JP2006100257A - 有機電界発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高輝度で高コントラストな画像を表示でき、かつ反射光の回折による虹色が見えない、有機電界発光素子を提供する。
【解決手段】 第一電極、第二電極、該第一電極及び該第二電極との間に発光層を含む少なくとも一層の有機層、透明基板、及び該第一電極又は該第二電極と該透明基板との間にプリズム構造体を有する有機電界発光素子であって、該プリズム構造体は該プリズムの頂点を該透明基板側に向けて位置し、かつ該プリズム頂点間のピッチの変動係数が1%以上であることを特徴とする有機電界発光素子。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電気エネルギーを光に変換して発光できる有機電界発光素子(以下、「有機EL素子」、「発光素子」、又は「EL素子」ともいう。)に関する。
有機EL素子は、低電圧で高輝度の発光を得ることができるため、有望な表示素子として注目されている。しかし、一般に有機EL素子は、無機LED素子等に比べて発光効率が低い。さらに発光効率及び輝度が改良された有機EL素子が求められている。
有機EL素子の発光効率を示す外部エネルギー効率は、素子の内部エネルギー効率と光取り出し効率との積で表される(例えば、非特許文献1参照)。有機EL素子の発光効率を向上させるためには、内部エネルギー効率を向上させるほかに、光取り出し効率も向上させる必要がある。
光取り出し効率とは、素子の発光に対して素子の透明性基板正面から大気中に放出される発光の割合である。発光層での発光が大気中に放出されるには、幾つかの屈折率の異なる媒質の界面を通過する必要があるが、スネルの屈折の法則に従えば、各界面にその臨界角以上の角度で入射した光は、界面で全反射されて層中を導波し消失するか層側面より放出され、その分だけ素子正面からの光放出が減少する。その結果、例えば素子をディスプレイに応用した場合、正面輝度が低くなる。
正面輝度の低下を改善する方法として、界面にドットや溝などからなる回折格子を形成し、光を回折させて取り出す方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この場合、正面輝度向上度が不十分であることに加え、反射光の干渉により、虹色が生じて、ディスプレイに応用する場合には好ましくない。
最近、ランダムドットによってこの虹色を解消する試みが報告され(例えば、非特許文献2参照)、光干渉は無くなったものの、輝度向上度は低下し、不十分なものに留まっている。
前記正面輝度の低下を改善する方法として、界面にプリズムを設ける方法も知られている(例えば、特許文献2参照。)。この方法は、プリズムが集光作用を持つため、正面輝度向上度が大である。
特許第2991183号公報 特開2003−86353号公報 「Optics Letters」、1997年、第22巻、第6号、p.396 「第51回応用物理学関係連合講演会予稿集」、2004、30a−ZN−13
プリズムを通した像はボケが生じてコントラストが低下する問題があるが、発光層とプリズム間の距離を小さくすること、およびプリズムの頂点間距離(ピッチ)を小さくすることにより改善できる。
しかしながら、プリズムが規則的に作られ、かつそのピッチが小さくなると、先に述べた回折格子と同じ問題、すなわち反射光の干渉による虹色の問題が生じる。これに対して、輝度向上度を下げずに、虹色の問題を解消できる方法は見出されていなかった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、高輝度で高コントラストな画像を表示でき、かつ反射光の回折による虹色が見えない有機電界発光素子を提供することにある。
前記実情に鑑み本発明者らは、鋭意研究を行ったところ、電極と透明基板に有するプリズム構造体のプリズム頂点を透明基板側に向け、該プリズムがランダムな配置となるように構成することにより、上記課題を解決しうることを見出し本発明を完成した。
即ち、本発明は下記の手段により達成されるものである。
<1> 第一電極、第二電極、該第一電極及び該第二電極との間に発光層を含む少なくとも一層の有機層、光を取り出す側に設けられた透明基板、及び該第一電極又は該第二電極と該透明基板との間にプリズム構造体を有する有機電界発光素子であって、該プリズム構造体は該プリズムの頂点を該透明基板側に向けて位置し、かつ該プリズム頂点間のピッチの変動係数が1%以上であることを特徴とする有機電界発光素子。
<2> 前記プリズムのピッチの変動係数が3%以上であることを特徴とする上記<1>に記載の有機電界発光素子。
<3> 前記第一電極が陽極で、前記第二電極が陰極であり、前記プリズム構造体を第一電極の陽極側に有することを特徴とする上記<1>又は<2>に記載の有機電界発光素子。
<4> 前記第一電極が陽極で、前記第二電極が陰極であり、前記プリズム構造体を第二電極の陰極側に有することを特徴とする上記<1>又は<2>に記載の有機電界発光素子。
<5> 前記プリズム頂点間ピッチの平均値が0.4μm以上20μm以下であることを特徴とする上記<1>〜<4>のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
<6> 前記プリズムの頂点が同一平面に揃って、前記透明基板に接着されていることを特徴とする上記<1>〜<5>のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
本発明によれば、高輝度で高コントラストな画像を表示でき、かつ反射光の回折による虹色が見えない、有機電界発光素子を提供することができる。
本発明の有機電界発光素子は、第一電極、第二電極、該第一電極及び該第二電極との間に発光層を含む少なくとも一層の有機層、透明基板、及び該第一電極又は該第二電極と該透明基板との間にプリズム構造体を有する有機電界発光素子であって、該プリズム構造体は該プリズムの頂点を該透明基板側に向けて位置し、かつ該プリズム頂点間のピッチの変動係数が1%以上であることを特徴とする。
本発明の有機電界発光素子を前記構成とすることにより、高輝度、高コントラストな画像を表示でき、反射光の回折による虹色の問題が生じない有機電界発光素子を得ることができる。
<プリズム構造体>
本発明のプリズム構造体とは、プリズムを複数個有する構造体を言い、例えば金属酸化物層の表面にV型の溝があるピッチで形成されているものである。
前記プリズムとは、一般的には光学的平面を2つ以上持ち、少なくとも一組の面は近似的にも平行でない透明体を意味する。
プリズムは、集光効果を有するので、光学部材に応用されている。例えば、プラスチックフィルムの片面全面に、規則的なV型溝を数十〜数百ミクロンピッチで多数形成したものは、プリズムシートとして知られている。ただし、面がウェーブ状になったものや、プリズム頂点が多少丸みを帯びたものもプリズムシートとされており、本発明においても、このような形状をも含むものである。
本発明者の研究によれば、プリズムのピッチ(頂点間の距離)が20μm程度に小さくなると、プリズムが反射型の回折格子として働き、外光の反射光を回折させて、ある角度からは、顕著な虹色が見える。従って、特に該プリズムを有するEL素子をディスプレイに用いようとする場合に問題となる。
ここで、該プリズムのピッチの変動係数が1%以上になるようランダム化させてプリズムを形成するとこの虹色の問題が低減でき、一方、輝度向上度はランダム化させない場合と同等であることを見出して本発明を完成したものである。
前記変動係数は、更にコントラスト低下防止、輝度向上、虹色低減の観点から、1〜350%が好ましく、3〜250%がさらに好ましい。変動係数が大きい方が虹色低減の効果は大きいがプリズム作製の容易さの意味からも該範囲が好ましい。
ここで言う変動係数とは、ピッチの標準偏差の、ピッチの平均値に対する割合を意味する。
前記ランダム化とは、プリズム構造体が有するプリズムを、ピッチ(頂点間距離)が無作為になるようプリズム構造体中に配置することをいい、該ランダムの程度は下記のように規定する。
本発明において、前記ランダムの程度は、変動係数(=標準偏差÷平均値)を用いて規定する。尚、標準偏差σは、以下の式によって表される。
Figure 2006100257
ただし、xiはプリズムピッチ、μはプリズムピッチの平均値、nはプリズムの山の総数−1である。
よって、変動係数qは式で表すと下記式で表される。
Figure 2006100257
ただし、xiはプリズムピッチ、μはプリズムピッチの平均値、nはプリズムの山の総数−1である。
以下に、ランダムなプリズムピッチを決定する方法の例として、ピッチが一様分布の場合、及び正規分布の場合について述べるが、これらに限定されるものではない。
1.一様分布(ピッチの出現頻度が最小値から最大値の間で一様であるもの)
ランダムなピッチの具体的な数値は、Microsoft社のExcel2000のRAND関数を用いて求める。このRAND関数は0〜1の範囲でランダムな数を発生させる関数である。この値をRiとして、下記式により計算されるxiをピッチの値として採用する。
i = Ri × (Pmax − Pmin) + Pmin
(Pminはピッチの最小値、Pmaxはピッチの最大値)
2.正規分布(ピッチの出現頻度が、平均ピッチμを中心に、正規分布しているもの)
前記1.(一様分布)と同様に、0〜1の範囲で乱数を発生させ、その値をRiとする。Excel2000のNORMINV関数を用い、Yi=NORMINV(Ri、μ、σ)として、ピッチYiを求めた。但し、μは平均ピッチ、σは目的とする標準偏差である。
これを繰り返して(山の数−1)個のYiを得た。尚、ピッチの分布に上限、下限を設定したい場合は、その範囲外となったYiを無視すればよい。
本発明においては、光を取り出す側の透明基板と光を取り出す側の電極(第一電極又は第二電極)の間にプリズム構造体を設け、該プリズムの頂点は透明基板側に向いている。この場合、プリズムの頂点(山)が同一平面にそろって、透明基板に接着されていることが機械的強度の点で望ましい。
すなわち、プリズム構造体の変動係数が1%以上になるようランダム化されて形成され、該プリズムの頂点(山)のレベルが一致していることが好ましい。
また、該プリズムピッチの平均値がコントラスト低下防止、及び輝度向上の観点から、0.4μm以上20μm以下が好ましく、1μm以上15μm以下が更に好ましく、2μm以上10μm以下が特に好ましい。該プリズムピッチの平均値が可視光の波長0.4μm以下となると集光効果が不充分である。
これらの好ましい組み合わせが最も好ましい態様である。
以下、プリズム構造体の作成について説明する。
前記ランダムピッチのプリズムは、材料を以下に示す方法で直接切削加工しても良いが、一般にはまずNiなどを用いた金型を作成することが好ましい。
まず、ピッチがPmin〜Pmaxμmでランダムに変動する、頂角θのV溝列の加工する際のプログラミング例を示す。
前記頂角θのV溝列の加工は、ダイヤモンドバイトを用いたヘール加工により行うのが好ましいが、本加工の考え方は、その他の加工方法(フライカット)等にも応用可能である。
前記ピッチPminの値としては、加工機の精度、被加工物の材質などにも依存するが、機械加工精度の点から0.1〜10μmが好ましく、0.1〜1μmが更に好ましい。
前記Pmaxの値は、Pminよりも大きく、かつ、加工負荷を低減させるため、所望の解像度が得られる最大限の値をPmaxに設定することが好ましい。
また、前記PmaxとPminとの間で、加工機の分解能の範囲内でランダムピッチのV溝が加工可能であることが必要となる。
前記Pmax及びPminとの関係として、不必要に狭いピッチを回避するため、1.05×Pmin≦Pmax≦5×Pminの値に設定するのが好ましい。
以下、乱数R(n)を用いて所望のピッチ幅P(n)に分散させる方法について説明する。
まず、先に述べたようにパソコンの計算表ソフトを利用して、乱数R(n)を発生させる。ここで、R(n)は0〜1の大きさで与えられる。下記式(1)を用いると、R(n)を所望のピッチ幅P(n)に分散させることが可能である。
P(n)= R(n)×(Pmax−Pmin)+Pmin ・・・(1)
ここで、nは必要なエリア面積に応じて定まる数値である。
例えば、Pmax=5μm、Pmin=1μmで、ピッチ方向に300mmのエリアを加工する場合、平均ピッチが3μmなので、約300/0.003=105本のV溝が必要となる。
P(n)を基本に、V溝の絶対座標 Pab(n)を決定する。
Pab(n)= Σ P(n) ・・・(2)
次に、切込み深さdを式(3)によって設定する。
d= (1/2)・P(n)/tan(θ/2) ・・・(3)
易切削材料の場合は、式(3)の切り込み値でV溝加工を行うことも可能であるが、微細金型で多用される無電解ニッケルの場合、数度に切り込みを分け、少しずつ加工するのがエッジのダレを防止する上では好ましい。この場合、切り込みを深くするに従って、切り込み量d(m)を小さくした方が好ましい。更に、良い加工面を得るためには、最後にスパークアウト(切り込み量ゼロ)を行うと、より良好な形状を創成できる。
以上の方法は、ピッチの分布がPminからPmaxに渡って、一様に分布している場合である。
本発明においては、ピッチの分布が一様でなくても良く、例えば正規分布の形をしている場合に、所望のランダムピッチを作成する方法としては、前述の通りである。
前記加工速度(ダイヤモンドバイトの走行速度)は、加工面の品質面、及び加工能率の面から、一般に速い方が好ましい。しかしながら、工具が被加工物に対して往復運動するヘール加工法では、高速化に限界があるため、1000〜5000mm/min程度が好ましい。
上記に示した方法で加工すると、金型の頂点(山)のレベルが一致するが、d(m)を一定の値とすることで、谷のレベルが一定するパターンも形成可能である。
ランダムピッチV溝アレイが完成したあと、工具の運動方向、或いは被加工物の向きを90度変更したあと、ランダムピッチのV溝加工を行うことで、ランダムピッチの四角錐のアレイ(ピラミッド型アレイ)を創成することが可能である。本発明では、このようなピラミッド型アレイも好ましく用いることができる。
−プリズム構造体の作成−
上記の金型から転写によって目的とするプリズム構造体を作ることができる。
すなわち、前記金型に溶液状の媒体を流し込み、光や熱の作用、或いは単なる冷却等で硬化させた後、金型からとりはずすと、プリズムパターンが転写される。該溶液状の媒体をプリズム構造体を形成する材質を含むことによりプリズム構造体を作成することができる。
前記流し込む溶液状媒体としては、最終的にプリズム構造体を形成するものであっても良いし、シリコーンエラストマーなどの中間転写媒体であっても良い。すなわち、必要に応じて、転写を繰り返しても良い。
以下、転写して作成する場合について説明する。
山のレベルが一致している金型からは偶数回転写すると、山のレベルが一致したプリズム構造体ができ、谷のレベルが一致している金型からは、奇数回転写すると、山のレベルが一致したプリズム構造体ができる。一般には、最終的に山のレベルが一致したプリズム構造体ができることが好ましい。どちらの金型を使うかは、製造工程の容易さを鑑みて使い分けることが可能である。
ただし、ピラミッドの場合は、奇数回転写により、頂点が凹んだ雌型ができるので、山のレベルが一致している金型から偶数回転写で、山のレベルが一致したピラミッド構造体(プリズム構造体)を得るか、あるいはその金型から転写によって作成した雌型の金型から奇数回転写によって、山のレベルが一致したピラミッド構造体(プリズム構造体)を得る必要がある。
プリズムの頂角は、鋭角の方が、輝度向上が大きいが、コントラスト低下も大きくなる。逆に鈍角であるとコントラスト低下が小さくなるが、輝度向上度も小さくなる。従って、頂角としては、60度〜120度が好ましく、70〜110度がより好ましく、80〜100度が更に好ましい。
プリズム構造体を構成する物質としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂などの有機ポリマー材料、および金属酸化物などからなる無機材料を挙げることができる。有機ポリマー材料の場合、金型に熱プレスする方法が適用できるためプリズム構造体が容易に作成できる。金属酸化物の場合、屈折率が大きいプリズム構造体が作成できる。
本発明の有機EL素子を形成する場合、発光層のプリズム側の面からプリズムの最低面(一番深いV溝を含む面)までの距離が、コントラストの観点から、100μm以下が好ましく、更に好ましくは50μm以下になるように、上記のようなプリズム構造体を作成して、透明基板上にプリズム頂点を向けて設置し、プリズム構造体付き基板を得ることが好ましい。プリズム構造体を透明基板に向けて該設置の方法は、UV硬化型接着剤等を用いて貼り合わせることによりできる。
該プリズム構造体付き基板の上に光透過性の陽極、発光層を含む有機層、および陰極を設けて有機EL素子を得る。
また、いわゆるトップエミッションとして知られている方式に用いる場合は、別の基板上に陽極、有機層、および光透過性の陰極を設けた後、上述のプリズム構造体付き基板を、プリズム構造体を陰極側にして、貼りあわせるか、或いはスペーサーを介して設置することにより有機EL素子を得ることができる。
このようにして作成した有機EL素子は、輝度が高く、高コントラストの画像を表示でき、かつ反射光の回折による虹色の問題も生じない。
本発明の有機電界発光素子における透明基板としては、石英ガラス、無アルカリガラス、ソーダライムガラス、又はプラスチックフイルムなどが挙げられる。また、有機電界発光素子としては蛍光発光する素子、燐光発光する素子のいずれでも良い。電界発光素子における、電極、有機層等の他の構成要素については、例えば、特開2004−221068号、特開2004−214178号、特開2004−146067号、特開2004−103577号、特開2003−323987号、特開2002−305083号、特開2001−172284号、特開2000−186094号等の各公報に記載のものが本発明においても同様に適用することができる。
以下、本発明について実施例を用いて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
Niの表面をダイヤモンドバイトで切り込むことにより、表1に示すピッチの8個の金型−1〜8を作成した。
金型−1〜3は規則的ピッチ(変動係数<1%)の比較用金型であり、金型−4〜8は、ピッチが表1に示す値でランダム化されており、かつ頂点(山)のレベルが一致しているものである。
それぞれの金型の上に、シリコーンエラストマーを流し込み、硬化させた後、金型よりはずして、シリコーン製プリズムパターン(8種)を作成した。
厚さ30μmのガラスに、UV硬化型エポキシ樹脂を12ml/m2の量で塗布した。但し、素子−3の場合のみ、24ml/m2とした。この上に上記のシリコーン製プリズムパターンを押し当て、ガラス基板側からUV光を照射して樹脂を硬化させた。次いで、シリコーン製パターンを取り除き、プリズム付きガラス基板を形成した。
このプリズム付きガラス基板を厚さ0.7mmのガラス基板に、プリズム面がガラス基板に向く形で載せ、貼りあわせた。この上に直流電源を用い、スパッタ法にてインジウム錫酸化物(ITO、インジウム/錫=95/5モル比)の陽極(厚み0.15μm)を形成した。この陽極の表面抵抗は10Ω/□であった。
この陽極上に有機化合物層を設置した。
有機正孔輸送層として、N,N'−ジナフチル−N,N'−ジフェニルベンジジンを真空蒸着法にて0.04μm厚で設けた。
さらにその上に有機発光層としてトリス(8−ヒドロキシキノリノ)アルミニウムを真空蒸着法にて0.06μm厚で設けた。
この有機化合物層の上にパタ−ニングしたマスクを設置し、蒸着装置内でマグネシウム:銀=10:1(モル比)を0.25μm厚で蒸着し、さらに銀を0.3μm蒸着して陰極を設けた。陽極、陰極よりそれぞれアルミニウムのリ−ド線を出して有機EL素子−1〜8を作成した。
一方、プリズム構造体を含まない以外は、全く同様にして、比較用の有機EL素子−9を作成した。
これらの各素子に直流電圧12Vを印加し、発光させ、正面輝度を測定した。表1に素子−9に対する輝度の比を、輝度向上度として示した。
また、画面上に幅200μmの発光線・非発光線の繰り返しパターンを表示し、線画像の視認性を見た。画像ボケを視認できなかったものを○、視認できたものを×として、その結果を表1に示した。
次に、素子上に円偏光板を設け、発光させた状態でいろいろな角度から虹色の程度を下記の5点法で評価した。結果を表1に示した。
評価基準は、「5点:虹色は視認できない。4点:虹色は殆ど視認できない。3点:虹色は僅かに視認できる。2点:虹色が視認できる。1点:虹色が明確に視認できる。」として評価した。3点以上であれば実用上問題ないが、4点以上であることがより好ましい。
Figure 2006100257
表1から明らかな通り、変動係数が1%未満及びプリズムのない素子−1〜3、9は上記評価項目のいずれかが不良となり、それに対して1%以上を示す本発明の素子−4〜8はバラツキはあるものの、いずれにおいても良好であることが分かる。
(実施例2)
Niの表面をダイヤモンドバイトで切り込むことにより、金型−9を作成した。金型−9は頂角90度で谷のレベルが一致している。谷の部分で見たとき、ピッチが5〜10μmの間でランダム化されており、平均ピッチ7.5μmで変動係数は5%である。
この上に、シリコーンエラストマーを流し込み、硬化させた後、金型よりはずして、シリコーン製プリズムパターンを作成した。
厚さ0.7mmの無アルカリガラスに、UV硬化型エポキシ樹脂を12ml/m2の量で塗布した。この上に上記のシリコーン製プリズムパターンを押し当て、ガラス基板側からUV光を照射して樹脂を硬化させた。次いで、シリコーン製パターンを取り除くと、ガラス上に微小ランダムプリズムのパターンが形成された。
これに大気下でエキシマランプ(172nm)を10分間照射し、表面を親水化させた。
タイノックA−6(多木化学社製、酸化チタンゾル)に、PVA102(クラレ社製、酸化チタンの30重量%の量)水溶液、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ(塗布液の0.05%量)を混合し、この水性液を上記の微小ランダムプリズム上に塗布(酸化チタンとして、20g/m2の量)、乾燥した。
得られた塗布物を、電気炉を用い、600℃で1時間加熱処理した。
この加熱処理によってエポキシ樹脂及びPVAは消失し、ガラス上に酸化チタンによるランダムプリズムの頂点が向く形で無アルカリガラス基板に載った構造物が形成された。
この上に直流電源を用い、スパッタ法にてインジウム錫酸化物(ITO、インジウム/錫=95/5モル比)の陽極を形成した(厚み0.15μm)。この陽極の表面抵抗は10Ω/□であった。
この陽極上に有機化合物層を設置した。
有機正孔輸送層として、N,N'−ジナフチル−N,N'−ジフェニルベンジジンを真空蒸着法にて0.04μm厚で設けた。さらにその上に有機発光層としてトリス(8−ヒドロキシキノリノ)アルミニウムを真空蒸着法にて0.06μm厚で設けた。
この有機化合物層の上にパタ−ニングしたマスクを設置し、蒸着装置内でマグネシウム:銀=10:1(モル比)を0.25μm厚で蒸着し、さらに銀を0.3μm蒸着して陰極を設けた。陽極、陰極よりそれぞれアルミニウムのリ−ド線を出して有機EL素子−10を作成した。
このEL素子−10に直流電圧12Vを印加し、発光させた。その輝度は、実施例1で測定した比較用の素子−9の輝度測定値の2.5倍であった。
また、素子−10の画面上に幅200μmの発光線・非発光線の繰り返しパターンを表示し、線画像の視認性を見たところ、問題のないコントラストを示した。
また、円偏光板を設けた素子を発光させ、いろいろな角度から観察したが、反射光の回折による虹色は認められなかった。
本発明の有機電界発光素子の一態様であるボトムエミッション方式の層構成図である。 本発明の有機電界発光素子の一態様であるトップエミッション方式の層構成図である。 本発明の有機電界発光素子の一態様であるトップエミッション方式の更に別の層構成図である。
符号の説明
1 透明基板
2 プリズム構造体
3 第1電極
4 有機層
5 第2電極
6 基板
7 スペーサー

Claims (6)

  1. 第一電極、第二電極、該第一電極及び該第二電極との間に発光層を含む少なくとも一層の有機層、光を取り出す側に設けられた透明基板、及び該第一電極又は該第二電極と該透明基板との間にプリズム構造体を有する有機電界発光素子であって、該プリズム構造体は該プリズムの頂点を該透明基板側に向けて位置し、かつ該プリズム頂点間のピッチの変動係数が1%以上であることを特徴とする有機電界発光素子。
  2. 前記プリズムのピッチの変動係数が3%以上であることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
  3. 前記第一電極が陽極で、前記第二電極が陰極であり、前記プリズム構造体を第一電極の陽極側に有することを特徴とする請求項1又は2に記載の有機電界発光素子。
  4. 前記第一電極が陽極で、前記第二電極が陰極であり、前記プリズム構造体を第二電極の陰極側に有することを特徴とする請求項1又は2に記載の有機電界発光素子。
  5. 前記プリズム頂点間ピッチの平均値が0.4μm以上20μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
  6. 前記プリズムの頂点が同一平面に揃って、前記透明基板に接着されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
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