JP2006117897A - 塗料・接着剤用光硬化性樹脂組成物 - Google Patents

塗料・接着剤用光硬化性樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 着色が少なく、低皮膚刺激性であること。
【解決手段】 塗料又は接着剤に用いられる光硬化性樹脂組成物であって、硫黄含有率が5ppm以下である(メタ)アクリル酸エステルを含有してなる塗料・接着剤用光硬化性樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、塗料又は接着剤に用いられる樹脂組成物であって、紫外線、電子線等の光による硬化性を示す、低皮膚刺激性の塗料・接着剤用樹脂組成物に関する。
(メタ)アクリル酸エステル((メタ)アクリル酸エステルとはアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを意味する。以下同様。)は、従来より塗料・接着剤・感光性フィルム等の分野で、紫外線硬化型樹脂または電子線硬化型樹脂の反応性希釈剤として広く使用されており、アルコール類と(メタ)アクリル酸の誘導体をスルホン酸系触媒の存在下にエステル化反応して製造する方法が古くから用いられている。
こうして得られる反応生成物中には、スルホン酸系触媒や未反応物が残存するため、一般的には中和処理を施すことにより精製が行われている。ところが、エステル化反応中には、スルホン酸系酸触媒の(メタ)アクリル酸エステル等への付加反応により触媒誘導体が生成してしまいこれを前記中和処理だけで取り除くことは困難である。このスルホン酸系触媒誘導体の除去されていない(メタ)アクリル酸エステル及びその(メタ)アクリル酸エステルを含有する樹脂組成物は着色しやすいことが知られている。
この問題を解決する手段として、例えば特開昭51−54515号公報等に代表される、真空蒸留による生成、また、特開昭59−219252号公報等では活性炭、活性白土等で着色物質を吸着除去する方法、特開平11−263779号公報においては、反応終了後の有機溶媒除去時にカリウム又はナトリウムを含有する弱塩基性塩を添加する方法等、種々着色の少ない(メタ)アクリル酸エステルの製造法が報告されている。
しかし、特開昭51−54515号公報等に代表される方法では、精製される(メタ)アクリル酸エステルは、比較的低沸点のものが適しており、高沸点の(メタ)アクリル酸エステルには重合の危険がある等の問題点があった。また、特開昭59−219252号公報の方法では、工程が複雑になる、活性炭等の除去に多大の時間を要する等の問題点があった。さらには、特開平11−263779号公報の方法では、溶媒や反応性希釈剤、なかでもトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素や酢酸エチル、メタクリル酸メチル等のエステル類に不溶な夾雑物ができるという問題点があった。
さらに、スルホン酸系触媒誘導体を分解除去する方法として、特開平6−219991号公報では、前記中和処理後アミン類で後処理を行い、触媒誘導体を大幅に低減した(メタ)アクリル酸エステルを得る方法を報告している。さらには、特開2001−122820号公報では、水溶性溶媒及び水の存在下に弱塩基性塩を加えて触媒誘導体を除去する方法も開示されているが、いずれの方法においても、製造時に得られる製品に対し廃水発生量が多いこと、処理工程に長時間を有する等の工業的実施には不利な点があった。
さらに塗料用途、接着剤用途等においては、スルホン酸系触媒誘導体の除去されていない(メタ)アクリル酸エステルの皮膚刺激性問題が近年明らかになってきた。
その問題を解決するために(メタ)アクリル酸エステルの分子量を上げる、比較的低皮膚刺激性である種類のメタクリル酸エステルを使用するといった方法が開示されている。
しかしそれぞれには、高粘度化し取り扱いが不便である、光重合速度が遅い等の問題があった。
特開昭51−54515号公報 特開昭59−219252号公報 特開平11−263779号公報 特開平6−219991号公報 特開2001−122820号公報
本発明者らは、鋭意検討を進めた結果、硫黄含有率が特定含有量以下の(メタ)アクリル酸エステル、特に中性触媒を使用したエステル交換反応による(メタ)アクリル酸エステルは着色が少なく、低皮膚刺激性であるという事実を見出し本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、塗料又は接着剤に用いられる光硬化性樹脂組成物であって、硫黄含有率が5ppm以下である(メタ)アクリル酸エステルを含有してなる塗料・接着剤用光硬化性樹脂組成物に関する。
また本発明は、(メタ)アクリル酸エステルの製造法が非スルホン酸系触媒を使用したエステル交換反応によるものである前記の光硬化性塗料・接着剤用光硬化性樹脂組成物に関する。
また本発明は、(メタ)アクリル酸エステルが、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセニル基を有する(メタ)アクリレートである、前記の塗料・接着剤用光硬化性樹脂組成物に関する。
さらに本発明は、塗料又は接着剤に用いられる光硬化性樹脂組成物に用いられる(メタ)アクリル酸エステルであって、硫黄含有率を5ppm以下である光硬化性樹脂組成物用(メタ)アクリル酸エステルに関する。
本発明の(メタ)アクリル酸エステルを用いた塗料・接着剤用光硬化性樹脂組成物は、着色が少なく、皮膚刺激性が低いので、各種基材に対する塗料・接着剤用として有用である。
本発明の塗料・接着剤用光硬化性樹脂組成物は、硫黄含有率が5ppm以下である(メタ)アクリル酸エステル((メタ)アクリル酸エステルとはアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルを意味する)を使用するものである。この硫黄含有率が5ppmを超えるものでは、樹脂組成物に着色が起こり、また、高い皮膚刺激性を示す。なお、硫黄含有率は、一般的な硫黄分の測定方法である、燃焼後に電量滴定する方法により測定することができる。
このような(メタ)アクリル酸エステルの製造方法に特に制限はないが、アルコール類と低級(メタ)アクリル酸エステルを、非スルホン酸系触媒の存在下エステル交換反応して製造したものが、特に着色が少なく、皮膚刺激が起きにくいので好ましい。
以下この製造方法について詳述する。先ずアルコール類と低級(メタ)アクリル酸エステルを非スルホン酸系触媒の存在下エステル交換反応させる。反応に際しては、低級(メタ)アクリル酸エステルを、アルコール類に対して過剰に使用することが、反応を短時間に終わらせるためや、反応転化率を向上させるために好ましい。通常、アルコール類1モルに対して、低級(メタ)アクリル酸エステルを2.5〜20モルの範囲で使用することが好ましい。低級(メタ)アクリル酸エステルの使用量が少なすぎると反応が遅くなり、未反応のアルコール類が残りやすくなる。一方、低級(メタ)アクリル酸エステルの使用量が多すぎると生産性が悪くなるとともに、反応終了後に過剰の低級(メタ)アクリル酸エステルを回収する工程に長時間を要してしまう。
本発明において、エステル交換反応に使用されるアルコール類は特に限定されないが、例示すると、1−ブタノール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヘキサメチレンジオール、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の脂肪族炭化水素モノ及びまたは多価アルコール、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセノール、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカノール、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセニルオキシエタノール、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニルオキシエタノール、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセニルオキシプロパノール、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニルオキシプロパノール、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセニルオキシエトキシエタノ−ル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニルオキシエトキシエタノール等の脂環式モノ及びまたは多価アルコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリテトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールモノメチルエーテル、ポリテトラメチレングリコールモノアルキルエーテル等のポリアルキレングリコールモノ及びまたは多価アルコール、ベンジルアルコール、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加体、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加体、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加体、ビスフェノールSエチレンオキサイド付加体、ビスフェノールSプロピレンオキサイド付加体、ビスフェノールSアルキレンオキサイド付加体等の含有芳香族モノ及びまたは多価アルコール、ヒドロキシピペリジン類、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の窒素含有アルコール類があげられる。
エステル交換反応に使用される非スルホン酸系触媒としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸化物、リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド、リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリウムアミドのようなアルカリ金属アミド又はチタン酸テトラメチル、チタン酸テトラエチル、チタン酸テトラプロピル、チタン酸テトライソプロピル、チタン酸テトラブチルのようなチタン酸C〜Cアルキルをあげることができる。これらの触媒の中でも、触媒を水の添加により水層に取り込むことにより、系外へ除去することができるもの、すなわち触媒除去と同時に油層へ水分を含有させることのできるアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸化物、アルカリ金属アルコキシド、チタン酸C〜Cアルキルが好ましく、触媒の取り扱いの点からチタン酸C〜Cアルキルがさらに好ましい。
触媒の使用量は、(メタ)アクリル酸エステルとアルコール類の合計量100重量部に対して通常0.01〜5.0重量部の範囲である。少なすぎると反応の進行が遅くなり、逆にこれより多い場合でも、特に利点はなく不経済であるだけである。
なお、チタン酸C〜Cアルキル類を触媒として使用する場合には、反応系中に水分が多いと触媒が活性を失いやすいので、予め触媒を加える前に反応混合物を加熱還流して系内の水分を少なくしておいたり、反応中に水分の混入を防ぐような方法を実施することが好ましい。
アルコール類のエステル交換反応に使用される低級(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル等が挙げられる。
また、上記製造方法において、公知の重合防止剤を添加・併用することが可能である。
かかる公知の重合防止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等のフェノール類、フェノチアジン、ジブチルジチオカルバミン酸銅等の銅塩、酢酸マンガン等のマンガン塩、ニトロ化合物、ニトロソ化合物、4−ヒドロキシ2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル等のN−オキシル化合物等があげられる。添加量は生成する(メタ)アクリル酸エステルに対して0〜0.1重量%が好ましい。多すぎると、前述したように添加剤に起因する着色を生じる場合がある。
なお、上記製造方法において、反応中、反応液の重合防止のために、さらに、少量の分子状酸素を吹き込むのが好ましい。分子状酸素としては、希釈された状態で使用するのが好ましく好適には空気が用いられる。また、分子状酸素の吹き込みは、蒸発して蒸気として存在したり、上部の釜壁等に凝縮した(メタ)アクリル酸エステルの重合を防止するためにも好ましい。分子状酸素の使用量としては、反応器の形状や攪拌動力などによっても影響を受けるが、ポリオキシアルキレングリコール1モルに対して5〜500ml/分(空気として25〜2,500ml/分)の速度で吹き込めばよい。少なすぎると重合防止効果が充分でなく、多すぎると低級(メタ)アクリル酸エステルを系外に押し出してしまう効果が強くなり、低級(メタ)アクリル酸エステルのロスをまねく。
また、エステル交換反応に際しては、反応に関与しない不活性なものであれば、適宜溶媒を使用することもできる。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘ
プタン、オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン等の炭化水素類や、ジオキサン等のエーテル類などを挙げることができる。
エステル交換反応は、常圧又は減圧下で60〜130℃で行うのが好ましい。低すぎると反応速度が遅くなり、高すぎると低級(メタ)アクリル酸エステル及び(メタ)アクリル酸エステルの着色や重合を引き起こすことがある。
また、エステル交換反応の装置としては、低級(メタ)アクリル酸エステルと原料アルコールをエステル交換反応により(メタ)アクリル酸エステルを製造する通常の装置を採用することが出来る。この装置では、通常、原料アルコールの転換率を高めるため、副生する低級アルコールと原料の(メタ)アクリル酸エステル又は溶剤を共沸蒸留することにより、副生する低級アルコールを系外に留去しながら合成を行う。このため、反応装置としては、精留搭の付いた回分式反応槽が使用される。
過剰の反応溶媒を回収し終わった後、ろ過によりごみ及び添加した吸着剤を取り除く。
ろ過は、加圧ろ過でも減圧ろ過でもよい。またこの際、ろ過の負荷防止のために、ケイ藻土をろ過助剤として使ってもよい。
本発明の塗料・接着剤用光硬化性樹脂組成物に用いられる(メタ)アクリル酸エステルの種類としては、特に制限されないが、本発明においては、特にトリシクロ[5.2.1.02,6]デセニル基(ジシクロペンタジエニル基)を有する(メタ)アクリレートを使用することが、塗膜特性(硬化性、硬度、基材との密着性)の点で好ましい。
このようにして得られた(メタ)アクリル酸エステルを含有する樹脂組成物としては、前記(メタ)アクリル酸エステル以外に、エポキシ(メタ)アクリル酸エステル、ウレタン(メタ)アクリル酸エステル、ポリエステル(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選ばれたオリゴマを併用しても良い。
エポキシ(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えばエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応によって得られるものをあげることができ、具体的には、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ樹脂があげられる。
ウレタン(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ポリテトラメチレングリコール、トリメチロールプロパン、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等のポリオールと芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、環状脂肪族ジイソシアネート等の有機ポリイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを反応させることで得られる。
ポリエステル(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えばポリエステルポリオールと(メタ)アクリル酸との反応によって得られるものをあげることができ、ポリエステルポリオールは、無水コハク酸、アジピン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸等の酸とエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン等のアルコールを反応して得られる。
本発明の塗料・接着剤用光硬化性樹脂組成物においては、上記(メタ)アクリル酸エステル、オリゴマーのほかに、樹脂組成物の効果を効率よく行うために光重合開始剤を含有することが好ましい。この具体例としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルトベンゾイルベンゾエイト、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、メチルベンゾイルホルメート等や、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸アミル、4−ジメチルアミノアセトフェノン等の光増感剤に分類されるものがあげられる。
これらの光重合開始剤は、1種または2種以上の併用が可能である。
本発明の塗料・接着剤用光硬化性樹脂組成物において、光重合開始剤の配合割合は特に限定されないが、硬化速度及び形成される膜の特性面から、組成物100重量部中に0.01〜10重量部が好ましい。
本発明の塗料・接着剤用光硬化性樹脂組成物には、その他に、例えば、滑剤、レベリング剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、有機溶剤等、公知の添加剤を添加することもできる。
本発明の塗料・接着剤用光硬化性樹脂組成物は常法により紫外線、電子線、可視光レーザー等の光線を照射することにより硬化することができる。本発明の塗料・接着剤用光硬化性樹脂組成物の紫外線等のエネルギー線照射による硬化は、具体的には低圧または高圧水銀灯、メタルハライドランプ,キセノン灯等を用いて紫外線を照射して行う。特に、光源としては350〜450nmにエネルギー強度が強いランプが好ましい。
本発明の塗料・接着剤用光硬化性樹脂組成物は、着色が少なく、低皮膚刺激性であるので、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、アクリロニトリルブタジエンゴム、木材、石材等の各種基材の塗料や接着剤として使用できる。
以下、実施例を挙げて説明する。
実施例1
攪拌機、温度計、空気導入管、及び精留塔(15段)を取り付けた1リットルフラスコに、ジシクロペンテニルオキシエタノール(以下DOEと略記する)194g(1.0モル)、アクリル酸エチル500g(4.0モル)、ヒドロキノンモノメチルエーテル0.13gを仕込み、常圧下、乾燥空気を100ml/minの速度で吹き込みながら加熱還流し系内の水分を除去した。次に、チタン酸テトライソプロピル3.0gを加え、エステル交換反応させた。はじめ、反応混合物を加熱還流し、精留塔塔頂温度はアクリル酸エチルの沸点である100℃付近であったが、反応の進行と共に、エタノールとアクリル酸エチルの共沸混合物の沸点に近づいたので、塔頂温度が78〜82℃の範囲になるように還流比を調節してエタノールをアクリル酸エチルとの共沸物として留去しながら反応を行った。
触媒を加えてから、3時間経過した頃から塔頂温度が上昇し始め約90℃まで上昇したのでそれに合わせて還流比を徐々に大きくし、最終的には15にして反応を続けた。反応開始後4時間目の反応液中の反応率をガスクロマトグラフィーにより測定し反応率が97%となったので反応を終了した。反応液を80℃まで冷却したところで17%食塩水100g加えて触媒を加水分解し不溶化したことを確認した後、拡販を止め静置した。
続いて、デカンテーションにより油層を1リットルナス型フラスコにとり、ロータリエバポレーターを用いて過剰のメタクリル酸メチルを減圧下留去し、減圧吸引ろ過によりナスフラスコ内液をろ過し目的物であるDOEのアクリル酸エステルを得た(収量240g)。
得られたDOEのアクリル酸エステルの硫黄分を一般的な硫黄分の測定方法である、燃焼後に電量滴定する方法によって、測定したところ、5ppmであり、色相は(APHA)10であった。
実施例2
実施例1同様の装置、条件で原料をDOEから1,6−ヘキサンジオール59g(0.5モル)に変更して反応を行った。得られたアクリル酸エステルの硫黄分を測定したところ、検出下限値(1ppm)以下であり、色相は(APHA)10であった。
実施例3
実施例1同様の装置、条件で原料をDOEからノニルフェノールのエチレンオキサイド4モル付加物395g(1モル)に変更して反応を行った。得られたアクリル酸エステルの硫黄分を測定したところ、検出下限値(1ppm)以下であり、色相は(APHA)20であった。
実施例1〜3により得られたアクリル酸エステルの皮膚刺激性及び、40℃恒温槽に保管し1ヶ月後の色相変化を比較確認した。結果を表1に示す。
比較例1
攪拌機、温度計、空気導入管、冷却管及び水抜き装置を取り付けた1リットルフラスコに、DOE194g(1.0モル)、アクリル酸86.4g(1.2モル)、トルエン425g、パラトルエンスルホン酸16.0g及びヒドロキノンモノメチルエーテル0.264gを仕込んだ。減圧下、空気導入量を100ml/minに調節し、昇温した。
反応とともに生成する水を除去しながら、反応温度を100℃に保つように圧力を調整し、1時間毎にサンプリングを行いガスクロマトグラフィーにより反応率を測定した。反応率が97%以上になったら反応終了とし冷却した。
反応液温度が40℃以下になったところで、16重量%食塩水を115g仕込み15分間撹拌し水洗を行った。15分静置後水層を抜き出した。続いて25重量%水酸化ナトリウム水溶液49g、16重量%食塩水69gを仕込み30分間撹拌した。撹拌後2時間静置し水層を抜き出した。水層のpHは9であった。続いて16重量%食塩水を115g仕込み、300rpmで30分間撹拌した。撹拌後1時間静置し水層を抜き出した。水層のpHは7〜8であった。
次に、水洗完了有機層を1リットルナス型フラスコにとり、ロータリエバポレーターを用いてトルエンを留出した。減圧吸引ろ過によりナスフラスコ内液をろ過し目的物であるDOEのアクリル酸エステルを得た(収量210g)。得られたDOEのアクリル酸エステルの硫黄分を測定したところ、210ppmであり、色相は(APHA)150であった。
比較例2
比較例1同様の装置、条件で原料をDOEから1,6−ヘキサンジオール59g(0.5モル)に変更して反応を行った。得られたアクリル酸エステルの硫黄分を測定したところ、450ppmであり、色相は(APHA)200であった。
比較例3
比較例1同様の装置、条件で原料をDOEからノニルフェノールのエチレンオキサイド4モル付加物395g(1モル)に変更して反応を行った。得られたアクリル酸エステルの硫黄分を測定したところ、180ppmであり、色相は(APHA)160であった。
比較例4
比較例1〜3により得られたアクリル酸エステルの皮膚刺激性及び、40℃恒温槽に保管し1ヶ月後の色相変化を比較確認した。結果を表1に示す。
Figure 2006117897
実施例5
表2の配合に従って実施例1〜3で得られたアクリル酸エステルを用いた樹脂組成物を調整した。調整された樹脂組成物をポリカーボネート製基板に、バーコーター#16にて膜厚が20μmとなるように塗布し、その塗布面に紫外線(ランプ出力120W/cm)を300mJ/cm照射し硬化物のサンプルを調整した。このサンプルを90℃で24時間放置した後、硬化物の色相の変化を確認した。結果を表2に示す。
比較例5
表2の配合に従って比較例1〜3で得られたアクリル酸エステルを用いた樹脂組成物を調整した。調整された樹脂組成物をポリカーボネート製基板に、バーコーター#16にて膜厚が20μmとなるように塗布し、その塗布面に紫外線(ランプ出力120W/cm)を300mJ/cm照射し硬化物のサンプルを調整した。このサンプルを90℃で24時間放置した後、硬化物の色相の変化を確認した。結果を表2に示す。
Figure 2006117897

Claims (4)

  1. 塗料又は接着剤に用いられる光硬化性樹脂組成物であって、硫黄含有率が5ppm以下である(メタ)アクリル酸エステルを含有してなる塗料・接着剤用光硬化性樹脂組成物。
  2. (メタ)アクリル酸エステルの製造法が非スルホン酸系触媒を使用したエステル交換反応によるものである請求項1記載の光硬化性塗料・接着剤用光硬化性樹脂組成物。
  3. (メタ)アクリル酸エステルが、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセニル基を有する(メタ)アクリレートである、請求項1又は2記載の塗料・接着剤用光硬化性樹脂組成物。
  4. 塗料又は接着剤に用いられる光硬化性樹脂組成物に用いられる(メタ)アクリル酸エステルであって、硫黄含有率を5ppm以下である光硬化性樹脂組成物用(メタ)アクリル酸エステル。
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