JP2006090132A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 位相可変機構の大型化を招くことなく、その応答性を向上する。
【解決手段】 吸気弁のリフト量を拡大・縮小可能なリフト可変機構と、吸気弁のリフト中心角を遅角・進角可能な油圧駆動式の位相可変機構と、を備える。油圧が所定の油圧しきい値sPよりも小さい場合、吸気弁のリフト量を所定のリフトしきい値sVL以下に制限する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、吸・排気弁(吸気弁又は排気弁)のリフト量を可変とするリフト可変機構と吸・排気弁のリフト中心角を遅進させる位相可変機構と、を併用する内燃機関の可変動弁装置に関する。
特許文献1には、吸気弁のリフト量及び作動角(開期間)を連続的に拡大・縮小可能なリフト可変機構と、吸気弁のリフト量や作動角を変えることなく、そのリフト中心角、すなわちクランク角に対するリフト中心角の位相を連続的に遅角・進角させる位相可変機構と、を併用した内燃機関の可変動弁装置が記載されている。また、特許文献2には、油圧駆動方式の可変動弁機構の作動状態を判定するために、油圧を正確に検知する手法が開示されている。
特開2002−089303号公報 特開平8−074537号公報
上記の特許文献1にも記載されているように、位相可変機構は、一般的に、クランクシャフトに対する吸・排気弁の駆動軸(カムシャフト)の位相を遅進させることによりリフト中心角を遅進させるものであって、吸・排気弁の動弁反力に抗してリフト中心角を進角させる構成となっている。上記の動弁反力はリフト量に大きく依存しており、リフト量が大きくなるほど動弁反力が大きくなる。従って、リフト中心角を迅速に進角させるべき機関運転条件において、リフト量が大きく動弁反力が大きいと、この動弁反力に抗してリフト中心角を迅速に(進角側へ)変換することができず、その変換速度・応答性が低下し、進角側への変換が良好に行われないおそれがある。位相可変機構の応答性を向上するために、位相可変機構やそのアクチュエータを大型化することは、重量の増加や大型化を招くために好ましくない。
また、油圧駆動式の位相可変機構では、油圧に応じて位相可変機構の応答性、つまりリフト中心角の変換速度が異なるものとなり、油圧が低くなるほど位相可変機構の応答性が低くなる。油圧源としてクランクシャフトにより回転駆動される一般的な油圧ポンプ等を用いた場合、機関回転数が低下するほど油圧ポンプによる油圧が低下する。従って、アイドル域からの加速時のように、機関回転数が低く油圧が低い状態でリフト中心角を進角側へ変換するような場合には、上述した位相可変機構の応答性の低下が特に問題となり易い。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、位相可変機構の大型化を招くことなく、この位相可変機構によるリフト中心角の変換の応答性を有効に向上し得る新規な内燃機関の可変動弁装置を提供するものである。
すなわち本発明に係る内燃機関の可変動弁装置は、吸・排気弁のリフト量を拡大・縮小可能なリフト可変機構と、上記吸・排気弁のリフト中心角を遅角・進角可能な位相可変機構と、を有し、機関運転条件に応じて、上記吸・排気弁のリフト量を制限することを特徴としている。
上記の「機関運転条件」は、位相可変機構によるリフト中心角の変換速さに影響を与える因子であって、例えば、後述する実施例のように油圧駆動式の位相可変機構の場合には、油圧,油量,油温,水温あるいは機関回転数であり、あるいはアイドル域からの加速時や自動変速機のレンジ切換時のようにリフト中心角の変換速度が機関運転性・安定性を確保する上で特に問題となる運転条件等である。
本発明によれば、位相可変機構によるリフト中心角の変換遅れが問題となるような機関運転条件では、吸・排気弁のリフト量を制限することにより位相可変機構の応答性を向上することができる。逆に、リフト中心角の変換遅れがあまり問題とならない機関運転条件では、リフト量を制限せずに、リフト量の変換幅を幅広く確保することにより、機関負荷や機関回転数等に応じてリフト量を幅広く可変制御することができる。このように、機関運転条件に応じて適切にリフト量を制限することにより、位相可変機構やそのアクチュエータの大型化を招くことなく、またリフト量の制御範囲を不必要に狭めることなく、位相可変機構の応答性を有効に高めることができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る内燃機関の可変動弁装置を吸気弁側に適用した例を示す構成説明図である。この可変動弁装置は、吸気弁4のリフト量(最大リフト量)及び作動角(開期間)を連続的に変更可能なリフト・作動角可変機構1と、吸気弁のリフト曲線・プロフィールを変化させることなく、そのリフト・作動角のリフト中心角の位相(クランク角に対する位相)を連続的に進角もしくは遅角させる位相可変機構2と、が組み合わされて構成されている。
リフト・作動角可変機構1は、クランクシャフトにより回転駆動される中空状の駆動軸6と、この駆動軸6に圧入等により固定された偏心カム7と、駆動軸6と平行に配置された制御軸8と、この制御軸8の制御偏心カム9に揺動自在に支持されたロッカアーム10と、吸気弁4の上端部に配置されたタペット11に当接する揺動カム12と、を備えている。上記偏心カム7とロッカアーム10とは第1リンク13によって繋がれており、ロッカアーム10と揺動カム12とは第2リンク14によって繋がれている。
上記吸気弁4は、周知のように、シリンダヘッドの吸気ポートの開口を開閉するものであって、シリンダヘッドにバルブガイドを介して摺動自在に設けられている。上記駆動軸6は、タイミングチェーンないしはタイミングベルトを介して機関のクランクシャフトによって回転駆動される。上記偏心カム7は、円形外周面を有し、該外周面の中心が駆動軸6の軸心から所定量だけオフセットしているとともに、この外周面に、第1リンク13の環状部が回転可能に嵌合している。上記ロッカアーム10は、略中央部が上記制御偏心カム9によって支持されており、その一端部に、上記第1リンク13の延長部が連係しているとともに、他端部に、上記第2リンク14の上端部が連係している。上記制御偏心カム9は、制御軸8の軸心から偏心しており、従って、制御軸8の角度位置に応じてロッカアーム10の揺動中心位置がシリンダヘッド等の機関固定体に対して変位する。上記揺動カム12は、駆動軸6の外周に嵌合して回転自在に支持されており、側方へ延びた端部に、上記第2リンク14の下端部が連係している。この揺動カム12の外周面には、揺動カム12の揺動位置に応じてタペット11の上面に接触してこれを押圧するカムプロフィールが形成されている。
上記制御軸8は、一端部に設けられたリフト・作動角変更用アクチュエータとしての電動モータ16によって、所定回転角度範囲内で回転位置が変更・保持される。この電動モータ16の動作はエンジンコントロールユニット17からの制御信号によって制御される。
このリフト・作動角可変機構1の作用を説明する。クランクシャフトの回転に連動して駆動軸6が回転すると、偏心カム7のカム作用によって第1リンク13が略上下動し、これに伴ってロッカアーム10が揺動する。このロッカアーム10の揺動は、第2リンク14を介して揺動カム12へ伝達され、該揺動カム12が揺動する。この揺動カム12のカム作用によって、タペット11が押圧され、吸気弁4がリフトする。
電動モータ16を介して制御軸8の角度位置を変更すると、制御偏心カム9の初期位置、つまりはロッカアーム10の揺動支点位置が変化する。これにより、吸気弁4のバルブリフト量(最大リフト量)及び作動角の双方が連続的に拡大又は縮小する。特に、このリフト・作動角可変機構1にあっては、リフト・作動角の大小変化に伴い、吸気弁4の開時期と閉時期とがほぼ対称に変化し、つまりリフト中心角は実質的に変化しない。
位相可変機構2は、図2にも示すように、クランクシャフトにより回転駆動されるスプロケット19を備えた第1回転体20と、駆動軸6の前端部に固定され、この駆動軸6とともに回転する第2回転体21と、を有している。スプロケット19は、タイミングチェーンを介して、クランクシャフトに連動してクランクシャフトの半分の回転速度で回転する。第2回転体21は、ハウジングとしての第1回転体20の内部に同軸上に収容配置されている。第1回転体20には、径方向内方へ張り出した凸部22が4箇所に形成されており、隣り合う凸部22間の空間が、第2回転体21に設けられた4つのベーン23によって、それぞれ、進角室25と遅角室26とに液密に隔てられている。
再び図1を参照して、油圧制御弁27には、進角室25及び遅角室26へ通ずる油路Y1,Y2と、油圧源である油圧ポンプ28から油圧が供給される油圧供給油路Y3と、オイルパン29側へ作動油を排出するドレーン油路Y4とが接続されている。エンジンコントロールユニット17からの制御信号により油圧制御弁27をON−OFF駆動(デューティー制御)することにより、上記油路Y1〜Y4の接続状態が切り換えられて、進角室25及び遅角室26の油圧がそれぞれ調整され、第1回転体20と第2回転体21との相対回転位置が変化し、スプロケット19と駆動軸6とが相対的に回転して、吸気弁の作動角が一定のまま、そのリフト中心角の位相が遅進する。上記の油圧ポンプ28は、周知のように、クランクシャフトによって回転駆動されることにより作動油を加圧する機械式のポンプである。従って、油圧ポンプ28からの供給油圧は、機関回転数に応じて変化する。
リフト・作動角可変機構1ならびに位相可変機構2の制御としては、実際のリフト・作動角あるいは位相を検出するセンサを設けて、クローズドループ制御するようにしても良く、あるいは運転条件に応じて単にオープンループ制御するようにしても良い。内燃機関の回転数は、例えばクランク角センサ31を利用して検出・演算され、内燃機関の負荷は、例えばスロットル弁の開度によって推定・検出される。これらの各検出値は、上記エンジンコントロールユニット17へ入力される。
このようにリフト・作動角可変機構1と位相可変機構2とを併用することにより、機関運転条件に応じて吸気弁の開時期と閉時期とをそれぞれ独立して適切に設定することが可能となる。図3は、代表的な5つの運転条件における吸気弁開閉時期の設定例を示している。図中、IVOは吸気弁開時期、IVCは吸気弁閉時期、Φは吸気弁のリフト中心角(の位相)をそれぞれ表している。なお、各設定の詳細については上記の特開2002−89303号公報にも詳しく記載されている。基本的には、要求負荷に応じてリフト作動角を増減して吸入空気量を調整することにより、スロットル損失の低減を図っている。
・(1)アイドル域
アイドル域では要求される吸入空気量が少ないので、極小の作動角・リフトとするのは基本となる。このような極小リフト・作動角でありながら、安定した燃焼と少ないポンプ損失による最小限の燃料消費を図るために、中心角Φを十分に遅角させて(典型的には最遅角位置)、吸気弁開時期(IVO)を上死点後に遅らせた設定とし、吸気弁閉時期(IVC)は下死点近傍に設定する。IVOを遅らせることにより、吸入初期には残留ガスの断熱膨張が可能となるため、通常の上死点付近のIVO設定に比べれば、筒内が吸入負圧レベルの負圧になる時期が遅れるため、ポンプ損失が低減される。また、IVCを下死点付近に設定することにより、実圧縮比を十分に大きく確保でき、燃焼を安定させることが出来る。また、このように中心角を遅らせたIVOの設定により、吸気弁4のリフト量が極小であることがガス流動を促進して燃焼改善に有利に作用することとなり、極小リフトでありながら理想的な燃焼、燃費特性を得ることが出来る。
・(2)R/L域
低速の定常走行時のようなR/L(ロード・ロード)域におけるリフト・作動角は、アイドル域よりは僅かに大きいが、それでも十分に小さな値である。一方、リフト中心角Φはアイドル域に比して大幅に進角させた設定としている。これにより、IVOが上死点付近、IVCが下死点よりも大幅に進角した設定とする。これにより、実圧縮比は低下するが、実ストロークも低下するため、大幅なポンプ損失低減効果が得られる。ただし、このレベルの実圧縮比低下は燃焼条件がさらに厳しいアイドリング運転には適さない。
・(3)加速域
加速時は、アイドル域に比して中心角Φを大幅に進角させた条件で、吸気弁4のリフト・作動角をR/L域に比して微増している。バルブオーバラップの拡大によるポンプ損失の低減と、NOx低減とを両立させるのが、この設定の狙いである。
・(4),(5)全開域
全開(高負荷)域では充填効率を最大とするため、IVOを上死点近傍に設定し、かつ、機関回転数の増加に応じて作動角を拡大していく。
このように、アイドル域(1)では、他の機関運転域(2)〜(5)に比して、リフト中心角Φが遅角しており、かつ、リフト・作動角が小さい。従って、アイドル域からの加速時、特にR/L域へ向かうときには、リフト中心角Φを大幅に進角させるとともにリフト・作動角を拡大する必要がある。
ここで位相可変機構2は、その構造上、吸気弁のバルブスプリング等からの反力によって、駆動軸6と一体的に回転する第2回転体21に対し、遅角側への動弁反力・反トルクが作用する。この反トルクは、特にバルブリフト量(最大リフト量)と大きく関連しており、リフト量が大きくなるほど反トルクも増大する。また、油圧駆動式の位相可変機構2では、油圧(油量)が大きくなるほど変換速度つまり応答性が向上し、油圧が低くなるほど応答性が低下する。上記の油圧を供給する油圧ポンプ28はクランクシャフトにより回転駆動されるものであるため、図4に示すように、機関回転数が低くなるほど油圧(油量)が低下する。
これらのことから、例えばアイドル域からの加速時のように、リフト中心角を大幅に進角させつつリフト量を拡大するような場合に、位相可変機構2によるリフト中心角の進角側への応答性が燃焼安定性等の機関運転性能に大きな影響を与える。そこで本発明に係る以下の実施例では、このように位相可変機構2の応答性の低下が懸念される所定の機関運転条件では、リフト・作動角可変機構1によるリフト量、つまり目標リフト量の最大値を所定のリフトしきい値sVL(図6参照)に制限している。
このリフトしきい値sVLは、個々の内燃機関の仕様等に応じて予め設定される。また、このリフトしきい値sVLは、目標リフト量の制御範囲の中での最大値(例えば図3に示す全開高速時のリフト量)を制限するものではなく、リフト中心角の進角速さが問題となる運転条件でのリフト量を制限する際の制限値であり、上述したようなアイドルからの加速時にリフト量を制限する場合、そのリフトしきい値sVLは、上記の最大値よりも遥かに低い値(例えば4mm程度)である。なお、このリフトしきい値sVLは固定値であっても良く、あるいは油圧・油温・水温及び機関回転数等に応じて補正するようにしてもよい。
図5は、本発明の第1実施例に係る制御の流れを示すフローチャートである。ステップ(図では「S」と記す)1Aでは、油圧センサ32(図1参照)により検出される油圧が予め定めた所定の油圧しきい値sPよりも小さいかを判定する。上記の油圧しきい値sPは、例えば位相可変機構2によりリフト中心角を所望の速さで進角させるのに必要な油圧・油量Q2(図4参照)に相当し、リリーフ圧相当の値である。ステップ1Aの判定が肯定され、リフト中心角を所望の速さで進角させるのに必要な油圧が確保されていないと判定されると、ステップ2へ進む。このステップ2では、リフト・作動角可変機構1によるリフト量を上記のリフトしきい値sVLに制限する。
図6のタイムチャートを参照して、図中の一点鎖線L1が本実施例、実線L2がリフト量を制限しない比較例に相当する。同図に示すように、本実施例では、油圧が油圧しきい値sPよりも低い状況では、リフト量が所定のリフトしきい値sVL以下に制限されるので、比較例に比して、リフト中心角Φを進角する際の動弁反力が低く抑制され、油圧の低下が抑制され、目標進角位置へ向けた進角速さ、つまり進角側への変化の勾配が大きくなり、リフト中心角の応答性が著しく向上する。
一方、油圧が油圧しきい値spよりも高く、リフト中心角の応答性が問題とならない状況では、リフト量が制限されることはなく、機関負荷や機関回転数に応じてリフト・作動角を幅広く設定することができる。従って、位相可変機構2のトルク発生源・アクチュエータである第1回転体(ベーン)21及び第2回転体(ハウジング)22の大型化、具体的には軸方向寸法(厚さ)の増加を招くことなく、リフト中心角の進角側への切換応答性を有効に向上することができる。
図7は本発明の第2実施例に係る制御の流れを示すフローチャートである。油圧ポンプ28により加圧される油圧・油量は機関回転数にほぼ比例するので、同図に示すように、この第2実施例では、ステップ1Bにおいて、クランク角センサ31等により検出される機関回転数が所定の回転数しきい値sNeよりも小さいかを判定し、小さい場合に、リフト量をリフトしきい値sVL以下に制限している(ステップ2)。このように本実施例では、他のエンジン制御にも頻繁に用いられる機関回転数を利用して簡便にリフト量の制限の可否を判定することができる。
図8は本発明の第3実施例に係る制御の流れを示すフローチャートである。油圧ポンプ28により加圧される作動油の状態は、内燃機関の油温または水温にも大きく影響される。従って、この第3実施例では、温度センサ33(図1参照)により油温又は水温を検出し、この油・水温に基づいてリフト量を制限している。具体的には、油温や水温が下限値以下に低下すると粘度が高くなり過ぎて流動抵抗が増して圧力損失が大きくなり、また油温や水温が上限値以上に高くなると粘度が低くなり過ぎて油圧の維持が困難となるので、このような場合にはステップ1Cからステップ2へ進み、リフト量をしきい値sVL以下に制限する。
図9は第4実施例に係る制御の流れを示すフローチャートである。上述したように、アイドルからR/L域への加速過渡期では、リフト・作動角可変機構1によるリフト量の変換量に比して、位相可変機構2によるリフト中心角の進角側への変換量が大きく、リフト中心角の進角速さが非常に重要である。従って、この第4実施例では、ステップ1Dにおいて、アイドル域から加速を行う場合には、強制的にリフト量をリフトしきい値sVL以下に制限する。これにより、アイドル域からの加速時におけるリフト特性の変換応答性を確実に向上することができる。このようなアイドルからの加速は機関運転中に頻繁に行われるので、燃焼安定性等の機関運転性能へ与える影響・効果は非常に大きい。
また、自動変速機のシフト位置が「N」や「P」レンジのように機関動力が駆動輪に伝達されない状態から「D」レンジのように動力伝達可能な状態に切り換えられるときには、仮に同じアイドル条件でも負荷が増加する等の理由により、リフト中心角を進角させた設定となっている。従って、このようなレンジ切換時にも、ステップ1EからS2へ進み、リフト量をしきい値sVL以下に制限する。
なお、上述したリフト量の制限制御は、内燃機関の異常・故障時に行われるフェールセーフ処理ではなく、内燃機関が正常に運転されている状況で常時行われるものである。
以上のように本発明を具体的な実施例に基づいて説明してきたが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変形・変更を含むものである。例えば、本発明に係る可変動弁装置は、好ましくは上記実施例のように吸気弁側に適用されるものであるが、排気弁側に適用することも可能である。また、リフト可変機構として、本実施例ではリフト・作動角可変機構1のように応答性に優れた電動モータ16を用いた電動式を用いたが、油圧駆動式を含む他の駆動方式であっても良い。
上記第1〜第4実施例のステップ1A〜1Eの判定処理は上述した実施例の組み合わせに限られるものではなく、例えば1A〜1Eの判定処理を全て行うようにしても良い。つまり、リフト量の制限の可否を判定するための因子として、油圧、油量、油温、水温及び機関回転数や機関負荷等を単独又は併用して用いることができる。また、上述した実施例では油圧センサ32により直接的に油圧を検出しているが、機関回転数または機関油水温に基づいて油圧を推定しても良い。
本発明は、広義には、リフト可変機構によるリフト量の設定に基づいて、位相可変機構に対して遅角方向に作用する反トルクを推定し、この反トルクに基づいて、リフト量を制限しているということもできる。そして、反トルクが所定のトルクしきい値よりも大きい場合にリフト量を制限すれば良い。このトルクしきい値は位相可変機構の構造ならびに油圧等に基づいて個々の内燃機関に応じて算出・設定すれば良い。
本発明に係る内燃機関の可変動弁装置を吸気弁側に適用した例を示す概略構成図。 本発明に係る位相可変機構の一例を示す断面図。 代表的な5つの運転条件での吸気弁の開閉時期の設定を示す説明図。 機関回転数及び油量に対する位相可変機構の進角速さを示す説明図。 本発明の第1実施例に係る制御の流れを示すフローチャート。 上記第1実施例(L1)及び比較例(L2)の特性変化を示すタイムチャート。 本発明の第2実施例に係る制御の流れを示すフローチャート。 本発明の第3実施例に係る制御の流れを示すフローチャート。 本発明の第4実施例に係る制御の流れを示すフローチャート。
符号の説明
1…リフト可変機構
2…位相可変機構
17…エンジン・コントロール・ユニット

Claims (6)

  1. 吸・排気弁のリフト量を拡大・縮小可能なリフト可変機構と、
    上記吸・排気弁のリフト中心角を遅角・進角可能な位相可変機構と、を有し、
    機関運転条件に応じて、上記吸・排気弁のリフト量を制限することを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 上記位相可変機構が吸・排気弁からの動弁反力に抗して吸・排気弁を進角するものであり、
    この位相可変機構を進角させるときに、上記吸・排気弁のリフト量を制限することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  3. 作動油を加圧する油圧源を備え、
    上記位相可変機構が油圧源から供給される油圧を利用して作動する油圧駆動式であり、
    かつ、上記油圧を検出する油圧検出手段を有し、
    上記油圧検出手段により検出される油圧が低い場合に、上記吸・排気弁のリフト量を制限することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  4. 作動油を加圧する油圧源を備え、この油圧源がクランクシャフトにより回転駆動される油圧ポンプであり、
    上記位相可変機構が油圧源から供給される油圧を利用して作動する油圧駆動式であり、
    かつ、機関回転数を検出する回転数検出手段を有し、
    上記機関回転数が低い場合に、上記吸・排気弁のリフト量を制限することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置。
  5. 内燃機関の油温又は水温を検出する温度検出手段を有し、
    上記油温又は水温に基づいて、上記吸・排気弁のリフト量を制限することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置。
  6. 上記リフト可変機構及び位相可変機構が吸気弁に適用され、
    少なくともアイドル域から加速するときに、上記吸・排気弁のリフト量を制限することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置。
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