JP2006083532A - 調光シャッター及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 基材と電極を通して紫外線を照射して液晶を硬化させることができるとともに、軽量化も図られた調光シャッターを提供する。
【解決手段】 本発明の調光シャッターは、基材A11の一面に設けた電極B12と、基材D16の一面に設けた電極C15との間に液晶14を挟んでなり、前記電極B12と前記電極C15との間に印加する電圧を変化させることにより、外部からの光を透過又は遮断する調光シャッター10であって、前記液晶14は、近紫外域の光により硬化する部材からなり、前記基材A11と前記電極B12からなる第一の積層体13及び/又は前記電極C15と前記基材D16からなる第二の積層体17は、近紫外域の光の透過率を75%以上とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光の透過量を可逆的に制御することができる調光シャッター及びその製造方法に関する。
従来、ITO透明導電膜が設けられた一対のガラス板を用い、ITO透明導電膜が液晶に接するようにして、一対のガラス板で液晶を挟んでなる積層体を形成し、液晶に印加する電圧を変化させることにより外部から入射する光の透過・遮断を行うものとして、調光シャッターが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図3は、従来の調光シャッターの構成例を示す断面図である。
図3に示す調光シャッター30は、一方のガラス板31の一面にITOからなる透明導電膜32が設けられ、他方のガラス板33の一面にITO透明導電膜34が設けられ、ITO透明導電膜32とITO透明導電膜34の間に液晶35が挟持された構造を有している。
ITO透明導電膜32、34は、真空蒸着法によりガラス板31、33の一面上に形成される。ITO透明導電膜32、34の間に挟持された液晶35は、印加される電圧により結晶の配列が変化する性質を有する。
例えば、外部の電源(不図示)から、調光シャッター30の液晶35に電圧が印加されると液晶35の結晶配向が揃い、液晶35は光を通すようになることから、調光シャッター30は外部から入射した光を透過する。一方、液晶35に印加される電圧をオフにすると、液晶35の結晶配向がランダムな状態に戻り、液晶35は光を通さなくなるため、調光シャッター30は外部から入射した光を遮断する。
特開平07−215057号公報
しかしながら、このような調光シャッターにあっては、透明性を有する基材にガラス板を用いており、ガラス板は近紫外域の光を透過し難いので紫外線硬化が不十分であった。さらに、基材がガラス板であるため重量が嵩み、また、割れ易い素材であるため取り扱いが困難であった。従来の調光シャッターの電極は、例えば、真空蒸着法やスパッタ法によりITO膜からなる透明導電体を形成してなるため、減圧手段や設備を要するので製造コストと工数が掛かるとともに、大面積化が困難であった。一方、軽くて割れにくい材料としては、有機材料などの利用が考えられるが、一般に有機材料は、耐熱性が低く、熱硬化型の液晶を用いて加熱硬化しようとするとガスを発生する虞があるため、従来のガラス板を基材とする場合のように、液晶を安定して硬化させることが困難であった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、減圧手段を用いずに製造することができ、基材と電極を通して紫外線を照射して液晶を十分硬化させることができ、安価、軽量で、割れ難い調光シャッターを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る調光シャッターは、基材Aの一面に設けた電極Bと、基材Dの一面に設けた電極Cとの間に液晶を挟んでなり、前記電極Bと前記電極Cとの間に印加する電圧を変化させることにより、外部からの光を透過又は遮断する調光シャッターであって、前記液晶は、近紫外域の光により硬化する部材からなり、前記基材Aと前記電極Bからなる第一の積層体及び/又は前記電極Cと前記基材Dからなる第二の積層体は、近紫外域の光の透過率が75%以上であることを特徴としている。
本発明に係る調光シャッターの製造方法は、基材Aの一面に設けた電極Bと、基材Dの一面に設けた電極Cとの間に液晶を挟んでなり、前記電極Bと前記電極Cとの間に印加する電圧を変化させることにより、外部からの光を透過又は遮断する調光シャッターの製造方法であって、基材Aの一面に電極Bを設けてなり、近紫外域の光の透過率が75%以上である第一の積層体を大気雰囲気中において形成する第一工程と、基材Dの一面に電極Cを設けてなる第二の積層体を大気雰囲気中において形成する第二工程と、前記電極Bと前記電極Cの間に液晶を設ける第三工程と、前記第一の積層体を通して紫外線を照射することにより、前記液晶を硬化させる第四工程と、を少なくとも備えてなることを特徴としている。
本発明に係る調光シャッターにおいては、第一の積層体及び/又は第二の積層体は、近紫外域の光の透過率が75%以上であるので、近紫外域の光は第一の積層体又は第二の積層体を通過することができる。従って、第一の積層体又は第二の積層体のいずれか一方を通して電極Bと電極Cの間に設けられた液晶に近紫外域の光を照射して硬化させることができる。すなわち、液晶の厚さ方向において、硬化が十分に促進される。また、硬化度合いの面内均一性が向上する。特に、液晶が厚いときは、厚さ方向に十分硬化させるためには、第一の積層体と第二の積層体の両方から近紫外域の光を照射して液晶を硬化させることができる。
本発明に係る調光シャッターの製造方法は、基材Aの一面に電極Bを、基材Dの一面に電極Cを設けた後、電極Bと電極Cの間に液晶を設けておいて、近紫外線の透過率が75%以上の第一の積層体を通して液晶に近紫外域の光を照射することにより、電極Bと電極Cとの間に挟まれた液晶に対して、均一に、ムラなく、広域にわたって近紫外域の光を照射することができるので、液晶を十分に硬化させることができる。
第二の積層体の近紫外域の光の透過率が75%以上の場合は、紫外線照射は、第一の積層体を通してだけでなく、第二の積層体を通してもできる。さらには、第一の積層体と第二の積層体の両方からも紫外線を照射することができる。
特に、液晶が厚いときは、厚さ方向に十分硬化させるためには、第一の積層体と第二の積層体の両方から近紫外域の光を照射することにより液晶を十分に硬化することができる。
これにより低温で液晶を硬化することができる。従って、熱を加えると、ガスを発生する虞のある基材、例えば、有機材料などからなる基材の使用が可能となるので、軽量化が図られる。しかも、大気中で製造できるので減圧装置等の高価な装置が必要でなく、また、ランニングコストも低く抑えられ、安価に製造することができる。
以下、本発明の実施例にかかる調光シャッターについて添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、下記に述べる形態は、発明の趣旨をより良く理解するために具体的に説明するものであり、本発明を限定するものではない。
図1は、本発明に係る調光シャッターの実施形態の一例を示す断面図である。
図1に示す調光シャッター10は、基材A11の一面に電極B12が設けられて第一の積層体13をなし、一方、基材D16の一面に電極C15が設けられて第二の積層体17をなし、電極B12と電極C15の間に液晶14が設けられている。
基材A11と電極B12からなる第一の積層体13と基材D16と電極C15からなる第二の積層体17は、紫外域の光の透過度が高く、かつ、可視域の光の透過度が高いものが求められ、近紫外域の光の透過率が75%以上、可視域の光の透過率が78%以上であることが望ましい。ただし、一方の積層体からのみ紫外線を照射する場合は、他方の積層体は、可視域の光の透過率が78%以上であれば、近紫外域の光の透過率は75%以上でなくてもよい。
積層体は、近紫外域の光や可視域の光を通す必要性と強度的な要求特性から厚さについて好適な範囲があり、0.5mm〜5mmが望ましい。また、積層体は、基材と電極の密着性が重要であり、基材と電極の密着性を上げる為には、電極を設ける基材の表面は、化学的、機械的な表面処理を施しておくことが望ましい。また、積層体を構成する基材と電極の材質は、熱膨張係数が大きく異なると、加熱乾燥する際に、熱膨張差から剥離し易くなるので、なるべく、熱膨張係数の近い材質が望ましい。
基材A11と基材D16は、それぞれ第一の積層体と第二の積層体を形成した際に、第一の積層体と第二の積層体の近紫外域の光の透過率が75%以上、可視域の光の透過率が78%以上となるような部材から選択される。
また、ガラスを用いた場合に比べて軽量化を図るためには、ガラスより密度の小さな基材が選択される。中でも、近紫外域の光の透過率が高い基材として、例えば、高透過タイプのアクリル、塩ビ、PET、ポリカーボネート等が好適に用いられる。
電極B12と電極C15は、それぞれ第一の積層体と第二の積層体を形成した際に、第一の積層体と第二の積層体の近紫外域の光の透過率が75%以上、可視域の光の透過率が78%以上となるような部材から選択される。
電極B12と電極C15は、減圧雰囲気を必要としない成膜法、例えば、ディップコート法で作製することが可能であり、近紫外域の光の透過率が高い材料が選択される。電極の成膜は、減圧を要しない成膜法であればよく、ディップコート法の他に、スクリーン印刷法、スプレー法、バーコート法、インクジェット法等が挙げられる。これらの成膜法は、真空蒸着法に比べると、装置は比較的簡単な装置となり、また、大気圧下において形成されるので、電極を作製する基材の大型化を容易に図ることができる。
液晶14は、電圧が印加されると結晶配向して光を通すようになり、電圧の印加が除かれると再び結晶配向が乱れて、光を通さなくなる性質を有する。液晶14は、基材に有機材料などを用いる際には、低温で硬化させる必要があり、熱硬化型よりも紫外線硬化型液晶が好ましい。液晶14の厚さは、光を透過・遮断することから20μm〜50μmの範囲が好ましい。
液晶14としては、アクリル系モノマー中にネマティック液晶と重合開始剤が分散されたものが好適に用いられる。
本発明の調光シャッター10は、次の4つの工程により形成される。
<第一工程>
第一工程は、基材Aの一面に電極Bを設けて、第一の積層体を形成する工程である。
第一工程では、透明導電インクからなる溶液を用い、基材A11の他面にマスキングテープを施してから、ディップコート法により、基材A11の一面に電極B12を設けて、近紫外域の光の透過率が75%以上である第一の積層体を形成する。透明導電性インクとしては、例えば、PEDOT/PSSを水に溶かした溶液(ナガセケムテックス製、Denatron5002LA)やITO微粒子を溶かした溶液が好適に用いられる。
<第二工程>
第二工程は、基材Dの一面に電極Cを設けて、第二の積層体を形成する工程である。
第二工程では、第一工程と同様に形成する。第一工程と一緒に形成しても良いし、別々に形成しても良い。一緒に形成する際は、基材A11と基材D16の裏面を張り合わせておけば、基材A11と基材D16のそれぞれにマスキングテープを施す必要がなく、基材A11と基材D16の表面に同時に電極を形成でき、マスキングテープを取り除く手間が不要となる。
<第三工程>
第三工程は、電極Bと電極Cの間に液晶を設ける工程である。
基材A11の一面に設けられた電極B12上に紫外線硬化型の液晶14を設けた後、基材D16の一面に設けられた電極C15を液晶14上に張り合わせて、電極B12と電極C15の間に液晶14を設ける。紫外線硬化型液晶材料としては、例えば、シアノビフェニル系の液晶材料(大日本インキ化学工業製、PNM−170、紫外線硬化型)などが挙げられる。このような三次元網目状高分子に支持された液晶14は、電圧を印加すると透明(光を透過する状態)となり、電圧をオフにすると白濁(光を散乱し遮断する状態)する。
液晶14は、上述のように、粒子径が約50μmのスペーサー粒子を電極上に均等に配置し、その上から液晶14を滴下後、他方の電極を張り合わせる。または、電極同士を、スペーサーを介して一定間隔で張り合わせておいて、液晶槽に電極を浸け、真空で吸引することにより液晶を注入しても良い。
<第四工程>
第四工程は、第一の積層体を通して紫外線を照射することにより、液晶を硬化させる工程である。
基材A11と電極B12からなり、近紫外域の光の透過率が75%以上の第一の積層体を通して紫外線を照射することにより、液晶14を硬化させる。
第二の積層体17が、近紫外域の光の透過率が75%以上である場合は、第二の積層体を通して、紫外線を照射して液晶を硬化することもできる。
両方の積層体とも近紫外域の光の透過率が75%以上である場合は、どちらか一方の積層体を通して液晶を硬化しても良いし、液晶が厚いときは、両方の積層体を通して紫外線を照射することによって、厚さ方向に十分硬化させることができる。
図2は、電極の膜厚を変えたときの表面抵抗(左縦軸)と電極の膜厚を変えたときの膜厚方向に透過する可視域の光の透過率(右縦軸)とを示したグラフである。なお、表面抵抗及び透過率は、基材上に電極を設けてなる積層体を用いて測定した結果である。
図2から以下のことが明らかとなった。(1)電極の膜厚が50nm未満であると、表面抵抗が5000Ω/□以上となり、このような電極を用いて調光シャッターを構成した場合、調光シャッターの駆動電圧が高くなり好ましくない。(2)電極の膜厚が600nmを越えると、電極の表面抵抗は十分低くなるが、電極の膜厚方向に透過する可視域の光の透過率が75%を下回るようになる。従って、このような電極を用いて調光シャッターを構成した場合、電圧をオンにした状態でも透明度が低下し、また、電圧をオフにした状態では青みを帯びた白濁となり、コンストラストが悪くなる。(3)従って、電極の膜厚を50nm以上600nm以下の範囲とすることより、調光シャッターの駆動電圧を低く抑えつつ、可視域の光を高精度に調光することが可能となる。
以下、具体的な実施例と比較例について説明する。なお、以下の実施例と比較例では、それぞれ、第一の積層体と第二の積層体は、同じものが作製されている。
(実施例1)
長さ30cm、幅30cm、厚さ3mmのアクリル板を用意し、表面をエタノールで洗浄したのち、大気中に放置して乾燥させた。乾燥後、このアクリル板の片面のみにマスキングテープを設けた。片面にマスキングテープを設けたアクリル板を、PEDOT/PSSを1.3wt%溶解した水溶液に、液面に対して垂直に、400mm/min.の投入速度で投入し、アクリル板全体を30秒間浸漬させた後、100mm/min.の速度で垂直に引き上げた。引き上げ後、5分間水溶液上で保持して、余分な液を滴下させた後、80℃に設定した乾燥炉に入れて2分間保持して乾燥させた。乾燥後、マスキングテープを取り除いて、アクリル板上の透明電極の膜厚を測ったところ、膜厚は0.3μmであった。以上のようにして、透明電極付きアクリル板を2枚作製した。
次に、一方のアクリル板の透明電極上に、大日本インキ化学工業製PNM−170を塗布した。塗布後の液晶の厚さは50μmであった。
この液晶材料を挟むようにして、もう一枚の透明電極付きアクリル板を用意して、透明電極を向かい合わせて重ね合わせた。2枚の透明電極付きアクリル板を重ねるときは、特に加圧はせずに、上から重ね合せる方の透明電極付きアクリル板の自重のみで重ね合わせた。なお、間に液晶材料を挟んで2枚の透明電極付きアクリル板を重ね合わせるときは、片側の一辺から空気を押し出すように接触させ、最終的に液晶材料が2つの透明電極により挟まれた状態とした。次に、一方のアクリル板と透明電極を通して紫外線を照射し、液晶材料を硬化させて、調光シャッター(以下、試料Aと呼ぶ)を得た。
(実施例2)
実施例1のPEDOT/PSSに代えてITO微粒子(住友金属鉱山製、X−101)を水に溶かした溶液を用いた以外は、実施例1と同じ条件と方法により調光シャッター(以下、試料Bと呼ぶ)を得た。
(比較例1)
実施例1のアクリル板に代えてガラス板を用いるとともに、真空蒸着法によりITO電極を形成した以外は、実施例1と同じ条件と方法により調光シャッター(以下試料Cと呼ぶ)を得た。
(比較例2)
蒸着法でITO電極を作製した以外は、実施例1と同じ条件と方法により調光シャッター(以下、試料Dと呼ぶ)を得た。
上述の調光シャッターA〜Dについて、電極の密着性を評価するとともに、積層体の紫外線透過率(λ=320nm)と可視光透過率(λ=550nm)を測定した。さらに、軽量化度と製造コストを比較評価した。
なお、電極の密着性は、テープ引き剥がし法を用いて行った。電極上に粘着性テープを貼り付けてから引き剥がし、電極が剥離しない場合を○、剥離する場合を×とした。
軽量化度は、蒸着法でガラス板にITO透明導電膜を形成した従来の調光シャッターと比較して、10%以上の軽量化が図られた場合は○、10%未満または質量が増した場合は×とした。製造コストは、ガラス板に蒸着法でITO透明導電膜を形成した従来の調光シャッターと比較して、10%以上のコストダウンが図られた場合は○、コストダウンが10%未満またはコストアップとなった場合は×とした。以上の評価結果を表1に示す。
Figure 2006083532
表1より、以下の点が明らかになった。
(1)比較例1により作製された試料Cは、ガラスからなる基材上に蒸着法を用いて電極となるITO膜を形成してなる積層体を2枚用意し、液晶に各々の電極が接するように積層体を配したものである。
この試料Cを構成するITO膜は、ガラス基材上に密着性よく得られる点において優れている。このITO膜をガラス基材上に設けてなる積層体は、可視光に対しては、高い透光性を備えているが、紫外光に対して約50%程度しか透過率が得られない。よって、この積層体を通して液晶材料を紫外線硬化させる際に、その能力が半減してしまうため、芳しくないことが分かった。
(2)比較例2により作製される試料Dは、アクリルからなる基材上に蒸着法を用いて電極をなすITO膜を形成してなる積層体を2枚用意し、液晶に各々の電極が接するように積層体を配したものである。
この試料Dをなす積層体は、可視光とともに紫外光に対しても80%以上の優れた透光性をもつもので、この積層体を通して液晶材料を十分に硬化させることが可能であるとともに、可視光の透光性も十分にある点において優れている。しかしながら、この試料Dを構成するITO膜は、アクリル基材との密着性に乏しいため、デバイスとしての長期信頼性に劣ることが分かった。
(3)実施例2により作製される試料Bは、アクリルからなる基材上に、ディップコート法によりITO微粒子からなる電極を形成してなる積層体を2枚用意し、液晶に各々の電極が接するように積層体を配したものである。
この試料Bをなす電極は、アクリル基材上に密着性よく得られる。また、ITO微粒子からなる電極は、紫外線透過率は75%程度であるが、液晶材料を紫外線硬化させるには十分な紫外光における透光性をもつ。この数字は、比較例1の試料Cに対して、5割程度も高いものである。また、可視光に対しても、78%という高い透光性(透光制御能力)も備えている。よって、試料Bは、長期信頼性とともに、優れた紫外線硬化性と、可視光の透光特性をも併せもつことが分かった。
(4)実施例1により作製された試料Aは、アクリルからなる基材上に、ディップコート法によりPEDOT/PSSからなる電極を形成してなる積層体を2枚用意し、液晶に各々の電極が接するように積層体を配したものである。
この試料Aをなす電極は、上述した試料Bと同様に、アクリル基材上に密着性よく得られる。また、このPEDOT/PSSからなる電極を設けた積層体は、試料Bをなす積層体より高い紫外線に対する透光性(77%)と、可視光に対する透光性(82%)を有することが分かった。
よって、試料Aは、試料Bより優れた液晶材料の紫外線硬化能力と、可視光の透光特性を兼ね備えていることが判明した。
(5)軽量化度という視点からみると、基材としてアクリルを採用することにより、ガラスに比べて50%程度(ガラスの比重はアクリルのおよそ2倍ゆえ)の改善が図られることから好ましい。
(6)製造コストという視点かみると、減圧手段等を要する蒸着法に比べて、大気圧雰囲気下にて作製されることが可能なディップコート法の方が設備コスト面とともに、稼動コスト面からも極めて低く抑えられるので望ましい。
以上、説明したように、本発明に係る製造方法により作製された試料AとBは、従来法による試料CやDに比べて、特段の軽量化や低コストが図られるとともに、優れた長期信頼性や透光特性も兼ね備える調光シャッターの提供をもたらすことが明らかとなった。
以上説明したように、本発明の調光シャッターは、窓や天窓などに用い、印加する電圧を変化させることによって、光の透過・遮断を制御することができる。
本発明の実施例に係る調光シャッターの実施形態の一例を示す断面図である。 電極の膜厚に対する電極の表面抵抗及び透過率の関係を示すグラフである。 従来の調光シャッターの一例を示す断面図である。
符号の説明
10 調光シャッター、11 基材A、12 電極B、13 第一の積層体、14 液晶、15 電極C、16 基材D、17 第二の積層体。

Claims (3)

  1. 基材Aの一面に設けた電極Bと、基材Dの一面に設けた電極Cとの間に液晶を挟んでなり、前記電極Bと前記電極Cとの間に印加する電圧を変化させることにより、外部からの光を透過又は遮断する調光シャッターであって、
    前記液晶は、近紫外域の光により硬化する部材からなり、前記基材Aと前記電極Bからなる第一の積層体及び/又は前記電極Cと前記基材Dからなる第二の積層体は、近紫外域の光の透過率が75%以上であることを特徴とする調光シャッター。
  2. 前記電極B及び前記電極Cの膜厚は、50nm以上600nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の調光シャッター。
  3. 基材Aの一面に設けた電極Bと、基材Dの一面に設けた電極Cとの間に液晶を挟んでなり、前記電極Bと前記電極Cとの間に印加する電圧を変化させることにより、外部からの光を透過又は遮断する調光シャッターの製造方法であって、
    基材Aの一面に電極Bを設けてなり、近紫外域の光の透過率が75%以上である第一の積層体を大気雰囲気中において形成する第一工程と、
    基材Dの一面に電極Cを設けてなる第二の積層体を大気雰囲気中において形成する第二工程と、
    前記電極Bと前記電極Cの間に液晶を設ける第三工程と、
    前記第一の積層体を通して紫外線を照射することにより、前記液晶を硬化させる第四工程と、
    を少なくとも備えてなることを特徴とする調光シャッターの製造方法。


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