JP2006093458A - 固体撮像装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】空隙部を有して接合された固体撮像素子のウェーハと透明ガラス板とで構成された固体撮像装置集合体の透明ガラス板及びウェーハを研削切断するにあたり、研削切断中に生ずる研削屑が透明ガラス板表面に付着するのを防止した固体撮像装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】ウェーハ11の表面に多数の固体撮像素子11Aを形成する工程と、ウェーハ11に接合される透明平板12下面の固体撮像素子11Aに対応する箇所に、個々の固体撮像素子11Aを囲む枠状のスペーサ13を形成する工程と、ウェーハ11と透明平板12とをスペーサ13を介して接合する工程と、透明平板12の上面に保護膜16を形成する工程と、透明平板12に研削加工を施し、個々の固体撮像素子11Aに対応するように透明平板12を分割する工程と、ウェーハを個々の固体撮像素子11Aに対応させて分割する工程とを備えた。
【選択図】 図1
【解決手段】ウェーハ11の表面に多数の固体撮像素子11Aを形成する工程と、ウェーハ11に接合される透明平板12下面の固体撮像素子11Aに対応する箇所に、個々の固体撮像素子11Aを囲む枠状のスペーサ13を形成する工程と、ウェーハ11と透明平板12とをスペーサ13を介して接合する工程と、透明平板12の上面に保護膜16を形成する工程と、透明平板12に研削加工を施し、個々の固体撮像素子11Aに対応するように透明平板12を分割する工程と、ウェーハを個々の固体撮像素子11Aに対応させて分割する工程とを備えた。
【選択図】 図1
Description
本発明は、固体撮像装置の製造方法に関し、特にウェーハレベルで一括製造された多数のチップサイズパッケージ(CSP)タイプの固体撮像装置を個々に分割する固体撮像装置の製造方法に関する。
デジタルカメラや携帯電話に用いられるCCDやCMOSからなる固体撮像装置は、益々小型化が要求されている。このため、固体撮像素子チップ全体をセラミックス等のパッケージに気密封止した従来の大型パッケージから、最近では固体撮像素子チップの大きさと略等しい大きさのチップサイズパッケージ(CSP)タイプに移行しつつある。
このような中で、固体撮像素子チップの受光エリアのみに対し、下面縁部に枠部(スペーサ)を一体形成した透明材料からなる封止部材(透明ガラス板)を配置し、枠部(スペーサ)の外側に外部からの配線を行う電極(パッド)を配列した構造の固体撮像装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
この特許文献1に記載された固体撮像装置をウェーハレベルで一括製造する場合は、先ずウェーハ(半導体基板)上に多数の固体撮像素子を形成する。一方、透明材料からなる封止部材(透明ガラス板)に固体撮像素子の受光エリアを囲う枠部(スペーサ)を多数一体形成する。
次に、この封止部材(透明ガラス板)を枠部(スペーサ)を介してウェーハに接合して、各固体撮像素子の受光エリアを密閉し、固体撮像装置がウェーハレベルで多数形成された積層体を製造する。次に、この積層体を個々の固体撮像装置に分割することによって、特許文献1に記載された固体撮像装置が得られる。
特開平07−202152号公報
ところが、前述の特許文献1には、多数の固体撮像装置がウェーハレベルで形成された積層体を個々の固体撮像装置に分割する方法について何ら記載されていない。しかし、一般的にウェーハ上に形成された多数の半導体装置を個々の半導体装置に分割するためには、ダイシング装置による研削切断が用いられている。
このため、例えばダイシング装置を使用して、ウェーハのパッド面を露出させるのに必要な幅を有する円盤状砥石(ダイシングブレード)を用い、砥石の最下点がパッド上部のウェーハと透明ガラス板との間に形成された空隙部分を通過するように透明ガラス板を研削切断し、続いて別の薄い円盤状砥石(ダイシングブレード)でウェーハ部分を研削切断する方法が考えられる。
しかし、このような砥石を用いて研削切断する方法の場合、透明ガラス板及びウェーハの研削切断時に発生する研削屑(コンタミネーション又はコンタミと称する)が透明ガラス板表面及びウェーハ表面に付着して固体撮像装置の品質を悪化するという問題があった。
即ち、コンタミが透明ガラス板表面に付着した場合は、取得した画像が悪化する。また、ウェーハ表面に付着した場合はパッド面が汚染されるので、後工程で外部と接続する時のワイヤボンディングにおいてボンディング不良や長期的に見たボンディング強度不足につながる。また、コンタミが遊離し、移動して透明ガラス板表面に再付着する懸念も残る。
また、例えばウェーハと透明ガラス板との間に形成された空隙部の高さが100μm程度と極く狭い場合は、図6(a)、及び図6(a)のA−A’断面と一部拡大図を表わす図6(b)に示すように、透明ガラス板12の研削切断を進めていく中で生ずるガラス破片12Aが排出時に砥石52とウェーハ11との隙間に巻き込まれ、掻き回され、極端に引きずられることで、ウェーハ11側に損傷を与えてしまうという重大な問題もあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、空隙部を有して接合された固体撮像素子のウェーハと透明ガラス板とで構成された固体撮像装置集合体の透明ガラス板及びウェーハを研削切断するにあたり、研削切断中に生ずる研削屑が透明ガラス板表面に付着するのを防止した固体撮像装置の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ウェーハの表面に多数の固体撮像素子を形成する工程と、前記ウェーハに接合される透明平板下面の前記固体撮像素子に対応する箇所に、個々の固体撮像素子を囲む枠状のスペーサを形成する工程と、前記ウェーハと前記透明平板とを位置合わせして前記スペーサを介して接合する工程と、前記透明平板の上面に保護膜を形成する工程と、前記透明平板に研削加工を施し、前記個々の固体撮像素子に対応するように透明平板を分割する工程と、前記ウェーハを個々の固体撮像素子に対応させて分割する工程と、を備えることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、透明平板の上面に保護膜を形成する工程を有しているので、ウェーハと透明平板とをスペーサを介して接合した後に、透明平板を研削加工で個々の固体撮像素子に対応するように分割する工程、及びウェーハを個々の固体撮像素子に対応させて分割する工程において発生する研削屑が、透明平板の表面に付着するのを防止することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1の発明において、前記スペーサ同士の間の前記ウェーハと前記透明平板とで挟まれた空隙部に保護材料を配置して、前記ウェーハの保護層を形成する工程を含むことを特徴とする。
請求項2の発明によれば、透明平板の研削加工される位置に対応するウェーハと透明平板とで挟まれた空隙部に保護層が形成されているので、極く狭い空隙部であっても透明平板の研削加工において発生する透明平板の破片によってウェーハ表面が損傷されるのを防止することができるとともに、ウェーハの分割工程における加工屑によってウェーハ表面が汚染されるのを防止することができる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、前記空隙部に流動性材料を充填し、充填した前記流動性材料を固化させることによって前記保護層を形成することを特徴とする。
請求項3の発明によれば、透明平板の研削加工される位置に対応するウェーハと透明平板とで挟まれた空隙部に流動性材料を充填し、これを固化させるので、極く狭い空隙部であってもウェーハ表面の保護層を容易に形成することができる。
以上説明したように本発明の固体撮像装置の製造方法によれば、表面に多数の固体撮像素子が形成されたウェーハとウェーハにスペーサを介して接合された透明平板とで構成された固体撮像装置の集合体を個々の固体撮像装置に研削切断するにあたり、透明平板の上面に予め保護膜を形成するので、研削切断において発生する研削屑が透明平板の表面に付着するのを防止することができる。
以下添付図面に従って、本発明に係る固体撮像装置の製造方法の好ましい実施の形態について詳説する。尚、各図において同一部材には同一の番号または記号を付している。
図1は、本発明のCSPタイプ固体撮像装置の製造工程の流れを説明するフローチャートである。また、図2は固体撮像素子が形成されたウェーハに透明平板12(透明ガラス板)を貼付して固体撮像素子の受光部を密閉し、次いで個々の固体撮像装置に分割する工程を概念的に表わしたものである。
CSPタイプ固体撮像装置の製造では、最初に、図2(b)に示すように、半導体基板(ウェーハ)11上に固体撮像素子11Aを多数形成する(ステップS1)。
固体撮像素子11Aの製造には一般的な半導体素子製造工程が適用され、固体撮像素子11Aは、ウェーハ11に形成された受光素子であるフォトダイオード、励起電圧を外部に転送する転送電極、開口部を有する遮光膜、層間絶縁膜、層間絶縁膜の上部に形成されたインナーレンズ、インナーレンズの上部に中間層を介して設けられたカラーフィルタ、カラーフィルタの上部に中間層を介して設けられたマイクロレンズ等で構成された微細素子が平面アレー上に配列された構造となっている。
固体撮像素子11Aはこのように構成されているため、外部から入射する光がマイクロレンズ及びインナーレンズによって集光されてフォトダイオードに照射され、有効開口率が上がるようになっている。
また、固体撮像素子11Aの外側には、図2(b)に示すように、外部との配線を行うためのパッド11B、11B、…が形成されている。
このウェーハレベルでの多数の固体撮像素子11Aの形成工程と併行して、図2(a)に示すように、透明ガラス板12の下面にスペーサ13を形成する。なお、ウェーハ11が単結晶シリコンウェーハを用いるのが一般的であるので、スペーサ13の材質は、ウェーハ11及び透明ガラス板12と熱膨張係数等の物性が類似した材質が望ましいため、多結晶シリコンが好適である。スペーサ13の形成は、透明ガラス板12に接着剤13Aを塗布し、そこにシリコン板を接着する。このシリコン板を砥石で研削して所望の厚さに加工する。
次いで、フォトリソグラフィー技術とドライエッチング技術を用いて必要な形状のスペーサ13を形成し、最後にスペーサ13部分のみに接着剤13Bを転写する。フォトリソグラフィー技術とドライエッチング技術に関しては一般に良く知られた技術であるので、詳細な説明は省略する。図2(a)はこのようにして透明ガラス板12にスペーサ13が多数形成された状態を表わしている(ステップS3)。
次に、このようにして1面にスペーサ13が設けられた透明ガラス板12をスペーサ13を介してウェーハ11に接着する。これにより、図2(b)に示すように、ウェーハ11と透明ガラス板12との間に空隙部14を有し固体撮像素子11Aの受光部が密閉された構造の固体撮像装置21がウェーハレベルで多数形成された積層体20が製造される(ステップS5)。
次に、図2(c)に示すように、透明ガラス板12の上面に保護膜16を形成する。この保護膜16の形成は、液状素材をスピンコート法やスプレーコート法、或いはディッピング法によって透明ガラス板12の上面に塗布し、ベーキング又は紫外線硬化することによって形成することができる。あるいは、薄い保護テープを貼付してもよい。
また、保護膜16は、透明ガラス板12を研削切断する工程におけるウェーハアライメントを容易に行うことができるように、透明度の高い材質が好ましい。また、研削切断後に透明ガラス板12の上面から除去し易いように、溶剤や専用の剥離剤あるいは温水により容易に除去できるもの、あるいはUV光や熱によりその密着力が変化するもの、又はそのまま剥離できるように密着力が制御されたものが好適である。
このような条件を満たし、かつ安価で調達し易いものとして、ネガ又はポジタイプのフォトレジスト(例えば、東京応化工業株式会社製の商品名OFPR−800、OMR−83等)、平坦化膜(例えば、富士フィルムアーチ株式会社製の商品名CT−3050L)、表面保護膜(例えば、TRYLANER社製の商品名シリテクトII)、ダイシング保護テープ(例えば、リンテック株式会社製の商品名Adwill P−5780)、紫外線硬化型接着剤(例えば、ケミテック社製の商品名ケミシールU−451)などを用いることができる(ステップS7)。
次に、隣り合うスペーサ13とスペーサ13との間でウェーハ11と透明ガラス板12とで挟まれた空隙部14に保護層15を形成する。この保護層15の形成は、空隙部14に流動性材料(ゲル状のものも含む)を充填し、これを冷却あるいは紫外線硬化して固化させ保護層15とする。
図3は、空隙部14に保護層15を形成する工程を説明する概念図である。なお、図3における積層体20は、実際にはウェーハレベルで製造されているが、図では簡略化のため、1つの研削加工部分のみで記載している。以下図4、5、6においても同様である。
図3に示すように、透明ガラス板12の上面に保護膜16が形成された積層体20を保護層15の流動性材料が満たされたトレー81A中に漬し、真空ポンプ82で減圧した真空チャンバ81内に所定時間留める。これにより、積層体20の空隙部14内の空気が排出され、空隙部14内に流動性の保護層15の材料が容易に充填される。
次に、この積層体20を真空チャンバ81から取り出して冷蔵庫内で冷却し、あるいは紫外線で硬化して流動性材料を固化させて保護層15を形成する。このようにして、図2(c)に示すように、極狭い空隙部14でも容易に均一な保護層15を形成することができる(ステップS9)。
次に、図4に示すように、積層体20をダイシング装置のウェーハテーブル51上に固定し、厚さ0.6〜1.2mm程度のダイシングブレード(砥石)52の刃先の最下端が空隙部14内に僅かに入り込む位置にセットし、個々の固体撮像素子11Aに対応させて積層体20の保護膜16と透明ガラス板12とを研削切断する。
なお、図4(a)は研削切断方向と直交する方向の断面図を表わし、図4(b)は図4(a)におけるA−A’断面図を表わしている。この研削切断により、透明ガラス板12の分割とウェーハ11上のパッド11B、11B、…の露出とを行い、図2(d)に示すような態様とする(ステップS11)。
この図2(d)で示した透明ガラス板12の研削切断工程では、透明ガラス板12の研削屑が大量に発生し、透明ガラス板12の表面に付着する。また、固体撮像装置21の薄型化により、ウェーハ11と透明ガラス板12との空隙部14の隙間は100μm程度と極度に狭いため、前述の図6(a)、及び図6(b)で説明したように、透明ガラス板12の研削切断を進めていく中で生ずるガラス破片12Aが砥石52とウェーハ11との隙間に巻き込まれ、掻き回され、或いは引きずられて、ウェーハ11側に損傷を与える。
しかし、本発明の固体撮像装置の製造方法では、図4に示すように、透明ガラス板12の上面に保護膜16が形成されているので、透明ガラス板12上面に研削屑が付着しない。また、透明ガラス板12の研削切断を進めていく中でガラス破片12Aが生じても、空隙部14内に保護層15が存在するので、ウェーハ11が傷付けられることがない。
次に、ウェーハ11のパッド11Bとパッド11Bとの間の部分を別の薄いダイシングブレード(砥石)で研削切断し、図2(e)で示すように、個々の固体撮像装置21に分割する。この研削切断においてもウェーハ11のシリコンの研削屑が発生するが、透明ガラス板12には保護膜16が形成されており、ウェーハ11にも保護層15が形成されているので、透明ガラス板12及びウェーハ11表面のどちらも研削屑で汚染されることがない。
なお、積層体20はウェーハ11の裏面に図示しないダイシングシートが貼付されて研削切断加工される。そのため、個々の固体撮像装置21に分割されても、バラバラになることがない(ステップS13)。
最後に、ウェーハ11に形成された保護層15と透明ガラス板12に形成された保護膜16とを除去する。ウェーハ11に形成された保護層15の除去は、使用した流動性材料によって常温で水洗する方法、溶剤で溶解除去する方法、あるいは温水で溶解除去する方法等が選択される。
また、透明ガラス板12に形成された保護膜16の除去は、用いた材料によって溶剤や専用の剥離剤を用いる方法、温水で溶解除去する方法、アッシングで灰化除去する方法、UV光を照射して粘着力を低下させて剥離する方法、過熱することによって粘着力を低下させて剥離する方法、或いはそのまま剥離する方法等が選択される(ステップS15)。
このようにして、透明ガラス板12及びウェーハ11の研削切断において、研削屑による透明ガラス板12及びウェーハ11の表面汚染が防止されるとともに、ガラス破片12Aによるウェーハ11の表面損傷が防止され、図2(f)に示す態様の固体撮像装置21、21、…が多数一括して製造される。
次に、本発明の個体撮像装置の製造方法における透明ガラス板12の研削切断を中心にした実施例について説明する。なお、以下の実施例の共通事項として、図4に示すように、透明ガラス板12の厚さH1 =500μm、スペーサ13の厚さH2 =100μmの寸法で構成された積層体20に対し、ダイシングブレード52を透明ガラス板12上面からの切込み深さ530μm(即ち、ダイシングブレード52の刃先の最下端とウェーハ上面とのクリアランスH3 が70μm)で研削切断する場合とした。
また、保護層15の流動性材料を空隙部14に充填する際の真空チャンバ81の真空度は5〜80kPa程度、また、ダイシングブレード52は粒径8〜40μmのダイヤモンド砥粒をニッケルで結合したメタルボンドブレードで、直径100mm、厚さ1.0mmを用い、その回転数は4,000〜6,000rpmとした。また、ウェーハテーブル51の送り速度を0.1〜2.0mm/secとした。
なお、ダイシングブレード52はダイヤモンド砥粒をフェノール樹脂等で結合したレジンボンドブレードの方が砥粒の自生作用が活発で切削性は良い。しかし摩耗が早いので、切込み深さを確保するためには頻繁に高さ調整をする必要があるため、実施例においてはメタルボンドブレードを使用した。
[実施例1]
積層体20の透明ガラス板12上面にポジ型フォトレジストをスピンコート法で塗布し、これをベーキング装置で一般的なフォトリソグラフィ工程で行われるプリベーキング程度のベーキングを行い、保護膜16を形成した。
積層体20の透明ガラス板12上面にポジ型フォトレジストをスピンコート法で塗布し、これをベーキング装置で一般的なフォトリソグラフィ工程で行われるプリベーキング程度のベーキングを行い、保護膜16を形成した。
次に、積層体20を保護層15となる流動性材料に浸漬し、真空チャンバ81を使用して空隙部14に流動性材料を充填した。使用した流動性材料は、ゼラチン又は寒天の含有溶液で、一旦低温で冷却固化させると常温環境下に戻しても流動化しにくい材料とした。
流動性材料を空隙部14に充填後、積層体20を冷蔵庫内(4〜8℃程度)で冷却し、流動性材料をプリン状に固化させて保護層15を形成した。
次いで、積層体20をダイシング装置にセットし、常温環境下で透明ガラス板12を研削切断し、パッド11B、11B、…を露出させた。次いでウェーハ11をダイシングして個々の固体撮像装置21に分割し、最後に保護層15を溶剤で除去し、更に保護膜16を高圧純水にて除去、洗浄した。
加工後の固体撮像装置21をダイシング装置に備えられた観察光学系を用いてモニター画面で観察したところ、ガラス板12及びウェーハ11のパッド11B、11B、…への研削屑の付着は観察されなかった。
また、ガラス破片12Aによるウェーハ11の表面の傷は、回路配線を断線させるような大きく深い傷は見当たらず、大きさ10μm以下の傷も1チップあたり10個以下で、十分許容範囲以内であった。
[実施例2]
積層体20の透明ガラス板12上面にダイシング保護テープを貼付して保護膜16とした。また、保護層15となる流動性材料として17℃以下で凍結するシリコンオイル系の高分子溶液を用い、積層体20をこの溶液に浸漬し、真空チャンバ81を使用して空隙部14に充填した。この状態で積層体20を冷蔵庫内(10℃以下、好ましくは0〜6℃程度)に保管し、溶液を凍結固化させて保護層15を形成した。
積層体20の透明ガラス板12上面にダイシング保護テープを貼付して保護膜16とした。また、保護層15となる流動性材料として17℃以下で凍結するシリコンオイル系の高分子溶液を用い、積層体20をこの溶液に浸漬し、真空チャンバ81を使用して空隙部14に充填した。この状態で積層体20を冷蔵庫内(10℃以下、好ましくは0〜6℃程度)に保管し、溶液を凍結固化させて保護層15を形成した。
また、ダイシング装置のウェーハテーブル51には冷凍チャックテーブルなど冷却機能を有するテーブル(テーブル表面温度10℃以下、好ましくは0〜6℃程度)を用い、積層体20をチャックした。また、10℃以下、好ましくは0〜6℃程度に冷却した研削水を供給することによって積層体20及びその周囲をこの液体の融点以下に保った状態とし、この状態で透明ガラス板12を研削切断してパッド11B、11B、…を露出させた。
次いでウェーハ11をダイシングして個々の固体撮像装置21に分割し、最後に積層体20を常温で保持して保護層15の凍結を解除し、純水によるスピン洗浄で保護層15を除去した。また、保護膜16(ダイシング保護テープ)にUV光を照射して粘着力を低下させ保護膜16を剥離除去した。
加工後の固体撮像装置21をモニター画面で観察したところ、ガラス板12及びウェーハ11のパッド11B、11B、…への研削屑の付着は観察されなかった。また、ウェーハ11表面の傷は、大きさ10μmを超える傷は見当たらず、大きさ10μm以下の傷も1チップあたり2〜3個点在するのみで良好であった。
なお、充填する流動性材料としては常温以下で固化するものであれば良いが、水などマイナス温度で固化するものを用いた場合は、研削水には不凍液であるエチレングリコールを混合して、マイナス温度下でも氷結を防止し、液性を保持する。
[実施例3]
積層体20の透明ガラス板12上面に平坦化膜を塗布法で塗布し、これをベーキング装置で乾燥させ、保護膜16を形成した。また、本実施例では保護層15として流動体材料を固化させずに用いた。
積層体20の透明ガラス板12上面に平坦化膜を塗布法で塗布し、これをベーキング装置で乾燥させ、保護膜16を形成した。また、本実施例では保護層15として流動体材料を固化させずに用いた。
即ち、積層体20を保護層15となる流動性材料に浸漬し、真空チャンバ81を使用して空隙部14に流動性材料を充填した。使用した流動性材料は、水又はオイルとした。加工にあたっては、ダイシング装置のウェーハテーブル51の周囲を堰で囲って水又はオイルを満たし、中に積層体20をドブ漬けにして固定し、常温環境下でドブ漬けのまま透明ガラス板12を研削切断し、パッド11B、11B、…を露出させた。
次いでウェーハ11をダイシングして個々の固体撮像装置21に分割し、加工後純水によるスピン洗浄で保護層15を除去した。また、保護膜16は溶剤で溶解除去した。
加工後の固体撮像装置21をモニター画面で観察したところ、ガラス板12及びウェーハ11のパッド11B、11B、…への研削屑の付着は観察されなかった。また、ウェーハ11表面の傷は、大きさ10μmを超える傷が1チップあたり1〜2個点在するものの回路配線を断線させるような大きく深い傷は見当たらず、大きさ10μm以下の傷も1チップあたり10個程度で、許容範囲以内であった。
[実施例4]
この実施例では保護膜16と保護層15とを同時に形成する。先ず、積層体20を前述した紫外線硬化型接着剤に浸漬し、真空チャンバ81を使用して透明ガラス板12上面への塗布と空隙部14への充填を同時に行った。
この実施例では保護膜16と保護層15とを同時に形成する。先ず、積層体20を前述した紫外線硬化型接着剤に浸漬し、真空チャンバ81を使用して透明ガラス板12上面への塗布と空隙部14への充填を同時に行った。
次に、積層体20を真空チャンバ81のトレー81Aから取り出し、上方から紫外線を照射して透明ガラス板12上面の紫外線硬化型接着剤を硬化させるとともに、空隙部14内の紫外線硬化型接着剤を硬化させ、透明ガラス板12上面への保護膜16の形成と空隙部14への保護層15の形成とを同時に行った。
次に、積層体20をダイシング装置にセットし、常温環境下で透明ガラス板12を研削切断し、パッド11B、11B、…を露出させた。次いでウェーハ11をダイシングして個々の固体撮像装置21に分割し、最後に保護層15及び保護膜16を温水で溶解除去、洗浄した。
加工後の固体撮像装置21をダイシング装置に備えられた観察光学系を用いてモニター画面で観察したところ、ガラス板12及びウェーハ11のパッド11B、11B、…への研削屑の付着は観察されなかった。
また、ガラス破片12Aによるウェーハ11の表面の傷は、回路配線を断線させるような大きく深い傷は見当たらず、大きさ10μm以下の傷も1チップあたり1〜2個以下で良好であった。
[実施例5]
この実施例では前述の実施例1〜4と異なり、保護層15を形成する流動性材料を真空チャンバ81内で空隙部14に充填するのではなく、図5に示すように、スペーサ13が形成された透明ガラス板12をウェーハ11に接着する前に、透明ガラス板12の空隙部14となる部分に予め保護層15となる流動性材料を塗布する。
この実施例では前述の実施例1〜4と異なり、保護層15を形成する流動性材料を真空チャンバ81内で空隙部14に充填するのではなく、図5に示すように、スペーサ13が形成された透明ガラス板12をウェーハ11に接着する前に、透明ガラス板12の空隙部14となる部分に予め保護層15となる流動性材料を塗布する。
この場合の流動性材料は、シリコンからなる界面活性剤、又はシリコンを主成分とする界面活性剤(例えば、日本ユニカー社製の商品名シリコーン)、或いはフォトレジストを用い、粘度は高粘度のものとし、ベーク又は冷却により固化させる。また、塗布は手塗りでも良いが、均一に微小量塗布するために、ディスペンサを用いるのが好適である。
この後、透明ガラス板12をウェーハ11に接着して積層体20とし、次いで、積層体20の透明ガラス板12上面に表面保護膜を貼付し、保護膜16を形成した。
この積層体20をダイシング装置にセットして、常温環境下で透明ガラス板12を研削切断し、パッド11B、11B、…を露出させた。次いでウェーハ11をダイシングして個々の固体撮像装置21に分割し、最後に保護膜16及び保護層15除去した。
加工後の固体撮像装置21をモニター画面で観察したところ、本実施例においてもガラス板12及びウェーハ11のパッド11B、11B、…への研削屑の付着は観察されなかった。また、ウェーハ11の表面の傷は、回路配線を断線させるような大きく深い傷は見当たらず、大きさ10μm以下の傷も1チップあたり10個以下で、十分許容範囲以内であった。
以上のように、本発明によれば、透明ガラス板12及びウェーハ11の研削切断にさきだって、予め透明ガラス板12の上面に保護膜16を形成するので、透明ガラス板12及びウェーハ11の研削切断で発生する研削屑によって透明ガラス板12表面が汚染されることがない。従って、固体撮像装置21の取得画像の悪化が防止できる。
また、研削切断に先立って充填した空隙部14への充填物がウェーハ11表面の保護層15として機能するため、研削切断加工中のガラス破片12Aによるウェーハ11の表面損傷の低減が図られる。
また、充填物が加工対象の透明ガラス板12の下に存在することで、研削加工時の透明ガラス板12の支持体としての機能も同時に果たすため、ガラス破片12Aの発生自体も抑えられて、ウェーハ11の表面損傷の低減効果につながっている。
なお、前述の実施の形態では、透明ガラス板12への保護膜16の形成を透明ガラス板12とウェーハ11とを接合した後で行ったが、本発明はこの順序に限るものではなく、スペーサ13が形成された透明ガラス板12をウェーハ11に接合する前に保護膜16を形成してもよい。或いは、透明ガラス板12にスペーサ13を形成する前に保護膜16を形成してもよい。この場合、形成する保護膜16は透明ガラス板12へのスペーサ13形成時のエッチングで消耗されない材料を選択する必要がある。
また、本発明は、積層体20の空隙部14に充填する保護層15の材質が、前述の実施例1〜4で用いた材質に限るものではなく、同様の物性を有する種々の材質を適用することができる。
また、透明ガラス板12をスペーサ13を介してウェーハ11に接合した積層体20で説明したが、スペーサ13を用いずに、透明ガラス板12にエッチング等で凸部を形成し、透明ガラス板12をこの凸部でウェーハ11に接合して、空隙部14を形成するようにした積層体20であっても、スペーサ13を介在させた積層体20同様、本発明は極めて有効に適用することができる。
11…ウェーハ、11A…固体撮像素子、12…透明ガラス板(透明平板)、12A…ガラス破片、13…スペーサ、14…空隙部、15…保護層、16…保護膜、20…積層体、21…固体撮像装置、52…ダイシングブレード(砥石)
Claims (3)
- ウェーハの表面に多数の固体撮像素子を形成する工程と、
前記ウェーハに接合される透明平板下面の前記固体撮像素子に対応する箇所に、個々の固体撮像素子を囲む枠状のスペーサを形成する工程と、
前記ウェーハと前記透明平板とを位置合わせして前記スペーサを介して接合する工程と、
前記透明平板の上面に保護膜を形成する工程と、
前記透明平板に研削加工を施し、前記個々の固体撮像素子に対応するように透明平板を分割する工程と、
前記ウェーハを個々の固体撮像素子に対応させて分割する工程と、
を備えることを特徴とする固体撮像装置の製造方法。 - 前記スペーサ同士の間の前記ウェーハと前記透明平板とで挟まれた空隙部に保護材料を配置して、前記ウェーハの保護層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置の製造方法。
- 前記空隙部に流動性材料を充填し、充填した前記流動性材料を固化させることによって前記保護層を形成することを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の固体撮像装置の製造方法。
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JP2004278168A JP2006093458A (ja) | 2004-09-24 | 2004-09-24 | 固体撮像装置の製造方法 |
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JP2008085195A (ja) * | 2006-09-28 | 2008-04-10 | Fujifilm Corp | 固体撮像装置の製造方法及び固体撮像装置 |
JP2008311288A (ja) * | 2007-06-12 | 2008-12-25 | Sharp Corp | 半導体装置の製造方法 |
-
2004
- 2004-09-24 JP JP2004278168A patent/JP2006093458A/ja active Pending
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