JP2010165848A - 被覆フレキシブル配線板、液晶表示モジュール、および被覆フレキシブル配線板の製造方法 - Google Patents

被覆フレキシブル配線板、液晶表示モジュール、および被覆フレキシブル配線板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】両主面に被覆層が設けられた被覆フレキシブル配線板において、折り曲げ半径が小さくされたときでも外側に膨らもうとする反発力が小さく、信頼性に優れ、液晶表示モジュールの液晶表示パネルに好適に接続されて用いられるものを提供すること。
【解決手段】ポリイミドフィルムからなる基材2a、および前記基材2aの両主面に設けられ、スルーホール2dによって接続される回路2b、2cを有するフレキシブル配線板2と、前記フレキシブル配線板2の一方の主面に設けられる熱硬化性樹脂組成物からなる被覆層3と、前記フレキシブル配線板の他方の主面に設けられる感光性樹脂組成物からなる被覆層4とを有する被覆フレキシブル配線板1。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示モジュールの薄型化に有効な被覆フレキシブル配線板と、これを用いた液晶表示モジュール、該被覆フレキシブル配線板の製造方法に関する。
小型の液晶表示パネル、例えばTFT方式の液晶表示パネルを有する液晶表示モジュールは、携帯電話機等の表示部として使用されている。このような液晶表示モジュールは、液晶表示パネルの一辺にその各サブピクセルを駆動するためのドライバを構成する半導体チップが実装され、さらに制御部との接続のためにフレキシブル配線板が接続されてフレームに収納されている。フレキシブル配線板は、液晶表示パネルの近傍で折り曲げられ、他端がバックライトを挟むようにしてフレームの背面側に配置されている。
このようなフレキシブル配線板については、液晶表示モジュールの薄型化に伴うバックライトの薄型化により、折り曲げ半径が小さくなる傾向にある。一般に、フレキシブル配線板の表面は、液晶表示パネルに接続する微細配線の保護や絶縁を目的として、ポリイミドフィルムに接着剤を塗布したカバーレイフィルムによって被覆されている。このようなカバーレイフィルムは耐擦過性に優れ、液晶表示モジュールの組み立て時に液晶表示パネルのガラス基板によって傷がつきにくいという特長がある。
ところが、このような弾性率の高いポリイミドフィルムが重ねられているために、フレキシブル配線板を折り曲げた際、該フレキシブル配線板には外側に膨らもうとする反発力(以下、スプリングバック力)が発生し、液晶表示パネルや液晶表示モジュールが浮き上がるという問題がある。
このような問題に対し、例えばフレキシブル配線板を収納するフレームに穴部を設けると共に、該フレキシブル配線板に突起部を設け、フレームの穴部にフレキシブル配線板の突起部を挿入することで、フレキシブル配線板のスプリングバック力を抑制する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、例えばフレキシブル配線板を構成する絶縁基板の折り曲げ部に切り欠き部を設け、この部分にシリコーン樹脂等からなる保護用樹脂を塗布することで、フレキシブル配線板の折り曲げを容易とする方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。さらに、例えば回路部と端子形成部とが併設されたフレキシブル配線板において、回路部と端子形成部との間に切り込みによって回路部側に凸状となる可撓片を形成し、この可撓片を接続に利用することで、折り曲げ部をなくす方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。また、薄肉化の観点から、カバーレイフィルムとして、アラミド樹脂からなるフィルムを用いることも知られている(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、何れの方法についても、必ずしも複数重ねられたフィルムの弾性率の影響を完全に解消できていない。また、カバーレイフィルムの代用として、支持基材としてのフィルムを有しないカバーレイ用接着シートも提案されている(例えば、特許文献5参照)。しかしながら、フィルムを有しないために反りは小さくなるものの、表面の硬度が低く、耐擦過性に劣るため、液晶表示パネルのガラス基板に微細配線で接続するような液晶表示モジュールの用途には適していない。
特開2005−338497 特開平9−274446 特開2007−12784 特開2005−235587 特開2003−133704
上記したように、液晶表示モジュールについては薄型化が進展しており、これに用いられるフレキシブル配線板には折り曲げ半径が小さくされたときでもスプリングバック力が小さく、信頼性に優れることが求められている。
本発明は、上記した課題を解決するためにされたものであって、折り曲げ半径が小さくされたときでもスプリングバック力が小さく、信頼性に優れるフレキシブル配線板を提供することを目的としている。また、本発明は、このようなフレキシブル配線板を用いた信頼性に優れる液晶表示モジュールを提供することを目的としている。
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特に折り曲げ半径が小さくなるようにして液晶表示パネルに接続されるフレキシブル配線板において、折り曲げたときに内側となる主面に熱硬化性樹脂組成物からなる被覆層を設けることにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明の被覆フレキシブル配線板は、ポリイミドフィルムからなる基材、および前記基材の両主面に設けられ、スルーホールによって接続される回路を有するフレキシブル配線板と、前記フレキシブル配線板の一方の主面に設けられる熱硬化性樹脂組成物からなる被覆層と、前記フレキシブル配線板の他方の主面に設けられる感光性樹脂組成物からなる被覆層とを有することを特徴とする。
前記熱硬化性樹脂組成物からなる被覆層は、10段階モース硬度における硬度が6以上の無機充填材を含有し、かつ厚さが10μm以上50μm以下であることが好ましい。
前記熱硬化性樹脂組成物からなる被覆層は、(A)エポキシ樹脂、(B)エポキシ樹脂用硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)合成ゴム、および(E)無機充填材を必須成分とし、前記(E)無機充填材として少なくとも10段階モース硬度における硬度が6以上の無機充填材を含有し、かつ組成物全体における前記(E)無機充填材の含有量が2.5質量%以上30質量%以下であるエポキシ樹脂組成物からなることが好ましい。
本発明の液晶表示モジュールは、液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルに電気的に接続するフレキシブル配線板とを有するものであって、前記フレキシブル配線板が上記した本発明の被覆フレキシブル配線板であって、前記被覆フレキシブル配線板は熱硬化性樹脂組成物からなる被覆層が内側となるように折り曲げられて配置されていることを特徴とする。
本発明の被覆フレキシブル配線板の製造方法は、ポリイミドフィルムからなる基材、および前記基材の両主面に設けられ、スルーホールによって接続される回路を有するフレキシブル配線板の一方の主面に熱硬化性樹脂組成物からなる被覆層を形成する工程の後、前記熱硬化性樹脂組成物からなる被覆層が形成されたフレキシブル配線板の他方の主面に感光性樹脂組成物からなる被覆層を形成する工程を有することを特徴とする。
前記熱硬化性樹脂組成物からなる被覆層は、熱硬化性樹脂組成物をフィルム状に半硬化させたものを前記フレキシブル配線板に重ね合わせて加圧、加熱することにより形成することが好ましい。
本発明によれば、フレキシブル配線板の一方の主面に形成される被覆層を熱硬化性樹脂組成物からなるものとすることで、折り曲げ半径が小さくされたときでもスプリングバック力が小さく、信頼性に優れ、液晶表示モジュールに好適に用いられる被覆フレキシブル配線板とすることができる。
また、本発明によれば、このような被覆フレキシブル配線板を用いて液晶表示モジュールとすることで、薄型化した場合にも浮き上がりが抑制され、信頼性に優れる液晶表示モジュールとすることができる。
さらに、本発明によれば、少なくともフレキシブル配線板の一方の主面に熱硬化性樹脂組成物からなる被覆層を形成した後、他方の主面に感光性樹脂組成物からなる被覆層を形成することで、折り曲げ半径が小さくてもスプリングバック力が小さく、信頼性に優れるフレキシブル配線板を容易に製造することができる。
本発明の被覆フレキシブル配線板の一例を示す断面図。 被覆フレキシブル配線板と液晶表示パネルとの接続方法を示す断面図。 本発明の液晶表示モジュールの一例を示す断面図。 被覆フレキシブル配線板の製造に用いられるフレキシブル金属張板を示す断面図。 フレキシブル金属張板にスルーホールを形成した状態を示す断面図。 フレキシブル配線板への熱硬化性樹脂組成物からなる被覆層(熱硬化性樹脂組成物層)の形成方法を示す断面図。 熱硬化性樹脂組成物からなる被覆層(熱硬化性樹脂組成物層)が形成されたフレキシブル配線板を示す断面図。 フレキシブル配線板への感光性樹脂組成物からなる被覆層(感光性樹脂組成物層)の形成方法を示す断面図。 感光性樹脂組成物からなる被覆層(感光性樹脂組成物層)が形成されたフレキシブル配線板を示す断面図。
以下、本発明について具体的に説明する。
図1は、本発明の被覆フレキシブル配線板の一例を示す断面図である。本発明の被覆フレキシブル配線板1は、フレキシブル配線板2と、このフレキシブル配線板2の一方の主面に設けられる熱硬化性樹脂組成物からなる被覆層3(以下、熱硬化性樹脂組成物層3と言う)と、フレキシブル配線板2の他方の主面に設けられる感光性樹脂組成物からなる被覆層4(以下、感光性樹脂組成物層4と言う)とを有している。被覆フレキシブル配線板1のうち、例えば感光性樹脂組成物層4が形成される主面側には、各種の実装部品5が搭載されている。なお、この被覆フレキシブル配線板1は、後述するように熱硬化性樹脂組成物層3が形成されている主面側が内側となるように折り曲げられて使用されるものである。
フレキシブル配線板2は、例えばポリイミドフィルムからなる基材2aと、この基材2aの両主面に設けられる回路2b、回路2cと、これらの回路2b、回路2cを繋ぐスルーホール2dと、液晶表示パネルに電気的に接続する接続端子2eとを有している。熱硬化性樹脂組成物層3は、熱硬化性樹脂を含有する樹脂組成物からなるものであって、例えば接続端子2eが設けられる端部を除いてフレキシブル配線板2の略全面に形成されている。一方、感光性樹脂組成物層4は、感光性を有する樹脂組成物からなるものであって、例えばフレキシブル配線板2の実装部品5が形成される部分を除いた回路2cを覆うように形成されている。
このような被覆フレキシブル配線板1は、例えば図2、3に示すように、液晶表示パネル12に電気的に接続されて液晶表示モジュール11を構成する。例えば図2に示すように、液晶表示パネル12は、一方の主面側に接続端子13や半導体チップ14を有するものである。被覆フレキシブル配線板1は、熱硬化性樹脂組成物層3が形成されている主面側、すなわち接続端子2eが形成されている主面側が液晶表示パネル12の接続端子13が形成されている主面側と対向するように配置され、互いの接続端子2e、接続端子13が電気的に接続される。そして、図3に示すように、液晶表示パネル12を包み込むようにして被覆フレキシブル配線板1を折り曲げることで、すなわち熱硬化性樹脂組成物層3が形成されている主面側が内側となるように被覆フレキシブル配線板1を折り曲げて配置することで、液晶表示モジュール11が構成されている。
本発明の被覆フレキシブル配線板1によれば、弾性率の高い部分がフレキシブル配線板2、特にポリイミドフィルムからなる基材2aのみであり、従来の複数枚のポリイミドフィルムからなるものに比べてスプリングバック力が大幅に抑制されるために、固定手段としての突起やテープを用いずに容易に折り曲げることができ、また液晶表示パネル12や液晶表示モジュール11の浮き上がりの問題も解消することができる。
また、折り曲げたときに内側となる熱硬化性樹脂組成物層3を耐擦過性に優れるものとすることで、液晶表示パネル12のガラス基板の電極に接続する微細配線も有効に保護することができる。さらに、熱硬化性樹脂組成物層3の反対側、すなわち折り曲げたときに外側となる主面側を感光性樹脂組成物層4とすることで、微細加工に優れ、各種の実装部品5を確実に実装することができるものとし、信頼性に優れるものとすることができる。
本発明の被覆フレキシブル配線板1は、例えば以下のようにして製造することができる。なお、以下では、被覆フレキシブル配線板1の製造に用いる部材について、被覆フレキシブル配線板1の部材と同様な符号を付して説明する。例えば、フレキシブル配線板を製造するために用いられるフレキシブル金属張板については、フレキシブル配線板と同様な符号を付して説明する。
まず、フレキシブル配線板2となるフレキシブル金属張板2として、図4に示すようなポリイミドフィルムからなる基材2aの両主面に銅箔等の金属箔2f、金属箔2gが設けられたものを用意する。フレキシブル金属張板2は、一般にフレキシブル金属張板として上市されている2層タイプフレキシブル配線板用金属張板および3層タイプフレキシブル配線板用金属張板より選定して使用できる。2層タイプフレキシブル配線板用金属張板としては、例えばESPANEX(新日鐵化学社製、商品名)、NEOFLEX等(三井化学社製、商品名)が挙げられる。また、3層タイプフレキシブル配線板用金属張板としては、例えばTLF−521、TLF−530等(京セラケミカル社製、商品名)が挙げられる。いずれも金属としては銅が用いられている。
図5に示すように、フレキシブル金属張板2にはスルーホール2dを形成し、両主面の金属箔2f、金属箔2gを電気的に接続する。さらに、図6に示すように、これらの金属箔2f、金属箔2gをエッチング処理することにより回路2b、回路2cを形成し、フレキシブル配線板2とする。
その後、同図に示すように、フレキシブル配線板2の一方の主面を覆うように、熱硬化性樹脂組成物を半硬化状態のフィルム状とした熱硬化型ドライフィルムカバーレイ3を重ね合わせて加圧・加熱し、図7に示すようにフレキシブル配線板2の一方の主面に熱硬化性樹脂組成物層3を形成する。熱硬化型ドライフィルムカバーレイ3は、例えば接続端子2eとなる端部を除いたフレキシブル配線板2の略全面に重ね合わせる。
また、熱硬化型ドライフィルムカバーレイ3を重ね合わせて加圧・加熱する際には、スルーホール2dの深さ方向の半分以上が熱硬化型ドライフィルムカバーレイ3の構成材料で埋められるようにすることが好ましい。このようにすることで、次工程の液状の感光性樹脂組成物からなる感光性液状カバーレイを塗布して感光性樹脂組成物層4を形成する際、この感光性液状カバーレイがスルーホール2dに流れ込み、このスルーホール2dの周辺、特にスルーホール2dの感光性樹脂組成物層4が形成される主面側の角部の感光性樹脂組成物層4が薄くなってしまうことを抑制することができ、被覆フレキシブル配線板1の絶縁信頼性を向上させることができる。
さらに、フレキシブル配線板2の他方の主面には、図8に示すように液状の感光性樹脂組成物からなる感光性液状カバーレイ4を略全面に塗布した後、これを選択露光した後、現像、後硬化させることにより、図9に示すように各種の実装部品5が搭載される部分を除いた回路2cを覆うように感光性樹脂組成物層4を形成する。本発明の被覆フレキシブル配線板1は、このような実装部品5が搭載されていないままのものとしてもよいし、また図1に示したように実装部品5を搭載したものとしてもよい。
熱硬化性樹脂組成物層3の形成に用いられる熱硬化型ドライフィルムカバーレイ3は、例えば熱硬化性を有する樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を半硬化状態のフィルム状としたものである。このような熱硬化性樹脂組成物は、耐擦過性を向上させる観点から、10段階モース硬度における硬度が6以上の無機充填材を含有していることが好ましい。
熱硬化性樹脂組成物としては、例えば接着剤組成物として知られるエポキシ樹脂組成物が挙げられ、具体的には(A)エポキシ樹脂、(B)エポキシ樹脂用硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)合成ゴム、および(E)無機充填材を必須成分として含有するものが挙げられる。(E)成分の無機充填材は、上記した10段階モース硬度における硬度が6以上の無機充填材を含有することが好ましい。
(A)成分のエポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル系の変性エポキシ樹脂、およびその臭素化物等が挙げられ、これらは単独または2種以上混合して使用することができる。これらは、シロキサンおよびリン化合物変性することにより、ハロゲンフリーで難燃性を付与することができる。
(B)成分のエポキシ樹脂硬化剤としては、通常エポキシ樹脂の硬化剤として使用されている化合物であれば特に制限なく使用できる。例えば、アミン系硬化剤として、ジシアンジアミド、芳香族ジアミン等が挙げられ、フェノール系硬化剤として、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、トリアジン変性ノボラック樹脂、イミド変性ノボラック樹脂、さらにビフェニル骨格含有ノボラック樹脂やナフトール系多官能型硬化剤等が挙げられ、これらは単独または2種以上混合して使用できる。
(B)成分のエポキシ樹脂硬化剤の配合量は、(A)成分のエポキシ樹脂のエポキシ基数に対する、この(A)成分のエポキシ樹脂のエポキシ基と反応し得る(B)成分のエポキシ樹脂硬化剤の反応性基数の比((B)成分のエポキシ樹脂硬化剤の反応性基数/(A)成分のエポキシ樹脂のエポキシ基数)が0.7以上1.3以下となるように調整することが好ましい。(B)成分のエポキシ樹脂硬化剤の配合量をこのような基数の比を満たすものとすることで、(A)成分のエポキシ樹脂および(B)成分のエポキシ樹脂硬化剤のそれぞれの未反応分を少なくすることができる。
(C)成分の硬化促進剤としては、通常エポキシ樹脂の硬化促進剤に使用されている化合物であれば特に制限なく使用できる。例えば、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール類;三フッ化ホウ素モノメチルアミン錯体、三フッ化ホウ素ピペリジン錯体、三フッ化ホウ素トリエタノールアミン錯体、三フッ化ホウ素ベンジルアミン錯体、三フッ化ホウ素イミダゾール錯体等の三フッ化ホウ素錯化合物;トリフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン類;トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の三級アミン類;テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩等が挙げられ、これらは単独または2種以上混合して使用できる。(C)成分の硬化促進剤の配合量は、(A)成分のエポキシ樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上5質量部以下であることが好ましい。
(D)成分の合成ゴムとしては、例えばアクリルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンメチルアクリレートアクリロニトリルゴム、ブタジエンゴム、カルボキシル基含有アクリロニトリルブタジエンゴム、ビニル基含有アクリロニトリルブタジエンゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ポリビニルブチラール等が挙げられ、これらは単独または2種以上組み合わせて用いることができる。(D)成分の合成ゴムの配合量は、(A)成分のエポキシ樹脂100質量部に対して10質量部以上900質量部以下であることが好ましく、20以上150質量部以下であることがより好ましい。10質量部未満であると引き剥がし強度が十分でなくなるおそれがあり、900質量部を超えると耐熱性が十分でなくなるおそれがある。
(E)成分の無機充填材は、熱硬化性樹脂組成物層3に耐擦過性を付与する目的で加えられ、接着性等の諸特性を害しない範囲で添加することができる。(E)成分の無機充填材には、耐擦過性をより良好なものとするために、10段階モース硬度における硬度が6以上の無機充填材が含有されていることが好ましい。このような無機充填材としては、例えばα化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、窒化珪素、炭化珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素等が挙げられ、単独または組み合わせて使用することができる。このようなものとしては市販されているものを好適に使用することができ、例えばα−アルミナとしてAS−40、A−42(昭和電工社製、商品名)、窒化ホウ素としてSGPS、MGP(電気化学工業社製、商品名)、窒化ケイ素としてSN−Fl(電気化学工業社製、商品名)等が挙げられる。
(E)成分の無機充填材の含有量は、エポキシ樹脂組成物の全体中、2.5質量%以上30質量%以下であることが好ましい。(E)成分の無機充填材の含有量が2.5質量%未満であると耐擦過性を十分に改善できないおそれがあり、30質量%を超えるとエポキシ樹脂組成物の流動性が低下し、作業性に優れないものとなるおそれがある。また、10段階モース硬度における硬度が6以上の無機充填材を含有させる場合、(E)成分の無機充填材の全体中、50質量%以上とすることが好ましい。(E)成分の無機充填材の全体中、10段階モース硬度における硬度が6以上の無機充填材の含有量が50質量%未満であると、必ずしも十分な添加効果を得ることができず、耐擦過性を向上させることができないおそれがある。
(E)成分の無機充填材の平均粒子径は0.5μm以上20μm以下が好ましく、より好ましくは0.5μm以上10μm以下である。(E)成分の無機充填材は、必要に応じて平均粒子径の異なる無機充填材を組み合わせてもよいし、単独の無機充填材でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせることもできる。無機充填材の形状は球状、またはフレーク状のいずれも好ましく使用できる。但し、実質的に破面を有する破砕形状を持つ無機充填材は鋭いカッティングエッジの影響により耐引裂性に劣るため好ましくない。
エポキシ樹脂組成物は、上記した(A)〜(E)成分の他、必要に応じて、かつ本発明の目的に反しない限度において、その他の無機充填材、トリアジンチオール誘導体、ゴム老化防止剤、顔料、難燃剤等を含有することができる。例えば臭素等のハロゲンを有するエポキシ樹脂や添加型ブロム化合物で変性することにより難燃性を付与することができる。
また、例えばシロキサンおよびリン化合物変性することによりハロゲンフリーで難燃性を付与することもできる。この場合のリン化合物としては、縮合型リン酸エステル、リン酸エステルアミド、およびホスファゼン化合物が最適であり、例えばホスファゼン化合物としては、実質的にハロゲンを含まないもので、耐熱性、耐湿性、難燃性、耐薬品性等の観点から、融点が80℃以上であるホスファゼン化合物を好ましく使用できる。
ホスファゼン化合物としては、以下の一般式で表されるシクロホスファゼン化合物等が好適に用いられる。
Figure 2010165848
(但し、式中、Xは水素原子またはハロゲンを含まない有機基であり、互いに同じでも異なっていてもよい。pは3〜10の整数を表す。)
シクロホスファゼン化合物における置換基Xのハロゲンを含まない有機基としては、炭素数1〜15のアルコキシ基、フェノキシ基、アミノ基、アリール基等が挙げられる。
このようなエポキシ樹脂組成物は、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の好適な有機溶剤で希釈して離型フィルム等のキャリアフィルム上に塗布した後、加熱乾燥させて半硬化状態のフィルム状とする公知の方法により熱硬化型ドライフィルムカバーレイ3とすることができる。なお、キャリアフィルムは、例えば被覆フレキシブル配線板1の全体が完成した後に取り外される。
キャリアフィルムとしては、従来から離型フィルム等として使用されているフィルムの中から任意のものを適宜選択して用いることができる。例えば、ポリプロピレンフィルム、TPXフィルム、テフロン(登録商標)フィルム、また離型剤を塗布したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムやポリエステルフィルム等を用いることができるが、これらの中でも機械的特性、耐薬品性、および経済性等の観点から特にポリエステルフィルムが好ましい。
熱硬化型ドライフィルムカバーレイ3は、厚さが10μm以上50μm以下であることが好ましい。厚さが10μm以上であれば良好な回路被覆性を示し、50μm以下であれば良好なスティフネス性を示す。また、熱硬化型ドライフィルムカバーレイ3の厚さが上記範囲内にあれば、被覆フレキシブル配線板1に要求される屈曲性等の特性の確保および薄肉化を図ることもできる。
また、感光性樹脂組成物層4の形成に用いられる感光性液状カバーレイ4としては、公知の感光性樹脂組成物、または感光性熱硬化型樹脂組成物を用いることができる。このような感光性樹脂組成物としては、例えば(a)1分子中に(メタ)アクリロイル基とカルボキシル基とを有し、希アルカリ溶液に可溶な樹脂成分と、(b)(メタ)アクリロイル基を有する光重合性化合物と、(c)光重合開始剤とを含有するものが挙げられる。
(a)成分の樹脂成分は、1分子中に(メタ)アクリロイル基(アクリロイル基および/またはメタクリロイル基)とカルボキシル基とを有し、希アルカリ溶液に可溶なものであって、紫外線等の活性エネルギー線の照射に基づいて(c)成分の光重合開始剤から発生するラジカルによって、分子中の(メタ)アクリロイル基が重合し、その結果として組成物を不溶化させるものである。このような(a)成分としては、例えばエポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸(アクリル酸および/またはメタクリル酸)をエステル化反応させてアクリル変成し、さらに酸無水物を付加して得られるエポキシアクリレート化合物(例えばエポキシアクリレートオリゴマー)が挙げられる。
(b)成分の(メタ)アクリロイル基を有する光重合性化合物は、光重合性のモノマーまたはオリゴマーであり、(a)成分の1分子中に(メタ)アクリロイル基とカルボキシル基とを有する樹脂成分と併用することによって、樹脂組成物の写真現像性、可撓性、柔軟性、耐折性等を向上させる成分である。このように、(b)成分を(a)成分と併用することによって、アルカリ現像型光硬化性樹脂組成物に基本的な特性として求められる写真現像性、可撓性、柔軟性、耐折性、さらには密着性、耐熱性、耐溶剤性等を向上させることが可能となり、アルカリ現像型光硬化性樹脂組成物の実用性を高めることができる。
(b)成分の光重合性化合物としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルフォリン、メトキシテトラエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、N.N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、メラミンアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、グリセリンジグリシジルエーテルアクリレート、グリセリントリグリシジルエーテルアクリレート、イソボルネオリルアクリレート、シクロペンタジエンモノアクリレート、シクロペンタジエンジアクリレート、ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、トリス−ヒドロキシエチルイソシアヌレート等の多価アルコール、それらのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイド付加物等の多価アクリレート類、これらアクリレートに対応する各メタクリレート類、多塩基酸とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとのモノ、ジ、トリもしくはそれ以上のポリエステルまたはこれらのオリゴマー等が挙げられ、これらは単独または2種以上の混合物として使用することができる。
(b)成分の(メタ)アクリロイル基を有する光重合性化合物の配合量は、(a)成分の樹脂成分100質量部に対して、5質量部以上50質量部以下とすることが好ましい。(b)成分の配合量が(a)成分の樹脂成分100質量部に対して5質量部未満であると感度が低く、露光後のアルカリ現像時の膜減りが大きくなる。一方、(b)成分の配合量が50質量部を超えると硬化物の可撓性が低下すると共に、タック性も増大する。
(c)成分の光重合開始剤は、紫外線等の活性エネルギー線の照射に基づいてラジカルを発生し、これにより(a)成分の樹脂成分および(b)成分の光重合性化合物の反応を誘起してラジカル重合を引き起こすものである。(c)成分の光重合開始剤としては、例えばアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ジクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1等のアセトフェノン類、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p−ジクロロベンゾフェノン、p,p−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、p,p−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン類、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類、ベンジルジメチルケタール等のケタール類、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン類、2−エチルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン等のアントラキノン類、ベンゾイルパーオキシド、クメンパーオキシド等の有機過酸化物、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、リボフラビンテトラブチレート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール等のチオール化合物、2,4,6−トリス−s−トリアジン、2,2,2−トリブロモエタノール、トリブロモメチルフェニルスルホン等の有機ハロゲン化合物、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられ、これらは単独または2種以上の混合物として使用することができる。
(c)成分の光重合開始剤の配合量は、(a)成分の樹脂成分100質量部に対して、5質量部以上50質量部以下とすることが好ましい。(c)成分の配合量が(a)成分100質量部に対して5質量部未満であると、活性エネルギー線により十分な架橋を行わせることが困難になる。逆に、(c)成分の配合量が50質量部を超えると、活性エネルギー線が基板にまで到達し難くなり、基板と樹脂硬化膜との密着性が低下してしまう。
また、感光性液状カバーレイには、上記した(a)〜(c)成分に加えて、例えばエポキシ化合物、このエポキシ化合物の硬化反応を促進するためのエポキシ硬化促進剤、さらに上記したエポキシ樹脂組成物に含有されるような無機充填材を含有させることができる。
このような感光性液状カバーレイは、例えば塗布方法に応じて適切な粘度に調整し、スクリーン印刷法、カーテンコート法、スプレーコート法、ロールコート法等によりフレキシブル配線板2に塗布し、60〜100℃程度の温度で乾燥させる。その後、所定の露光パターンを形成したフォトマスクを通して選択的に活性光線により露光し、未露光部を希アルカリ水溶液により現像する。続いて、活性エネルギー線を照射する、あるいは熱硬化性成分を含む場合には例えば140〜180℃程度の温度に加熱することによって感光性樹脂組成物層4とすることができる。
感光性液状カバーレイの現像には、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、アミン類の各種の希アルカリ水溶液を使用することができる。また、塗膜を光硬化させるための照射光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ等を用いることができる。また、その他にレーザー光線等も露光用活性エネルギー線として使用することができる。
以下、実施例を参照して本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
カルボキシル基含有アクリロニトリルブタジエンゴムのニポール1072(日本ゼオン社製、商品名、ニトリル含量27)200質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエピコート1001(油化シェル社製、商品名、エポキシ当量470)320質量部、クレゾールノボラックエポキシ樹脂のYDCN−703P(東都化成社製、商品名、エポキシ当量210)147質量部、フェノールノボラック樹脂のBRG558(昭和高分子社製、商品名、水酸基価106)160質量部、ビス−p−アミノベンゾアートであるエラスマー−1000(イハラケミカル社製、商品名、アミン当量309.5、n×m=13.6、Mw1238)90質量部、フェノキシホスファゼンオリゴマー(大塚化学社製、融点100℃)110質量部、トリアジンジチオール誘導体としての6−ジブチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオールのZISNET−DB(三協化成社製、商品名)4質量部、重金属不活性剤としての3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾールのMARKCDA−1(アデカアーガス化学株式会社製、商品名)2質量部、アルミナ粉末としてのAS−50(昭和電工社製、商品名、略球状、10段階モース硬度:6)110質量部、水酸化アルミニウム粉末としてのH−42I(昭和電工株式会社製、商品名、略球状、10段階モース硬度:3)110質量部、および三フッ素化ホウ素モノメチルアミン5質量部からなる混合物に溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)およびメチルエチルケトンを加えて固形分40質量%のエポキシ樹脂組成物を調整した。
このエポキシ樹脂組成物を離型剤付ポリエステルキャリアフィルム(藤森社製、商品名:38E−GT)に乾燥後の厚さが25μmとなるようにロールコーターで塗布、乾燥し、半硬化状態の熱硬化型ドライフィルムカバーレイを得た。この熱硬化型ドライフィルムカバーレイを型で打ち抜いて所定の形状とした。
一方、厚さ25μmのべースフィルムの両面に厚さ18μmの銅箔を設けたフレキシブル両面銅張板のEspanex MB 18−25−18 FRG(新日鉄化学社製、商品名)を用い、表面にエッチングレジストを塗布し、回路パターンを露光現像後、塩化第二銅エッチング液によるエッチングにより回路形成してフレキシブル配線板を得た。
このフレキシブル配線板の液晶パネルの電極に接続する主面側に、先に製造した熱硬化型ドライフィルムカバーレイを重ね合わせ、熱プレスを用いて160℃、4MPaの条件で1時間加熱加圧接着し、熱硬化性樹脂組成物層を形成した。
また、フレキシブル配線板の他方の主面に、150メッシュポリエステルスクリーンを用いたスクリーン印刷により感光性液状カバーレイKSR−800(京セラケミカル株式会社製、商品名)を20〜30μmの厚さになるように全面塗布し、80℃の熱風乾燥機で30分間乾燥させて塗膜を形成した。
この塗膜にレジストパターンのネガフィルムを接触させ、紫外線照射露光装置を用いて紫外線を照射した(露光量400mJ/cm)。その後、1質量%濃度の炭酸ナトリウム水溶液を用いて1kgf/cm,1分間スプレーで現像し、未露光部を溶解除去し、さらに150℃×60分の条件で熱硬化させることによって感光性樹脂組成物層を形成した。
その後、先に形成した熱硬化性樹脂組成物層を覆っていたポリエステルキャリアフィルム(熱硬化型ドライフィルムカバーレイの製造時に用いられたポリエステルキャリアフィルム)を剥離して被覆フレキシブル配線板を得た。
(実施例2)
実施例1の熱硬化型ドライフィルムカバーレイの製造に用いられるエポキシ樹脂組成物におけるアルミナ粉末の配合量を11質量部、水酸化アルミニウム粉末の配合量を319質量部とした以外は実施例1と同様にして被覆フレキシブル配線板を製造した。
(実施例3)
実施例1の熱硬化型ドライフィルムカバーレイの製造に用いられるエポキシ樹脂組成物におけるアルミナ粉末の配合量を330質量部とし、水酸化アルミニウム粉末の配合量を0質量部とした以外は実施例1と同様にして被覆フレキシブル配線板を製造した。
(実施例4)
実施例1の熱硬化型ドライフィルムカバーレイの製造に用いられるエポキシ樹脂組成物におけるアルミナ粉末を破砕したままの角が取れていないもの(住友化学社製、商品名:AL−33)に変更し、その配合量を330質量部とし、水酸化アルミニウム粉末の配合量を0質量部とした以外は実施例1と同様にして被覆フレキシブル配線板を製造した。
(実施例5)
実施例1の熱硬化型ドライフィルムカバーレイの製造に用いられるエポキシ樹脂組成物におけるアルミナ粉末の配合量を0質量部、水酸化アルミニウム粉末の配合量を220質量部とした以外は実施例1と同様にして被覆フレキシブル配線板を製造した。
(実施例6)
熱硬化型ドライフィルムカバーレイの厚さを75μmとした以外は実施例1と同様にして被覆フレキシブル配線板を製造した。
(実施例7)
熱硬化型ドライフィルムカバーレイの厚さを5μmとした以外は実施例1と同様にして被覆フレキシブル配線板を製造した。
(比較例1)
熱硬化型ドライフィルムカバーレイの代わりにポリイミドフィルムカバーレイTFA−577−1225(京セラケミカル社製、商品名)を用いた以外は実施例1と同様にして被覆フレキシブル配線板を得た。
(比較例2)
実施例1で使用したものと同様のフレキシブル配線板の両面にポリイミドフィルムカバーレイTFA−577−1225(京セラケミカル株式会社製、商品名)を積層、一体化させて被覆フレキシブル配線板を製造した。
次に、実施例および比較例の被覆フレキシブル配線板について、以下に示すようにしてスティフネス性、耐折性試験、耐擦過性を評価した。また、実施例で使用した熱硬化型ドライフィルムカバーレイの製造に用いられるエポキシ樹脂組成物の硬化物、および比較例で使用したポリイミドフィルムカバーレイについて、以下に示すようにして耐引き裂き性を評価した。結果を表1に示す。
(スティフネス性)
1cm×10cmの寸法に調整した測定試料を長さ方向に対して半分に折り返し、端部から5mm内側の上下の間隙を5mmとした時の反発荷重をプッシュ・プル・ゲージで測定し、下記の判定基準に従って評価した。
◎:0.5N未満
○:0.5N以上1.0N未満
△:1.0N以上1.5N未満
×:1.5N以上
(MIT耐折性)
JIS C6471 8.2に準拠し、500gの荷重で測定試料に張力を与え、曲率半径0.38mmの条件で、破断するまでの回数を測定し、下記の判定基準に従って評価した。
○:500回以上
△:100回以上500回未満
×:100回未満
(耐擦過性)
#0000のスチール・ウールで約1kg/cmの荷重をかけながら5往復表面擦過して傷の程度を目視評価した。この試験を10度繰り返した。尚、目視で傷跡が明瞭なものを×、薄い傷跡が認められるものを△とし、目視で傷跡が全く確認できないものを○とした。
(引き裂き性)
IPC−TM−650 2.4.17.1 フレキシブル絶縁材料の引き裂き強度試験方法に準じて、試料厚さ25μmでの引き裂き強度(N)を測定した。
Figure 2010165848
また、実施例1、比較例4の被覆フレキシブル配線板について、以下に示すようにしてガラス基板への実装性を評価した。結果を表2に示す。
(ガラス基板への実装性)
被覆フレキシブル配線板の一端とガラス基板の一辺とを固着し、熱硬化型ドライフィルムカバーレイ(実施例1)、またはポリイミドフィルムカバーレイ(比較例1)が内側となるようにして折り曲げ、ガラス基板の背面に両面テープで固着した。この被覆フレキシブル配線板が固着されたガラス基板の表裏を金属板にて固定し、温度サイクル試験(−25℃/125℃、各30分保持)を1000サイクル実施した後、被覆フレキシブル配線板の折り曲げ部を目視で確認し、膨らみやたわみの発生が無いものを○、膨らみやたわみが発生したものを×として評価した。
Figure 2010165848
以上の結果から明らかなように、一方の主面の被覆層を熱硬化性樹脂組成物層とし、他方の主面の被覆層を感光性樹脂組成物層とした実施例の被覆フレキシブル配線板については、スティフネス性が低く、耐折性や耐擦過性に優れ、液晶表示パネルのガラス基板に実装した場合にも膨らみやたわみが抑制されることがわかる。また、熱硬化性樹脂組成物層を10段階モース硬度における硬度が6以上の無機充填材を含有するものとすることで、特に耐擦過性に優れるものとできることがわかる。
1…被覆フレキシブル配線板、2…フレキシブル配線板、2a…基材、2b、2c…回路、2d…スルーホール、3…熱硬化性樹脂組成物からなる被覆層(熱硬化性樹脂組成物層)、4…感光性樹脂組成物からなる被覆層(感光性樹脂組成物層)、5…実装部品、11…液晶表示モジュール、12…液晶表示パネル

Claims (6)

  1. ポリイミドフィルムからなる基材、および前記基材の両主面に設けられ、スルーホールによって接続される回路を有するフレキシブル配線板と、
    前記フレキシブル配線板の一方の主面に設けられる熱硬化性樹脂組成物からなる被覆層と、
    前記フレキシブル配線板の他方の主面に設けられる感光性樹脂組成物からなる被覆層と
    を有することを特徴とする被覆フレキシブル配線板。
  2. 前記熱硬化性樹脂組成物からなる被覆層は、10段階モース硬度における硬度が6以上の無機充填材を含有し、かつ厚さが10μm以上50μm以下であることを特徴とする請求項1記載の被覆フレキシブル配線板。
  3. 前記熱硬化性樹脂組成物からなる被覆層は、(A)エポキシ樹脂、(B)エポキシ樹脂用硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)合成ゴム、および(E)無機充填材を必須成分とし、前記(E)無機充填材として少なくとも10段階モース硬度における硬度が6以上の無機充填材を含有し、かつ組成物全体における前記(E)無機充填材の含有量が2.5質量%以上30質量%以下であるエポキシ樹脂組成物からなることを特徴とする請求項1または2記載の被覆フレキシブル配線板。
  4. 液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルに電気的に接続するフレキシブル配線板とを有する液晶表示モジュールであって、
    前記フレキシブル配線板が請求項1乃至3のいずれか1項記載の被覆フレキシブル配線板であって、前記被覆フレキシブル配線板は熱硬化性樹脂組成物からなる被覆層が内側となるように折り曲げられて配置されていることを特徴とする液晶表示モジュール。
  5. ポリイミドフィルムからなる基材、および前記基材の両主面に設けられ、スルーホールによって接続される回路を有するフレキシブル配線板の一方の主面に熱硬化性樹脂組成物からなる被覆層を形成する工程の後、
    前記熱硬化性樹脂組成物からなる被覆層が形成されたフレキシブル配線板の他方の主面に感光性樹脂組成物からなる被覆層を形成する工程
    を有することを特徴とする被覆フレキシブル配線板の製造方法。
  6. 前記熱硬化性樹脂組成物からなる被覆層は、熱硬化性樹脂組成物をフィルム状に半硬化させたものを前記フレキシブル配線板に重ね合わせて加圧、加熱することにより形成することを特徴とする請求項5記載の被覆フレキシブル配線板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017151297A (ja) * 2016-02-25 2017-08-31 株式会社ジャパンディスプレイ 表示装置
CN112088089A (zh) * 2018-05-11 2020-12-15 昭和电工材料株式会社 导体基板、配线基板、可伸缩元件和配线基板的制造方法
US11291111B2 (en) 2019-08-19 2022-03-29 Seiko Epson Corporation Flexible wiring substrate, electro-optical device, and electronic apparatus

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