JP5673295B2 - 発光素子及び照明器具 - Google Patents
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また、特許文献2,3のような技術も知られている。
すなわち、本発明は以下の〔1〕〜〔6〕を要旨とする。
前記構造層は、前記構造層の前記有機エレクトロルミネッセンス素子とは反対側の表面に、前記表面に平行な第一の方向に延在する第一の条列と、前記表面に平行で前記第一の方向と交差する第二の方向に延在する第二の条列と、前記表面に平行で前記第一の方向及び前記第二の方向に交差する第三の方向に延在する第三の条列とを含む凹凸構造を有し、
前記凹凸構造が、前記発光面に対して平行な平坦面部と、前記発光面に対して傾斜した斜面部を有し、
前記斜面部を、前記平坦面部に対して垂直な方向に、前記平坦面部に対して平行な平面へと投影して形成される投影面積が、前記平坦面部の合計面積の0.1倍以下である、発光素子。
〔2〕 前記凹凸構造における平坦面部の高低差の最大値が22μm以下である、〔1〕記載の発光素子。
〔3〕 前記斜面部が前記平坦面部に対して80°以上90°未満の傾斜角度で傾斜している、〔1〕又は〔2〕記載の発光素子。
〔4〕 前記平坦面部の高低差の最大値が0.1μm以上である、〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の発光素子。
〔5〕 〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の発光素子を備える照明器具。
図1及び図2はいずれも本発明の第一実施形態に係る発光素子を説明する図であって、図1は発光素子を模式的に示す斜視図であり、図2は図1に示す発光素子を線1a−1bを含み出光面に対して垂直な面で切断した断面を模式的に示す断面図である。
例えば有機EL素子140として例示するように、有機EL素子は、通常、2層以上の電極層と、これらの電極層間に設けられ、電極層から電圧を印加されることにより発光する発光層と、を備える。
透明電極層の材料としては、例えば、ITO(酸化インジウムスズ)等を挙げることができる。
正孔注入層の材料としては、例えば、スターバースト系芳香族ジアミン化合物等を挙げることができる。
正孔輸送層の材料としては、例えば、トリフェニルジアミン誘導体等を挙げることができる。
黄色発光層のホスト材料としては、例えば、トリフェニルジアミン誘導体等を挙げることができ、黄色発光層のドーパント材料としては、例えば、テトラセン誘導体等を挙げることができる。
緑色発光層の材料としては、例えば、ピラゾリン誘導体等を挙げることができる。
青色発光層のホスト材料としては、例えば、アントラセン誘導体等を挙げることができ、青色発光層のドーパント材料としては、例えば、ペリレン誘導体等を挙げることができる。
赤色発光層の材料としては、例えば、ユーロピウム錯体等を挙げることができる。
電子輸送層の材料としては、例えば、アルミニウムキノリン錯体(Alq)等を挙げることができる。
反射電極層の材料としては、例えば、フッ化リチウムおよびアルミニウムをそれぞれ用い、これらを順次真空成膜により積層させたもの等を挙げることができる。
出光面構造層100は、有機EL素子140の発光面144に設けられた層であり、この出光面構造層100の有機EL素子140とは反対側の表面が、出光面10Uである。出光面10Uは発光素子10の最表面に露出した面であり、発光素子10としての出光面、即ち、発光素子10から素子外部に光が出光する際の出光面である。
さらに、構成要素が「平行」又は「垂直」であるとは、本発明の効果を損ねない範囲、例えば±5°の範囲内で誤差を含んでいてもよい。また、ある方向に「沿って」とは、別に断らない限り、ある方向に「平行に」という意味である。
凹凸構造層111は、発光素子10の上面(即ち発光素子10の出光面側の最外層)に位置する層である。この凹凸構造層111は、第一の条列113、第二の条列114、第三の条列115及び第四の条列116を含む凹凸構造を有する。ここで、「条列」とは、ある一定の方向にある長さだけ連続して延在する複数列の凹部又は凸部の群のことを意味する。したがって、条列が延在する方向とは、当該条列に含まれる凹部又は凸部が延在する方向のことを意味する。条列には、例えば溝状に形成された凹部のみが含まれていてもよく、例えば畝状に形成された凸部のみが含まれていてもよく、これらの組み合わせが含まれていてもよい。本実施形態では、第一〜第四の条列113〜116は、いずれも周囲よりも相対的に突出した凸部からなっている。このため、前記の第一〜第四の条列113〜116の間の位置には、相対的に窪んだ凹部117が存在する。本実施形態の凹凸構造層111においては、凸部からなる第一〜第四の条列113〜116と凹部117とが凹凸構造に含まれていて、当該凹凸構造によって出向面10Uが規定されている。
以下、出光面10Uの凹凸構造について、図面を参照して詳細に説明する。
図3〜図7は、本発明の第一実施形態に係る発光素子10の出光面10Uを、発光素子10の厚み方向から見た様子を拡大して模式的に示す平面図である。また、図8は、本発明の第一実施形態に係る凹凸構造層111の一部を、図3の線3aを含み出光面10Uに対して垂直な面で切断した断面を模式的に示す部分断面図である。なお、図3において線3aは、第三の条列115と第四の条列116とが交わる地点X及び凹部117を通り、第一の条列113が延在する方向に対して平行な線である。また、図4では第一の条列113に斜線を付して示し、図5では第二の条列114に斜線を付して示し、図6では第三の条列115に斜線を付して示し、図7では第四の条列116に斜線を付して示す。さらに、以下の説明において、別に断らない限り、「厚み方向」とは発光素子10の厚み方向を表す。
また、ここでは、4群の条列の場合について述べたが、N群の条列(Nは3以上の整数を表す。)として、第mの条列が延在する方向を一般式で表すと、
180°/N×(m−1)±180°/1.1Nの範囲が好ましく、
180°/N×(m−1)±180°/1.5Nの範囲がより好ましく、
180°/N×(m−1)±180°/2Nの範囲が特に好ましい。
なお、ここでmは1以上N以下の整数を表す。また、前記一般式は、ある基準方向を角度0°とした場合に、当該基準方向と第mの条列が延在する方向とがなす角度を表す。
図8に示すように、凹部117の底は、出光面10Uに対して平行で平坦な面である平坦面部117Bとなっている。仮に塵及び破片が凹部117にたまると光取出効率の低下及び輝点の発生などを生じる可能性があるが、凹部117の底が平坦な平坦面部117Bとなっていることにより、凹部117に塵及び破片等を溜まり難くすることができる。
また、同じ条列113〜116に含まれる凹部又は凸部の寸法は、同じでもよく、異なっていてもよい。本実施形態では、同じ条列113〜116に含まれる凸部の寸法は、いずれも一定であるものとする。
さらに、異なる条列113〜116に含まれる凹部又は凸部の寸法は、同じでもよく、異なっていてもよい。本実施形態では、いずれの条列113〜116においても、凸部の高さH及び幅Wは一定である。ピッチPは、第一の条列113と第二の条列114とが交差する地点を、いずれの第三の条列115及び第四の条列116も通るように、寸法が調整されている。このため、凹部117を厚み方向から見た形状は、いずれの凹部117においても同一の形状であり、どの凹部117においても底の平坦面部117Bは三角形になっている。
出光面構造層100は、複数の層からなるものとしうるが、単一の層からなってもよい。所望の特性を備えた出光面構造層100を容易に得る観点からは、複数の層からなることが好ましい。本実施形態では、図1に示すように、出光面構造層100は、凹凸構造層111と基材フィルム層112とを組み合わせた複層体110を含むようになっているものとする。これにより、性能の高い出光面構造層100を容易に得ることができる。
粒子の粒径は、好ましくは0.1μm以上であり、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下である。ここで粒径とは、体積基準の粒子量を、粒子径を横軸にして積算した積算分布における50%粒子径のことである。粒径が大きいほど、所望の効果を得るために必要な粒子の含有割合は多くなり、粒径が小さいほど、含有量は少なくてすむ。したがって、粒径が小さいほど、観察角度による色味の変化の低減、及び光取り出し効率の向上等の所望の効果を、少ない粒子で得ることができる。なお、粒径は、粒子の形状が球状以外である場合には、その同等体積の球の直径を粒径とする。
また、基材フィルム層112の厚さは、20μm〜300μmであることが好ましい。
本実施形態の発光素子10は、有機EL素子140と複層体110との間に、支持基板131を備える。支持基板131を備えることにより、発光素子10に、たわみを抑制する剛性を与えることができる。また、支持基板131として、有機EL素子140を封止する性能に優れて、且つ、製造工程において有機EL素子140を構成する層をその上に順次形成することを容易に行い得る基板を備えることにより、発光素子10の耐久性を向上させ、且つ製造を容易にすることができる。
支持基板131の屈折率は、特に制限されないが、1.4〜2.0とすることが好ましい。
支持基板131の厚さは、特に限定されないが、0.1mm〜5mmであることが好ましい。
本実施形態の発光素子10は、複層体110と支持基板131との間に接着層121を備える。接着層121は、複層体110の基材フィルム層112と支持基板131との間に介在して、これらの2層を接着する層である。
接着層121の材料である接着剤は、狭義の接着剤(23℃における剪断貯蔵弾性率が1〜500MPaであり、常温で粘着性を示さない、いわゆるホットメルト型の接着剤)のみならず、23℃における剪断貯蔵弾性率が1MPa未満である粘着剤をも包含する。具体的には、支持基板131あるいは基材フィルム層112に近い屈折率を有し、且つ透明であるものを適宜用いうる。より具体的には、アクリル系接着剤あるいは粘着剤が挙げられる。接着層の厚さは、5μm〜100μmであることが好ましい。
本実施形態の発光素子10は、発光面145に封止基材151を備える。封止基材151は、発光面145に直接接するように設けてもよい。また、発光面145と封止基材151との間に、充填材や接着剤等の任意の物質が存在していてもよいし、空隙が存在していてもよい。空隙には、発光層142の耐久性を大きく損なう等の不都合がない限りは空気やその他の気体が存在してもよいし、空隙内を真空としてもよい。
発光素子10の製造方法は、特に限定されないが、例えば、支持基板131の一方の面に有機EL素子140を構成する各層を積層し、その後又はその前に、支持基板131の他方の面に凹凸構造層111及び基材フィルム層112を有する複層体110を、接着層121を介して貼付することにより製造してもよい。
(方法1)基材フィルム層112を構成する樹脂組成物Aの層及び凹凸構造層111を構成する樹脂組成物Bの層(凹凸構造はまだ形成されていない)を有する未加工複層体を用意し、かかる未加工複層体の樹脂組成物B側の面上に、凹凸構造を形成する方法;及び
(方法2)基材フィルム層112の上に、液体状態の樹脂組成物Bを塗布し、塗布された樹脂組成物Bの層に型を当て、その状態で樹脂組成物Bを硬化させ、凹凸構造層111を形成する方法
などを挙げることができる。
より具体的には、長尺の未加工複層体を押出成形により連続的に形成し、所望の表面形状を有する転写ロールとニップロールとで未加工複層体を加圧し、それにより、連続的な製造を効率的に行うことができる。転写ロールとニップロールとによる挟み圧力は、好ましくは数MPa〜数十MPaである。また転写時の温度は、樹脂組成物Bのガラス転移温度をTgとすると、好ましくはTg以上(Tg+100℃)以下である。未加工複層体と転写ロールとの接触時間はフィルムの送り速度、すなわちロール回転速度によって調整でき、好ましくは5秒以上600秒以下である。
本実施形態の発光素子10は上述したように構成されているので、有機EL素子140の発光面144から発せられた光は、出光面構造層100を透過して、出光面10Uを通って取り出され、また、発光面145から発せられた光は封止基材151を透過して出光面10Dを通って取り出される。
第一実施形態においては、同じ出光面10Uにおける平坦面部113U〜116U及び117Bの高低差Hを一定にしたため、出光面10Uの凹凸構造は2つの異なる高さを有していた。しかし、本発明の発光素子では、例えばこの高低差Hを不揃いにすることによって、出光面の凹凸構造が、3つ以上の異なる高さを有するようにしてもよい。
この際、凹凸構造の高さは、いずれの高さ同士を比べても、それぞれ0.1μm以上異なるようにすることが好ましい。出光面の凹凸構造が0.1μm以上異なる3つ以上の高さを有すると、出光面の凹凸構造は、出光面を通って出光する出射光及び出光面で反射した反射光の一方又は両方の干渉をもたらす差異を超える寸法差を有することになる。これにより、前記の出射光及び反射光の一方又は両方の干渉による虹ムラを効果的に抑制できる。ここで虹ムラとは、出光面を見た場合に観察される虹状の色ムラのことを意味する。また、前記の凹凸構造の高さの差は、0.1μm以上の他にも、例えば0.15μm以上もしくは0.2μm以上であってもよい。凹凸構造の高さの差の上限については特に限定しないが、大きすぎると発光素子が厚くなる傾向があることから、凹凸構造の高さの差の上限は、好ましくは50μm以下であり、例えば25μm以下もしくは10μm以下としてもよい。
以下、その例を、図面を用いて説明する。
上述した第一及び第二実施形態では、有機EL素子の2つの発光面のうち一方の発光面に出光面構造層を配置した例を示したが、両方の発光面に出光面構造層を配置してもよい。以下、その例を、図面を用いて説明する。
図11に示す通り、第三実施形態に係る発光素子30は、封止基材151の代わりに出光面構造層100を備えること以外は、第一実施形態に係る発光素子10と同様である。これにより、発光素子30は、有機EL素子140の2つの発光面144及び145の両方に、出光面構造層100を備えることになる。したがって、発光素子30は、2つの出光面10Uの両方に凹凸構造を有することになる。なお、本実施形態では、2つの出光面に、それぞれ同じ形状の凹凸構造層を設けているが、必ずしもこのような形態には限定されず、一方の出光面の凹凸構造の形状と、他方の出光面の凹凸構造の形状を異なるものとしてもよい。また、図中下側の出光面構造層100と、第二の電極143との間には、充填材や接着剤等の任意の物質が存在していてもよいし、空隙が存在していてもよい。空隙には、発光層142の耐久性を大きく損なう等の不都合がない限りは空気やその他の気体が存在してもよいし、空隙内を真空としてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、更に変更して実施してもよい。
例えば、上述した実施形態では発光面144に直接に接するように出光面構造層100を設けたが、出光面構造層100は他の層を介して発光面144に設けられていてもよい。他の層としては、例えば、有機EL素子140を外気及び湿気から保護するガスバリア層、紫外線を遮断する紫外線カット層などが挙げられる。
また、例えば、第一〜第四の条列に含まれる凹部又は凸部は、角が丸みを帯びた形状に形成されてもよい。
また、例えば、斜面部を曲面にしてもよい。
本発明の発光素子は、例えば、照明器具及びバックライト装置等の用途に用いてもよい。
照明器具は、本発明の発光素子を光源として備え、さらに、必要に応じて、光源を保持する部材、電力を供給する回路等の任意の構成要素を備える。
また、バックライト装置は、本発明の発光素子を光源として備え、さらに、必要に応じて、筐体、電力を供給する回路、出光する光をさらに均一にするための拡散板、拡散シート、プリズムシート等の任意の構成要素を含む。バックライト装置の用途は、液晶表示装置等、画素を制御して画像を表示させる表示装置、並びに看板等の固定された画像を表示させる表示装置のバックライト等が挙げられる。
(複層体の製造)
ロール状のフィルム基材(商品名「ゼオノアフィルム」、日本ゼオン株式会社製、脂環式構造含有重合体樹脂のフィルム、厚さ100μm、屈折率1.53)にウレタンアクリレートを主成分とするUV硬化樹脂(屈折率1.54)を塗布して塗膜を形成し、かかる塗膜上に金属モールドを押し付けた。この状態で、紫外線を1.5mJ/cm2照射し塗膜を硬化させ、凹凸構造を有する凹凸構造層(厚み25μm)を形成した。凹凸構造を作成する金属モールドは、頂角5°、先端幅50μmの切削バイトを用いて、3つの方位角方向に切削することにより作製した。
方位角0°方向の切削は、切削ピッチを200μmとし、溝の深さを19.4μm、19.7μm、20.0μm、20.3μm及び20.6μmで溝ごとにランダムになるようにした。
方位角45°方向及び90°方向の切削は、切削ピッチを400μmとし、溝の深さを20.0μmで一定にした。
主面に透明電極層が形成されたガラス基板上に、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、ホール阻止層、電荷発生層、金属酸化物層及び陰極を、この順に形成した。各層を形成した材料と膜厚は下記の通りである。
・ホール注入層:三酸化モリブデン(MoO3)5nm
・ホール輸送層:NS−21[新日鉄化学株式会社製]及びMoO3 20nm、さらにNS−21 5nm、合計25nm
・発光層:NS−21及びEY52(e−Ray Optoelectronics Technology社(以下、e−Ray社とする)製)20nm、さらにEB43及びEB52(共にe−Ray社製)30nm、合計50nm
・ホール阻止層:ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(p−フェニルフェノラート)アルミニウム(BAlq) 5nm
・電荷発生層:Liq及びDPB 35nm、さらにアルミニウム 1.5nm、さらにNS−21及びMoO3 10nm、合計37.5nm
・金属酸化物層:MoO3 5nm
・陰極:ITO 100nm
得られた透明有機EL素子1に、凹凸構造層を形成したフィルム基材を粘着層(アクリル系樹脂、屈折率1.49、日東電工社製、CS9621)を介して貼り合せ、透明有機EL素子1−粘着層−フィルム基材−凹凸構造層との層構成を有する発光素子1を得た。得られた発光素子1を通電して発光させ、発光素子1の透過性を目視で評価すると、正面方向及び斜め方向からの透明性が優れていた。
頂角25°、先端幅50μmの切削バイトと、頂角25°、先端幅150μmの切削バイトとを用いて、4つの方位角方向に切削することにより、金属モールドを作製した。4つの方位角方向は0°方向、45°方向、90°方向及び135°方向とした。
方位角0°方向の切削は、先端幅150μmの切削バイトを用い、切削ピッチを360μm、380μm、400μm、420μm及び440μmで溝ごとにランダムになるようにした。
方位角45°方向及び90°方向の切削は、先端幅50μmの切削バイトを用い、切削ピッチを400μmで一定となるようにした。
方位角135°方向の切削は、先端幅150μmの切削バイトを用い、切削ピッチを400μmで一定となるようにした。
さらに、いずれの溝の深さも18.0μmとした。
金属モールドとして以上のようにして作製したものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、凹凸構造層(厚み25μm)を形成し、発光素子2を製造した。
頂角20°、先端幅75μmの切削バイトと、頂角20°、先端幅100μmの切削バイトと、頂角20°、先端幅125μmの切削バイトとを用いて、6つの方位角方向に切削することにより、金属モールドを作製した。6つの方位角方向は0°方向、45°方向、60°方向、90°方向、120°方向及び135°方向とした。
方位角0°方向の切削は、先端幅100μmの切削バイトを用い、切削ピッチを360μm、380μm、400μm、420μm及び440μmで溝ごとにランダムになるようにし、溝の深さを24.4μm、24.7μm、25.0μm、25.3μm及び25.5μmで溝ごとにランダムになるようにした。
方位角45°方向の切削は、先端幅125μmの切削バイトを用い、切削ピッチを800μmで一定となるようにし、溝の深さを24.4μm、24.7μm、25.0μm、25.3μm及び25.6μmで溝ごとにランダムとなるようにした。
方位角60°方向の切削は、先端幅75μmの切削バイトを用い、切削ピッチを720μm、760μm、800μm、840μm及び880μmで溝ごとにランダムとなるようにし、溝の深さを25.0μmで一定となるようにした。
方位角90°方向の切削は、先端幅100μmの切削バイトを用い、切削ピッチを400μmで一定となるようにし、溝の深さを24.4μm、24.7μm、25.0μm、25.3μm及び25.6μmで溝ごとにランダムとなるようにした。
方位角120°方向の切削は、先端幅125μmの切削バイトを用い、切削ピッチを800μmで一定となるようにし、溝の深さを25.1μmとなるようにした。
方位角135°方向の切削は、先端幅75μmの切削バイトを用い、切削ピッチを720μm、760μm、800μm、840μm及び880μmで溝ごとにランダムとなるようにし、溝の深さを25.0μmで一定となるようにした。
金属モールドとして以上のようにして作製されたものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、凹凸構造層(厚み30μm)を形成し、発光素子3を製造した。
頂角25°、先端幅40μmの切削バイトと、頂角25°、先端幅80μmの切削バイトと、頂角25°、先端幅120μmの切削バイトと、頂角25°、先端幅160μmの切削バイトとを用いて、8つの方位角方向に切削することにより、金属モールドを作製した。8つの方位角方向は、0°方向、20°方向、45°方向、60°方向、90°方向、115°方向、135°方向及び165°方向とした。
方位角0°方向の切削は、先端幅160μmの切削バイトを用い、切削ピッチを720μm、760μm、800μm、840μm及び880μmで溝ごとにランダムになるようにし、溝の深さを25.0μmで一定となるようにした。
方位角20°方向の切削は、先端幅120μmの切削バイトを用い、切削ピッチを800μmで一定となるようにし、溝の深さを24.4μm、24.7μm、25.0μm、25.3μm及び25.6μmで溝ごとにランダムとなるようにした。
方位角45°方向の切削は、先端幅40μmの切削バイトを用い、切削ピッチを720μm、760μm、800μm、840μm及び880μmで溝ごとにランダムとなるようにし、溝の深さを24.4μm、24.7μm、25.0μm、25.3μm及び25.6μmで溝ごとにランダムとなるようにした。
方位角60°方向の切削は、先端幅160μmの切削バイトを用い、切削ピッチを800μmで一定となるようにし、溝の深さを24.4μm、24.7μm、25.0μm、25.3μm及び25.6μmで溝ごとにランダムとなるようにした。
方位角90°方向の切削は、先端幅80μmの切削バイトを用い、切削ピッチを720μm、760μm、800μm、840μm及び880μmで溝ごとにランダムとなるようにし、溝の深さを25.0μmで一定となるようにした。
方位角115°方向の切削は、先端幅120μmの切削バイトを用い、切削ピッチを720μm、760μm、800μm、840μm及び880μmで溝ごとにランダムとなるようにし、溝の深さを24.4μm、24.7μm、25.0μm、25.3μm及び25.6μmで溝ごとにランダムとなるようにした。
方位角135°方向の切削は、先端幅80μmの切削バイトを用い、切削ピッチを720μm、760μm、800μm、840μm及び880μmで溝ごとにランダムとなるようにし、溝の深さを25.0μmで一定となるようにした。
方位角165°方向の切削は、先端幅40μmの切削バイトを用い、切削ピッチを800μmで一定となるようにし、溝の深さを24.4μm、24.7μm、25.0μm、25.3μm及び25.6μmで溝ごとにランダムとなるようにした。
この金属モールドから、Ni電鋳(厚み約300μm)にて、凹凸形状が反転した形状の転写型を作製した。
型としてこの転写型を用いたこと以外は実施例1と同様にして、凹凸構造層(厚み30μm)を形成し、発光素子4を製造した。
頂角20.0°、先端幅10μmの切削バイトを用いて、2つの方位角方向に切削することにより、金属モールドを作製した。2つの方位角方向は0°方向及び90°方向とした。
切削は、いずれの方位角方向でも、切削ピッチを90.0μm、95.0μm、100.0μm、105.0μm及び110.0μmで溝ごとにランダムとなるようにし、溝の深さを20.0μmで一定となるようにした。
金属モールドとして以上のようにして作製されたものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、凹凸構造層(厚み25μm)を形成し、発光素子5を製造した。
頂角40.0°、先端幅10.0μmの切削バイトを用いて、2つの方位角方向に切削することにより、金属モールドを作製した。2つの方位角方向は0°方向及び90°方向とした。
切削は、いずれの方位角方向でも、切削ピッチを35.0μmで一定となるようにし、溝の深さを4.4μm、4.7μm、5.0μm、5.3μm及び5.6μmで溝ごとにランダムとなるようにした。
金属モールドとして以上のようにして作製されたものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、凹凸構造層(厚み10μm)を形成し、発光素子6を製造した。
頂角20.0°、先端幅30.0μmの切削バイトを用いて、2つの方位角方向に切削することにより、金属モールドを作製した。2つの方位角方向は0°方向及び90°方向とした。
切削は、いずれの方位角方向でも、切削ピッチを90.0μm、95.0μm、100.0μm、105.0μm及び110.0μmで溝ごとにランダムとなるようにし、溝の深さを24.4μm、24.7μm、25.0μm、25.3μm及び25.6μmで溝ごとにランダムとなるようにした。
金属モールドとして以上のようにして作製されたものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、凹凸構造層(厚み30μm)を形成し、発光素子7を製造した。
頂角30.0°、先端幅75.0μmの切削バイトを用いて、2つの方位角方向に切削することにより、金属モールドを作製した。2つの方位角方向は0°方向及び90°方向とした。
切削は、いずれの方位角方向でも、切削ピッチを90.0μm、95.0μm、100.0μm、105.0μm及び110.0μmで溝ごとにランダムとなるようにし、溝の深さを24.4μm、24.7μm、25.0μm、25.3μm及び25.6μmで溝ごとにランダムとなるようにした。
金属モールドとして以上のようにして作製されたものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、凹凸構造層(厚み30μm)を形成し、発光素子8を製造した。
(光取り出し量)
実施例1で得られた透明有機EL素子1、実施例1〜4並びに比較例2〜5で得られた発光素子1〜8について、プログラム(プログラム名:ASAP,Breault Reserch社製)を用いた光学シミュレーションで、発光層の光度を1lmとし、両面からでてくる光度を算出した。得られた値を表1及び表2に示す。なお、表1及び表2において「貼合面の光取出量」欄の数値は、凹凸構造層が設けられて凹凸構造を有する出光面からの光取出量を表し、「裏面の光取出量」欄の数値は、凹凸構造層の無いガラス表面からの光取出量を表す。また、透明有機EL素子1については比較例1として取り扱う。比較例1において、「貼合面の光取出量」欄の数値および「裏面の光取出量」欄の数値は、いずれも、凹凸構造層の無いガラス表面からの光取出量を表す。
実施例1〜4並びに比較例2〜5で得られた凹凸構造層について、プログラム(プログラム名:ASAP,Breault Reserch社製)を用いた光学シミュレーションで、平行光透過率と拡散光透過率を算出し、凹凸構造層の透明性を表す数値として、(拡散光透過率)/(平行光透過率+拡散光透過率)×100を算出した。この数値が低いほど、厚み方向から見た透明性に優れることを表す。得られた値を表1及び表2に示す。
実施例1〜実施例4、および比較例2〜比較例5で得られた発光素子1〜8について目視観察し、格子ムラの有無を確認した。実施例1〜実施例4は凹凸構造層に含まれる条列が3群以上含まれるため、格子ムラがほとんど観察されず優良であった。なお、表1及び表2においては、格子ムラがほとんど観察されないものを「優」、格子ムラが観察されるものを「不良」で示す。
5mm×5mmサイズの文字を配列した表示面の50cm手前に、透明有機EL素子1および発光素子1〜8を非点灯状態で配置し、透明有機EL素子1および発光素子1〜8を通して、正面方向および斜め方向から文字を観察した。文字がにじみやゆがみが無くはっきり見えるものを「優」、にじみやゆがみがあるが、文字が読み取れるものを「良」、にじみやゆがみが多く、文字がはっきり読み取れないものを「不良」とした。結果を表1及び表2に示す。
実施例1〜実施例4、および比較例2〜比較例5で得られた発光素子について目視観察し、虹ムラの有無を確認した。実施例1〜実施例4、および比較例2〜比較例5は、いずれも凹凸構造の高低差を所定範囲で不揃いとしているため、凹凸構造層の表裏面での反射光における干渉に基づく虹ムラがほとんど観察されず優良であった。
頂角5°、先端幅50μmの切削バイトを用いて、3つの方位角方向に切削することにより、金属モールドを作製した。3つの方位角方向は0°方向、45°方向及び90°方向とした。
方位角0°方向の切削ピッチは200μmで一定とし、方位角45°方向及び90°方向の切削ピッチは400μmで一定とし、溝の深さは全ての方位角方向で20.0μmで一定とした。
金属モールドとして以上のようにして作製されたものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、凹凸構造層(厚み25μm)を形成し、発光素子9を製造した。
得られた発光素子9を通電して発光させ、発光素子9の透過性を目視で評価すると、正面方向及び斜め方向からの透明性が優れていた。
頂角25°、先端幅50μmの切削バイトと、頂角25°、先端幅150μmの切削バイトとを用いて、4つの方位角方向に切削することにより、金属モールドを作製した。4つの方位角方向は0°方向、45°方向、90°方向及び135°方向とした。
方位角0°方向及び135°方向の切削は先端幅150μmの切削バイトを用いて行った。また、方位角45°方向及び90°方向の切削は、先端幅50μmの切削バイトを用いて行った。いずれの溝においても、切削ピッチは400μmで一定となるようにし、溝の深さは18.0μmで一定となるようにした。
金属モールドとして以上のようにして作製されたものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、凹凸構造層(厚み25μm)を形成して、発光素子10を製造した。
頂角20°、先端幅75μmの切削バイトと、頂角20°、先端幅100μmの切削バイトと、頂角20°、先端幅125μmの切削バイトとを用いて、6つの方位角方向に切削することにより、金属モールドを作製した。6つの方位角方向は0°方向、45°方向、60°方向、90°方向、120°方向及び135°方向とした。
方位角0°方向及び90°方向の切削は、先端幅100μmの切削バイトを用い、切削ピッチを400μmで一定とした。
方位角45°方向及び120°方向の切削は、先端幅125μmの切削バイトを用い、切削ピッチを800μmで一定となるようにした。
方位角60°方向及び135°方向の切削は、先端幅75μmの切削バイトを用い、切削ピッチを800μmで一定となるようにした。
また、溝の深さはいずれの溝においても25.0μmで一定となるようにした。
金属モールドとして以上のようにして作製されたものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、凹凸構造層(厚み30μm)を形成して、発光素子11を製造した。
頂角25°、先端幅40μmの切削バイトと、頂角25°、先端幅80μmの切削バイトと、頂角25°、先端幅120μmの切削バイトと、頂角25°、先端幅160μmの切削バイトとを用いて、8つの方位角方向に切削することにより、金属モールドを作製した。8つの方位角方向は0°方向、20°方向、45°方向、60°方向、90°方向、115°方向、135°方向及び165°方向とした。
方位角0°方向及び方位角60°方向の切削は、先端幅160μmの切削バイトを用いた。方位角20°方向及び115°方向の切削は、先端幅120μmの切削バイトを用いた。方位角45°方向及び165°方向の切削は、先端幅40μmの切削バイトを用いた。方位角90°方向及び135°方向の切削は、先端幅80μmの切削バイトを用いた。いずれの溝においても、切削ピッチを800μmで一定となるようにし、溝の深さを25.0μmで一定となるようにした。
この金属モールドから、Ni電鋳(厚み約300μm)にて、凹凸形状が反転した形状の転写型を作製した。
型としてこの転写型を用いたこと以外は実施例1と同様にして、凹凸構造層(厚み30μm)を形成し、発光素子12を製造した。
頂角20.0°、先端幅10μmの切削バイトを用いて、2つの方位角方向に切削することにより、金属モールドを作製した。2つの方位角方向は0°方向及び90°方向とした。
切削は、いずれの方位角方向でも、切削ピッチを100.0μmで一定となるようにし、溝の深さを20.0μmで一定となるようにした。
金属モールドとして以上のようにして作製されたものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、凹凸構造層(厚み25μm)を形成し、発光素子13を製造した。
頂角40.0°、先端幅10.0μmの切削バイトを用いて、2つの方位角方向に切削することにより、金属モールドを作製した。2つの方位角方向は0°方向及び90°方向とした。
切削は、いずれの方位角方向でも、切削ピッチを35.0μmで一定となるようにし、溝の深さを5.0μmで一定となるようにした。
金属モールドとして以上のようにして作製されたものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、凹凸構造層(厚み10μm)を形成し、発光素子14を製造した。
頂角20.0°、先端幅30.0μmの切削バイトを用いて、2つの方位角方向に切削することにより、金属モールドを作製した。2つの方位角方向は0°方向及び90°方向とした。
切削は、いずれの方位角方向でも、切削ピッチを100.0μmで一定となるようにし、溝の深さを25.1μmで一定となるようにした。
金属モールドとして以上のようにして作製されたものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、凹凸構造層(厚み30μm)を形成し、発光素子15を製造した。
頂角が30.0°、先端幅50.0μmの切削バイトを用いて、2つの方位角方向に切削することにより、金属モールドを作製した。2つの方位角方向は0°方向及び90°方向とした。
切削は、いずれの方位角方向でも、切削ピッチを100.0μmで一定となるようにし、溝の深さを25.0μmで一定となるようにした。
金属モールドとして以上のようにして作製されたものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、凹凸構造層(厚み30μm)を形成し、発光素子16を製造した。
実施例5〜8及び比較例6〜9で得られた発光素子9〜16について、上述した要領で評価を行った。結果を表3及び表4に示す。
20 発光素子
30 発光素子
40 発光素子
10U 出光面
10D 出光面
100 出光面構造層
110 複層体
111 凹凸構造層
112 基材フィルム層
113 第一の条列
113U 平坦面部
113S 斜面部
114 第二の条列
114U 平坦面部
114S 斜面部
115 第三の条列
115U 平坦面部
115S 斜面部
116 第四の条列
116U 平坦面部
116S 斜面部
117 凹部
117B 平坦面部
121 接着層
131 支持基板
140 有機EL素子
141 第一の電極層
142 発光層
143 第二の電極層
144 発光面
145 発光面
151 封止基材
410U 出光面
413、414、415、416及び417 条列
510U 出光面
513、514、515及び516 条列
610U 出光面
613、614、615、616及び617 条列
901 投影平面
902 投影像
Claims (5)
- 発光面を有し前記発光面から光を発する有機エレクトロルミネッセンス素子と、前記有機エレクトロルミネッセンス素子の前記発光面に直接又は間接的に設けられた構造層とを備えた、シースルータイプの発光素子であって、
前記構造層は、前記構造層の前記有機エレクトロルミネッセンス素子とは反対側の表面に、前記表面に平行な第一の方向に延在する第一の条列と、前記表面に平行で前記第一の方向と交差する第二の方向に延在する第二の条列と、前記表面に平行で前記第一の方向及び前記第二の方向に交差する第三の方向に延在する第三の条列とを含む凹凸構造を有し、
前記凹凸構造が、前記発光面に対して平行な平坦面部と、前記発光面に対して傾斜した斜面部を有し、
前記斜面部を、前記平坦面部に対して垂直な方向に、前記平坦面部に対して平行な平面へと投影して形成される投影面積が、前記平坦面部の合計面積の0.1倍以下である、発光素子。 - 前記凹凸構造における平坦面部の高低差の最大値が22μm以下である、請求項1記載の発光素子。
- 前記斜面部が前記平坦面部に対して80°以上90°未満の傾斜角度で傾斜している、請求項1又は2記載の発光素子。
- 前記平坦面部の高低差の最大値が0.1μm以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発光素子。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の発光素子を備える照明器具。
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