JP2006097199A - クラフトパルプの製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 パルプ強度(特に、比引裂度)が高く、かつ高歩留りでパルプを得ることのできるクラフトパルプの製造方法及び製造装置を提供すること。
【解決手段】 パルプ原料の蒸解度を下げてカッパー価を高くし、連続蒸解釜出口と、精選工程前又は精選工程の途中でリファイナーにて機械的に叩解して完全にパルプ化し、高歩留クラフトパルプを製造し、パルプ濃度10%〜20%でリファイナーにて機械的に叩解処理することで、パルプ繊維のフィブリル化を促進し、強度が高く結束繊維の少ないパルプを製造することができ、蒸解工程での蒸解度を下げることで、蒸解工程での蒸気・蒸解薬液の使用量を低減することができると共に、リファイナーで高濃度叩解することによりパルプ強度(特に、比引裂度)の高いクラフトパルプを製造することができるクラフトパルプの製造方法及び製造装置。
【選択図】図1
【解決手段】 パルプ原料の蒸解度を下げてカッパー価を高くし、連続蒸解釜出口と、精選工程前又は精選工程の途中でリファイナーにて機械的に叩解して完全にパルプ化し、高歩留クラフトパルプを製造し、パルプ濃度10%〜20%でリファイナーにて機械的に叩解処理することで、パルプ繊維のフィブリル化を促進し、強度が高く結束繊維の少ないパルプを製造することができ、蒸解工程での蒸解度を下げることで、蒸解工程での蒸気・蒸解薬液の使用量を低減することができると共に、リファイナーで高濃度叩解することによりパルプ強度(特に、比引裂度)の高いクラフトパルプを製造することができるクラフトパルプの製造方法及び製造装置。
【選択図】図1
Description
本願発明は、クラフトパルプの製造方法及びその製造装置に関するものである。
リグノセルロース物質からなるパルプ原料(広葉樹チップや針葉樹チップ)を蒸解薬液で蒸解し、その後精選工程でパルプ成分とノット等の夾雑物とを分離する工程を経てパルプを製造するクラフトパルプ(広葉樹クラフトパルプ又は針葉樹クラフトパルプ)の製造工程では、クラフトパルプは、蒸解工程でパルプ化し、精選工程では蒸解できなかったノット(及びその他の夾雑物)を取除くことが行われる。そして、蒸解工程で生成するノットは、従来の一般的なクラフトパルプ製造設備では、ノッター又はノットセパレーター等と称されているノット処理設備で除去することとされている。リファイナーを有していない工程においてはノットを発生させないようにするため、カッパー価を低くして操業する必要があり歩留低下の要因になっている。ノットの量は蒸解度によって増減する。その場合、チップ蒸解の度合いはカッパー価で表し、カッパー価の数値が大きい方(カッパー価が高い)が歩留りが高くなるがノットも多くなる。また、パルプ強度(特に、比引裂度)はカッパー価が高い方が高い、という一般的傾向がある。
なお、クラフトパルプ製造工程で行われるノットの除去に関しては、後記非特許文献1に一般的記述がある。
紙パルプ技術協会発行 紙パルプ製造技術シリーズ(3)「パルプの洗浄・精選・漂白」第31頁〜32頁「2.2 ノッタ」の項。
本願発明者は、クラフトパルプ(特に、針葉樹クラフトパルプ)の蒸解工程における蒸解度を従来より下げることにより、パルプ強度(特に、比引裂度)が高く、かつ高歩留りでパルプを得ることのできるクラフトパルプの製造方法及び製造装置を開発することを目的とし、本願発明に到達したものである。
すなわち、本願発明のクラフトパルプ製造方法及び製造装置は、クラフトパルプの製造工程では通常、紙料の調成工程(抄紙工程の前工程)で行われるパルプの叩解処理を、パルプの蒸解工程後と、精選工程前又は精選工程の途中において行うことを基本的特徴とする。
本願発明のクラフトパルプの製造方法及び製造装置が対象とするパルプ原料は、広葉樹材でも、針葉樹材でもよいが、本願発明は、針葉樹クラフトパルプに対して適用すれば特に有利である。
本願発明を実施するにあたっては、パルプ原料の蒸解度を下げてカッパー価を高くし、連続蒸解釜出口と、精選工程前又は精選工程の途中でリファイナーにて機械的に叩解して完全にパルプ化し、高歩留クラフトパルプを製造する。パルプ濃度10%〜20%でリファイナーにて機械的に叩解処理することで、パルプ繊維のフィブリル化を促進し、強度が高く結束繊維の少ないパルプを製造することができる。また、このように、蒸解工程での蒸解度を下げることで、蒸解工程での蒸気・蒸解薬液の使用量を低減することができると共に、リファイナーで高濃度叩解することによりパルプ強度(特に、比引裂度)の高いクラフトパルプを製造することができる。このように、蒸解薬液(苛性ソーダ・硫化ソーダ等)の添加量を減少させれば、パルプ繊維の傷みを減少させてパルプ強度(特に、比引裂度)を高くすることができる。
本願発明を実施するにあたっては、蒸解工程での蒸解度を示すカッパー価は、30以上とするのがよい。このカッパー価が30を下回るとノットがほとんど無くなりリファイナーで叩解する必要がなくなる。
蒸解工程での蒸解度を抑えると、従来に比して比較的多量のノットが発生するが、本願発明では、このノットをあえてリファイナーで機械的に叩解することによりパルプ化させ、それによって歩留りの高いクラフトパルプ(特に針葉樹クラフトパルプ)を得るものである。
上記の観点から、本願発明を実施するにあたっては、パルプ製造の全工程中に、ノッター又はノットセパレーター等と称されているノット処理設備をあえて設置しない場合もある。なお、本願発明の方法で製造されるパルプは、特に限定するものではないが、ライナー用の原料パルプや米麦等の穀物袋用の原料パルプとして好適である。
本願発明のクラフトパルプの製造方法及び製造装置は、クラフトパルプ製造工程中の蒸解工程後と、精選工程前又は精選工程の途中においてパルプ成分を叩解することにより、パルプ繊維のフィブリル化を促進し、強度が高く結束繊維の少ないパルプを製造することができる効果がある。また、本願発明によれば、蒸解工程後と、精選工程前又は精選工程の途中でのパルプ成分の叩解という手段をとることにより、蒸解工程での蒸解度を低下させ(カッパー価は通常の蒸解の場合より高くなる)、それによって蒸解工程での蒸気・蒸解薬液の使用量を低減させるとともに、パルプ強度(特に、比引裂度)が高く、且つ歩留りの高いクラフトパルプを製造し得る効果がある(特に、針葉樹クラフトパルプについて有利である)。また、本願発明の実施にあたり、ノッター又はノットセパレーター等のノット処理設備を省略すれば、設備費用の低減についても効果が得られる。
続いて図1を参照して本願発明を実施するための具体例を説明すると、図1において符号1は連続蒸解釜で、連続蒸解釜1では蒸解薬液により原料チップ(この実施例では、針葉樹チップ)の蒸解が行われ、そこで生成された黒液混じりの(未洗浄)パルプスラリーP1が連続蒸解釜1の底部から取り出される。この実施例ではパルプスラリーP1のカッパー価(蒸解度)は、30以上としている。
図1の実施例においては、このパルプスラリーP1は連続蒸解釜1の出口に設けられている一次リファイナー2に送給されて一次的に叩解される。
以上のようにして、一次叩解されたパルプスラリーP1は、ブローパルプタンク3に貯留され、次いで洗浄機(ドラムウォッシャ)4に送給されて洗浄水によって洗浄された後、(洗浄)パルプスラリーP2として精選工程の入口部に設けられた二次リファイナー5に送給されて二次的に叩解される。
リファイナーは、パルプ成分を機械的に叩解処理するので、パルプ濃度を10%〜20%で供給し、セグメント(固定刃・回転刃)の間隔により変化する電動機の負荷で叩解の度合いを管理しパルプを処理することで、パルプ繊維のフィブリル化を促進し強度が高く結束繊維の少ないパルプを製造することができる。
二次的に叩解されたパルプスラリーP3は、続いて精選スクリーン6及び精選クリーナー7に送給されてパルプスラリーから夾雑物(樹皮等の未蒸解木片やノット等)の一部(N1,N2)を分離して系外に排出する。
精選工程を終えたパルプスラリーP4は、続いて洗浄機(ドラムウォッシャー)8で洗浄され、次いで仕上りパルフストックタンク9へ送られて貯留される。
図示の実施例では、蒸解工程での蒸解度を下げるために、蒸解薬液の使用を減少させるとともに、蒸解釜の最高温度を下げ、温度分布を緩やかに維持することで高濃度・高温度の蒸解薬液に依るセルロースを含む炭水化物の分解・消失を防ぎ、パルプ歩留を高くしている。このように、蒸解工程で蒸解度を下げると、蒸解薬液の温度コントロールに使用する蒸気と蒸解薬液の使用量を低減することができる。
また、図示の実施例では、パルプ成分をリファイナーで高濃度叩解することにより、蒸解工程で蒸解度を下げ、カッパー価を高くすることによりパルプ歩留が5%(46%→51%)向上し、パルプ強度の高い(比引裂度190→240(JIS))針葉樹クラフトパルプを製造することができた。
なお、図示の実施例においては、その全工程中(連続蒸解釜1から仕上りパルフストックタンク8までの間)、ノッター又はノットセパレーター等と称されているノット処理設備を設けていない(それによって、パルプのさらなる歩留り向上を図っている)。
1は連続蒸解釜、2は一次リファイナー、4は洗浄機、5は二次リファイナー、6は精選スクリーン、7は精選クリーナー、8は洗浄機である。
Claims (5)
- リグノセルロース物質からなるパルプ原料を蒸解する蒸解工程と、該蒸解工程で生成されたパルプ成分を精選する精選工程とを含むクラフトパルプの製造方法であって、前記蒸解工程後と精選工程前又は精選工程の途中において前記パルプ成分を叩解することを特徴とするクラフトパルプの製造方法。
- パルプ原料が針葉樹材であることを特徴とする請求項1記載のクラフトパルプの製造方法。
- 蒸解工程における蒸解度をカッパー価30以上の範囲にすることを特徴とする請求項1又は2記載のクラフトパルプの製造方法。
- 蒸解工程を行う連続蒸解釜の出口と、精選工程前又は精選工程の途中にパルプ成分を叩解処理するリファイナー設備を設置したことを特徴とするクラフトパルプ製造装置。
- パルプの全製造工程中に、ノッター又はノットセパレーター等のノット処理設備を設けないことを特徴とする請求項4記載のクラフトパルプ製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004286881A JP2006097199A (ja) | 2004-09-30 | 2004-09-30 | クラフトパルプの製造方法及び製造装置 |
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JP2010529326A (ja) * | 2007-06-12 | 2010-08-26 | ミードウエストベコ・コーポレーション | 高収量及び高性能繊維 |
US10060075B2 (en) | 2007-06-12 | 2018-08-28 | Westrock Mwv, Llc | Fiber blend having high yield and enhanced pulp performance and method for making same |
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2004
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