JP2006126861A - プラスチック光ファイバ - Google Patents
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Abstract
【課題】 開口数(NA)が大きく、広い波長範囲にわたって低伝送損失で、かつ曲げ損失が小さいステップインデックス型プラスチック光ファイバを提供する。
【解決手段】 コアおよびクラッドの材料が実質的に水素原子を有しない非晶質フッ素樹脂からなり、しかもコアの材料として従来よりも高屈折率の非晶質フッ素樹脂を採用することにより、および/または、クラッドの材料として従来よりも低屈折率の非晶質フッ素樹脂を採用することにより、両材料の屈折率差を大きくしたステップインデックス型プラスチック光ファイバ。
【選択図】 図1
【解決手段】 コアおよびクラッドの材料が実質的に水素原子を有しない非晶質フッ素樹脂からなり、しかもコアの材料として従来よりも高屈折率の非晶質フッ素樹脂を採用することにより、および/または、クラッドの材料として従来よりも低屈折率の非晶質フッ素樹脂を採用することにより、両材料の屈折率差を大きくしたステップインデックス型プラスチック光ファイバ。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ステップインデックス型プラスチック光ファイバ(以下SI型光ファイバという)に関し、特に、可視から近赤外領域にわたる広範囲の光を伝達可能であり、かつ開口数の大きなSI型光ファイバに関する。
従来の光ファイバは石英製が主力であったが、加工性の悪さや曲げに対する弱さを克服するためにプラスチック製の光ファイバが開発され実用化されている。通常のプラスチック光ファイバはポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート等の透明な樹脂からなるコアと、これよりも屈折率が小さくかつ透明な含フッ素ポリマー等の樹脂からなるクラッドとを基本構成単位としている。
しかし、これらの樹脂材料ではポリマー中に存在する炭素−水素結合に基づく伸縮振動の倍音吸収が存在し、近赤外領域での伝送損失が大きい。この問題を解決するため、水素原子の代わりにフッ素原子を導入し炭素−水素結合を無くすことにより、近赤外領域での伝送損失低減の検討がなされている。例えば特許文献1には、ペルフルオロポリマーをコアおよびクラッドの材料に用いたSI型光ファイバが記載されている。
特許第2821935号公報
従来のコアおよびクラッドにペルフルオロポリマーを用いたプラスチック光ファイバは、コアとクラッドの屈折率差が小さいため開口数(NA)が小さいという課題があった。本発明は、この問題を解決し、曲げ時の損失が小さく、かつ広い範囲の光を受光できる、工業用や医療用各種センサ等の光通信媒体の用途に適したプラスチック光ファイバを提供することを目的とする。
本発明は、コアが実質的に水素原子を有しないかつ側鎖に塩素原子を有する含フッ素重合体から構成される非晶質フッ素樹脂(A−1)からなり、クラッドが実質的に水素原子を有しない含フッ素重合体から構成される非晶質フッ素樹脂(B)からなり、コアとクラッドの屈折率差が0.020以上であるSI型光ファイバである。
また本発明は、コアが高屈折率化剤を含み、かつ実質的に水素原子を有しない含フッ素重合体から構成される非晶質フッ素樹脂(A)からなり、クラッドが実質的に水素原子を有しない含フッ素重合体から構成される非晶質フッ素樹脂(B)からなり、コアとクラッドの屈折率差が0.020以上であるSI型光ファイバである。
また本発明は、コアが実質的に水素原子を有しない含フッ素重合体から構成される非晶質フッ素樹脂(A)、または高屈折率化剤を含む該非晶質フッ素樹脂(A)からなり、クラッドが実質的に水素原子を有しない屈折率1.300未満の含フッ素重合体から構成される非晶質フッ素樹脂(B−2)からなり、コアとクラッドの屈折率差が0.020以上であるSI型光ファイバである。
また本発明は、コアが、下記式(1)で表され単量体(a)が環化重合した繰り返し単位を有する含フッ素重合体から構成される非晶質フッ素樹脂(A)または高屈折率化剤を含む該非晶質フッ素樹脂(A)からなり、クラッドが下記式(4)で表される単量体(b
−1)が重合した繰り返し単位を有する含フッ素重合体から構成される非晶質フッ素樹脂(B−3)または実質的に水素原子を有しない含フッ素可塑剤を含む該非晶質フッ素樹脂(B−3)からなり、コアとクラッドの屈折率差が0.020以上であるSI型光ファイバである。
−1)が重合した繰り返し単位を有する含フッ素重合体から構成される非晶質フッ素樹脂(B−3)または実質的に水素原子を有しない含フッ素可塑剤を含む該非晶質フッ素樹脂(B−3)からなり、コアとクラッドの屈折率差が0.020以上であるSI型光ファイバである。
ただし、mは0〜5の整数、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に炭素数1〜9のペルフルオロアルキル基、塩素原子またはフッ素原子、R13は炭素数2〜9のペルフルオロアルキル基、R14は炭素数1〜9のペルフルオロアルキル基またはフッ素原子を表す。
また本発明は、コアが実質的に水素原子を有しない含フッ素重合体から構成される非晶質フッ素樹脂(A)、または高屈折率化剤を含む該非晶質フッ素樹脂(A)からなり、クラッドが実質的に水素原子を有しない含フッ素重合体から構成される非晶質フッ素樹脂(B)、または実質的に水素原子を有しない含フッ素可塑剤を含む該非晶質フッ素樹脂(B)からなり、開口数(NA)が0.415以上であるSI型光ファイバである。
また本発明は、ペルフルオロ(2−ペンチル−1,3−ジオキソール)、これを単量体として重合した繰り返し単位を有する含フッ素重合体、および該重合体を用いた光学部材である。
本発明のSI型光ファイバは、光透過性能を落とすことなくコアとクラッドの屈折率差を大きくして開口数を大きくできる。これにより、曲げ時の伝送損失を増大させず、さらにセンサ等に使用した場合には広い範囲から集光できるためセンサ感度が向上する。また、波長600〜1600nmという広い波長領域にわたって、低レベルの伝送損失を与えうる。すなわち、石英光ファイバと同じ波長を使えることにより、石英光ファイバとの接続が容易であり、また波長600〜1600nmよりも短波長を使わざるをえない従来のプラスチック光ファイバに比べ、安価な光源ですむ利点がある。
一方、本発明のSI型光ファイバは通常のプラスチック光ファイバと同様にファイバ径が太く光源・受光素子との接続またはファイバ同士の接続が容易なことから安価な短距離通信システムを構築しうる。さらに、本発明のSI型光ファイバは通常のプラスチック光
ファイバに比較して耐熱性が飛躍的に向上しているので、熱的な安定性が高く、室温以上の高温に長期間さらされた場合においても、伝送損失の低下を防止できる。また、クラッドに柔軟性を持たせうることより、クラックを起こし難いファイバが得られる。
ファイバに比較して耐熱性が飛躍的に向上しているので、熱的な安定性が高く、室温以上の高温に長期間さらされた場合においても、伝送損失の低下を防止できる。また、クラッドに柔軟性を持たせうることより、クラックを起こし難いファイバが得られる。
本発明における非晶質フッ素樹脂は、1種のみのまたは混合された2種以上の、非晶質となる特定の含フッ素重合体から構成され、他の構成成分として該含フッ素重合体以外に少量の添加剤を含んでいてもよい。さらに、非晶質フッ素樹脂は、それが全体として非晶質であるかぎり、少量の結晶性含フッ素重合体(単独では結晶質となる含フッ素重合体)を含んでいてもよい。
特定の含フッ素重合体はまた実質的に水素原子を有しない重合体である。非晶質となる特定の含フッ素重合体以外の他の重合体が併用される場合はその他の重合体も実質的に水素原子を有しない重合体である。すなわち、本発明における非晶質フッ素樹脂を構成する重合体は、実質的に水素原子を有しない重合体から構成される。以下特に言及しないかぎり、非晶質フッ素樹脂を構成する重合体とは実質的に水素原子を有しないものを意味する。なお、以下「重合体」とは、特に「単独重合体」、「共重合体」と言及しないかぎり、単独重合体であっても共重合体であってもよい。
SI型光ファイバは、コアとそれよりも相対的に低屈折率のクラッドからなる。コアとクラッドの屈折率差が大きいほど開口数(NA)が大きくなる。非晶質フッ素樹脂は本来低屈折率の樹脂であり、これをコアの材料として使用するとそれに比較してさらに低屈折率でなくてはならないクラッドの材料の選択の巾が小さく屈折率差を大きくすることは困難であった。本発明は、クラッドの材料としてコアと同じ範疇の非晶質フッ素樹脂を使用し、かつ従来に比較してコアとクラッドの屈折率差を大きくするとともに、各材料の光学的物性や機械的物性を高めることを目的とする。
本発明の1つは、コアの材料として屈折率を高める効果のある塩素原子を有する含フッ素重合体から構成される非晶質フッ素樹脂を使用してコアの屈折率を高め、クラッドとの屈折率差を大きくするものである。この塩素原子は重合体の側鎖に結合した塩素原子でなくてはならず、塩素原子が主鎖の炭素原子に結合していると、単量体の重合性が悪くなり重合体として安定な物性の得られる高分子量体が得られない、または結晶性が高くなり散乱損失が増加する等の問題がある。
なお、本発明において、非晶質フッ素樹脂を構成する含フッ素重合体の主鎖は、炭素原子のみの連鎖からなり、その主鎖は重合性二重結合を構成する2個の炭素原子の連鎖から形成される。また、重合性二重結合を2個有する単量体(以下含フッ素ジエン類ともいう)の環化重合で得られる重合体においては2個の重合性二重結合を構成する4個の炭素原子の連鎖から主鎖が形成される。したがって、側鎖に塩素原子を有するとは、これら重合性二重結合を構成する炭素原子に直接結合した塩素原子を有さず、他の炭素原子に結合している塩素原子を有することを意味する。
本発明はまた、コアの材料として高屈折率化剤を含む非晶質フッ素樹脂を使用することによりコアの屈折率を高め、クラッドとの屈折率差を大きくするものである。この高屈折率化剤は配合される非晶質フッ素樹脂を構成する含フッ素重合体よりも高屈折率の化合物であり、それが配合された非晶質フッ素樹脂の屈折率はそれが配合されていない非晶質フッ素樹脂よりも高い屈折率を有する。通常非晶質フッ素樹脂の屈折率は高屈折率化剤の配合量に従って高くなる。高屈折率化剤としては特に実質的に水素原子を有しない含フッ素芳香族化合物が好ましい。
さらに本発明は、クラッドの非晶質フッ素樹脂を構成する含フッ素重合体として従来より屈折率の低い含フッ素重合体を用いてコアとの屈折率差を大きくするものである。クラッドの非晶質フッ素樹脂を構成する含フッ素重合体としてペルフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)(下式(5)、以下PDDという)の重合体が知られているが、この発明ではそれよりもさらに屈折率の低い含フッ素重合体を使用する。
これらコアとクラッドの屈折率差を大きくする手段は2以上を組み合わせることもできる。例えば、塩素原子を有する含フッ素重合体と高屈折率化剤を組み合わせてコアとする、さらにこのコアとより低屈折率の含フッ素重合体からなるクラッドを組み合わせる、高屈折率化剤を含む非晶質フッ素樹脂からなるコアとより低屈折率の含フッ素重合体からなるクラッドを組み合わせる、等である。
さらに本発明ではクラッドを含フッ素可塑剤を含む非晶質フッ素樹脂とすることができる。クラッドの材料である低屈折率の含フッ素重合体は通常剛性が高く脆いことより可塑剤を配合して柔軟性を高めることが好ましい。クラッドを柔軟性の高い材料で構成することにより、SI型光ファイバを曲げたとき等にクラック等の発生を抑制しうる。この可塑剤としては含フッ素重合体との親和性を高めるうえでフッ素化合物であることが必要であり、しかも実質的に水素原子を有しないことが好ましい。この含フッ素可塑剤がフッ素含有量の高い化合物である場合はクラッドの屈折率を低める効果もある。
本発明においてコアとクラッドの屈折率差を大きくすること、すなわち開口数(NA)を大きくすることは、SI型光ファイバを曲げたときに伝送損失の増大を抑制する、センサに使用した場合、広い範囲から集光できるため、センサ感度が向上する、等の効果が得られ好ましい。
本発明SI型光ファイバが充分大きな開口数を達成するためにはコアの非晶質フッ素樹脂とクラッドの非晶質含フッ素樹脂との屈折率差は0.020以上であることが必要である。この屈折率差が大きいほど高い大きい開口数が得られる。この屈折率差としては、好ましくは0.030以上であり、より好ましくは0.040以上であり、さらに好ましくは0.045以上であり、特に好ましくは0.050以上であり、最も好ましくは0.060以上である。屈折率差の上限は特にはないが通常0.2である。
この屈折率差に基づき、本発明SI型光ファイバの開口数としては、0.280以上が好ましい。より好ましくは0.325以上であり、さらに好ましくは0.364以上であり、特に好ましくは0.380以上であり、最も好ましくは0.415以上である。開口数の上限は特にはないが通常0.75である。
上記屈折率差を大きくするためには、従来に比較してより高屈折率のコア材料を使用する方法、従来に比較してより低屈折率のクラッド材料を使用する方法、従来に比較してよ
り高屈折率のコア材料と従来に比較してより低屈折率のクラッド材料とを組み合わせる方法があり、本発明におけるコアの非晶質フッ素樹脂とクラッドの非晶質フッ素樹脂はこれら方法のいずれにも適用できる。
り高屈折率のコア材料と従来に比較してより低屈折率のクラッド材料とを組み合わせる方法があり、本発明におけるコアの非晶質フッ素樹脂とクラッドの非晶質フッ素樹脂はこれら方法のいずれにも適用できる。
本発明におけるコアの非晶質フッ素樹脂とクラッドの非晶質フッ素樹脂は、屈折率が相違する点を除き、同じ範疇の非晶質フッ素樹脂である。両者を区別するために、以下コアの非晶質フッ素樹脂を非晶質フッ素樹脂(A)といい、クラッドの非晶質フッ素樹脂を非晶質フッ素樹脂(B)という。
これら非晶質フッ素樹脂を構成する含フッ素重合体は、実質的に水素原子を有しないものであり、炭素−水素結合を有しない重合体である。非晶質フッ素樹脂が実質的に水素原子を有しない含フッ素重合体から構成されることにより、近赤外領域での伝送損失が低減され、可視光から近赤外光までの光を良好に伝達できるSI型光ファイバが得られる。またフッ素樹脂が非晶質であることは、SI型光ファイバの特に短波長領域における散乱損失を減少させる。
また非晶質フッ素樹脂は含フッ素重合体のみからなっていてもよく、光伝送性能や機械的性能等を実質的に阻害しないかぎり添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、可塑剤、屈折率調整剤、各種安定剤、架橋剤等が挙げられる。これらは、光伝送性能を実質的に阻害しないために、または性能を向上させるために、含フッ素重合体と親和性の高いフッ素化合物であることが好ましい。特にコアの非晶質フッ素樹脂(A)に屈折率調整剤として高屈折率化剤を含ませることはSI型光ファイバのNAを大きくするうえで好ましい。またクラッドの非晶質フッ素樹脂(B)に可塑剤を含ませることは光ファイバに柔軟性を持たせるうえで好ましい。
本発明における非晶質フッ素樹脂を構成する含フッ素重合体としては、含フッ素ジエン類が環化重合した繰り返し単位を有する重合体(以下環化重合体ともいう)および含フッ素ジオキソール類が重合した繰り返し単位を有する重合体(以下ジオキソール系重合体ともいう)が好ましい。環化重合体は含フッ素ジエン類の2種以上の共重合体であってもよく、含フッ素ジエン類と他の共重合性単量体との共重合体であってもよい。他の共重合性単量体としては重合性モノエン類が適当である。ジオキソール系重合体も含フッ素ジオキソール類2種以上の共重合体であってもよく、含フッ素ジオキソール類と他の共重合性単量体との共重合体であってもよい。さらに非晶質フッ素樹脂を構成する含フッ素重合体としては含フッ素ジエン類と含フッ素ジオキソール類の共重合体であってもよい。
上記含フッ素重合体の中でジオキソール系重合体は環化重合体に比較して特に屈折率が低くなる傾向があることより、クラッドの非晶質フッ素樹脂(B)を構成する含フッ素重合体としてはジオキソール系重合体が好ましく、コアの非晶質フッ素樹脂(A)を構成する含フッ素重合体としては環化重合体が好ましい。含フッ素ジエン類と含フッ素ジオキソール類の共重合体の場合、組み合わされる他の非晶質フッ素樹脂との屈折率の相違によりコアにもクラッドにも使用しうるが、通常はクラッドの材料として適当である。
上記重合体は後記の単量体を用いてバルク重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等公知のいずれの方法を使用しても得られる。重合には通常ラジカル発生剤が重合開始剤として用いられる。重合後に重合体末端の不安定性基を除去するために得られた重合体をフッ素化する等の後処理を行うこともできる。
上記含フッ素重合体の溶融状態における粘度は、溶融温度200〜300℃において1×102〜1×105Pa・sが好ましい。溶融粘度が高すぎると溶融紡糸が困難になる。また、溶融粘度が低すぎても実用上好ましくない。すなわち、電子機器や自動車等での
光伝送体として用いられる場合に高温で軟化し、SI型光ファイバとしての伝送性能が劣化する。
光伝送体として用いられる場合に高温で軟化し、SI型光ファイバとしての伝送性能が劣化する。
また上記含フッ素重合体の数平均分子量Mnは1×104〜5×106が好ましく、5×104〜1×106がより好ましい。分子量が小さすぎると耐熱性が悪くなることがあり、大きすぎると溶融粘度が高くなり成形が困難となり好ましくない。
非晶質フッ素樹脂を構成する含フッ素重合体のうち環化重合体としては下記式(1)で表される単量体(以下単量体(a)という)が環化重合した繰り返し単位を有する重合体が好ましい。
非晶質フッ素樹脂を構成する含フッ素重合体のうち環化重合体としては下記式(1)で表される単量体(以下単量体(a)という)が環化重合した繰り返し単位を有する重合体が好ましい。
ただし、mは0〜5の整数、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に炭素数1〜9のペルフルオロアルキル基、塩素原子またはフッ素原子、を表す。mが2以上の場合、複数のR3(R4も同じ)は互いに異なっていてもよい。mとしては特に0〜3の整数が好ましい。
R1、R2、R3およびR4としては、多くとも3個がペルフルオロアルキル基または塩素原子であり他がフッ素原子であることが好ましい。特に、ペルフルオロアルキル基または塩素原子を有する単量体(a)としては、R1とR2の少なくとも一方がペルフルオロアルキル基または塩素原子であり、他は全てフッ素原子である化合物が好ましい。また、ペルフルオロアルキル基としては炭素数1〜2のペルフルオロアルキル基が好ましい。
単量体(a)が環化重合した繰り返し単位は通常下記式(1a)または(1b)の構造を有する。
単量体(a)が環化重合した繰り返し単位は通常下記式(1a)または(1b)の構造を有する。
単量体(a)のうち塩素原子を有しない単量体(以下単量体(a−2)という)としては、例えば以下の単量体が挙げられる。これらの単量体の合成方法は、特開平1−131215号公報、特開平4−346957号公報等に開示されている。
ペルフルオロ(3−オキサ−1,5−ヘキサジエン)(CF2=CF−CF2−O−C
F=CF2)、ペルフルオロ(3−オキサ−1,6−ヘプタジエン)(CF2=CF−CF2−CF2−O−CF=CF2)(以下BVEという)、ペルフルオロ(3−オキサ−4−メチル−1,6−ヘプタジエン)(CF2=CF−CF2−CF(CF3)−O−CF=CF2)(以下BVE−4Mという)、ペルフルオロ(3−オキサ−4,4−ジメチル−1,6−ヘプタジエン)(CF2=CF−CF2−C(CF3)2−O−CF=CF2)、ペルフルオロ(3−オキサ−5−メチル−1,6−ヘプタジエン)(CF2=CF−CF(CF3)−CF2−O−CF=CF2)。
F=CF2)、ペルフルオロ(3−オキサ−1,6−ヘプタジエン)(CF2=CF−CF2−CF2−O−CF=CF2)(以下BVEという)、ペルフルオロ(3−オキサ−4−メチル−1,6−ヘプタジエン)(CF2=CF−CF2−CF(CF3)−O−CF=CF2)(以下BVE−4Mという)、ペルフルオロ(3−オキサ−4,4−ジメチル−1,6−ヘプタジエン)(CF2=CF−CF2−C(CF3)2−O−CF=CF2)、ペルフルオロ(3−オキサ−5−メチル−1,6−ヘプタジエン)(CF2=CF−CF(CF3)−CF2−O−CF=CF2)。
単量体(a)のうち塩素原子を有する単量体(以下単量体(a−1)という)としては、例えば以下の単量体が挙げられる。
4−クロロ−ペルフルオロ(3−オキサ−1,5−ヘキサジエン)(CF2=CF−CClF−O−CF=CF2)、4−クロロ−ペルフルオロ(3−オキサ−1,6−ヘプタジエン)(CF2=CF−CF2−CClF−O−CF=CF2)(以下BVE−4CLという)、4,4−ジクロロ−ペルフルオロ(3−オキサ−1,6−ヘプタジエン)(CF2=CF−CF2−CCl2−O−CF=CF2)(以下BVE−4DCLという)、5−クロロ−ペルフルオロ(3−オキサ−1,6−ヘプタジエン)(CF2=CF−CClF−CF2−O−CF=CF2)。
4−クロロ−ペルフルオロ(3−オキサ−1,5−ヘキサジエン)(CF2=CF−CClF−O−CF=CF2)、4−クロロ−ペルフルオロ(3−オキサ−1,6−ヘプタジエン)(CF2=CF−CF2−CClF−O−CF=CF2)(以下BVE−4CLという)、4,4−ジクロロ−ペルフルオロ(3−オキサ−1,6−ヘプタジエン)(CF2=CF−CF2−CCl2−O−CF=CF2)(以下BVE−4DCLという)、5−クロロ−ペルフルオロ(3−オキサ−1,6−ヘプタジエン)(CF2=CF−CClF−CF2−O−CF=CF2)。
環化重合体は単量体(a)の2種以上の共重合体であってもよく、単量体(a)と他の共重合性単量体との共重合体であってもよい。すなわち、環化重合体は、単量体(a)が環化重合した繰り返し単位以外に他の共重合性単量体が重合した繰り返し単位を含んでいてもよい。他の共重合性単量体としてはモノエン類が好ましく、このモノエン類は実質的に水素原子を有せず、塩素原子を有する場合は重合性二重結合を構成する炭素原子に直接結合する塩素原子を有しない化合物である。
具体的には例えば、後述式(2)で表される単量体である単量体(c)、後述式(4)で表される単量体である単量体(b)、テトラフルオロエチレン(以下TFEという)等のペルフルオロオレフィン類、ペルフルオロ(3−オキサ−1−ヘキセン)(CF3−CF2−CF2−O−CF=CF2)等のペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)類、ペルフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン)(下式(6)、以下MMDという)等のペルフルオロ(メチレンジオキソラン)類等がある。
単量体(b)との共重合体を除き、環化重合体中の全繰り返し単位に対する単量体(a)が環化重合した繰り返し単位の割合は20〜100モル%が適当であり、40〜100モル%が好ましく、特に50〜100モル%が好ましい。この割合が少なすぎると光学物性や機械的物性の良好な重合体が得られ難い。単量体(b)との共重合体の場合は単量体(a)が環化重合した繰り返し単位の割合は特に限定されない。
下記式(2)で表される単量体(以下単量体(c)という)は側鎖に塩素原子を有する環化重合体を製造するために好ましい単量体である。この単量体は重合性二重結合から遠い位置に塩素原子を2個有することより、この単量体(c)と単量体(a)とを共重合して得られる環化重合体は屈折率が高くかつ物性の良好な環化重合体となる。
ただし、nは0〜5の整数、R5、R6、R7およびR8はそれぞれ独立に炭素数1〜9のペルフルオロアルキル基、塩素原子またはフッ素原子、を表す。nが2以上の場合複数のR7(R8も同じ)は互いに異なっていてもよい。nは0〜3の整数が好ましく、R5、R6、R7およびR8はすべてフッ素原子であることが好ましい。また、ペルフルオロアルキル基を有する場合はR5とR6のいずれか一方または両方のみがペルフルオロアルキル基で他はすべてフッ素原子であることが好ましい。また、ペルフルオロアルキル基としては炭素数1〜2のペルフルオロアルキル基が好ましい。
単量体(c)の具体例としては、例えば、6,7−ジクロロ−ペルフルオロ(3−オキサ−1−ヘプテン)(CClF2−CClF−CF2−CF2−O−CF=CF2)(以下2CLBVEという)等が挙げられる。単量体(c)の合成方法は特開平1−131215号公報等に開示されている。
ジオキソール系重合体は含フッ素ジオキソール類の1種以上の重合体または含フッ素ジオキソール類と他の共重合性単量体との共重合体である。含フッ素ジオキソール類としては下記式(3)で表される単量体(以下単量体(b)という)が好ましい。
ジオキソール系重合体は含フッ素ジオキソール類の1種以上の重合体または含フッ素ジオキソール類と他の共重合性単量体との共重合体である。含フッ素ジオキソール類としては下記式(3)で表される単量体(以下単量体(b)という)が好ましい。
ただし、R11およびR12はそれぞれ独立に炭素数1〜9のペルフルオロアルキル基またはフッ素原子を表す。R11およびR12のうち少なくとも一方はペルフルオロアルキル基であることが好ましい。また、ペルフルオロアルキル基の炭素数は1〜6がより好ましい。
ジオキソール系重合体は単量体(b)の1種以上の重合体であってもよいが、通常は他の共重合性単量体との共重合体が好ましい。すなわち、ジオキソール系重合体は、単量体(b)が重合した繰り返し単位以外に他の共重合性単量体が重合した繰り返し単位を含んでいることが好ましい。他の共重合性単量体としてはモノエン類や環化重合しうるジエン類が好ましく、これらは実質的に水素原子を有しない単量体であり、また塩素原子を有しないことが好ましい。具体的には例えば、前記単量体(a)、TFE等のペルフルオロオレフィン類、ペルフルオロ(3−オキサ−1−ヘキセン)(CF3−CF2−CF2−O
−CF=CF2)等のペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)類、MMD等のペルフルオロ(メチレンジオキソラン)類等がある。他の単量体としては特にTFEが好ましい。
−CF=CF2)等のペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)類、MMD等のペルフルオロ(メチレンジオキソラン)類等がある。他の単量体としては特にTFEが好ましい。
単量体(a)との共重合体を除き、ジオキソール系重合体中の全繰り返し単位に対する単量体(b)が重合した繰り返し単位の割合は20〜95モル%が適当であり、30〜90モル%が好ましく、特に35〜85モル%が好ましい。この割合が少なすぎても多すぎても光学物性や機械的物性の良好な重合体が得られ難い。
単量体(a)と単量体(b)の共重合体の場合は、得られる含フッ素重合体を非晶質フッ素樹脂(A)の構成成分とするか非晶質フッ素樹脂(B)の構成成分とするかによって(すなわち、高屈折率の含フッ素重合体と低屈折率含フッ素重合体のいずれに用いるかによって)、その共重合割合が選択される。高屈折率含フッ素重合体の場合は単量体(a)が環化重合した繰り返し単位の割合の高い重合体とし、低屈折率の含フッ素重合体の場合は単量体(b)が重合した繰り返し単位の割合が高い重合体とする。前者の場合、単量体(b)が重合した繰り返し単位の割合は0モル%超〜40モル%が好ましく、特に1〜30モル%が好ましい。後者の場合、単量体(b)が重合した繰り返し単位の割合は30モル%〜100モル%未満が好ましく、特に40〜95モル%が好ましい。
ジオキソール系重合体のうち、下記式(4)で表される単量体(以下単量体(b−1)という)が重合した繰り返し単位を有する含フッ素重合体はより低い屈折率を有する。すなわち、PDDが重合した繰り返し単位を有する重合体とPDDが重合した繰り返し単位の代わりに単量体(b−1)が重合した繰り返し単位を有する以外は同じ重合体とを比較すると、後者はより低い屈折率を有する。
ただし、R13は炭素数2〜9のペルフルオロアルキル基、R14は炭素数9以下のペルフルオロアルキル基またはフッ素原子を表す。R13は炭素数2〜6のペルフルオロアルキル基が好ましく、R14は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基またはフッ素原子が好ましい。
単量体(b−1)の具体例としては、以下のもの等が挙げられる。
ペルフルオロ(2−エチル−1,3−ジオキソール)(下記式(7)でkが1のもの)、
ペルフルオロ(2−プロピル−1,3−ジオキソール)(下記式(7)でkが2のもの)、
ペルフルオロ(2−ペンチル−1,3−ジオキソール)(下記式(7)でkが4のもの)、
ペルフルオロ(2−エチル−2−メチル−1,3−ジオキソール)(下記式(8)でjが1のもの)、
ペルフルオロ(2−メチル−2−プロピル−1,3−ジオキソール)(下記式(8)でjが2のもの)、
ペルフルオロ(2−メチル−2−ペンチル−1,3−ジオキソール)(下記式(8)でjが4のもの)。
ペルフルオロ(2−エチル−1,3−ジオキソール)(下記式(7)でkが1のもの)、
ペルフルオロ(2−プロピル−1,3−ジオキソール)(下記式(7)でkが2のもの)、
ペルフルオロ(2−ペンチル−1,3−ジオキソール)(下記式(7)でkが4のもの)、
ペルフルオロ(2−エチル−2−メチル−1,3−ジオキソール)(下記式(8)でjが1のもの)、
ペルフルオロ(2−メチル−2−プロピル−1,3−ジオキソール)(下記式(8)でjが2のもの)、
ペルフルオロ(2−メチル−2−ペンチル−1,3−ジオキソール)(下記式(8)でjが4のもの)。
単量体(b−1)以外の単量体(b)の例としては、PDD、ペルフルオロ(2−メチル−1,3−ジオキソール)等が挙げられる。
単量体(b)のうち、PDDは米国特許第3865845号明細書に合成法が開示されている。また、その共重合体は米国特許第3978030号明細書に合成法が開示されている。他の単量体(b)は特開平2−117672号公報、特開平5−194655号公報等に合成法が開示されている。
単量体(b)のうち、PDDは米国特許第3865845号明細書に合成法が開示されている。また、その共重合体は米国特許第3978030号明細書に合成法が開示されている。他の単量体(b)は特開平2−117672号公報、特開平5−194655号公報等に合成法が開示されている。
コアの非晶質フッ素樹脂(A)は高屈折率化剤を含むことが好ましい。高屈折率化剤は非晶質フッ素樹脂(A)を構成する含フッ素重合体より高屈折率であり、かつその含フッ素重合体に対して高い親和性を有する必要がある。高い親和性を有するとは含フッ素重合体に充分に溶解して不溶解物がなくかつミクロな相分離構造が生じるおそれのないことをいう。そのような不溶解物やミクロ相分離構造が存在するとその部分が光散乱の要因となる。したがって、高屈折率化剤としてはコアの含フッ素重合体にその飽和溶解度量以下配合され、しかもその量でコアの非晶質フッ素樹脂(A)を充分高屈折率化しうる化合物が使用される。
高い親和性を有するために高屈折率化剤は比較的低分子量のフッ素化合物が好ましい。また、高屈折率であるために、塩素原子、芳香核、金属成分等を有することが好ましい。特に塩素原子および/または芳香核を有する化合物が好ましい。さらに、高屈折率化剤は含フッ素重合体と同様に実質的に水素原子を有しない化合物が好ましい。これにより高屈折率化剤を含む非晶質フッ素樹脂の近赤外領域での伝送損失低減が維持される。これらの理由により、高屈折率化剤としては、実質的に水素原子を有しない、かつ、塩素原子および/または芳香核を有する比較的低分子量のフッ素化合物であることが好ましい。
高屈折率化剤の分子量は2000以下が好ましく、オリゴマー等の重合体ではその平均分子量が2000以下が好ましい。例えば、塩素原子を有するフッ素化合物、含フッ素芳香族化合物、含フッ素縮合多環式化合物、金属キレート化合物等が挙げられる。好ましい高屈折率化剤は、実質的に水素原子を有せず、塩素原子を有するフッ素化合物、および、実質的に水素原子を有しない含フッ素芳香族化合物である。さらに好ましくは実質的に水素原子を有しない含フッ素芳香族化合物であり、そのうちでも1分子中のベンゼン核の数が3〜5のペルフルオロ芳香族化合物が特に好ましい。またこれら高屈折率化剤は単独でもまたは2種以上を混合しても使用できる。
含フッ素縮合多環式化合物としては、ペルフルオロアントラセン、ペルフルオロフルオレン、ペルフルオロフェナレン、ペルフルオロフェナントレン等が挙げられる。
金属キレート化合物としては、ペルフルオロ(テトラフェニルスズ)等が挙げられる。
金属キレート化合物としては、ペルフルオロ(テトラフェニルスズ)等が挙げられる。
塩素原子を有するフッ素化合物の例としては、クロロペンタフルオロベンゼン、クロロ−ペルフルオロナフタレン、平均分子量2000以下のクロロトリフルオロエチレンオリゴマーが挙げられる。クロロトリフルオロエチレンオリゴマーは市販されている平均分子量が2000以下のものを使用しうるし、蒸留によって平均分子量2000以下の留分を集めることでも得られる。
含フッ素芳香族化合物としては、ペルフルオロ(トリフェニルホスフィン)、ペルフルオロベンゾフェノン、ペルフルオロビフェニル、ペルフルオロテルフェニル、ペルフルオロ(ジフェニルスルフィド)、ペルフルオロ(2,4,6−トリフェニル−1,3,5−トリアジン)、ペルフルオロ(1,3,5−トリフェニルベンゼン)(以下TPBという)等が挙げられる。なかでもペルフルオロ(2,4,6−トリフェニル−1,3,5−トリアジン)またはTPBが好ましく、含フッ素重合体との親和性が高いことよりTPBが特に好ましい。
高屈折率化剤を含む非晶質フッ素樹脂(A)において、非晶質含フッ素樹脂(A)中の高屈折率化剤の割合は、非晶質含フッ素樹脂(A)が所望の屈折率に達する量以上でかつ高屈折率化剤の含フッ素重合体に対する溶解度量以下であるかぎり、特に限定されない。通常は非晶質含フッ素樹脂(A)中に30質量%以下含みうる。好ましい含有量は1〜20質量%であり、特に5〜20質量%の高屈折率化剤を含むことが好ましい。
クラッドの非晶質フッ素樹脂(B)は実質的に水素原子を有しない含フッ素可塑剤を含むことが好ましい。含フッ素可塑剤はクラッドの非晶質フッ素樹脂を柔軟化してSI型光ファイバの加工性を改良し、また太径のファイバにおいてはさらにクラックが発生し難くなる等の特徴を付与する。加えて、フッ素含有量の高い含フッ素可塑剤の配合は、クラッドの非晶質フッ素樹脂の屈折率をさらに低下させる効果もある。
含フッ素可塑剤としてはペルフルオロポリエーテル類等が好ましい。ペルフルオロポリエーテル類としては、例えばペルフルオロ(ポリオキシアルキレンアルキルエーテル)がある。ペルフルオロポリエーテル類の具体例としては、クライトックス(商品名、デュポン社製)、デムナム(商品名、ダイキン工業社製)、フォンブリン(商品名、アウジモント社製)等が挙げられる。成形時や使用時に揮発し難い等の観点から、その平均分子量は1000以上のものが好ましい。また分子量の上限は特に制限されないが、クラッドの含フッ素重合体との相溶性の観点から、20000以下が好ましい。
含フッ素可塑剤を含む非晶質フッ素樹脂(B)において、非晶質含フッ素樹脂(B)中の含フッ素可塑剤の割合は、非晶質含フッ素樹脂(B)が所望の可塑化効果を達成する量でかつ含フッ素可塑剤の含フッ素重合体に対する溶解度量以下であるかぎり、特に限定されない。通常は非晶質含フッ素樹脂(B)中に50質量%以下含みうる。好ましい含有量は1〜40質量%、特に5〜40質量%の含フッ素可塑剤を含むことが好ましい。
非晶質フッ素樹脂(A)は前記のように環化重合体から構成されることが好ましい。この非晶質フッ素樹脂(A)を構成する環化重合体自身の屈折率は1.330以上、特に1.335以上であることが好ましい。環化重合体自身の屈折率の上限は特にはないが、通常は1.45である。
環化重合体自身の屈折率が充分高い場合には高屈折率化剤を含ませることなく環化重合体のみで非晶質フッ素樹脂(A)を構成しうる。環化重合体自身の屈折率が充分高くない場合や非晶質フッ素樹脂(B)の屈折率が比較的高く環化重合体との間の屈折率差が大きくない場合は高屈折率化剤を含む非晶質フッ素樹脂(A)を用いることが好ましい。高屈折率化剤を含んでもよい非晶質フッ素樹脂(A)の屈折率は1.340以上が好ましく、1.345以上がより好ましく、1.350以上がさらに好ましく、1.355以上が最も好ましい。非晶質フッ素樹脂(A)の屈折率の上限は特にはないが、通常は1.5である。
本発明において、実質的に水素原子を有しないかつ側鎖に塩素原子を有する含フッ素重合体から構成される非晶質フッ素樹脂(A−1)は、前記非晶質フッ素樹脂(A)のうち側鎖に塩素原子を有する含フッ素重合体から構成される。非晶質フッ素樹脂(A)は環化重合体が好ましいことより、非晶質フッ素樹脂(A−1)もまた環化重合体が好ましい。この側鎖に塩素原子を有する含フッ素重合体自身の屈折率は1.345以上、特に1.350以上であることが好ましい。また、非晶質フッ素樹脂(A−1)の屈折率は同様に1.345以上、特に1.350以上であることが好ましい。
非晶質フッ素樹脂(A−1)を構成する、側鎖に塩素原子を有する含フッ素重合体としては、単量体(a−1)の環化重合した繰り返し単位を含む重合体(下記単量体(a−2)が環化重合した繰り返し単位を有していてもよい)、および、重合性二重結合を構成する炭素原子に直接結合する塩素原子を有せずかつ他の炭素原子に塩素原子を有する共重合性単量体(特にそのような塩素原子を含有するモノエン類)が重合した繰り返し単位と単量体(a)が環化重合した繰り返し単位とを含む重合体、が好ましい。塩素原子含有の共重合性単量体としては、特に単量体(c)が好ましい。なお、単量体(a)のうち塩素原子を有しない単量体を以下単量体(a−2)という。
特に好ましい側鎖に塩素原子を有する含フッ素重合体は、単量体(a−1)が環化重合した繰り返し単位を有する重合体(ただし、単量体(a−2)が環化重合した繰り返し単位を有しない重合体)、単量体(a−1)が環化重合した繰り返し単位と単量体(a−2)が環化重合した繰り返し単位とを有する重合体、および、単量体(a)が環化重合した繰り返し単位と単量体(c)が重合した繰り返し単位とを有する重合体、である。
非晶質フッ素樹脂(A−1)は、塩素原子を有する含フッ素重合体から構成されることより、高屈折率化剤を含まなくても充分高い屈折率を有する。しかし場合によっては、高屈折率化剤を含んでいてもよい。非晶質フッ素樹脂(A)は、非晶質フッ素樹脂(A−1)をその範疇として含むが、特に塩素原子を有しない含フッ素重合体から構成される場合には高屈折率化剤を含むことが好ましい。非晶質フッ素樹脂(A)が塩素原子を有しない含フッ素重合体から構成される場合であっても、クラッドとして組み合わされる非晶質フッ素樹脂(B)との間の屈折率差が大きい場合には高屈折率化剤を含む必要はない。
非晶質フッ素樹脂(B)は前記のようにジオキソール系重合体から構成されることが好ましい。非晶質フッ素樹脂(B)を構成するジオキソール系重合体と非晶質フッ素樹脂(A)との間の屈折率差が大きいかぎりジオキソール系重合体の屈折率は特に限定されないが、非晶質フッ素樹脂(B)を構成するジオキソール系重合体自身の屈折率は1.330未満、特に1.310未満であることが好ましい。非晶質フッ素樹脂(A)との間でより高い屈折率差を達成するためにはジオキソール系重合体自身の屈折率は1.300未満、特に1.296未満であることがさらに好ましい。ジオキソール系重合体自身の屈折率の下限は特にはないが通常は1.290である。ジオキソール系重合体に限定されないが、屈折率1.300未満の含フッ素重合体から構成される非晶質フッ素樹脂を以下非晶質フッ素樹脂(B−2)という。
前記のように単量体(b−1)が重合した繰り返し単位を有する含フッ素重合体は単量体(b−1)以外の単量体(b)が重合した繰り返し単位を有する含フッ素重合体よりも低屈折率である。この単量体(b−1)が重合した繰り返し単位を有する含フッ素重合体から構成される非晶質フッ素樹脂(B)を以下非晶質フッ素樹脂(B−3)という。また、単量体(b−1)が重合した繰り返し単位を有する含フッ素重合体のうちでさらに好ましい重合体は屈折率が1.300未満、特に1.296未満の含フッ素重合体である。
したがって、非晶質フッ素樹脂(B−2)および非晶質フッ素樹脂(B−3)を構成する含フッ素重合体としては、単量体(b−1)が重合した繰り返し単位を有しかつ屈折率が1.300未満の含フッ素重合体が好ましい。特に好ましいこの含フッ素重合体は、単量体(b−1)とTFEとの共重合モル比が99〜20/1〜80の範囲の共重合体である。
含フッ素可塑剤を含んでいてもよい非晶質フッ素樹脂(B)の屈折率は1.330未満が好ましく、特に1.310未満が好ましい。特に好ましい非晶質フッ素樹脂(B)の屈折率は1.300未満であり、最も好ましくは1.296未満である。非晶質フッ素樹脂(B)の屈折率の下限は特にはないが通常は1.285である。
本発明のSI型光ファイバは公知のSI型光ファイバを製造する方法で製造できる。例えば前記特許第2821935号公報記載の方法で製造できる。また、特開平8−5848号公報や特開平11−167030号公報等に記載されている屈折率分布型プラスチック光ファイバの製造法を応用して本発明のSI型光ファイバを製造することもできる。例えばSI型光ファイバ製造用プリフォーム(以下単にプリフォームという)を製造し、プリフォームから紡糸してSI型光ファイバとする方法、または押出機で多色紡糸する方法に準じてSI型光ファイバを製造する方法等が挙げられる。
本発明のSI型光ファイバはフッ素原子の撥水撥油効果により水の吸収による伝送損失の増加がなく、耐溶剤性も高い。また可視領域から近赤外領域までの広い波長範囲にわたって伝送損失が少ない光ファイバとなる。
また本発明のSI型光ファイバはコアとクラッドの屈折率差を充分大きくできることよりその開口数(NA)を0.415以上にもすることができる。大きな開口数を備えたSI型光ファイバは、広い角度から光を入射できる、すなわちセンサとして広い角度からの信号が検出できる、光源−ファイバ間の結合効率が高くできる、すなわち高効率で光源のエネルギーを入力・伝送できる、伝送時の曲げ損失が小さく抑えられる、等の特徴がある。
本発明のSI型光ファイバは、さらに被覆をして光ファイバコードや光ファイバケーブル、または束ねてバンドル光ファイバケーブル等の形で使用できる。
本発明のSI型光ファイバは、波長600〜1600nmで、100mの伝送損失が5db以下(すなわち50dB/km以下)とすることができる。波長600〜1600nmという広い波長領域において、このような低レベルの伝送損失であることはきわめて有利である。すなわち、石英光ファイバと同じ波長を使えることにより、石英光ファイバとの接続が容易であり、また波長600〜1600nmよりも短波長を使わざるをえない従来のプラスチック光ファイバに比べ、安価な光源ですむ利点がある。
本発明のSI型光ファイバは、波長600〜1600nmで、100mの伝送損失が5db以下(すなわち50dB/km以下)とすることができる。波長600〜1600nmという広い波長領域において、このような低レベルの伝送損失であることはきわめて有利である。すなわち、石英光ファイバと同じ波長を使えることにより、石英光ファイバとの接続が容易であり、また波長600〜1600nmよりも短波長を使わざるをえない従来のプラスチック光ファイバに比べ、安価な光源ですむ利点がある。
一方、プラスチック光ファイバはファイバ径が太く光源・受光素子との接続またはファイバ同士の接続が容易なことから安価な短距離通信システムの構築への期待が高まっている。本発明のSI型光ファイバは耐熱性が飛躍的に向上しているので、熱的な安定性が高
く、室温以上の高温に長期間さらされた場合においても、伝送損失の低下を防止できる。
く、室温以上の高温に長期間さらされた場合においても、伝送損失の低下を防止できる。
(実施例)
次に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。部は質量部を表す。例1〜3は含フッ素ジオキソール類を合成した単量体合成例である。例4〜27は非晶質フッ素樹脂を構成する含フッ素重合体を製造するための重合体製造例である。例28〜41はSI型光ファイバを製造するための非晶質フッ素樹脂製造例である。例42〜58はSI型光ファイバの作成例である。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。部は質量部を表す。例1〜3は含フッ素ジオキソール類を合成した単量体合成例である。例4〜27は非晶質フッ素樹脂を構成する含フッ素重合体を製造するための重合体製造例である。例28〜41はSI型光ファイバを製造するための非晶質フッ素樹脂製造例である。例42〜58はSI型光ファイバの作成例である。
[単量体合成例]
(例1)ペルフルオロ(2−メチル−2−プロピル−1,3−ジオキソール)(以下PMPRODという)の合成。
2Lガラス製4口フラスコに、60%発煙硫酸1.5kgを入れ、滴下ロートを用いてCF3(CF2)5Iを446g滴下した。65℃に保って24時間撹拌を続けた。反応終了後、冷却すると2相に分離したので、上層だけを集めて蒸留を行い、無色透明なCF3(CF2)4COFを190g(収率60%)得た。
(例1)ペルフルオロ(2−メチル−2−プロピル−1,3−ジオキソール)(以下PMPRODという)の合成。
2Lガラス製4口フラスコに、60%発煙硫酸1.5kgを入れ、滴下ロートを用いてCF3(CF2)5Iを446g滴下した。65℃に保って24時間撹拌を続けた。反応終了後、冷却すると2相に分離したので、上層だけを集めて蒸留を行い、無色透明なCF3(CF2)4COFを190g(収率60%)得た。
次に、2Lポリプロピレン製ビーカーに1Lのエタノールと数滴のフェノールフタレインを入れ、マグネチックスターラで撹拌しながらCF3(CF2)4COFを190g滴下した。その溶液に、10%水酸化ナトリウムのエタノール溶液を液が中性になるまで滴下した。得られた反応溶液からエバポレータを用いてエタノールを除去し、得られた固体を真空乾燥機に移し、100℃で18時間真空乾燥を行った。次に、真空乾燥後の固体を5Lガラス製フラスコに移し、そのフラスコをドライアイストラップを通して真空ポンプを用いた減圧下で、油浴中で250〜270℃を保ちながら24時間加熱を続けた。ドライアイストラップに捕集された液体を蒸留することにより、CF3CF2CF2CF=CF2を113g(収率75%)得た。
次に、2Lガラス製4口フラスコに15%次亜塩素酸ナトリウム水溶液1000gとトリオクチルメチルアンモニウムクロリド8gを入れ、よく撹拌しながら内温が10〜15℃になるまで冷却した。そこへCF3CF2CF2CF=CF2を113g、内温を20〜30℃に保つように滴下した。その後、ガスクロマトグラフで反応を追跡しながら、原料であるCF3CF2CF2CF=CF2がほぼ消費されるまで反応させた。2相分離により下層の生成物を抜き出し、残存次亜塩素酸ナトリウムを除くためイオン交換水で3回洗浄を行った。さらに粗生成物を蒸留することにより純粋な含フッ素エポキシド(ペルフルオロ(1,2−エポキシペンタン))を83g(収率70%)得た。
次に、200mLガラス製4口フラスコに塩化アルミニウム3gを入れ、トリクロロフルオロメタン10gを加えて活性化を行った。そこへ上記で合成した含フッ素エポキシド83gをよく撹拌しながら内温を20〜30℃に保つように滴下した。その後、ガスクロマトグラフで反応を追跡しながら反応温度20〜40℃で原料がほぼ消費されるまで反応させた。続いてろ過により粗生成物を単離し、蒸留することにより純粋なCF3CF2CF2COCF3を76g(収率92%)得た。
次に、300mLガラス製4口フラスコ中に2−クロロエタノールを25g入れ、撹拌しながら76gのCF3CF2CF2COCF3を室温にて滴下した。得られた反応粗液を、別の1Lガラス製フラスコ中に入れた500gの20%水酸化ナトリウム水溶液中に激しく撹拌させながら滴下した。この反応液を3回水洗し、蒸留することにより、目的のジオキソラン化合物(4,4,5,5−テトラヒドロ−ペルフルオロ(2−メチル−2−プロピル−1,3−ジオキソラン))を77g(収率87%)得た。
次に、撹拌機、ドライアイス還流コンデンサ、塩素ガス吹き込み管、熱電対温度計を備えた500mLガラス製4口フラスコに上記ジオキソラン化合物77gを入れ、5℃にて塩素ガス導入を始めた。反応初期は反応が激しいため塩素の導入はゆっくりと行った。徐々に昇温させ最後は78℃で反応を続け、塩素の消費が行われなくなった時点で反応終了とした。得られたテトラクロロジオキソラン化合物(4,4,5,5−テトラクロロ−ペルフルオロ(2−メチル−2−プロピル−1,3−ジオキソラン))100g(収率89%)を、精製せずにそのまま次の反応に用いた。
次に、撹拌機、還流コンデンサ、熱電対温度計を備えた500mLガラス製3口フラスコに、三フッ化アンチモン50g、五塩化アンチモン5g、溶媒としてペルフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)(以下PBTHFという)を50mL入れ、室温にて上記テトラクロロジオキソラン化合物100gを加え、24時間還流を続けた。この条件下では目的とするビシナル位の2個の塩素がフッ素置換された化合物のみが選択的に得られた。室温まで冷却させた後、上澄み液のみをデカンテーションで集め、減圧蒸留を行うことで、目的とするジクロロジオキソラン化合物(4,5−ジクロロ−ペルフルオロ(2−メチル−2−プロピル−1,3−ジオキソラン))を78g(収率85%)得た。
次に、撹拌機、還流コンデンサ、滴下ロート、熱電対温度計を備えた1Lガラス製4口フラスコに、マグネシウム粉末15g、ヨウ素1g、塩化第二水銀0.5g、テトラヒドロフラン350mLを入れ、マントルヒーターを用いて加熱した。還流が始まったら加熱を止め、上記ジクロロジオキソラン化合物を78gゆっくり滴下した。激しく発熱するため必要に応じて反応装置を冷却した。滴下終了後、反応容器を減圧にして液体窒素トラップにてテトラヒドロフランおよび生成物を捕集した。捕集物を冷水に注ぎ込み、下層のフルオロカーボン相を分液し、減圧蒸留によって純度99.5%の目的とするPMPROD(前記式(8)でjが2のもの)を25g(収率40%)得た。これを以下の重合に用いた。
(例2)ペルフルオロ(2−メチル−2−ペンチル−1,3−ジオキソール)(以下PMPENDという)の合成。
2Lガラス製4口フラスコに、60%発煙硫酸1.5kgを入れ、滴下ロートを用いてCF3(CF2)7Iを546g滴下した。65℃に保って20時間撹拌を続けた。反応終了後、冷却すると2相に分離したので、上層だけを集めて蒸留を行い、無色透明なCF3(CF2)6COFを270g(収率65%)得た。
2Lガラス製4口フラスコに、60%発煙硫酸1.5kgを入れ、滴下ロートを用いてCF3(CF2)7Iを546g滴下した。65℃に保って20時間撹拌を続けた。反応終了後、冷却すると2相に分離したので、上層だけを集めて蒸留を行い、無色透明なCF3(CF2)6COFを270g(収率65%)得た。
次に、2Lポリプロピレン製ビーカーに1Lのエタノールとフェノールフタレインを数滴入れ、マグネチックスターラで撹拌しながらCF3(CF2)6COFを270g滴下した。その溶液に、10%水酸化ナトリウムのエタノール溶液を液が中性になるまで滴下した。得られた反応溶液からエバポレータを用いてエタノールを除去し、得られた固体を真空乾燥機に移し、100℃で15時間真空乾燥を行った。次に、真空乾燥後の固体を5Lガラス製フラスコに移し、そのフラスコをドライアイストラップを通して真空ポンプを用いた減圧下で、油浴中で260〜280℃を保ちながら24時間加熱を続けた。ドライアイストラップに捕集された液体を蒸留することにより、CF3(CF2)4CF=CF2を180g(収率79%)得た。
次に、2Lガラス製4口フラスコに15%次亜塩素酸ナトリウム水溶液1000gとトリオクチルメチルアンモニウムクロリド10gを入れ、よく撹拌しながら内温が10〜15℃になるまで冷却した。そこへCF3(CF2)4CF=CF2を180g、内温を20〜30℃に保つように滴下した。その後、ガスクロマトグラフで反応を追跡しながら原料であるCF3(CF2)4CF=CF2がほぼ消費されるまで反応させた。2相分離により下層の生成物を抜き出し、残存次亜塩素酸ナトリウムを除くためイオン交換水で3回洗浄を行
った。さらに粗生成物を蒸留することにより純粋な含フッ素エポキシド(ペルフルオロ(1,2−エポキシヘプタン))を122g(収率65%)得た。
った。さらに粗生成物を蒸留することにより純粋な含フッ素エポキシド(ペルフルオロ(1,2−エポキシヘプタン))を122g(収率65%)得た。
次に、200mLガラス製4口フラスコに塩化アルミニウム3gを入れ、トリクロロフルオロメタン10gを加えて活性化を行った。そこへ上記で合成した含フッ素エポキシド120gをよく撹拌しながら内温を20〜30℃に保つように滴下した。その後、ガスクロマトグラフで反応を追跡しながら反応温度20〜40℃で原料がほぼ消費されるまで反応させた。続いてろ過により粗生成物を単離し、蒸留することにより純粋なCF3(CF2)4COCF3を108g(収率90%)得た。
次に、300mLガラス製4口フラスコ中に23gの2−クロロエタノールを入れ、撹拌しながら108gのCF3(CF2)4COCF3を室温にて滴下した。得られた反応粗液を、別の1Lガラス製フラスコ中に入れた500gの20%水酸化ナトリウム水溶液中に激しく撹拌させながら滴下した。この反応液を分液ロートを用いて3回水洗し、蒸留することにより、目的のジオキソラン化合物(4,4,5,5−テトラヒドロ−ペルフルオロ(2−メチル−2−ペンチル−1,3−ジオキソラン))を103g(収率85%)得た。
次に、撹拌機、ドライアイス還流コンデンサ、塩素ガス吹き込み管、熱電対温度計を備えた500mLガラス製4口フラスコに上記ジオキソラン化合物103gを入れ、5℃にて塩素ガス導入を始めた。反応初期は反応が激しいため塩素の導入はゆっくりと行った。徐々に昇温させ最後は80℃で反応を続け、塩素の消費が行われなくなった時点で反応終了とした。得られたテトラクロロジオキソラン化合物(4,4,5,5−テトラクロロ−ペルフルオロ(2−メチル−2−ペンチル−1,3−ジオキソラン))121g(収率88%)を、精製せずにそのまま次の反応に用いた。
次に、撹拌機、還流コンデンサ、熱電対温度計を備えた500mLガラス製3口フラスコに、三フッ化アンチモン50g、五塩化アンチモン5g、溶媒としてPBTHF50mLを入れ、室温にて上記テトラクロロジオキソラン化合物121gを加え、32時間還流を続けた。この条件下では目的とするビシナル位の2個の塩素がフッ素置換された化合物のみが選択的に得られた。室温まで冷却させた後、上澄み液のみをデカンテーションで集め、減圧蒸留を行うことで、目的とするジクロロジオキソラン化合物(4,5−ジクロロ−ペルフルオロ(2−メチル−2−ペンチル−1,3−ジオキソラン))99g(収率87%)を得た。
次に、撹拌機、還流コンデンサ、滴下ロート、熱電対温度計を備えた1Lガラス製4口フラスコに、マグネシウム粉末13g、ヨウ素2g、塩化第二水銀0.5g、テトラヒドロフラン350mLを入れ、マントルヒーターを用いて加熱した。還流が始まったら加熱を止め、上記ジクロロジオキソラン化合物99gをゆっくり滴下した。激しく発熱するため必要に応じて反応装置を冷却した。滴下終了後、反応容器を減圧にして液体窒素トラップにてテトラヒドロフランおよび生成物を捕集した。捕集物を冷水に注ぎ込み、下層のフルオロカーボン相を分液し、減圧蒸留によって純度99.2%の目的とするPMPEND(前記式(8)でjが4のもの)の34g(収率41%)を得た。これを以下の重合に用いた。
(例3)ペルフルオロ(2−ペンチル−1,3−ジオキソール)(以下PPDという)の合成。
2Lガラス製4口フラスコに、60%発煙硫酸1.5kgを入れ、滴下ロートを用いてCF3(CF2)5Iの446gを滴下していった。65℃に保って18時間撹拌を続けた。反応終了後、冷却すると2相に分離したので、上層だけを集めて蒸留を行い、無色透明
なCF3(CF2)4COFを200g(収率63%)得た。
2Lガラス製4口フラスコに、60%発煙硫酸1.5kgを入れ、滴下ロートを用いてCF3(CF2)5Iの446gを滴下していった。65℃に保って18時間撹拌を続けた。反応終了後、冷却すると2相に分離したので、上層だけを集めて蒸留を行い、無色透明
なCF3(CF2)4COFを200g(収率63%)得た。
次に、1Lポリプロピレン製ビーカーに51gの2−クロロエタノールを入れ、CF3(CF2)4COFの200gを滴下して、さらにピリジン50gを加えた後、水洗し、蒸留することにより、CF3(CF2)4COOCH2CH2Clを190g(収率80%)得た。
次に1Lガラス製4口フラスコにジメチルスルホキシド500mLと水素化ナトリウム(60%鉱油中分散)7.3gを入れたところに、撹拌しながら、上記で合成した190gのCF3(CF2)4COOCH2CH2Clを20℃以下を保つように加えた。そのまま30℃以下を保って一晩撹拌を続けた。減圧蒸留することにより、目的とするジオキソラン化合物(2,4,4,5,5−ペンタヒドロ−ペルフルオロ(2−ペンチル−1,3−ジオキソラン))86g(収率50%)を得た。
次に、撹拌機、ドライアイス還流コンデンサ、塩素ガス吹き込み管、熱電対温度計を備えた500mLガラス製4口フラスコに上記ジオキソラン化合物86gを入れ、2℃にて塩素ガス導入を始めた。反応初期は反応が激しいため塩素の導入はゆっくりと行った。徐々に昇温させ最後は82℃で反応を続け、塩素の消費が行われなくなった時点で反応終了とした。得られたペンタクロロジオキソラン化合物(2,4,4,5,5−ペンタクロロ−ペルフルオロ(2−ペンチル−1,3−ジオキソラン))95g(収率74%)を、精製せずにそのまま次の反応に用いた。
次に、撹拌機、還流コンデンサ、熱電対温度計を備えた500mLガラス製3口フラスコに、三フッ化アンチモン50g、五塩化アンチモン5g、溶媒としてPBTHF50mLを入れ、室温にて上記ペンタクロロジオキソラン化合物95gを加え、24時間還流を続けた。この条件下では2位の塩素、および、ビシナル位の2個の塩素がフッ素置換された化合物のみが選択的に得られた。室温まで冷却させた後、上澄み液のみをデカンテーションで集め、減圧蒸留を行うことで、目的とするジクロロジオキソラン化合物(4,5−ジクロロ−ペルフルオロ(2−ペンチル−1,3−ジオキソラン))73g(収率85%)を得た。
次に、撹拌機、還流コンデンサ、滴下ロート、熱電対温度計を備えた1Lガラス製4口フラスコに、マグネシウム粉末15g、ヨウ素1g、塩化第二水銀0.5g、テトラヒドロフラン350mLを入れ、マントルヒーターを用いて加熱した。還流が始まったら加熱を止め、上記ジクロロジオキソラン化合物73gをゆっくり滴下した。激しく発熱するため必要に応じて反応装置を冷却した。滴下終了後、反応容器を減圧にして液体窒素トラップにてテトラヒドロフランおよび生成物を捕集した。捕集物を冷水に注ぎ込み、下層のフルオロカーボン相を分液し、減圧蒸留によって純度99.7%の目的とするPPD(下記式(9))を22g(収率35%)得た。これを以下の重合に用いた。
19F−NMR(CDCl3,CFCl3基準)δppm;−70.1(1F),−80.9(3F),−121.8〜−126.0(9F),−157.9(1F)。
[重合体製造例]
以下の例4〜28において、含フッ素重合体または非晶質フッ素樹脂のガラス転移温度Tgは示差走査熱分析(JIS−K7121に準拠)を用いて測定した。屈折率はアッベ屈折率計を用いて測定した。分子量はジクロロペンタフルオロプロパン溶媒(以下R225という)を使用したゲルパーミエーションクロマトグラフ法(GPC)による、ポリメチルメタクリレート換算の数平均分子量Mnとして測定した。固有粘度[η](単位dl/g)はPBTHF(ただし例7で得た重合体P−4についてはR225)に溶解して30℃にて測定した。
以下の重合体製造例において重合体のフッ素化処理は、原則として重合体をフッ素/窒素混合ガス(フッ素ガス濃度20体積%)雰囲気中にて250℃で5時間処理することにより行った(条件を変えた場合は明記)。
[重合体製造例]
以下の例4〜28において、含フッ素重合体または非晶質フッ素樹脂のガラス転移温度Tgは示差走査熱分析(JIS−K7121に準拠)を用いて測定した。屈折率はアッベ屈折率計を用いて測定した。分子量はジクロロペンタフルオロプロパン溶媒(以下R225という)を使用したゲルパーミエーションクロマトグラフ法(GPC)による、ポリメチルメタクリレート換算の数平均分子量Mnとして測定した。固有粘度[η](単位dl/g)はPBTHF(ただし例7で得た重合体P−4についてはR225)に溶解して30℃にて測定した。
以下の重合体製造例において重合体のフッ素化処理は、原則として重合体をフッ素/窒素混合ガス(フッ素ガス濃度20体積%)雰囲気中にて250℃で5時間処理することにより行った(条件を変えた場合は明記)。
(例4)重合体P−1(BVE重合体)
5Lガラス製フラスコにBVEを750g、イオン交換水(以下水ともいう)を4kg、メタノールを260g、およびジイソプロピルペルオキシジカーボネートを3.7g入れた。系内を窒素で置換した後、40℃で22時間懸濁重合を行い、Mnが約5×104の重合体を690g得た。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−1という)を得た。重合体P−1の[η]は0.25、Tgは108℃、屈折率は1.342であり、室温ではタフで透明なガラス状の重合体であった。
5Lガラス製フラスコにBVEを750g、イオン交換水(以下水ともいう)を4kg、メタノールを260g、およびジイソプロピルペルオキシジカーボネートを3.7g入れた。系内を窒素で置換した後、40℃で22時間懸濁重合を行い、Mnが約5×104の重合体を690g得た。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−1という)を得た。重合体P−1の[η]は0.25、Tgは108℃、屈折率は1.342であり、室温ではタフで透明なガラス状の重合体であった。
(例5)重合体P−2(BVE−4M重合体)
ガラスアンプル中にBVE−4Mを2gとジイソプロピルペルオキシジカーボネートを6.2mg入れ、液体窒素中で凍結、真空脱気後封管した。40℃で20時間オーブン中で加熱後、固化した内容物を取り出して、200℃で1時間乾燥した。得られた重合体の収率は99%であった。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−2という)を得た。重合体P−2の[η]は0.44、Mnは131500、屈折率は1.33、Tgは124℃であった。重合体P−2の引張特性は、引張弾性率1430MPa、降伏応力36MPa、破断伸度4.2%であり、回転式溶融粘弾性測定装置による230℃におけるゼロシェア粘度は89000Pa・sであった。
ガラスアンプル中にBVE−4Mを2gとジイソプロピルペルオキシジカーボネートを6.2mg入れ、液体窒素中で凍結、真空脱気後封管した。40℃で20時間オーブン中で加熱後、固化した内容物を取り出して、200℃で1時間乾燥した。得られた重合体の収率は99%であった。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−2という)を得た。重合体P−2の[η]は0.44、Mnは131500、屈折率は1.33、Tgは124℃であった。重合体P−2の引張特性は、引張弾性率1430MPa、降伏応力36MPa、破断伸度4.2%であり、回転式溶融粘弾性測定装置による230℃におけるゼロシェア粘度は89000Pa・sであった。
(例6)重合体P−3(BVE/BVE−4M共重合体)
200mLのオートクレーブに水を80g、BVE−4Mを15g、BVEを15g、
ペルフルオロベンゾイルペルオキシドを75mg、メタノールを2.4g入れた。そのオートクレーブを窒素置換した後、オートクレーブの内温が70℃になるまで加熱し20時間重合を行った。得られた重合体を水、メタノールで洗浄した後、200℃で1時間乾燥した。得られた重合体の収率は85%であった。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−3という)を得た。重合体P−3の[η]は0.35、屈折率は1.336、Tgは116℃であった。
200mLのオートクレーブに水を80g、BVE−4Mを15g、BVEを15g、
ペルフルオロベンゾイルペルオキシドを75mg、メタノールを2.4g入れた。そのオートクレーブを窒素置換した後、オートクレーブの内温が70℃になるまで加熱し20時間重合を行った。得られた重合体を水、メタノールで洗浄した後、200℃で1時間乾燥した。得られた重合体の収率は85%であった。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−3という)を得た。重合体P−3の[η]は0.35、屈折率は1.336、Tgは116℃であった。
(例7)重合体P−4(BVE−4CL重合体)
ガラスアンプル中にBVE−4CLを5gとジイソプロピルペルオキシジカーボネートを12.5mg入れ、液体窒素中で凍結、真空脱気後封管した。40℃で20時間オーブン中で加熱後、固化した内容物を取り出して、200℃で1時間乾燥した。得られた重合体の収率は80%であった。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−4という)を得た。重合体P−4の[η]は0.20、Mnは121500、屈折率は1.372、Tgは126℃であった。重合体P−4の引張特性は、引張弾性率1700MPa、降伏応力50MPa、降伏伸度3.8%であった。
ガラスアンプル中にBVE−4CLを5gとジイソプロピルペルオキシジカーボネートを12.5mg入れ、液体窒素中で凍結、真空脱気後封管した。40℃で20時間オーブン中で加熱後、固化した内容物を取り出して、200℃で1時間乾燥した。得られた重合体の収率は80%であった。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−4という)を得た。重合体P−4の[η]は0.20、Mnは121500、屈折率は1.372、Tgは126℃であった。重合体P−4の引張特性は、引張弾性率1700MPa、降伏応力50MPa、降伏伸度3.8%であった。
(例8)重合体P−5(BVE/BVE−4CL共重合体)
200mLのオートクレーブに水を80g、BVE−4CLを20g、BVEを15g、ペルフルオロベンゾイルペルオキシドを80mg、メタノールを2.0g入れた。そのオートクレーブを窒素置換した後、オートクレーブの内温が70℃になるまで加熱し24時間重合を行った。得られた重合体を水、メタノールで洗浄した後、200℃で1時間乾燥した。得られた重合体の収率は80%であった。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−5という)を得た。重合体P−5の[η]は0.30、屈折率は1.36、Tgは120℃であった。
200mLのオートクレーブに水を80g、BVE−4CLを20g、BVEを15g、ペルフルオロベンゾイルペルオキシドを80mg、メタノールを2.0g入れた。そのオートクレーブを窒素置換した後、オートクレーブの内温が70℃になるまで加熱し24時間重合を行った。得られた重合体を水、メタノールで洗浄した後、200℃で1時間乾燥した。得られた重合体の収率は80%であった。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−5という)を得た。重合体P−5の[η]は0.30、屈折率は1.36、Tgは120℃であった。
(例9)重合体P−6(BVE−4DCL重合体)
100mLのステンレス鋼製オートクレーブにトリクロロトリフルオロエタンを50g、BVE−4DCLを30gおよびジイソプロピルペルオキシジカーボネートを0.1gを入れた。そのオートクレーブを50℃で3日間加熱、撹拌した後、オートクレーブを開放し、メタノールで洗浄した。得られたポリマーを取り出し、溶媒および残存モノマーを減圧下留去することによって無色透明の重合体29gが得られた。得られた重合体の収率は96%であった。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−6という)を得た。重合体P−6のMnは123000、屈折率は1.41、Tgは168℃であった。重合体P−6の引張特性は、引張弾性率1690MPa、降伏応力50MPa、降伏伸度3.6%であった。
100mLのステンレス鋼製オートクレーブにトリクロロトリフルオロエタンを50g、BVE−4DCLを30gおよびジイソプロピルペルオキシジカーボネートを0.1gを入れた。そのオートクレーブを50℃で3日間加熱、撹拌した後、オートクレーブを開放し、メタノールで洗浄した。得られたポリマーを取り出し、溶媒および残存モノマーを減圧下留去することによって無色透明の重合体29gが得られた。得られた重合体の収率は96%であった。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−6という)を得た。重合体P−6のMnは123000、屈折率は1.41、Tgは168℃であった。重合体P−6の引張特性は、引張弾性率1690MPa、降伏応力50MPa、降伏伸度3.6%であった。
(例10)重合体P−7(BVE/BVE−4DCL共重合体)
200mLのオートクレーブに水を80g、BVE−4DCLを22g、BVEを15g、ペルフルオロベンゾイルペルオキシドを75mg、メタノールを2.0g入れた。そのオートクレーブを窒素置換した後、オートクレーブの内温が70℃になるまで加熱し28時間重合を行った。得られた重合体を水、メタノールで洗浄した後、200℃で2時間乾燥した。得られた重合体の収率は80%であった。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−7という)を得た。重合体P−7の[η]は0.28、屈折率は1.38、Tgは145℃であった。
200mLのオートクレーブに水を80g、BVE−4DCLを22g、BVEを15g、ペルフルオロベンゾイルペルオキシドを75mg、メタノールを2.0g入れた。そのオートクレーブを窒素置換した後、オートクレーブの内温が70℃になるまで加熱し28時間重合を行った。得られた重合体を水、メタノールで洗浄した後、200℃で2時間乾燥した。得られた重合体の収率は80%であった。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−7という)を得た。重合体P−7の[η]は0.28、屈折率は1.38、Tgは145℃であった。
(例11)重合体P−8(BVE/2CLBVE共重合体)
200mLのオートクレーブに水を80g、2CLBVEを12g、BVEを15g、ペルフルオロベンゾイルペルオキシドを75mg、メタノールを1.0g入れた。そのオートクレーブを窒素置換した後、オートクレーブの内温が75℃になるまで加熱し40時
間重合を行った。得られた重合体を水、メタノールで洗浄した後、200℃で2時間乾燥した。得られた重合体の収率は70%であった。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−8という)を得た。重合体P−8の[η]は0.25、屈折率は1.35、Tgは98℃であった。
200mLのオートクレーブに水を80g、2CLBVEを12g、BVEを15g、ペルフルオロベンゾイルペルオキシドを75mg、メタノールを1.0g入れた。そのオートクレーブを窒素置換した後、オートクレーブの内温が75℃になるまで加熱し40時
間重合を行った。得られた重合体を水、メタノールで洗浄した後、200℃で2時間乾燥した。得られた重合体の収率は70%であった。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−8という)を得た。重合体P−8の[η]は0.25、屈折率は1.35、Tgは98℃であった。
(例12)重合体P−9(PDD/TFE共重合体)
PDDとTFEを質量比80:20で、PBTHFを溶媒として用いてラジカル重合し、Tgが160℃でMnが約1.7×105の重合体を得た。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−9という)を得た。重合体P−9は無色透明であり、屈折率は1.305であった。
PDDとTFEを質量比80:20で、PBTHFを溶媒として用いてラジカル重合し、Tgが160℃でMnが約1.7×105の重合体を得た。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−9という)を得た。重合体P−9は無色透明であり、屈折率は1.305であった。
(例13)重合体P−10(PMPROD/TFE共重合体)
PMPRODとTFEを質量比85:15で、PBTHFを溶媒として用いてラジカル重合し、Tgが200℃でMnが約1.5×105の重合体を得た。この重合体をフッ素化処理(ただし、処理時間は7時間)することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−10という)を得た。重合体P−10は無色透明であり、屈折率は1.298であった。
PMPRODとTFEを質量比85:15で、PBTHFを溶媒として用いてラジカル重合し、Tgが200℃でMnが約1.5×105の重合体を得た。この重合体をフッ素化処理(ただし、処理時間は7時間)することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−10という)を得た。重合体P−10は無色透明であり、屈折率は1.298であった。
(例14)重合体P−11(PMPEND/TFE共重合体)
PMPENDとTFEを質量比85:15で、PBTHFを溶媒として用いてラジカル重合し、Tgが190℃でMnが約1.3×105の重合体を得た。この重合体をフッ素化処理(ただし、処理時間は6時間)することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−11という)を得た。重合体P−11は無色透明であり、屈折率は1.295であった。
PMPENDとTFEを質量比85:15で、PBTHFを溶媒として用いてラジカル重合し、Tgが190℃でMnが約1.3×105の重合体を得た。この重合体をフッ素化処理(ただし、処理時間は6時間)することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−11という)を得た。重合体P−11は無色透明であり、屈折率は1.295であった。
(例15)重合体P−12(PDD/BVE−4M共重合体)
PDDとBVE−4Mを質量比50:50で、PBTHFを溶媒として用いてラジカル重合し、Tgが170℃で[η]が0.34の重合体を得た。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−12という)を得た。重合体P−12は無色透明であり、屈折率は1.320であった。
PDDとBVE−4Mを質量比50:50で、PBTHFを溶媒として用いてラジカル重合し、Tgが170℃で[η]が0.34の重合体を得た。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−12という)を得た。重合体P−12は無色透明であり、屈折率は1.320であった。
(例16)重合体P−13(PMPROD/BVE−4M共重合体)
PMPRODとBVE−4Mを質量比45:55でPBTHFを溶媒として用いてラジカル重合し、Tgが160℃で[η]が0.32の重合体を得た。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−13という)を得た。重合体P−13は無色透明であり、屈折率は1.318であった。
PMPRODとBVE−4Mを質量比45:55でPBTHFを溶媒として用いてラジカル重合し、Tgが160℃で[η]が0.32の重合体を得た。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−13という)を得た。重合体P−13は無色透明であり、屈折率は1.318であった。
(例17)重合体P−14(PMPEND/BVE−4M共重合体)
PMPENDとBVE−4Mを質量比50:50でPBTHFを溶媒として用いてラジカル重合し、Tgが162℃で[η]が0.37の重合体を得た。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−14という)を得た。重合体P−14は無色透明であり、屈折率は1.319であった。
PMPENDとBVE−4Mを質量比50:50でPBTHFを溶媒として用いてラジカル重合し、Tgが162℃で[η]が0.37の重合体を得た。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−14という)を得た。重合体P−14は無色透明であり、屈折率は1.319であった。
(例18)重合体P−15(PPD/BVE−4M共重合体)
PPDとBVE−4Mを質量比55:45でPBTHFを溶媒として用いてラジカル重合し、Tgが160℃で[η]が0.33の重合体を得た。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−15という)を得た。重合体P−15は無色透明であり、屈折率は1.310であった。
PPDとBVE−4Mを質量比55:45でPBTHFを溶媒として用いてラジカル重合し、Tgが160℃で[η]が0.33の重合体を得た。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−15という)を得た。重合体P−15は無色透明であり、屈折率は1.310であった。
(例19)重合体P−16(PDD/PHVE共重合体)
PDDとペルフルオロ(3,6−ジオキサ−4−メチル−1−ノネン)(CF2=CF−O−CF(CF3)−CF2−O−CF2−CF2−CF3)(以下PHVEという)を質量比85:15でPBTHFを溶媒として用いてラジカル重合し、Tgが182℃で[η]が0.38の重合体を得た。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−16という)を得た。重合体P−16は無色透明であり、屈折率は1.300であった。
PDDとペルフルオロ(3,6−ジオキサ−4−メチル−1−ノネン)(CF2=CF−O−CF(CF3)−CF2−O−CF2−CF2−CF3)(以下PHVEという)を質量比85:15でPBTHFを溶媒として用いてラジカル重合し、Tgが182℃で[η]が0.38の重合体を得た。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−16という)を得た。重合体P−16は無色透明であり、屈折率は1.300であった。
(例20)重合体P−17(PMPROD/BVE共重合体)
PMPRODとBVEを質量比50:50でPBTHFを溶媒として用いてラジカル重合し、Tgが145℃で[η]が0.30の重合体を得た。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−17という)を得た。重合体P−17は無色透明であり、屈折率は1.321であった。
PMPRODとBVEを質量比50:50でPBTHFを溶媒として用いてラジカル重合し、Tgが145℃で[η]が0.30の重合体を得た。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−17という)を得た。重合体P−17は無色透明であり、屈折率は1.321であった。
(例21)重合体P−18(PMPEND/BVE共重合体)
PMPENDとBVEを質量比50:50でPBTHFを溶媒として用いてラジカル重合し、Tgが150℃で[η]が0.32の重合体を得た。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−18という)を得た。重合体P−18は無色透明であり、屈折率は1.320であった。
PMPENDとBVEを質量比50:50でPBTHFを溶媒として用いてラジカル重合し、Tgが150℃で[η]が0.32の重合体を得た。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−18という)を得た。重合体P−18は無色透明であり、屈折率は1.320であった。
(例22)重合体P−19(PPD/BVE共重合体)
PPDとBVEを質量比50:50でPBTHFを溶媒として用いてラジカル重合し、Tgが148℃で[η]が0.35の重合体を得た。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−19という)を得た。重合体P−19は無色透明であり、屈折率は1.322であった。
PPDとBVEを質量比50:50でPBTHFを溶媒として用いてラジカル重合し、Tgが148℃で[η]が0.35の重合体を得た。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−19という)を得た。重合体P−19は無色透明であり、屈折率は1.322であった。
(例23)重合体P−20(PDD/MMD共重合体)
PDDとMMDを質量比65:35でPBTHFを溶媒として用いてラジカル重合し、Tgが170℃で[η]が0.30の重合体を得た。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−20という)を得た。重合体P−20は無色透明であり、屈折率は1.325であった。
PDDとMMDを質量比65:35でPBTHFを溶媒として用いてラジカル重合し、Tgが170℃で[η]が0.30の重合体を得た。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−20という)を得た。重合体P−20は無色透明であり、屈折率は1.325であった。
(例24)重合体P−21(PMPROD/MMD共重合体)
PMPRODとMMDを質量比65:35でPBTHFを溶媒として用いてラジカル重合し、Tgが168℃で[η]が0.31の重合体を得た。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−21という)を得た。重合体P−21は無色透明であり、屈折率は1.324であった。
PMPRODとMMDを質量比65:35でPBTHFを溶媒として用いてラジカル重合し、Tgが168℃で[η]が0.31の重合体を得た。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−21という)を得た。重合体P−21は無色透明であり、屈折率は1.324であった。
(例25)重合体P−22(PMPEND/MMD共重合体)
PMPENDとMMDを質量比60:40でPBTHFを溶媒として用いてラジカル重合し、Tgが142℃で[η]が0.38の重合体を得た。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−22という)を得た。重合体P−22は無色透明であり、屈折率は1.327であった。
PMPENDとMMDを質量比60:40でPBTHFを溶媒として用いてラジカル重合し、Tgが142℃で[η]が0.38の重合体を得た。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−22という)を得た。重合体P−22は無色透明であり、屈折率は1.327であった。
(例26)重合体P−23(PPD/MMD共重合体)
PPDとMMDを質量比65:35でPBTHFを溶媒として用いてラジカル重合し、Tgが162℃で[η]が0.29の重合体を得た。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−23という)を得た。重合体P−23は無色透明であり、屈折率は1.325であった。
PPDとMMDを質量比65:35でPBTHFを溶媒として用いてラジカル重合し、Tgが162℃で[η]が0.29の重合体を得た。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−23という)を得た。重合体P−23は無色透明であり、屈折率は1.325であった。
(例27)重合体P−24(PPD/TFE共重合体)
PPDとTFEを質量比85:15でPBTHFを溶媒として用いてラジカル重合し、Tgが162℃で[η]が0.35の重合体を得た。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−24という)を得た。重合体P−24は無色透明であり、屈折率は1.307であった。
PPDとTFEを質量比85:15でPBTHFを溶媒として用いてラジカル重合し、Tgが162℃で[η]が0.35の重合体を得た。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−24という)を得た。重合体P−24は無色透明であり、屈折率は1.307であった。
(例28)重合体P−25(PPD重合体)
ガラスアンプル中にPPDを5g、塩化スルフリルを6.0mg、ジイソプロピルペルオキシジカーボネートを5.0mg入れ、液体窒素中で凍結、真空脱気後封管した。40℃で3時間オーブン中で加熱後、固化した内容物を取り出して、200℃で1時間乾燥した。得られた重合体の収率は97%であった。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−25という)を得た。重合体P−4の[η]は0.87、Mnは105000、屈折率は1.320、Tgは105℃であった。重合体P−4の引張特性は、引張弾性率500MPa、破断伸度63%であった。
ガラスアンプル中にPPDを5g、塩化スルフリルを6.0mg、ジイソプロピルペルオキシジカーボネートを5.0mg入れ、液体窒素中で凍結、真空脱気後封管した。40℃で3時間オーブン中で加熱後、固化した内容物を取り出して、200℃で1時間乾燥した。得られた重合体の収率は97%であった。この重合体をフッ素化処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下重合体P−25という)を得た。重合体P−4の[η]は0.87、Mnは105000、屈折率は1.320、Tgは105℃であった。重合体P−4の引張特性は、引張弾性率500MPa、破断伸度63%であった。
[非晶質フッ素樹脂製造例]
(例29〜43)樹脂R−1〜樹脂R−15
重合体P−1およびTPBを混合し(両者の合計に対し後者を7.4質量%含む)、250℃で溶融混合して均一な混合物を製造した。以下、この混合物を樹脂R−1という。樹脂R−1の屈折率は1.357、Tgは90℃であった。
(例29〜43)樹脂R−1〜樹脂R−15
重合体P−1およびTPBを混合し(両者の合計に対し後者を7.4質量%含む)、250℃で溶融混合して均一な混合物を製造した。以下、この混合物を樹脂R−1という。樹脂R−1の屈折率は1.357、Tgは90℃であった。
上記と同様に重合体と添加剤を溶融混合して均一な混合物を製造した。得られた混合物を樹脂R−2〜樹脂R−15と名付け、樹脂R−1を含め表1にその組成、屈折率、Tg(℃)を示す。表1中「添加剤量」は混合物中の添加剤の割合(質量%)を表す。使用した添加剤は以下のとおりである。
CFE:平均分子量2000のクロロトリフルオロエチレンオリゴマー。
PPE:平均分子量4000のペルフルオロポリエーテル(商品名「フォンブリンZ03」アウジモント社製)。
PPE:平均分子量4000のペルフルオロポリエーテル(商品名「フォンブリンZ03」アウジモント社製)。
[ファイバ作成例]
以下のSI型光ファイバを作成した例において、得られたSI型光ファイバの開口数(NA)の測定は、ファーフィールドパターン法(JIS−C6862に準拠)により測定した。また、伝送損失は波長500〜1600nmにおける伝送損失をカットバック法で測定した。ファイバの作成は以下の2方法で行った。
以下のSI型光ファイバを作成した例において、得られたSI型光ファイバの開口数(NA)の測定は、ファーフィールドパターン法(JIS−C6862に準拠)により測定した。また、伝送損失は波長500〜1600nmにおける伝送損失をカットバック法で測定した。ファイバの作成は以下の2方法で行った。
プリフォーム法:クラッドとなる重合体(または樹脂)を250℃で溶融成形して円筒管を製造し、またコアとなる重合体(または樹脂)を250℃で溶融成形して円筒管の内径よりもわずかに小さい外径を有する円柱体を製造する。円筒管の中空部に円筒体を挿入して230℃に加熱して両者を合体させることによりプリフォームを製造し、このプリフォームを250℃で溶融紡糸することによりSI型光ファイバを得る。
2層押出紡糸法:押出機を用いて、コアとなる重合体(または樹脂)を中心部に、および、クラッドとなる重合体(または樹脂)を外周部に配置し、250℃で同心円状に押出紡糸することによりSI型光ファイバを得る。
2層押出紡糸法:押出機を用いて、コアとなる重合体(または樹脂)を中心部に、および、クラッドとなる重合体(または樹脂)を外周部に配置し、250℃で同心円状に押出紡糸することによりSI型光ファイバを得る。
(例44)
プリフォーム法によりコアが重合体P−1、クラッドが重合体P−10であり、外径が1000μm、コア径が980μmのSI型光ファイバを得た。得られたSI型光ファイバの伝送損失を測定した結果を図1に示す。図1に示されるように、このSI型光ファイバの伝送損失は650nmで62dB/km、850nmで20dB/km、1300nmで22dB/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝達できる光ファイバ
であった。また、NAは0.34であった。このSI型光ファイバを70℃のオーブン中に5000時間保存した後、伝送損失を再測定する耐熱試験を実施したところ変化は見られず、耐熱性は良好であった。
プリフォーム法によりコアが重合体P−1、クラッドが重合体P−10であり、外径が1000μm、コア径が980μmのSI型光ファイバを得た。得られたSI型光ファイバの伝送損失を測定した結果を図1に示す。図1に示されるように、このSI型光ファイバの伝送損失は650nmで62dB/km、850nmで20dB/km、1300nmで22dB/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝達できる光ファイバ
であった。また、NAは0.34であった。このSI型光ファイバを70℃のオーブン中に5000時間保存した後、伝送損失を再測定する耐熱試験を実施したところ変化は見られず、耐熱性は良好であった。
(例45〜56)
例44と同様にプリフォーム法でSI型光ファイバを作成した。得られたSI型光ファイバのコアとクラッドの材料の種類、外径とコア径、伝送損失、NAを表2に示す。また、例44と同一の条件で耐熱試験を行ったところいずれのSI型光ファイバも伝送損失は変化せず、耐熱性は良好であった。
例44と同様にプリフォーム法でSI型光ファイバを作成した。得られたSI型光ファイバのコアとクラッドの材料の種類、外径とコア径、伝送損失、NAを表2に示す。また、例44と同一の条件で耐熱試験を行ったところいずれのSI型光ファイバも伝送損失は変化せず、耐熱性は良好であった。
(例57)
2層押出紡糸法によりクラッドが樹脂R−12、コアが重合体P−1であり、外径が1000μm、コア径が900μmのSI型光ファイバを得た。このSI型光ファイバの光伝送損失は、650nmで146dB/km、850nmで85dB/km、1300nmで71dB/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝達できる光ファイバであった。また、NAは0.35であった。この光ファイバを80℃のオーブン中に3000時間保存した後、伝送損失を再測定する耐熱試験を実施したところ変化は見られず、耐熱性は良好であった。
2層押出紡糸法によりクラッドが樹脂R−12、コアが重合体P−1であり、外径が1000μm、コア径が900μmのSI型光ファイバを得た。このSI型光ファイバの光伝送損失は、650nmで146dB/km、850nmで85dB/km、1300nmで71dB/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝達できる光ファイバであった。また、NAは0.35であった。この光ファイバを80℃のオーブン中に3000時間保存した後、伝送損失を再測定する耐熱試験を実施したところ変化は見られず、耐熱性は良好であった。
(例58〜70)
例44と同様にプリフォーム法でSI型光ファイバを作成した。得られたSI型光ファイバのコアとクラッドの材料の種類、外径とコア径、伝送損失、NAを表3に示す。また、例44と同一の条件で耐熱試験を行ったところいずれのSI型光ファイバも伝送損失は変化せず、耐熱性は良好であった。
例44と同様にプリフォーム法でSI型光ファイバを作成した。得られたSI型光ファイバのコアとクラッドの材料の種類、外径とコア径、伝送損失、NAを表3に示す。また、例44と同一の条件で耐熱試験を行ったところいずれのSI型光ファイバも伝送損失は変化せず、耐熱性は良好であった。
(例71〜80)
例44と同様にプリフォーム法でSI型光ファイバを作成した。得られたSI型光ファイバのコアとクラッドの材料の種類、外径とコア径、伝送損失、NAを表4に示す。また、例44と同一の条件で耐熱試験を行ったところいずれのSI型光ファイバも伝送損失は変化せず、耐熱性は良好であった。
例44と同様にプリフォーム法でSI型光ファイバを作成した。得られたSI型光ファイバのコアとクラッドの材料の種類、外径とコア径、伝送損失、NAを表4に示す。また、例44と同一の条件で耐熱試験を行ったところいずれのSI型光ファイバも伝送損失は変化せず、耐熱性は良好であった。
(例81)
2層押出紡糸法によりコアが樹脂R−8、クラッドが樹脂R−12であり、外径が1000μm、コア径が950μmのSI型光ファイバを得た。このSI型光ファイバの光伝送損失は、650nmで146dB/km、850nmで85dB/km、1300nmで71dB/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝達できる光ファイバであった。また、NAは0.58であった。また、例57と同一の条件で耐熱試験を行ったところ伝送損失は変化せず、耐熱性は良好であった。
2層押出紡糸法によりコアが樹脂R−8、クラッドが樹脂R−12であり、外径が1000μm、コア径が950μmのSI型光ファイバを得た。このSI型光ファイバの光伝送損失は、650nmで146dB/km、850nmで85dB/km、1300nmで71dB/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝達できる光ファイバであった。また、NAは0.58であった。また、例57と同一の条件で耐熱試験を行ったところ伝送損失は変化せず、耐熱性は良好であった。
Claims (21)
- コアが実質的に水素原子を有しないかつ側鎖に塩素原子を有する含フッ素重合体から構成される非晶質フッ素樹脂(A−1)からなり、クラッドが実質的に水素原子を有しない含フッ素重合体から構成される非晶質フッ素樹脂(B)からなり、コアとクラッドの屈折率差が0.020以上であることを特徴とする、ステップインデックス型プラスチック光ファイバ。
- 非晶質フッ素樹脂(B)が実質的に水素原子を有しない含フッ素可塑剤を含む、請求項1、2または3に記載のステップインデックス型プラスチック光ファイバ。
- コアが高屈折率化剤を含み、かつ実質的に水素原子を有しない含フッ素重合体から構成される非晶質フッ素樹脂(A)からなり、クラッドが実質的に水素原子を有しない含フッ素重合体から構成される非晶質フッ素樹脂(B)からなり、コアとクラッドの屈折率差が0.020以上であることを特徴とする、ステップインデックス型プラスチック光ファイバ。
- 高屈折率化剤が、実質的に水素原子を有しない含フッ素芳香族化合物である、請求項5または6に記載のステップインデックス型プラスチック光ファイバ。
- 非晶質フッ素樹脂(B)が実質的に水素原子を有しない含フッ素可塑剤を含む、請求項5、6、7または8に記載のステップインデックス型プラスチック光ファイバ。
- コアが実質的に水素原子を有しない含フッ素重合体から構成される非晶質フッ素樹脂(A)、または高屈折率化剤を含む該非晶質フッ素樹脂(A)からなり、クラッドが実質的に水素原子を有しない屈折率1.300未満の含フッ素重合体から構成される非晶質フッ素樹脂(B−2)からなり、コアとクラッドの屈折率差が0.020以上であることを特徴とする、ステップインデックス型プラスチック光ファイバ。
- 高屈折率化剤が、実質的に水素原子を有しない含フッ素芳香族化合物である、請求項10または11に記載のステップインデックス型プラスチック光ファイバ。
- 非晶質フッ素樹脂(B−2)が実質的に水素原子を有しない含フッ素可塑剤を含む、請求項10、11、12または13に記載のステップインデックス型プラスチック光ファイバ。
- コアが、下記式(1)で表され単量体(a)が環化重合した繰り返し単位を有する含フッ素重合体から構成される非晶質フッ素樹脂(A)または高屈折率化剤を含む該非晶質フッ素樹脂(A)からなり、クラッドが下記式(4)で表される単量体(b−1)が重合した繰り返し単位を有する含フッ素重合体から構成される非晶質フッ素樹脂(B−3)または実質的に水素原子を有しない含フッ素可塑剤を含む該非晶質フッ素樹脂(B−3)からなり、コアとクラッドの屈折率差が0.020以上であることを特徴とする、ステップインデックス型プラスチック光ファイバ。
ただし、mは0〜5の整数、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に炭素数1〜9のペルフルオロアルキル基、塩素原子またはフッ素原子、R13は炭素数2〜9のペルフルオロアルキル基、R14は炭素数1〜9のペルフルオロアルキル基またはフッ素原子を表す。
- コアが実質的に水素原子を有しない含フッ素重合体から構成される非晶質フッ素樹脂(A)、または高屈折率化剤を含む該非晶質フッ素樹脂(A)からなり、クラッドが実質的に水素原子を有しない含フッ素重合体から構成される非晶質フッ素樹脂(B)、または実質的に水素原子を有しない含フッ素可塑剤を含む該非晶質フッ素樹脂(B)からなり、開口数(NA)が0.415以上であることを特徴とする、ステップインデックス型プラスチック光ファイバ。
- ペルフルオロ(2−ペンチル−1,3−ジオキソール)。
- 単量体としてペルフルオロ(2−ペンチル−1,3−ジオキソール)が重合した繰り返し単位を有する含フッ素重合体。
- 単量体としてペルフルオロ(2−ペンチル−1,3−ジオキソール)が重合した繰り返し単位を有する含フッ素重合体を用いたことを特徴とする、光学部材。
- 前記光学部材がプラスチック光ファイバである請求項19に記載の光学部材。
- 前記プラスチック光ファイバのコアまたはクラッドとして、単量体としてペルフルオロ(2−ペンチル−1,3−ジオキソール)が重合した繰り返し単位を有する含フッ素重合体を用いた請求項20に記載の光学部材。
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WO2021020566A1 (ja) * | 2019-07-31 | 2021-02-04 | 日東電工株式会社 | 含フッ素共重合体、光学用樹脂組成物、及び光学用樹脂成形体 |
WO2023152926A1 (ja) * | 2022-02-10 | 2023-08-17 | 日東電工株式会社 | プラスチック光ファイバーおよびその製造方法 |
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2005
- 2005-12-22 JP JP2005369327A patent/JP2006126861A/ja not_active Withdrawn
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