JP2006130515A - レーザ加工方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】超短パルスレーザによる高精度かつ安定な微細加工を実現すること。
【解決手段】所望のレーザ加工を実現するために必要な加工閾値フルエンスよりも低い閾値フルエンスで発現する第1の加工現象を、下位閾値現象誘起用光路2を通過したレーザパルスにより、被加工物6の材料表面及び内部のある一定領域に誘起し、上記第1の加工現象によって変質された変質領域に、上位閾値現象誘起用光路3を通過したレーザパルスにより、上記第1の加工現象を誘起する閾値フルエンスよりも強い閾値フルエンスを照射して、上記変質領域に第2の加工現象を誘起することによって、上記変質領域を優先的もしくは排他的に加工する。
【選択図】図1

Description

本発明は、超短パルスレーザによってレーザ加工(例えば、切断、破断、表面及び内部改質、屈折率変化、アブレーション、材料構造や物性の変性など)を行う方法及び装置に関する。
超短パルスレーザ加工では、照射フルエンス、パルス幅、照射するパルス数、ビームスポット径を制御することによって、加工形状を制御する方法が知られている。
例えば、特許文献1には、パルス幅と加工閾値フルエンスをコントロールすることによってレーザ誘起破壊を効率的に発生させる方法が開示されている。特に超短パルスレーザ加工においては、フルエンスとパルス幅の関係に従ったフルエンスの加工閾値依存性があるため、ビームスポット内のエネルギ分布と加工閾値によって、加工形状が制御される。ビームスポット内のエネルギ分布がガウス分布である場合、加工閾値以上のエネルギ照射部分でのみ加工されるので、ビームスポット径以下の加工が可能である。
特許第3283265号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されている加工法では、レーザ光を十分に集光し加工を行った場合においても、スポット周辺へのアバランシェイオン化、変質、材料ストレス等の副次効果により、周辺部分に加工が影響を受け易いため、加工分解能が低下する。また、レーザの安定性に起因するエネルギ変動によってビームスポット内のエネルギ分布がばらつき易く、エネルギ分布のばらつきが加工領域のばらつき、加工境界の不鮮明さに起因するため、高精度な加工分解能、加工ばらつき性能が必要とされるナノ領域の直接描画による微細加工を行うことは困難である。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、超短パルスレーザによる高精度かつ安定な微細加工を実現するレーザ加工方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明のレーザ加工方法の一態様は、超短パルスレーザによるレーザ加工において、
所望のレーザ加工を実現するために必要な加工閾値フルエンスよりも低い閾値フルエンスで発現する第1の加工現象を、材料表面及び内部のある一定領域に誘起し、
上記第1の加工現象によって変質された変質領域に、上記第1の加工現象を誘起する閾値フルエンスよりも強い閾値フルエンスを照射して、上記変質領域に第2の加工現象を誘起することによって、上記変質領域を優先的もしくは排他的に加工する、
ことを特徴とする。
また、本発明のレーザ加工装置の一態様は、超短パルスレーザによるレーザ加工装置において、
所望のレーザ加工を実現するために必要な加工閾値フルエンスよりも低い閾値フルエンスで発現する第1の加工現象を、材料表面及び内部のある一定領域に誘起する第1の加工手段と、
上記第1の加工現象によって変質された変質領域に、上記第1の加工現象を誘起する閾値フルエンスよりも強い閾値フルエンスを照射して、上記変質領域に第2の加工現象を誘起することによって、上記変質領域を優先的もしくは排他的に加工する第2の加工手段と、
を具備することを特徴とする。
本発明によれば、まず材料変質を表面及び内部に誘起し、その変質部のみを選択的・優先的に加工することによって、周囲への影響を極端に低減した、直接描画による自由なナノレベル微細加工が可能となり、超短パルスレーザによる高精度かつ安定な微細加工を実現するレーザ加工方法及び装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るレーザ加工装置の構成を示す図である。また、図2(A)及び(B)は、本第1実施形態の加工メカニズムを表した図である。そして、図3には、本実施形態に係るレーザ加工装置によって表面サブミクロンドット加工を行った石英の表面の状態を示す図である。
(構成)
図1に示すように、本実施形態に係るレーザ加工装置においては、パルス数制御可能な超短パルスレーザ装置1から発生するレーザパルスは、第1の加工現象である下位閾値現象の誘起用の光路(以下、下位閾値現象誘起用光路と記す)2と第2の加工現象である上位閾値現象の誘起用の光路(以下、上位閾値現象誘起用光路と記す)3に分岐され、各光路に設定されたエネルギ減衰器4により、各々の加工に適したエネルギに設定される。そして、上記2つの光路に分割されたレーザパルスは同一光路上に戻され、集光光学系5により被加工物6に集光される。なお、加工位置制御は、ステージ7の移動により制御される。
ここで、上記下位閾値現象誘起用光路2を通過したレーザパルスが被加工物6に照射された後に、上記上位閾値現象誘起用光路3を通過したレーザパルスが照射されるように、それら2つの光路の間には光路差が設定されている。
被加工物6は、金属、ウエハ、ガラス、結晶材料、生体材料などである。
また、分光器8におけるスペクトル観測によって加工現象をモニタリングすることが可能となっている。
本実施形態では、超短パルスレーザ装置1はパルスの繰り返し周波数1kHz、レーザ波長800mm、パルス幅は150fs〜3psまで変更可能な光源を用いる。
(作用)
本第1実施形態は、下位閾値現象誘起用光路2を通過したレーザパルスにより、第1の加工現象としての下位閾値現象である材料変質を被加工物6の表面及び内部に誘起し、上位閾値現象誘起用光路3を通過したレーザパルスにより、その変質部のみを選択的・優先的に加工を行うものである。
即ち、超短パルスレーザ装置1より発生したレーザパルスは、集光光学系5により被加工物6に集光される。上記第1の加工現象としての下位閾値現象と第2の加工現象としての上位閾値現象とでは、材料表面より散乱するスペクトルに変化が見られるため、被加工物6より散乱される光を分光器8で観測することにより加工現象をモニタリングすることができ、容易に照射フルエンスの設定が可能である。
また、図2(A)及び(B)に、下位閾値現象を改質、上位閾値現象をアブレーションとした場合のメカニズムを表した図を示す。図2(A)に示すように、下位閾値現象である改質が閾値フルエンスを越えたエネルギ領域において材料表面になされる。そして、図2(B)に示すように、バルクのアブレーション閾値フルエンス以下で、改質部のアブレーション閾値以上の範囲内にフルエンスを設定することにより、改質部9の選択的なアブレーションが可能となる。
例えば、上記下位閾値現象を誘起する閾値フルエンスのエネルギ領域は、平方センチあたり10ジュールから平方センチあたり1マイクロジュールまでの領域にあり、上位閾値現象を誘起する閾値フルエンスのエネルギ領域は、平方センチあたり10マイクロジュールから平方センチあたり1ジュールまでの領域にある。即ち、下位閾値現象における閾値フルエンスは、平方センチあたり10ジュールから平方センチあたり1マイクロジュールまでのエネルギ領域での条件設定によって、金属、ガラス、樹脂、生体材料等の材料において、切断、破断、表面及び内部改質、屈折率変化、アブレーション、材料構造や物性の変性を起こすことが可能であり、上位閾値現象は下位閾値現象における閾値フルエンスより高い条件によって誘起することが可能となる。
また、集光光学系5を用いてビームを所望のビームスポット形状に成形することで、下位閾値現象と上位閾値現象の誘起時に相互にビームスポット形状を変化させることによって、精度、加工形状を自由に制御することが可能となる。このように、改質部9の照射領域を絞り込むことによって容易にサブミクロンレベルの直接描画加工が可能となる。
図3に、本実施形態により得られた石英基盤のサブミクロンアブレーション結果を示す。このように、本実施形態によれば、超短パルスレーザによる高精度かつ安定な微細加工を実現できる。
[第2実施形態]
上記第1実施形態に係るレーザ加工装置において、下位閾値現象を材料内部のイオン化、上位閾値現象を内部屈折率変化とした場合の事例を、本発明の第2実施形態として説明する。図4は、ガラス(BK7)内部に照射した場合の内部イオン化時のスペクトル結果と内部屈折率変化時のスペクトル結果を示す図である。また、図5は、得られた内部屈折率変化ドットを示す図である。
(構成)
上記第1実施形態で説明したレーザ加工装置を用いて、集光光学系5による集光点を、被加工物6であるガラス内部に設定する。この被加工物6としてはBK7を用い、下位閾値現象を内部イオン化、上位閾値現象を内部屈折率変化とし、内部屈折率変化ドット加工を行う。
(作用)
図4に内部イオン化時の分光器8によるスペクトル観察結果と内部屈折率変化時のスペクトル観察結果を示す。同図に示すように、スペクトル結果に違いが見られるため、内部イオン化と内部屈折率変化とを区別し、制御することができる。
図5にBK7の内部屈折率変化ドットの顕微鏡観察結果を示す。
本第2実施形態により、サブミクロンレベルの内部ドット作成が可能となっている。
[第3実施形態]
図6は、本発明の第3実施形態に係るレーザ加工装置の構成を示す図である。本実施形態に係るレーザ加工装置は、一括パターンニング描画可能なレーザ加工装置である。本実施形態においては、ビーム内エネルギ強度分布パターン制御法としてDOE(位相型回折光学素子)10を用いている。
(構成)
本実施形態に係るレーザ加工装置は、上記第1実施形態に係るレーザ加工装置の構成において、下位閾値現象誘起用光路2内にDOE10が挿入されており、下位閾値現象誘起用レーザパルスのビーム内エネルギ強度分布パターンが制御できる。なお、ビーム内エネルギ強度分布パターンが制御可能なものとしては、このDOE10以外に、ビーム干渉法、位相板、ホモジナイザーがある。
下位閾値現象、上位閾値現象ともにデフォーカスによる面一括照射を行う。加工領域はエネルギプロファイル、集光光学系NA、ビーム径によって決定される。
(作用)
本実施形態においては、DOE10を用いてビーム内エネルギ強度分布パターンを作り出し、下位閾値現象のパターンを材料表面もしくは内部に照射し、上位閾値現象誘起時に、一様ビームエネルギを照射する。
即ち、下位閾値現象によって強度パターンに沿った変質部が作成されているため、一様ビームエネルギを照射したときに、変質パターン部が選択的に加工でき、高品位なパターン加工が可能となる。
以上実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
(付記)
前記の具体的実施形態から、以下のような構成の発明を抽出することができる。
(1) 超短パルスレーザによるレーザ加工(切断、破断、表面及び内部改質、屈折率変化、アブレーション、材料構造や物性の変性など)において、
所望のレーザ加工を実現するために必要な加工閾値フルエンスよりも低い閾値フルエンスで発現する第1の加工現象(下位閾値現象)を、材料表面及び内部のある一定領域に誘起し、
上記第1の加工現象によって変質された変質領域に、上記第1の加工現象を誘起する閾値フルエンスよりも強い閾値フルエンスを照射して、上記変質領域に第2の加工現象(上位閾値現象)を誘起することによって、上記変質領域を優先的もしくは排他的に加工する、
ことを特徴とするレーザ加工方法。
(対応する実施形態)
この(1)に記載のレーザ加工方法に関する実施形態は、第1乃至第3実施形態が対応する。
(作用効果)
所望の加工現象である上位閾値現象より低い閾値フルエンスで誘起される下位閾値現象が材料内部もしくは表面に形成された場合、バルク材料の閾値フルエンスに比べ、下位閾値フルエンス照射部(変質部)の上位閾値現象の閾値フルエンスは変化する。変質部の加工閾値が低い組成に変質している場合は、照射領域を優先的に加工することが可能であり、変質部の加工閾値が高い場合は変質部を残した排他的な加工が可能となる。また、下位閾値現象を利用した加工法は加工現象が単純化し、副次的な影響を受けにくくなるので、下位閾値現象による変質領域を、より微小領域に作成することが可能であり、高分解能な加工が実現できる。
(2) 上記第2の加工現象(上位閾値現象)を誘起する閾値フルエンスを、変質されていないバルク材料の閾値フルエンスよりも低い閾値フルエンスに設定し、
上記第1の加工現象(下位閾値現象)による変質部とバルクの加工閾値フルエンス差により、上記変質部のみを選択的に加工する、
ことを特徴とする(1)に記載のレーザ加工方法。
(対応する実施形態)
この(2)に記載のレーザ加工方法に関する実施形態は、第1乃至第3実施形態が対応する。
(作用効果)
下位閾値現象により変質した照射部の、上位閾値現象の閾値フルエンスが、照射していないバルク材料の閾値フルエンスと比較して閾値低下している場合、照射していないバルク材料の閾値フルエンスよりも低く、変質した照射部の閾値フルエンスよりも高いフルエンスを、変質部を含む領域に照射することによって、変質されていないバルク材料部分を残し、変質部のみを加工することができるため、変質部の選択的加工が可能となる。加工が下位閾値現象により得られている領域を越えることは無いので、照射領域周辺の影響を受けない。下位閾値現象の微小領域化と周辺への影響低減により、加工分解能の向上や、加工ばらつきの改善が見込まれる。
(3) 上記レーザ加工として超短パルスレーザによるレーザアブレーションを行う際、
上記変質領域として材料表面近傍に上記第1の加工現象(下位閾値現象)である改質領域を作成し、
その後に、上記第2の加工現象(上位閾値現象)であるレーザアブレーションにより上記改質領域を除去する、
ことを特徴とする(1)に記載のレーザ加工方法。
(対応する実施形態)
この(3)に記載のレーザ加工方法に関する実施形態は、第1実施形態が対応する。
(作用効果)
下位閾値フルエンス照射部である材料表面近傍での改質領域は、材料構造がもろくなっているため、アブレーション閾値は改質領域で低下している。よって、下位閾値フルエンス照射部周辺であるバルク材料との加工閾値フルエンス差が発生するため、バルク材料のアブレーション閾値より低いフルエンス照射により改質領域のみを除去したり、バルク材料との同一領域アブレーションにおいても、改質部を優先的に除去することが可能となる。
(4) 上記第1の加工現象(下位閾値現象)を誘起する閾値フルエンスのエネルギ領域が、平方センチあたり10ジュールから平方センチあたり1マイクロジュールまでの領域にあり、
上記第2の加工現象(上位閾値現象)を誘起する閾値フルエンスのエネルギ領域が平方センチあたり10マイクロジュールから平方センチあたり1ジュールまでの領域にある、
ことを特徴とする(1)乃至(3)の何れかに記載のレーザ加工方法。
(対応する実施形態)
この(4)に記載のレーザ加工方法に関する実施形態は、第1乃至第3実施形態が対応する。
(作用効果)
下位閾値現象における閾値フルエンスは、平方センチあたり10ジュールから平方センチあたり1マイクロジュールまでの領域での条件設定によって、金属、ガラス、樹脂、生体材料等の材料において、切断、破断、表面及び内部改質、屈折率変化、アブレーション、材料構造や物性の変性を起こすことが可能であり、上位閾値現象は下位閾値現象における閾値フルエンスより高い条件によって誘起することが可能となる。
(5) 集光光学系を用いてビームを所望のビームスポット形状に成形し、上記第1の加工現象(下位閾値現象)と上記第2の加工現象(上位閾値現象)の誘起時に相互にビームスポット形状を変化させたことを特徴とする(1)乃至(3)の何れかに記載のレーザ加工方法。
(対応する実施形態)
この(5)に記載のレーザ加工方法に関する実施形態は、第1及び第2実施形態が対応する。
(作用効果)
下位閾値現象時と上位閾値現象時の照射ビームスポット形状を変化させることによって、精度、加工形状を自由に制御することが可能となる。改質部の照射領域を絞り込むことによって容易にサブミクロンレベルの直接描画加工が可能となる。
(6) 上記第1の加工現象(下位閾値現象)は、ビーム干渉もしくは位相制御により、ビーム内エネルギ強度分布パターンによる変質部を作成し、
上記第2の加工現象(上位閾値現象)のスポット領域を同一もしくは拡大して、上記変質部に照射することにより、一括でパターン領域を作り出す、
ことを特徴とする(1)乃至(3)の何れかに記載のレーザ加工方法。
(対応する実施形態)
この(6)に記載のレーザ加工方法に関する実施形態は、第3実施形態が対応する。
(作用効果)
干渉、位相板、DOE、ホモジナイザーなどを用いてビーム内エネルギ強度分布パターンを作り出し、下位閾値現象のパターンを材料表面もしくは内部に照射し、上位閾値現象誘起時に、一様ビームエネルギを照射する。下位閾値現象によって強度パターンに沿った変質部が作成されているため、一様ビームエネルギを照射したときに、変質パターン部が選択的に加工でき、高品位なパターン加工が可能となる。
(7) 超短パルスレーザによるレーザ加工装置において、
所望のレーザ加工を実現するために必要な加工閾値フルエンスよりも低い閾値フルエンスで発現する第1の加工現象(下位閾値現象)を、材料表面及び内部のある一定領域に誘起する第1の加工手段と、
上記第1の加工現象によって変質された変質領域に、上記第1の加工現象を誘起する閾値フルエンスよりも強い閾値フルエンスを照射して、上記変質領域に第2の加工現象(上位閾値現象)を誘起することによって、上記変質領域を優先的もしくは排他的に加工する第2の加工手段と、
を具備することを特徴とするレーザ加工装置。
(対応する実施形態)
この(7)に記載のレーザ加工装置に関する実施形態は、第1乃至第3実施形態が対応する。それらの実施形態において、超短パルスレーザ装置1、下位閾値現象誘起用光路2、エネルギ減衰器4、及び集光光学系5が上記第1の加工手段に対応し、超短パルスレーザ装置1、上位閾値現象誘起用光路3、エネルギ減衰器4、及び集光光学系5が上記第2の加工手段に対応する。
(作用効果)
所望の加工現象である上位閾値現象より低い閾値フルエンスで誘起される下位閾値現象が材料内部もしくは表面に形成された場合、バルク材料の閾値フルエンスに比べ、下位閾値フルエンス照射部(変質部)の上位閾値現象の閾値フルエンスは変化する。変質部の加工閾値が低い組成に変質している場合は、照射領域を優先的に加工することが可能であり、変質部の加工閾値が高い場合は変質部を残した排他的な加工が可能となる。また、下位閾値現象を利用した加工法は加工現象が単純化し、副次的な影響を受けにくくなるので、下位閾値現象による変質領域を、より微小領域に作成することが可能であり、高分解能な加工が実現できる。
図1は、本発明の第1実施形態に係るレーザ加工装置の構成を示す図である。 図2(A)は、下位閾値現象としての改質の加工メカニズムを表した図であり、図2(B)は、上位閾値現象としてのアブレーションの加工メカニズムを表した図である。 図3には、本実施形態に係るレーザ加工装置によって表面サブミクロンドット加工を行った石英の表面の状態を示す図である。 図4は、本発明の第2実施形態として、ガラス(BK7)内部に照射した場合の内部イオン化時のスペクトル結果と内部屈折率変化時のスペクトル結果を示す図である。 図5は、得られた内部屈折率変化ドットを示す図である。 図6は、本発明の第3実施形態に係るレーザ加工装置の構成を示す図である。
符号の説明
1…超短パルスレーザ装置、 2…下位閾値現象誘起用光路、 3…上位閾値現象誘起用光路、 4…エネルギ減衰器、 5…集光光学系、 6…被加工物、 7…ステージ、 8…分光器、 9…改質部、 10…DOE(位相型回折光学素子)。

Claims (7)

  1. 超短パルスレーザによるレーザ加工において、
    所望のレーザ加工を実現するために必要な加工閾値フルエンスよりも低い閾値フルエンスで発現する第1の加工現象を、材料表面及び内部のある一定領域に誘起し、
    上記第1の加工現象によって変質された変質領域に、上記第1の加工現象を誘起する閾値フルエンスよりも強い閾値フルエンスを照射して、上記変質領域に第2の加工現象を誘起することによって、上記変質領域を優先的もしくは排他的に加工する、
    ことを特徴とするレーザ加工方法。
  2. 上記第2の加工現象を誘起する閾値フルエンスを、変質されていないバルク材料の閾値フルエンスよりも低い閾値フルエンスに設定し、
    上記第1の加工現象による変質部とバルクの加工閾値フルエンス差により、上記変質部のみを選択的に加工する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工方法。
  3. 上記レーザ加工として超短パルスレーザによるレーザアブレーションを行う際、
    上記変質領域として材料表面近傍に上記第1の加工現象である改質領域を作成し、
    その後に、上記第2の加工現象であるレーザアブレーションにより上記改質領域を除去する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工方法。
  4. 上記第1の加工現象を誘起する閾値フルエンスのエネルギ領域が、平方センチあたり10ジュールから平方センチあたり1マイクロジュールまでの領域にあり、
    上記第2の加工現象を誘起する閾値フルエンスのエネルギ領域が平方センチあたり10マイクロジュールから平方センチあたり1ジュールまでの領域にある、
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のレーザ加工方法。
  5. 集光光学系を用いてビームを所望のビームスポット形状に成形し、上記第1の加工現象と上記第2の加工現象の誘起時に相互にビームスポット形状を変化させたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のレーザ加工方法。
  6. 上記第1の加工現象は、ビーム干渉もしくは位相制御により、ビーム内エネルギ強度分布パターンによる変質部を作成し、
    上記第2の加工現象のスポット領域を同一もしくは拡大して、上記変質部に照射することにより、一括でパターン領域を作り出す、
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のレーザ加工方法。
  7. 超短パルスレーザによるレーザ加工装置において、
    所望のレーザ加工を実現するために必要な加工閾値フルエンスよりも低い閾値フルエンスで発現する第1の加工現象を、材料表面及び内部のある一定領域に誘起する第1の加工手段と、
    上記第1の加工現象によって変質された変質領域に、上記第1の加工現象を誘起する閾値フルエンスよりも強い閾値フルエンスを照射して、上記変質領域に第2の加工現象を誘起することによって、上記変質領域を優先的もしくは排他的に加工する第2の加工手段と、
    を具備することを特徴とするレーザ加工装置。
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