JP2005071901A - 透明導電性積層フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 大面積の透明導電性フィルムを、高速で製造コストを低く抑えて被膜が形成できる塗布法の利点と、硬度が高く耐久性に優れた被膜を形成できるスパッタリング法の利点を活かして、タッチパネル用途として十分な表面抵抗値を有し、且つ、耐磨耗性と密着性に優れた透明導電性積層フィルムを提供する。
【解決手段】 少なくとも片面にハードコート層を設けた透明高分子フィルム基材上に、有機珪素化合物を加水分解して調製したゾル液を塗布して形成された酸化珪素膜からなる下地層を介して、塗布法により透明導電層が形成されており、該透明導電層の上にスパッタリング法によって形成された可視光領域で透明な薄膜からなるオーバーコート層が積層された構造を有することを特徴とする透明導電性積層フィルム。
【選択図】 図1

Description

本発明は透明導電性積層フィルムに関する。さらに詳しくは、タッチパネル、液晶表示素子、エレクトロルミネッセンスパネル、エレクトロクロミック素子、太陽電池、透明面発熱体等の透明電極や、電磁波遮蔽フィルム、帯電防止フィルムとして用いる透明導電性積層フィルムに関する。
透明フィルム基材上に錫ドープ酸化インジウム(以下、ITO)薄膜をはじめとした透明導電性薄膜を含む層を形成した透明導電フィルムは、真空蒸着法、反応性蒸着法、イオンビームアシスト蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの真空製膜プロセスよって製造されている。これらのプロセスの中でもスパッタリング法は大面積化に対応しやすいので透明導電性フィルムの製造に最も広く用いられている。スパタッリング法には種々の手段があり、例えば、真空中で直流または高周波放電で発生した不活性ガスイオンをターゲット表面に加速衝突させ、ターゲットを構成する原子を表面から叩き出し、基材上に堆積させ透明導電層を形成する手段などが挙げられる。
スパッタリング法による透明導電性薄膜形成の長所としては、容易に且つ精度良く膜厚の制御が出来る、大面積の基材上に均一な厚みに形成出来る、形成された薄膜が緻密なため傷がつきにくく表面抵抗を低くできる、スパッタされた透明導電性薄膜材料の粒子が高エネルギーで基材に入射するため投錨効果が得られ基材の濡れ性と無関係に密着性をもたせることができる等が挙げられる。また、短所としては、真空製膜プロセスであるため装置が大掛かりになる、薄膜の形成速度が塗布法に比して非常に遅い等が挙げられ、製造コストの増大を引き起こす。さらに、薄膜の形成速度が遅いことは、高分子フィルム基材がプラズマ中に長く曝されることによってフィルムが加熱され、高分子フィルムの変質あるいはシワの発生を引き起こす問題がある。
直流スパッタリング法にて高分子フィルム基材上へ透明導電性薄膜を形成すると、4×10−4〜5×10−4Ω・cm程度の比抵抗を有する透明導電性フィルムを製造することができ、40〜50Ω/□程度の表面抵抗値を100nm程度の膜厚で実現できる(特開平5−241173号公報、8−271085号公報、8−211374号公報)。しかし、上述のような短所があるため、製造コストの増大につながる問題がある。
このような真空プロセスを利用した透明導電性フィルムの製造コスト増大を解決するために、塗布法による透明導電性フィルムの製造も試みられている。塗布法は、スパッタリング法に比べて装置が簡便で膜形成速度が高いため生産性が高く、製造コストも低い。塗布法による透明導電層の形成方法としては、導電性微粒子をバインダー樹脂中に分散させた導電性塗料を基材に塗布、乾燥させる方法や金属アルコキシドを含む溶液を加水分解・重合させ、これによって得られたゾルを基材に塗布し、ゲル膜を形成した後、熱処理するゾル−ゲル法が試みられている。
導電性微粒子を含む導電性塗料を基材に塗布することにより透明導電層を形成する方法では、導電性塗料にバインダー樹脂を大量に用いなければ導電層を製膜することができないとされていた。そのため、バインダー樹脂によって導電性微粒子どうしの接触が妨げられて、得られる透明導電フィルムの抵抗値が高くなるという問題があり、その用途が限られていた。また、バインダー樹脂を用いない場合には、実用に耐える透明導電層の形成には導電性物質を高温で焼結させなければならず、高分子フィルム基材上への形成は基材の変質が起こる問題があった。
導電性微粒子を含む導電性塗料を基材に塗布することにより透明導電層を形成する方法として、例えば特開平9−109259号公報には、透明なプラスチックフィルム上に導電性粉末とバインダー樹脂とからなる導電性塗料を塗布、乾燥し、導電層を形成する第1工程、上記導電層の表面を鏡面仕上げされた平滑面に加圧、加熱処理する第2工程、上記平滑面に加圧、加熱処理した導電層をプラスチックプレートもしくはシート上に積層し、熱圧着させる第3工程からなる帯電防止透明導電フィルム若しくはシートの製造法が提案されている。この方法では、例えば、無機質の導電性粉末を用いる場合、バインダー100重量部に対して導電性粉末100〜500重量部であり、大量のバインダー樹脂を使用しているため、同号公報で提案されている方法では、表面抵抗は6×10〜7×10Ω/□程度と記載されているが、透明電極用の透明導電性フィルムとして実用的な表面抵抗値は実現できていない。
また特開平8−199096号公報には、ITO粉末、溶媒、カップリング剤、金属の有機酸塩若しくは無機酸塩からなる、バインダーを含まない導電膜形成用塗料をガラス板に塗布し、透明導電層を形成する方法が提案されているが、この方法では、導電膜形成用塗料を塗布した後に300℃以上の高温で焼成する必要があり、高分子フィルム基材上への形成は基材の変質が起こる問題がある。
特開平9−263716号公報には、ITO、ATOなどの導電粉からなる透明導電層の上に、アルコキシシランの加水分解で得たシリカゾルと有機ポリマーとを溶媒中に含有するオーバーコート組成物を塗布し、焼付けて、シリカ質オーバーコート層を形成することで、耐磨耗性向上と低抵抗化を実現する方法が提案されている。この方法ではオーバーコート焼付けを170〜180℃程度の温度で30分行なう必要があるため、高分子基材上への形成は基材の変質を引き起こす問題がある。
上述のように、塗布法による透明導電性フィルムの製造は真空製膜プロセスに比してコストを抑えることができる利点があるが、塗膜強度を向上させるために塗液へ絶縁性のバインダー成分を加えると低抵抗化に限界があり、バインダー成分を含まない塗液にて透明導電膜を形成すると耐摩耗性の向上ために後処理として高温での焼付けが必要になり高分子基材への形成が困難となる。
ところで、高分子フィルム基材或はハードコート層と透明導電層との密着性は十分でないため、透明電極を作る種々の加工工程で透明導電層が剥離したり、欠落するといった問題があった。また、タッチパネルの上部電極用途に用いる場合には、変形をくり返すことにより、フィルム基材と透明導電層との間で剥離が生じ、正確な入力が出来なくなる問題があった。
上記の問題を解決するために、透明導電層と高分子フィルム基材との間に下地層として易接着性を示す有機化合物あるいは無機化合物を設ける方法が提案されている(特開昭60−131238号公報、特開平1−9729号公報、特開平4−163141号公報)。しかしながら、これらの方法では密着性は必ずしも十分ではない。
金属薄膜や導電性酸化物薄膜からなる透明導電層と高分子フィルム基材或はハードコート層の間に十分な密着性を持たせる方法に関しては、基材上に透明導電層の下地層として酸素欠乏状態の絶縁性酸化珪素層を真空プロセスにて設ける方法(特開平6−320659号公報)や、SiC、SiO、SiN、SiC、SiC、SiO及びSiCよりなる群から選ばれる1種又は2種以上の珪素化合物の微粒子を含む紫外線硬化型樹脂を高分子フィルム基材に塗布することにより下地層を設ける方法(特開2002−196871号公報)が提案されている。
上記の絶縁性酸化珪素層を下地層として設ける方法は、スパッタリング法などの真空プロセスにより絶縁性酸化珪素層を形成するので、製造コストの増大につながることが考えられる。また、酸素欠乏状態の酸化珪素を形成する必要があるので、形成時の酸化度のコントロ−ルが非常にシビアである。さらに、酸化珪素は、スパッタリング法にて形成する場合、酸化物の中で形成速度が極端に遅いものの1つであるため、生産性が低いことが挙げられる。
前記の1種類以上の珪素化合物の微粒子を含む紫外線硬化型樹脂を高分子フィルム基材に塗布することにより下地層を設ける方法は、紫外線硬化型のハードコート層を設けた基材上に下地層を形成する場合、下地層の塗液を硬化させるときに、硬化したハードコート層に再度紫外線が照射されるため、ハードコート層が変質し、基材とハードコート層の密着性が悪くなる可能性があり、使用できるハードコート剤が制限される問題があった。
透明導電性フィルムの表面抵抗に関しては、最近のPDA等の低電圧駆動が前提となるデバイスでは1kΩ/□程度の表面抵抗が要求されている(本松徹、Material Stage Vol.2 No.3 p31 (2002))。この表面抵抗はスパッタリング法をはじめとした真空プロセスによる透明導電性薄膜が示す一般的な表面抵抗値(数百〜数十Ω/□程度)と塗布法によって形成された透明導電膜の一般的な表面抵抗値(10〜10Ω/□程度)の中間的な値であり、スパッタリング法をはじめとした真空プロセスにより形成された透明導電性薄膜でも、塗布法により形成された透明導電膜でも実現は難しい。
特開平9−109259号公報 特開平8−199096号公報 特開平9−263716号公報 特開昭60−131238号公報 特開平1−9729号公報 特開平4−163141号公報 特開2002−196871号公報
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、大面積の透明導電性フィルムを、高速で製造コストを低く抑えることができる塗布法の利点と、硬度が高く耐久性に優れた被膜を形成できるスパッタリング法の利点を活かして、タッチパネル用途として十分な表面抵抗値を有し、耐磨耗性および密着性に優れた透明導電性積層フィルムを提供することを目的とする。
上記事情に鑑み、発明者が鋭意研究した結果、塗布法により透明導電層が形成されており、該透明導電層の上にスパッタリング法によって形成されたオーバーコート層が積層された構造を有することを特徴とする透明導電性積層フィルムにより、上記課題を解決できることを見い出した。
本発明は、本研究での以下に述べる考察に基づきなされるに至った。
塗布法により形成した透明導電性薄膜(以下、塗布層)でも、スパッタリング法により形成した透明導電性薄膜(以下、スパッタ層)でも、導電性粒子が互いに接触することによって導電経路が形成されるが、微視的に見れば、スパッタ層では、導電性粒子が部分的に化学結合を持ちながら密に接触しているのに対し、塗布層では化学結合を持ちながらの接触は実現されておらず、疎な接触しかしていない。これがスパッタ層の方が塗布層よりも抵抗値が低くなる原因である。
導電性薄膜の比抵抗は一般に、
ρ=1/(q・n・μ) (1)
(式中、ρ:比抵抗(Ω・cm)、q:電気素量(C)、n:電荷担体の密度(cm−3)、μ:電荷担体の移動度(cm2・V/s)である。)で表される。
スパッタ層でも塗布層でも、導電性粒子中の物質が同じであれば電荷担体の密度は大きく変わらないと考えられるので、導電性粒子の接触形態の違いが(1)式の移動度μに反映されて、比抵抗に差が生じると結論できる。
そこで、塗布層の一般的な表面抵抗値10〜10Ω/□を数kΩまで低抵抗化するには、塗布層を形成する導電性粒子同士の接触を密にする必要がある。特開平9−263716号公報では塗布法にて形成した透明導電層上にアルコキシシランの加水分解で得たシリカゾルと有機ポリマーとを溶媒中に含有するオーバーコート組成物を塗布し、焼付けて、シリカ質オーバーコート層を形成して透明導電層を形成する導電性粒子の接触を密にする方法が提案されているが、高温での焼付けが必要なため高分子基材を用いることができない問題がある。そこで、オーバーコート層をスパッタリング法にて形成すれば焼付けが必要ないだけでなく、スパッタリング法によって形成された薄膜は非常に緻密で硬い特徴があるので、塗布型オーバーコート層よりも優れた耐摩耗性を示すことが考えられる。さらに、スパッタリング法にて形成した薄膜は強い応力を発生させるので、この応力によって透明導電層を形成する粒子間同士の接触を促進する効果が期待できる。これが、本発明で提案する塗布法にて形成した透明導電層上にスパッタリング法にてオーバーコート層を形成する理由である。
下地層として酸化珪素膜を設ける理由は、酸化珪素は、高分子フィルムや透明導電層との親和性が良好であるため、高分子フィルム基材と透明導電層との中間層として密着を高めることが期待できるからである。また、酸化珪素膜の形成に、有機珪素化合物を加水分解して調製したゾルを塗布して形成するゾル−ゲル法を用いる理由は、形成速度が速く、ゲル膜の熱処理が比較的低温で可能なため基材を選ばないからである。
以上の考察に基づき、本発明はなされるに至った。
すなわち本発明は、透明基材フィルム、その少なくとも一方の面に設けられたハードコート層、ハードコート層のうえに設けられた下地層、下地層のうえに塗布法により設けられた透明導電層、および透明導電層のうえにスパッタリング法によって形成されたオーバーコート層からなる透明導電性積層フィルムである。
本発明によれば、大面積の透明導電性フィルムを、高速で製造コストを低く抑えることが出来る塗布法の利点と、低抵抗で耐久性に優れた透明導電性フィルムを形成できるスパッタリング法の利点を活かして、タッチパネル用途として十分な表面抵抗値を有し、且つ、耐磨耗性と密着性に優れた透明導電性積層フィルムを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の好ましい一実施形態である透明導電性積層フィルムの層構成をしめす断面図である。透明高分子フィルム基材1の側からハードコート層2、有機珪素化合物を加水分解して調製したゾルを塗布して形成した酸化珪素からなる下地層3、その外層に塗布法にて形成した透明導電性薄膜からなる塗布層4、その上にスパッタリング法にて形成したオーバーコート層5を有する。
本発明の積層フィルムは、ハードコート層を設けたことにより、フィルムが傷つくことを防止している。また、塗布法により形成した透明導電層の上にスパッタリング法にて固いオーバーコート層が形成されているので、塗布法により形成された透明導電性フィルムよりも耐磨耗性が良好であり、薄いオーバーコート層が透明導電層を形成する導電粒子同士の接触を促進することで低抵抗化されている。さらに、酸化珪素からなる下地層が設けられており、透明導電層と透明高分子フィルム基材との密着性が確保されている。
[透明基材フィルム]
本発明に用いられる透明基材フィルムは、プラスチックフィルムを用いることが好ましい。プラスチックフィルムを形成するポリマーには、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート)、ポリ(メタ)アクリル(例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA))、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、トリアセテート、セロファンを例示することができる。これら中、PET、PC、PMMAが好ましい。
透明基材フィルムはポリマーの種類によって無延伸フィルムであったり、延伸フィルムであったりする。例えば、ポリエステルフィルム例えばPETフィルムは、通常、二軸延伸フィルムであり、またPCフィルム、トリアセテートフィルム、セロファンフィルム等は、通常、無延伸フィルムである。
なお、透明とは、可視光領域での透過率が通常は40%以上のものをいい、好ましくは60%以上、さらに好ましくは80%以上のものをいう。
透明基材フィルムの厚さとしては、反射防止フィルムの用途により適宜決定されるが、20μmから500μmが好ましい。薄すぎるとフィルム強度が弱く、厚いとスティフネスが大きく貼り付けが困難になる場合があり、50μmから200μmがより好ましい。透明基材フィルムは可視光線の好ましくは40%以上、さらに好ましくは60%以上、さらに好ましくは80%以上を透過する。
透明基材フィルムの表面には、その上に設けられる層との密着性を向上させる目的で、所望により片面又は両面に、表面処理を施すことができる。たとえば、コロナ放電処理、グロー放電処理、オゾン・紫外線照射処理などが挙げられる。さらに、一層以上の下塗り層を設けることができる。下塗り層の素材としては、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、(メタ)アクリル酸エステル、ビニルエステル等の共重合体あるいはラテックス、ゼラチン等の水溶性ポリマーが挙げられる。
[ハードコート層]
本発明においてハードコート層は、透明性を有し、適度な硬度を有する層を形成することが好ましい。その形成材料には特に限定はなく、例えば電離放射線や紫外線照射による硬化樹脂や熱硬化性樹脂を使用できる。特に、紫外線照射硬化型のアクリル系や有機珪素の樹脂や、熱硬化型のポリシロキサン樹脂が好適である。これらの樹脂は公知のものを用いることができる。さらに、このハードコート層は透明基材フィルムと屈折率が同等もしくは近似していることがより好ましいが、膜厚が3μm以上の場合には特にこの点も必要ない。
前記ハードコート層を形成するにあたり、塗布方法に制限はないが、表面平滑に且つ均一に形成することが好ましい。
このハードコート層には、平均粒子径0.01〜1μmの透明な無機微粒子を混合分散させてもよい。これにより膜としての架橋収縮率を改良し、塗膜の平面性を向上させることができる。この無機微粒子によりハードコート層と透明導電性酸化物層との接触部分の密着性を高めることができる。無機微粒子としては透明導電性酸化物層に含有される、インジウム、錫、亜鉛と親和性があるものが好ましく、二酸化珪素粒子、二酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化アルミニウム粒子が好ましい。
[下地層]
下地層は、有機珪素化合物、特にテトラアルコキシシランを含む珪素アルコキシドを加水分解して調製した(酸化珪素)ゾル液をフィルムに塗布して形成することが好ましい。このゾルは有機珪素化合物を、塗布に適した有機溶剤に溶解し、一定量の水を用いて加水分解を行って調製することができる。
このゾルは、好ましくは一般式Ra 1b 2SiX4-(a+b)で表される有機珪素化合物を用いて調製する。ここで、R1、R2はそれぞれアルキル基、アルケニル基、アリル基又は、ハロゲン基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、メタクリル基若しくはシアノ基を有する炭化水素基であり、Xはアルコキシル基、アルコキシアルコキシル基、ハロゲンないしアシルオキシ基から選ばれた加水分解可能な基であり、a、bはそれぞれ0、1又は2であるが、a+bは2以下である。
有機珪素化合物の加水分解は、有機珪素化合物を適当な溶媒中に溶解して行うのが好ましい。使用する溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、メタノール、エタノール、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等のアルコール、ケトン、エステル類、ハロゲン化炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、及びこれらの混合物が挙げられる。
有機珪素化合物は、前記溶媒中に、該有機珪素化合物が100%加水分解及び縮合したとして生じるSiO換算で、好ましくは0.1重量%以上、さらに好ましくは0.1〜10重量%になるように溶解する。SiO換算でゾルの濃度が0.1重量%未満であると、形成されるゾル膜が所望の特性が充分に発揮できず、10重量%を越えると、透明均質膜の形成が困難となり好ましくない。なお、本発明においては、上記の固形分濃度以内であるならば、有機物や無機物バインダーを併用してもよい。
有機珪素化合物の加水分解は、前記溶液に加水分解に必要な量もしくはそれ以上の量の水を加え、好ましくは15〜35℃、さらに好ましくは22〜28℃の温度で、好ましくは0.5〜48時間、さらに好ましくは2〜24時間攪拌することで行うのが好ましい。
この加水分解には触媒を用いるのが好ましい。これらの触媒としては塩酸、硝酸、硫酸、酢酸等の酸が好ましく、これらの酸は溶液全体のpHが1〜6となるように加えるのが好ましい。このようにして得られる酸化珪素ゾルは、無色透明で、ポットライフが約1ケ月の安定な液体であり、フィルム基材に対して濡れ性が良く、塗布適性に優れている。
有機珪素化合物の加水分解により得られる酸化珪素ゾルは、液状で、通常の塗布作業が適用できる範囲の粘度を有するものであり、適用温度で10ポイズ以下、さらには1ポイズ以下のものが好ましい。これより高い粘度を有する液状物は均一な塗膜を形成するのが難しくなる。
塗布方法としては、通常のコーティング作業で用いられる方法を用いることができ、例えば、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、ロールコーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ビートコーター法、マイクログラビアコーター法を挙げることができる。塗布後、塗膜を乾燥させると、酸化珪素からなる膜が形成される。乾燥温度(熱処理温度)は、好ましくは60〜150℃、さらに好ましくは80〜110℃である。
このようにして形成される下地層は、酸化珪素を主たる成分とする層として形成され、好ましくは10nm〜1μm、さらに好ましくは30〜100nmの膜厚を有する。
[透明導電層]
透明導電層は、導電性を有する透明な層である。ここで透明とは、可視光領域での透過率が通常は40%以上のものをいい、好ましくは60%以上、さらに好ましくは80%以上のものをいう。この透明導電層は、好ましくは導電性微粒子を含み、したがって導電性微粒子により導電性が示され、さらに好ましくは実質的に導電性微粒子のみからなる。バインダーなどの非導電性のものを含有しないことが導電性の観点から好ましい。
導電性微粒子は、導電性酸化物の微粒子または金属の微粒子であることが好ましい。導電性微粒子の平均粒径は、好ましくは1〜100nmである。100nmを越えるとヘイズが大きくなることがあり、1nm未満であると微粒子の分散が困難になることがあり、形成した透明導電層の表面抵抗が急激に大きくなることがあり好ましくない。
導電性微粒子が導電性酸化物の微粒子である場合、導電性酸化物の微粒子は、錫をドープした酸化インジウム(ITO)、酸化インジウム、アンチモンをドープした二酸化錫、二酸化錫、アルミニウムをドープした酸化亜鉛、ガリウムをドープした酸化亜鉛、酸化亜鉛、および酸化インジウムと酸化亜鉛との混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種からなることが好ましい。
導電性微粒子が金属の微粒子である場合、金属の微粒子は、金、銀、銅、アルミニウム、鉄、ニッケル、パラジウム、白金、およびこれらの合金からなる群から選ばれる少なくとも1種からなることが好ましい。
導電性酸化物の微粒子の中では、酸化物の中でもっとも抵抗の低い、錫をドープした酸化インジウム(ITO)の微粒子が好ましい。この場合、錫の含有量はインジウムに対し3〜15原子%であることが導電性の観点から最も好ましい。
金属の微粒子の中では、とくに銀を含有する微粒子が好ましく、さらに耐候性の観点からパラジウムと銀の合金の微粒子が好ましい。この場合、パラジウムの含有量は5〜30重量%が好ましく、パラジウムが少ないと耐候性が悪くなることがあり、また、パラジウムが多くなると導電性が低下することがあり好ましくない。
透明導電層は、導電性酸化物の微粒子を有機溶媒に分散した塗布液または金属の微粒子を有機溶媒に分散した塗布液を塗布することにより形成されていることが好ましい。
導電性微粒子の分散媒としては、各種有機系分散媒を用いることができる。例えば、ヘキサン等の飽和炭化水素類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;エチレンクロライド、クロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等を挙げることができる。なかでも極性を有する分散媒が好ましく、特にメタノール、エタノール等のアルコール類は分散剤を使用しなくても分散性が良好であることから、好ましく用いられる。これら分散媒は1種または2種以上を用いることができる。また、分散媒の種類により、分散剤を用いてもよい。
分散媒の量は、導電性微粒子の分散液(塗料、導電性塗料)が塗布に適した適度な粘度を有するようにすればよい。具体的には、導電性微粒子100重量部に対して分散媒100〜100,000重量部程度が好ましいが、導電性微粒子と分散媒の種類に応じて適宜変更し得る。導電性微粒子の分散媒中への分散は、例えばサンドグラインダーミル法など、公知の分散手段により行うことができる。
次いで、上記導電性微粒子の分散液(塗料)を支持体上に塗布、乾燥し、導電性微粒子含有層を形成する。
上記支持体上への導電性微粒子分散液(塗料)の塗布は、公知の方法により行うことができる。例えばスピンコート法、ディップ法、スプレー法、ロールコーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ビートコーター法、リバースロール法、マイクログラビアコーター法等を挙げることができる。乾燥温度(熱処理温度)は分散に用いた分散媒の種類によるが、60〜150℃が好ましい。
このように、導電性微粒子を分散媒に分散させて塗布し、乾燥すると、均一な膜を形成しやすい。これら導電性微粒子の分散液を塗布して乾燥させると、分散液中にバインダーが存在しなくても微粒子は膜を形成する。
[オーバーコート層]
こうして形成した透明導電層のうえにオーバーコート層を設ける。オーバーコート層は、スパッタリング法により形成された可視光領域で透明な薄膜である。ここで透明とは、可視光領域での透過率が通常は40%以上のものをいい、好ましくは60%以上、さらに好ましくは80%以上のものをいう。
オーバーコート層は、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、窒化珪素、窒化チタンおよび窒化ジルコニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
オーバーコート層の厚みは、10〜100nmであることが好ましい。オーバーコート層がこの範囲よりも薄いと十分な耐摩耗性が得られず、この範囲よりも厚い場合には表面抵抗の増加を引き起こしてしまい好ましくない。
スパッタリング法の方式は、従来の直流マグネトロン方式、高周波マグネトロン方式、デュアルカソードマグネトロン方式、電子サイクロトロン共鳴方式等、公知の方式を用いることができる。なかでも、1つの製膜室に2つのターゲットを近接して配置し、それら2つのターゲットに数十kHzの周波数で交互に陽極、陰極として電圧を印加する、デュアルカソードマグネトロン方式が好適である。この方式は、ターゲットが数十kHzの周波数で交互に陽極、陰極になるので、ターゲットのチャージアップ(電荷集積)が起こりにくく、且つ、周波数がそれほど高くないので高速な膜形成が可能である。
金属酸化物もしくは金属窒化物からなるオーバーコート層を形成するためには、金属ターゲットを出発材料として製膜室にアルゴンガスと共に反応性ガス(酸素ガスや窒素ガス)を導入して金属と反応性ガスを化学反応させて金属酸化物薄膜或いは金属窒化物薄膜を形成する反応性スパッタリング法を用いてもよく、酸化物焼結体或いは窒化物焼結体ターゲットを出発材料としてアルゴンガスを用いてスパッタリングする方法を用いてもよい。
本発明の透明導電性積層フィルムは、可視光領域における光線透過率が70%以上、表面抵抗が500Ω/□〜10kΩ/□であることが好ましいが、上述の構成をとることにより、これらの特性を達成することができる。
以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明する。なお、反射防止フィルムの特性を下記の方法にて評価した。
[電気抵抗]
透明導電性積層フィルムの表面抵抗は三菱化学社製ロレスタMP(4端針法表面抵抗計)を用いて測定した。
[可視光透過率]
透明導電性積層フィルムの可視光透過率を、島津製作所製UV−3101PC型を用い、透明導電性積層フィルムの表面に照光して、380〜780nmの波長範囲で測定し、積分可視光透過率をJIS A5759に基づいて計算した。
[密着性評価]
透明導電性積層フィルム表面にカッターナイフにて2mm間隔で縦横各6本の切れ目を入れ25個の碁盤目を作り、この碁盤目上にニチバンセロテープを添付し、このセロテープを90度の剥離角度をつけて剥離し、フィルム上の薄膜について、残留碁盤目の数を目視により評価した。
評価は、○:25個残留、△:20〜24個、×:19個以下、とした。
[耐摩耗性評価]
耐摩耗性は、#000のスチールウールを1kgの加重で透明導電性積層フィルムの表面に押し当てて10往復させ、傷の有無を目視にて評価した。
評価は、○:傷なし、△:浅い傷、×:深い傷、とした。
[実施例1]
透明導電層がITO粒子からなる膜であり、オーバーコート層が二酸化珪素薄膜である本発明の透明導電性積層フィルムを作成した。透明フィルム基材として二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム製 OPFW−188μm)を用い、この片面の上にUV硬化性ハードコート剤(JSR デソライトZ7501)をマイクログラビアコーティングにより塗工し、UV硬化させてハードコート層を形成した。このとき、ハードコート層の厚みは5μmであった。
次に、ハードコート層の上に、テトラエチルシリケートをエタノールの溶解し、水および塩酸を加えて加水分解して得られた酸化珪素ゾルを塗布し、100℃で2分間熱処理し、酸化珪素膜からなる下地層を形成した。このとき下地層の膜厚は100nmであった。
下地層の上に、ITO微粒子(触媒化成工業製、TL−130)100重量部にイソプロピルアルコール300重量部を加えて得られた塗布液をマイクログラビアコーティングにより下地層の上に塗工し、150℃で2分間熱処理して膜厚1.6μmの透明導電層を形成した。このときの表面抵抗は41kΩ/□、可視光透過率は82%であった。
さらに、透明導電層上にデュアルカソードマグネトロン方式のウェブコータ型スパッタ機にて二酸化珪素からなるオーバーコート層を20nmになるように形成した。オーバーコート層は二酸化珪素ターゲットを使用し、アルゴン/酸素=99/1の体積比の混合ガスを導入し、雰囲気圧力0.5Pa下にて形成した。
こうして得た本発明の透明導電性積層フィルムの表面抵抗値は5.3kΩ/□で、可視光透過率は87%であった。また、密着性の評価を行なった結果、残留碁盤目の数は25個であり、評価は○であった。耐摩耗性の評価を行った結果、傷は観察されず、○であった。
[実施例2]
オーバーコート層を二酸化チタン薄膜とした以外は実施例1と同じである。二酸化薄膜は金属チタンターゲット出発材料としてアルゴン/酸素=85/15の体積比の混合ガスを雰囲気圧力0.5Paとなるように導入して形成した。
オーバーコート層を形成する前の表面抵抗値と可視光透過率は実施例1と同様、それぞれ41kΩ/□と82%であった。オーバーコート形成後の表面抵抗値は4.7kΩ/□、可視光透過率は79%であった。オーバーコート層形成後に密着性評価をおこなった結果、残留碁盤目の数は25個であり、評価は○であった。耐摩耗性の評価を行った結果、傷は観察されず、評価は○であった。
[実施例3]
透明導電層を形成する導電性微粒子がパラジウムを10重量%含有する銀とパラジウムの合金微粒子からなること以外は実施例1と同じである。
透明導電層の膜厚は70nmであった。オーバーコート層を形成する前の表面抵抗値と可視光透過率は、それぞれ3.3kΩ/□と80%であった。オーバーコート形成後の表面抵抗値は1.6kΩ/□、可視光透過率は78%であった。オーバーコート層形成後に密着性評価をおこなった結果、残留碁盤目の数は25個であり、評価は○であった。耐摩耗性の評価を行った結果、傷は観察されず、評価は○であった。
[実施例4]
透明導電層を形成する導電性微粒子がパラジウムを10重量%含有する銀とパラジウムの合金微粒子からなること以外は実施例2と同じである。
オーバーコート層を形成する前の表面抵抗値と可視光透過率は実施例3と同様、それぞれ3.3kΩ/□と80%である。透明導電層の膜厚も実施例3と同様に70nmである。オーバーコート形成後の表面抵抗値は0.85kΩ/□、可視光透過率は74%であった。オーバーコート層形成後に密着性評価をおこなった結果、残留碁盤目の数は25個であり、評価は○であった。耐摩耗性の評価を行った結果、傷は観察されず、評価は○であった。
[比較例1]
オーバーコート層を形成しないこと以外は実施例1と同じである。オーバーコートを形成していない透明導電性積層フィルムの、透明導電層の膜厚、表面抵抗値、可視光透過率は実施例1に示したオーバーコート層を形成する前の積層フィルムと同様に、それぞれ、1.6μm、41kΩ/□、82%であった。密着性評価をおこなった結果、残留碁盤目の数は21個であり、評価は△であった。耐摩耗性の評価を行った結果、深い傷が観察され、評価は×であった。実施例1との比較から、オーバーコート層は狙い通りに耐摩耗性を向上させる働きがあることが確認できた。
[比較例2]
オーバーコート層を形成しないこと以外は実施例3と同じである。オーバーコートを形成していない透明導電性積層フィルムの、透明導電層の膜厚、表面抵抗値、可視光透過率は実施例3に示したオーバーコート層を形成する前の積層フィルムと同様に、それぞれ、70nm、3.3kΩ/□、80%であった。密着性評価をおこなった結果、残留碁盤目の数は20個であり、評価は△であった。耐摩耗性の評価を行った結果、深い傷が観察された。
[比較例3]
オーバーコート層を、テトラエチルシリケートをエタノールの溶解し、水および塩酸を加えて加水分解して得られた酸化珪素ゾルを塗布し100℃で2分間熱処理して、酸化珪素膜を30nm形成したこと以外は実施例1と同じである。
こうして得た透明導電性積層フィルムの表面抵抗値は7.1kΩ/□で、可視光透過率は85%であった。また、密着性の評価を行なった結果、残留碁盤目の数は25個であり、評価は○であった。耐摩耗性の評価を行った結果、浅い傷が観察され、△であった。
[比較例4]
透明導電層を形成する導電性微粒子がパラジウムを10重量%含有する銀とパラジウムの合金微粒子からなること以外は比較例3と同じである。
こうして得た透明導電性積層フィルムの表面抵抗値は3.0kΩ/□で、可視光透過率は81%であった。また、密着性の評価を行なった結果、残留碁盤目の数は25個であり、評価は○であった。耐摩耗性の評価を行った結果、浅い傷が観察され、△であった。
[比較例5]
オーバーコート層の膜厚が150nmであること以外は実施例1と同じである。こうして得た透明導電性積層フィルムの表面抵抗値は10kΩ/□で、可視光透過率は86%であった。オーバーコート層が厚いために表面抵抗は、オーバーコート層を形成する前の表面抵抗41kΩ/□よりも増加した。密着性の評価を行なった結果、残留碁盤目の数は25個であり、評価は○であった。耐摩耗性の評価を行った結果、傷は観察されず△であった。
[比較例6]
オーバーコート層の膜厚を5nmとしたこと以外は実施例1と同じである。こうして得た透明導電性積層フィルムの表面抵抗値は41kΩ/□で、可視光透過率は83%であった。また、密着性の評価を行なった結果、残留碁盤目の数は18個であり、評価は△であった。耐摩耗性の評価を行った結果、深い傷が観察され、×であった。
以上の結果を表にまとめる。
Figure 2005071901
本発明の透明導電性積層フィルムは、タッチパネル、液晶表示素子、エレクトロルミネッセンスパネル、エレクトロクロミック素子、太陽電池、透明面発熱体等に用いる透明電極や、電磁波遮蔽フィルム、帯電防止フィルムとして有利に用いることができる。
本発明の透明導電性積層フィルムの層構成の一例を示す断面模式図である。
符号の説明
1 透明基材フィルム
2 ハードコート層
3 下地層
4 透明導電層
5 オーバーコート層

Claims (9)

  1. 透明基材フィルム、その少なくとも一方の面に設けられたハードコート層、ハードコート層のうえに設けられた下地層、下地層のうえに塗布法により設けられた透明導電層、および透明導電層のうえにスパッタリング法によって形成されたオーバーコート層からなる透明導電性積層フィルム。
  2. オーバーコート層が、可視光領域で透明な薄膜からなる請求項1記載の透明導電性積層フィルム。
  3. オーバーコート層が、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、窒化珪素、窒化チタンおよび窒化ジルコニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種からなる、請求項1記載の透明導電性積層フィルム。
  4. オーバーコート層の膜厚が10〜100nmの範囲にある、請求項1記載の透明導電性積層フィルム。
  5. 透明導電層が、導電性酸化物の微粒子を有機溶媒に分散した塗布液または金属の微粒子を有機溶媒に分散した塗布液を塗布することにより形成されている、請求項1記載の透明導電性積層フィルム。
  6. 導電性酸化物の微粒子が、錫をドープした酸化インジウム(ITO)、酸化インジウム、アンチモンをドープした二酸化錫、二酸化錫、アルミニウムをドープした酸化亜鉛、ガリウムをドープした酸化亜鉛、酸化亜鉛、および酸化インジウムと酸化亜鉛との混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種からなる、請求項4記載の透明導電性積層フィルム。
  7. 金属の微粒子が、金、銀、銅、アルミニウム、鉄、ニッケル、パラジウム、白金、およびこれらの合金からなる群から選ばれる少なくとも1種からなる、請求項4記載の透明導電性積層フィルム。
  8. 可視光領域における透過率が70%以上、表面抵抗が500Ω/□〜10kΩ/□である、請求項1記載の透明導電性積層フィルム。
  9. 下地層が、有機珪素化合物を加水分解して調製したゾル液を塗布して形成された、膜厚10nm〜1μmの酸化珪素の層である、請求項1に記載の透明導電性積層フィルム。
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