JP2006107673A - 磁気ヘッド及びその製造方法、並びにヘッドサスペンションアセンブリ - Google Patents

磁気ヘッド及びその製造方法、並びにヘッドサスペンションアセンブリ Download PDF

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Abstract

【課題】 極めて薄い膜厚で、しかも非常に耐久性、耐腐食性に優れる保護膜を備える磁気ヘッドを提供することにある。さらには、このような磁気ヘッドの製造方法を提供することにある。
【解決手段】 基体と、該基体に形成された磁気ヘッド素子と、磁気記録媒体に対向する側の前記基体の少なくとも一部に形成された保護膜を有し、保護膜は、基体側から、第1のDLC(Diamond Like Carbon)膜と、第2のDLC(Diamond Like Carbon)膜とを順次有して構成されており、第1のDLC膜は、その炭素膜密度が3.1(g/cm3)未満の膜であり、第2のDLC膜は、その炭素膜密度が3.1(g/cm3)以上であるように構成する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、薄くて非常に耐久性、耐腐食性に優れる保護膜を備える磁気ヘッド及びその製造方法、並びにこのような磁気ヘッドを用いたヘッドサスペンションアセンブリに関する。
比較的小型のコンピュータシステムの外部記憶装置の一つとして、磁気ディスク装置がある。
磁気ディスク装置では、小型化及び大容量化を図るべく高記録密度化が進められている。このため、基体と該基体に薄膜技術等により形成された磁気ヘッドが、提供されている。このような磁気ヘッドでは、高記録密度化の要請に応じて、再生用の磁気ヘッド素子として、AMR(異方性磁気抵抗効果)素子、GMR(巨大磁気抵抗効果)素子、TMR(トンネル接合磁気抵抗効果)素子を用いたものが、順次開発されてきており、さらに、CPP(Current Perpendicular to Plane)型のGMR素子が提唱されている。
また、このような再生用磁気ヘッド素子に、さらに記録用磁気ヘッド素子として誘導型磁気変換素子を積層した構造を備える複合型磁気ヘッドも、広く用いられている。
基体と該基体に形成された磁気ヘッド素子とを有する磁気ヘッドでは、磁気ヘッド素子を構成する金属層の端面が磁気記録媒体に対向する側(すなわち、エアベアリング面(air bearing surface、以下「ABS」と略す。)側)に現れることから、その金属面の腐食を防止する必要がある。また、ヘッドクラッシュや磁気記録媒体の損傷等を生じにくくするため、ABSの摺動性を長期に渡り(すなわち、接触回数が増大しても)良好にしておく必要がある。
特に、CSS(コンタクト・スタート・ストップ)タイプの磁気ディスク装置では、駆動の開始時及び終了時にディスク表面に磁気ヘッドのABSが接触することから、ABSが長期に渡り高い摺動性(低摩擦性)を持つことが要請される。そこで、従来から、前述した耐腐食性と摺動性を高めるために、ABSには保護膜が形成され、この保護膜によって磁気ヘッド素子を構成する金属層の端面が覆われている。そして、高記録密度化のため、磁気ヘッド素子を構成する金属層(特に磁性層)の端面と磁気記録媒体の磁性膜との間隔を狭めるべく、前記保護膜が可能な限り薄いことが要請される。
従来の磁気ヘッドでは、前記保護膜は、例えば、シリコン膜又は酸化シリコン膜からなる下地膜とその上に形成されたDLC膜(Diamond Like Carbon)とからなる2重膜で構成されている(特開平8−297813号公報、特開平9−91620号公報等)。
DLC膜は、鉄又は鉄系合金等の金属膜には付着し難いとされ、金属上に直接有機性の強いDLC膜を成膜すると密着性に難があるとされていた。このため、シリコン膜又は酸化シリコン膜からなる下地膜が、DLC膜を付着させるためのいわば接着層として用いられていた。有機性と無機性の両方を有するシリコン又はシリコン酸化物を下地とすると密着性が向上する。
また、特開2002−8217号公報には、将来的に20nm以下の浮上量の要求に対応すべく、5nm以下の極薄薄膜においても耐摺動性・耐磨耗性・耐食性・耐電圧性・密着性にすぐれた保護膜を提供することを目的として、媒体に対向する表面にSP3結合を70%以上有する炭素純度95atm%以上の高硬質非結晶質炭素被膜を有し、この膜と基板又はバッファ層(Si、SiC膜等)との間に5〜50atm%の水素を含有する水素添加非晶質炭素膜を設ける旨の提案がなされている。
しかしながら、特開2002−8217号公報の提案では、性格が全く異なる2層の炭素膜を合わせて用いているために、一時的な効果は発現しても長期間の保護効果(およびショックを与えたときの保護効果)は十分に確保できていない。また、膜の組成構成が複雑であり所望の膜を得るための工程上の制御が難しく膜特性の信頼性にも欠けるという問題がある。
特開平8−297813号公報 特開平9−91620号公報 特開2002−8217号公報
このような実状のもとに本発明は創案されたものであって、その目的は、薄くても長期に亘る耐久性、耐腐食性に優れる保護膜を備える磁気ヘッド及びその製造方法、並びにこのような磁気ヘッドを用いたヘッドサスペンションアセンブリを提供することにある。
このような課題を解決するために、本発明は、基体と、該基体に形成された磁気ヘッド素子と、磁気記録媒体に対向する側の前記基体の少なくとも一部に形成された保護膜を有する磁気ヘッドであって、前記保護膜は、基体側から、第1のDLC(Diamond Like Carbon)膜と、第2のDLC(Diamond Like Carbon)膜とを順次有して構成されており、前記第1のDLC膜は、その炭素膜密度が3.1(g/cm3)未満の膜であり、前記第2のDLC膜は、その炭素膜密度が3.1(g/cm3)以上となるように構成される。
本発明の磁気ヘッドの好ましい態様として、前記基体と前記前記第1のDLC膜の間にシリコンを主成分とする下地膜が介在されてなるように構成される。
本発明の磁気ヘッドの好ましい態様として、前記シリコンを主成分とする下地膜がケイ素、酸化珪素、窒化珪素、又は炭化珪素からなるように構成される。
本発明の磁気ヘッドの好ましい態様として、前記第1のDLC膜の膜厚が0.5〜2.0nmであり、前記第2のDLC膜の膜厚が1.0〜2.0nmであるように構成される。
本発明の磁気ヘッドの好ましい態様として、前記保護膜の表面抵抗が107〜1010Ωであるように構成される。
また、本発明は、基体の上に磁気ヘッド素子を形成する工程と、磁気記録媒体に対向する側の前記基体の面の少なくとも一部に保護膜を形成する工程と、を含む磁気ヘッドの製造方法であって、前記保護膜を形成する工程においては、基体の上にシリコンを主成分とする下地膜を形成し、この下地膜の上に第1のDLC(Diamond Like Carbon)膜をヘッドをグランドに接地、またはフローティングした状態で形成し、この第1のDLC膜の上に第2のDLC膜をバイアスを印加しながらカソーディックアーク法により形成し、前記バイアス印加がー25〜−150Vの範囲で行われる。
本発明の磁気ヘッドの製造方法の好ましい態様として、前記バイアス印加がー50〜−100Vの範囲で行われてなるように構成される。
本発明の磁気ヘッドの製造方法の好ましい態様として、前記下地膜を形成する前の前処理として下地膜形成表面を、IBE(Ion Beam Etching)法によりクリーニング処理してなるように構成される。
本発明の磁気ヘッドの製造方法の好ましい態様として、前記保護膜は、さらに、前記磁気記録媒体に対向する側の前記磁気ヘッド素子の面における少なくとも金属面にまで伸びて形成される。
また、本発明は、磁気ヘッドと、該磁気ヘッドが先端部付近に搭載され前記磁気ヘッドを支持するサスペンションと、を備え、前記磁気ヘッドは、基体と、該基体に形成された磁気ヘッド素子と、磁気記録媒体に対向する側の前記基体の面の少なくとも一部に形成された保護膜とを有し、前記保護膜は、基体側から、シリコンを主成分とする下地膜と、第1のDLC(Diamond Like Carbon)膜と、第2のDLC(Diamond Like Carbon)膜とを順次有して構成されており、前記第1のDLC膜は、その炭素膜密度が3.1(g/cm3)未満の膜であり、前記第2のDLC膜は、その炭素膜密度が3.1(g/cm3)以上であるように構成される。
本発明の磁気ヘッドは、基体と、該基体に形成された磁気ヘッド素子と、磁気記録媒体に対向する側の前記基体の少なくとも一部に形成された保護膜を有し、前記保護膜は、基体側から、第1のDLC(Diamond Like Carbon)膜と、第2のDLC(Diamond Like Carbon)膜とを順次有して構成されており、前記第1のDLC膜は、その炭素膜密度が3.1(g/cm3)未満の膜であり、前記第2のDLC膜は、その炭素膜密度が3.1(g/cm3)以上であるように構成されているので、特に、長期に亘る耐久性、耐腐食性に関して従来見られなかった極めて優れた効果が発現する。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
以下、本発明の磁気ヘッド及びその製造方法、並びにヘッドサスペンションアセンブリについて、図面を参照して説明する。
本発明の磁気ヘッド
図1は、本発明の実施の形態による磁気ヘッドを模式的に示す概略斜視図である。図2は、図1に示される磁気ヘッドのGMR素子20及び誘導型磁気変換素子30の部分を模式的に示す拡大断面図である。図3は、図2中のA−A’矢視概略図である。図4は、図2中のGMR素子20付近を更に拡大した拡大図である。
発明の内容の理解を容易にするために、図1〜図4に示されるように、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を定義する(後述する図についても同様である。)。X軸方向が磁気記録媒体の移動方向と一致している。
本実施の形態による磁気ヘッドは、図1に示されるように、基体の一態様であるスライダ100と、再生用磁気ヘッド素子としてのGMR素子20と、記録用磁気ヘッド素子としての誘導型磁気変換素子30と、保護膜40とを備え、複合型磁気ヘッドとして構成されている。
もっとも、本発明による磁気ヘッドは、例えば、GMR素子20に代えてTMR素子やAMR素子などの他の再生用磁気ヘッド素子を備えていてもよいし、再生用磁気ヘッド素子のみ又は記録用磁気ヘッド素子のみを備えていてもよい。また、本実施の形態では、素子20,30は、それぞれ1個ずつ設けられているが、その数は何ら限定されるものではない。
スライダ100は、磁気記録媒体対向面側にレール部111,112を有し、レール部111、112の表面がABSを構成している。図1に示される例では、レール部111、112の数は2本であるが、これに限定されるものではない。例えば、1〜3本のレール部を有してもよいし、ABSはレール部を持たない平面であってもよい。また、浮上特性改善等のために、ABSに種々の幾何学的形状が付されることもある。本発明による磁気ヘッドは、いずれのタイプのスライダを有していてもよい。
本実施の形態では、保護膜40はレール部111,112の表面に設けられ、保護膜40の表面がABSを構成している。もっとも、保護膜40は、スライダ100の磁気記録媒体対向面の全面に設けてもよい。この場合、保護膜40は、素子20,30の磁気記録媒体に対向する側の面の全体も覆っている。すなわち、保護膜40は、前記磁気記録媒体に対向する側の前記磁気ヘッド素子の面における少なくとも金属面にまで伸びて形成されている。保護膜40については、後に詳述する。
GMR素子20及び誘導型磁気変換素子30は、図1に示されるように、レール部111、112の空気流出端部TRの側に設けられている。記録媒体移動方向は、図中のX軸方向と一致しており、磁気記録媒体が高速移動した時に動く空気の流出方向と一致する。空気は流入端部LEから入り、流出端部TRから流出する。スライダ100の空気流出端部TRの端面には、GMR素子20に接続されたボンディングパッド95a,95b及び誘導型磁気変換素子30に接続されたボンディングパッド95c,95dが設けられている。
GMR素子20及び誘導型磁気変換素子30は、図2及び図3に示されるように、スライダ100を構成するセラミック基体1の上に設けられたアンダーコート層2の上に、積層されている。セラミック基体1は、通常、アルチック(Al−TiC)で構成される。Al−TiCは導電性があるので、アンダーコート層2として、例えばAlからなる絶縁膜が用いられている。
GMR素子20は、図4に示されるように、非磁性層21と、この非磁性層21を挟むように積層された強磁性層22、軟磁性層23とを有している。本実施の形態では、GMR素子20は、強磁性層22の下側に積層された反強磁性層(ピン層)24を有している。これにより、強磁性層22は、反強磁性層24との間の交換結合バイアス磁界によってその磁化方向が所定方向に向くピンド層となっている。一方、軟磁性層23は、基本的に磁気情報である外部磁場に応答して自由に磁化の向きが変わるフリー層となっている。また、本実施の形態に係るGMR素子20は、反強磁性層24の下側に積層された下地層25、及び、軟磁性層23上に積層されたキャップ層(保護層)26を有している。
図3では模式的に示しているが、軟磁性層23のZ軸方向の両側には、磁区制御のためのバイアス磁界を付与するバイアス層(磁区制御層)が形成されている。
強磁性層22および軟磁性層23は、それぞれ、例えば、Fe、Co、Ni、FeCo、NiFe、CoZrNb又はFeCoNiなどの材料で形成される。非磁性層21は、例えば、Cu膜などの材料で形成される。反強磁性層24は、例えば、IrMn合金、FeMn合金、NiMn合金又はPtMn合金等のMn系材料、あるいは、Fe又はNiO等の酸化物系材料で形成される。下地層25は、Ta、Hf又はNb等の材料で形成される。キャップ層26は、Ta又はNb等の材料で形成される。バイアス層は、例えば、Co、TiW/CoPt(コバルト白金合金)、TiW/CoCrPt(コバルトクロム白金合金)などからなる硬磁性材料で形成される。
図2〜図4に示されるように、GMR素子20は、例えばNiFeなどの磁性材料からなる下部磁気シールド層3及び上部磁気シールド層8との間において、ギャップ層4,7に挟まれて配置されている。下部磁気シールド層3は、アンダーコート層2上に形成されている。
図面には示していないが、GMR素子2は、電極層を介して、前記ボンディングパッド95a,95bにそれぞれ電気的に接続されている。
誘導型磁気変換素子30は、図2及び図3に示されるように、GMR素子20に対する上部磁気シールド層を兼ねている下部磁性層8、上部磁性層12(12a)、2段構成のコイル層10,15、アルミナ等からなるライトギャップ層9、ノボラック樹脂等の有機樹脂で構成された絶縁層11,16及びアルミナ等からなる保護層17などを有している。磁性層8,12の材質としては、例えば、NiFe又はFeNなどが用いられる。下部磁性層8及び上部磁性層12の先端部は、微小厚みのアルミナなどのライトギャップ層9を隔てて対向する下部ポール部8a及び上部ポール部12aとなっており、下部ポール部8a及び上部ポール部12aにおいて磁気記録媒体に対して情報の書き込みを行なうようになっている。符号14は絶縁層である。下部磁性層8及び上部磁性層12は、そのヨーク部が下部ポール部8a及び上部ポール部12aとは反対側にある結合部12bにおいて、磁気回路を完成するように互いに結合されている。
絶縁層11,16の内部には、ヨーク部の結合部12bのまわりを渦巻状にまわるように、コイル層10,15が形成されている。コイル層10,15の両端は、ボンディングパッド95c,95dに導通されている。コイル層10,15の巻数及び層数は任意である。また、誘導型磁気変換素子30の構造も任意でよい。
前述した本発明における保護膜40は、図1〜図4に示されるように、素子を構成するABS側の積層端面及びセラミック基体1のABS側の面を覆うように形成されている。この端面には、GMR素子20及び誘導型磁気変換素子30を構成する磁性金属や、非磁性金属の金属面が現れており、保護膜40がないと仮定すれば、これらの金属面が露出することになる。
保護膜40を形成する前に、素地のクリーニング工程、および下地膜成膜工程を設けることが望ましい。クリーニング工程は、通常、スパッタエッチング法にて清浄面が形成される。しかしながら、これではPTR(Pole Tip Recession)を制御しずらくなるためにクリーニング効果が制限されるので、本発明では、IBE(Ion Beam Etching)法によるクリーニング処理を施しておくことが望ましい。IBE法ではビームの入射角度を最適化することにより、PTRを制御しつつ、清浄面を作ることができるというメリットがある。また、清浄面と下地膜との接着性も改善され、本発明のごとく薄い保護膜でもその保護効果が確認されている。
本発明における保護膜40を形成する前に、保護層40の下地膜としてシリコンを主成分とする下地膜39を上記のクリーニング処理された面に形成しておくことが望ましい(下地膜成膜工程の実施)。本発明では、基本的に保護膜としてDLC膜を用いており、炭素は鉄などの金属との相性が良くないので下地膜の役割も重要になってきている。シリコンを主成分とする下地膜としては、ケイ素、酸化珪素、窒化珪素、炭化珪素を用いることが好ましい。下地膜39の成膜方法としては、スパッタ法やIBD(Ion Beam Deposition)法等が用いられ、特に、好ましいのはIBD法である。IBD法により成膜された膜の方が、エネルギーをもって成膜されるので、より緻密になり薄い膜成膜に向いているためである。
このような下地層39の上に、本発明における保護膜40が成膜される。本発明における保護膜40は、基体1(スライダ100)側から、第1のDLC(Diamond Like Carbon)膜41と、第2のDLC(Diamond Like Carbon)膜42とを順次有して構成されている。
第1のDLC膜41は、バイアスを印加しない状態でカソーディックアーク法により成膜した膜、すなわち、ヘッドをグランドに接地、またはフローティングしてバイアスを印加しない状態でカソーディックアーク法により成膜した膜である。
このような手法で形成された第1のDLC膜41は、その炭素膜密度が3.1(g/cm3)未満、特に、2.7〜3.1(g/cm3)未満、より好ましくは2.8〜3.0(g/cm3)の膜物性を有している。炭素膜密度が3.1(g/cm3)以上となると、アンダーコートとしてのクッション効果が無くなり、密着性が落ちるという不都合が生じる。
炭素膜密度は、通常は3000Å以上の厚みを成膜し、その重さを測定して、密度を計算する。厚みはAFMにて測定して求める。またアコースティック伝播法にて音の伝播速度からその傾向を確認し、密度が所望の方向へ行っているかの確認も行なう。密度が高いと伝播速度が速いので、成膜条件が正当かどうかをダブルチェックする。
さらに、第1のDLC膜41はビッカース硬度で20から50GPa、表面電気抵抗で10E7から10E10(Ω/cm)という物性を備えている。
カソーディックアーク法による成膜技術とは、グラファイトのロッドと電極の間で電圧を印加して、アークを発生させ、そのアークのエネルギーにてカーボンをイオン化、蒸発させ電磁コイルの中を通してイオンのみを誘導しながら、基盤に到達させ、成膜する方法である。原料は純粋な炭素を用いるために非常に緻密で高硬度な膜が得られる。
なお、DLC保護膜は従来はCVD法をメインに行なわれてきたが、昨今は薄膜化の要求によりその保護膜効果が疑問視されてきており、例えばECR(electron cyclotron resonance)型のプラズマCVD法では、良好なDLCを得ることは極めて困難である。
本発明における第1のDLC膜41の膜厚は、0.5〜2.0nm、好ましくは、0.7〜1.0nmとされる。この値が0.5nm未満となると、アンカー層としての機能が無くなり第1のDLC膜41を設ける効果が見られないという不都合が生じ、また、この値が2.0nmを超えると、膜全体としての硬度が第1のDLC膜41のみに支配される傾向が生じるという不都合がある。
このような第1のDLC膜41の上には、第2のDLC膜42が形成される。第2のDLC膜42は、バイアスを印加しながらカソーディック法アークにより成膜された膜である。バイアス印加は、ー25〜−150Vの範囲、好ましくはー50〜−100Vの範囲とされる。このような手法で形成された第2のDLC膜42は、高い硬度を備えている。
このような手法で形成された第2のDLC膜42は、その炭素膜密度が3.1(g/cm3)以上、特に、3.1〜3.9(g/cm3)、より好ましくは3.2〜3.5(g/cm3)の膜物性を有している。第2のDLC膜42の炭素膜密度が3.1(g/cm3)未満となると、密度不足で腐食に対する保護効果が十分に発現しないし、3.9以上では硬すぎて割れるおそれがあるという不都合が生じる。
炭素膜密度は、上述した方法で同じように測定される。
このような第2のDLC膜42の膜厚は、1.0〜2.0nm、好ましくは、1.5〜2.0nmとされる。この値が1.0nm未満となると、第2のDLC膜42を設けた効果が十分にでない(高硬度の特徴が出ない)のでCSSで持たないという不都合が生じ、また、この値が2.0nmを超えると、高密度ヘッドではスペーシングロスとなってしまう。
このようにして、バイアスの印加の有無を考慮した第1のDLC膜41および第2のDLC膜42を順次積層すること、すなわち、バイアスを印加しない状態で第1のDLC膜41をまず成膜した後、次いで、バイアスを印加しながら第2のDLC膜42を成膜する。このような2ステップの成膜方法を採択することにより、磁気記録媒体と対向する最表面に硬い第2のDLC膜42をストレスを回避しながら成膜することができる。また、ピンホールもその位置が第1および第2のDLC膜とで重ならない限り、貫通したピンホールとしては存在しないので、より薄い膜であっても保護効果が高まる。また、第2のDLC膜42を成膜するに際して、仮に第1のDLC膜41にピンホールが存在していても、バイアスは電位の見えているところに集中するので、第1のDLC膜41のピンホールから選択的に成膜されてピンホールを補修するという効果も併せ持っている。
なお、前述の2ステップの成膜方法を採択せずに、第1のDLC膜なしで硬い第2のDLC膜を直接成膜すると、当該膜中のストレスのために使用中での膜剥離が起こるおそれがあり、保護膜効果が十分とは言えなくなってしまう。
なお、第2のDLC膜の表面抵抗は、107〜1010Ω、好ましくは、10E9オーダーの抵抗値(Ω)とされる。原料が炭素のみなので、電気抵抗は原料に依存する。
磁気ヘッドの製造方法
次に、本実施の形態による磁気ヘッドの製造方法の一例について、図5及び図6を参照して説明する。図5は、製造方法を示すフローチャートである。図6は、ウエハ工程後のバー116の切り出し工程を模式的に示す概略斜視図である。
まず、ウエハ工程(ステップS1)を行う。すなわち、図6に示されるセラミック基体1となるべきAl−TiC等のウエハ115を用意し、薄膜形成技術等を用いて、ウエハ115上の多数の磁気ヘッド素子のマトリクス状の形成領域にそれぞれ、前述した各素子を形成するための積層膜及びボンディングパッド95a〜95dなど、保護膜40以外の要素を形成する。
図6(a)は、このウエハ工程を経たウエハ115を示している。ただし、図6(a)では、ウエハ115に形成された要素は省略し、個々の磁気ヘッド素子の領域Rのみを示している。
次に、図6(a)に示すウエハ115を切断して、基体上に複数の磁気ヘッドの部分が一列状に配列された各バー(バー状磁気ヘッド集合体)116をダイヤモンドカッター等で切り出す(ステップS2)。図7(b)はこのバー116を示している。このバー116の図6(b)のXZ平面に平行な上面はABS側の面であり、この面には図2中の各素子を形成する積層膜の端面などが現れ、また、図6(b)中のYZ平面に平行で手前に見えている面には図1中のボンディングパッド95a〜95d等が現れるが、それらの図示は省略している。
次いで、図6(b)に示すバー116に対して、スロートハイト、MRハイト等を設定するために、そのABS側にラッピング処理(研磨)を施す(ステップS3)。この処理では、例えば、バー116を固定治具にセットして、定盤に押し当てダイヤモンド砥粒を含む懸濁液を滴下し、定盤を回転してABS側の面を研磨する。
次に、バー116を洗浄する(ステップS4)。この洗浄として、例えば、アルコールなどで油分を拭き取ってもよいし、超音波洗浄等を行ってもよい。もっとも、これらの洗浄処理は、必ずしも必要ではない。
その後、バー116のABS側の面に対して、直接、保護膜40を形成してもよい。しかし、保護膜を成膜する前にクリーニング工程(スパッタエッチングやイオンビームエッチング)を設けることが望ましい(ステップS5)。さらには、クリーニング工程後に前述したシリコンを主成分とする下地膜を形成する工程を設けることが望ましい。
好ましい態様として下地膜が形成されたバー116のABS側の面の全体に、前述した保護膜40を形成する(ステップS6)。すなわち、バイアスを印加しない状態で(ヘッドをグランドに接地、またはフローティングしてバイアスを印加しない状態で)カソーディックアーク法により第1のDLC膜41成膜した後、バイアスを印加しながらカソーディックアーク法により第2のDLC膜42を成膜する。
このような保護膜40は、後述する実施例の結果からも分かるように、例えば5nm未満の極めて薄い膜(膜厚1〜5nm、特に、1〜3nm、さらには1〜2nm)であっても従来には見られない極めて優れた耐久性、耐腐食性の効果を発揮する。その理由は明らかではないが、おそらく、物性の異なる第1のDLC膜41と第2のDLC膜42を順序良く組み合わせることによって、最適な保護膜となり相乗効果が発現し、各単独の膜が本来持つ特性の総和以上の耐久性、耐腐食性の効果が得られるものと考えられる。
本発明においては、基体の上に直接、保護膜40を形成しても密着性および耐久性に優れた効果を発現する。このため、従来から密着性の改善のために用いられていた下地膜としてのシリコン膜やシリコン酸化膜はあれば好ましい態様となるが、必須のものではない。
ステップS7の後に、バー116のABS側の面のレール111,112領域以外の領域を選択的にエッチングして、レール111,112を形成する(ステップS7)。最後に、機械加工により切断してバー116を個々の磁気ヘッドに分離する(ステップS8)。これにより、本実施の形態による磁気ヘッドが完成する。
ヘッドサスペンションアセンブリの実施の形態
図7は、本発明のヘッドサスペンションアセンブリの一例を示したものであり、このものは、磁気記録媒体対向面側から見た概略平面図である。
本実施の形態によるヘッドサスペンションアセンブリは、磁気ヘッドと磁気ヘッドが搭載されているスライダ100を支持するサスペンション72と、を備えている。磁気ヘッドとしては、前述した実施形態の磁気ヘッド並びにそれらの変形例に係るいずれかの磁気ヘッドが、用いられている。
サスペンション72は、スライダ1が装着されるフレクシャ73と、フレクシャ73を支持しスライダ1に押圧力(荷重)を付与するロードビーム74と、ベースプレート75と、を有している。
フレクシャ73は、図面には示していないが、先端側から基端側にかけて、帯状に延びた薄いステンレス鋼板等からなる基板と、該基板上に形成されたポリイミド層等からなる絶縁層と、該絶縁層上に形成された信号入出力用の4本の導体パターン81a〜81dと、これらの上に形成されたポリイミド層等からなる保護層とを有し構成されている。導体パターン81a〜81dは、フレクシャ73の長さ方向にほぼその全長に渡って形成されている。
フレクシャ73の先端部には、平面視で略々コ字状の抜き溝82が形成されることによりジンバル部83が構成され、ジンバル部83にスライダ100が接着剤等により接合されている。フレクシャ73には、スライダ1のボンディングパッド95a〜95d(図1参照)と近接する箇所において、導体パターン81a〜81dの一端部がそれぞれ電気的に接続された4つのボンディングパッドが、それぞれ形成されている。これらのボンディングパッドは、金ボール等により磁気ヘッドのボンディングパッド95a〜95dにそれぞれ電気的に接続されている。また、フレクシャ73の基端側には、導体パターン81a〜81dの他端部がそれぞれ電気的に接続された外部回路接続用のボンディングパッド84a〜84dが、形成されている。
ロードビーム74は、比較的厚いステンレス鋼板等によって形成されている。ロードビーム74は、先端側の平面視で略三角形状の剛性部74aと、基端側のベースプレート接合部と、剛性部74aと前記接合部との間に位置し磁気ヘッド1のスライダ100に付与する押圧力を発生させる弾性部74bと、前記接合部から側方に延在しフレクシャ74の基端側部分を支持する支持部74cと、を有している。
図7において、74dは剛性部74aの剛性を高めるための折り曲げ起立部、74eは弾性部74bが発生する押圧力を調整する穴である。ロードビーム74の剛性部74aには、フレクシャ73が、レーザ溶接等による複数のスポット溶接点91で固着されている。また、ロードビーム74の前記接合部には、ベースプレート75が、複数のスポット溶接点92で固着されている。フレクシャ73の基端側部分は、ベースプレート75から側方にはみ出したロードビーム74の支持部74cにより、支持されている。
本実施の形態では、磁気ヘッドとして、前述した実施形態の磁気ヘッド並びにそれらの変形例に係るいずれかの磁気ヘッドが、搭載されているので、本実施の形態によるヘッドサスペンションアセンブリを磁気ディスク装置等に用いれば、当該磁気ディスク装置等の高記録密度化及び長寿命化を図ることができる。
以下、具体的実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
(実験例1)
図5中のステップS1〜S3の工程に相当する方法を順次用いて、記録用及び再生用の複合素子が形成されたウエハを、ダイヤモンドカッタで所定の大きさにスライスして、多数のバー状のサンプルバー(前記バー116(図6(b))に相当し、かつ同じ構造を持つ多数のバー)を作製した。
これらのサンプルバーは、図2〜図4に示されるような多層膜構造が形成されている。主な膜構造は、以下のとおりとした。すなわち、基体1となるべきウエハをAlTiC基板、アンダーコート層2を厚さ5μmのアルミナ層、下部磁気シールド層3を厚さ2μmのパーマロイ、ギャップ層4を厚さ0.05μmのTa層、GMR素子20(詳細な積層構成は下記を参照)、ギャップ層7を厚さ0.05μmのTa層、上部磁気シールド層(下部磁性層)8を厚さ4μmのパーマロイ、ライトギャップ層9を厚さ2μmのNiFeとした。
上部磁性層12は、上部磁性層12の先端部である上部ポール部12aの高さが5μm、上部ポール部12aの幅が0.5μmとなるように、パーマロイで形成した。保護層17は、アルミナを用いて、全厚が30μmとなるように成膜した。
GMR素子2の層構造は次の通りとした。
すなわち、下地層25は、下記の要領でギャップ層4側から順に積層した積層下地膜とした。具体的には、厚さ3nmのTa層、厚さ3nmのパーマロイ層、厚さ20nmの銅層、及び、厚さ3nmのパーマロイ層からなる積層下地膜とした。反強磁性層24を厚さ30nmのPtMn層、強磁性層(ピンド層)22を厚さ10nmCoFe層、非磁性層21を厚さ1.9nmのCu膜とした。強磁性層(フリー層)23は、厚さ3nmのパーマロイ膜とした。キャップ層26は、厚さ5nmのTa層とした。
このようなバー状のサンプルバーを固定冶具にセットして、定盤に押し当てダイヤモンド砥粒を含む懸濁液を滴下し、定盤を回転して素子面およびスライダ面を研磨した。所望の研磨量に達したところで冶具より外しサンプルとした。なお、1バーは、50スライダを有している。
しかる後、サンプルバーの研磨面の上に下記表1に示される要領で下地膜、並びに保護膜としての第1および第2のDLC膜を成膜したサンプルを作製した。
第1および第2のDLC膜の主要な成膜条件は、以下のとおり。
アーク電流は30Aの条件を用いた。電磁コイルは9Aを流し、炭素イオンを誘導した。電磁コイルはダブルベンドのものを使用した。ヘッドを載せるトレイは210mmφのステンレス製を用い、それに並べた。バイアス電圧はそのトレイに印加した。トレイはユニフォーミティを改善するために回転できる構造となっている。
下記表1に示される各サンプルについて、下記の要領で、(1)第1の腐食テスト、
(2)第2の腐食テスト、(3)FHσ(nm)および(4)保護膜表面抵抗値の各評価を行った。
なお、第1および第2のDLC膜の炭素膜密度も上記の要領で測定して併記した。
(1)第1の腐食テスト
成膜したローバーを硫酸水溶液(pH=2)中に5分間浸漬し、腐食したスライダの数をカウントした。なお、腐食しているか否かの判断は、200倍の光学顕微鏡にて観察した。なお、2バー分用いて、50×2=100個のスライダをサンプル基本数としている。
(2)第2の腐食テスト
3万回のCSS(コンタクト・スタート・ストップ)テストを行った後、このテスト後のサンプルについて、上記第1の腐食テストと同様のテストを行った。100個のスライダ当たりの腐食スライダ数で表示している。
第2の腐食テストではバーを個々のヘッドに分離して、分離したヘッドをアセンブリして実験を行った。
なお、CSS(コンタクト・スタート・ストップ)テストは、以下の要領で行った。すなわち、磁気ヘッドを搭載した磁気ディスク装置又はその試験器において、当該磁気ヘッドの荷重を2.5gとし、磁気記録媒体が停止状態から3秒間で7200rpmまで立ち上がらせ、7200rpmでの回転状態を3秒間継続した後に3秒間で立ち下がらせて停止させ停止状態を3秒間継続する。この一連のCSS動作を、1回のCSS動作とする。このCSS動作を3万回行う。
(3)FHσ(nm)
フライングハイトテスター(Phase Co.製)にて、50スライダ分のヘッドのフライングハイトを測定してその標準偏差値σを求めた。デザインは14nmのものを使用した(基準ディスクとヘッドのライター部)
FHσ(nm)の値が小さいほど、フライングハイトのバラツキが小さいこととなり好ましい。
(4)保護膜表面抵抗値
アルミナ基板の上に10nmのDLC膜(第1及び第2のDLC膜)をそれぞれ成膜し、金のパッドを1cm間隔に配置してその間の抵抗を測定した。電圧を1V、5V、10Vでそれぞれ測定して、得られた抵抗を平均して求めた。
結果を下記表1に示した。
Figure 2006107673
上記の結果より、本発明の効果は明らかである。すなわち、本発明の磁気ヘッドは、基体と、該基体に形成された磁気ヘッド素子と、磁気記録媒体に対向する側の前記基体の少なくとも一部に形成された保護膜を有し、前記保護膜は、基体側から、第1のDLC(Diamond Like Carbon)膜と、第2のDLC(Diamond Like Carbon)膜とを順次有して構成されており、前記第1のDLC膜は、その炭素膜密度が3.1(g/cm3)未満の膜であり、前記第2のDLC膜は、その炭素膜密度が3.1(g/cm3)以上であるように構成されているので、薄くても、長期に亘る耐久性、耐腐食性に関して極めて優れた効果が発現する。
本発明の磁気ヘッドは、特に、コンピュータに装備して用いられるものであり、情報記録のための装置産業に利用することができる。
本発明の実施の形態による磁気ヘッドを模式的に示す概略斜視図である。 図1に示す磁気ヘッドのGMR素子及び誘導型磁気変換素子の部分を模式的に示す拡大断面図である。 図2中のA−A’矢視概略図である。 図2中の磁気ヘッドのGMR素子付近を更に拡大した拡大図である。 実施の形態による磁気ヘッドの製造方法の一例を示すフローチャートである。 ウエハ工程後のバーの切り出し工程を模式的に示す概略斜視図である。 本発明の実施の形態によるヘッドサスペンションアセンブリを示す概略平面図である。
符号の説明
20…GMR素子
30…誘導型磁気変換素子
39…下地膜
40…保護膜
41…第1のDLC膜
42…第2のDLC膜
100…スライダ

Claims (10)

  1. 基体と、
    該基体に形成された磁気ヘッド素子と、
    磁気記録媒体に対向する側の前記基体の少なくとも一部に形成された保護膜を有する磁気ヘッドであって、
    前記保護膜は、基体側から、第1のDLC(Diamond Like Carbon)膜と、第2のDLC(Diamond Like Carbon)膜とを順次有して構成されており、
    前記第1のDLC膜は、その炭素膜密度が3.1(g/cm3)未満の膜であり、
    前記第2のDLC膜は、その炭素膜密度が3.1(g/cm3)以上であることを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 前記基体と前記前記第1のDLC膜の間にシリコンを主成分とする下地膜が介在されてなる請求項1に記載の磁気ヘッド。
  3. 前記シリコンを主成分とする下地膜がケイ素、酸化珪素、窒化珪素、又は炭化珪素である請求項2に記載の磁気ヘッド。
  4. 前記第1のDLC膜の膜厚が0.5〜2.0nmであり、前記第2のDLC膜の膜厚が1.0〜2.0nmある請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の磁気ヘッド。
  5. 前記保護膜の表面抵抗が107〜1010Ωである請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の磁気ヘッド。
  6. 基体の上に磁気ヘッド素子を形成する工程と、
    磁気記録媒体に対向する側の前記基体の面の少なくとも一部に保護膜を形成する工程と、を含む磁気ヘッドの製造方法であって、
    前記保護膜を形成する工程においては、基体の上にシリコンを主成分とする下地膜を形成し、この下地膜の上に第1のDLC(Diamond Like Carbon)膜をヘッドをグランドに接地、またはフローティングした状態で形成し、この第1のDLC膜の上に第2のDLC膜をバイアスを印加しながらカソーディックアーク法により形成し、前記バイアス印加がー25〜−150Vの範囲で行われてなることを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
  7. 前記バイアス印加がー50〜−100Vの範囲で行われてなる請求項6に記載の磁気ヘッドの製造方法。
  8. 前記下地膜を形成する前の前処理として下地膜形成表面を、IBE(Ion Beam Etching)法によりクリーニング処理してなる請求項6または請求項7に記載の磁気ヘッドの製造方法。
  9. 前記保護膜は、さらに、前記磁気記録媒体に対向する側の前記磁気ヘッド素子の面における少なくとも金属面にまで伸びて形成される請求項6ないし請求項8のいずれかに記載の磁気ヘッドの製造方法。
  10. 磁気ヘッドと、該磁気ヘッドが先端部付近に搭載され前記磁気ヘッドを支持するサスペンションと、を備え、
    前記磁気ヘッドは、基体と、該基体に形成された磁気ヘッド素子と、磁気記録媒体に対向する側の前記基体の面の少なくとも一部に形成された保護膜とを有し、
    前記保護膜は、基体側から、シリコンを主成分とする下地膜と、第1のDLC(Diamond Like Carbon)膜と、第2のDLC(Diamond Like Carbon)膜とを順次有して構成されており、
    前記第1のDLC膜は、その炭素膜密度が3.1(g/cm3)未満の膜であり、
    前記第2のDLC膜は、その炭素膜密度が3.1(g/cm3)以上であることを特徴とするヘッドサスペンションアセンブリ。
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