JP2006110686A - 研磨パッド - Google Patents

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雅彦 中森
Tetsuo Shimomura
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孝敏 山田
Kazuyuki Ogawa
一幸 小川
Atsushi Kazuno
淳 数野
Kimihiro Watanabe
公浩 渡邊
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Abstract

【課題】 研磨を行っている状態で高精度の光学終点検知を可能とし、長期間使用した場合であっても研磨領域と光透過領域との間からのスラリー漏れを防止することができる研磨パッドを提供すること、及び該研磨パッドを用いた半導体デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 研磨領域および光透過領域を有する研磨パッドにおいて、前記研磨領域は光透過領域を設けるための開口部を有しており、該開口部の周囲には凹凸部Aが形成されており、前記光透過領域の周囲には凹凸部Bが形成されており、かつ前記凹凸部Aと前記凹凸部Bとが係合していることを特徴とする研磨パッド。
【選択図】 図7

Description

本発明は、半導体ウエハなどの被研磨体表面の凹凸をケミカルメカニカルポリシング(CMP)で平坦化する際に使用される研磨パッドに関し、詳しくは、研磨状況等を光学的手段により検知するための窓を有する研磨パッド、及び該研磨パッドを用いた半導体デバイスの製造方法に関する。
半導体装置を製造する際には、半導体ウエハ(以下、ウエハともいう)表面に導電性膜を形成し、フォトリソグラフィー、エッチング等をすることにより配線層を形成する形成する工程や、配線層の上に層間絶縁膜を形成する工程等が行われ、これらの工程によってウエハ表面に金属等の導電体や絶縁体からなる凹凸が生じる。近年、半導体集積回路の高密度化を目的として配線の微細化や多層配線化が進んでいるが、これに伴い、ウエハ表面の凹凸を平坦化する技術が重要となってきた。
ウエハ表面の凹凸を平坦化する方法としては、一般的にCMP法が採用されている。CMPは、ウエハの被研磨面を研磨パッドの研磨面に押し付けた状態で、砥粒が分散されたスラリー状の研磨剤(以下、スラリーという)を用いて研磨する技術である。
CMPで一般的に使用する研磨装置は、例えば、研磨パッドを支持する研磨定盤と、被研磨体(ウエハなど)を支持する支持台(ポリシングヘッド)とウエハの均一加圧を行うためのバッキング材と、研磨剤の供給機構を備えている。研磨パッドは、例えば、両面テープで貼り付けることにより、研磨定盤に装着される。研磨定盤と支持台とは、それぞれに支持された研磨パッドと被研磨体が対向するように配置され、それぞれに回転軸を備えている。また、支持台には、被研磨体を研磨パッドに押し付けるための加圧機構が設けてある。
このようなCMPを行う上で、ウエハ表面平坦度の判定の問題がある。すなわち、希望の表面特性や平面状態に到達した時点を検知する必要がある。従来、酸化膜の膜厚や研磨速度等に関しては、テストウエハを定期的に処理し、結果を確認してから製品となるウエハを研磨処理することが行われてきた。
しかし、この方法では、テストウエハを処理する時間とコストが無駄になり、また、あらかじめ加工が全く施されていないテストウエハと製品ウエハでは、CMP特有のローディング効果により、研磨結果が異なり、製品ウエハを実際に加工してみないと、加工結果の正確な予想が困難である。
そのため、最近では上記の問題点を解消するために、CMPプロセス時に、その場で、希望の表面特性や厚さが得られた時点を検出できる方法が望まれている。このような検知については、様々な方法が用いられている。現在、提案されている検知手段としては、
(1)ウエハとパッド間の摩擦係数をウエハ保持ヘッドや定盤の回転トルクの変化として検出するトルク検出法(特許文献1)
(2)ウエハ上に残る絶縁膜の厚さを検出する静電容量法(特許文献2)
(3)回転定盤内にレーザー光による膜厚モニター機構を組み込んだ光学的方法(特許文献3、特許文献4)
(4)ヘッドあるいはスピンドルに取り付けた振動や加速センサーから得る周波数スペクトルを解析する振動解析方法
(5)ヘッド内に内蔵した差動トランス応用検出法
(6)ウエハと研磨パッドとの摩擦熱やスラリーと被研磨対象物との反応熱を赤外線放射温度計で計測する方法(特許文献5)
(7)超音波の伝播時間を測定することにより被研磨対象物の厚みを測定する方法(特許文献6、特許文献7)
(8)ウエハ表面の金属膜のシート抵抗を計測する方法(特許文献8)
などが挙げられる。現在、(1)の方法が多く用いられているが、測定精度や非接触測定における空間分解能の点から(3)の方法が主流となりつつある。
(3)の方法である光学的検知手段とは、具体的には光ビームを窓(光透過領域)を通して研磨パッド越しにウエハに照射して、その反射によって発生する干渉信号をモニターすることによって研磨の終点を検知する方法である。
現在、光ビームとしては、600nm付近の波長光を持つHe―Neレーザー光や380〜800nmに波長光を持つハロゲンランプを使用した白色光が一般的に用いられている。
このような方法では、ウエハの表面層の厚さの変化をモニターして、表面凹凸の近似的な深さを知ることによって終点が決定される。このような厚さの変化が凹凸の深さに等しくなった時点で、CMPプロセスを終了させる。また、このような光学的手段による研磨の終点検知法およびその方法に用いられる研磨パッドについては様々なものが提案されてきた。
例えば、固体で均質な190nmから3500nmの波長光を透過する透明なポリマーシートを少なくとも一部分に有する研磨パッドが開示されている(特許文献9)。また、段付の透明プラグが挿入された研磨パッドが開示されている(特許文献3)。さらに、ポリシング面と同一面である透明プラグを有する研磨パッドが開示されている(特許文献10)。
さらに、スラリーが研磨領域と光透過領域との境界(継ぎ目)から漏れ出さないための提案(特許文献11、12)もなされている。しかし、これら透明な漏れ防止シートを設けた場合でも、スラリーが研磨領域と光透過領域との境界(継ぎ目)から研磨層下部に漏れ出し、この漏れ防止シート上にスラリーが堆積して光学的終点検知に問題が生じる。
今後、半導体製造における高集積化・超小型化において、集積回路の配線幅はますます小さくなっていくことが予想され、その際には高精度の光学的終点検知が必要となるが、従来の終点検知用窓は、上記スラリー漏れの問題を十分に解決できていない。
米国特許第5069002号明細書 米国特許第5081421号明細書 特開平9−7985号公報 特開平9−36072号公報 米国特許第5196353号明細書 特開昭55−106769号公報 特開平7−135190号公報 米国特許第5559428号明細書 特表平11−512977号公報 特開平10−83977号公報 特開2001−291686号公報 特表2003−510826号公報
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、研磨を行っている状態で高精度の光学終点検知を可能とし、長期間使用した場合であっても研磨領域と光透過領域との間からのスラリー漏れを防止することができる研磨パッドを提供すること、及び該研磨パッドを用いた半導体デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上述のような現状に鑑み鋭意研究を重ねた結果、下記構造の研磨パッドを用いることにより、たとえ長期間使用した場合であっても研磨領域と光透過領域との間からのスラリー漏れを防止することができることを見出した。
すなわち本発明は、研磨領域および光透過領域を有する研磨パッドにおいて、前記研磨領域は光透過領域を設けるための開口部を有しており、該開口部の周囲には凹凸部Aが形成されており、前記光透過領域の周囲には凹凸部Bが形成されており、かつ前記凹凸部Aと前記凹凸部Bとが係合していることを特徴とする研磨パッド、に関する。
従来の研磨領域および光透過領域を有する研磨パッドは、図1、2のように、開口部や光透過領域の周囲に凹凸部を有しない構造をしている。CMPでは、研磨パッドとウエハなどの被研磨対象物とが共に自転・公転し、加圧下での摩擦によって研磨が実行される。研磨中においては、光透過領域および研磨領域に種々(特に、水平方向)の力が働いているため、両部材の境界で引き剥がし状態が常に生じている。従来の研磨パッドは両部材の境界で剥がれやすく、境界に隙間が生じてスラリー漏れが発生すると考えられる。このスラリー漏れが光終点検出部における曇りなどの光学的問題を起こし、終点検出精度を低下又は不能にすると考えられる。
本発明の研磨パッドは、上記のような特徴ある構造をしているため、研磨中に光透過領域と研磨領域とを引き剥がす力が働いた場合でも、それに耐え得る十分な抵抗力を有する。そのため、光透過領域と研磨領域との境界で剥がれが生じ難く、効果的にスラリー漏れを防止することができる。また、研磨中は加圧機構により被研磨対象物が研磨パッドに押しつけられており、研磨パッドに働く垂直方向の力により凹凸部Aと凹凸部Bとの係合部分が密着し、より効果的にスラリー漏れを防止することができる。
前記研磨パッドは、凹凸部Aと凹凸部Bとの間に、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂を含有する接着剤からなる接着剤層が設けられていることが好ましい。凹凸部Aと凹凸部Bとの係合部分はできるだけ密着していることが好ましいが、例えば凹凸部Aを有する開口部に凹凸部Bを有する光透過領域を嵌め込んで製造する場合には、完全に合致する凹凸形状を形成することが困難であるため、係合部分に隙間が発生する場合がある。そこで、凹凸部Aと凹凸部Bとの間に、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂を含有する接着剤からなる接着剤層を設けることにより、係合部分の隙間を完全に埋めることができるだけでなく、凹凸部Aと凹凸部Bとの密着力を高めることができ、係合(嵌合)をより強固にすることができる。そのためスラリー漏れをより効果的に防止することができる。熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂は、加熱や光照射することにより容易に硬化させることができるので、接着剤層の形成において好ましい材料である。
本発明の別の研磨パッドは、研磨領域および光透過領域を有する研磨パッドにおいて、前記研磨領域は光透過領域を設けるための開口部を有しており、該開口部の周囲かつ研磨領域内部には凹部Cが形成されており、前記光透過領域の周囲には凸部Dが形成されており、かつ前記凹部Cと前記凸部Dとが係合していることを特徴とする。
前記研磨パッドの構造でも効果的にスラリー漏れを防止することができる。その理由としては、研磨中は加圧機構により被研磨対象物が研磨パッドに押しつけられており、研磨パッドに働く垂直方向の力により凹部Cと凸部Dとの係合部分がより密着するためと考えられる。
本発明において、前記光透過領域の形成材料は無発泡体であることが好ましい。無発泡体であれば光の散乱を抑制することができるため、正確な反射率を検出することができ、研磨の光学終点の検出精度を高めることができる。
また、前記光透過領域の研磨側表面に研磨液を保持・更新する凹凸構造を有しないことが好ましい。光透過領域の研磨側表面にマクロな表面凹凸があると、凹部に砥粒等の添加剤を含有したスラリーが溜まり、光の散乱・吸収が起こり、検出精度に影響を及ぼす傾向にある。さらに、光透過領域の他面側表面もマクロな表面凹凸を有しないことが好ましい。マクロな表面凹凸があると、光の散乱が起こりやすく、検出精度に影響を及ぼすおそれがあるからである。
本発明においては、前記研磨領域の形成材料が、微細発泡体であることが好ましい。
また、前記研磨領域の研磨側表面に溝が設けられていることが好ましい。
また、前記微細発泡体の平均気泡径は、70μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは50μm以下である。平均気泡径が70μm以下であれば、プラナリティ(平坦性)が良好となる。
また、前記微細発泡体の比重は、0.5〜1.0であることが好ましく、さらに好ましくは0.7〜0.9である。比重が0.5未満の場合、研磨領域の表面の強度が低下し、被研磨対象物のプラナリティが低下し、また、1.0より大きい場合は、研磨領域表面の微細気泡の数が少なくなり、プラナリティは良好であるが、研磨速度が小さくなる傾向にある。
また、前記微細発泡体の硬度は、アスカーD硬度で35〜65度であることが好ましく、さらに好ましくは35〜60度である。アスカーD硬度が35度未満の場合には、被研磨対象物のプラナリティが低下し、65度より大きい場合には、プラナリティは良好であるが、被研磨対象物のユニフォーミティ(均一性)が低下する傾向にある。
また、前記微細発泡体の圧縮率は、0.5〜5.0%であることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜3.0%である。圧縮率が前記範囲内にあれば十分にプラナリティとユニフォーミティを両立させることが可能となる。なお、圧縮率は下記式により算出される値である。
圧縮率(%)={(T1―T2)/T1}×100
T1:微細発泡体に無負荷状態から30kPa(300g/cm)の応力の負荷を60秒間保持した時の微細発泡体の厚み。
T2:T1の状態から180kPa(1800g/cm)の応力の負荷を60秒間保持した時の微細発泡体の厚み。
また、前記微細発泡体の圧縮回復率は、50〜100%であることが好ましく、さらに好ましくは60〜100%である。50%未満の場合には、研磨中に繰り返しの荷重が研磨領域にかかるにつれて、研磨領域の厚みに大きな変化が現れ、研磨特性の安定性が低下する傾向にある。なお、圧縮回復率は下記式により算出される値である。
圧縮回復率(%)={(T3―T2)/(T1―T2)}×100
T1:微細発泡体に無負荷状態から30kPa(300g/cm)の応力の負荷を60秒間保持した時の微細発泡体の厚み。
T2:T1の状態から180kPa(1800g/cm)の応力の負荷を60秒間保持した時の微細発泡体の厚み。
T3:T2の状態から無負荷状態で60秒間保持し、その後、30kPa(300g/cm)の応力の負荷を60秒間保持した時の微細発泡体の厚み。
また、前記微細発泡体の40℃、1Hzにおける貯蔵弾性率が、150MPa以上であることが好ましく、さらに好ましくは250MPa以上である。貯蔵弾性率が150MPa未満の場合には、研磨領域の表面の強度が低下し、被研磨対象物のプラナリティが低下する傾向にある。なお、貯蔵弾性率とは、微細発泡体に動的粘弾性測定装置で引っ張り試験用治具を用い、正弦波振動を加え測定した弾性率をいう。
また、本発明は、前記記載の研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を含む半導体デバイスの製造方法、に関する。
本発明の研磨パッドは、研磨領域および光透過領域を少なくとも有する。
光透過領域の形成材料は特に制限されないが、研磨を行っている状態で高精度の光学終点検知を可能とし、波長400〜700nmの全範囲で光透過率が20%以上である材料を用いることが好ましく、さらに好ましくは光透過率が50%以上の材料である。そのような材料としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、及びアクリル樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース系樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ハロゲン系樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、ポリスチレン、及びオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)などの熱可塑性樹脂、紫外線や電子線などの光により硬化する光硬化性樹脂、及び感光性樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、熱硬化性樹脂は比較的低温で硬化するものが好ましい。光硬化性樹脂を使用する場合には、光重合開始剤を併用することが好ましい。
また、研磨領域に用いられる形成材料や研磨領域の物性に類似する材料を用いることが好ましい。特に、研磨中のドレッシング痕による光透過領域の光散乱を抑制できる耐摩耗性の高いポリウレタン樹脂が望ましい。
前記ポリウレタン樹脂は、有機イソシアネート、ポリオール(高分子量ポリオールや低分子量ポリオール)、及び鎖延長剤からなるものである。
有機イソシアネートとしては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
有機イソシアネートとしては、上記ジイソシアネート化合物の他に、3官能以上の多官能ポリイソシアネート化合物も使用可能である。多官能のイソシアネート化合物としては、デスモジュール−N(バイエル社製)や商品名デュラネート(旭化成工業社製)として一連のジイソシアネートアダクト体化合物が市販されている。これら3官能以上のポリイソシアネート化合物は、単独で使用するとプレポリマー合成に際して、ゲル化しやすいため、ジイソシアネート化合物に添加して使用することが好ましい。
高分子量ポリオールとしては、ポリテトラメチレンエーテルグリコールに代表されるポリエーテルポリオール、ポリブチレンアジペートに代表されるポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカプロラクトンのようなポリエステルグリコールとアルキレンカーボネートとの反応物などで例示されるポリエステルポリカーボネートポリオール、エチレンカーボネートを多価アルコールと反応させ、次いで得られた反応混合物を有機ジカルボン酸と反応させたポリエステルポリカーボネートポリオール、及びポリヒドキシル化合物とアリールカーボネートとのエステル交換反応により得られるポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、ポリオールとして上述した高分子量ポリオールの他に、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等の低分子量ポリオールを併用してもよい。
鎖延長剤としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等の低分子量ポリオール類、あるいは2,4−トルエンジアミン、2,6−トルエンジアミン、3 ,5 −ジエチル−2 ,4 −トルエンジアミン、4,4’−ジ−sec−ブチルージアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’,3,3’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−メチレン−ビス−メチルアンスラニレート、4,4’−メチレン−ビス−アンスラニリックアシッド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、4,4’−メチレン−ビス(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジエチルジフェニルメタン、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン、トリメチレングリコール−ジ−p−アミノベンゾエート、3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン等に例示されるポリアミン類を挙げることができる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。ただし、ポリアミン類については自身が着色していたり、これらを用いてなる樹脂が着色する場合も多いため、物性や光透過性を損なわない程度に配合することが好ましい。また、芳香族炭化水素基を有する化合物を用いると短波長側での光透過率が低下する傾向にあるため、このような化合物を用いないことが特に好ましい。また、ハロゲン基やチオ基などの電子供与性基又は電子吸引性基が芳香環等に結合している化合物は、光透過率が低下する傾向にあるため、このような化合物を用いないことが特に好ましい。ただし、短波長側で要求される光透過性を損なわない程度に配合してもよい。
前記ポリウレタン樹脂における有機イソシアネート、ポリオール、及び鎖延長剤の比は、各々の分子量やこれらから製造される光透過領域の所望物性などにより適宜変更できる。ポリオールと鎖延長剤の合計官能基(水酸基+アミノ基)数に対する有機イソシアネートのイソシアネート基数は、0.95〜1.15であることが好ましく、さらに好ましくは0.99〜1.10である。前記ポリウレタン樹脂は、溶融法、溶液法など公知のウレタン化技術を応用して製造することができるが、コスト、作業環境などを考慮した場合、溶融法で製造することが好ましい。
前記ポリウレタン樹脂の重合手順としては、プレポリマー法、ワンショット法のどちらでも可能であるが、研磨時のポリウレタン樹脂の安定性及び透明性の観点から、事前に有機イソシアネートとポリオールからイソシアネート末端プレポリマーを合成しておき、これに鎖延長剤を反応させるプレポリマー法が好ましい。また、前記プレポリマーのNCO重量%は2〜8重量%程度であることが好ましく、さらに好ましくは3〜7重量%程度である。NCO重量%が2重量%未満の場合には、反応硬化に時間がかかりすぎて生産性が低下する傾向にあり、一方NCO重量%が8重量%を超える場合には、反応速度が速くなり過ぎて空気の巻き込み等が発生し、ポリウレタン樹脂の透明性や光透過率等の物理特性が悪くなる傾向にある。なお、光透過領域に気泡がある場合には、光の散乱により反射光の減衰が大きくなり研磨終点検出精度や膜厚測定精度が低下する傾向にある。したがって、このような気泡を除去するために前記材料を混合する前に10Torr以下に減圧することにより材料中に含まれる気体を十分に除去することが好ましい。また、混合後の撹拌工程においては気泡が混入しないように、通常用いられる撹拌翼式ミキサーの場合には、回転数100rpm以下で撹拌することが好ましい。また、撹拌工程においても減圧下で行うことが好ましい。さらに、自転公転式混合機は、高回転でも気泡が混入しにくいため、該混合機を用いて撹拌、脱泡を行うことも好ましい方法である。
周囲に凹凸部Bを有する光透過領域の作製方法としては、例えば、1)製造した樹脂ブロックをバンドソー方式やカンナ方式のスライサーを用いて所定厚みの樹脂シートを作製し、該シートに切削加工(金属バイトやレーザーによるパターンニング)することにより、研磨領域の開口部の凹凸部Aに嵌合させるための凹凸部Bを形成する方法、2)シート成形により得た樹脂シートに光加工(露光現像工程によるパターンニング)をすることにより、研磨領域の開口部の凹凸部Aに嵌合させるための凹凸部Bを形成する方法、3)凹凸部B及び光透過領域の形状を備えた金型に光透過領域形成材料を流し込んで硬化させて作製する方法、4)研磨領域の凹凸部Aを有する開口部に光透過領域形成材料を流し込んで硬化させて作製する方法などが挙げられる。係合部分は微細な形状であり、できるだけ隙間なく密着していることが好ましいため、使用する樹脂の特性に応じて前記製法から適宜選択して行うことが望ましい。
光透過領域の形状、大きさは特に制限されるものではないが、研磨領域の開口部と同様の形状、大きさにすることが好ましい。
光透過領域の厚さは特に制限されるものではないが、研磨領域の厚みと同一厚さ、またはそれ以下にすることが好ましい。具体的には、0.5〜6mm程度であり、好ましくは0.6〜5mm程度である。光透過領域が研磨領域より厚い場合には、研磨中に突き出た部分によりシリコンウエハを傷つける恐れがある。また、研磨の際にかかる応力により光透過領域が変形し、光学的に大きく歪むため研磨の光学終点検知精度が低下する恐れがある。一方、薄すぎる場合には耐久性が不十分になったり、光透過領域の上面に大きな凹部が生じて多量のスラリーが溜まり、光学終点検知精度が低下する恐れがある。
また、光透過領域の厚みのバラツキは、100μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは50μm以下である。厚みのバラツキが100μmを越える場合には、大きなうねりを持ったものとなり、ウエハに対する接触状態が異なる部分が発生するため研磨特性に影響を及ぼす傾向にある。
厚みのバラツキを抑える方法としては、所定厚みにしたシート表面をバフィングする方法が挙げられる。バフィングは、粒度などが異なる研磨シートを用いて段階的に行うことが好ましい。なお、光透過領域をバフィングする場合には、表面粗さは小さければ小さい程良い。表面粗さが大きい場合には、光透過領域表面で入射光が乱反射するため光透過率が下がり、検出精度が低下する傾向にある。
研磨領域の形成材料としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ハロゲン系樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、ポリスチレン、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、エポキシ樹脂、及び感光性樹脂などが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なお、研磨領域の形成材料は、光透過領域と同組成でも異なる組成であってもよいが、光透過領域に用いられる形成材料と同種の材料を用いることが好ましい。
ポリウレタン樹脂は耐摩耗性に優れ、原料組成を種々変えることにより所望の物性を有するポリマーを容易に得ることができるため、研磨領域の形成材料として特に好ましい材料である。
前記ポリウレタン樹脂は、有機イソシアネート、ポリオール(高分子量ポリオールや低分子量ポリオール)、鎖延長剤からなるものである。
使用する有機イソシアネートは特に制限されず、例えば、前記有機イソシアネートが挙げられる。
使用する高分子量ポリオールは特に制限されず、例えば、前記高分子量ポリオールが挙げられる。なお、これら高分子量ポリオールの数平均分子量は、特に限定されるものではないが、得られるポリウレタンの弾性特性等の観点から500〜2000であることが好ましい。数平均分子量が500未満であると、これを用いたポリウレタンは十分な弾性特性を有さず、脆いポリマーとなる。そのためこのポリウレタンから製造される研磨パッドは硬くなりすぎ、ウエハ表面のスクラッチの原因となる。また、摩耗しやすくなるため、パッド寿命の観点からも好ましくない。一方、数平均分子量が2000を超えると、これを用いたポリウレタンは軟らかくなりすぎるため、このポリウレタンから製造される研磨パッドは平坦化特性に劣る傾向にある。
また、ポリオールとしては、高分子量ポリオールの他に、前記低分子量ポリオールを併用することもできる。
また、ポリオール中の高分子量ポリオールと低分子量ポリオールの比は、これらから製造される研磨領域に要求される特性により決められる。
鎖延長剤としては、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)、2,6−ジクロロ−p−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンビス(2,3−ジクロロアニリン)等に例示されるポリアミン類、あるいは、上述した低分子量ポリオールを挙げることができる。これらは1種で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記ポリウレタン樹脂における有機イソシアネート、ポリオール、及び鎖延長剤の比は、各々の分子量やこれらから製造される研磨領域の所望物性などにより種々変え得る。研磨特性に優れる研磨領域を得るためには、ポリオールと鎖延長剤の合計官能基(水酸基+アミノ基)数に対する有機イソシアネートのイソシアネート基数は0.95〜1.15であることが好ましく、さらに好ましくは0.99〜1.10である。
前記ポリウレタン樹脂は、前記方法と同様の方法により製造することができる。なお、必要に応じてポリウレタン樹脂に酸化防止剤等の安定剤、界面活性剤、滑剤、顔料、充填剤、帯電防止剤、その他の添加剤を添加してもよい。
研磨領域に用いられるポリウレタン樹脂は、微細発泡体であることが好ましい。微細発泡体にすることにより表面の微細孔にスラリーを保持することができ、研磨速度を大きくすることができる。
前記ポリウレタン樹脂を微細発泡させる方法は特に制限されないが、例えば中空ビーズを添加する方法、機械的発泡法、及び化学的発泡法等により発泡させる方法などが挙げられる。なお、各方法を併用してもよいが、特にポリアルキルシロキサンとポリエーテルとの共重合体であって活性水素基を有しないシリコーン系界面活性剤を使用した機械的発泡法が好ましい。該シリコーン系界面活性剤としては、SH−192(東レダウコーニングシリコン製)等が好適な化合物として例示される。
研磨領域に用いられる独立気泡タイプのポリウレタン樹脂発泡体を製造する方法の例について以下に説明する。かかるポリウレタン樹脂発泡体の製造方法は、以下の工程を有する。
1)イソシアネート末端プレポリマーの気泡分散液を作製する撹拌工程
イソシアネート末端プレポリマーにシリコーン系界面活性剤を添加し、そして非反応性気体と撹拌し、非反応性気体を微細気泡として分散させて気泡分散液とする。イソシアネート末端プレポリマーが常温で固体の場合には適宜の温度に予熱し、溶融して使用する。
2)硬化剤(鎖延長剤)混合工程
上記の気泡分散液に鎖延長剤を添加し、混合撹拌する。
3)硬化工程
鎖延長剤を混合したイソシアネート末端プレポリマーを注型し、加熱硬化させる。
微細気泡を形成するために使用される非反応性気体としては、可燃性でないものが好ましく、具体的には窒素、酸素、炭酸ガス、ヘリウムやアルゴン等の希ガスやこれらの混合気体が例示され、乾燥して水分を除去した空気の使用がコスト的にも最も好ましい。
非反応性気体を微細気泡状にしてシリコーン系界面活性剤を含むイソシアネート末端プレポリマーに分散させる撹拌装置としては、公知の撹拌装置を特に限定なく使用可能であり、具体的にはホモジナイザー、ディゾルバー、2軸遊星型ミキサー(プラネタリーミキサー)等が例示される。撹拌装置の撹拌翼の形状も特に限定されないが、ホイッパー型の撹拌翼の使用すると微細気泡が得られるため好ましい。
なお、撹拌工程において気泡分散液を作成する撹拌と、混合工程における鎖延長剤を添加して混合する撹拌は、異なる撹拌装置を使用することも好ましい態様である。特に混合工程における撹拌は気泡を形成する撹拌でなくてもよく、大きな気泡を巻き込まない撹拌装置の使用が好ましい。このような撹拌装置としては、遊星型ミキサーが好適である。撹拌工程と混合工程の撹拌装置を同一の撹拌装置を使用しても支障はなく、必要に応じて撹拌翼の回転速度を調整する等の撹拌条件の調整を行って使用することも好適である。
前記ポリウレタン微細発泡体の製造方法においては、気泡分散液を型に流し込んで流動しなくなるまで反応した発泡体を、加熱、ポストキュアすることは、発泡体の物理的特性を向上させる効果があり、極めて好適である。金型に気泡分散液を流し込んで直ちに加熱オーブン中に入れてポストキュアを行う条件としてもよく、そのような条件下でもすぐに反応成分に熱が伝達されないので、気泡径が大きくなることはない。硬化反応は、常圧で行うと気泡形状が安定するため好ましい。
前記ポリウレタン樹脂の製造において、第3級アミン系、有機スズ系等の公知のポリウレタン反応を促進する触媒を使用してもかまわない。触媒の種類、添加量は、混合工程後、所定形状の型に流し込む流動時間を考慮して選択する。
前記ポリウレタン樹脂発泡体の製造は、容器に各成分を計量して投入し、撹拌するバッチ方式であってもよく、また撹拌装置に各成分と非反応性気体を連続して供給して撹拌し、気泡分散液を送り出して成形品を製造する連続生産方式であってもよい。
研磨層となる研磨領域は、以上のようにして作製されたポリウレタン樹脂発泡体を、所定のサイズに裁断して製造される。
本発明の研磨領域は、ウエハと接触する研磨側表面に、スラリーを保持・更新するための溝が設けられていることが好ましい。研磨領域が微細発泡体により形成されている場合には研磨表面に多くの開口を有し、スラリーを保持する働きを持っているが、更なるスラリーの保持性とスラリーの更新を効率よく行うため、またウエハの吸着によるデチャックエラーの誘発やウエハの破壊や研磨効率の低下を防ぐためにも、研磨側表面に溝を有することが好ましい。溝は、スラリーを保持・更新する表面形状であれば特に限定されるものではなく、例えば、XY格子溝、同心円状溝、貫通孔、貫通していない穴、多角柱、円柱、螺旋状溝、偏心円状溝、放射状溝、及びこれらの溝を組み合わせたものが挙げられる。また、溝ピッチ、溝幅、溝深さ等も特に制限されず適宜選択して形成される。さらに、これらの溝は規則性のあるものが一般的であるが、スラリーの保持・更新性を望ましいものにするため、ある範囲ごとに溝ピッチ、溝幅、溝深さ等を変化させることも可能である。
前記溝の形成方法は特に限定されるものではないが、例えば、所定サイズのバイトのような治具を用い機械切削する方法、所定の表面形状を有した金型に樹脂を流しこみ硬化させる方法、所定の表面形状を有したプレス板で樹脂をプレスして形成する方法、フォトリソグラフィーを用いて形成する方法、印刷手法を用いて形成する方法、及び炭酸ガスレーザーなどを用いたレーザー光により形成する方法などが挙げられる。
研磨領域の厚みは特に限定されるものではないが、光透過領域と同程度の厚さであることが好ましい。前記厚みの研磨領域を作製する方法としては、前記微細発泡体のブロックをバンドソー方式やカンナ方式のスライサーを用いて所定厚みにする方法、所定厚みのキャビティーを持った金型に樹脂を流し込み硬化させる方法、及びコーティング技術やシート成形技術を用いた方法などが挙げられる。
また、研磨領域の厚みのバラツキは、100μm以下であることが好ましく、特に50μm以下であることが好ましい。厚みのバラツキが100μmを越える場合には、研磨領域が大きなうねりを持ったものとなり、ウエハに対する接触状態が異なる部分ができ、研磨特性に悪影響を与える傾向にある。また、研磨領域の厚みのバラツキを解消するため、一般的には研磨初期に研磨領域の表面をダイヤモンド砥粒を電着、又は融着させたドレッサーを用いてドレッシングするが、上記範囲を超えたものは、ドレッシング時間が長くなり、生産効率を低下させることになる。また、厚みのバラツキを抑える方法としては、所定厚みにした研磨領域表面をバフィングする方法もある。バフィングする際には、粒度などが異なる研磨シートで段階的に行うことが好ましい。
本発明の研磨領域および光透過領域を有する研磨パッドの構造や製造方法は特に制限されず、種々の構造や製造方法が考えられる。その具体例を以下に説明する。
図3〜6は、凹凸部A(5a)を有する開口部4が設けられた研磨領域2の概略構成図である。凹凸部Aは、図3に示すように少なくとも1つの凹部と凸部とを有していればよい。スラリー漏れをより効果的に防止するためには、図4〜6に示すように凹部と凸部とをそれぞれ2つ以上有することが好ましい。また、スラリー漏れをより効果的に防止するためには、凹凸部Aの幅は1.0mm以上であることが好ましく、2.0mm以上であることがさらに好ましい。
凹部と凸部の高さの差(D)は特に制限されないが、0.1mm以上であることが好ましく、さらに好ましくは0.2mm以上、特に好ましくは0.3mm以上である。高さの差(D)が0.1mm未満の場合には、係合部分をスラリーが移動しやすくなるため、スラリー漏れが発生し易くなる傾向にある。
また、凹部や凸部の形状は特に制限されず、例えば、図3、4に示すように矩形状であってもよく、図5に示すように波形状であってもよく、又は図6に示すように鋭角形状(鋸刃形状)などでもよい。
また、凹凸部Aは開口部の全周囲に形成されていることが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲で凹凸部Aが形成されていない部分があってもよい。
また、凹凸部Aは研磨面側(図11参照)に設けられていてもよく、裏面側(図3〜6参照)に設けられていてもよく、両面に設けられていてもよい。研磨面側に凹凸部Aを設けると、研磨領域が少なくなるため研磨効率が低下したり、摩耗により係合部分が次第に除去される恐れがあるため、裏面側に設けることが好ましい。
研磨領域の一部に、凹凸部Aを有する開口部を形成する方法としては、例えば、1)製造した樹脂ブロックをバンドソー方式やカンナ方式のスライサーを用いて所定厚みの樹脂シートを作製する。そして、切削治具を用いてプレスすることなどにより該シートに開口部を形成する。その後、炭酸レーザーなどのレーザーや、バイトなど治具を用いて開口部の周囲を研削して凹凸部Aを形成する方法、2)凹凸部A及び開口部の形状を備えた金型に研磨領域形成材料を流し込んで硬化させて形成する方法、3)シート成形した樹脂シートに光加工をすることにより凹凸部Aを有する開口部を形成する方法などが挙げられる。なお、開口部の大きさ及び形状は特に制限されない。
図7〜11は、開口部の周囲に設けた凹凸部A(5a)と光透過領域の周囲に設けた凹凸部B(5b)とを係合させてなる、研磨領域および光透過領域を有する研磨パッド1の概略構成図である。
本発明の研磨パッドの製造方法としては、例えば、1)前記方法で作製した研磨領域の凹凸部Aを有する開口部に、前記方法で作製した凹凸部Bを有する光透過領域を嵌合(嵌め込む)させて製造する方法、2)前記方法で作製した研磨領域の凹凸部Aを有する開口部に、光透過領域形成材料を流し込んで硬化させて製造する方法などが挙げられる。
凹凸部Aと凹凸部Bとの係合部分は完全に密着(接触)していることが好ましいが、上記1)のように嵌合させて製造する場合には、凹凸部Aと凹凸部Bとの係合部分に微小な隙間が発生してスラリー漏れが発生する場合がある。そのため、嵌合させて製造する場合には、凹凸部Aと凹凸部Bとの間に熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂を含有する接着剤からなる接着剤層を設けることが好ましい。
熱硬化性樹脂は公知のものを特に制限なく使用できるが、比較的低温で硬化するものが好ましく、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂などが挙げられる。
光硬化性樹脂は公知のものを特に制限なく使用でき、例えば、炭素−炭素二重結合等の光硬化性の官能基を有する樹脂などが挙げられる。照射する光としては、可視光線、紫外線、電子線、及びArFレーザー光やKrFレーザー光などのエネルギー線などが挙げられる。光硬化性接着剤には光重合開始剤を添加しておくことが好ましい。
前記接着剤層は、凹凸部A及び/又は凹凸部Bの表面に熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂を含有する接着剤を塗布して塗膜を形成し、両凹凸部を嵌合させた後に加熱又は光照射することにより形成することができる。
一方、図12は、開口部4の周囲かつ研磨領域2内部に凹部C(6a)が形成されており、光透過領域3の周囲には凸部D(6b)が形成されており、かつ凹部C(6a)と凸部D(6b)とが係合している研磨パッド1の概略構成図である。
本発明の研磨パッドは、凹部C及び凸部Dをそれぞれ1つ有していればよいが、スラリー漏れをより効果的に防止するためには、凹部C及び凸部Dをそれぞれ2つ以上有することが好ましい。また、スラリー漏れをより効果的に防止するためには、凹部C及び凸部Dの幅hは1.0mm以上であることが好ましい。
また、凹部Cの形状は特に制限されず、例えば、図12に示すように底部が矩形状であってもよく、図13に示すように底部が円弧状であってもよく、又は図14に示すように底部が鋭角形状(鋸刃形状)などでもよい。
本発明の別の研磨パッドの製造方法の例を以下に説明する。
まず、製造した樹脂ブロックをバンドソー方式やカンナ方式のスライサーを用いて所定厚みの樹脂シートを作製する。そして、切削治具を用いてプレスすることなどにより該シートに開口部を形成する。その後、炭酸レーザーなどのレーザーや、バイトなど治具を用いて開口部の周囲かつ研磨領域内部を研削して凹部Cを形成する。なお、開口部の大きさ及び形状は特に制限されない。その後、凹部Cを有する開口部に、光透過領域形成材料を流し込んで硬化させて研磨パッドを製造する。該製造方法によると、凹部Cと凸部Dとを密着させることができるためスラリー漏れを効果的に防止することができる。
本発明の研磨パッドは、図15〜17に示すように研磨領域と光透過領域とからなる研磨層2にクッション層7を積層した積層研磨パッド1であってもよい。
クッション層は、研磨層の特性を補うものである。クッション層は、CMPにおいて、トレードオフの関係にあるプラナリティとユニフォーミティの両者を両立させるために必要なものである。プラナリティとは、パターン形成時に発生する微小凹凸のあるウエハを研磨した時のパターン部の平坦性をいい、ユニフォーミティとは、ウエハ全体の均一性をいう。研磨層の特性によって、プラナリティを改善し、クッション層の特性によってユニフォーミティを改善することを行う。本発明の研磨パッドにおいては、クッション層は研磨層より柔らかいものを用いることが好ましい。
前記クッション層の形成材料は特に制限されないが、例えば、ポリエステル不織布、ナイロン不織布、アクリル不織布などの繊維不織布、ポリウレタンを含浸したポリエステル不織布のような樹脂含浸不織布、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォームなどの高分子樹脂発泡体、ブタジエンゴム、イソプレンゴムなどのゴム性樹脂、及び感光性樹脂などが挙げられる。
研磨層とクッション層とを貼り合わせる手段としては、例えば、研磨層とクッション層を両面テープで挟み、プレスする方法が挙げられる。終点検出精度に影響を与えるような低透過率のクッション層や両面テープには、光透過領域と同一形状の貫通孔を形成しておくことが好ましい。
両面テープは、不織布やフィルム等の基材の両面に接着層を設けた一般的な構成を有するものである。接着層の組成としては、例えば、ゴム系接着剤やアクリル系接着剤等が挙げられる。金属イオンの含有量を考慮すると、アクリル系接着剤は金属イオン含有量が少ないため好ましい。また、研磨層とクッション層は組成が異なることもあるため、両面テープの各接着層の組成を異なるものとし、各層の接着力を適正化することも可能である。
クッション層の他面側には、プラテンに貼り合わせるための両面テープが設けられていてもよい。クッション層と両面テープとを貼り合わせる手段としては、クッション層に両面テープをプレスして接着する方法が挙げられる。なお、終点検出精度に影響を与えるような低透過率の該両面テープにも、光透過領域と同一形状の貫通孔を形成しておくことが好ましい。
両面テープは、上述と同様に不織布やフィルム等の基材の両面に接着層を設けた一般的な構成を有するものである。研磨パッドの使用後に、プラテンから剥がすことを考慮すると、基材にフィルムを用いるとテープ残り等を解消することができるため好ましい。また、接着層の組成は、上述と同様である。
半導体デバイスは、前記研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を経て製造される。半導体ウエハとは、一般にシリコンウエハ上に配線金属及び酸化膜を積層したものである。半導体ウエハの研磨方法、研磨装置は特に制限されず、例えば、図18に示すように研磨パッド1を支持する研磨定盤8と、半導体ウエハ9を支持する支持台10(ポリシングヘッド)とウエハへの均一加圧を行うためのバッキング材と、研磨剤11の供給機構を備えた研磨装置などを用いて行われる。研磨パッド1は、例えば、両面テープで貼り付けることにより、研磨定盤8に装着される。研磨定盤8と支持台10とは、それぞれに支持された研磨パッド1と半導体ウエハ9が対向するように配置され、それぞれに回転軸12、13を備えている。また、支持台10側には、半導体ウエハ9を研磨パッド1に押し付けるための加圧機構が設けてある。研磨に際しては、研磨定盤8と支持台10とを回転させつつ半導体ウエハ9を研磨パッド1に押し付け、アルカリ性や酸性のスラリーを供給しながら研磨を行う。スラリーの流量、研磨荷重、研磨定盤回転数、及びウエハ回転数は特に制限されず、適宜調整して行う。
これにより半導体ウエハ9の表面の突出した部分が除去されて平坦状に研磨される。その後、ダイシング、ボンディング、パッケージング等することにより半導体デバイスが製造される。半導体デバイスは、演算処理装置やメモリー等に用いられる。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。なお、実施例等における評価項目は下記のようにして測定した。
(平均気泡径測定)
厚み1mm程度になるべく薄くミクロトームカッターで平行に切り出した研磨領域を平均気泡径測定用試料とした。試料をスライドガラス上に固定し、画像処理装置(東洋紡績社製、Image Analyzer V10)を用いて、任意の0.2mm×0.2mm範囲の全気泡径を測定し、平均気泡径を算出した。
(比重測定)
JIS Z8807−1976に準拠して行った。4cm×8.5cmの短冊状(厚み:任意)に切り出した研磨領域を比重測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定には比重計(ザルトリウス社製)を用い、比重を測定した。
(アスカーD硬度測定)
JIS K6253−1997に準拠して行った。2cm×2cm(厚み:任意)の大きさに切り出した研磨領域を硬度測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定時には、試料を重ね合わせ、厚み6mm以上とした。硬度計(高分子計器社製、アスカーD型硬度計)を用い、硬度を測定した。
(圧縮率および圧縮回復率測定)
直径7mmの円(厚み:任意)に切り出した研磨領域(研磨層)を圧縮率および圧縮回復率測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で40時間静置した。測定には熱分析測定器TMA(SEIKO INSTRUMENTS製、SS6000)を用い、圧縮率と圧縮回復率を測定した。圧縮率と圧縮回復率の計算式を下記に示す。
圧縮率(%)={(T1―T2)/T1}×100
T1:研磨層に無負荷状態から30kPa(300g/cm2)の応力の負荷を60秒間保持した時の研磨層厚み。
T2:T1の状態から180kPa(1800g/cm2)の応力の負荷を60秒間保持した時の研磨層厚み。
圧縮回復率(%)={(T3―T2)/(T1―T2)}×100
T1:研磨層に無負荷状態から30kPa(300g/cm2)の応力の負荷を60秒間保持した時の研磨層厚み。
T2:T1の状態から180kPa(1800g/cm2)の応力の負荷を60秒間保持した時の研磨層厚み。
T3:T2の状態から無負荷状態で60秒間保持し、その後、30kPa(300g/cm2)の応力の負荷を60秒間保持した時の研磨層厚み。
(貯蔵弾性率測定)
JIS K7198−1991に準拠して行った。3mm×40mmの短冊状(厚み:任意)に切り出した研磨領域を動的粘弾性測定用試料とし、23℃の環境条件で、シリカゲルを入れた容器内に4日間静置した。切り出した後の各シートの正確な幅および厚みの計測は、マイクロメータにて行った。測定には動的粘弾性スペクトロメーター(岩本製作所製、現アイエス技研)を用い、貯蔵弾性率E’を測定した。その際の測定条件を下記に示す。
<測定条件>
測定温度 : 40℃
印加歪 : 0.03%
初期荷重 : 20g
周波数 : 1Hz

(水漏れ評価)
研磨装置としてSPP600S(岡本工作機械社製)を用い、作製した研磨パッドを用いて、水漏れ評価を行った。8インチのダミーウエハを研磨して、所定時間ごとに光透過領域付近を目視にて観察して下記基準で評価した。表1に評価結果を示す。研磨条件としては、アルカリ性スラリーとしてシリカスラリー(SS12、キャボット社製)を研磨中に流量150ml/minにて添加し、ドレス荷重100g/cm、研磨荷重350g/cm、ドレッサー回転数30rpm、研磨定盤回転数35rpm、及びウエハ回転数30rpmとした。
○:変化なし。
×:両面テープまでスラリーが浸透している。
××:スラリーの浸透により光透過領域と両面テープが一部剥離している。
〔光透過領域の作製〕
製造例1
アジピン酸とヘキサンジオールとエチレングリコールからなるポリエステルポリオール(数平均分子量2400)128重量部、及び1,4−ブタンジオール30重量部を混合し、70℃に温調した。この混合液に、予め70℃に温調した4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート100重量部を加え、約1分間撹拌した。そして、100℃に保温した容器中に該混合液を流し込み、100℃で8時間ポストキュアを行ってポリウレタン樹脂を作製した。そして、作製したポリウレタン樹脂を用い、インジェクション成型にて図7に示すような凹凸部B(凹凸の高さの差d:0.1mm、幅1mm)を有する光透過領域(縦57mm、横19mm、厚さ1.25mm)を作製した。
製造例2
製造例1で作製したポリウレタン樹脂を用い、インジェクション成型にて図8に示すような凹凸部B(凹凸の高さの差d:0.3mm、幅2mm)を有する光透過領域(縦57mm、横19mm、厚さ1.25mm)を作製した。
製造例3
製造例1で作製したポリウレタン樹脂を用い、インジェクション成型にて図9に示すような凹凸部B(凹凸の高さの差d:0.3mm、幅2mm)を有する光透過領域(縦57mm、横19mm、厚さ1.25mm)を作製した。
製造例4
製造例1で作製したポリウレタン樹脂を用い、インジェクション成型にて図10に示すような凹凸部B(凹凸の高さの差d:0.3mm、幅2mm)を有する光透過領域(縦57mm、横19mm、厚さ1.25mm)を作製した。
製造例5
容器にトルエンジイソシアネート(2,4−体/2,6−体=80/20の混合物)14790重量部、4,4‘−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート3930重量部、数平均分子量が1006で分子量分布が1.7のポリテトラメチレングリコール25150重量部、ジエチレングリコール2756重量部を入れ、80℃で120分間、加熱攪拌し、イソシアネート等量2.10meq/gのプレポリマーを得た。このプレポリマー100重量部を減圧タンクに計量し、減圧(約10Torr)によりプレポリマー中に残存している気体を脱泡させた。脱泡した上記プレポリマーに、予め120℃で溶融させておいた4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)29重量部を添加し、自転公転式ミキサー(シンキー社製)を用いて、回転数800rpmで約3分間攪拌した。そして該混合物を金型に流し込み、110℃のオーブン中で9時間ポストキュアを行って図1に示すような光透過領域(縦57mm、横19mm、厚さ1.25mm)を作製した。
製造例6
製造例5と同様の方法で、図2に示すような光透過領域(縦57mm、横19mm、厚さ1.25mm)を作製した。
〔研磨領域の作製〕
トルエンジイソシアネート(2,4−体/2,6−体=80/20の混合物)14790重量部、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート3930重量部、数平均分子量が1006で分子量分布が1.7のポリテトラメチレングリコール25150重量部、ジエチレングリコール2756重量部を入れ、80℃で120分間、加熱攪拌し、イソシアネート等量2.10meq/gのプレポリマーを得た。反応容器内に、前記プレポリマー100重量部、及びシリコーン系ノニオン界面活性剤(東レ・ダウシリコーン社製、SH192)3重量部を混合し、温度を80℃に調整した。撹拌翼を用いて、回転数900rpmで反応系内に気泡を取り込むように約4分間激しく撹拌を行った。そこへ予め120℃で溶融した4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(イハラケミカル社製、イハラキュアミンMT)26重量部を添加した。約1分間撹拌を続けた後に、パン型のオープンモールドへ反応溶液を流し込んだ。この反応溶液の流動性がなくなった時点でオーブン内に入れ、110℃で6時間ポストキュアを行いポリウレタン樹脂発泡体ブロックを得た。このポリウレタン樹脂発泡体ブロックをバンドソータイプのスライサー(フェッケン社製)を用いてスライスし、ポリウレタン樹脂発泡体シートを得た。次にこのシートをバフ機(アミテック社製)を使用して、所定の厚さに表面バフをし、厚み精度を整えたシートとした(シート厚み:1.27mm)。このバフ処理をしたシートを所定の直径(61cm)に打ち抜き、溝加工機(東邦鋼機社製)を用いて表面に溝幅0.25mm、溝ピッチ1.50mm、溝深さ0.40mmの同心円状の溝加工を行った。その後、この溝加工したシートの所定位置に光透過領域をはめ込むための開口部(厚み1.27mm、57.5mm×19.5mm)を打ち抜いて研磨領域を作製した。作製した研磨領域の各物性は、平均気泡径45μm、比重0.86、アスカーD硬度53度、圧縮率1.0%、圧縮回復率65%、貯蔵弾性率275MPaであった。
〔研磨パッドの作製〕
実施例1
作製した研磨領域の裏面側の開口部周辺に図3のような凹凸部A(凹凸の高さの差d:0.1mm、幅1mm)をバイトを用いて形成し、製造例1にて作製した凹凸部Bを有する光透過領域を嵌め込んだ。その後、ラミ機にて研磨領域の裏面側に両面テープ(積水化学工業、ダブルタックテープ)を貼り合わせた。
実施例2
作製した研磨領域の裏面側の開口部周辺に図4のような凹凸部A(凹凸の高さの差d:0.3mm、幅2mm)をバイトを用いて形成し、製造例2にて作製した凹凸部Bを有する光透過領域を嵌め込んだ。その後、ラミ機にて研磨領域の裏面側に両面テープ(積水化学工業、ダブルタックテープ)を貼り合わせた。
実施例3
作製した研磨領域の裏面側の開口部周辺に図5のような凹凸部A(凹凸の高さの差d:0.3mm、幅2mm)をバイトを用いて形成し、製造例3にて作製した凹凸部Bを有する光透過領域を嵌め込んだ。その後、ラミ機にて研磨領域の裏面側に両面テープ(積水化学工業、ダブルタックテープ)を貼り合わせた。
実施例4
作製した研磨領域の裏面側の開口部周辺に図6のような凹凸部A(凹凸の高さの差d:0.3mm、幅2mm)をバイトを用いて形成し、製造例4にて作製した凹凸部Bを有する光透過領域を嵌め込んだ。その後、ラミ機にて研磨領域の裏面側に両面テープ(積水化学工業、ダブルタックテープ)を貼り合わせた。
実施例5
容器にトルエンジイソシアネート(2,4−体/2,6−体=80/20の混合物)14790重量部、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート3930重量部、数平均分子量が1006で分子量分布が1.7のポリテトラメチレングリコール25150重量部、ジエチレングリコール2756重量部を入れ、80℃で120分間、加熱攪拌し、イソシアネート等量2.10meq/gのプレポリマーを得た。このプレポリマー100重量部を減圧タンクに計量し、減圧(約10Torr)によりプレポリマー中に残存している気体を脱泡させた。脱泡した上記プレポリマーに、予め120℃で溶融させた4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)29重量部を添加し、自転公転式ミキサー(シンキー社製)を用いて、回転数800rpmで約3分間攪拌してポリウレタン系接着剤を調製した。作製した研磨領域の裏面側の開口部周辺に図3のような凹凸部A(凹凸の高さの差d:0.15mm、幅1mm)をバイトを用いて形成し、該凹凸部Aに前記ポリウレタン系接着剤を均一に塗った。その後、製造例1にて作製した凹凸部Bを有する光透過領域を嵌め込んだ。そして、110℃で9時間ポストキュアを行い、ポリウレタン系接着剤を硬化させて接着剤層を形成した。その後、ラミ機にて研磨領域の裏面側に両面テープ(積水化学工業、ダブルタックテープ)を貼り合わせた。
実施例6
液状のウレタンアクリレート(Actilane290、AKCROS CHEMICALS社製)100重量部とベンジルジメチルケタール1重量部とを自転公転式ミキサー(シンキー社製)を用いて、回転数800rpmで約3分間撹拌混合して液状の光硬化性接着剤を得た。作製した研磨領域の裏面側の開口部周辺に図3のような凹凸部A(凹凸の高さの差d:0.15mm、幅1mm)をバイトを用いて形成し、該凹凸部Aに光硬化性接着剤を均一に塗った。その後、製造例1にて作製した凹凸部Bを有する光透過領域を嵌め込んだ。そして、研磨領域の裏面側から紫外線照射を行い、光硬化性接着剤を硬化させて接着剤層を形成した。その後、ラミ機にて研磨領域の裏面側に両面テープ(積水化学工業、ダブルタックテープ)を貼り合わせた。
実施例7
液状のウレタンアクリレート(Actilane290、Aczo Nobeles社製)80重量部、液状のウレタンアクリレート(UA−101H、共栄社化学製)20重量部、及びベンジルジメチルケタール1重量部を自転公転式ミキサー(シンキー社製)を用いて、回転数800rpmで約3分間撹拌混合して液状の光硬化性樹脂組成物を得た。作製した研磨領域の裏面側の開口部周辺に図3のような凹凸部A(凹凸の高さの差d:0.1mm)をバイトを用いて形成し、該開口部及び凹凸部Aに光硬化性樹脂組成物を流し込んだ。その後、研磨領域の裏面側から紫外線照射を行い、凹凸部Bを有する光透過領域を形成した。その後、ラミ機にて研磨領域の裏面側に両面テープ(積水化学工業、ダブルタックテープ)を貼り合わせた。
実施例8
作製した研磨領域の開口部周辺かつ研磨領域内部に図12のような凹部C(凹深さh:1.0mm)をバイトを用いて形成した。一方、アジピン酸とヘキサンジオールとエチレングリコールからなるポリエステルポリオール(数平均分子量2400)128重量部、及び1,4−ブタンジオール30重量部を混合し、70℃に温調した。この混合液に、予め70℃に温調した4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート100重量部を加え、約1分間撹拌して光透過領域形成材料を調製した。そして、前記凹部Cを有する開口部に該光透過領域形成材料を流し込み、100℃で8時間ポストキュアを行って凸部Dを有する光透過領域(厚さ1.25mm)を形成した。その後、ラミ機にて研磨領域の裏面側に両面テープ(積水化学工業、ダブルタックテープ)を貼り合わせた。
比較例1
作製した研磨領域の開口部に製造例5にて作製した光透過領域を嵌め込んだ。その後、ラミ機にて研磨領域の裏面側に両面テープ(積水化学工業、ダブルタックテープ)を貼り合わせた。
比較例2
作製した研磨領域の裏面側の開口部周辺に図2のような凹部をバイトを用いて形成し、製造例6にて作製した光透過領域を嵌め込んだ。その後、ラミ機にて研磨領域の裏面側に両面テープ(積水化学工業、ダブルタックテープ)を貼り合わせた。
Figure 2006110686
表1から明らかなように、本発明の研磨パッドを用いることにより、研磨領域と光透過領域との間からのスラリー漏れを長時間防止することができる。
従来の研磨パッドの一例を示す概略断面図。 従来の研磨パッドの一例を示す概略断面図。 本発明の凹凸部Aを有する開口部を備えた研磨領域の一例を示す概略断面図。 本発明の凹凸部Aを有する開口部を備えた研磨領域の一例を示す概略断面図。 本発明の凹凸部Aを有する開口部を備えた研磨領域の一例を示す概略断面図。 本発明の凹凸部Aを有する開口部を備えた研磨領域の一例を示す概略断面図。 本発明の研磨パッドの一例を示す概略断面図。 本発明の研磨パッドの一例を示す概略断面図。 本発明の研磨パッドの一例を示す概略断面図。 本発明の研磨パッドの一例を示す概略断面図。 本発明の研磨パッドの一例を示す概略断面図。 本発明の研磨パッドの一例を示す概略断面図。 本発明の研磨パッドの一例を示す概略断面図。 本発明の研磨パッドの一例を示す概略断面図。 本発明の研磨パッド(積層タイプ)の一例を示す概略断面図。 本発明の研磨パッド(積層タイプ)の一例を示す概略断面図。 本発明の研磨パッド(積層タイプ)の一例を示す概略断面図。 CMP研磨で使用する研磨装置の一例を示す概略構成図。
符号の説明
1 :研磨パッド
2 :研磨領域
3 :光透過領域
4 :開口部
5a:凹凸部A
5b:凹凸部B
6a:凹部C
6b:凸部D
7 :クッション層
8 :研磨定盤
9 :半導体ウエハ
10:支持台
11:研磨剤
12、13:回転軸

Claims (5)

  1. 研磨領域および光透過領域を有する研磨パッドにおいて、前記研磨領域は光透過領域を設けるための開口部を有しており、該開口部の周囲には凹凸部Aが形成されており、前記光透過領域の周囲には凹凸部Bが形成されており、かつ前記凹凸部Aと前記凹凸部Bとが係合していることを特徴とする研磨パッド。
  2. 凹凸部Aと凹凸部Bとの間に、熱硬化性樹脂を含有する接着剤からなる接着剤層が設けられている請求項1記載の研磨パッド。
  3. 凹凸部Aと凹凸部Bとの間に、光硬化性樹脂を含有する接着剤からなる接着剤層が設けられている請求項1記載の研磨パッド。
  4. 研磨領域および光透過領域を有する研磨パッドにおいて、前記研磨領域は光透過領域を設けるための開口部を有しており、該開口部の周囲かつ研磨領域内部には凹部Cが形成されており、前記光透過領域の周囲には凸部Dが形成されており、かつ前記凹部Cと前記凸部Dとが係合していることを特徴とする研磨パッド。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を含む半導体デバイスの製造方法。
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