JP2006102968A - 液体噴射装置および液体噴射ヘッドの液体吸引装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液体噴射ヘッドのノズル面61から噴射した液体を吸引する液体噴射ヘッド30の液体吸引装置20を備える液体噴射装置10であって、液体吸引装置20は、台座21と、台座21に支持されノズル面61との相対的な移動により回転してノズル開口55Aからの前記液体を吸収する円柱状の吸収材22と、液体の吸引の際に、ノズル面61に対面している吸収材22の表面と前記ノズル面61との間に隙間を形成するための隙間形成部材300と、を備えることを特徴とする液体噴射装置10。
【選択図】図7
Description
このインクジェット式記録装置は、記録動作時において、記録ヘッドが記録媒体と近接するために、インク滴が記録媒体と衝突した際に発生するインクの飛び散りが記録ヘッドのノズル面に跳ね返りノズル面を汚染することがある。
この吸引を行った後にノズル面にインクが残留することがあり、ノズル面を汚染することがある。このような記録ヘッドのノズル面の汚染は、記録媒体の繊維や塵埃の付着を招き、記録ヘッドの長時間の使用においてノズルの目詰まりの原因となったり、インクの吐出不能や吐出時のインク滴の飛行曲がり等の悪影響を及ぼすことがあった。
このような問題を解決するために、ノズル面の全面にわたってインクを拭き取って除去して、インクの吐出不良を防ぐために、ワイピング用のブレードが提案されている(例えば特許文献1)。
また、別の問題として、ワイピング用のブレードがノズル面との摩擦によりブレードのノズル面に接触する先端部についても、ノズル面と同様に磨耗が生じる。磨耗が生じたブレード先端部は、形状が不均一となり、ブレードがノズル面を払拭する際に、その不均一な形状がゆえにノズル開口のメニスカスに干渉してしまい、メニスカスを破壊してしまって、ノズル面のクリーニングを失敗してしまうことが生じる。
そこで本発明は上記課題を解消し、液体噴射ヘッドのノズル面に当接することなくノズル面の液体を確実に吸収することができる液体噴射装置および液体噴射ヘッドの液体吸引装置を提供することを目的としている。
これにより、吸収材の表面は、ノズル面との間において隙間形成部材により積極的に隙間が形成されている。したがって、吸収材はノズル面には直接当接はせずに、吸収材の吸引力(毛細管力)によりノズル面にある液体を確実に吸収することができる。また、吸収材は円柱形をしていて、回転しながらワイピングを行うので、吸収材の液体を吸収する部分が順次移動していくため、効果的なワイピングを行うことができる。
したがって、従来用いられているワイピング部材のブレードはノズル面に対して強く積極的に当接する必要が無く、軽く接触してワイピングするだけでよい。あるいはワイピング部材のブレードは構造上不要になる。
このような構成によれば、第2吸収層は第1吸収層に比べて粗い材質により作られているので、第2吸収層はノズル面の液体を素早く吸収しやすい。そして第1吸収層は、第2吸収層にすでに吸収された液体を、排出側へ向けて吸引して確実に排出するのが容易である。
このような構成によれば、吸収材の表面をノズル面に近づけることができ、ノズル面に付着した液体を吸引し易くなる。
このような構成によれば、液体吸引装置を小型化することができる。
図1は、本発明の液体噴射装置の好ましい実施形態であるインクジェット式記録装置10を示している。
図1に示すインクジェット式記録装置10は、インクジェットプリンタとも呼んでいる。インクジェット式記録装置10は、本体部1を有している。この本体部1は、ガイドレール17、プラテン12、キャリッジ14、インク吸引装置20、記録ヘッド30を備えている。記録ヘッド30は、液体の噴射ヘッドの一例であり、印刷ヘッドとも言う。
インク吸引装置20は、吸引ポンプ19からの負圧をノズル開口に作用させてノズル開口からインクを強制的に吸引して排出させる機能を備える。この吸引ポンプ19は、インク吸引装置20を構成する一構成要素である。インク吸引装置20は、液体吸引装置の一例である。インクは液体の一例である。
図1の実施形態では、複数のインクカートリッジ2、3、4、5が、キャリッジ14の上に直接搭載されているが、これに限らずインクカートリッジ2、3、4、5はキャリッジとは別の位置に搭載している、いわゆるオフキャリッジ形のインクジェット式記録装置を採用しても勿論構わない。
図2の用紙搬送機構15Aは、図1の用紙29をプラテン12上を搬送するようになっている。用紙29は記録媒体の一種である。
インクジェット式記録装置10は、特にカラープリンタとして用いられる場合には、この記録ヘッド30は、種類の異なる複数種類のインクを吐出するために、インクの種類ごとに独立したインク経路50を有している。
各インクカートリッジ2、3、4、5からのインクは、インク供給針50Aを介してインク経路50に流入する。インクの種類ごとに独立したインク経路50は、それぞれ複数の圧力室51に接続されている。各圧力室51には、各ノズル開口列54A〜54Dが接続されている。圧力室51から押し出されたインク滴が、ノズル開口列54A〜54Dのノズル開口55A〜55Dから吐出される。
図4に示すように、各ノズル開口列54A〜54Dは、U方向に沿って間隔をおいて形成されており例えば4列形成されている。つまり各ノズル開口列54A〜54Dは、T方向に沿って間隔をおいて平行に配列されている。各ノズル開口列の長手方向はU方向である。
撥水部800は、各ノズル開口列54をすべて含む領域である。このように各ノズル開口列54をすべて含む領域に撥液部の一例である撥水部を形成することにより、各ノズル開口でのインクのメニスカス形状を安定させるとともに、ノズル開口からインクを吐出する際に、インクのドット(インク滴)の直進性を得るために、少なくともノズル開口の付近のインクに対する濡れ性を均一化することができる。
記録ヘッド30内のインク中に気泡が混入したり、インク経路50や圧力室51内に増粘したインクが存在すると、インクの正常な流れが阻害されて、正常なインクの吐出が行えないことがある。この場合には、図2に示すインク吸引装置20が用いられ、このインク吸引装置20によるインクの強制排出が必要となる。
図6は、インク吸引装置20が記録ヘッド30のノズルプレート面61から離れた待機状態を示しており、図7は、インク吸引装置20がノズルプレート面61に近付いている吸引状態の例を示している。図8は、記録ヘッド、インク吸引装置の分解斜視図を示している。
ヘッドカバー部材300は、図8に示すように4つの辺部を有する枠形状に形成されている。ヘッドカバー部材300は、4つの辺部301、302、303、304を有している。これらの辺部301ないし304は、図7に特に示すようにノズルプレート62を記録ヘッド30の本体30Tの下面に対して固定し、かつノズルプレート面61の四隅の周囲を保護する役割を果たしている。
そして、ノズルプレート62は、記録ヘッド30の本体30Tの下面に対して接着により固定されているので、このノズルプレート62が本体30Tの下面から剥がれないようにノズルプレート62の剥がれ防止とノズルプレート62の接着性の維持を果たしている。
このヘッドカバー部材300は、吸収材22とノズルプレート面61の間に図7と図11に示すような隙間Sを積極的に設定するための隙間形成部材である。この隙間Sは、カバー部材300の図8に示す4つの辺部301〜304の内側の下部310の厚みにより規定される。
インク吸引装置20は、液体噴射ヘッドの液体吸引装置の一例である。インク吸引装置20は、台座21と吸収材22および吸引ポンプ19を有している。
吸収材22は、円柱状の部材であり、台座21の2個のアーム24により、台座21の上方に回転可能に支持されている。また、吸収材22は、中心軸CLの回りに回転可能なようにアーム24に取り付けられている。
図9に示す一対のアーム24、24の間には、吸収材22が中心軸CLを中心として回転可能であるが、吸収材22の両端側にある排出部28、28がアーム24、24の挿入穴28A、28Aにはめ込まれている。
この吸収材22の構造例は、図10に示すように、たとえば芯材500と中空体501を有している。心材500はたとえばプラスチックの中空円柱体であり、多数の吸引用の穴503が形成されている。芯材500の両端部には、排出部28、28が一体に形成されている。排出部28、28はパイプ状の部材である。
中空体501の内径Kは、好ましくは芯材500の外径K1よりやや小さくなっていて、芯材500は中空体501の中に差し込まれて、中空体501から抜けないように同心円状に一体に構成されている。
吸収材22は、記録ヘッド30からのインクを吸収できる材質であればよい。吸収材22の材質としては、発泡プラスチックである例えばポリビニルアルコール(PVA)を原料としたスポンジ等を用いることができる。
昇降手段250は、図7に示すように台座21及び吸収材22をZ2方向に上昇させて上昇位置に位置決めすることもできるし、昇降手段250は、図7の上昇した状態から図6に示す待機位置にまでZ1方向に下げて位置決めすることができる。
図1に示すインクジェット式記録装置10の最初の使用の開始時や、インクカートリッジを別のインクカートリッジに交換した場合には、記録ヘッド30のインク経路50の中にインクを充填する必要がある。この充填に際しては、インク吸引装置20によって、記録ヘッド30のノズル開口55から空気およびインクが強制的に吸引されて排出してクリーニングする場合がある。
また、記録ヘッド30のインク中に気泡が混入したりあるいはインク経路50に増粘したインクが存在すると、インクの正常な流れが阻害される場合がある。このような場合にも、インク吸引装置20によりインクの強制排出をしてクリーニングする場合がある。
図10のステップST3では、図7に示す昇降手段250が台座21をZ2方向に上昇させることにより、吸収材22の上端23がヘッドカバー部材300の下部310に当接される。これによって、ヘッドカバー部材300は、隙間形成部材としての役割を発揮し、ノズルプレート面61と吸収材22の間には所定の隙間Sを積極的にしかも確実に形成する。この隙間Sは、ヘッドカバー部材300の下部310の図7における上下方向に関する厚みに相当する。
その後、図12に示すように、ステップST5では図7に示す昇降手段250が作動して図7に示す台座21及び吸収材22が図7の上昇状態から図6に示す待機状態に戻ることになる。
吸収材22の中空体501は、ノズルプレート面61に対して隙間S分を離した状態で図11に示すインク滴900を吸収力(毛細管力)により吸収する。吸収材22は、中心軸CLを中心として回転されるので、中空体501はその全周の表面を用いてインク滴900を確実に吸収できる。
また、図7に示すように吸収材22はヘッドカバー部材300の下部310の下面に対して直接当接することで隙間Sを形成するようにしている。この場合に、下部310に付着しているインク滴がある場合に、この下部310のインク滴は、吸収材22の中空体501により直接吸収することができる。したがって、吸収材22は、下部310に付いたインク滴の吸収の機能も有している。
図13ないし図21は、本発明の別の実施形態を示している。図13ないし図21に示す各実施形態の要素が、図6ないし図8に示す実施形態の対応する要素と同じであるところには同じ符号を記してその説明を用いることにする。
図13と図14に示す本発明の実施形態が、図6と図7に示す実施形態と異なるのは、吸収材22の構造である。図13に示す吸収材22は、第1吸収層22aと第2吸収層22bを有している。第1吸収層22aは、吸収材22の中心側に位置している。第1吸収層22aの外周面には、円筒状の第2吸収層22bが積層して形成されている。第1吸収層22aと第2吸収層22bは同心円状の積層体である。第2吸収層22bは記録ヘッド30のノズルプレート62に対面している。したがって第2吸収層22bの表面とノズルプレート面61の間には隙間Sが積極的に確実に形成されることになる。外側の第2吸収層22bは、内側の第1吸収層22aに比べて組織が粗く形成されている。つまり内側の第1吸収層22aは組織が細かくなっている。
このような第1吸収層22aと第2吸収層22bは、上述したような好ましくは親水性を有する発泡プラスチック等により作るのが望ましい。第1吸収材22aの中心には排出部328が通っている。排出部328は多数の吸引用の穴を有していて、第1吸収材22aから吸引ポンプ19側へインクを導く。排出部328はパイプ状の部材である。
第1の実施形態と異なるのは、吸収材22が段差のある形状となっている点である。吸収材22のヘッドカバー部材300と当接する端部の周囲部26は、ノズルプレート面61と対面する部分22Rよりも直径が小さくなっている。端部の周囲部26の半径と対面する部分22Rの半径との差(段差t)は、隙間Sよりは小さくなっている。
このような構成により、段差を設けない場合に比べ、吸収材22の対面する部分22Rをノズルプレート面61に対してより接近させることができる。このため、インク滴900との接触面積がより大きくなり、吸収材22はインクを確実に吸収することができる。また、インク滴900が小さい場合にも吸収することができる。
このため、段差を設けた実施形態と同様に、吸収材22をノズルプレート面61に近づけることができ、インクを確実に吸収することができる。
なお、凸部27の形状は図示した形状には限られず、たとえば断面半円柱状や断面4角形状等とすることもできる。
このように、チューブ19Aは、アーム24の内部及び台座21の内部に収容されているため、チューブが外に出ているのに比べてインク吸引装置21をより小さなサイズに設計することができる。
本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
上記実施形態の各構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせることができる。
Claims (6)
- 液体噴射ヘッドのノズル面から噴射した液体を吸引する液体噴射ヘッドの液体吸引装置を備える液体噴射装置であって、
前記液体吸引装置は、
台座と、
前記台座に支持され前記ノズル面との相対的な移動により回転して前記ノズル面からの前記液体を吸収する円柱状の吸収材と、
前記液体の吸引の際に、前記ノズル面に対面している前記吸収材の表面と前記ノズル面との間に隙間を形成するための隙間形成部材と、
を備えることを特徴とする液体噴射装置。 - 前記吸収材は、前記吸収材の中心側に位置する第1吸収層と、前記第1吸収材の外側に位置する第2吸収層とを有しており、前記第2吸収層は前記第1吸収層に比べて粗い材質で作られていることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
- 前記吸収材は、前記隙間形成部材に当接する両端部の直径が前記ノズル面に対面する部分の直径よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
- 前記吸収材は、表面に凸部を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体噴射装置。
- 前記液体吸引装置は、前記吸収材に接続されて吸引した前記液体を排出するためのチューブを有し、前記チューブは、前記台座の内部に収容されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の液体噴射装置。
- 液体噴射ヘッドのノズル面から噴射した液体を吸引する液体噴射ヘッドの液体吸引装置を備える液体噴射装置であって、
台座と、
前記台座に支持され前記ノズル面との相対的な移動により回転して前記ノズル面からの前記液体を吸収する円柱状の吸収材と、
前記液体の吸引の際に、前記ノズル面に対面している前記吸収材の表面と前記ノズル面との間に隙間を形成するための隙間形成部材と、
を備えることを特徴とする液体吸引装置。
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