JP2006086069A - 有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 レーザー転写法により機能層を破断させることなく転写させ、有機EL素子を製造する。
【解決手段】 第1電極を表面に設けた、1以上の凸部を含む基板と、前記凸部を覆うように設けられた機能層と、この機能層上に形成された第2電極とを含む有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記凸部の機能層と接する面の端部の断面輪郭を所定の関係を満たす形状とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子及びその製造方法に関する。
有機EL素子は自発光素子であるため光源を必要とせず、高い輝度を有し、薄型化及び軽量化を図ることができ、さらに液晶に比べて応答速度が格段に速く、動画の描写性に優れていることから、液晶素子に代わる表示素子として期待されている。
通常、有機EL素子は、図1に示されるように、ガラス基板11上に、透明な第1電極12と第2電極15の間に有機材料からなる機能層16(電子輸送層14及び正孔輸送層13)を挟んだ構造を有し、素子1個でディスプレイパネルの一画素を構成する。このような有機EL素子において、第1電極12と第2電極15の間に電界を印加し、第2電極15から電子を、第1電極12から正孔を機能層に注入すると、そこで電子と正孔の再結合により光子17が生成される。すなわち、電気エネルギーから光エネルギーへの変換がなされる。
有機EL素子は、機能層に用いる有機材料の種類に応じて、高分子型と低分子型に大別される。低分子型の有機EL素子では、機能層として、電荷注入、電荷輸送及び発光の各機能のいずれかを備えた又はいくつかの機能を兼ね備えた有機薄膜の積層体を用いている。
従来のボトムエミッション型の有機ELフラットパネルディスプレイは一般に以下の工程により製造される。
まず、ガラス基板上の所定の位置に、複数の透明電極(第1電極)を画素に応じたパタンで形成する。この透明電極の形成には、通常スパッタリング法でガラス基板全面に製膜した後、フォトリソグラフィー技術によってパターニングが行われている。その後、透明電極パタン上に、機能層を対応したパタンで形成する。次いで、機能層上に背面電極(第2電極)を形成する。機能層及び背面電極のパタン形成には、通常、きわめて高い位置精度が要求され、これまではインクジェットプリント技術及びマスクを用いた真空蒸着技術が、かかるパタン形成に主として用いられてきた。
一方、近年、レーザー転写法を用いて、機能層及び背面電極をパターニングし、有機EL素子を製造することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このレーザー転写法は、乾式描画法の1つであり、様々な薄膜(特に有機膜)の転写に適した方法であり、液晶等のカラーフィルターを形成するためあるいはブラックマトリックスを設けるために用いられていた(例えば、特許文献2参照)。
このレーザー転写法による一般的な転写工程を図2に示す。レーザー転写法は、通常ドナーシートと呼ばれる特殊な転写シートを用い、典型的なドナーシート20は、基材21、光熱変換層22、中間層23及び転写層24の順に積層して構成されている(図2(A))。通常、このドナーシート20は、ガラス基板等の基板25上に載せ、転写層24と基板25を密着させた後、レーザー光26を矢印で示すように光熱変換層22の所定領域に照射する(図2(B))。この場合、光熱変換層22はその照射領域において光エネルギーを熱エネルギーに変換する。この熱エネルギーは、光熱変換層22が転写層24へ侵入することを防ぐ中間層23を通して、転写層24に供給される。この場合、転写層24が全体にわたってこの熱エネルギーの供給を受けるのではなく、熱エネルギーの供給は上記照射領域の近接部分に限定される。その結果、転写層24は部分的に加熱されるようになる(図2(C))。そして、その加熱部分は、基板25に固着し、その後ドナーシートを基板25から剥離すると、レーザー光26の照射パタンに対応した一定パタンをもった画像成分27が中間層23から脱離し、基板25上に転写される(図2(D))。
特開2002−534782号公報 特開平13−130141号公報
有機EL素子を用いてフラットパネルディスプレイを製造する場合、まず一般的に、ガラス基板上に電極、絶縁体、素子駆動用トランジスタ、電気配線、画素隔離層等の電気的又は電子的な部品又は部材が設けられる。機能層は通常、これらの部品又は部材の上に被覆する形で形成される。これらの部品又は部材はガラス基板上に凹凸を形成することが多いため、機能層はその凹凸へ追従して部品又は部材を被覆することが要求される。
しかしながら、低分子型有機EL素子の機能層の厚みは通常100nm程度と薄く、また材質上機械的強度に劣るため、そのまま上記のレーザー転写法を用いて部品又は部材上に転写すると、転写された機能層は基板上の凹凸に追従しにくく、破断しやすいという問題がある。従来レーザー転写法が適用されてきたカラーフィルター等の転写の場合には、転写層は数μmの厚みの高分子材料からなる層であったため、機械的強度及び凹凸への追従性は十分であり、このような問題は生じなかった。
この問題のため、機能層が、基板上の凸部の端部において応力集中を受け、破断されやすくなる。特に、機能層を破断させる凸部が透明電極によるものである場合、機能層の破断部において透明電極が露出し、その結果、後に設ける背面電極の間で短絡回路を形成し、有機EL素子は点灯できなくなってしまう。この素子がディスプレイパネルである場合には、点灯不良となり、ディスプレイパネルの品質不良の原因となる。
そこで、本発明は、基板上の凸部による機能層の破断を防止する有機EL素子、及びレーザー転写法によるこの有機EL素子の製造方法を提供することを目的とする。
上記問題点を解決するために本発明によれば、第1電極を表面に設けた、1以上の凸部を含む基板と、前記凸部を覆うように設けられた機能層と、この機能層上に形成された第2電極とを含む有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記凸部の機能層と接する面の端部の断面輪郭が下式(1)
Figure 2006086069
(上式中、hは凸部の基部からの最大高さ(nm)であり、xはy=h/2となる位置を原点とした水平方向の距離(nm)であり、yは凸部の厚み方向の距離(nm)であり、rは断面形状のなだらかさを示す係数である)
によって示され、この係数rが下式(2)
r>−2000k+1550
(上式中、k=t/hであり、tは機能層の厚さ(nm)である)
の関係を満たす形状とする。
また、本発明によれば、基板と、この基板上に配置された第1電極と、この第1電極上に形成された機能層と、この機能層上に形成された第2電極とを含む有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記第1電極の機能層と接する面の端部の断面輪郭を下式(1)
Figure 2006086069
(上式中、hは第1電極の基部からの最大高さ(nm)であり、xはy=h/2となる位置を原点とした水平方向の距離(nm)であり、yは第1電極の厚み方向の距離(nm)であり、rは断面形状のなだらかさを示す係数である)
によって示され、この係数rが下式(2)
r>−2000k+1550
(上式中、k=t/hであり、tは機能層の厚さ(nm)である)
の関係を満たす形状とする。
また、本発明によれば、上記の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、第1電極を表面に設けた、1以上の凸部を含む基板の凸部側の表面に、基材及びその上に順次形成された、光熱変換層及び転写層を備えたドナーシートの転写層を密着させ、ドナーシートの基材側からレーザー光を照射して前記転写層を加熱して前記凸部上に転写することを含み、前記凸部の転写層と接する面の端部の断面輪郭が下式(1)
Figure 2006086069
(上式中、hは凸部の基部からの最大高さ(nm)であり、xはy=h/2となる位置を原点とした水平方向の距離(nm)であり、yは凸部の厚み方向の距離(nm)であり、rは断面形状のなだらかさを示す係数である)
によって示され、この係数rが下式(2)
r>−2000k+1550
(上式中、k=t/hであり、tは機能層の厚さ(nm)である)
の関係を満たす形状とする。
また、本発明によれば、上記の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、基板の上に第1電極を形成し、前記基板の第1電極側の表面に、基材及びその上に順次形成された、光熱変換層及び転写層を備えたドナーシートの転写層を密着させ、ドナーシートの基材側からレーザー光を照射して前記転写層を加熱して前記基板上に転写することを含み、前記第1電極の転写層と接する面の端部の断面輪郭を下式(1)
Figure 2006086069
(上式中、hは第1電極の基部からの最大高さ(nm)であり、xはy=h/2となる位置を原点とした水平方向の距離(nm)であり、yは第1電極の厚み方向の距離(nm)であり、rは断面形状のなだらかさを示す係数である)
によって示され、この係数rが下式(2)
r>−2000k+1550
(上式中、k=t/hであり、tは機能層の厚さ(nm)である)
の関係を満たす形状とする。
本発明の有機EL素子では、レーザー転写法により機能層を転写層として適用することにより、高精度な有機EL素子の画素パタンを高い位置精度をもって比較的容易に製造することができ、かつ凹凸を含む基板上に機能層を破断させることなく転写することができる。
以下図面を参照して本発明を説明する。図3は本発明の有機EL素子の1態様を示す断面図である。図3に示されているように、本発明の有機EL素子30は、基板31と、この基板31上に配置された第1電極32と、この第1電極32上に形成された機能層33と、この機能層33上に形成された第2電極34とを含む。
基板31は、支持体であると同時に光を取り出す面として機能する。従って、この基板31は、光の透過特性や熱的安定性等を考慮して選択される。基板31の材料としては、例えばガラス、透明プラスチック等が挙げられるが、耐熱性に優れることからガラスを用いることが好ましい。
第1電極32の材料としては、酸化インジウム錫(ITO)や酸化インジウムと酸化亜鉛との複合酸化物(IZO)等が挙げられる。図示していないが、基板31の表面には、第1電極32の他に、SiO2等の電気的に不活性な材料より構成される絶縁体、低温ポリシリコンや低温アモルファスシリコンにより構成される素子駆動用トランジスタ、金、銀、銅等の金属材料より構成される電気配線等の構造物も形成されている場合がある。
機能層33は、有機EL素子において一般に用いられる、電子と正孔を輸送し、それらを再結合させることによって光を発する機能を奏する層であり、通常、電子輸送層と正孔輸送層を含む。電子輸送層は、電子の注入とそれらのアノードへの移動を容易にする。さらに、電子輸送層は、正孔のカソードへの移動を妨害するバリアとして作用する。この電子輸送層は例えば、トリス(8-ヒドロキシキノリン)アルミニウム(III )(Alq3)等の金属キレート化合物から形成される。正孔輸送層は、正孔の注入とそれらのカソードへの移動を容易にする。さらに、正孔輸送層は電子のアノードへの移動を妨害するバリアとして作用する。正孔輸送層は例えば、N,N'-ビス(3-メチルフェニル)-N,N'-ジフェニルベンジジン(TPD)等のジアミン誘導体から形成される。
電子輸送層と正孔輸送層の間の界面は、正孔及び電子の移動を防ぐバリアを形成し、それにより正孔と電子の再結合ゾーンを生成する。電子輸送層がAlq3である場合、有機EL素子は青緑色を放出する。電子輸送層及び正孔輸送層において異なる材料及びドーパントを用いることにより、様々な色を放出させることができる。
機能層33には、電子輸送層及び正孔輸送層に加えて、電子注入層、正孔注入層、発光層等も含まれることがある。電子注入層はバッファ層ともよばれ、通常LUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)が低い材料、例えばストロンチウム、Al−Li合金等の金属材料、弗化リチウム(LiF)等のアルカリ金属化合物、弗化マグネシウム(MgF2)、弗化カルシウム(CaF2)、弗化ストロンチウム(SiF2)、弗化バリウム(BaF2)等のアルカリ土類金属化合物、酸化ストロンチウム等の金属酸化物から形成される。正孔注入層は通常HOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)が高い材料、例えば銅フタロシアニン(CuPc)、m−MTDATA(4,4’,4''−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン)に代表されるスターバーストアミンとよばれる高分子量アリールアミン、トリフェニルアミン誘導体にルイス酸を作用させたもの、RuOx、MoOx、VOx等の金属酸化物、アモルファスカーボンから形成される。発光層は、キャリア再結合がおこる有機層を構成する有機化合物にごく少量(0.1〜1%)の発光色素を第2成分としてドーピングしたものより構成され、発光中心を発光母体からドーパントに移すことができる機能を有する材料より形成される。発光母体としてはAlq3が、ドーパントとしてはTPB、クマリン6、DCM1、キメクドリン、ルブレン、ナイルレッド等の蛍光色素が用いられる。
第2電極34の材料としては、例えばMg、Al、Li等の金属が挙げられる。また、図示していないが、第2電極34の上に、保護層を設けてもよい。保護層を設けることにより、第2電極34及び機能層33の劣化、損傷及び剥離等を防止することができる。このような保護層の構成材料としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、液状ガラス等が挙げられる。
有機EL素子の機能層の厚みは一般に100nm程度と薄く、この機能層と接する第1電極の端部が鋭角な断面形状を有する場合、その端部において機能層が破断するおそれがある。特に、レーザー転写法を用いて機能層を第1電極に転写する場合、第1電極の鋭角な端部において応力集中を受け、機能層が破断する可能性が高い。そこで、本発明においては、機能層と接する第1電極の端部をなだらかな形状にすることにより、レーザー転写法により機能層を転写する際に、機能層が第1電極の端部の形状に追従し、機能層の破断を防止している。
このような機能層の破断を防止するような第1電極の端部のなだらかさを定量化するため、本発明者は、第1電極の端部の輪郭形状を原子間顕微鏡(AFM)で観察し、第1電極の段差の高低(h)を測定し、さらにその断面輪郭を下式(1)
Figure 2006086069
(上式中、hは第1電極の基部からの最大高さ(nm)であり、xはy=h/2となる位置を原点とした水平方向の距離(nm)であり、yは第1電極の厚み方向の距離(nm)であり、rは断面形状のなだらかさを示す係数である)
によりフィティングを行い、得られた係数rを端部のなだらかさの指数として用いた。
この係数rが第1電極の端部のなだらかさに与える影響を示す1例として、同じh値で異なるr値(r1<r2)を有する、上記式(1)で表される2つの表面構造体の端部の形状を図4に示す。図4より明らかなように、r値が大きいほど、端部はなだらかな形状を示す。本発明者は、この透明電極40の端部41のなだらかさを示す係数rの値が、機能層の膜厚tを透明電極40の高低差hで除して規格化した値k(t/h)に対して下式(2)
r>−2000k+1550
の関係を満たす領域にあるとき、透明電極40の端部41において、機能層が破断されることなくレーザー転写法により転写されることを見出した。
すなわち、本発明の有機EL素子において、第1電極は機能層と接する面の端部の輪郭が上記式(1)によって示され、式中のなだらかさを示す係数rが上記式(2)の関係を満たす断面形状であることを要件とする。
端部の形状としてこのような適当な値の係数rをもつ第1電極を得る方法として、第1電極としてITO電極を用いる場合について説明する。通常、基板上のITO膜のパタン加工は、基板全面にスパッタリング法でITO膜を製膜した後、フォトリソグラフィー法により行われる。フォトリソグラフィー法によるITO膜のパタン加工は、次の工程で行われる。まず、ITO膜の表面にラミネートコーティングされたフォトレジストに露光、現像処理を行い、ついでドライ又はウェットなエッチング処理を行う。エッチャント、エッチング温度及びエッチング時間等のエッチング条件は、ITO膜の膜質や膜厚により調整可能である。例えば、三容真空社の有機EL用ITO膜では、150±10nmの膜厚のITO膜をエッチングによりパタン加工する条件として、温度45±2℃、モル濃度47%のシュウ酸水溶液中に90秒間浸すウェットエッチングが推奨されている。ITO膜のエッチング液としては、シュウ酸水溶液以外には、塩化第二鉄水溶液、ヨウ素酸水溶液、リン酸溶液、塩酸・硝酸混合液(王水)等が挙げられる。次に、剥離液を用いてフォトレジストの剥離を行った後、基板を水洗する。十分な水洗を行った後、基板を乾燥させる。
以上述べたようなITO膜のパタン加工工程において、適当な値の係数rを有する第1電極を得る方法の1例としては、基板から膜表面に向かってエッチングレートを適当に上昇させてやる方法がある。これにより、膜表面の方がよりエッチングされやすくなり、所望のなだらかさを有する端部構造を得ることができる。具体的には、基板から膜表面に向かってITO膜の酸素濃度を上昇させたり、基板から膜表面に向かってITO膜の結晶化度を減少させる方法を用いることができる。また、ITO膜のエッチングレートに異方性がない場合には、フォトレジストを剥離した基板を洗浄した後、基板上にパタン形成されたITO膜全体を若干量エッチングすることにより、膜のパタン端部に生じた尖形部分が削られ、それにより所望のなだらかさを有する端部形状を有するITO膜を得ることもできる。
以下に、本発明の有機EL素子のレーザー転写法による製造方法を説明する。まず、上記のようにして基板上に所定の端部構造を有する第1電極を形成する。これとは別に、第1電極に転写する機能層を有するドナーシートを形成する。
図5に、このドナーシートの構成を示す。ドナーシート50は、基材51、任意のプライマ層52、光熱変換層53、任意の中間層54、任意の剥離層55、及び転写層56を含む。
基材51は、それがドナーシートに求められている要件を満たしうる限りにおいて、天然もしくは合成の様々な材料から形成することができる。この基材に必要な条件は、例えば、転写層を転写するためにレーザー光を照射して加熱が行われるため、レーザー光の透過性、耐熱性であり、また転写層等に貼りあわせて使用され、使用後は剥離されるため、適度の柔軟性、軽さ、取り扱い性、機械的強度等が挙げられる。従って、ポリマーフィルムを用いることができる。1つの適当なタイプのポリマーフィルムは、ポリエステルフィルム、例えばポリエチレンテレフタレート又はポリエチレンナフタレートフィルムである。この基材の一般的な厚さは、通常0.01〜2.54mmの範囲であるが、より厚いかまたは薄い基材が使用されてもよい。
一般に、基材51上に光熱変換層53を形成するために使用される材料は、光熱変換層53と基材51との間の接着を向上させるように選択される。後続する層のコーティング中の一様性を向上させ、また光熱変換層53と基材51との間の層間接合強度を向上させるために、任意のプライマ層52を使用することができる。プライマ層52を有する適当な基板51の一例は、帝人株式会社から入手可能である(製品番号HPE100)。
光熱変換層53は、レーザー光を吸収し、その光エネルギーの少なくとも一部を熱エネルギーに変換することにより、転写層56の少なくとも一部を加熱し基板表面への転写層の転写を可能にするものである。従って、光熱変換層53は、光吸収性材料そのものからなるか、又はそのような光吸収性材料を分散して含有する層からなることが好ましい。いくつかの実施形態では、独立した光熱変換層53は存在せず、代りに、基材51又は転写層56等のドナーシートの他の層に光吸収性材料を配置してもよい。他の実施形態では、ドナーシートは光熱変換層53を含み、また例えば基材51又は転写層56等の、ドナーシートの1つまたは複数の他の層に配置される追加の光吸収性材料も含む。
一般に、この光吸収性材料は、電磁スペクトルの赤外、可視および/または紫外領域の光を吸収する。適当な光吸収性材料は、例えば、染料(可視染料、紫外染料、赤外染料、蛍光染料および輻射線偏向染料)、顔料、金属、金属化合物、金属フィルムおよび他の適当な光吸収材料を含む。具体的には、カーボンブラック、金属酸化物および金属硫化物が例示される。適当な光熱変換層53の1例としては、カーボンブラック等の顔料を、有機ポリマー等のバインダ中に分散させた層である。このような粒状の光吸収材料の形成は、粒状の光吸収材料をバインダ中に分散させたものを適当な乾式または湿式塗布技術を用いて行うことができる。他の適当な光熱変換層53としては、薄膜、例えばブラックアルミニウム(すなわち、黒の視覚的外観を有する部分的に酸化されたアルミニウム)として形成される金属または金属/金属酸化物である。金属および金属化合物フィルムは、例えばスパッタリングおよび蒸着等の技術によって形成することができる。
光熱変換層53の光吸収性材料として使用するために適当な染料は、バインダ材料に溶解されたか、又はバインダ材料に少なくとも部分的に分散された、粒子形態で提供される。分散粒子光吸収性材料が使用される場合、粒子サイズは、少なくともいくつかの例では約10μm以下とすることができ、約1μm以下であってよい。適当な染料には、スペクトルのIR領域で光を吸収する染料が含まれる。特定のバインダおよび/またはコーティング溶剤における可溶性およびそれとの相溶性と吸収の波長領域と等の要因に基づいて、特定の染料を選択することができる。
また、光熱変換層53において光吸収性材料として顔料材料が使用されてもよい。適当な顔料の例には、カーボンブラック及びグラファイトと、フタロシアニン、ニッケルジチオレン等の他の顔料とを含む。さらに、例えばピラゾロン系イエロー、ジアニシジン系レッドおよびニッケルアゾ系イエローの銅又はクロム合成物に基づくブラックアゾ顔料が有用である。また、例えば、アルミニウム、ビスマス、錫、インジウム、亜鉛、チタン、クロム、モリブデン、タングステン、コバルト、イリジウム、ニッケル、パラジウム、プラチナ、銅、銀、金、ジルコニウム、鉄、鉛及びテルル等の金属の酸化物および硫化物を含む、無機顔料もまた使用することができる。金属ホウ化物、炭化物、窒化物、炭窒化物、ブロンズ構造酸化物、およびブロンズ族(例えば、WO2.9)に構造的に関連する酸化物もまた使用することができる。
また、フィルムとして、金属光吸収性材料も使用することができる。適当な金属には、例えば、アルミニウム、ビスマス、錫、インジウム、テルルおよび亜鉛が含まれる。
上記のように、光吸収性材料粒子はバインダ内に分散される。重量パーセントの計算において溶剤を除外して、コーティングにおける光吸収性材料粒子の重量パーセントは、一般に1wt%〜30wt%、好ましくは3wt%〜20wt%、最も好ましくは5wt%〜15wt%である。
光熱変換層53での使用に適したバインダには、例えばフェノール樹脂(例えば、ノボラックおよびリソール樹脂)、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセテート、ポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリレート、セルロースエーテルおよびエステル、ニトロセルロース及びポリカーボネート等のフィルム形成性ポリマーが含まれる。適当なバインダには、重合または架橋されたあるいは重合または架橋されることが可能な、モノマー、オリゴマー、またはポリマーが含まれる。いくつかの実施形態では、バインダとしては、最初に架橋可能なモノマー及び/又は任意のポリマーを含むオリゴマーが使用される。バインダにポリマーが使用される場合、バインダは、1〜50wt%、好ましくは10〜45wt%のポリマー(wt%の計算時に溶剤は除外)を含む。
基材51上へのコーティング時に、上記モノマー、オリゴマー及びポリマーが架橋されて光熱変換層53が形成される。いくつかの例では、光熱変換層53の架橋密度が低すぎる場合、この光熱変換層53は熱によって損傷を受ける可能性があり、光熱変換層53の一部が透明電極に転写されることがある。
熱可塑性樹脂(例えば、ポリマー)を含むことにより、少なくともいくつかの例では、光熱変換層53の性能(例えば、転写特性および/またはコーティング性)を向上させることができる。熱可塑性樹脂は、光熱変換層53の基材51に対する接着を向上させ得ると考えられる。1つの実施形態では、バインダは、25〜50wt%(wt%の計算時に溶剤は除外)の熱可塑性樹脂、好ましくは30〜45wt%の熱可塑性樹脂を含むが、より少ない量の熱可塑性樹脂が使用されてもよい(例えば1〜15wt%)。熱可塑性樹脂は、一般に、バインダの他の材料と相溶性があるように選択される。少なくともいくつかの実施形態では、バインダとして、9〜13(cal/cm31/2、好ましくは9.5〜12(cal/cm31/2の範囲の溶解度パラメータを有する熱可塑性樹脂が選択される。適当な熱可塑性樹脂の例には、ポリアクリル酸、スチレン−アクリルポリマーおよび樹脂、およびポリビニルブチラールが含まれる。
コーティングプロセスを容易にするために、界面活性剤および分散体等の従来からのコーティング補助剤が付加されてよい。光熱変換層53は、本技術分野で周知の種々のコーティング方法を使用して基材上にコートされてよい。ポリマー又は有機光熱変換層は、少なくともいくつかの例では、0.05μm〜20μm、好ましくは0.5μm〜10μm、最も好ましくは1μm〜7μmの厚さまでコートされる。無機光熱変換層は、少なくともいくつかの例では、0.001〜10μm、好ましくは0.002〜1μmの範囲の厚さまでコートされる。
中間層54は転写層56の転写部分の損傷及び汚染を最小限にするために使用される任意の層であり、中間層54はまた、転写層56の転写部分の歪みも低減することができる。また、中間層54は、ドナーシートの残りの部分に対する転写層56の接着に影響を及ぼす可能性がある。一般に、中間層54は、高い熱抵抗を有する。一般に、中間層54は、転写プロセス中に光熱変換層53と接触した状態を維持し、実質的に転写層56とともに転写されない。
適当な中間層54には、例えば、ポリマーフィルム、金属層(例えば、蒸着金属層)、無機層(例えば、無機酸化物(例えば、シリカ、チタニアおよび他の金属酸化物)のゾルゲル堆積層および蒸着層)及び有機/無機複合層が挙げられる。中間層材料として適した有機材料には、熱硬化性材料と熱可塑性材料とが共に含まれる。適当な熱硬化性材料には、限定されないが、架橋されたまたは架橋可能なポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエステル、エポキシおよびポリウレタンを含む、熱、輻射、または化学処理により架橋され得る樹脂が挙げられる。熱硬化性材料は、例えば熱可塑性前駆物質として光熱変換層上にコートされ、その後架橋されることにより、架橋された中間層54を形成してよい。
適当な熱可塑性材料としては、例えば、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリスルフォン、ポリエステルおよびポリイミドが挙げられる。これら熱可塑性有機材料は、従来からのコーティング技術(例えば、溶剤コーティング、スプレイコーティングまたは押出しコーティング)によって被着されてよい。一般に、中間層54での使用に適した熱可塑性材料のガラス転移温度(Tg)は、25℃以上、好ましくは50℃以上、より好ましくは100℃以上、最も好ましくは150℃以上である。中間層54は、レーザー光の波長において、透過性、吸収性、反射性またはそれらの組合せの特性を備えていることが好ましい。
中間層材料として適した無機材料としては、例えば、画像形成光波長において低透過性かまたは反射性がある材料を含む、金属、金属酸化物、金属硫化物および無機カーボンコーティングが挙げられる。これら材料は、従来からの技術(例えば、真空スパッタリング、真空蒸着またはプラズマジェット堆積)により光熱変換層53に被着されてよい。
中間層54は、多数の利益を提供する可能性がある。中間層54は、光熱変換層53からの材料の転写に対するバリアとなり得る。また、熱的に不安定な材料を転写することができるように、転写層56において到達する温度を調整することができる。また、中間層54があることにより、転写材料における塑性変形が改良される。
中間層54は、例えば光開始剤、界面活性剤、顔料、可塑剤およびコーティング補助剤を含む混和剤を含んでもよい。中間層54の厚さは、例えば中間層54の材料、光熱変換層53の材料、転写層56の材料、レーザー光の波長等の要因によって決まる。ポリマー中間層の場合、中間層54の厚さは一般に、0.05μm〜10μm、好ましくは約0.1μm〜4μm、より好ましくは0.05〜3μm、最も好ましくは0.8〜2μmの範囲である。無機中間層(例えば、金属又は金属化合物中間層)の場合、中間層54の厚さは、一般に0.005μm〜10μm、好ましくは約0.01μm〜3μm、より好ましくは約0.02〜1μmの範囲である。
剥離層55は、一般に、例えば発光源または加熱素子によって熱転写素子を加熱する際に、熱転写素子のその他の部分(例えば、中間層54及び/又は光熱変換層53)からの転写層56の剥離を容易にする任意の層である。少なくともいくつかの場合、剥離層55は、熱にさらす前に、転写層56をドナーシートのその他の部分に幾分か接着させる。適当な剥離層55には、例えば導電性および非導電性熱可塑性ポリマー、導電性及び非導電性充填ポリマー、及び/又は導電性及び非導電性分散体が含まれる。適当なポリマーの例には、アクリルポリマー、ポリアリニン、ポリチオフェン、ポリ(フェニレンビニレン)、ポリアセチレン、及び他の導電性有機材料が含まれる。適当な導電性分散体の例には、カーボンブラック、グラファイト、超微粒子酸化インジウム錫、超微酸化アンチモニ錫等が含まれる。剥離層55の他の適当な材料には、例えば、昇華可能絶縁材料および昇華可能半導体材料が含まれる。
剥離層55は、転写層56の一部であっても別個の層であってもよい。剥離層55のすべてまたは一部は、転写層56と共に転写されてよい。代替的に、剥離層55のほとんどまたは実質的にすべては、転写層56が転写される時に基材51に残る。いくつかの例では、例えば、剥離層55が昇華可能材料を含む場合、剥離層55の一部が転写プロセス中に放散される。
転写層56は、機能層又は第2電極のための1つ又は複数の層を含む。これらの1つ又は複数の層は、上記の機能層における正孔輸送層、電子輸送層、第2電極の少なくとも1つより形成される。必要に応じて、機能層にはキャリア注入層が含まれる。そのような場合、それらのための層も転写層に含まれてよい。図示していないが、転写層56の外面には、第1電極への接着を容易にするために接着層が配置されてよい。この接着層は、例えば、導電性及び非導電性熱可塑性ポリマー、導電性及び非導電性充填ポリマー、及び/又は導電性及び非導電性分散体が含まれる。適当なポリマーの例には、アクリルポリマー、ポリアリニン、ポリチオフェン、ポリ(フェニレンビニレン)、ポリアセチレン、及び他の導電性有機材料が含まれる。適当な導電性分散体の例には、カーボンブラック、グラファイト、超微粒子酸化インジウム錫、超微酸化アンチモン錫等が含まれる。
これらのドナーシートの各層は、所定の組成を有する成分を、例えばスピンコート法、グラビア印刷法、ダイコーティング法、真空蒸着等の常用の塗布方法によって塗布し、乾燥させることによって形成することができる。
こうして準備したドナーシートを、図6に示すように、転写層56が上記第1電極32と密着するように配置し、ドナーシート50の基材51側からレーザー光26を所定のパタンで照射する(図6(A))。このレーザー光26のパタンは、第1電極32に転写しようとする転写層56のパタンに対応する。レーザー光26としては、赤外、可視及び紫外レーザーを用いることができ、例えば高出力(100W以上)シングルモードレーザーダイオード、ファイバ結合レーザーダイオード及びダイオードポンプ固体レーザー(例えばNd:YAG及びNd:YLF)を用いることができる。レーザー露光時間及びレーザー強度は、転写層56の少なくとも一部を加熱し、第1電極32に転写させるに十分な程度であり、転写層、光熱変換層等の構成材料、厚み等により適宜設定することができる。
このようなレーザー光26のパタン照射の結果、光熱変換層53の作用によりレーザー光26の光エネルギーが熱エネルギーに変換され、さらにこの熱エネルギーが中間層54の作用により均一化される。その結果、転写層56が熱エネルギーの供給を受け、転写層56がレーザー光26のパタンで第1電極32の表面に機能層33として固着する(図6(B))。次いで、ドナーシート50を第1電極32からはがすと、機能層33が中間層54より脱離し、転写が完了する。これにより、機能層33が第1電極32を覆うような形で形成される(図6(C))。
上記のように、転写層56としては有機EL素子の機能層の少なくとも一部が含まれ、また転写層56の一部として第2電極を含んでいてもよい。また、第1電極32の表面が、転写層56を転写する前に機能層の一部によってあらかじめ被覆されていてもよい。転写層56中に第2電極を含む場合、転写層56の転写により本発明の有機EL素子が完成する。転写層56中に第2電極を含まない場合、転写層56を転写して機能層33を形成後、この機能層33上に第2電極を形成することにより、本発明の有機EL素子30が完成する(図3)。
以上のように、レーザー転写法においては、機能層は第1電極上に転写層を転写して被覆することにより形成されるが、第1電極の転写層と接する面の端部の輪郭が所定の形状となっているため、転写層は、特に第1電極の端部において転写される際にその凹凸形状に十分に追従することができ、破断することがない。
以上、基板、第1電極、機能層及び第2電極からなるボトムエミション型の有機EL素子について説明したが、本発明は光の取り出し方向による素子の限定を受けない。つまり本発明はこのボトムエミッション型の有機EL素子のみならず、トップエミッション型の有機EL素子やデュアルエミッション型の有機EL素子にも適用することができる。また、本発明はアクティブ駆動型有機ELディスプレイやパッシブ駆動型有機ELディスプレイの画素として用いられる有機EL素子にも適用することができる。例えば図7に示すように本発明の有機EL素子70は、第1電極71を表面に設けた、1以上の凸部72を含む基板73と、前記凸部72を覆うように設けられた機能層74と、この機能層74上に形成された第2電極75とを含む。この有機EL素子において、前記凸部の機能層と接する面の端部の断面輪郭が下式(1)
Figure 2006086069
(上式中、hは凸部の基部からの最大高さ(nm)であり、xはy=h/2となる位置を原点とした水平方向の距離(nm)であり、yは凸部の厚み方向の距離(nm)であり、rは断面形状のなだらかさを示す係数である)
によって示され、この係数rが下式(2)
r>−2000k+1550
(上式中、k=t/hであり、tは機能層の厚さ(nm)である)
の関係を満たす形状であることを特徴とする。
また、図8に本発明の有機EL素子のさらに他の態様を示す。この有機EL素子80では、第1電極71が凸部72の表面全体を覆うように設けられている。
図7及び図8に示す有機EL素子がボトムエミッション型でないならば第1電極は透明である必要はなく、第1電極を陰極とする場合、従来の有機EL素子に用いられている金属又は合金、例えば、マグネシウム、リチウム、カルシウム、銀、アルミニウム、インジウム、セシウム、銅、ニッケル、LiF、MgF2等を用いることができる。第1電極が陽極である場合、従来の有機EL素子の陽極もしくはP型半導体用の電極に用いられている金属又は合金、例えば白金、金、パラジウム、イリジウム等を用いることができる。
第2電極は、トップエミッション型又はデュアルエミッション型の場合、透明であることが必要であり、上記の第1電極の材料、すなわち、酸化インジウム錫(ITO)や酸化インジウムと酸化亜鉛との複合酸化物(IZO)等を用いることができる。
基板は、トップエミッション型の場合、透明である必要はなく、シリコン基板、プラスチック基板、TFTプラスチック基板、金属基板等を用いることができる。
凸部は、アクティブマトリックス素子において用いられる画素隔離層を意味する。この画素隔離層は絶縁体である必要があり、一般に用いられているレジスト材料を用いて形成される。このレジスト材料としては、レーザー転写時に発生する熱の影響を受けにくい耐熱性レジスト、例えば感光性ポリイミド、エチニル基を有するレジスト、反応現像型レジスト等が好ましい。この画素隔離層は、塗布やラミネートによってレジスト材料を基板全体に形成した後、リソグラフィー法を用いて形成することができる。
実施例1
(1)ドナーシートの作製
基材として、通常の延伸巻き取り法により形成された厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意した。このPETフィルムの上に、それぞれ以下の組成及び膜厚を有する光熱変換層、中間層及び転写層をその順序で形成した。光熱変換層及び中間層をダイコーティング法で塗布し、紫外線照射により硬化させた。その上に転写層を、真空蒸着にて形成した。
光熱変換層
カーボンブラック(コロンビアカーボン社製、商品名Raben 760、100.0重量部)
分散剤(BYK-Chiemie社製、商品名Disperbyk 161、8.9部)
ビニルブチラール樹脂(日本モンサント社製、商品名Burvar B-98、17.9部)
カルボキシル基含有アクリル系樹脂(ジョンソンポリマー社製、商品名Joncryi 67、53.5部)
アクリルオリゴマー(UCB Radcure社製、商品名Evecryl EB629、834.0部)
カルボキシル基含有アクリル系樹脂(ICI社製、商品名Elvacite 2669、556.0部)
光重合開始剤(チバガイギー社製、商品名Irgacure 369、45.2部)
光重合開始剤(チバガイギー社製、商品名Irgacure 184、6.7部)
合計1622.3部、固形分濃度30%、PMA/MEK=60/40中、膜厚5μm
中間層
ビニルブチラール樹脂(日本モンサント社製、商品名Burvar B-98、4.76部)
カルボキシル基含有アクリル系樹脂(ジョンソンポリマー社製、商品名Joncryi 67、14.29部)
アクリルモノマー(サートマー社製、商品名Sartomer 351、79.45部)
光重合開始剤(チバガイギー社製、商品名Irgacure 369、4.50部)
蛍光染料(1.12部)
合計104.12部、固形分濃度9.3%、IPA/MEK=90/10中、膜厚1μm
転写層
以下の有機低分子材料からなる3層から構成される総膜厚t=155nmの有機膜を蒸着により作製した。まず、中間層の上に、電子輸送及び発光層として、厚さ50nmのトリス(8-ヒドロキシキノリン)アルミニウム(III)(Alq3)を蒸着させた。次に、このAlq3の上に、正孔輸送層として厚さ100nmのビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニル]ベンジジン(NPD)を蒸着させた。最後に、NPDの上に正孔注入層として厚さ5nmの銅フタロシアニン(CuPc)を蒸着させた。この真空蒸着層の蒸着速度及び厚さは、水晶振動子を用いた膜厚センサー(INFICON社製、IC6000)を用いて監視した。蒸着速度はいずれも約3Å/s程度であった。これらの材料はいずれも新日鉄化学株式会社製のものを用いた。真空槽の背景圧力はおよそ1.3×10-5Pa(1×10-7トル)であった。
(2)ITOパタンを有するガラス基板の準備及びITOパタン端部の分析
ITO膜付きガラス基板(三容真空社製、有機EL用ITO膜(SLR)、ITO膜厚150nm、シート抵抗<14Ω/□、ガラス0.7mm)をフォトリソグラフィー法によりパターニングし、ストライブ状のパタン(幅80μm、長さ3.5mm、ピッチ200μm)を形成した。このフォトリソグラフィーは以下の工程で行った。
まず、表面検査ランプを用いて材料外観を観察し、ギズ、折れ、汚れ等がないかを確認した。また、テスターを用いてITOの抵抗を確認し、計測値に異常がないことを確認した。次に、ラミネーターを用いて、ネガ感光性を有するフォトレジストフィルムをITO膜表面にコーティングした。このとき、シワ、気泡等の外観異常がないかを確認した。
次に、露光機を用いて、あらかじめ電子ビームによりパタン加工された金属マスクを用いてパタン露光を行った。このとき、位置ずれ等の異常がないかを確認した。次に、現像機を用いてフォトレジストの現像、洗浄を行った。このとき、剥がれ、カブリ等の外観異常がないかを確認した。
次に、透過照明を用いて現物と図面の突合せ確認を行った。このとき、ピンホール等の外観異常がないかを注意深く観察した。次に、エッチング機を用いてエッチングを行った。このとき、エッチング液の流動状態に不具合がないかを確認した。次に、剥離機を用いて剥離と水洗を行った。剥離の際には、剥離液の温度、pH値、圧力、速度を適当に選んで行った。また、剥離液の品質状態を常に管理して行った。
次に、水洗乾燥機を用いて基板の水洗と乾燥を行った。このとき、使用する水の質、導電率に留意した。また、乾燥温度や乾燥速度も適当に選んで行った。最後に、表面検査ランプや蛍光灯を用いて、パタンITO膜にキズ、ピンホール及び汚れがないことを確認した。また、テスターを用いて抵抗値に異常がないかを確認した。
次に、パタンITOのパタン端部の形状を、AFM(Digital Instruments Nano Scope III Multimode Scanning Probe Microscope)の力一定モード(height mode)により測定した。その結果得られた約40nmの面内分解能及び約1nmの垂直分解能を有するAFM像から、端部の断面輪郭を抽出した。その結果より、ITOの膜厚の実測値h=139nmを得た。また、その断面輪郭を式(1)でフィッティングすることにより、曲率係数r=35nmを求めた。その結果、本例ではk=1.11であった。
(3)電極を含む基板表面上への有機EL素子の機能層を含む低分子有機膜の転写形成
上記手順に従って作製したドナーシートの転写層表面を、ガラス基板のITOパタン側に、真空チャックを用いて密着させた。その状態で、ドナーシートの基材側からNd:YAGレーザー(波長1064nm、動作モード:TEM00)を、出力6W,スキャン速度約4m/secで、ITO電極パタンに相当する位置に照射した。照射後、基板表面よりドナーシートを剥がし、ITO電極上に幅約100μm、ピッチ200μmの3層の有機膜(CuPc/NPD/Alq3)からなる転写層パタンを得た。
(4)ITOパタン端部での転写結果の観察と評価
転写後、ITOのパタン端部における低分子有機膜の追従性を、光学顕微鏡(OLYMPUS BX60)、蛍光顕微鏡(NIKON OPTIPHOT-2)、及びAFMを用いて転写膜の破断の有無を観察することにより求めた。観察結果は、まったく破断が認められないものを「良好○」、顕著に認められるものを「不良×」とした。観察の結果、ITOのパタン端部における低分子有機膜の破断は確認されなかったため、転写結果は「良好」であった。以上の結果を表1に示す。
比較例1
中間層の上にAlq3のみを50nm真空蒸着することにより形成された、膜厚50nmの転写層を有するドナーフィルムを用いたことを除き、実施例1に記載の工程を繰り返した。実施例1と同様な手法で転写膜を観察した結果、ITOのパタン端部における低分子有機膜の破断が顕著に認められたため、転写結果は「不良」であった。また、AFM観測の結果、曲率半径r=35nmであった。本例では、転写層の総膜厚t=50nm、ITOの高さh=139nmであるため、k=0.36であった。
比較例2
中間層の上にAlq3を50nm、NPDを50nm、CuPcを5nmの順で真空蒸着することにより形成された、膜厚105nmの転写層を有するドナーフィルムを用いたことを除き、実施例1に記載の工程を繰り返した。実施例1と同様な手法で転写膜を観察した結果、ITOのパタン端部における低分子有機膜の破断が顕著に認められたため、転写結果は「不良」であった。また、AFM観測の結果、曲率半径r=35nmであった。本例では、転写層の総膜厚t=105nm、ITOの高さの実測値h=139nmであるため、k=0.75であった。
実施例2
実施例1とは異なるITO膜付ガラス基板(三容真空社製、有機EL用ITO膜(SLR)、ITO膜厚:150nm、シート抵抗:<10Ω/□、ガラス厚み0.7mm)を用いたことを除き、実施例1に記載の工程を繰り返した。実施例1と同様な手法で転写膜を観察した結果、ITOのパタン端部における低分子有機膜の破断が確認されなかったため、転写結果は「良好」であった。また、AFM観測の結果、曲率半径r=431nmであった。本例では、転写層の総膜厚t=155nm、ITOの高さの実測値h=115nmであるため、k=1.35であった。
実施例3
中間層の上にAlq3を45nm、NPDを20nm、CuPcを5nmの順で真空蒸着することにより形成された、膜厚70nmの転写層を有するドナーフィルムを用いたことを除き、実施例2に記載の工程を繰り返した。実施例1と同様な手法で転写膜を観察した結果、ITOのパタン端部における低分子有機膜の破断が確認されなかったため、転写結果は「良好」であった。また、AFM観測の結果、曲率半径r=431nmであった。本例では、転写層の総膜厚t=70nm、ITOの高さの実測値h=115nmであるため、k=0.61であった。
比較例3
中間層の上にAlq3を45nm、NPDを10nm、CuPcを5nmの順で真空蒸着することにより形成された、膜厚60nmの転写層を有するドナーフィルムを用いたことを除き、実施例2に記載の工程を繰り返した。実施例1と同様な手法で転写膜を観察した結果、ITOのパタン端部における低分子有機膜の破断が顕著に認められたため、転写結果は「不良」であった。また、AFM観測の結果、曲率半径r=431nmであった。本例では、転写層の総膜厚t=60nm、ITOの高さの実測値h=115nmであるため、k=0.52であった。
実施例4
中間層の上にAlq3を45nm、NPDを40nm、CuPcを5nmの順で真空蒸着することにより形成された、膜厚90nmの転写層を有するドナーフィルムと、実施例1とは異なるITO膜付ガラス基板(倉元製作所製、研磨ITO付ガラス基板、膜厚:150nm、シート抵抗:<10Ω/□、ガラス厚み0.7mm)を用いたことを除き、実施例1に記載の工程を繰り返した。実施例1と同様な手法で転写膜を観察した結果、ITOのパタン端部における低分子有機膜の破断が確認されなかったため、転写結果は「良好」であった。また、AFM観測の結果、曲率半径r=771nmであった。本例では、転写層の総膜厚t=90nm、ITOの高さの実測値h=187nmであるため、k=0.48であった。
比較例4
中間層の上にAlq3を45nm、NPDを20nm、CuPcを5nmの順で真空蒸着することにより形成された、膜厚70nmの転写層を有するドナーフィルムを用いたことを除き、実施例4に記載の工程を繰り返した。実施例1と同様な手法で転写膜を観察した結果、ITOのパタン端部における低分子有機膜の破断が顕著に認められたため、転写結果は「不良」であった。また、AFM観測の結果、曲率半径r=771nmであった。本例では、転写層の総膜厚t=70nm、ITOの高さの実測値h=187nmであるため、k=0.37であった。
以上の結果を以下の表1にまとめる。
Figure 2006086069
図7は、kを横軸に、rを縦軸に、上記実施例及び比較例の結果をプロットしたものである。転写膜がITO端部でまったく破断がみられないものを○、全体的に破断しているものを×とした。グラフ内の直線は条件式(2)で表現される領域の境界を示している。
本発明によれば、有機ELディスプレイの製造において、レーザー転写法により、1枚の基板上に多数の微細な有機EL素子を高い位置精度で、かつ機能層の破断を防止し、第1電極と第2電極の間の短絡回路の形成を効果的に防止することができる。
従来の有機EL素子の構成を示す模式断面図である。 レーザー転写法における画像パタンの受像要素への転写工程を示す模式断面図である。 本発明の有機EL素子の構成を示す模式断面図である。 透明電極の端部の輪郭構造を示す模式断面図である。 ドナーシートの構成を示す模式断面図である。 本発明のレーザー転写法による有機EL素子の製造工程を示す模式断面図である。 本発明の有機EL素子の構成を示す模式断面図である。 本発明の有機EL素子の構成を示す模式断面図である。 本発明の実施例及び比較例の結果を示すグラフである。
符号の説明
11 ガラス基板
12 第1電極
13 正孔輸送層
14 電子輸送層
15 第2電極
16 機能層
17 光子
20 ドナーシート
21 基材
22 光熱変換層
23 中間層
24 転写層
25 基板
26 レーザー光
27 画像成分
30 有機EL素子
31 基板
32 第1電極
33 機能層
34 第2電極
40 第1電極
41 端部
50 ドナーシート
51 基材
52 プライマ層
53 光熱変換層
54 中間層
55 剥離層
56 転写層
70 有機EL素子
71 第1電極
72 凸部
73 基板
74 機能層
75 第2電極
80 有機EL素子

Claims (7)

  1. 第1電極を表面に設けた、1以上の凸部を含む基板と、前記凸部を覆うように設けられた機能層と、この機能層上に形成された第2電極とを含む有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記凸部の機能層と接する面の端部の断面輪郭が下式(1)
    Figure 2006086069
    (上式中、hは凸部の基部からの最大高さ(nm)であり、xはy=h/2となる位置を原点とした水平方向の距離(nm)であり、yは凸部の厚み方向の距離(nm)であり、rは断面形状のなだらかさを示す係数である)
    によって示され、この係数rが下式(2)
    r>−2000k+1550
    (上式中、k=t/hであり、tは機能層の厚さ(nm)である)
    の関係を満たす形状であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 基板と、この基板上に配置された第1電極と、この第1電極上に形成された機能層と、この機能層上に形成された第2電極とを含む有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記第1電極の機能層と接する面の端部の断面輪郭が下式(1)
    Figure 2006086069
    (上式中、hは第1電極の基部からの最大高さ(nm)であり、xはy=h/2となる位置を原点とした水平方向の距離(nm)であり、yは第1電極の厚み方向の距離(nm)であり、rは断面形状のなだらかさを示す係数である)
    によって示され、この係数rが下式(2)
    r>−2000k+1550
    (上式中、k=t/hであり、tは機能層の厚さ(nm)である)
    の関係を満たす形状であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、第1電極を表面に設けた、1以上の凸部を含む基板の凸部側の表面に、基材及びその上に順次形成された、光熱変換層及び転写層を備えたドナーシートの転写層を密着させ、ドナーシートの基材側からレーザー光を照射して前記転写層を加熱して前記凸部上に転写することを含み、前記凸部の転写層と接する面の端部の断面輪郭が下式(1)
    Figure 2006086069
    (上式中、hは凸部の基部からの最大高さ(nm)であり、xはy=h/2となる位置を原点とした水平方向の距離(nm)であり、yは凸部の厚み方向の距離(nm)であり、rは断面形状のなだらかさを示す係数である)
    によって示され、この係数rが下式(2)
    r>−2000k+1550
    (上式中、k=t/hであり、tは機能層の厚さ(nm)である)
    の関係を満たす形状であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  4. 請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、基板の上に第1電極を形成し、前記基板の第1電極側の表面に、基材及びその上に順次形成された、光熱変換層及び転写層を備えたドナーシートの転写層を密着させ、ドナーシートの基材側からレーザー光を照射して前記転写層を加熱して前記基板上に転写することを含み、前記第1電極の転写層と接する面の端部の断面輪郭が下式(1)
    Figure 2006086069
    (上式中、hは第1電極の基部からの最大高さ(nm)であり、xはy=h/2となる位置を原点とした水平方向の距離(nm)であり、yは第1電極の厚み方向の距離(nm)であり、rは断面形状のなだらかさを示す係数である)
    によって示され、この係数rが下式(2)
    r>−2000k+1550
    (上式中、k=t/hであり、tは機能層の厚さ(nm)である)
    の関係を満たす形状であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  5. 前記ドナーシートが、前記転写層と光熱変換層の間に配置された中間層をさらに含むことを特徴とする、請求項3又は4記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  6. 前記転写層が、機能層及び第2電極が積層された構造である、請求項3〜5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  7. 前記転写層が、機能層より構成された構造であり、転写層を転写後、この転写層上に第2電極が形成される、請求項3〜5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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