JP2006104130A - 混合酸無水物類およびその製造方法 - Google Patents

混合酸無水物類およびその製造方法 Download PDF

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Takashi Teraoka
孝 寺岡
Osamu Uno
修 宇野
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Abstract

【課題】比較的高価なパラジウム触媒を用いることなく、工業的により有利に式(5)
Figure 2006104130

(式中、R1は水素原子等を表わし、R2はアルキル基等を表わし、環Aは窒素原子を環構成原子として含む5〜7員環のヘテロ環を表わし、R4はアルキル基を表わす。)
で示されるピペリジン化合物を製造する方法を提供すること。
【解決手段】式(1)
Figure 2006104130

(式中、R1およびR2は上記と同一の意味を、R3はアルキル基を表わす。)
で示される混合酸無水物類と式(4)
Figure 2006104130

(式中、環AおよびRは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物とを、第三級アミンの存在下に反応させることを特徴とするピペリジン化合物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、混合酸無水物類およびその製造方法に関する。
1−(N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル)−4−ヒドロキシピペリジンに代表される式(5)
Figure 2006104130
(式中、R1は水素原子またはアルキル基を表わし、R2はアルキル基、フェニル基またはベンジル基を表わし、環Aは窒素原子を環構成原子として含む5〜7員環のヘテロ環を表わし、R4はアルキル基を表わす。)
で示されるピペリジン化合物は、医薬中間体として有用であり(例えば特許文献1参照。)、その製造方法としては、パラジウム触媒および水素の存在下に、1−(N−ベンジル−4−ピペリジルアセチル)−4−ヒドロキシピペリジンとジ−tert−ブチルジカーボネートとを反応させて、保護基であるベンジル基を脱離せしめるとともに、ジ−tert−ブトキシカルボニル基を導入する方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、かかる方法は、ピペリジン環の窒素原子を予めベンジル基で保護しておく必要があり、また、比較的高価なパラジウム触媒の回収等の煩雑な操作も必要であり、必ずしも工業的に十分満足し得る方法とは言えなかった。
特開2004−131486号公報
このような状況のもと、本発明者らは、比較的高価なパラジウム触媒を用いることなく、工業的により有利に前記式(5)で示されるピペリジン化合物を製造する方法を開発すべく、鋭意検討したところ、新規な化合物である式(1)
Figure 2006104130
(式中、R1は水素原子またはアルキル基を表わし、R2はアルキル基、フェニル基またはベンジル基を表わし、R3はアルキル基を表わす。)
で示される混合酸無水物類が、パラジウム触媒を用いることなく、前記式(5)で示されるピペリジン化合物へ容易に誘導可能であることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、式(1)
Figure 2006104130
(式中、R1は水素原子またはアルキル基を表わし、R2はアルキル基、フェニル基またはベンジル基を表わし、R3はアルキル基を表わす。)
で示される混合酸無水物類、その製造方法および式(1)で示される混合酸無水物類を用いるピペリジン化合物の製造方法等を提供するものである。
本発明の混合酸無水物類は新規な化合物であり、比較的高価なパラジウム触媒を用いることなく、医薬中間体として有用なピペリジン化合物に容易に誘導可能であり、しかもピペリジン化合物の収率も高いため、混合酸無水物類から工業的に有利にピペリジン化合物を製造することができる。
まず、本発明の新規化合物である式(1)
Figure 2006104130
で示される混合酸無水物類(以下、混合酸無水物類(1)と略記する。)について説明する。上記式(1)中、R1は水素原子またはアルキル基を表わし、R2はアルキル基、フェニル基またはベンジル基を表わし、R3はアルキル基を表わす。
アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の直鎖状、分枝鎖状もしくは環状の炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。
かかる混合酸無水物類(1)としては、例えば炭酸=N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル=メチル、炭酸=N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル=エチル、炭酸=N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル=n−プロピル、炭酸=N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル=イソプロピル、炭酸=N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル=n−ブチル、炭酸=N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル=イソブチル、炭酸=N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル=sec−ブチル、炭酸=N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル=tert−ブチル、炭酸=N−メトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル=イソブチル、炭酸=N−エトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル=イソブチル、炭酸=N−n−プロポキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル=イソブチル、炭酸=N−イソプロポキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル=イソブチル、炭酸=N−n−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル=イソブチル、炭酸=N−イソブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル=イソブチル、炭酸=N−sec−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル=イソブチル、
炭酸=N−フェノキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル=イソブチル、炭酸=N−ベンジルオキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル=イソブチル、炭酸=N−tert−ブトキシカルボニル−2−メチル−4−ピペリジルアセチル=イソブチル、炭酸=N−tert−ブトキシカルボニル−3−メチル−4−ピペリジルアセチル=イソブチル、炭酸=N−tert−ブトキシカルボニル−2−エチル−4−ピペリジルアセチル=イソブチル、炭酸=N−tert−ブトキシカルボニル−3−エチル−4−ピペリジルアセチル=イソブチル、炭酸=N−tert−ブトキシカルボニル−2−n−プロピル−4−ピペリジルアセチル=イソブチル、炭酸=N−tert−ブトキシカルボニル−3−n−プロピル−4−ピペリジルアセチル=イソブチル、炭酸=N−tert−ブトキシカルボニル−2−イソプロピル−4−ピペリジルアセチル=イソブチル、炭酸=N−tert−ブトキシカルボニル−3−イソプロピル−4−ピペリジルアセチル=イソブチル、炭酸=N−tert−ブトキシカルボニル−2−n−ブチル−4−ピペリジルアセチル=イソブチル、炭酸=N−tert−ブトキシカルボニル−3−n−ブチル−4−ピペリジルアセチル=イソブチル、炭酸=N−tert−ブトキシカルボニル−2−イソブチル−4−ピペリジルアセチル=イソブチル、炭酸=N−tert−ブトキシカルボニル−3−イソブチル−4−ピペリジルアセチル=イソブチル、炭酸=N−tert−ブトキシカルボニル−2−sec−ブチル−4−ピペリジルアセチル=イソブチル、炭酸=N−tert−ブトキシカルボニル−3−sec−ブチル−4−ピペリジルアセチル=イソブチル、炭酸=N−tert−ブトキシカルボニル−2−tert−ブチル−4−ピペリジルアセチル=イソブチル、炭酸=N−tert−ブトキシカルボニル−3−tert−ブチル−4−ピペリジルアセチル=イソブチル等が挙げられる。
かかる混合酸無水物類(1)は、例えば式(2)
Figure 2006104130
(式中、R1およびR2は上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物(以下、化合物(2)と略記する。)と式(3)
Figure 2006104130
(式中、R3は上記と同一の意味を表わし、X1はハロゲン原子を表わす。)
で示されるハロ炭酸エステル化合物(以下、ハロ炭酸エステル化合物(3)と略記する。)とを、有機塩基の存在下に反応させることにより製造することができる。
ハロゲン原子としては、例えば塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
かかる化合物(2)としては、例えばN−メトキシカルボニル−4−ピペリジル酢酸、N−エトキシカルボニル−4−ピペリジル酢酸、N−n−プロポキシカルボニル−4−ピペリジル酢酸、N−イソプロポキシカルボニル−4−ピペリジル酢酸、N−n−ブトキシカルボニル−4−ピペリジル酢酸、N−イソブトキシカルボニル−4−ピペリジル酢酸、N−sec−ブトキシカルボニル−4−ピペリジル酢酸、N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジル酢酸、N−フェノキシカルボニル−4−ピペリジル酢酸、N−ベンジルオキシカルボニル−4−ピペリジル酢酸、N−tert−ブトキシカルボニル−2−メチル−4−ピペリジル酢酸、N−tert−ブトキシカルボニル−3−メチル−4−ピペリジル酢酸、N−tert−ブトキシカルボニル−2−エチル−4−ピペリジル酢酸、N−tert−ブトキシカルボニル−3−エチル−4−ピペリジル酢酸、N−tert−ブトキシカルボニル−2−n−プロピル−4−ピペリジル酢酸、N−tert−ブトキシカルボニル−3−n−プロピル−4−ピペリジル酢酸、N−tert−ブトキシカルボニル−2−イソプロピル−4−ピペリジル酢酸、N−tert−ブトキシカルボニル−3−イソプロピル−4−ピペリジル酢酸、N−tert−ブトキシカルボニル−2−n−ブチル−4−ピペリジル酢酸、N−tert−ブトキシカルボニル−3−n−ブチル−4−ピペリジル酢酸、N−tert−ブトキシカルボニル−2−イソブチル−4−ピペリジル酢酸、N−tert−ブトキシカルボニル−3−イソブチル−4−ピペリジル酢酸、N−tert−ブトキシカルボニル−2−sec−ブチル−4−ピペリジル酢酸、N−tert−ブトキシカルボニル−3−sec−ブチル−4−ピペリジル酢酸、N−tert−ブトキシカルボニル−2−tert−ブチル−4−ピペリジル酢酸、N−tert−ブトキシカルボニル−3−tert−ブチル−4−ピペリジル酢酸等が挙げられる。
ハロ炭酸エステル化合物(3)としては、例えばクロロ炭酸メチル、クロロ炭酸エチル、クロロ炭酸−n−プロピル、クロロ炭酸イソプロピル、クロロ炭酸−n−ブチル、クロロ炭酸イソブチル、クロロ炭酸−sec−ブチル、クロロ炭酸−tert−ブチル等が挙げられ、クロロ炭酸エチル、クロロ炭酸イソブチルが好ましい。
ハロ炭酸エステル化合物(3)の使用量は、化合物(2)に対して、通常0.5〜5モル倍、好ましくは0.7〜3モル倍、より好ましくは0.9〜1.5モル倍である。
有機塩基としては、例えばエチルジメチルアミン、ジメチル−n−プロピルアミン、ジメチルイソプロピルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ベンジルジメチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ジエチルメチルアミン、メチルジ−n−プロピルアミン、メチルジイソプロピルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、キヌクリジン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N,N’−ジメチルピペラジン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン等の第三級アミン、例えばピリジン、2−メチルピリジン、キノリン、イソキノリン等のピリジン類、例えばN−メチルイミダゾール等のN−置換イミダゾール類等が挙げられ、第三級アミンが好ましく、なかでもN−メチルモルホリンが特に好ましい。
かかる有機塩基は、そのまま用いてもよいし、後述する溶媒に溶解させて溶液として用いてもよい。
かかる有機塩基の使用量は、化合物(2)に対して、通常0.5モル倍以上、好ましくは0.8モル倍以上、より好ましくは0.9モル倍以上であり、その上限は特になく、溶媒を兼ねて大過剰量用いてもよいが、実用的には、化合物(2)に対して、5モル倍以下、好ましくは2モル倍以下、より好ましくは1.5モル倍以下である。
化合物(2)とハロ炭酸エステル化合物(3)との反応は、無溶媒で行ってもよいし、溶媒の存在下に行ってもよい。溶媒としては、例えば酢酸エチル、酢酸n−プロピル等のエステル系溶媒、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、例えばアセトニトリル、N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒、例えばクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、例えばトルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素系溶媒等の単独もしくは混合溶媒が挙げられ、炭化水素系溶媒が好ましい。また、前述したように有機塩基を溶媒として用いてもよい。かかる溶媒を用いる場合のその使用量は特に制限されないが、容積効率を考慮すると、実用的には、化合物(2)に対して、1〜50重量倍である。かかる溶媒は、予め化合物(2)、ハロ炭酸エステル化合物(3)または有機塩基と混合しておいてもよい。
化合物(2)とハロ炭酸エステル化合物(3)との反応は、通常化合物(2)、ハロ炭酸エステル化合物(3)および有機塩基を混合することにより実施され、その混合順序は特に制限されない。
反応温度は、通常−78〜40℃、好ましくは−20〜30℃である。また、反応は通常不活性ガス雰囲気下で行われ、不活性ガスとしては、例えば窒素ガス、アルゴンガス等が挙げられる。
反応終了後、例えば反応液を濃縮処理することにより、混合酸無水物類(1)を取り出すことができる。
続いて、混合酸無水物類(1)と式(4)
Figure 2006104130
(式中、環Aは、窒素原子を環構成原子として含む5〜7員環のヘテロ環を表わし、R4はアルキル基を表わす。)
で示される化合物(以下、化合物(4)と略記する。)とを、第三級アミンの存在下に反応させて、式(5)
Figure 2006104130
(式中、R1、R2、R4および環Aは上記と同一の意味を表わす。)
で示されるピペリジン化合物(以下、ピペリジン化合物(5)と略記する。)を製造する方法について説明する。
混合酸無水物類(1)は、前述のとおり、化合物(2)とハロ炭酸エステル化合物(3)とを、有機塩基の存在下に反応させることにより製造することができ、反応後に得られる反応液から混合酸無水物類(1)を取り出して用いてもよいし、該反応液をそのままもしくは一部濃縮処理した後用いてもよい。
化合物(4)の式中、環Aは窒素原子を環構成原子として含む5〜7員環のヘテロ環を表わし、かかる5〜7員環のヘテロ環としては、例えばピロリジン環、ピペリジン環等が挙げられる。R4はアルキル基を表わし、アルキル基としては、上記したものと同様のものが挙げられる。
かかる化合物(4)としては、例えば2−ピロリジノール、3−ピロリジノール、2−ピペリジノール、3−ピペリジノール、4−ピペリジノール、3−メチル−2−ピペリジノール、4−メチル−2−ピペリジノール、2−メチル−3−ピペリジノール、4−メチル−3−ピペリジノール、2−メチル−4−ピペリジノール、3−メチル−4−ピペリジノール、2−エチル−4−ピペリジノール、3−エチル−4−ピペリジノール、2−n−プロピル−4−ピペリジノール、3−n−プロピル−4−ピペリジノール、2−イソプロピル−4−ピペリジノール、3−イソプロピル−4−ピペリジノール、2−n−ブチル−4−ピペリジノール、3−n−ブチル−4−ピペリジノール、2−イソブチル−4−ピペリジノール、3−イソブチル−4−ピペリジノール、2−sec−ブチル−4−ピペリジノール、3−sec−ブチル−4−ピペリジノール、2−tert−ブチル−4−ピペリジノール、3−tert−ブチル−4−ピペリジノール等が挙げられ、4−ピペリジノールが好ましい。かかる化合物(4)は、例えば塩酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等の酸付加塩であってもよい。また、かかる化合物(4)はそのまま用いてもよいし、後述する溶媒に溶解もしくは懸濁させて用いてもよい。
かかる化合物(4)は、通常市販されているものが用いられる。
化合物(4)の使用量は、混合酸無水物類(1)に対して、通常0.5〜5モル倍、好ましくは0.7〜2モル倍である。
第三級アミンとしては、例えばエチルジメチルアミン、ジメチル−n−プロピルアミン、ジメチルイソプロピルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ベンジルジメチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ジエチルメチルアミン、メチルジ−n−プロピルアミン、メチルジイソプロピルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、キヌクリジン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N,N’−ジメチルピペラジン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン等が挙げられ、N−メチルモルホリンが好ましい。かかる第三級アミンの使用量は、混合酸無水物類(1)に対して、通常0.01〜10モル倍、好ましくは0.05〜5モル倍、より好ましくは0.1〜2モル倍である。
混合酸無水物類(1)と化合物(4)との反応は、無溶媒で行ってもよいが、通常は溶媒の存在下で行われる。溶媒としては、例えば酢酸エチル、酢酸−n−プロピル等のエステル系溶媒、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、例えばアセトニトリル、N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒、例えばクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、例えばトルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素系溶媒等の単独もしくは混合溶媒が挙げられ、炭化水素系溶媒が好ましい。かかる溶媒の使用量は特に限定されないが、あまり多すぎると容積効率が悪くなるため、実用的には、混合酸無水物類(1)に対して、1〜50重量倍である。
混合酸無水物類(1)と化合物(4)との反応は、通常混合酸無水物類(1)と化合物(4)と第三級アミンとを接触、混合させることにより実施され、この混合順序は特に制限されないが、混合酸無水物類(1)と第三級アミンとを混合した後、化合物(4)を加えることが好ましい。化合物(4)は、一括で加えてもよいが、反応の制御をより容易にするという点で、分割して加えることが好ましい。
反応温度は、通常−78〜50℃、好ましくは−20〜30℃である。また、反応は、通常不活性ガス雰囲気下で行われ、不活性ガスとしては、例えば窒素ガス、アルゴンガス等が挙げられる。
反応終了後、例えば反応液を濃縮処理することにより、ピペリジン化合物(5)を取り出すことができる。取り出したピペリジン化合物(5)は、通常の精製手段により、さらに精製してもよい。
ピペリジン化合物(5)としては、例えば1−(N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル)−2−ヒドロキシピロリジン、1−(N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル)−3−ヒドロキシピロリジン、1−(N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル)−2−ヒドロキシピペリジン、1−(N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル)−3−ヒドロキシピペリジン、1−(N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル)−4−ヒドロキシピペリジン、1−(N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル)−2−ヒドロキシ−2−メチルピペリジン、1−(N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル)−2−ヒドロキシ−3−メチルピペリジン、1−(N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル)−3−ヒドロキシ−2−メチルピペリジン、1−(N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル)−3−ヒドロキシ−4−メチルピペリジン、1−(N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル)−4−ヒドロキシ−2−メチルピペリジン、1−(N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル)−4−ヒドロキシ−3−メチルピペリジン、1−(N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル)−4−ヒドロキシ−2−エチルピペリジン、1−(N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル)−4−ヒドロキシ−3−エチルピペリジン、1−(N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル)−4−ヒドロキシ−2−n−プロピルピペリジン、1−(N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル)−4−ヒドロキシ−3−n−プロピルピペリジン、1−(N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル)−4−ヒドロキシ−2−イソプロピルピペリジン、1−(N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル)−4−ヒドロキシ−3−イソプロピルピペリジン、
1−(N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル)−4−ヒドロキシ−2−n−ブチルピペリジン、1−(N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル)−4−ヒドロキシ−3−n−ブチルピペリジン、1−(N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル)−4−ヒドロキシ−2−イソブチルピペリジン、1−(N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル)−4−ヒドロキシ−3−イソブチルピペリジン、1−(N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル)−4−ヒドロキシ−2−sec−ブチルピペリジン、1−(N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル)−4−ヒドロキシ−3−sec−ブチルピペリジン、1−(N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル)−4−ヒドロキシ−2−tert−ブチルピペリジン、1−(N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル)−4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルピペリジン、1−(N−メトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル)−4−ヒドロキシピペリジン、1−(N−エトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル)−4−ヒドロキシピペリジン、1−(N−n−プロポキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル)−4−ヒドロキシピペリジン、1−(N−イソプロポキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル)−4−ヒドロキシピペリジン、1−(N−n−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル)−4−ヒドロキシピペリジン、1−(N−イソブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル)−4−ヒドロキシピペリジン、1−(N−フェノキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル)−4−ヒドロキシピペリジン、1−(N−ベンジルオキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル)−4−ヒドロキシピペリジン等が挙げられる。
かくして得られたピペリジン化合物(5)は、例えばトリエチルアミン等の有機塩基の存在下に、例えばメタンスルホニルクロリド等のスルホン酸クロリド化合物と反応させることにより、環Aに結合している水酸基をO−スルホニル化することができる。かかるO−スルホニル化反応は、公知の方法に準じて行うことができる。
続いて、化合物(2)の製造方法について説明する。化合物(2)は、例えば式(6)
Figure 2006104130
(式中、R1およびR2は上記と同一の意味を表わす。)
で示されるアルコール化合物(以下、アルコール化合物(6)と略記する。)を酸化処理することにより得ることができる。
アルコール化合物(6)としては、例えばN−メトキシカルボニル−4−ピペリジンエタノール、N−エトキシカルボニル−4−ピペリジンエタノール、N−n−プロポキシカルボニル−4−ピペリジンエタノール、N−イソプロポキシカルボニル−4−ピペリジンエタノール、N−n−ブトキシカルボニル−4−ピペリジンエタノール、N−イソブトキシカルボニル−4−ピペリジンエタノール、N−sec−ブトキシカルボニル−4−ピペリジンエタノール、N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジンエタノール、N−フェノキシカルボニル−4−ピペリジンエタノール、N−ベンジルオキシカルボニル−4−ピペリジンエタノール、N−tert−ブトキシカルボニル−2−メチル−4−ピペリジンエタノール、N−tert−ブトキシカルボニル−3−メチル−4−ピペリジンエタノール、N−tert−ブトキシカルボニル−2−エチル−4−ピペリジンエタノール、N−tert−ブトキシカルボニル−3−エチル−4−ピペリジンエタノール、N−tert−ブトキシカルボニル−2−n−プロピル−4−ピペリジンエタノール、N−tert−ブトキシカルボニル−3−n−プロピル−4−ピペリジンエタノール、N−tert−ブトキシカルボニル−2−イソプロピル−4−ピペリジンエタノール、N−tert−ブトキシカルボニル−3−イソプロピル−4−ピペリジンエタノール、N−tert−ブトキシカルボニル−2−n−ブチル−4−ピペリジンエタノール、N−tert−ブトキシカルボニル−3−n−ブチル−4−ピペリジンエタノール、N−tert−ブトキシカルボニル−2−イソブチル−4−ピペリジンエタノール、N−tert−ブトキシカルボニル−3−イソブチル−4−ピペリジンエタノール、N−tert−ブトキシカルボニル−2−tert−ブチル−4−ピペリジンエタノール、N−tert−ブトキシカルボニル−3−tert−ブチル−4−ピペリジンエタノール等が挙げられる。
アルコール化合物(6)を酸化処理する方法としては、アルコール化合物を対応するカルボン酸化合物に酸化可能な方法であれば特に制限されず、例えばアルコール化合物(6)を、酸素もしくは空気酸化せしめる方法、アルコール化合物(6)と、例えば過マンガン酸カリウム、二酸化マンガン、クロム酸等の無機酸化剤とを反応させる方法、アルコール化合物(6)と酸化剤とを、ニトロキシド遊離基を有する化合物の存在下に反応させる方法等が挙げられ、なかでもアルコール化合物(6)と酸化剤とを、ニトロキシド遊離基を有する化合物の存在下に反応させる方法が好ましい。
以下、アルコール化合物(6)と酸化剤とを、ニトロキシド遊離基を有する化合物の存在下に反応させる方法について説明する。アルコール化合物(6)と酸化剤とを、ニトロキシド遊離基を有する化合物の存在下に反応させる方法における酸化剤としては、例えば次亜塩素酸リチウム、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜臭素酸ナトリウム、次亜臭素酸カリウム等の次亜ハロゲン酸アルカリ金属塩、例えば次亜塩素酸カルシウム、次亜臭素酸カルシウム等の次亜ハロゲン酸アルカリ土類金属塩、例えば次亜塩素酸、次亜臭素酸等の次亜ハロゲン酸等が挙げられ、次亜ハロゲン酸アルカリ金属塩が好ましく、次亜塩素酸アルカリ金属塩がより好ましい。かかる酸化剤は、そのまま用いてもよいし、水溶液として用いてもよい。
かかる酸化剤の使用量は、アルコール化合物(6)に対して、通常1〜5モル倍、好ましくは1.5〜4モル倍、より好ましくは1.8〜3モル倍である。
ニトロキシド遊離基を有する化合物としては、例えば2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−N−オキシル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4,4−ジメチルオキサゾリン−N−オキシル、3,3,5,5−テトラメチルモルホリン−N−オキシル等のニトロキシド遊離基およびヒンダードアミン構造を有する化合物が挙げられる。かかるニトロキシド遊離基を有する化合物は、市販されているものを用いてもよいし、例えば特開2000−247955号公報等に記載の公知の方法に準じて製造したものを用いてもよい。
ニトロキシド遊離基を有する化合物の使用量は、アルコール化合物(6)に対して、通常0.001〜1モル倍、好ましくは0.01〜0.5モル倍である。
アルコール化合物(6)と酸化剤との反応は、通常水溶媒もしくは水と有機溶媒の混合溶媒中で実施され、その使用量は特に制限されない。有機溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に制限されず、例えばトルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素系溶媒、例えばジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒、例えばジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒等が挙げられ、炭化水素系溶媒が好ましい。水と有機溶媒の混合溶媒を用いる場合のその混合比率も特に制限されない。
また、かかる反応は、反応液のpHが、通常6〜14の範囲、好ましくは6〜12の範囲、より好ましくは6〜10の範囲で実施され、用いる酸化剤に応じて、酸、塩基等により、反応液のpHを調整し、実施することが好ましい。反応液のpHの調整に用いられる酸としては、例えば塩酸、硫酸等の鉱酸が挙げられ、塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、例えば水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩等が挙げられる。
反応は、通常アルコール化合物(6)とニトロキシド遊離基を有する化合物と酸化剤とを接触、混合することにより実施され、その混合順序は特に制限されないが、アルコール化合物(6)とニトロキシド遊離基を有する化合物の混合物中に、酸化剤を加えることが好ましい。反応温度は、通常−50℃〜50℃、好ましくは−10℃〜30℃である。
また、相間移動触媒や臭素イオン源となり得る化合物を共存させて反応を実施してもよい。相間移動触媒としては、例えばテトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロリド等の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。臭素イオン源となり得る化合物としては、例えば臭化カリウム、臭化ナトリウム等のアルカリ金属臭化物等が挙げられる。相間移動触媒を用いる場合のその使用量は、アルコール化合物(6)に対して、通常0.001〜0.5重量倍である。臭素イオン源となり得る化合物を用いる場合のその使用量は、アルコール化合物(6)に対して、通常0.05〜0.5モル倍である。
反応終了後、例えば必要に応じて残存する酸化剤を分解せしめた後、酸性化処理することにより、化合物(2)を取り出すことができる。
最後に、アルコール化合物(6)の製造方法について、説明する。アルコール化合物(6)は、例えば式(7)
Figure 2006104130
(式中、R1は上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物(以下、化合物(7)と略記する。)と式(8)
Figure 2006104130
(式中、R2は上記と同一の意味を表わし、Zはハロゲン原子または下記
Figure 2006104130
で示される基を表わす。)
で示される化合物(以下、化合物(8)と略記する。)とを反応させることにより製造することができる。
化合物(7)としては、例えば4−ピペリジンエタノール、2−メチル−4−ピペリジンエタノール、3−メチル−4−ピペリジンエタノール、2−エチル−4−ピペリジンエタノール、3−エチル−4−ピペリジンエタノール、2−n−プロピル−4−ピペリジンエタノール、3−n−プロピル−4−ピペリジンエタノール、2−イソプロピル−4−ピペリジンエタノール、3−イソプロピル−4−ピペリジンエタノール、2−n−ブチル−4−ピペリジンエタノール、3−n−ブチル−4−ピペリジンエタノール、2−イソブチル−4−ピペリジンエタノール、3−イソブチル−4−ピペリジンエタノール、2−tert−ブチル−4−ピペリジンエタノール、3−tert−ブチル−4−ピペリジンエタノール等が挙げられる。
かかる化合物(7)は、市販されているものを用いてもよいし、例えばJ.Org.Chem.,28,3261(1963)、J.Am.Chem.Soc.,71,445(1949)等に記載の公知の方法に準じて製造したものを用いてもよい。
化合物(8)の式中、Zはハロゲン原子または下記
Figure 2006104130
で示される基を表わし、ハロゲン原子としては、例えば塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
化合物(8)としては、例えばジメチルピロカーボネート、ジエチルピロカーボネート、ジ−tert−ブチルジカーボネート、ジベンジルジカーボネート、クロロ炭酸メチル、クロロ炭酸エチル、クロロ炭酸−n−プロピル、クロロ炭酸イソプロピル、クロロ炭酸−n−ブチル、クロロ炭酸イソブチル、クロロ炭酸−tert−ブチル、クロロ炭酸フェニル、クロロ炭酸ベンジル等が挙げられる。かかる化合物(8)は、通常市販されているもの瓦用いられる。
化合物(8)の使用量は、化合物(7)に対して、通常0.9〜5モル倍、好ましくは1〜2モル倍である。
化合物(7)と化合物(8)の反応は、無溶媒で行ってもよいし、有機溶媒の存在下に実施してもよい。有機溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素系溶媒、例えばジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒、例えばジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒等が挙げられ、炭化水素系溶媒が好ましい。かかる有機溶媒の使用量は特に制限されない。
化合物(7)と化合物(8)の反応は、通常その両者を接触、混合させればよく、その混合順序は特に制限されない。
また、化合物(8)として、Zがハロゲン原子である化合物を用いた場合には、反応の進行に伴い、酸が副生するため、かかる副生酸を捕捉する脱酸剤を併用することが好ましい。
反応温度は、通常−20〜100℃、好ましくは0〜50℃である。
反応終了後、例えば反応液を濃縮処理することにより、アルコール化合物(6)を取り出すことができる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジル酢酸10.0g、N−メチルモルホリン4.2gおよびトルエン26gを混合し、N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジル酢酸のトルエン溶液を調製した。クロロ炭酸イソブチル5.9gを含むトルエン溶液31.9gに、窒素雰囲気下、内温−10〜−5℃で、先に調製したN−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジル酢酸のトルエン溶液を、1.5時間かけて滴下した。その後、同温度で1時間攪拌、反応させた。反応終了後、反応液を濃縮処理し、炭酸=N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル=イソブチルを得た。収率:88%。
1H−NMR(400MHz,CDCl3,δ/ppm)
0.97(d,J=6.7Hz,6H),1.20(m,2H),1.45(s,9H),1.75(m,2H),2.00(m,2H),2.40(d,J=7.0Hz,2H),2.73(m,2H),4.05(d,J=6.7Hz,2H),4.10(m,2H)
13C−NMR(100MHz,CDCl3,δ/ppm)
18.7,27.6,28.4,31.5,32.6,40.8,75.6,77.2,79.5,149.1,154.7,166.8
実施例2
N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジル酢酸10.0g、N−メチルモルホリン4.2gおよびトルエン26gを混合し、N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジル酢酸のトルエン溶液を調製した。クロロ炭酸エチル4.7gを含むトルエン溶液30.7gに、窒素雰囲気下、内温−10〜−5℃で、先に調製したN−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジル酢酸のトルエン溶液を、1.5時間かけて滴下した。その後、同温度で1時間攪拌、反応させた。反応終了後、反応液を濃縮処理し、炭酸=N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル=エチルを得た。収率:98%。
1H−NMR(400MHz,CDCl3,δ/ppm)
1.19(m,2H),1.37(t,J=7.1,3H),1.45(s,9H),1.75(m,2H),1.98(m,1H),2.39(d,J=7.0Hz,2H),2.72(m,2H),4.10(m,2H),4.33(q,J=7.1Hz,2H)
13C−NMR(100MHz,CDCl3,δ/ppm)
13.9,28.4,31.5,32.6,40.7,43.6,65.7,77.2,79.4,148.9,154.7,166.7
実施例3
4−ピペリジンエタノール129.4gを含むトルエン溶液414gに、ジ−tert−ブチルジカーボネート222.9gを含むトルエン溶液326.8gを、内温28〜35℃で2時間かけて滴下し、同温度で2時間攪拌、反応させた。反応終了後、反応液を濃縮処理し、N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジンエタノール229.3gを得た。収率:99.8%。
前記と同様に実施して得られたN−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジンエタノール340.3gをトルエン1021.7gに溶解させ、水343.4g、炭酸水素ナトリウム25.9gおよび2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル16.9gを加えた(混合後のpHは8.6であった。)。これに、12.6重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液1837.1gを、内温3〜8℃で6時間かけて滴下した後、内温5℃で2時間攪拌、反応させた。反応終了後(反応液のpHは6.6であった。)、室温で、反応液に、48重量%水酸化ナトリウム水溶液を加え、pH9に調整した後、分液処理した。得られた水層を、トルエン565g洗浄した後、濃塩酸174.1gを1時間かけて滴下し、pH3に調整した。析出した白色固体を濾取した後、水1284gと混合し、得られた懸濁液を内温40℃で1時間攪拌した。懸濁液を濃縮処理した後、冷却し、濾過処理し、N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジル酢酸276.9gを得た。収率:76.7%。
得られたN−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジル酢酸10.0g、N−メチルモルホリン4.2gおよびトルエン26gを混合し、N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジル酢酸のトルエン溶液を調製した。クロロ炭酸イソブチル5.9gを含むトルエン溶液31.9gに、窒素雰囲気下、内温−10〜−5℃で、先に調製したN−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジル酢酸のトルエン溶液を、1.5時間かけて滴下した。その後、同温度で1時間攪拌、反応させ、炭酸=N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル=イソブチルを含む反応液を得た。
実施例4
前記実施例3で得た炭酸=N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル=イソブチルを含む反応液に、N−メチルモルホリン0.79gを滴下し、1時間攪拌した後、内温0℃で、4−ピペリジノール4.2gを4分割して、1.5時間おきに投入した。4−ピペリジノール全量を投入後、同温度で1.5時間攪拌、反応させ、1−(N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル)−4−ヒドロキシピペリジンを含む反応液を得た。該反応液を、高速液体クロマトグラフィーを用いた絶対検量線法により分析したところ、1−(N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル)−4−ヒドロキシピペリジンの収率は、94.3%であった。
参考例1
前記実施例4と同様に実施して得られた1−(N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル)−4−ヒドロキシピペリジン310.2gを含むトルエン溶液2792gとトリエチルアミン166.7gを混合した後、内温5℃に調整した。内温3〜9℃で、メタンスルホニルクロリド188gを、2時間かけて滴下した。反応終了後、水で洗浄した後、濃縮処理し、1−(N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルアセチル)−4−メタンスルホニルオキシピペリジン33.5gを得た。収率:86.8%。

Claims (6)

  1. 式(1)
    Figure 2006104130
    (式中、R1は水素原子またはアルキル基を表わし、R2はアルキル基、フェニル基またはベンジル基を表わし、R3はアルキル基を表わす。)
    で示される混合酸無水物類。
  2. 式(2)
    Figure 2006104130
    (式中、R1は水素原子またはアルキル基を表わし、R2はアルキル基、フェニル基またはベンジル基を表わす。)
    で示される化合物と式(3)
    Figure 2006104130
    (式中、R3はアルキル基を表わし、X1はハロゲン原子を表わす。)
    で示されるハロ炭酸エステル化合物とを、有機塩基の存在下に反応させることを特徴とする式(1)
    Figure 2006104130
    (式中、R1、R2およびR3は上記と同一の意味を表わす。)
    で示される混合酸無水物類の製造方法。
  3. 式(1)で示される混合酸無水物類と式(4)
    Figure 2006104130
    (式中、環Aは、窒素原子を環構成原子として含む5〜7員環のヘテロ環を表わし、R4はアルキル基を表わす。)
    で示される化合物とを、第三級アミンの存在下に反応させることを特徴とする式(5)
    Figure 2006104130
    (式中、R1、R2、R4および環Aは上記と同一の意味を表わす。)
    で示されるピペリジン化合物の製造方法。
  4. 式(2)で示される化合物が、式(6)
    Figure 2006104130
    (式中、R1およびR2は上記と同一の意味を表わす。)
    で示されるアルコール化合物を酸化処理して得られる化合物である請求項2に記載の混合酸無水物類の製造方法。
  5. 式(6)で示される化合物と酸化剤とを、ニトロキシド遊離基を有する化合物の存在下に反応させて、酸化処理する請求項4に記載の混合酸無水物類の製造方法。
  6. 式(6)で示されるアルコール化合物が、式(7)
    Figure 2006104130
    (式中、R1は上記と同一の意味を表わす。)
    で示される化合物と式(8)
    Figure 2006104130
    (式中、R2は上記と同一の意味を表わし、Zはハロゲン原子または下記
    Figure 2006104130
    で示される基を表わす。)
    で示される化合物とを反応させて得られるアルコール化合物である請求項4に記載の混合酸無水物類の製造方法。
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