当該第1の貫通孔の周縁に転がり摺動接触するように案内するための案内部が形成されることを特徴とする動力伝達チェーン。
  4. 請求項1,2または3において、上記リンクは、互いの間に上記連通溝を区画する一対の凸部を含み、上記案内部は各凸部にそれぞれ設けられることを特徴とする動力伝達チェーン。
  5. 相対向する一対の円錐面状のシーブ面をそれぞれ有する第1および第2のプーリと、これらのプーリ間に巻き掛けられ、シーブ面に係合して動力を伝達する請求項1,2,3または4記載の動力伝達チェーンとを備えることを特徴とする動力伝達装置。
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