JP2006116177A - ドラム式洗濯機 - Google Patents

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Shinji Matsuoka
真二 松岡
Takashi Komatsu
隆 小松
Koichi Yagi
功一 八木
Hiroyuki Saito
弘幸 齊藤
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Abstract

【課題】回転ドラムを収容した水槽が洗濯物の偏り等により異常振動や異常騒音の発生状態にならないように洗濯物の偏りを精度よく検知するドラム式洗濯機を提供する。
【解決手段】水槽3の変位を検知する変位センサ36と、ドラム駆動モータ5の回転数を検知する回転速度検知手段24を備え、脱水行程において、水槽ユニット7の共振周波数に相当する回転速度より低い回転速度で判定する第1の布バランス判定工程においては、回転数検知手段24による回転数変動にて衣類アンバランス判定を行い、それ以降の第2の布バランス判定工程においては変位センサ36で衣類アンバランス判定を行うので、洗濯物の偏りを精度よく検知し、異常振動や異常騒音を発生させない運転制御が可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、洗濯物を収納した回転ドラムを回転駆動して洗濯、すすぎ、脱水の各行程を行うドラム式洗濯機に関するものである。
ドラム式洗濯機は回転ドラムをその回転軸心が水平方向あるいは水平方向から前上がりさせた状態にして水槽内に配設されているため、回転ドラム内に洗濯物を収納して回転させると、洗濯物や水が下方に偏りがちになるため振動が発生しやすくなる。特に、回転ドラムを高速回転させて洗濯物の脱水を行う脱水工程を実施するとき、洗濯またはすすぎ行程の終了後は、水を含んだ洗濯物が回転ドラム内に収納されており、洗濯物の種類や生地あるいは形状によっては脱水工程の回転時に回転ドラムの偏った位置に集まりやすい状態があり、洗濯物に偏りが生じると回転ドラムを収容する水槽に大きな振動が生じ、洗濯機に異常振動や異常騒音を発生させる。大きな振動が生じた場合には、回転ドラムの回転を一時停止させた後に再回転させる駆動制御や回転ドラムの回転数を減少させる駆動制御などにより洗濯物の偏りを解消させる制御動作が実施されている。
大きな振動が発生した場合には、振動を速やかに検知して対応する制御を行う必要があり、振動検知の手段として、回転ドラムを回転駆動する誘導モータをインバータ制御するインバータ回路の出力電流から振動発生を検知し、過振動警告を出力する洗濯機の異常振動検出方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、水槽の振れを検知するセンサを設け、このセンサによって検知される振動検知出力に基づいて洗濯またはすすぎ行程から脱水行程への移行制御を行い、脱水行程中の異常振動検知により脱水動作を停止する制御を行う洗濯機の運転方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平6−170080号公報 特開昭61−098286号公報
しかしながら、インバータ回路の出力電流の変化から振動を検知する方法は、異常振動を間接的に推定する方法であり、洗濯物の偏りが誘導モータの電流実効値に現れ、そのアンバランス状態が異常振動につながるという推定でなりたっている。しかし、誘導モータの電流実効値の変化は、洗濯物の偏りが原因となっている場合以外にモータの軸受けなど機械的要素の影響を受け、そのバラツキを踏まえた上で過振動検知の電流設定値を決定しているので、必要以上に過振動警告が出て回転を停止することになる課題があった。
また、センサによって水槽の振動を検知する運転方法では、低速回転によりバランス取り工程を行う場合に、洗濯物のドラム内面への張り付き方によって回転ドラムにアンバランスがあっても振動の振幅が小さいため異常振動が検知できず、回転ドラムを高速回転させたときに大きな振動となり、そこで初めて異常振動として検知することになるため、高速回転に至る以前に異常振動が発生するか否かを検知することができない。従って、異常振動が発生して停止するまでに洗濯物や洗濯機に損傷を与える恐れがあり、回転ドラムを停止させるまでに多くの無駄時間が生じる課題があった。
本発明が目的とするところは、回転ドラムの回転速度に応じて、回転ドラム内の洗濯物のバランス状態を精度よく判定し、脱水時の振動および騒音を確実に低減できる機能を備えたドラム式洗濯機を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明に係るドラム式洗濯機は、洗濯物を収容し水平方向または傾斜方向に回転中心軸を有する回転ドラムと、前記回転ドラムを回転自在に内包し洗濯機本体内に弾性的に支持された水槽と、前記回転ドラムを回転駆動するドラム駆動モータと、前記ドラム駆動モータの回転速度を検知する回転速度検知手段と、前記水槽の変位を検知する変位検知手段と、前記回転速度検知手段および変位検知手段等からの信号を入力し前記ドラム駆動モータを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、各行程における脱水動作において、前記回転ドラムをその内周壁に洗濯物が張り付きやすくなる第1の所定回転速度まで立ち上げる第1の脱水立ち上げ工程と、前記回転ドラムが前記第1の所定回転速度で回転中に前記内周壁に洗濯物が均等に張り付いているか否かの判定を行う第1の布バランス判定工程と、前記第1の布バランス判定工程でバランスが良好と判定された時前記第1の所定回転速度から第2の所定回転速度まで立ち上げる第2の脱水立ち上げ工程と、前記第2の脱水立ち上げ工程時に前記内周壁に洗濯物が均等に張り付いているか否かの判定を行う第2の布バランス判定工程とを実行可能とし、前記第1の布バランス工程においては、前記回転速度検知手段により検知した回転速度の変動幅にて布バランスの判定を行い、前記第2の布バランス判定工程においては、前記変位検知手段により検知した変位で布バランスの判定を行うものである。
これにより、回転ドラム、水槽および水槽ユニット等を一体化した水槽ユニットの重量および水槽に取り付けられた防振ダンパー等の制動力に対して、洗濯物のアンバランスの遠心力による運動エネルギーが小さく、水槽ユニットの振れ回り(変位)が小さい回転速度で布バランスを判定する第1の布バランス判定工程では、回転速度検知手段により検知した回転速度の変動幅にて布バランスの判定を行い、回転速度の上昇に伴い、運動エネルギーが増大し、水受けユニットの変位が比較的大きくなる回転速度で布バランスを判定する第2の布バランス判定工程では、直接水槽ユニットの変位を検知する変位検知手段により検知した変位で布バランスの判定を行うことにより、回転ドラムの回転速度に応じて精度よく適切に洗濯物のバランス状態を判定することができ、その判定結果に基づいてドラム駆動モータの回転制御を行うことで、振動、騒音を効果的に低減することができる。
本発明によれば、回転ドラムの回転速度に応じて精度よく適切に洗濯物のバランス状態を判定することができ、その判定結果に基づいてドラム駆動モータの回転制御を行うことで、脱水工程時の振動、騒音を効果的に低減することができる。
第1の発明は、洗濯物を収容し水平方向または傾斜方向に回転中心軸を有する回転ドラムと、前記回転ドラムを回転自在に内包し洗濯機本体内に弾性的に支持された水槽と、前記回転ドラムを回転駆動するドラム駆動モータと、前記ドラム駆動モータの回転速度を検知する回転速度検知手段と、前記水槽の変位を検知する変位検知手段と、前記回転速度検知手段および変位検知手段等からの信号を入力し前記ドラム駆動モータを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、各行程における脱水動作において、前記回転ドラムをその内周壁に洗濯物が張り付きやすくなる第1の所定回転速度まで立ち上げる第1の脱水立ち上げ工程と、前記回転ドラムが前記第1の所定回転速度で回転中に前記内周壁に洗濯物が均等に張り付いているか否かの判定を行う第1の布バランス判定工程と、前記第1の布バランス判定工程でバランスが良好と判定された時前記第1の所定回転速度から第2の所定回転速度まで立ち上げる第2の脱水立ち上げ工程と、前記第2の脱水立ち上げ工程時に前記内周壁に洗濯物が均等に張り付いているか否かの判定を行う第2の布バランス判定工程とを実行可能とし、前記第1の布バランス工程においては、前記回転速度検知手段により検知した回転速度の変動幅にて布バランスの判定を行い、前記第2の布バランス判定工程においては、前記変位検知手段により検知した変位で布バランスの判定を行うことを特徴とするドラム式洗濯機とすることにより、回転ドラム、水槽および水槽ユニット等を一体化した水槽ユニットの重量および水槽に取り付けられた防振ダンパー等の制動力に対して、洗濯物のアンバランスの遠心力による運動エネルギーが小さく、水槽ユニットの振れ回り(変位)が小さい回転速度で布バランスを判定する第1の布バランス判定工程では、回転速度検知手段により検知した回転速度の変動幅にて布バランスの判定を行い、回転速度の上昇に伴い、運動エネルギーが増大し、水受けユニットの変位が比較的大きくなる回転速度で布バランスを判定する第2の布バランス判定工程では、直接水槽ユニットの変位を検知する変位検知手段により検知した変位で布バランスの判定を行うことにより、回転ドラムの回転速度に応じて精度よく適切に洗濯物のバランス状態を判定することができ、その判定結果に基づいてドラム駆動モータの回転制御を行うことで、脱水工程時の振動、騒音を効果的に低減することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明のドラム式洗濯機の制御手段が、第1の所定回転速度を、回転ドラム、水槽およびドラム駆動モータ等を一体化した水槽ユニットの共振周波数に相当する回転速度より低い回転速度とするように制御することにより、脱水工程において、回転ドラムの回転度が水槽ユニットの共振周波数に相当する回転速度に達するまでに洗濯物のバランス状態を判定できるので、水槽ユニットの共振周波数に相当する回転速度における大きな振動、騒音を防止することができる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明のドラム式洗濯機の制御手段が、第2の布バランス判定工程における布バランスの判定を、複数の異なった回転速度上昇区間で、それぞれ行うように制御することにより、回転ドラムの回転速度に対応した布バランスの判定を行うので、的確に布バランスを判定でき、脱水工程時の振動、騒音をさらに効果的に低減することができる。
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか1つの発明のドラム式洗濯機が、布量検知手段を備え、制御手段は、第1の布バランス工程における布バランスの判定を行う第1の判定値と、第2の布バランス工程における布バランスの判定を行う第2の判定値の少なくともいずれか一方の判定値を、前記布量検知手段により検知した布量に応じて、変動させることを特徴とすることにより、布量による、重量変化分とアンバランス位置の傾向に伴う、水槽ユニットの振れ回りの特徴(振動モード)に応じた適切な判定値の設定ができ、さらに精度のよい検知が可能とすることができる。
第5の発明は、特に、第1〜4のいずれか1つの発明のドラム式洗濯機の変位検知手段が、1つの励磁コイルと、前記励磁コイルと同軸上に配された少なくとも2つの検知コイルと、前記励磁コイル及び検知コイルの軸中心部で移動自在のコアとで構成し、前記検知コイルと前記コアのいずれか一方が前記水槽の変位に連動して移動するように構成したことを特徴とすることにより、特性の異なる2つの変位が検知可能となり、例えば、布量検知と衣類アンバランス検知を行い、かつ、精度よく、シンプルに検知することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、実施形態に係るドラム式洗濯機1の要部構成を示すものである。洗濯機筐体6内には、水槽3内に回転ドラム2を収容し、回転ドラム2の回転軸2aを水槽3の背面に設けられた軸受68で軸支すると共に回転軸2aにドラム駆動モータ5を連結した水槽ユニット7を前上がりの状態に傾斜させて配設している。この水槽ユニット7は、その背面側に軸受68やドラム駆動モータ5などの重量の大きな構成要素が取り付けられているため、重心位置は背面寄りになって不安定な状態になるが、防振ダンパー70により水槽ユニット7をその重心位置より正面側寄りの下方で支持し、水槽3の上部に固定された上部支持金具75と洗濯機筐体6の上面との間に架設した第1のコイルバネ71により水槽ユニット7を正面側に向けて付勢し、更に防振ダンパー70による支持高さ位置より下方の背面と、洗濯機筐体6の背面との間に第2のコイルバネ72を架設することにより、重心位置より正面側寄りで防振ダンパー70により支持された水槽ユニット7が背面側に倒れる状態になることを補正し、制振効果の高い支持構造に構成されている。
水槽3内には有底円筒形に形成された回転ドラム2が回転自在に支持され、回転ドラム2は水槽3の背面に取り付けられたドラム駆動モータ5によって回転速度可変及び回転方向切換可能に回転駆動される。また、回転ドラム2は、その回転軸方向が図示するように正面側から背面側に向けて下向き傾斜となるように傾斜配置されているため、洗濯機筐体6の正面側に形成された傾斜面に開閉自在に設けられた扉体9を開くと、回転ドラム2に対して洗濯物を出し入れする作業に際して腰を屈める必要がなく、ドラム式洗濯機1の正面側に余裕のある空間を確保する必要もないので、洗面所などの狭い空間にも設置可能なドラム式洗濯機1に構成することができる。
上記ドラム式洗濯機は、図示省略しているが回転ドラム2内に温風を送風する送風ファンや温風を生成するヒータなどを設けた乾燥機能を備え、洗濯、すすぎ、脱水、乾燥にわたる一連の運転動作を使用者からの指示入力と各部の動作状態監視に基づいて制御する制御装置が設けられている。
制御装置は、図2に示すように、交流電力31を整流器32により整流し、チョークコイル33及び平滑コンデンサ34からなる平滑回路により平滑化された直流電力を駆動電力として、インバータ回路26によりドラム駆動モータ5を回転駆動すると共に、入力設定手段21から入力される運転指示及び各検知手段により検知される運転状態の監視情報に基づいてドラム駆動モータ5の回転を制御し、負荷駆動手段37により給水弁14、排水弁13、送風ファン17、ヒータ18の動作を制御する。
ドラム駆動モータ5は、3相巻線5a、5b、5cを有するステータと、2極の永久磁石を有するロータとを備え、3つの位置検出素子24a、24b、24cを設けた直流ブラシレスモータとして構成され、スイッチング素子26a〜26fにより構成されたPWM制御インバータ回路26により回転制御される。位置検出素子24a、24b、24cが検出するロータ位置検出信号は制御手段20に入力され、このロータ位置検出信号に基づいて駆動回路25によりスイッチング素子26a〜26fのオン/オフ状態をPWM制御することにより、ステータの3相巻線5a、5b、5cに対する通電を制御してロータを所要回転数で回転させる。なお、制御手段20は、3つの位置検出手段24a、24b、24cのいずれかの信号の状態が変わるたびにその周期を検出し、その周期よりロータの回転数を算出する(回転速度検知手段)。
また、図1に示すように、水槽ユニット7を下方から支持する防振ダンパー70を取り付けた下部支持金具74と洗濯機筐体6の基底部に固定された支持台73との間には、変位センサ(変位検知手段)36が取り付けられている。
変位センサ36は、図3、図4に示すように、検知コイル部40と、この検知コイル部40内に進退移動自在に構成された変位ロッド部41とを備えて構成されている。この変位センサ36は、検知コイル部40の下端に下方自在継手44を設けた下部取付板46を支持台73に装着し、変位ロッド部41の上端に上方自在継手45を設けた上部取付板47を下部支持金具74に装着することにより、水槽ユニット7の三次元方向への振れに対しても追従して振れによる水槽ユニット7の変位量を検知する。
検知コイル部40は、図4に示すように、ボビン60に巻回された3つの巻線61、62、63をコネクタ65に配線接続したコイル体57を樹脂モールド体67によって被覆したものを、変位ロッド部41のロッド体43が進退移動自在に嵌入するシリンダ体58の外周に摺動移動可能に嵌挿して構成されている。
コイル体57は、図4、図5に示すように、巻線接続鍔59a、59b、59cを設けたボビン60の略中央部に一次巻線61を巻回し、この一次巻線61の上に一部が重なるようにして第2二次巻線63を巻回し、巻線接続鍔59a、59bの間に第1二次巻線62を巻回し、各巻線の端末を各巻線接続鍔59a、59b、59cにそれぞれ埋設された6枚の接続部材64に半田付けすることにより、3つの巻線をボビン60に巻回した3巻線コイルを得ている。一次巻線61、第1二次巻線62、第2二次巻線63の3つの巻線は、図8の変位量検出回路に示すように、それぞれの一方線端は接地電位、他方線端はそれぞれ単独に外部に引き出すために、4端子のコネクタ65に配線接続される。図5に示すように、一端がコネクタ65の4端子の接続刃の延長部分である4枚の接続板66a、66b、66c、66dをそれぞれ接続部材64の所定箇所に半田付けすることにより、リード配線を伴うことなく各巻線がコネクタ65に配線接続された状態に仕上げられる。このコイル体57は、図3、図4に示すように、コネクタ65の差込部分を外部露出させて樹脂モールド体67により被覆し、防湿性及び耐振性の向上を図っている。
図4に示すように、有底円筒軸状に形成されたシリンダ体58の下方に形成されたフランジ69上に押し上げバネ78を配し、その上にコイル体57を嵌挿させると、コイル体57は押し上げバネ78によって上方に付勢された状態になるので、シリンダ体58の上端に形成されたネジ部58aにナット79を螺入することにより、シリンダ体58にコイル体57を保持させることができ、シリンダ体58に嵌挿したコイル体57の高さ位置はナット79の螺入位置によって調整することができる。尚、コイル体57の樹脂モールド体67より下方に露出するボビン60の下端には、図5に示すように、切り割りが形成され、シリンダ体58の押し上げバネ78の嵌め込み部分に形成された凸部(図示せず)が切り割りの切欠き部分に嵌め合わされるので、コイル体57はシリンダ体58上で回転しないように保持される。
上記構成になる検知コイル部40のシリンダ体58内に進退移動自在に嵌入される変位ロッド部41は、図4に示すように、有底円筒軸状に形成されたロッド体43の中に円柱状に形成されたフェライト(磁性体)42を嵌挿し、その上に非磁性体材料によって形成したスペーサ48を挿入し、スペーサ48上に押圧バネ49を配して一端に上方自在継手45の球状体45aを形成したキャップ50をロッド体43の上端に形成されたネジ部に螺入することにより、フェライト42を一定位置に固定した状態に構成される。このバネ付勢によりフェライト42を所定位置に固定する構造により、樹脂材料であるロッド体43とフェライト42との熱膨張率の差によって変位ロッド体41が変形するのを防止することができる。洗濯機は温度変化が激しいので、このような熱膨張による変形を防止する構造は洗濯機に適用するのに好適なものとなる。
また、フェライト42は原材料物質の粉末を加圧成形して焼結したものであるため、衝撃等によって折損しやすいものであるが、例えロッド体43内で折損したとしても押圧バネ49によって中空部の段差上に押圧されているため、電気的な影響が出ない状態が維持される。従って、フェライト42は必ずしも所定長さのものを適用しなくても、短い長さのものを複数本積み重ねて収納することもでき、規格サイズ品の適用や折損し難い短いサイズの適用など柔軟な対応が可能である。また、押圧バネ49は非磁性体材料によって形成することが望ましく、押圧バネ49が磁性体であるフェライト42の延長部のように作用してフェライト42の長さを規制した効果を損なうことがない。ここでは非磁性体であるスペーサ48を介して押圧バネ49によってフェライト42を付勢しているので、押圧バネ49が磁性体、非磁性体のいずれであってもよく、材料選択の範囲を拡大することができる。また、ロッド体43の内部先端側に空間を設け、その空間から外部に向けて開口する水抜き穴51を形成しておくことにより、温度変化によりロッド体43の内部に結露が生じた場合でも結露水を排出させることができる。
上記構成になる変位ロッド部41のロッド体43は、検知コイル部40のシリンダ体58内に進退移動自在に嵌挿され、ピストンとシリンダとの関係のように動作するので、ロッド体43とシリンダ体58との間の摩擦係数を小さくする必要がある。一般的には摺動部分にグリス等の潤滑材料を塗布することにより摩擦係数の減少が図られるが、塗布された潤滑材料に繊維粉や塵埃が付着しやすく、長期間にわたって性能維持を図ることが困難である。ここでは、ロッド体43とシリンダ体58とを、両者間の摩擦係数が小さく、耐摩耗性のよい材料の組み合わせによって構成している。例えば、一方をポリアセタール、他方をポリアミドによって形成することにより、潤滑材料を用いることなく摺動摩擦が少ない状態が得られ、これらの材料は耐摩耗性にも優れているので、耐久性の向上にも有効である。また、シリンダ体58内にロッド体43が急激に進退移動したとき、シリンダ体58内の空気を圧縮又は膨張させることになるので、それによる変位ロッド部41の加わる進退移動に対する抵抗を排除するために、シリンダ体58の下端側には中空部内から外部に向けて開口する空気抜き穴80を設けることが好適な構造となる。この空気抜き穴80は、シリンダ体58内に侵入した水分や結露水の排出にも有効である。
上記変位センサ36は、図1に示したように水槽ユニット7と洗濯機筐体6の基底部との間に配設されて水槽ユニット7の変位量を検出するが、水槽ユニット7に生じる振れは三次元方向であり、洗濯機筐体6の基底部は一定状態にあるため、水槽ユニット7の振れによって破損したり配設位置から外れたりすることがない取付構造が必要となる。
変位ロッド部41は、図3、図4に示すように、ロッド体43の上端に螺合されたキャップ50の上端に球状体45aを形成し、水槽ユニット7に固定された下部支持金具74に装着される上部取付板47に球状体45aの直径に対応する内径の椀状体45bを形成して、球状体45aを椀状体45bに嵌め込んだ上方自在継手45が形成されている。また、検知コイル部40は、シリンダ体58の下端に球状体44aを形成し、洗濯機筐体6の基底部に固定された支持台73に装着される下部取付板46に椀状体44bを形成して、球状体44aを椀状体44bに嵌め込んだ下方自在継手44が形成されている。この上下に自在継手を設けた変位センサ36の取付構造により、変位センサ36は水槽ユニット7の振れに対して柔軟に追従し、振れ量に対応する変位ロッド部41の検知コイル部40に対する進退移動量が得られる。
前述したように検知コイル部40にはコネクタ65が設けられ、コネクタ65にリード接続がなされるため、検知コイル部40が回転するとコネクタ65に接続したリードが断線したり接続が外れる恐れがある。そこで、下方自在継手44には、自在運動を維持しつつ検知コイル部40の回転を阻止する回転阻止構造が形成されている。
図6に示すように、下方自在継手44を構成する球状体44aにはロッド体43の軸心方向に直交する直径方向に球面から両側に突出する円柱形状の一対の円柱突起52a、52bが形成されている。この球状体44aに対応する椀状体44bには、円柱突起52a、52bに対応する位置に係合溝53a、53bが形成されている。この係合溝53a、53bは、図7に断面図として示すように、椀状内周面をロッド体43の軸心Cが球状体44aの中心を回動中心として円柱突起52a、52bに形成位置方向に倒れたときの円柱突起52a、52bの軌跡上に形成している。円柱突起52a、52bが球状体44aの直径方向に形成されていることにより、ロッド体43の軸心Cが360度方向に倒れても円柱突起52a、52bを係合溝53a、53b内に保持することができる。従って、自在継手44として検知コイル部40の360度方向の振れに対して球状体44aと椀状体44bとの係合による自在移動は維持されるが、検知コイル部40がその軸心回りに回転することは円柱突起52a、52bが係合溝53a、53bに嵌り合っていることから阻止される。また、球状体44aから両側に突出する円柱突起52a、52bは、その直径が互いに異なるように形成し、各円柱突起52a、52bに対応する係合溝53a、53bの幅も異なるように形成することにより、検知コイル部40の装着方向を規制することができ、コネクタ65に対する配線接続を一定に保つことができる。
上記下方自在継手44を構成する球状体44a及び椀状体44b、上方自在継手45を構成する球状体45a及び椀状体45bについても、前述したロッド体43とシリンダ体58との摺動関係と同様に摩擦係数が小さくなるように、球状体44a、45aと椀状体44b、45bとは摩擦係数が小さくなる材料の組み合わせに構成される。本構成ではシリンダ体58の一端に球状体44aを一体に形成しているので、椀状体44bを一体に形成した下部取付板46とシリンダ体58の形成材料は摩擦係数が小さくなる異なる種類の組み合わせで構成することにより、摺動部分にグリス等の潤滑材を塗布することなく摺動性のよい係合関係が得られる。同様に、上方自在継手45についても、椀状体45bを一体に形成した上部取付板47と、球状体45aを一体に形成したキャップ50とは、異なる形成材料の組み合わせに構成される。摩擦係数が小さくなる形成材料の組み合わせは、例えば、一方がポリアセタールであり、他方がポリアミドとするのが好適なものとなる。
上述のように摺動接触部分の対向部材を摩擦係数が小さくなる材質の組み合わせになるように構成するために、変位センサ36全体での各構成要素の形成材料は、次に説明するように形成材料を選択するのが好適となる。摺動接触部分とは、前述したように上下の各自在継手44、45部分であり、ロッド体43とシリンダ体58との摺動部分である。
下方取付板46に設けた椀状体44bには係合溝53a、53bを形成して検知コイル部40の回転を阻止する構造としているが、上方取付板47に設けた椀状体45bに係合溝53a、53bが形成されていても球状体45aの自在移動に支障は生じない。従って、上方取付板47及び下方取付板46は共通部品とすることが可能である。この上方取付板47及び下方取付板46を樹脂成形により形成する材料区分を(B)とすると、椀状体44b、45bにそれぞれ対向する球状体44a、45aを一体に形成したシリンダ体58及びキャップ50を樹脂成形により形成する材料区分は(C)となる。更に、シリンダ体58内を摺動移動するロッド体43を樹脂成形する形成材料は、シリンダ体58の形成材料と異なるものとするため材料区分は(B)となる。ロッド体43はキャップ50を設けてキャップ50に球状体45aを一体形成しているので、このような材料区分が可能となり、摺動接触部分は摩擦係数が小さくなる材料(B)(C)でそれぞれ対向させることが可能になる。材料区分(B)は例えばポリアセタール、材料区分(C)は例えばポリアミドとして選択することができる。
また、変位センサ36は、防振ダンパー70の軸心方向と略同一方向の変位を検知することができるので、水槽ユニット7の振動を的確に検知することができる。更に、変位センサ36の装着は、防振ダンパー70を取り付けるための金具を共用することができるので、変位センサ36を取り付けるために別途取付部材を設ける無駄がなく、確実な装着が可能となる。変位センサ36の下部支持金具74及び支持台73への装着は、図3、図4に示すように、上部取付板47及び下部取付板46にそれぞれ同一構造に形成された係合片54及び係止突起55を下部支持金具74又は支持台73に形成された装着穴に差し込むだけの簡単な作業で実施することができる。即ち、折り曲げ形状に形成された係合片54を下部支持金具74又は支持台73に形成された穴に斜め方向から差し込み、装着面と取付面とが平行になるように係止突起55を下部支持金具74又は支持台73に形成された穴に押し込むと、係止突起5に形成された戻り止めが穴の縁に係止されるので、ネジ等の締結手段を用いることなく装着することができる。
本実施形態に係るドラム式洗濯機のように、水槽ユニット7を前上がりの斜め方向に配置し、その重心位置より正面寄りの位置を下方から防振ダンパー70によって支持し、第1及び第2の各コイルバネ71、72で水槽ユニット7を所定位置に弾性保持する制振構造が適用されたものでは、特に防振ダンパー70の作用が顕著に現れるため、本構成のように防振ダンパー70の制振方向と略同一方向に変位センサ36を装着することにより、水槽ユニット7の変位をより確実に検知することができる。
変位センサ36による水槽ユニット7の変位検知は、図8に示すように、検知コイル部40に設けられたコネクタ65に発振回路81及び検出回路82を接続することによりなされる。水槽ユニット7が所定位置にあって変位していない場合には、変位ロッド部41の検知コイル部40に対する進退移動量が変化しない基準位置にフェライト42があるので、発振回路81から一次巻線61に一定出力の励磁信号を印加すると、第1二次巻線62に励起される信号出力及び第2二次巻線63に励起される信号出力は一定の状態にある。発振回路81は所定周波数の正弦波あるいは三角波を励磁信号として一次巻線61に印加し、それによって第1二次巻線62及び第2二次巻線63に励起される信号出力をそれぞれ検出回路82で整流、平滑化することにより変位に対応する電圧出力が得られる。
ここでは、基準位置は、回転ドラム2内に洗濯物が収納されていない空の状態で、フェライト42の下端が一次巻線61の下端とほぼ同じ位置にある状態としているので、基準位置の設定に際しては、図3に示すように、ナット79を回転させて押し上げバネ78によって上方に付勢されている検知コイル部40の変位ロッド部41に対する高さ位置を調整すると、フェライト42のコイル内での位置を調節することができる。フェライト42は目視できないので、設定作業では回転ドラム2が空の状態で第1二次巻線62及び第2二次巻線63それぞれの出力信号が検出回路82から基準位置に対応する電圧として出力されるようにナット79を回転させることにより容易に調整できる。
図9に示すように、水槽ユニット7が変位するのに伴って変位ロッド部41が検知コイル部40内で進退移動すると、フェライト42の位置が変化するので、第1二次巻線62に励起される出力信号から検知回路82によって得られる電圧は図示A1に示すような変化曲線となる。図示例では基準位置を境にして伸び側で10mm、圧縮側で15mmの範囲内ではほぼ直線的な変化態様となっている。この伸縮範囲は回転ドラム2に洗濯物を収納できる範囲内なので、回転ドラム2内に投入された洗濯物の量によって水槽ユニット7の沈み込み位置が変位するので、第1二次巻線62から得られる検知回路82の出力電圧を布量検知にも用いることができる。
一方、第2二次巻線63に励起される出力信号から検知回路82で得られる出力電圧は、図示A2に示すような変化となる。基準位置から伸び側で10mm、圧縮側で40mmの範囲ではほぼ直線的な変化を示しており、これは回転ドラム2内に洗濯物を収納し、洗濯行程で水槽3内に水が入った最大荷重状態までカバーできる範囲内なので、第2二次巻線63の出力信号から検知回路82で得られる出力電圧の変化は、水槽ユニット7の振動に伴う変位検知に好適なものとなる。
水槽ユニット7は、一般的に、複数の共振周波数を有している。例えば、共振周波数に相当する回転速度として、その1つは、120r/min近傍(1次共振回転速度と呼ぶ)にあり、また1つは、250r/min近傍(2次共振回転速度と呼ぶ)にある。さらに、1000r/min以上にも存在している。
上記構成になるドラム式洗濯機1は、扉体9を開いて回転ドラム2内に洗濯物を投入し、洗濯機筐体6の正面側上部に設けられた入力設定手段21から運転コースの選択入力や運転開始入力を行うことにより、指示された運転コースに対応する運転動作を開始し、制御手段20の制御により所要の動作を実行する。回転ドラム2内に投入された洗濯物の量は布量検知手段30によって検知され、制御手段20により洗濯物の量に応じた給水量が得られるように給水弁14の開閉が制御され、水位検知手段16により水槽3内への給水量が監視される。布量検知は、回転ドラム2を所定回転数で立ち上げるときにドラム駆動モータ5が受ける負荷状態に応じてインバータ回路26に流れる電流が変化するので、電流回路と直列に接続された抵抗器28の両端電圧から電流検知回路29により電流量を検知し、布量検知手段30は電流量から洗濯物の量を検知する。尚、布量検知は前述した変位センサ36によって検知することもできるので、抵抗器28及び電流検知回路29によって構成された電流検知手段27は、ドラム駆動モータ5のトルク検出に用いるように構成することもできる。
ここで、図10を参照しながら脱水工程における動作を説明する。図10に示すように、ステップ100にて脱水行程がスタートすると、ステップ101にて水槽3内の洗濯水を排水する排水動作を行う。その後、ステップ102にてデータの初期化(N=1)を行った後、ステップ103にて衣類をほぐすために回転ドラム2を第3の所定回転速度(例えば約40r/min)で正転、反転動作(ほぐし工程)を行う。次に、ステップ103にて洗濯物が回転ドラム2の内面に張り付く程度の第4の所定回転速度(約70r/min)まで緩やかに上昇させる。この後、さらに回転ドラム2の回転速度をさらに上昇させ、ステップ104にて回転ドラム2を1次共振回転速度より低い第1の所定回転速度(例えば約90r/min)にて所定時間維持する制御を行う。このとき、回転数検出手段(位置検出手段24a、24b、24c)からの信号が所定間隔で出力されないことが検出されると、回転ドラム2に回転ムラが生じている状態、即ち洗濯物の内周壁への張り付きが悪く、布バランスが悪い状態と判定できる。従って、ドラム駆動モータ5の回転速度の変動幅を布バランスの判定値として設定することにより、回転ドラム2内の洗濯物のバランス状態を判断することができる。すなわち、この区間において回転数検知手段によって、制御目標回転数と実際の回転数との差異(回転ムラ)を積算し、洗濯物のバランス状態の判定を行う。
ここで、回転ムラが大きくバランス状態が悪い判定すると、ステップ106を経て107にて回転ドラム2を停止し、ステップ108でNに1を加えてステップ103に戻る。このステップ103から108の動作を所定回数繰り返すと、すなわち、ステップ106にてN=4になると、ステップ109に進み、給水するなど洗濯物の偏り修正動作を行い、ステップ114の次行程へと進む。
ステップ105にて、回転ムラが小さく、バランス状態が良いと判定された場合は、さらに回転数を上昇させ、ステップ110にて区間A:100〜140r/min(1次共振回転速度近傍)における水槽ユニット7の振動変位を変位センサ36にて検知し、その振動変位が第1の判定値以上の場合は、布バランス状態が悪いと判定し、ステップ106〜108を経てステップ103に戻る動作を行う。また、ステップ110にて振動変位が第1の判定値未満の場合は、布バランス状態がよいと判定し、ステップ111に進む。
ステップ111にて、電流検知手段27でインバータ回路26に流れる電流を検知する。このとき、ステップ110で水槽ユニット7の振動変位が小さく布バランスが良いと判定されたとしても、洗濯物が変位センサ36の対応位置から離れたところ、例えば、回転ドラム2の前側に偏った場合などは、変位センサ36により検知される振動変位は小さいが、実際の水槽ユニット7の振動変位は大きく、いわゆる、前側のみが大きく旋回運動する擂粉木現象が発生することとなる。これにより、異常な振動・騒音が発生してしまうこととなる。そこで、このような擂粉木現象が発生した場合などは、回転ドラム2は円滑には回転せず、したがって、ドラム駆動モータ5には、異常な負荷がかかるため、インバータ回路26には過電流が流れることとなる。すなわち、ステップ111にて、電流検知手段27でインバータ回路26に流れる電流を検知して、第1の所定値以上の電流値であれば、布バランス状態が悪いと判定し、ステップ106〜108を経てステップ103に戻る動作を行う。また、ステップ111にて、電流検知手段27でインバータ回路26に流れる電流が、第1の所定値未満の電流値であれば、布バランス状態がよいと判定し、ステップ112に進む。
ステップ112にて、区間B:141〜330r/min(2次共振回転速度近傍)における水槽ユニット7の振動変位を変位センサ36にて検知し、その振動変位が第2の判定値以上の場合は、布バランス状態が悪いと判定し、ステップ110の場合と同様に、ステップ106〜108を経てステップ103に戻る動作を行う。また、ステップ112にて振動変位が第2の判定値未満の場合は、布バランス状態がよいと判定し、ステップ113に進む。
ステップ113にて、電流検知手段27でインバータ回路26に流れる電流を検知する。この場合も、ステップ111と同様に、水槽ユニット7の異常振動を検知する。電流検知手段27でインバータ回路26に流れる電流を検知して、第2の所定値以上の電流値であれば、布バランス状態が悪いと判定し、ステップ106〜108を経てステップ103に戻る動作を行う。また、電流検知手段27でインバータ回路26に流れる電流が、第2の所定値未満の電流値であれば、布バランス状態がよいと判定し、ステップ114に進む。
ステップ114にて区間C:600〜700r/min(振動収束、安定回転数域)で変位センサ36にて直接、水槽ユニットの振動変位を検知し、アンバランス状態を判定する。
ここで、振動変位が第3の判定値未満の場合は、布バランス状態がよいと判定し、ステップ115に進む。ステップ115においては、第2の所定回転速度(最高回転速度:例えば、約900r/min)で、第1の所定時間回転ドラム2を回転させ、その後、ステップ116にて回転ドラム2の回転を停止し、ステップ117にて次工程へと進む。
また、ステップ114にて、振動変位が第3の判定値以上の場合は、布バランス状態が悪いと判定し、ステップ118に進む。ステップ118においては、第2の所定回転速度より低い第5の所定回転速度(例えば、約800r/min)で、第1の所定時間より長い第2の所定時間回転ドラム2を回転させる。その後、ステップ116にて回転ドラム2の回転を停止し、ステップ117にて次工程へと進む。
このとき、第5の所定回転速度が第2の所定回転速度より低い分、第2の所定時間を第1の所定時間より長く設定しているので、所定の脱水性能を確保することができる。
なお、水槽ユニット7の共振周波数により、判定する1次共振回転速度近傍、2次共振回転速度近傍および振動収束、安定回転数域における水槽ユニット7の振動状態が異なるため、第1〜第3の判定値をそれぞれに設定することにより、より適切で正確な布バランスの判定を行うことができる。
また、一般的に、洗濯物量が少ない場合は、洗濯物が回転ドラム2の底部側に集まるために水槽ユニット7の後部が振れやすくなるが、水槽ユニット7の重心は後方にあるため、その振動は小さくなる傾向にある。かつ、重量が少ないため水槽ユニット7(防振ダンパー70)の沈み込みが少ないので、洗濯機筐体6などの部材に接触し難い。さらに、脱水により洗濯物から水分が抜けると、アンバランス量が大幅に減る傾向があるため、多少振れが大きくても、大きな振動が発生する可能性が低いので、ある程度布バランス判定のための判定値を緩く設定できる。
一方、洗濯物量が多い場合は、水槽ユニット7の重心からはなれた回転ドラム2の扉体9側にもアンバランスが発生するため、水槽ユニット7全体の振動が大きくなる可能性が高く、また、水槽ユニット7(防振ダンパー70)の沈み込みも大きいので、洗濯機筐体6などの部材に接触しやすい。さらに、脱水によっても洗濯物から水分が抜け難いため、振動が減少しにくく、大きな振動が発生する可能性が高いので、布バランス判定のための判定値を厳しく設定する必要がある。
つまり、ステップ105、110、112および114における布バランス判定のための判定値およびステップ111および113インバータ回路26に流れる電流の所定値を洗濯物量に応じて、適正な値に設定することで、より精度の高い判断が可能となる。
以上のように、本発明にかかるドラム式洗濯機は、回転ドラムの回転速度に応じて精度よく適切に洗濯物のバランス状態を判定することができ、その判定結果に基づいてドラム駆動モータの回転制御を行うことで、脱水工程時の振動、騒音を効果的に低減することが可能となるので、ドラム式洗濯機のみならず、乾燥機能を有するドラム式洗濯乾燥機、あるいは、回転軸を略垂直方向に有する全自動洗濯機、全自動洗濯乾燥機等の用途にも適用できる。
実施形態に係るドラム式洗濯機の要部構成を示す断面図 同上ドラム式洗濯機の制御装置の構成を示す回路図 変位センサの構成を示す斜視図 変位センサの構成を示す断面図 変位センサを構成するコイル体の構成を示す斜視図 下方自在継手の構造を示す斜視図 下方自在継手を構成する椀状体の断面図 変位センサを用いた変位検出回路の構成を示す回路図 変位検出回路から得られる出力電圧の変化を示すグラフ 同上ドラム式洗濯機の脱水行程のフローチャート
符号の説明
1 ドラム式洗濯機
2 回転ドラム
3 水槽
5 ドラム駆動モータ
6 洗濯機筐体(洗濯機本体)
20 制御手段
24 位置検出手段(回転速度検知手段)
36 変位センサ(変位検知手段)

Claims (5)

  1. 洗濯物を収容し水平方向または傾斜方向に回転中心軸を有する回転ドラムと、前記回転ドラムを回転自在に内包し洗濯機本体内に弾性的に支持された水槽と、前記回転ドラムを回転駆動するドラム駆動モータと、前記ドラム駆動モータの回転速度を検知する回転速度検知手段と、前記水槽の変位を検知する変位検知手段と、前記回転速度検知手段および変位検知手段等からの信号を入力し前記ドラム駆動モータを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、各行程における脱水動作において、前記回転ドラムをその内周壁に洗濯物が張り付きやすくなる第1の所定回転速度まで立ち上げる第1の脱水立ち上げ工程と、前記回転ドラムが前記第1の所定回転速度で回転中に前記内周壁に洗濯物が均等に張り付いているか否かの判定を行う第1の布バランス判定工程と、前記第1の布バランス判定工程でバランスが良好と判定された時前記第1の所定回転速度から第2の所定回転速度まで立ち上げる第2の脱水立ち上げ工程と、前記第2の脱水立ち上げ工程時に前記内周壁に洗濯物が均等に張り付いているか否かの判定を行う第2の布バランス判定工程とを実行可能とし、前記第1の布バランス工程においては、前記回転速度検知手段により検知した回転速度の変動幅にて布バランスの判定を行い、前記第2の布バランス判定工程においては、前記変位検知手段により検知した変位で布バランスの判定を行うことを特徴とするドラム式洗濯機。
  2. 制御手段は、第1の所定回転速度を、回転ドラム、水槽およびドラム駆動モータ等を一体化した水槽ユニットの共振周波数に相当する回転速度より低い回転速度とすることを特徴とする請求項1記載のドラム式洗濯機。
  3. 制御手段は、第2の布バランス判定工程における布バランスの判定を、複数の異なった回転速度上昇区間で、それぞれ行うことを特徴とする請求項1または2に記載のドラム式洗濯機。
  4. 布量検知手段を備え、制御手段は、第1の布バランス工程における布バランスの判定を行う第1の判定値と、第2の布バランス工程における布バランスの判定を行う第2の判定値の少なくともいずれか一方の判定値を、前記布量検知手段により検知した布量に応じて、変動させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のドラム式洗濯機。
  5. 変位検知手段は、1つの励磁コイルと、前記励磁コイルと同軸上に配された少なくとも2つの検知コイルと、前記励磁コイル及び検知コイルの軸中心部で移動自在のコアとで構成し、前記検知コイルと前記コアのいずれか一方が前記水槽の変位に連動して移動するように構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のドラム式洗濯機。
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