JP2006103108A - 金属箔付フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 エッチング等により回路パターンを形成する際に使用される酸やアルカリ等の薬品に対する耐薬品性に優れ、形成した回路パターンと粘着剤層との間に薬品が侵入することで回路パターンに脱落が発生することを防止することができることができる金属箔付フィルムを提供する。
【解決手段】 基材と、前記基材の一方の面にリン系化合物を含有する粘着剤層を介して積層された金属箔とからなる金属箔付フィルムであって、前記リン系化合物は、ジフェニルホスフィンオキシド及び/又はフォスファフェナンスレン誘導体である金属箔付フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、エッチング等により回路パターンを形成する際に使用される薬品に対する耐薬品性に優れ、形成した回路パターンと粘着剤層との間に薬品が侵入することで回路パターンが脱落してしまうことを防止することができる金属箔付フィルムに関する。
近年、電子機器の小型化が進んでいるが、携帯情報端末の発達やコンピュータを持ち運んで操作する所謂モバイルコンピューティングの普及によって、一層小型化が進み、これら電子機器に内蔵される多層配線基板には、一層の小型化、薄型化かつ回路の高精細化が要求されている。
また、通信機器に代表されるように、高速動作が求められる電子機器が広く使用されるようになってきたが、このような電子機器に対応するために、高速動作に適した多層のプリント配線基板が求められている。高速動作が求められるということは、高い周波数の信号に対して正確なスイッチングが可能である等、多種な要求を含んでおり、高速動作を行うためには、配線の長さを短くすると共に、配線の幅を細くしかつ配線の間隙を小さくして、電気信号の伝搬に要する時間を短縮することが必要である。即ち、高速動作に適応させるという見地からも、多層配線基板には、小型化、薄型化及び回路の高精細化(回路の高密度化)が求められる。
このような要求を満足するような多層配線基板の製造方法として、従来から行われてきたビルドアップ法に代って、金属箔付フィルムを用いた転写法が検討され、実用化されている。例えば、特許文献1には、予め樹脂フィルム上で金属箔から回路パターンを形成しておき、この回路パターンを未硬化の絶縁シートに転写する方法が開示されている。
転写法は、金属箔付フィルムをエッチング等することにより、回路パターンが樹脂フィルムに粘着剤層を介して粘着した回路パターン付フィルムを作製し、得られた回路パターン付フィルムを未硬化の絶縁シートに熱圧着等することにより回路パターンを絶縁シートの表面に転写した後、絶縁シートを硬化することによって平坦性に優れた多層配線基板を作製するというものである。
このような転写法に用いられる金属箔付フィルムとして、特許文献1には、基材と金属箔とを貼着する粘着剤層中にベンゾトリアゾール系腐食防止剤を含有させてなる金属箔付フィルムが開示されている。
しかし、特許文献1に開示された金属箔付フィルムは、エッチング等によるパターン形成の際に使用される酸・アルカリ等の薬液により回路パターン(ドット、ライン)が製造工程の途中で基材上から脱落する、粘着剤の耐薬品性が低いという問題があった。また、ベンゾトリアゾール系腐食防止剤は、官能基としてアルカリ性の−NHを持つため、塩酸水溶液等の酸性溶液の寿命を長期的に縮めるという問題点もあった。
これに対して、粘着剤の粘着力を高くして金属箔と粘着剤との密着力を高くすることで、回路パターンの脱落を防止する方法が考えられる。しかしながら、この方法だと回路パターンを樹脂に埋め込んだ後、基材テープを剥離する際に、回路パターンと粘着剤の接着力が高すぎて回路パターンが基材テープから剥れずに転写できなかったり(転写不良)、「粘着剤/PETの接着力」が「粘着剤/回路パターン+樹脂の接着力」よりも小さくなり糊残りが発生したりするという問題があった。
また、エッチングの効率(スピード)を上げるため、薬液の濃度を濃くしたり、温度を上げたりした際にも、これまでの金属箔付フィルムではパターン形成の際にパターン脱落の問題があった。
転写法による回路パターンを絶縁樹脂上等への転写において、転写不良が発生すると、回路基板等を作製した際に、正常に電気が流れずに不良品となり、糊残りが発生すると、絶縁樹脂上にパターンを転写し回路を形成した際、糊がパターン間にまたがっている場合等に回路がショートするといった問題があった。
これに対して、特許文献2には、紫外線等の照射により粘着力が変化する粘着剤層を有する金属箔付フィルムが開示されている。即ち、この金属箔付フィルムでは、エッチング等により回路パターンを形成する際には、金属箔と粘着剤層との間の粘着力が強く微細な回路パターンが脱落してしまうのを防止することができ、一方、転写の際には、紫外線を照射することにより金属箔と粘着剤層との間の粘着力を低下させることができることから回路パターンの転写不良や位置ずれ、糊残りの発生等を防止することができる。
しかしながら、この方法では、新たに紫外線照射工程が必要となり工程が複雑化したり、紫外線照射装置等の設備を導入したりする必要があった。
特開2000−349445号公報 特開2004−082711号公報
本発明は、上記現状に鑑み、エッチング等により回路パターンを形成する際に使用される酸やアルカリ等の薬品に対する耐薬品性に優れ、形成した回路パターンと粘着剤層との間に薬品が侵入することで回路パターンが脱落してしまうことを防止することができる金属箔付フィルムを提供することを目的とする。
本発明は、基材と、前記基材の一方の面にリン系化合物を含有する粘着剤層を介して積層された金属箔とからなる金属箔付フィルムであって、前記リン系化合物は、ジフェニルホスフィンオキシド及び/又はフォスファフェナンスレン誘導体である金属箔付フィルムである。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、基材と金属箔とを貼着する粘着剤層中にリン系化合物としてジフェニルホスフィンオキシド及び/又はフォスファフェナンスレン誘導体を配合した場合には、エッチング等により回路パターンを形成する際に使用される酸やアルカリ等の薬品に対する耐薬品性に優れ、形成した回路パターンと粘着剤層との間に薬品が侵入することで回路パターンが脱落してしまうことを防止できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の金属箔付フィルムは、粘着剤層中に上記リン系化合物としてジフェニルホスフィンオキシド及び/又はフォスファフェナンスレン誘導体を含有することで、エッチング等により回路パターンを形成する際に使用される薬品に対する耐薬品性に優れたものとなり、形成した回路パターンに脱落が発生することがない。これは、以下の理由によると考えられる。
即ち、上記リン系化合物としてジフェニルホスフィンオキシド及び/又はフォスファフェナンスレン誘導体を含有する本発明の金属箔付フィルムは、酸、アルカリ等の薬液が粘着剤に付着した際に、上記ジフェニルホスフィンオキシド及び/又はフォスファフェナンスレン誘導体と薬液(水分)とが反応して金属箔/粘着剤の密着面に不溶体を作り、上記薬液の侵入を防止することにより回路パターンの脱落を防ぐことができるものと考えられる。
本発明の金属箔付粘着テープは、基材の一方の面に粘着剤層を介して金属箔が積層されているものである。
上記粘着剤層を構成する粘着剤としては特に限定されず、従来公知の粘着剤を用いることができるが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル及びカルボキシル基含有ラジカル重合性単量体を共重合して得られるアクリル系ポリマーと、カルボキシル基と反応性を有する官能基を有する多官能性化合物とを含有する混合物を架橋して得られるものが好適である。このような粘着剤は、金属箔に対する剥離性に優れるとともに、耐薬品性にも優れるため、例えば、金属箔に回路パターンを形成する際に、レジストを塗布して露光、現像を行った後のエッチングやレジスト除去に用いられる薬液に対して優れた耐性を示し、このような薬液により金属箔に対する粘着力が損なわれることがない。
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては特に限定されないが、下記一般式で表されるものが好適に用いられる。
CH=C(R)−COOR
上記一般式中、Rは、水素原子又はメチル基を表し、Rは、炭素数1〜10のアルキル基を表す。
上記一般式においてRで表されるアルキル基としては特に限定されず、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチル−1−ペンチル基等が挙げられる。また、これらアルキル基の水素原子の一部は、ハロゲン原子、水酸基等で置換されていてもよい。
上記一般式で表される(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、ブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート等が好ましい。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記(メタ)アクリル酸エステルと共重合されるカルボキシル基含有ラジカル重合性単量体としては、生成するアクリルポリマーの極性を調整し、かつ、後述する多官能性化合物と化学的な結合を形成して架橋点となるものが挙げられ、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等の分子内にラジカル重合性不飽和二重結合とカルボキシル基とを有するものが挙げられる。
上記カルボキシル基含有ラジカル重合性単量体の上記(メタ)アクリル酸エステルに対する使用量としては、上記(メタ)アクリル酸エステル100重量部に対して、好ましい下限は1重量部、好ましい上限は20重量部である。1重量部未満であると、適度な粘着力を有する粘着剤を得ることが困難となる傾向があり、20重量部を超えると、生成するポリマーのガラス転移点が高くなり過ぎるか、又は、架橋点が多くなり過ぎて、適度な柔軟性と粘着力とを有する粘着剤を得ることが困難となる傾向がある。より好ましい下限は3重量部、より好ましい上限は10重量部である。
上記(メタ)アクリル酸エステルとカルボキシル基含有ラジカル重合性単量体とを共重合して得られるアクリル系ポリマーを架橋するための多官能性化合物としては、カルボキシル基と反応し得る官能基、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、金属キレート等を分子内に複数有する化合物が挙げられる。具体的には例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート(AlCH−YR)等が挙げられる。
このような多官能性化合物とアクリルポリマーとが反応して架橋構造を形成し、適度な粘
着性を有する粘着剤を得ることができる。
上記アクリルポリマーと多官能性化合物との混合物の架橋は、この混合物を塗布し、乾燥・加熱することにより容易に行うことができる。
また、架橋の程度は、ゲル分率が70%以上になる程度であることが好ましく、80%以上になる程度であることがより好ましい。上記架橋の程度は、常温又は高温での粘着剤の凝集力に関連しており、ゲル分率が上記範囲よりも小さいと、金属箔(回路パターン)と基材との間の粘着力が強くなり過ぎて、転写が困難となったり、回路パターン上に粘着剤が糊残りしたりする恐れがある。
なお、上記ゲル分率は、溶媒として、例えば、テトラヒドロフラン(THF)等の有機溶剤を用い、30℃の温度で、この溶媒中に粘着剤を浸漬して、一昼夜振盪下で溶媒を膨潤させたのちに不溶解分を200メッシュ網にて濾別し、溶媒を乾燥した後、その重量を測定し、下記式(1)により算出することができる。
ゲル分率=(溶媒浸漬後の濾別分の乾燥重量/溶媒浸漬前の重量)×100 (1)
上記粘着剤層は、リン系化合物としてジフェニルホスフィンオキシド及び/又はフォスファフェナンスレン誘導体を含有する。
上記フォスファフェナンスレン誘導体としては特に限定されず、例えば、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキシド、下記化学式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)及び(6)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2006103108
Figure 2006103108
Figure 2006103108
化学式(3)中、R〜Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチル−1−ペンチル基等のアルキル基を表し、これらアルキル基の水素原子の一部は、ハロゲン原子、水酸基等で置換されていてもよい。
Figure 2006103108
Figure 2006103108
Figure 2006103108
化学式(6)中、Mは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、銅、銀、金、マグネシウム等の金属を表す。
上記フォスファフェナンスレン誘導体は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキシド及び/又は化学式(3)、(4)、(5)及び(6)で表される化合物が好適に用いられる。
上記粘着剤層中における上記リン系化合物の配合量としては、上記粘着剤100重量部に対する好ましい下限は0.01重量部、好ましい上限は30重量部である。0.01重量部未満であると、酸、アルカリ等の薬品に対する耐薬品性の向上が得られず、エッチング等により回路パターンを形成した際に、回路パターンと粘着剤層との間に上記薬品が侵入して回路パターンに脱落が生じることがある。30重量部を超えると、回路パターンと粘着剤との接着力が上昇し、フィルム剥離の際に糊残りが生じることがある。より好ましい下限は0.1重量部、より好ましい上限は10重量部である。
なお、本発明の金属箔付フィルムにおいて、上記リン系化合物の配合量が多くなればなる程、上記リン系化合物を含有する粘着剤層の金属箔に対する剥離強度が高くなる。
上記粘着剤層は、銅に対する一般的な防錆剤、例えば、ベンゾトリアゾール系腐食防止剤を含有してもよい。腐食防止剤を含有することにより、エッチング時における金属箔、特に配線回路層の細線部分や角部分の過度の腐食を有効に防止することができる。
上記粘着剤層には本発明の目的を阻害しない範囲で、公知の酸化防止剤、可塑剤、着色防止剤、光安定剤、熱安定剤、帯電防止剤、滑剤等の任意の添加剤を含有させてもよい。
上記粘着剤層の厚さの好ましい下限は1μm、好ましい上限は30μmである。1μm未満であると、金属箔が粘着剤層の表面に充分な粘着力で保持されず、金属箔が剥れやすくなる。30μmを超えると、金属箔を回路パターンとし転写する際に、粘着剤が回路パターン上に糊残りすることがある。
上記基材としては特に限定されず、例えば、適度な柔軟性、透明性を有する公知の樹脂フィルム等を用いるとこができる。具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン;ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート等の樹脂からなる透明フィルム、ポリイミドが挙げられる。
上記基材の厚さとしては特に限定されないが、好ましい下限は10μm、好ましい上限は500μmである。基材の厚さが10μm未満であると、金属箔を回路パターン状に加工した際に、基材の変形や折れ曲がり等により回路パターンの断線を生じやすくなることがあり、基材の厚さが500μmを超えると、基材の柔軟性が損なわれ、転写の際に基材を
金属箔(回路パターン)から引き剥がし難くなることがある。より好ましい下限は20μm、より好ましい上限は300μmである。
上記金属箔としては特に限定されず、配線基板の配線層(回路パターン)を形成するのに好適な金属、例えば、金、銀、銅、アルミニウム等の低抵抗金属、又は、これら低抵抗金属の少なくとも1種を含む合金等の箔が挙げられる。なかでも、銅又は銅合金が好適に用いられる。
上記金属箔の厚さとして特に限定されないが、好ましい下限は1μm、好ましい上限は100μmである。金属箔の厚さが1μm未満であると、金属箔から形成される回路パターンの抵抗率が高くなり、配線基板の製造に不適当となる傾向がある。金属箔の厚さが100μmを超えると、後述する配線基板を製造する際の積層時に、絶縁基板又は絶縁層の変形が大きくなり、また、金属箔から形成される回路パターンを絶縁シートに転写させる際に回路パターンの埋め込み量が多くなり、絶縁シートの歪みが大きくなってしまい、絶縁シートを硬化させる時に変形を生じやすくなる等の不都合を生じるおそれがある。更には、金属箔をエッチングして回路パターンを形成する際、このエッチングが困難となり、精度の高い微細な回路を得ることが困難となるという問題も生じることがある。より好ましい下限は5μm、より好ましい上限は50μmである。
本発明の金属箔付フィルムにおいて、上記金属箔の粘着剤層側の面のJIS B 0601に準拠した十点平均表面粗さ(基準長さ2.5mm)Rzの好ましい下限は、0.5μm、好ましい上限は8.0μmである。Rzが0.5μm未満であると、金属箔(回路パターン)の転写後に他の絶縁シートと積層した時に、金属箔と絶縁シートとの密着力が弱くなり、積層不良等が発生して多層配線基板としての信頼性が損なわれることがある。Rzが8.0μmを超えると、凹凸が大きくなりすぎて隙間が生じ、この隙間からエッチング時等の薬液が浸入して回路パターンが変色することがある。より好ましい下限は1.0μm、より好ましい上限は5.0μmである。
また、金属箔の粘着剤層と反対側面についても、上記と同様に粗面加工して、同様の表面粗さの微細な凹凸を形成しておくことが好ましい。絶縁シートと回路パターンとの接合力を高めることができるからである。
なお、上記金属箔と粘着剤層との剥離を容易かつ糊残りを生じさせることなく行うためには、上記金属箔の粘着剤層側の面には、防錆処理等の目的で行うカップリング処理を行わない方が好ましい。
本発明の金属箔付フィルムにおける、粘着剤層と金属箔との粘着力の好ましい下限は0.5N/cm、好ましい上限は7.0N/cmである。この範囲内であると、エッチング等に際しても金属箔が剥離することなく保持され、転写の後には基材を容易に引き剥がすことができる。
なお、粘着剤層と金属箔との粘着力は、JIS Z 0237に準拠した180°ピール試験法により測定することができる。
本発明の金属箔付フィルムを製造する方法としては特に限定されず、例えば、上記リン系化合物と粘着剤との混合物を金属箔の表面又は基材の表面に塗布して粘着剤層を形成し、両者を圧着し、更に、加圧処理を施すことにより作製する方法等が挙げられる。
本発明の金属箔付フィルムによれば、エッチング等により回路パターンを形成する際に使用する酸やアルカリ等の薬品に対する耐薬品性が優れたものとなり、微細な回路パターンが脱落してしまうのを防止することができる。
本発明の金属箔付フィルムは、多層配線基板の製造に極めて好適に用いることができる。
次に、本発明の金属箔付フィルムを用いて多層配線基板を製造する方法の概略を説明する。
まず、本発明の金属箔付フィルムから転写シートを作製する。
本発明の金属箔付フィルムの金属箔を回路パターンとするには、従来公知のレジスト法を採用することができる。
即ち、上記金属箔の全面に、フォトレジストを塗布し、所定パターンのマスクを介して露光を行い、現像後、プラズマエッチングやケミカルエッチング等のエッチングにより、非パターン部(フォトレジストが除去されている部分)の金属箔を除去する。これにより、金属箔が回路パターン状に形成される。勿論、スクリーン印刷等により、所定の回路パターン状にフォトレジストを金属箔表面に塗布し、次いで、上記と同様に露光後にエッチングすることにより回路パターンを形成することもできる。エッチング終了後においては、回路パターン上にレジストが残存するが、レジスト除去液により、残存するレジストを除去し、洗浄することにより、回路パターンが基材表面上に形成された転写シートを得ることができる。
なお、本発明の金属箔付フィルムの粘着剤層にはリン系化合物が含有されているため、粘着剤層がエッチングに際して用いる薬液に対する耐性を有しかつ薬液のしみ込みも抑制されているため、エッチング時に剥離してしまったりする等の不都合は有効に防止される。この結果、微細でかつ高密度の回路パターンを高精度で形成することができる。
得られた転写シートを未硬化の絶縁シートに熱圧着することにより、回路パターンを未硬化の絶縁シートに転写する。
上記未硬化の絶縁シートは、半硬化状態の熱硬化性樹脂からなるものであり、このような熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ビスマレイミドトリアジン(BT)レジン等のビスマレイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂等を挙げることができる。なかでも、室温で液状の熱硬化性樹脂が好適に用いられる。
上記絶縁シートは、回路基板における絶縁基板に相当するものであり、一般に強度を高めるために、有機質又は無機質の粉末若しくは繊維体等のフィラーが配合されている。また、上記絶縁シートは、炭酸ガスレーザ等によりバイアホールを形成し、このバイアホール内に、金、銀、銅、アルミニウム等の低抵抗金属の粉末を充填されることもある。
上記絶縁シートの厚さは、最終目的の多層配線基板の厚さに応じて適宜設定される。
上記転写シートを、回路パターンが絶縁シートに対面するように絶縁シートと重ね合わせて熱圧着する。このとき、上記絶縁シートに形成されているバイアホール導体の表面露出部分と回路パターンとが重なり合うように位置設定される。
上記熱圧着時の圧力の好ましい下限は0.1N/cm、好ましい上限は50N/cm程度である。これにより、回路パターンが絶縁シート表面に完全に埋め込まれる。
また、熱圧着時の温度の好ましい下限は60℃、好ましい上限は150℃程度である。これにより、埋め込まれた回路パターンは、絶縁シートにしっかりと保持される。
また、前述した金属箔の表面を粗面加工しておけば、回路パターンの表面に形成された微細な凹凸が絶縁シート表面に噛み合うため、この回路パターンと絶縁シートとの接合強度は一層高められる。
次いで、転写シートの基材を引き剥すことにより、回路パターンは、絶縁シート表面に転写され、表面に回路パターンを有する回路シートが得られる。
このようにして得られた回路シートは、回路パターンがシート表面に埋め込まれているため、平坦度が極めて高く、この回路シートを用いて、フリップチップ実装にも適応し得る
平坦性に優れた多層回路基板を得ることが可能となる。
上記回路シートを加熱して完全に硬化させることにより単層の配線基板が得られるが、この回路シートを用いて多層の配線基板を製造することが、多層配線基板の生産性を高める上で有利である。
即ち、上述した方法で得られた、例えば、バイアホール導体が形成された回路シートの所定枚数を、回路パターンと絶縁シートとが交互に位置するように重ね合わせて圧着し、この状態で加熱を行って各絶縁シートを完全に硬化させることにより、目的とする多層配線基板を得ることができる。
このような方法によれば、絶縁基板を構成するバイアホール導体を備えた絶縁シートの作製と、回路パターンを備えた転写シートの作製とを、別個の工程で同時に進行させることができるため、極めて生産効率が高いものとなる。
また、上記方法により得られる多層配線基板は、各層に形成されている回路パターンが各層の絶縁基板中に完全に埋め込まれており、最上層の回路パターンも、その表面に埋め込まれている。従って、この多層配線基板は、フリップチップ実装にも適応し得るような平坦性に極めて優れたものであり、かつ、その厚さも可及的に薄くすることができる。
また、このような多層配線基板は、絶縁基板材料として感光性樹脂を用いる必要がないため、高温高湿下に長時間放置された場合にも、回路の信頼性が損なわれることがない。
また、上記回路パターンは、金属箔の上に更にメッキを施すことなく、金属箔から直接形成されるため、回路パターンが必要以上に厚く形成されることがない。従って、回路パターンの厚肉化による基板強度の変形や低下を有効に防止することができ、かつ、基板の小型化の点でも極めて有利である。
更に、上記回路シートにおいて、埋設された回路パターンの露出面の表面粗さが大きいことから、その回路シートの上に更に別の回路シートや絶縁シートを積層しても回路パターンとその上のシートとの密着性を高めることができ、その結果、積層不良等の発生を防止することができる。
本発明によれば、エッチング等により回路パターンを形成する際に使用される酸やアルカリ等の薬品に対する耐薬品性に優れ、形成した回路パターンと粘着剤層との間に薬品が侵入することで回路パターンが脱落してしまうことを防止することができる金属箔付フィルムを提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1〜6)
ブチルアクリレート90重量部、アクリル酸8重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート2重量部を酢酸エチル/トルエン溶液中で共重合してアクリルポリマー溶液を得た。
このアクリルポリマー溶液に架橋剤(ヘキサジイソシアネート)をポリマー固形分に対して3重量部、及び、可塑剤(アジピン酸ジ−2−エチルへキシル)1重量部加えて粘着剤溶液を作製した。
得られた粘着剤溶液に、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキシドを、それぞれ10重量部(実施例1)、5重量部(実施例2)、3重量部(実施例3)、1重量部(実施例4)、0.5重量部(実施例5)、0.1重量部(実施例6)添加し、これをPETフィルム上に塗布して厚さ10μmの粘着剤層を形成した。
得られた粘着剤付きPETフィルムを銅箔(三井金属鉱業社製、3EC−VLP 12μ
m厚)にラミネートして金属箔付フィルムを作製した。
得られた金属箔付きフィルムを23℃、50%の条件で1週間養生した。
(比較例1〜3)
実施例1と同様にして調製したアクリルポリマー溶液に、架橋剤(ヘキサジイソシアネート)をポリマー固形分に対して5重量部(比較例1)、3重量部(比較例2)、1重量部(比較例3)添加し、更に、可塑剤(アジピン酸ジ−2−エチルへキシル)を1重量部加えて粘着剤溶液を作製して、粘着剤層が厚さ10μmになるようにPETフィルム上に塗布した。
得られた粘着剤付きPETフィルムを銅箔(三井金属鉱業社製、3EC−VLP 12μm厚)にラミネートして金属箔付フィルムを作製した。
得られた金属箔付きフィルムを23℃、50%の条件で1週間養生した。
(接着力評価)
実施例1〜6及び比較例1〜3で得られた金属箔付フィルムについて、以下の方法で、接着力の測定を行った。
金属箔付フィルムを1週間23℃にて養生した後、ガラスエポキシ板に両面テープで固定して剥離速度300mm/分、23℃で、180°剥離接着力を測定した。
結果を表1に示した。
(耐薬品性評価)
実施例1〜6及び比較例1〜3で得られた金属箔付きフィルムを25mm×100mmのサイズにカットして3%塩酸水溶液、4%塩酸水溶液、5%塩酸水溶液、4%水酸化ナトリウム水溶液、5%水酸化ナトリウム水溶液にそれぞれ3時間浸漬して切断端面の粘着剤/銅箔の界面への水溶液の染込みを確認した。
結果を表1に示した。
(パターンサンプル耐薬品性評価)
実施例1〜6及び比較例1〜3で得られた金属箔付きフィルムにDFR貼りつけ、露光、現像、エッチングをして25μm、50μm、100μm、250μmのライン、ドットからなるパターンサンプルを作製して25mm×100mmのサイズにカットして4%塩酸水溶液、5%塩酸水溶液、4%水酸化ナトリウム水溶液、5%水酸化ナトリウム水溶液にそれぞれ1時間浸漬してパターンの剥れ、脱落を確認した。
結果を表1に示した。
Figure 2006103108
本発明によれば、エッチング等により回路パターンを形成する際に使用される薬品に対する耐薬品性に優れ、形成した回路パターンと粘着剤層との間に薬品が侵入することで回路パターンが脱落してしまうことを防止することができる金属箔付フィルムを提供できる。

Claims (3)

  1. 基材と、前記基材の一方の面にリン系化合物を含有する粘着剤層を介して積層された金属箔とからなる金属箔付フィルムであって、前記リン系化合物は、ジフェニルホスフィンオキシド及び/又はフォスファフェナンスレン誘導体であることを特徴とする金属箔付フィルム。
  2. フォスファフェナンスレン誘導体は、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキシド及び/又は9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキシドの誘導体であることを特徴とする請求項1記載の金属箔付フィルム。
  3. 粘着剤層は、粘着剤100重量部に対して、リン系化合物を0.1〜30重量部含有することを特徴とする請求項1又は2記載の金属箔付フィルム。
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