JP2006083060A - グリーンシート用塗料、グリーンシート、グリーンシート用塗料の製造方法、グリーンシートの製造方法および電子部品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】極めて薄いグリーンシートであっても、支持体からの剥離に耐えうる強度を有し、かつ良好な接着性およびハンドリング性を有するグリーンシートを製造可能なグリーンシート用塗料、グリーンシート、及びその製造方法を提供すること。また、電子部品の薄膜化及び多層化に適した電子部品の製造方法を提供すること。
【解決手段】セラミック粉体と、バインダ樹脂と、可塑剤と、溶剤と、帯電除剤を有するグリーンシート用塗料であって、バインダ樹脂が、ポリビニルブチラール樹脂を含み、そのポリブチラール樹脂の重合度が1000以上1700以下であり、樹脂のブチラール化度の公称値が65%以上78%より小さく、残留アセチル基量が6%未満であり、帯電除剤が、イミダゾリン系帯電除剤を含み、その帯電助剤が、前記セラミック粉体100質量部に対して0.1質量部以上0.75質量部以下含まれる。
【選択図】図1
【解決手段】セラミック粉体と、バインダ樹脂と、可塑剤と、溶剤と、帯電除剤を有するグリーンシート用塗料であって、バインダ樹脂が、ポリビニルブチラール樹脂を含み、そのポリブチラール樹脂の重合度が1000以上1700以下であり、樹脂のブチラール化度の公称値が65%以上78%より小さく、残留アセチル基量が6%未満であり、帯電除剤が、イミダゾリン系帯電除剤を含み、その帯電助剤が、前記セラミック粉体100質量部に対して0.1質量部以上0.75質量部以下含まれる。
【選択図】図1
Description
本発明は、グリーンシート用塗料、グリーンシート、グリーンシート用塗料の製造方法、グリーンシートの製造方法および電子部品の製造方法に係り、さらに詳しくは、極めて薄いシートであってもハンドリング性および接着性に優れるグリーンシートを製造することが可能であり、電子部品の薄層化および多層化に適した塗料、グリーンシートおよび方法に関する。
近年、各種電子機器の小型化により、電子機器の内部に装着される電子部品の小型化および高性能化が進んでいる。電子部品の一つとして、CR内臓型基板、積層セラミックコンデンサ等のセラミック電子部品があり、このセラミック電子部品も小型化および高性能化が求められている。
このセラミック電子部品の小型化および高容量化を進めるために、誘電体層の薄層化が強く求められている。最近では、誘電体層を構成する誘電体グリーンシートの厚みが数μm以下になってきた。
セラミックグリーンシートを製造するには、通常、まずセラミック粉体、バインダ(アクリル系樹脂、ブチラール系樹脂など)、可塑剤(フタル酸エステル類、グリコール類、アジピン酸、燐酸エステル類)および有機溶剤(トルエン、MEK、アセトンなど)からなるセラミック塗料を準備する。次に、このセラミック塗料を、ドクターブレード法などを用いてキャリアシート(PET、PP製の支持体)上に塗布し、加熱乾燥させて製造する。
また、近年、セラミック粉体とバインダが溶媒に混合されたセラミック懸濁液を準備し、この懸濁液を押出成形して得られるフィルム状成形体を二軸延伸して製造することも検討されている。
前述のセラミックグリーンシートを用いて、積層セラミックコンデンサを製造する方法を、具体的に説明する。セラミックグリーンシート上に、金属粉体とバインダを含む内部電極用導電性ペーストを所定パターンで印刷し、乾燥させて内部電極パターンを形成する。その後、キャリアシートからグリーンシートを剥離しこれを所望の層数まで積層する。ここで、積層前にグリーンシートをキャリアシートから剥離する方法と、積層圧着後にキャリアシートを剥離する2種類の方法が考案されているが大きな違いはない。最後にこの積層体をチップ状に切断してグリーンチップが作成される。これらのグリーンチップを焼成後、外部電極を形成し積層セラミックコンデンサなどの電子部品を製造する。
積層セラミックコンデンサを製造する場合には、コンデンサとして必要とされる所望の静電容量に基づき、内部電極が形成されるシートの層間厚みは、約3μm〜100μm程度の範囲にある。また、積層セラミックコンデンサでは、コンデンサチップの積層方向における外側部分には内部電極が形成されていない部分が形成されている。
このような積層セラミックコンデンサにおいて、使用されているバインダは重合度が1000以下(Mw=50,000)のポリビニルブチラール樹脂が使用されることが一般的であった(下記の特許文献1;特開平10−67567号公報参照)。この理由として、積層時におけるセラミックグリーンシートの接着性を十分に確保することと、グリーンシートの表面粗さを低減することと、グリーンシートの可撓性を確保することと、スラリーの粘度を低くすることとが挙げられる。また、可塑剤としては、一般にフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、燐酸エステル類が使用可能とされているが、可塑性を付与するという目的から、沸点および有害性等の観点から選択されてきた。
近年、電子機器の小型化に伴い、その中に使用される電子部品の小型化が急激に進行している。積層セラミックコンデンサに代表されるような積層電子部品においては、積層数の増加、層間厚みの薄層化が急激に進んでいる。このような技術動向に対応するために、層間厚みを決定するグリーンシート厚みは、3μm以下から2μm以下になりつつある。このため、積層セラミックコンデンサの製造工程では、極めて薄いグリーンシート取り扱う必要があり、非常に高度なグリーンシート物性の設計が必要となる。
このような極めて薄いグリーンシートの物性として求められる特性として、シート強度、可撓性、平滑性、積層時の接着性、ハンドリング性(帯電性)等が挙げられ、また、高次元でのバランスが要求される。
なお、特許文献2;特開平6−206756号公報に示すように、水系溶剤を含むグリーンシート用スラリーにおいて、ショート欠陥を無くす目的で、重合度1000以上のポリビニルブチラール樹脂をバインダとして用いる技術は知られている。
しかしながら、特許文献2では、特に有機溶剤系グリーンシートの薄層化を図るものではないと共に、ポリビニルブチラール樹脂の重合度の範囲を特定範囲に限定しているわけでもない。しかも、その樹脂のブチラール化度および残留アセチル基量に関しては何ら着目していない。
本発明の目的は、極めて薄いグリーンシートであっても、支持体からの剥離に耐えうる強度を有し、かつ良好な接着性およびハンドリング性を有するグリーンシートを製造することが可能なグリーンシート用塗料、グリーンシート、グリーンシート用塗料の製造方法、グリーンシートの製造方法を提供することである。また、本発明の他の目的は、電子部品の薄層化および多層化に適した電子部品の製造方法を提供することである。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討の結果、特定範囲の重合度、特定範囲のブチラール化度、しかも残留アセチル基量が所定値以下のポリビニルアセタール樹脂をバインダとして用いることで、極めて薄いグリーンシートであっても、支持体からの剥離に耐えうる強度を有し、かつ良好な接着性およびハンドリング性を有するグリーンシートを製造することが可能になることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の第1の観点に係るグリーンシート用塗料は、セラミック粉体と、バインダ樹脂と、可塑剤と、溶剤とを有するグリーンシート用塗料であって、
前記バインダ樹脂が、ポリビニルブチラール樹脂を含み、そのポリブチラール樹脂の重合度が1000以上1700以下であり、樹脂のブチラール化度の公称値が65%以上で78%より小さく、残留アセチル基量が6%未満であることを特徴とする。溶剤としては、特に限定されないが、好ましくは有機溶剤が用いられる。なお、ブチラール化度の公称値は、±3%の範囲でばらつく。すなわち、ブチラール化度の公称値が65%とは、65±3%の意味である。以下の説明において、単に「ブチラール化度」という場合には、「ブチラール化度の公称値」を意味するものとする。
前記バインダ樹脂が、ポリビニルブチラール樹脂を含み、そのポリブチラール樹脂の重合度が1000以上1700以下であり、樹脂のブチラール化度の公称値が65%以上で78%より小さく、残留アセチル基量が6%未満であることを特徴とする。溶剤としては、特に限定されないが、好ましくは有機溶剤が用いられる。なお、ブチラール化度の公称値は、±3%の範囲でばらつく。すなわち、ブチラール化度の公称値が65%とは、65±3%の意味である。以下の説明において、単に「ブチラール化度」という場合には、「ブチラール化度の公称値」を意味するものとする。
本発明の第1の観点において、ポリブチラール樹脂の重合度が小さすぎると、たとえば5μm以下、好ましくは3μm以下程度に薄層化した場合に、十分な機械的強度が得られにくい傾向にある。また、重合度が大きすぎると、シート化した場合における表面粗さが劣化する傾向にある。また、ポリブチラール樹脂のブチラール化度が低すぎると、塗料への溶解性が劣化する傾向にあり、高すぎると、シート表面粗さが劣化する傾向にある。さらに、残留アセチル基量が多すぎると、シート表面粗さが劣化する傾向にある。
本発明の第1の観点に係るグリーンシート用塗料によれば、極めて薄いグリーンシートであっても、支持体からの剥離に耐えうる強度を有し、かつ良好な接着性およびハンドリング性を有するグリーンシートを製造することができる。
本発明の第2の観点に係るグリーンシート用塗料は、
セラミック粉体と、バインダ樹脂と、可塑剤と、有機溶剤とを有するグリーンシート用塗料であって、
前記セラミック粉体100質量部に対して、水を1質量部以上6質量部以下含有する。
セラミック粉体と、バインダ樹脂と、可塑剤と、有機溶剤とを有するグリーンシート用塗料であって、
前記セラミック粉体100質量部に対して、水を1質量部以上6質量部以下含有する。
従来では、有機溶剤を用いるグリーンシート用塗料にあっては、湿気を吸収して特性が変化することを避けるために水分が混入しないように厳密に管理する必要があった。本発明の第2の観点では、塗料作製当初より所定範囲の含有量で水分を積極的に混入させる。このため、本発明では、湿気による水分吸収の管理を厳密にする必要が無くなる。
水の含有量が少なすぎると、吸湿による塗料特性の経時変化が大きくなり好ましくないと共に、塗料粘度が増大する傾向にあり、塗料の濾過特性が劣化する傾向にある。また、水の含有量が多すぎると、塗料の分離や沈降が生じ、分散性が悪くなり、シートの表面粗さが劣化する傾向にある。
本発明の第3の観点に係るグリーンシート用塗料は、
セラミック粉体と、バインダ樹脂と、可塑剤と、溶剤と、分散剤とを有するグリーンシート用塗料であって、
前記分散剤が、ポリエチレングリコール系のノニオン性分散剤を含み、親水性・親油性バランス(HLB(Hydrophilic Lipophilic Balance の略))値が5〜6であり、
前記分散剤がセラミック粉体100質量部に対して0.5質量部以上1.5質量部以下添加されていることを特徴とする。
分散剤がポリエチレングリコール系のノニオン性分散剤以外の分散剤である場合には、塗料粘度が増大し、シート密度が低下し、シート表面粗さが増大したり、シート伸度が低下したりする傾向にある。また、分散剤のHLBが上記範囲以外である場合には、シート密度が低下し、シート表面粗さが増大する傾向にある。
本発明の第3の観点に係るグリーンシート用塗料によれば、極めて薄いグリーンシートであっても、支持体からの剥離に耐えうる強度を有し、かつ良好な接着性およびハンドリング性を有するグリーンシートを製造することができる。
また、本発明の第3の観点において、分散剤の添加量が少なすぎると、塗料粘度が増大すると共に、シート密度が低下し、シート表面粗さが増大する傾向にある。また、添加量が多すぎると、シートの引っ張り強度が低下すると共に接着性が低下する傾向にある。
セラミック粉体と、バインダ樹脂と、可塑剤と、溶剤と、分散剤とを有するグリーンシート用塗料であって、
前記分散剤が、ポリエチレングリコール系のノニオン性分散剤を含み、親水性・親油性バランス(HLB(Hydrophilic Lipophilic Balance の略))値が5〜6であり、
前記分散剤がセラミック粉体100質量部に対して0.5質量部以上1.5質量部以下添加されていることを特徴とする。
分散剤がポリエチレングリコール系のノニオン性分散剤以外の分散剤である場合には、塗料粘度が増大し、シート密度が低下し、シート表面粗さが増大したり、シート伸度が低下したりする傾向にある。また、分散剤のHLBが上記範囲以外である場合には、シート密度が低下し、シート表面粗さが増大する傾向にある。
本発明の第3の観点に係るグリーンシート用塗料によれば、極めて薄いグリーンシートであっても、支持体からの剥離に耐えうる強度を有し、かつ良好な接着性およびハンドリング性を有するグリーンシートを製造することができる。
また、本発明の第3の観点において、分散剤の添加量が少なすぎると、塗料粘度が増大すると共に、シート密度が低下し、シート表面粗さが増大する傾向にある。また、添加量が多すぎると、シートの引っ張り強度が低下すると共に接着性が低下する傾向にある。
本発明の第4の観点に係るグリーンシート用塗料は、
セラミック粉体と、バインダ樹脂と、可塑剤と、溶剤と、帯電助剤とを有するグリーンシート用塗料であって、
前記帯電除剤が、イミダゾリン系帯電除剤を含み、前記帯電助剤が、前記セラミック粉体100質量部に対して0.1質量部以上0.75質量部以下含まれることを特徴とする。
本発明の第4の観点において、帯電除剤がイミダゾリン系帯電除剤以外の場合には、帯電除去効果が小さいと共に、シート強度、シート伸度あるいは接着性が劣化する傾向にある。本発明の第4の観点に係るグリーンシート用塗料によれば、極めて薄いグリーンシートであっても、支持体からの剥離に耐えうる強度を有し、支持体からの剥離時などに発生する静電気を抑制し、かつ良好な接着性およびハンドリング性を有するグリーンシートを製造することができる。
本発明の第4の観点において、帯電除剤の添加量が少なすぎると、帯電除去の効果が小さくなり、多すぎると、シートの表面粗さが劣化すると共に、シート強度が劣化する傾向にある。
本発明の第5の観点に係るグリーンシート用塗料は、
セラミック粉体と、バインダ樹脂と、溶剤と、必要に応じて可塑剤と、分散剤とを有するグリーンシート用塗料であって、
前記溶剤が、アルコール系溶剤と芳香族系溶剤とを含み、アルコール系溶剤と芳香族系溶剤との合計質量を100質量部として、芳香族系溶剤が、10質量部以上20質量部以下含まれる。芳香族系溶剤の含有量が少なすぎると、シート表面粗さが増大する傾向にあり、多すぎると、塗料濾過特性が悪化し、シート表面粗さも増大して悪化する。
セラミック粉体と、バインダ樹脂と、可塑剤と、溶剤と、帯電助剤とを有するグリーンシート用塗料であって、
前記帯電除剤が、イミダゾリン系帯電除剤を含み、前記帯電助剤が、前記セラミック粉体100質量部に対して0.1質量部以上0.75質量部以下含まれることを特徴とする。
本発明の第4の観点において、帯電除剤がイミダゾリン系帯電除剤以外の場合には、帯電除去効果が小さいと共に、シート強度、シート伸度あるいは接着性が劣化する傾向にある。本発明の第4の観点に係るグリーンシート用塗料によれば、極めて薄いグリーンシートであっても、支持体からの剥離に耐えうる強度を有し、支持体からの剥離時などに発生する静電気を抑制し、かつ良好な接着性およびハンドリング性を有するグリーンシートを製造することができる。
本発明の第4の観点において、帯電除剤の添加量が少なすぎると、帯電除去の効果が小さくなり、多すぎると、シートの表面粗さが劣化すると共に、シート強度が劣化する傾向にある。
本発明の第5の観点に係るグリーンシート用塗料は、
セラミック粉体と、バインダ樹脂と、溶剤と、必要に応じて可塑剤と、分散剤とを有するグリーンシート用塗料であって、
前記溶剤が、アルコール系溶剤と芳香族系溶剤とを含み、アルコール系溶剤と芳香族系溶剤との合計質量を100質量部として、芳香族系溶剤が、10質量部以上20質量部以下含まれる。芳香族系溶剤の含有量が少なすぎると、シート表面粗さが増大する傾向にあり、多すぎると、塗料濾過特性が悪化し、シート表面粗さも増大して悪化する。
好ましくは、前記バインダ樹脂が前記セラミックス粉体100質量部に対して5質量部以上6.5質量部以下で含まれる。バインダ樹脂の含有量が少なすぎると、シート強度が低下すると共にスタック性(積層時の接着性)が劣化する傾向にある。また、バインダ樹脂の含有量が多すぎると、バインダ樹脂の偏析が発生して分散性が悪くなる傾向にあり、シート表面粗さが劣化する傾向にある。
好ましくは、前記可塑剤として、フタル酸ジオクチル(DOP)を前記バインダ樹脂100質量部に対して、40質量部以上70質量部以下で含有する。他の可塑剤に比較して、フタル酸ジオクチルは、シート強度およびシート伸びの双方の点で好ましく、支持体からの剥離強度が小さく剥がれやすいので特に好ましい。なお、この可塑剤の含有量が少なすぎると、シート延びが小さく、可撓性が小さくなる傾向にある。また、含有量が多すぎると、シートから可塑剤がブリードアウトして、シートに対する可塑剤の偏析が発生しやすく、シートの分散性が低下する傾向にある。
好ましくは、前記セラミックス粉体とバインダ樹脂と可塑剤との合計の体積を100体積%とした場合に、前記セラミックス粉体が占める体積割合が64.3%以上72%以下である。この体積割合が小さすぎると、バインダの偏析が発生し易くなり分散性が悪くなる傾向にあり、表面粗さが劣化する傾向にある。また、体積割合が大きすぎると、シート強度が低下すると共に、スタック性が悪くなる傾向にある。
好ましくは、前記セラミックス粉体100質量部に対して、炭化水素系溶剤、工業用ガソリン、ケロシン、ソルベントナフサの内の少なくとも何れか1つを、3質量部以上15質量部以下添加されている。これらの添加物を添加することで、シート強度およびシート表面粗さを向上させることができる。これらの添加物の添加量が少なすぎると、添加の効果が少なく、添加量が多すぎると、逆に、シート強度およびシート表面粗さを劣化させる傾向にある。
本発明に係るグリーンシート用塗料の製造方法は、
前記バインダ樹脂を、予め、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールの内の少なくとも一種類以上のアルコール系溶剤に溶解濾過させて溶液にしておき、その溶液に、前記セラミック粉体およびその他の成分を添加することを特徴とする。
前記バインダ樹脂を、予め、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールの内の少なくとも一種類以上のアルコール系溶剤に溶解濾過させて溶液にしておき、その溶液に、前記セラミック粉体およびその他の成分を添加することを特徴とする。
高重合度のバインダ樹脂は溶剤に溶け難く、通常の方法では、塗料の分散性が悪化する傾向にある。本発明の方法では、高重合度のバインダ樹脂を上述の良溶媒に溶解してから、その溶液にセラミック粉体およびその他の成分を添加するために、塗料分散性を改善することができ、未溶解樹脂の発生を抑制することができる。なお、上述の溶剤以外の溶剤では、固形分濃度を上げられないと共に、ラッカー粘度の経時変化が増大する傾向にある。
本発明に係るグリーンシートの製造方法は、
前記グリーンシート用塗料を準備する工程と、
前記グリーンシート用塗料を用いてセラミックグリーンシートを成形する工程と、
を有する。
前記グリーンシート用塗料を準備する工程と、
前記グリーンシート用塗料を用いてセラミックグリーンシートを成形する工程と、
を有する。
本発明に係るセラミック電子部品の製造方法は、
前記グリーンシート用塗料を準備する工程と、
前記グリーンシート用塗料を用いてセラミックグリーンシートを成形する工程と、
前記グリーンシートを乾燥させる工程と、
乾燥後のグリーンシートを、内部電極層を介して積層し、グリーンチップを得る工程と、
前記グリーンチップを焼成する工程と、
を有する。
前記グリーンシート用塗料を準備する工程と、
前記グリーンシート用塗料を用いてセラミックグリーンシートを成形する工程と、
前記グリーンシートを乾燥させる工程と、
乾燥後のグリーンシートを、内部電極層を介して積層し、グリーンチップを得る工程と、
前記グリーンチップを焼成する工程と、
を有する。
本発明に係るグリーンシートは、前記グリーンシート用塗料を用いて製造される。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの概略断面図、
図2A〜図2Cは電極層の転写方法を示す要部断面図、
図3A〜図3Cは図2の続きの工程を示す要部断面図、
図4A〜図4Cは電極層が接着されたグリーンシートの積層方法を示す要部断面図、
図5A〜図5Cは図4の続きの工程を示す電極層が接着されたグリーンシートの積層方法を示す要部断面図、
図6A〜図6Cは図5の続きの工程を示す要部断面図、
図7は図6の続きの工程を示す要部断面図、
図8は図7の続きの工程を示す要部断面図である。
発明を実施するための最良の態様
図1は本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの概略断面図、
図2A〜図2Cは電極層の転写方法を示す要部断面図、
図3A〜図3Cは図2の続きの工程を示す要部断面図、
図4A〜図4Cは電極層が接着されたグリーンシートの積層方法を示す要部断面図、
図5A〜図5Cは図4の続きの工程を示す電極層が接着されたグリーンシートの積層方法を示す要部断面図、
図6A〜図6Cは図5の続きの工程を示す要部断面図、
図7は図6の続きの工程を示す要部断面図、
図8は図7の続きの工程を示す要部断面図である。
発明を実施するための最良の態様
まず、本発明に係るグリーンシート用塗料(誘電体ペースト)およびグリーンシートを用いて製造される電子部品の一実施形態として、積層セラミックコンデンサの全体構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ2は、コンデンサ素体4と、第1端子電極6と第2端子電極8とを有する。コンデンサ素体4は、誘電体層10と、内部電極層12とを有し、誘電体層10の間に、これらの内部電極層12が交互に積層してある。交互に積層される一方の内部電極層12は、コンデンサ素体4の一方の端部の外側に形成してある第1端子電極6の内側に対して電気的に接続してある。また、交互に積層される他方の内部電極層12は、コンデンサ素体4の他方の端部の外側に形成してある第2端子電極8の内側に対して電気的に接続してある。
本実施形態では、内部電極層12は、後で詳細に説明するように、図2〜図6に示すように、電極層12aをセラミックグリーンシート10aに転写して形成される。
誘電体層10の材質は、特に限定されず、たとえばチタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウムおよび/またはチタン酸バリウムなどの誘電体材料で構成される。各誘電体層10の厚みは、特に限定されないが、数μm〜数百μmのものが一般的である。特に本実施形態では、好ましくは5μm以下、より好ましくは3μm以下に薄層化されている。
端子電極6および8の材質も特に限定されないが、通常、銅や銅合金、ニッケルやニッケル合金などが用いられるが、銀や銀とパラジウムの合金なども使用することができる。端子電極6および8の厚みも特に限定されないが、通常10〜50μm程度である。
積層セラミックコンデンサ2の形状やサイズは、目的や用途に応じて適宜決定すればよい。積層セラミックコンデンサ2が直方体形状の場合は、通常、縦(0.6〜5.6mm、好ましくは0.6〜3.2mm)×横(0.3〜5.0mm、好ましくは0.3〜1.6mm)×厚み(0.1〜1.9mm、好ましくは0.3〜1.6mm)程度である。
次に、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ2の製造方法の一例を説明する。
(1)まず、焼成後に図1に示す誘電体層10を構成することになるセラミックグリーンシートを製造するために、誘電体塗料(グリーンシート用塗料)を準備する。
誘電体塗料は、誘電体原料(セラミック粉体)と有機ビヒクルとを混練して得られる有機溶剤系塗料で構成される。
誘電体塗料は、誘電体原料(セラミック粉体)と有機ビヒクルとを混練して得られる有機溶剤系塗料で構成される。
誘電体原料としては、複合酸化物や酸化物となる各種化合物、たとえば炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物などから適宜選択され、混合して用いることができる。誘電体原料は、通常、平均粒子径が0.4μm以下、好ましくは0.1〜3.0μm程度の粉体として用いられる。なお、きわめて薄いグリーンシートを形成するためには、グリーンシート厚みよりも細かい粉体を使用することが望ましい。
有機ビヒクルとは、バインダ樹脂を有機溶剤中に溶解したものである。有機ビヒクルに用いられるバインダ樹脂としては、本実施形態では、ポリビニルブチラール樹脂が用いられる。そのポリブチラール樹脂の重合度は、1000以上1700以下であり、好ましくは1400〜1700である。また、樹脂のブチラール化度が65%以上78%より小さく、好ましくは65%以上70%以下であり、その残留アセチル基量が6%未満、好ましくは3%以下である。
ポリブチラール樹脂の重合度は、たとえば原料であるポリビニルアセタール樹脂の重合度で測定されることができる。また、ブチラール化度は、たとえばJISK6728に準拠して測定されることができる。さらに、残留アセチル基量は、JISK6728に準拠して測定されることができる。
ポリブチラール樹脂の重合度が小さすぎると、たとえば5μm以下、好ましくは3μm以下程度に薄層化した場合に、十分な機械的強度が得られにくい傾向にある。また、重合度が大きすぎると、シート化した場合における表面粗さが劣化する傾向にある。また、ポリブチラール樹脂のブチラール化度が低すぎると、塗料への溶解性が劣化する傾向にあり、高すぎると、シート表面粗さが劣化する傾向にある。さらに、残留アセチル基量が多すぎると、シート表面粗さが劣化する傾向にある。
有機ビヒクルに用いられる有機溶剤は、特に限定されず、たとえばテルピネオール、アルコール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエンなどの有機溶剤が用いられる。本実施形態では、有機溶剤としては、好ましくは、アルコール系溶剤と芳香族系溶剤とを含み、アルコール系溶剤と芳香族系溶剤との合計質量を100質量部として、芳香族系溶剤が、10質量部以上20質量部以下含まれる。芳香族系溶剤の含有量が少なすぎると、シート表面粗さが増大する傾向にあり、多すぎると、塗料濾過特性が悪化し、シート表面粗さも増大して悪化する。
アルコール系溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどが例示される。芳香族系溶剤としては、トルエン、キシレン、酢酸ベンジルなどが例示される。
バインダ樹脂は、予め、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールの内の少なくとも一種類以上のアルコール系溶剤に溶解濾過させて溶液にしておき、その溶液に、誘電体粉体およびその他の成分を添加することが好ましい。高重合度のバインダ樹脂は溶剤に溶け難く、通常の方法では、塗料の分散性が悪化する傾向にある。本実施形態の方法では、高重合度のバインダ樹脂を上述の良溶媒に溶解してから、その溶液にセラミック粉体およびその他の成分を添加するために、塗料分散性を改善することができ、未溶解樹脂の発生を抑制することができる。なお、上述の溶剤以外の溶剤では、固形分濃度を上げられないと共に、ラッカー粘度の経時変化が増大する傾向にある。
誘電体塗料中には、必要に応じて各種分散剤、可塑剤、帯電除剤、誘電体、ガラスフリット、絶縁体などから選択される添加物が含有されても良い。
本実施形態では、分散剤としては、特に限定されないが、好ましくはポリエチレングリコール系のノニオン性分散剤が用いられ、その親水性・親油性バランス(HLB)値が5〜6である。分散剤は、セラミック粉体100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上1.5質量部以下、さらに好ましくは0.5質量部以上1.0質量部以下添加されている。
HLBが上記の範囲を外れると、塗料粘度が増大すると共にシート表面粗さが増大する傾向にある。また、ポリエチレングリコール系のノニオン性分散剤ではない分散剤では、塗料粘度が増大すると共に、シート表面粗さが増大したり、シート伸度が低下することから好ましくない。
分散剤の添加量が少なすぎると、シート表面粗さが増大する傾向にあり、多すぎると、シート引張強度およびスタック性が低下する傾向にある。
本実施形態では、可塑剤としては、好ましくはフタル酸ジオクチルが用いられ、バインダ樹脂100質量部に対して、好ましくは40質量部以上70質量部以下、さらに好ましくは40〜60質量部で含有してある。他の可塑剤に比較して、フタル酸ジオクチルは、シート強度およびシート伸びの双方の点で好ましく、支持体からの剥離強度が小さく剥がれやすいので特に好ましい。なお、この可塑剤の含有量が少なすぎると、シート延びが小さく、可撓性が小さくなる傾向にある。また、含有量が多すぎると、シートから可塑剤がブリードアウトして、シートに対する可塑剤の偏析が発生しやすく、シートの分散性が低下する傾向にある。
HLBが上記の範囲を外れると、塗料粘度が増大すると共にシート表面粗さが増大する傾向にある。また、ポリエチレングリコール系のノニオン性分散剤ではない分散剤では、塗料粘度が増大すると共に、シート表面粗さが増大したり、シート伸度が低下することから好ましくない。
分散剤の添加量が少なすぎると、シート表面粗さが増大する傾向にあり、多すぎると、シート引張強度およびスタック性が低下する傾向にある。
本実施形態では、可塑剤としては、好ましくはフタル酸ジオクチルが用いられ、バインダ樹脂100質量部に対して、好ましくは40質量部以上70質量部以下、さらに好ましくは40〜60質量部で含有してある。他の可塑剤に比較して、フタル酸ジオクチルは、シート強度およびシート伸びの双方の点で好ましく、支持体からの剥離強度が小さく剥がれやすいので特に好ましい。なお、この可塑剤の含有量が少なすぎると、シート延びが小さく、可撓性が小さくなる傾向にある。また、含有量が多すぎると、シートから可塑剤がブリードアウトして、シートに対する可塑剤の偏析が発生しやすく、シートの分散性が低下する傾向にある。
また、本実施形態では、誘電体塗料には、誘電体粉体100質量部に対して、水を1質量部以上6質量部以下、好ましくは1〜3質量部で含有してある。水の含有量が少なすぎると、吸湿による塗料特性の経時変化が大きくなり好ましくなると共に、塗料粘度が増大する傾向にあり、塗料の濾過特性が劣化する傾向にある。また、水の含有量が多すぎると、塗料の分離や沈降が生じ、分散性が悪くなり、シートの表面粗さが劣化する傾向にある。
さらに、本実施形態では、誘電体粉体100質量部に対して、炭化水素系溶剤、工業用ガソリン、ケロシン、ソルベントナフサの内の少なくとも何れか1つを、好ましくは3質量部以上15質量部以下、さらに好ましくは5〜10質量部で添加してある。これらの添加物を添加することで、シート強度およびシート表面粗さを向上させることができる。これらの添加物の添加量が少なすぎると、添加の効果が少なく、添加量が多すぎると、逆に、シート強度およびシート表面粗さを劣化させる傾向にある。
バインダ樹脂は、誘電体粉体100質量部に対して、好ましくは5質量部以上6.5質量部以下で含まれる。バインダ樹脂の含有量が少なすぎると、シート強度が低下すると共にスタック性(積層時の接着性)が劣化する傾向にある。また、バインダ樹脂の含有量が多すぎると、バインダ樹脂の偏析が発生して分散性が悪くなる傾向にあり、シート表面粗さが劣化する傾向にある。
また、セラミックス粉体とバインダ樹脂と可塑剤との合計の体積を100体積%とした場合に、誘電体粉体が占める体積割合は、好ましくは62.42%以上72.69%以下、さらに好ましくは63.93%以上72.69%以下である。この体積割合が小さすぎると、バインダの偏析が発生し易くなり分散性が悪くなる傾向にあり、表面粗さが劣化する傾向にある。また、体積割合が大きすぎると、シート強度が低下すると共に、スタック性が悪くなる傾向にある。
特に本実施形態では、誘電体塗料には、好ましくは帯電除剤が含まれ、その帯電助剤が、イミダゾリン系帯電除剤であることが好ましい。帯電除剤がイミダゾリン系帯電除剤以外の場合には、帯電除去効果が小さいと共に、シート強度、シート伸度あるいは接着性が劣化する傾向にある。
帯電助剤は、セラミック粉体100質量部に対して0.1質量部以上0.75質量部以下、さらに好ましくは、0.25〜0.5質量部で含まれる。帯電除剤の添加量が少なすぎると、帯電除去の効果が小さくなり、多すぎると、シートの表面粗さが劣化すると共に、シート強度が劣化する傾向にある。帯電除去の効果が小さいと、セラミックグリーンシート10aから支持体としてのキャリアシート30を剥がす際などに静電気が発生しやすく、グリーンシートにしわが発生する等の不都合が発生しやすい。
特に本実施形態では、誘電体塗料には、好ましくは帯電除剤が含まれ、その帯電助剤が、イミダゾリン系帯電除剤であることが好ましい。帯電除剤がイミダゾリン系帯電除剤以外の場合には、帯電除去効果が小さいと共に、シート強度、シート伸度あるいは接着性が劣化する傾向にある。
帯電助剤は、セラミック粉体100質量部に対して0.1質量部以上0.75質量部以下、さらに好ましくは、0.25〜0.5質量部で含まれる。帯電除剤の添加量が少なすぎると、帯電除去の効果が小さくなり、多すぎると、シートの表面粗さが劣化すると共に、シート強度が劣化する傾向にある。帯電除去の効果が小さいと、セラミックグリーンシート10aから支持体としてのキャリアシート30を剥がす際などに静電気が発生しやすく、グリーンシートにしわが発生する等の不都合が発生しやすい。
この誘電体塗料を用いて、ドクターブレード法などにより、たとえば図3Aに示すように、第2支持シートとしてのキャリアシート30上に、好ましくは0.5〜30μm、より好ましくは0.5〜10μm程度の厚みで、グリーンシート10aを形成する。グリーンシート10aは、キャリアシート30に形成された後に乾燥される。グリーンシート10aの乾燥温度は、好ましくは50〜100°Cであり、乾燥時間は、好ましくは1〜20分である。乾燥後のグリーンシート10aの厚みは、乾燥前に比較して、5〜25%の厚みに収縮する。乾燥後のグリーンシートの厚みは、3μm以下が好ましい。
(2)上記のキャリアシート30とは別に、図2Aに示すように、第1支持シートとしてのキャリアシート20を準備し、その上に、剥離層22を形成する。更にその上に、所定パターンの電極層12aを形成し、その前後に、その電極層12aが形成されていない剥離層22の表面に、電極層12aと実質的に同じ厚みの余白パターン層24を形成する。
キャリアシート20および30としては、たとえばPETフィルムなどが用いられ、剥離性を改善するために、シリコンなどがコーティングしてあるものが好ましい。これらのキャリアシート20および30の厚みは、特に限定されないが、好ましくは、5〜100μmである。これらのキャリアシート20および30の厚みは、同じでも異なっていても良い。
剥離層22は、好ましくは図3Aに示すグリーンシート10aを構成する誘電体と同じ誘電体粒子を含む。また、この剥離層22は、誘電体粒子以外に、バインダと、可塑剤と、離型剤とを含む。誘電体粒子の粒径は、グリーンシートに含まれる誘電体粒子の粒径と同じでも良いが、より小さいことが好ましい。
本実施形態では、剥離層22の厚みt2は、電極層12aの厚み以下の厚みであることが好ましく、好ましくは60%以下の厚み、さらに好ましくは30%以下に設定する。
剥離層22の塗布方法としては、特に限定されないが、きわめて薄く形成する必要があるために、たとえばワイヤーバーコーターまたはダイコーターを用いる塗布方法が好ましい。なお、剥離層の厚みの調整は、異なるワイヤー径のワイヤーバーコーターを選択することで行うことができる。すなわち、剥離層の塗布厚みを薄くするためには、ワイヤー径の小さいものを選択すれば良く、逆に厚く形成するためには、太いワイヤー径のものを選択すればよい。剥離層22は、塗布後に乾燥される。乾燥温度は、好ましくは、50〜100°Cであり、乾燥時間は、好ましくは1〜10分である。
剥離層22のためのバインダとしては、たとえば、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリスチレン、または、これらの共重合体からなる有機質、またはエマルジョンで構成される。剥離層22に含まれるバインダは、グリーンシート10aに含まれるバインダと同じでも異なっていても良いが同じであることが好ましい。
剥離層22のための可塑剤としては、特に限定されないが、たとえばフタル酸エステル、フタル酸ジオクチル、アジピン酸、燐酸エステル、グリコール類などが例示される。剥離層22に含まれる可塑剤は、グリーンシート10aに含まれる可塑剤と同じでも異なっていても良い。
剥離層22のための剥離剤としては、特に限定されないが、たとえばパラフィン、ワックス、シリコーン油などが例示される。剥離層22に含まれる剥離剤は、グリーンシート10aに含まれる剥離剤と同じでも異なっていても良い。
バインダは、剥離層22中に、誘電体粒子100質量部に対して、好ましくは2.5〜200質量部、さらに好ましくは5〜30質量部、特に好ましくは8〜30質量部程度で含まれる。
可塑剤は、剥離層22中に、バインダ100質量部に対して、0〜200質量部、好ましくは20〜200質量部、さらに好ましくは50〜100質量部で含まれることが好ましい。
剥離剤は、剥離層22中に、バインダ100質量部に対して、0〜100質量部、好ましくは2〜50質量部、さらに好ましくは5〜20質量部で含まれることが好ましい。
剥離層22をキャリアシート30の表面に形成した後、図2Aに示すように、剥離層22の表面に、焼成後に内部電極層12を構成することになる電極層12aを所定パターンで形成する。電極層12aの厚さは、好ましくは0.1〜2μm、より好ましくは0.1〜1.0μm程度である。電極層12aは、単一の層で構成してあってもよく、あるいは2以上の組成の異なる複数の層で構成してあってもよい。
電極層12aは、たとえば電極塗料を用いる印刷法などの厚膜形成方法、あるいは蒸着、スパッタリングなどの薄膜法により、剥離層22の表面に形成することができる。厚膜法の1種であるスクリーン印刷法あるいはグラビア印刷法により、剥離層22の表面に電極層12aを形成する場合には、以下のようにして行う。
まず、電極塗料を準備する。電極塗料は、各種導電性金属や合金からなる導電体材料、あるいは焼成後に上記した導電体材料となる各種酸化物、有機金属化合物、またはレジネート等と、有機ビヒクルとを混練して調製する。
電極塗料を製造する際に用いる導体材料としては、NiやNi合金さらにはこれらの混合物を用いる。このような導体材料は、球状、リン片状等、その形状に特に制限はなく、また、これらの形状のものが混合したものであってもよい。また、導体材料の平均粒子径は、通常、0.1〜2μm、好ましくは0.2〜1μm程度のものを用いればよい。
有機ビヒクルは、バインダおよび溶剤を含有するものである。バインダとしては、例えばエチルセルロース、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリスチレン、または、これらの共重合体などが例示されるが、特にポリビニルブチラールなどのブチラール系が好ましい。
バインダは、電極塗料中に、導体材料(金属粉体)100質量部に対して、好ましくは8〜20質量部含まれる。溶剤としては、例えばテルピネオール、ブチルカルビトール、ケロシン等公知のものはいずれも使用可能である。溶剤含有量は、塗料全体に対して、好ましくは20〜55質量%程度とする。
接着性の改善のために、電極塗料には、可塑剤が含まれることが好ましい。可塑剤としては、フタル酸ベンジルブチル(BBP)などのフタル酸エステル、アジピン酸、燐酸エステル、グリコール類などが例示される。可塑剤は、電極塗料中に、バインダ100質量部に対して、好ましくは10〜300質量部、さらに好ましくは10〜200質量部である。なお、可塑剤または粘着剤の添加量が多すぎると、電極層12aの強度が著しく低下する傾向にある。また、電極層12aの転写性を向上させるために、電極塗料中に、可塑剤および/または粘着剤を添加して、電極塗料の接着性および/または粘着性を向上させることが好ましい。
剥離層22の表面に、所定パターンの電極塗料層を印刷法で形成した後、またはその前に、電極層12aが形成されていない剥離層22の表面に、電極層12aと実質的に同じ厚みの余白パターン層24を形成する。余白パターン層24は、図3Aに示すグリーンシート10aと同様な材質で構成され、同様な方法により形成される。電極層12aおよび余白パターン層12aは、必要に応じて乾燥される。乾燥温度は、特に限定されないが、好ましくは70〜120°Cであり、乾燥時間は、好ましくは5〜15分である。
(3)上記のキャリアシート20および30とは別に、図2Aに示すように、第3支持シートとしてのキャリアシート26の表面に接着層28が形成してある接着層転写用シートを準備する。キャリアシート26は、キャリアシート20および30と同様なシートで構成される。
接着層28の組成は、離型剤を含まない以外は、剥離層22と同様である。すなわち、接着層28は、バインダと、可塑剤と、離型剤とを含む。接着層28には、グリーンシート10aを構成する誘電体と同じ誘電体粒子を含ませても良いが、誘電体粒子の粒径よりも厚みが薄い接着層を形成する場合には、誘電体粒子を含ませない方がよい。また、接着層28に誘電体粒子を含ませる場合には、その誘電体粒子の粒径は、グリーンシートに含まれる誘電体粒子の粒径より小さいことが好ましい。
可塑剤は、接着層28中に、バインダ100質量部に対して、0〜200質量部、好ましくは20〜200質量部、さらに好ましくは50〜100質量部で含まれることが好ましい。
接着層28は、さらに帯電除剤を含み、当該帯電除剤は、イミダゾリン系界面活性剤の中の1つを含み、帯電除剤の重量基準添加量は、バインダ(有機高分子材料)の重量基準添加量以下であることが好ましい。すなわち、帯電除剤は、接着層28中に、バインダ100質量部に対して、0〜200質量部、好ましくは20〜200質量部、さらに好ましくは50〜100質量部で含まれることが好ましい。
接着層28の厚みは、0.02〜0.3μm程度が好ましく、しかもグリーンシートに含まれる誘電体粒子の平均粒径よりも薄いことが好ましい。また、接着層28の厚みが、グリーンシート10aの厚みの1/10以下であることが好ましい。
接着層28の厚みが薄すぎると、接着力が低下し、厚すぎると、その接着層の厚みに依存して焼結後の素子本体の内部に隙間ができやすく、その体積分の静電容量が著しく低下する傾向にある。
接着層28は、第3支持シートとしてのキャリアシート26の表面に、たとえばバーコーター法、ダイコータ法、リバースコーター法、ディップコーター法、キスコーター法などの方法により形成され、必要に応じて乾燥される。乾燥温度は、特に限定されないが、好ましくは室温〜80°Cであり、乾燥時間は、好ましくは1〜5分である。
(4)図2Aに示す電極層12aおよび余白パターン層24の表面に、接着層を形成するために、本実施形態では、転写法を採用している。すなわち、図2Bに示すように、キャリアシート26の接着層28を、電極層12aおよび余白パターン層24の表面に押し付け、加熱加圧して、その後キャリアシート26を剥がす。その結果、図2Cに示すように、接着層28が、電極層12aおよび余白パターン層24の表面に転写される。なお、接着層28の転写は、図3Aに示すグリーンシート10aの表面に対して行っても良い。
転写時の加熱温度は、40〜100°Cが好ましく、また、加圧力は、0.2〜15MPaが好ましい。加圧は、プレスによる加圧でも、カレンダロールによる加圧でも良いが、一対のロールにより行うことが好ましい。
その後に、電極層12aを、図3Aに示すキャリアシート30の表面に形成してあるグリーンシート10aの表面に接着する。そのために、図3Bに示すように、キャリアシート20の電極層12aおよび余白パターン層24を、接着層28を介して、グリーンシート10aの表面にキャリアシート20と共に押し付け、加熱加圧する。その結果、図3Cに示すように、電極層12aおよび余白パターン層24が、グリーンシート10aの表面に転写される。ただし、グリーンシート側のキャリアシート30が引き剥がされることから、グリーンシート10a側から見れば、グリーンシート10aが電極層12aおよび余白パターン層24に接着層28を介して転写される。
この転写時の加熱および加圧は、プレスによる加圧・加熱でも、カレンダロールによる加圧・加熱でも良いが、一対のロールにより行うことが好ましい。その加熱温度および加圧力は、接着層28を転写するときと同様である。
図2A〜図3Cに示す工程により、単一のグリーンシート10a上に、単一層の所定パターンの電極層12aが形成される。電極層12aが形成されたグリーンシート10aを積層させるには、たとえば図4A〜図6Cに示す工程を繰り返せばよい。なお、図4A〜図6Cにおいて、図3A〜図4Cに示す部材と共通する部材には、同一の符号を付し、その説明を一部省略する。
まず、図4A〜図4Cに示すように、グリーンシート10aにおける反電極層側表面(裏面)に、接着層28を転写する。その後に、図5A〜図5Cに示すように、接着層28を介して、グリーンシート10aの裏面に電極層12aおよび余白パターン層24を転写する。
次に、図6A〜図6Cに示すように、接着層28を介して、電極層12aおよび余白パターン層24の表面に、グリーンシート10aを転写する。その後は、これらの転写を繰り返せば、図7に示すように、電極層12aおよびグリーンシート10aが交互に多数積層された積層ブロックが得られる。
なお、図5C〜図6Cに示す工程を採用することなく以下のように行っても良い。すなわち、図5Bに示す工程から、下側のキャリアシート20を剥がすのではなく、上側のキャリアシートを剥がし、その上に、図4Cに示す積層体ユニットU1を積層しても良い。その後に、再度、上側のキャリアシート20を剥がし、その上に、図4Cに示す積層体ユニットU1を積層して、再度、上側のキャリアシート20を剥がす動作を繰り返しても、図7に示すように、電極層12aおよびグリーンシート10aが交互に多数積層された積層ブロックが得られる。図4Cに示す積層体ユニットU1を積層する方法の方が、積層作業効率に優れている。
グリーンシートの積層数が少ない場合には、この積層ブロック単独で、次工程における焼成工程を行う。また、必要に応じて、このような複数の積層ブロックを、前記と同様にして転写法により形成する接着層28を介して、積層して、より多層の積層体としても良い。
(5)その後、図8に示すように、この積層体の下面に、外層用のグリーンシート40(電極層が形成されていないグリーンシートを複層積層した厚めの積層体)を積層し、積層体の全体を吸引保持台50で支持する。その後に、上側のキャリアシート20を引き剥がし、同様にして外層用のグリーンシート40を積層体の上部に形成した後、最終加圧を行う。
最終加圧時の圧力は、好ましくは10〜200MPaである。また、加熱温度は、40〜100°Cが好ましい。その後に、積層体を所定サイズに切断し、グリーンチップを形成する。このグリーンチップは、脱バインダ処理、焼成処理が行われ、そして、誘電体層を再酸化させるため、熱処理が行われる。
脱バインダ処理は、通常の条件で行えばよいが、内部電極層の導電体材料にNiやNi合金等の卑金属を用いる場合、特に下記の条件で行うことが好ましい。
昇温速度:5〜300℃/時間、特に10〜50℃/時間、
保持温度:200〜400℃、特に250〜350℃、
保持時間:0.5〜20時間、特に1〜10時間、
雰囲気 :加湿したN2 とH2 との混合ガス。
保持温度:200〜400℃、特に250〜350℃、
保持時間:0.5〜20時間、特に1〜10時間、
雰囲気 :加湿したN2 とH2 との混合ガス。
焼成条件は、下記の条件が好ましい。
昇温速度:50〜500℃/時間、特に200〜300℃/時間、
保持温度:1100〜1300℃、特に1150〜1250℃、
保持時間:0.5〜8時間、特に1〜3時間、
冷却速度:50〜500℃/時間、特に200〜300℃/時間、
雰囲気ガス:加湿したN2 とH2 との混合ガス等。
昇温速度:50〜500℃/時間、特に200〜300℃/時間、
保持温度:1100〜1300℃、特に1150〜1250℃、
保持時間:0.5〜8時間、特に1〜3時間、
冷却速度:50〜500℃/時間、特に200〜300℃/時間、
雰囲気ガス:加湿したN2 とH2 との混合ガス等。
ただし、焼成時の空気雰囲気中の酸素分圧は、10−2Pa以下、特に10−2〜10−8 Paにて行うことが好ましい。前記範囲を超えると、内部電極層が酸化する傾向にあり、また、酸素分圧があまり低すぎると、内部電極層の電極材料が異常焼結を起こし、途切れてしまう傾向にある。
このような焼成を行った後の熱処理は、保持温度または最高温度を、好ましくは1000℃以上、さらに好ましくは1000〜1100℃として行うことが好ましい。熱処理時の保持温度または最高温度が、前記範囲未満では誘電体材料の酸化が不十分なために絶縁抵抗寿命が短くなる傾向にあり、前記範囲をこえると内部電極のNiが酸化し、容量が低下するだけでなく、誘電体素地と反応してしまい、寿命も短くなる傾向にある。熱処理の際の酸素分圧は、焼成時の還元雰囲気よりも高い酸素分圧であり、好ましくは10−3Pa〜1Pa、より好ましくは10−2Pa〜1Paである。前記範囲未満では、誘電体層2の再酸化が困難であり、前記範囲をこえると内部電極層3が酸化する傾向にある。そして、そのほかの熱処理条件は下記の条件が好ましい。
保持時間:0〜6時間、特に2〜5時間、
冷却速度:50〜500℃/時間、特に100〜300℃/時間、
雰囲気用ガス:加湿したN2 ガス等。
冷却速度:50〜500℃/時間、特に100〜300℃/時間、
雰囲気用ガス:加湿したN2 ガス等。
なお、N2 ガスや混合ガス等を加湿するには、例えばウェッター等を使用すればよい。この場合、水温は0〜75℃程度が好ましい。また脱バインダ処理、焼成および熱処理は、それぞれを連続して行っても、独立に行ってもよい。これらを連続して行なう場合、脱バインダ処理後、冷却せずに雰囲気を変更し、続いて焼成の際の保持温度まで昇温して焼成を行なう。次いで冷却し、熱処理の保持温度に達したときに雰囲気を変更して熱処理を行なうことが好ましい。一方、これらを独立して行なう場合、焼成に際しては、脱バインダ処理時の保持温度までN2 ガスあるいは加湿したN2 ガス雰囲気下で昇温した後、雰囲気を変更してさらに昇温を続けることが好ましい。その後、熱処理時の保持温度まで冷却した後は、再びN2 ガスあるいは加湿したN2 ガス雰囲気に変更して冷却を続けることが好ましい。また、熱処理に際しては、N2 ガス雰囲気下で保持温度まで昇温した後、雰囲気を変更してもよく、熱処理の全過程を加湿したN2 ガス雰囲気としてもよい。
このようにして得られた焼結体(素子本体4)には、例えばバレル研磨、サンドプラスト等にて端面研磨を施し、端子電極用塗料を焼きつけて端子電極6,8が形成される。端子電極用塗料の焼成条件は、例えば、加湿したN2 とH2 との混合ガス中で600〜800℃にて10分間〜1時間程度とすることが好ましい。そして、必要に応じ、端子電極6,8上にめっき等を行うことによりパッド層を形成する。なお、端子電極用塗料は、上記した電極塗料と同様にして調製すればよい。
このようにして製造された本発明の積層セラミックコンデンサは、ハンダ付等によりプリント基板上などに実装され、各種電子機器等に使用される。
このようにして製造された本発明の積層セラミックコンデンサは、ハンダ付等によりプリント基板上などに実装され、各種電子機器等に使用される。
本実施形態に係る誘電体塗料(グリーンシート用塗料)およびグリーンシート10aを用いる積層セラミックコンデンサの製造方法では、特定範囲の重合度、特定範囲のブチラール化度、しかも残留アセチル基量が所定値以下のポリビニルアセタール樹脂をバインダとして用いる。そのため、たとえば5μm以下程度に極めて薄いグリーンシート10aであっても、キャリアシート30からの剥離に耐えうる強度を有し、かつ良好な接着性およびハンドリング性を有する。また、シート10aの表面粗さも小さく、且つスタック性に優れている。そのため、グリーンシート10aを、電極層12aを介して多数積層することが容易になり、必要に応じて、接着層28を省略して積層することも可能である。
また、本実施形態に係る誘電体塗料(グリーンシート用塗料)およびグリーンシート10aを用いる積層セラミックコンデンサの製造方法では、特定種類の分散剤であって、HLBが特定範囲の分散剤を用いている。そのため、たとえば5μm以下程度に極めて薄いグリーンシート10aであっても、キャリアシート30からの剥離に耐えうる強度を有し、かつ良好な接着性およびハンドリング性を有する。また、シート10aの表面粗さも小さく、且つスタック性に優れている。そのため、グリーンシート10aを、電極層12aを介して多数積層することが容易になり、必要に応じて、接着層28を省略して積層することも可能である。
さらに、本実施形態に係る誘電体塗料(グリーンシート用塗料)およびグリーンシート10aを用いる積層セラミックコンデンサの製造方法では、誘電体塗料に帯電助剤を含み、その帯電助剤が、イミダゾリン系帯電除剤である。そのため、たとえば5μm以下程度に極めて薄いグリーンシート10aであっても、支持体としてのキャリアシート30からの剥離に耐えうる強度を有し、キャリアシート30からの剥離時などに発生する静電気を抑制し、かつ良好な接着性およびハンドリング性を有するグリーンシート10aを製造することができる。また、シート10aの表面粗さも小さく、且つスタック性に優れている。そのため、グリーンシート10aを、電極層12aを介して多数積層することが容易になり、必要に応じて、接着層28を省略して積層することも可能である。
また、本実施形態に係る誘電体塗料(グリーンシート用塗料)およびグリーンシート10aを用いる積層セラミックコンデンサの製造方法では、特定種類の分散剤であって、HLBが特定範囲の分散剤を用いている。そのため、たとえば5μm以下程度に極めて薄いグリーンシート10aであっても、キャリアシート30からの剥離に耐えうる強度を有し、かつ良好な接着性およびハンドリング性を有する。また、シート10aの表面粗さも小さく、且つスタック性に優れている。そのため、グリーンシート10aを、電極層12aを介して多数積層することが容易になり、必要に応じて、接着層28を省略して積層することも可能である。
さらに、本実施形態に係る誘電体塗料(グリーンシート用塗料)およびグリーンシート10aを用いる積層セラミックコンデンサの製造方法では、誘電体塗料に帯電助剤を含み、その帯電助剤が、イミダゾリン系帯電除剤である。そのため、たとえば5μm以下程度に極めて薄いグリーンシート10aであっても、支持体としてのキャリアシート30からの剥離に耐えうる強度を有し、キャリアシート30からの剥離時などに発生する静電気を抑制し、かつ良好な接着性およびハンドリング性を有するグリーンシート10aを製造することができる。また、シート10aの表面粗さも小さく、且つスタック性に優れている。そのため、グリーンシート10aを、電極層12aを介して多数積層することが容易になり、必要に応じて、接着層28を省略して積層することも可能である。
また、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサの製造方法では、グリーンシート10aが破壊または変形されることなく、グリーンシート10aの表面に高精度に乾式タイプの電極層12aを容易且つ高精度に転写することが可能である。
さらに、本実施形態の製造方法では、電極層またはグリーンシートの表面に、転写法により接着層28を形成し、その接着層28を介して、電極層12aをグリーンシート10aの表面に接着する。接着層28を形成することで、電極層12aをグリーンシート10aの表面に接着させて転写する際に、高い圧力や熱が不要となり、より低圧および低温での接着が可能になる。したがって、グリーンシート10aが極めて薄い場合でも、グリーンシート10aが破壊されることはなくなり、電極層12aおよびグリーンシート10aを良好に積層することができ、短絡不良なども発生しない。
また、たとえば接着層28の接着力を、剥離層22の粘着力よりも強くし、しかも、剥離層22の粘着力を、グリーンシート10aとキャリアシート30との粘着力よりも強くすることなどにより、グリーンシート10a側のキャリアシート30を選択的に容易に剥離することができる。
さらにまた、本実施形態では、電極層12aまたはグリーンシート10aの表面に接着層28をダイレクトに塗布法などで形成せずに、転写法により形成することから、接着層28の成分が電極層12aまたはグリーンシート10aに染み込むことがないと共に、極めて薄い接着層28の形成が可能になる。たとえば接着層28の厚みは、0.02〜0.3μm程度に薄くすることができる。接着層28の厚みは薄くとも、接着層28の成分が電極層12aまたはグリーンシート10aに染み込むことがないことから、接着力は十分である。しかも、電極層12aまたはグリーンシート10aの組成に悪影響を与えるおそれがない。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
たとえば、本発明の方法は、積層セラミックコンデンサの製造方法に限らず、その他の積層型電子部品の製造方法としても適用することが可能である。
たとえば、本発明の方法は、積層セラミックコンデンサの製造方法に限らず、その他の積層型電子部品の製造方法としても適用することが可能である。
以下、本発明をさらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
実施例1
グリーンシート用塗料の作製
セラミック粉体の出発原料としてBaTiO3 粉体(BT−035およびBT−02/堺化学工業(株))を用いた。このBaTiO3 粉体100質量部に対して、(Ba0.6Ca0.4)SiO3 :1.48質量部、Y2 O3 :1.01質量部、MgCO3 :0.72質量%、Cr2 O3 :0.13質量%、およびV2 O5 :0.045質量%になるようにセラミック粉体副成分添加物を用意した。
グリーンシート用塗料の作製
セラミック粉体の出発原料としてBaTiO3 粉体(BT−035およびBT−02/堺化学工業(株))を用いた。このBaTiO3 粉体100質量部に対して、(Ba0.6Ca0.4)SiO3 :1.48質量部、Y2 O3 :1.01質量部、MgCO3 :0.72質量%、Cr2 O3 :0.13質量%、およびV2 O5 :0.045質量%になるようにセラミック粉体副成分添加物を用意した。
初めに、副成分添加物のみをボールミルで混合し、スラリー化した。すなわち、副成分添加物(合計量8.8g)と、エタノール/n−プロパノールが1:1の溶剤(16g)とを、ボールミルにより、20時間予備粉砕を行った。次に、BaTiO3:191.2gに対して、副成分添加物の予備粉砕スラリーと、エタノール:38gと、n−プロパノール:38gと、キシレン:28gと、ミネラルスピリット:14gと、可塑剤成分としてのDOP(フタル酸ジオクチル):6gと、分散剤としてのポリエチレングリコール系のノニオン性分散剤(HLB=5〜6):1.4gとを添加し、ボールミルによって、4時間混合した。なお、分散剤としてのポリエチレングリコール系のノニオン性分散剤(HLB=5〜6)としては、ポリエチレングリコールと脂肪酸エステルのブロックポリマーを用いた。
次に、この分散塗料に、バインダ樹脂として、積水化学社製BH6(ポリブチラール樹脂/PVB)の15%ラッカー(積水化学社製BH6を、エタノール/n−プロパノール=1:1で溶解)を固形分として6質量%添加した(ラッカー添加量として、80g)。その後16時間、ボールミルすることによって、セラミック塗料(グリーンシート用塗料)とした。
バインダ樹脂としてのポリブチラール樹脂の重合度は、1400であり、そのブチラール化度は、69±3%であり、残留アセチル基量は、3±2%であった。このバインダ樹脂は、セラミックス粉体(セラミック粉体副成分添加物を含む)100質量部に対して6質量部でセラミック塗料中に含まれていた。また、セラミック塗料におけるセラミックス粉体とバインダ樹脂と可塑剤との合計の体積を100体積%とした場合に、セラミックス粉体が占める体積割合は、67.31体積%であった。
また、可塑剤としてのDOPは、バインダ樹脂100質量部に対して、50質量部でセラミック塗料中に含まれていた。水は、セラミック粉体100質量部に対して、2質量部含まれていた。分散剤としてのポリエチレングリコール系のノニオン性分散剤は、セラミック粉体100質量部に対して、0.7質量部含まれていた。
また、塗料中には、セラミックス粉体100質量部に対して、炭化水素系溶剤、工業用ガソリン、ケロシン、ソルベントナフサの内の少なくとも何れか1つであるミネラルスピリットが、5質量部添加されていた。さらに、塗料中には、溶剤として、アルコール系溶剤と芳香族系溶剤とを含み、アルコール系溶剤と芳香族系溶剤との合計質量を100質量部として、芳香族系溶剤としてのトルエンが15質量部含まれていた。
塗料の粘度は、180mPa・Sであった。塗料の粘度は、B型粘度計を用い、ローターとしてS21を用い、測定時の温度は25°Cで行い、塗料を出滴した直後に測定した。測定回転数は50rpmであった。
グリーンシートの作製
上記のようにして得られた塗料をワイヤーバーコーターによって、支持フィルムとしてのPETフィルム上に2μmの厚みで塗布し、乾燥することでグリーンシートを作製した。塗布速度は50m/min、乾燥条件は、乾燥炉内の温度が60℃〜70℃、乾燥時間が2分であった。
上記のようにして得られた塗料をワイヤーバーコーターによって、支持フィルムとしてのPETフィルム上に2μmの厚みで塗布し、乾燥することでグリーンシートを作製した。塗布速度は50m/min、乾燥条件は、乾燥炉内の温度が60℃〜70℃、乾燥時間が2分であった。
グリーンシートの評価
その後、グリーンシートのシート密度、表面粗さ、シート引張強度、シート伸度、接着性(スタック性/剥離強度)、総合判定の評価を行った。結果を表1に示す。
その後、グリーンシートのシート密度、表面粗さ、シート引張強度、シート伸度、接着性(スタック性/剥離強度)、総合判定の評価を行った。結果を表1に示す。
なお、シート密度は、シートの乾燥後の厚みを測定すると共に、シートの重量を測定し、シートの重量を体積で割ることにより求めた。表面粗さは、小坂研究所(株)製の表面粗さ測定器を用い、平均表面粗さRzを測定した。シート引張強度およびシート伸度は、インストロン5543の引張試験機を用い、ダンベル型形状に打ち抜かれたシートをサンプルとして5つ準備し、各サンプルを引張速度8mm/minの速度で引っ張り、破断時の強度と伸びを求め、平均値を算出して求めた。
接着性は、次のようにして評価した。まず、乾燥後のシートを50mm×15mmに切断したサンプルを10枚準備し、2枚ずつシートを張り合わせたもの(仮スタック)を5組準備した。各組のシートは、70°Cで5分間余熱し、70°C、1分間、約2MPaの条件で張り合わせた。その後、各組のシートの表面に両面テープを貼り、インストロン5543の引張試験機を用いて各組のシートを引き剥がす方向に引っ張り、引き剥がされた時の剥離強度を測定した。剥離強度が高いほど接着性に優れている。
総合判定では、シート密度が3.3g/cm3 以上で、表面粗さが0.6μm以下で、シート引張強度が6.0MPa以上で、シート伸度が37%以上で、しかも接着性の剥離強度が10N/cm2 以上のものを、良好である(○)と判断し、その内の1つでも条件を満たさないものを、不良である(×)と判断した。なお、表中の数字の前にある*は、好ましい範囲を超えていることを示す。以下の表でも同様である。
比較例1
バインダ樹脂として、積水化学社製の製品番号BX−1のポリビニルアセタール樹脂(PVAc)を用いた以外は、実施例1と同様にしてグリーンシートを作製し、同様な評価を行った。結果を表1に示す。
バインダ樹脂として、積水化学社製の製品番号BX−1のポリビニルアセタール樹脂(PVAc)を用いた以外は、実施例1と同様にしてグリーンシートを作製し、同様な評価を行った。結果を表1に示す。
比較例2
バインダ樹脂として、分子量45万、Tg=70℃のアクリル樹脂(MMA−BA)を用いた以外は、実施例1と同様にしてグリーンシートを作製し、同様な評価を行った。結果を表1に示す。
バインダ樹脂として、分子量45万、Tg=70℃のアクリル樹脂(MMA−BA)を用いた以外は、実施例1と同様にしてグリーンシートを作製し、同様な評価を行った。結果を表1に示す。
評価1
表1に示すように、バインダ樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂(PVB)が好ましいことが確認できた。
表1に示すように、バインダ樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂(PVB)が好ましいことが確認できた。
実施例2〜3および比較例3〜5
表2に示すように、ポリブチラール樹脂として、積水化学社製の製品番号(グレード)が異なり、重合度が300〜2400となるものを用いた以外は、実施例1と同様にしてグリーンシートを作製し、同様な評価を行った。結果を表2に示す。
表2に示すように、ポリブチラール樹脂として、積水化学社製の製品番号(グレード)が異なり、重合度が300〜2400となるものを用いた以外は、実施例1と同様にしてグリーンシートを作製し、同様な評価を行った。結果を表2に示す。
評価2
表2に示すように、ポリブチラール樹脂の重合度が1000以上1700以下が好ましいことが確認できた。重合度が低すぎると、シート引張強度が低下する傾向にあり、重合度が高すぎると、シート密度が低下し、シート表面粗さが悪くなり、シート伸度および接着性も低下する傾向にあることが確認できた。
表2に示すように、ポリブチラール樹脂の重合度が1000以上1700以下が好ましいことが確認できた。重合度が低すぎると、シート引張強度が低下する傾向にあり、重合度が高すぎると、シート密度が低下し、シート表面粗さが悪くなり、シート伸度および接着性も低下する傾向にあることが確認できた。
実施例3および比較例6
表3に示すように、ポリブチラール樹脂として、積水化学社製の製品番号(グレード)が異なり、ブチラール化度が65〜78となるものを用いた以外は、実施例1と同様にしてグリーンシートを作製し、同様な評価を行った。結果を表3に示す。
表3に示すように、ポリブチラール樹脂として、積水化学社製の製品番号(グレード)が異なり、ブチラール化度が65〜78となるものを用いた以外は、実施例1と同様にしてグリーンシートを作製し、同様な評価を行った。結果を表3に示す。
評価3
表3に示すように、ポリブチラール樹脂のブチラール化度が65%以上78%より小さいことが好ましいことが確認できた。ブチラール化度が低すぎると、シート伸度が低下する傾向にあり、高すぎると、シート表面粗さが劣化する傾向にあることが確認できた。
表3に示すように、ポリブチラール樹脂のブチラール化度が65%以上78%より小さいことが好ましいことが確認できた。ブチラール化度が低すぎると、シート伸度が低下する傾向にあり、高すぎると、シート表面粗さが劣化する傾向にあることが確認できた。
実施例3および比較例7,8
表4に示すように、ポリブチラール樹脂として、積水化学社製の製品番号(グレード)が異なり、残留アセチル基量が3〜13となるものを用いた以外は、実施例1と同様にしてグリーンシートを作製し、同様な評価を行った。結果を表4に示す。
表4に示すように、ポリブチラール樹脂として、積水化学社製の製品番号(グレード)が異なり、残留アセチル基量が3〜13となるものを用いた以外は、実施例1と同様にしてグリーンシートを作製し、同様な評価を行った。結果を表4に示す。
評価4
表4に示すように、ポリブチラール樹脂の残留アセチル基量が6%未満が好ましいことが確認できた。残留アセチル基量が多すぎると、シート密度が低下し、表面粗さが増大し、接着性が低下する傾向にあることが確認できた。
表4に示すように、ポリブチラール樹脂の残留アセチル基量が6%未満が好ましいことが確認できた。残留アセチル基量が多すぎると、シート密度が低下し、表面粗さが増大し、接着性が低下する傾向にあることが確認できた。
実施例4〜7および参考例1〜7
表5に示すように、セラミックス粉体100質量部に対して、バインダ樹脂としてのポリブチラール樹脂の添加質量割合(PHP)を、2〜7質量部の範囲で変化させた以外は、実施例1と同様にしてグリーンシートを作製し、同様な評価を行った。結果を表5に示す。なお、実施例6は実施例1と同じである。
表5に示すように、セラミックス粉体100質量部に対して、バインダ樹脂としてのポリブチラール樹脂の添加質量割合(PHP)を、2〜7質量部の範囲で変化させた以外は、実施例1と同様にしてグリーンシートを作製し、同様な評価を行った。結果を表5に示す。なお、実施例6は実施例1と同じである。
評価5
表5に示すように、セラミックス粉体100質量部に対して、バインダ樹脂としてのポリブチラール樹脂の添加質量割合(PHP)は、5質量部以上6.5質量部以下が好ましいことが確認できた。質量割合が低すぎると、引張強度、シート伸度および接着性が低下し、質量割合が高すぎると、シート密度が低下し表面粗さが増大する傾向にあることが確認された。
表5に示すように、セラミックス粉体100質量部に対して、バインダ樹脂としてのポリブチラール樹脂の添加質量割合(PHP)は、5質量部以上6.5質量部以下が好ましいことが確認できた。質量割合が低すぎると、引張強度、シート伸度および接着性が低下し、質量割合が高すぎると、シート密度が低下し表面粗さが増大する傾向にあることが確認された。
また、セラミックス粉体とバインダ樹脂と可塑剤との合計の体積を100体積%とした場合に、セラミックス粉体が占める体積割合が64.3%以上72%以下であることが好ましいことも確認できた。体積割合が低すぎると、シート密度が低下し表面粗さが増大し、逆に体積割合が高すぎると、引張強度、シート伸度および接着性が低下する傾向にあることが確認できた。
実施例8〜11および参考例8〜18
表6に示すように、バインダ樹脂100質量部に対して、可塑剤としてのフタル酸ジオクチル(DOP)の添加質量割合(PHR)を、30〜100質量部の範囲で変化させた以外は、実施例1と同様にしてグリーンシートを作製し、同様な評価を行った。
表6に示すように、バインダ樹脂100質量部に対して、可塑剤としてのフタル酸ジオクチル(DOP)の添加質量割合(PHR)を、30〜100質量部の範囲で変化させた以外は、実施例1と同様にしてグリーンシートを作製し、同様な評価を行った。
また、表6に示すように、可塑剤としてフタル酸ジブチル(DBP)またはフタル酸ベンジルブチル(BBP)を用い、バインダ樹脂100質量部に対して、可塑剤の添加質量割合(PHR)を、30〜100質量部の範囲で変化させた以外は、実施例1と同様にしてグリーンシートを作製し、同様な評価を行った。これらの結果を表6に示す。なお、実施例9は実施例1と同じである。
評価6
表6に示すように、可塑剤としては、DOPが好ましく、その添加質量割合は、40質量部以上70質量部以下が好ましいことが確認できた。質量割合が低すぎると、シート伸度および接着性が低下し、質量割合が高すぎると、シート密度が低下し表面粗さが増大すると共に、引張強度が低下する傾向にあることが確認された。
表6に示すように、可塑剤としては、DOPが好ましく、その添加質量割合は、40質量部以上70質量部以下が好ましいことが確認できた。質量割合が低すぎると、シート伸度および接着性が低下し、質量割合が高すぎると、シート密度が低下し表面粗さが増大すると共に、引張強度が低下する傾向にあることが確認された。
実施例12〜15および参考例19〜22
表7に示すように、セラミック粉体100質量部に対して、水の添加質量割合(PHP)を、0.1〜10質量部の範囲で変化させた以外は、実施例1と同様にしてグリーンシートを作製し、濾過試験を追加した以外は同様な評価を行った。これらの結果を表7に示す。なお、実施例13は実施例1と同じである。
表7に示すように、セラミック粉体100質量部に対して、水の添加質量割合(PHP)を、0.1〜10質量部の範囲で変化させた以外は、実施例1と同様にしてグリーンシートを作製し、濾過試験を追加した以外は同様な評価を行った。これらの結果を表7に示す。なお、実施例13は実施例1と同じである。
濾過試験の評価は、濾紙としてアドバンテック社製の製品番号No.5C、保留粒子径1μmを用い、0.2MPaの圧力下で、200gのグリーンシート用塗料が28.26cm2 の濾紙面積を通過する時間を測定して評価した。通過時間が短いほど、濾過特性に優れている。濾過特性に優れていることは、塗料中に凝集物が少なく、バインダ樹脂が良好に溶解していることを意味する。濾過時間が3.50(分.秒)以下のものを総合判定において良好なもの(○)とした。
評価7
表7に示すように、水の添加質量割合は、1質量部以上6質量部以下が好ましいことが確認できた。質量割合が低すぎると、濾過特性が悪くなる傾向にあり、質量割合が高すぎると、シート密度が低下し表面粗さが増大する傾向にあることが確認された。
表7に示すように、水の添加質量割合は、1質量部以上6質量部以下が好ましいことが確認できた。質量割合が低すぎると、濾過特性が悪くなる傾向にあり、質量割合が高すぎると、シート密度が低下し表面粗さが増大する傾向にあることが確認された。
実施例16〜22および参考例23〜27
表8に示すように、セラミック粉体100質量部に対して、ミネラルスピリットの添加質量割合(PHP)を、1〜20質量部の範囲で変化させた以外は、実施例1と同様にしてグリーンシートを作製し、同様な評価を行った。
表8に示すように、セラミック粉体100質量部に対して、ミネラルスピリットの添加質量割合(PHP)を、1〜20質量部の範囲で変化させた以外は、実施例1と同様にしてグリーンシートを作製し、同様な評価を行った。
また、ミネラルスピリットの代わりに、表8に示すように溶剤の種類を変化させた、あるいはこの種の溶剤を含ませなかった以外は、実施例1と同様にしてグリーンシートを作製し、同様な評価を行った。これらの結果を表8に示す。なお、実施例20は実施例1と同じである。また、表8におけるMIBKとは、メチルイソブチルケトンのことである。
評価8
表8に示すように、炭化水素系溶剤、工業用ガソリン、ケロシン、ソルベントナフサの内の少なくとも何れか1つを、3質量部以上15質量部以下添加されていることが好ましいことが確認できた。質量割合が低すぎると、表面粗さが増大すると共に接着性も劣化する傾向にあり、質量割合が高すぎると、シート密度が低下し表面粗さが増大する傾向にあることが確認された。
表8に示すように、炭化水素系溶剤、工業用ガソリン、ケロシン、ソルベントナフサの内の少なくとも何れか1つを、3質量部以上15質量部以下添加されていることが好ましいことが確認できた。質量割合が低すぎると、表面粗さが増大すると共に接着性も劣化する傾向にあり、質量割合が高すぎると、シート密度が低下し表面粗さが増大する傾向にあることが確認された。
実施例23〜25および参考例28〜31
表9に示すように、アルコール系溶剤(エタノールおよびプロパノール)と芳香族系溶剤(トルエン)との合計質量を100質量部として、芳香族系溶剤(トルエン)の添加質量割合を、5〜50質量部の範囲で変化させた以外は、実施例1と同様にしてグリーンシートを作製し、実施例12〜15と同様な評価を行った。これらの結果を表9に示す。なお、実施例24は実施例1と同じである。
表9に示すように、アルコール系溶剤(エタノールおよびプロパノール)と芳香族系溶剤(トルエン)との合計質量を100質量部として、芳香族系溶剤(トルエン)の添加質量割合を、5〜50質量部の範囲で変化させた以外は、実施例1と同様にしてグリーンシートを作製し、実施例12〜15と同様な評価を行った。これらの結果を表9に示す。なお、実施例24は実施例1と同じである。
評価9
表9に示すように、塗料中の溶剤は、アルコール系溶剤と芳香族系溶剤とを含み、アルコール系溶剤と芳香族系溶剤との合計質量を100質量部として、芳香族系溶剤が、10質量部以上20質量部以下含まれることが好ましいことが確認できた。質量割合が低すぎると、表面粗さが増大すると共に接着性も劣化する傾向にあり、質量割合が高すぎると、濾過特性が悪くなり、シート密度が低下し、表面粗さが増大し、引張強度も低下する傾向にあることが確認された。
表9に示すように、塗料中の溶剤は、アルコール系溶剤と芳香族系溶剤とを含み、アルコール系溶剤と芳香族系溶剤との合計質量を100質量部として、芳香族系溶剤が、10質量部以上20質量部以下含まれることが好ましいことが確認できた。質量割合が低すぎると、表面粗さが増大すると共に接着性も劣化する傾向にあり、質量割合が高すぎると、濾過特性が悪くなり、シート密度が低下し、表面粗さが増大し、引張強度も低下する傾向にあることが確認された。
参考例32
表10に示すように、バインダ樹脂としての積水化学社製BH6(ポリブチラール樹脂/PVB)を、予めエタノール/n−プロパノール=1:1のアルコール系溶剤に溶解濾過させて溶液にすることなく、バインダ樹脂の粉末を、直接に、塗料中に入れた以外は、実施例1と同様にしてグリーンシートを作製し、実施例12〜15と同様な評価を行った。これらの結果を表10に示す。
表10に示すように、バインダ樹脂としての積水化学社製BH6(ポリブチラール樹脂/PVB)を、予めエタノール/n−プロパノール=1:1のアルコール系溶剤に溶解濾過させて溶液にすることなく、バインダ樹脂の粉末を、直接に、塗料中に入れた以外は、実施例1と同様にしてグリーンシートを作製し、実施例12〜15と同様な評価を行った。これらの結果を表10に示す。
評価10
表10に示すように、バインダ樹脂を、予め、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールの内の少なくとも一種類以上のアルコール系溶剤に溶解濾過させて溶液にしておき、その溶液に、前記セラミック粉体およびその他の成分を添加することが好ましいことが確認できた。そのようにしないと、濾過特性が悪くなり、表面粗さも増大する傾向にあることが確認された。
表10に示すように、バインダ樹脂を、予め、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールの内の少なくとも一種類以上のアルコール系溶剤に溶解濾過させて溶液にしておき、その溶液に、前記セラミック粉体およびその他の成分を添加することが好ましいことが確認できた。そのようにしないと、濾過特性が悪くなり、表面粗さも増大する傾向にあることが確認された。
実施例1a〜1g
分散剤として、表11に示すように、
ソルビタンモノステアレートのノニオン性分散剤(HLB=4以上5未満)、
ポリエチレングリコール系のノニオン性分散剤(HLB=5〜6)、
ポリエチレングリコール系ポリオキシレンステアリンエーテルのノニオン性分散剤(HLB=6より大きく7以下)、
ポリカルボン酸アンモニウム系分散剤、
マレイン酸系分散剤、
琥珀酸系分散剤であるジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、
アミン系分散剤であるポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル(HLB=9.8)を用いた以外は、実施例1と同様にしてグリーンシートを作製し、同様な評価を行った。結果を表11に示す。
なお、濾過試験の評価は、濾紙としてアドバンテック社製の製品番号No.5C、保留粒子径1μmを用い、0.2MPaの圧力下で、200gのグリーンシート用塗料が28.26cm2 の濾紙面積を通過する時間を測定して評価した。通過時間が短いほど、濾過特性に優れている。濾過特性に優れていることは、塗料中に凝集物が少なく、バインダ樹脂が良好に溶解していることを意味する。また、濾過率の測定において、目詰まりが発生したため、測定ができなかったものを、表11においては、−で示した。次の表12でも同様である。
分散剤として、表11に示すように、
ソルビタンモノステアレートのノニオン性分散剤(HLB=4以上5未満)、
ポリエチレングリコール系のノニオン性分散剤(HLB=5〜6)、
ポリエチレングリコール系ポリオキシレンステアリンエーテルのノニオン性分散剤(HLB=6より大きく7以下)、
ポリカルボン酸アンモニウム系分散剤、
マレイン酸系分散剤、
琥珀酸系分散剤であるジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、
アミン系分散剤であるポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル(HLB=9.8)を用いた以外は、実施例1と同様にしてグリーンシートを作製し、同様な評価を行った。結果を表11に示す。
なお、濾過試験の評価は、濾紙としてアドバンテック社製の製品番号No.5C、保留粒子径1μmを用い、0.2MPaの圧力下で、200gのグリーンシート用塗料が28.26cm2 の濾紙面積を通過する時間を測定して評価した。通過時間が短いほど、濾過特性に優れている。濾過特性に優れていることは、塗料中に凝集物が少なく、バインダ樹脂が良好に溶解していることを意味する。また、濾過率の測定において、目詰まりが発生したため、測定ができなかったものを、表11においては、−で示した。次の表12でも同様である。
評価11
表11に示すように、分散剤としては、ポリエチレングリコール系のノニオン性分散剤(HLB=5〜6)が、最も好ましいことが確認できた。
なお、この表11における総合判定では、シート密度が3.3g/cm3 以上で、表面粗さが0.6μm以下で、シート引張強度が6.0MPa以上で、シート伸度が37%以上で、接着性の剥離強度が8.9N/cm2 以上で、しかも濾過率(濾過時間)が4.50(分.秒)以下のものを、良好である(○)と判断し、その内の1つでも条件を満たさないものを、不良である(×)と判断した。表12での判断も同様である。
表11に示すように、分散剤としては、ポリエチレングリコール系のノニオン性分散剤(HLB=5〜6)が、最も好ましいことが確認できた。
なお、この表11における総合判定では、シート密度が3.3g/cm3 以上で、表面粗さが0.6μm以下で、シート引張強度が6.0MPa以上で、シート伸度が37%以上で、接着性の剥離強度が8.9N/cm2 以上で、しかも濾過率(濾過時間)が4.50(分.秒)以下のものを、良好である(○)と判断し、その内の1つでも条件を満たさないものを、不良である(×)と判断した。表12での判断も同様である。
実施例1h〜1m
分散剤の含有量を、セラミック粉体100質量部に対して、0.2〜2質量部の範囲で変化させた以外は、実施例1bと同様にしてグリーンシートを作製し、同様な評価を行った。結果を表12に示す。
分散剤の含有量を、セラミック粉体100質量部に対して、0.2〜2質量部の範囲で変化させた以外は、実施例1bと同様にしてグリーンシートを作製し、同様な評価を行った。結果を表12に示す。
評価12
表12に示すように、分散剤の含有量は、セラミック粉体100質量部に対して、好ましくは0.5〜1.5質量部の範囲、さらに好ましくは0.5〜1.0質量部の範囲であることが確認できた。
表12に示すように、分散剤の含有量は、セラミック粉体100質量部に対して、好ましくは0.5〜1.5質量部の範囲、さらに好ましくは0.5〜1.0質量部の範囲であることが確認できた。
実施例1n〜1y
表13に示すように、グリーンシート用塗料中に、種々の帯電除剤を、セラミック粉体100質量部に対する種々の質量部(PHP)で添加した以外は、実施例1と同様にしてグリーンシートを作製し、同様な評価を行った。結果を表13に示す。
なお、静電気(帯電特性)は、次のようにして評価した。すなわち、株式会社 仲興S55−1を用い、グリーンシートの剥離直後に、グリーンシートの距離を1cmにして測定した。測定値は、剥離後5秒後に測定した値である。発生する静電気(kV)が少ないほど好ましい。静電気が発生すると、シートにしわが発生するために、積層を精度良く行うことが困難になる。
表13に示すように、グリーンシート用塗料中に、種々の帯電除剤を、セラミック粉体100質量部に対する種々の質量部(PHP)で添加した以外は、実施例1と同様にしてグリーンシートを作製し、同様な評価を行った。結果を表13に示す。
なお、静電気(帯電特性)は、次のようにして評価した。すなわち、株式会社 仲興S55−1を用い、グリーンシートの剥離直後に、グリーンシートの距離を1cmにして測定した。測定値は、剥離後5秒後に測定した値である。発生する静電気(kV)が少ないほど好ましい。静電気が発生すると、シートにしわが発生するために、積層を精度良く行うことが困難になる。
評価13
表13に示すように、帯電除剤としては、イミダゾリン系界面活性剤が好ましいことが確認できた。しかも、表13に示すように、帯電除剤の添加量が少なすぎると、帯電除去の効果が小さくなり、多すぎると、シートの表面粗さが劣化すると共に、シート強度が劣化する傾向にあることが確認された。
なお、表13に示す総合判定では、シート密度が3.3g/cm3 以上で、表面粗さが0.6μm以下で、シート引張強度が6.0MPa以上で、シート伸度が40%以上で、接着性の剥離強度が9N/cm2 以上で、しかも静電気が36以下のものを、良好である(○)と判断し、その内の1つでも条件を満たさないものを、不良である(×)と判断し、静電気の評価項目のみが上記の基準を満たさないものを(△)と判断した。
表13に示すように、帯電除剤としては、イミダゾリン系界面活性剤が好ましいことが確認できた。しかも、表13に示すように、帯電除剤の添加量が少なすぎると、帯電除去の効果が小さくなり、多すぎると、シートの表面粗さが劣化すると共に、シート強度が劣化する傾向にあることが確認された。
なお、表13に示す総合判定では、シート密度が3.3g/cm3 以上で、表面粗さが0.6μm以下で、シート引張強度が6.0MPa以上で、シート伸度が40%以上で、接着性の剥離強度が9N/cm2 以上で、しかも静電気が36以下のものを、良好である(○)と判断し、その内の1つでも条件を満たさないものを、不良である(×)と判断し、静電気の評価項目のみが上記の基準を満たさないものを(△)と判断した。
以上説明してきたように、本発明によれば、極めて薄いグリーンシートであっても、支持体からの剥離に耐えうる強度を有し、かつ良好な接着性およびハンドリング性を有するグリーンシートを製造することが可能なグリーンシート用塗料、グリーンシート、グリーンシート用塗料の製造方法、グリーンシートの製造方法を提供することができる。そのため、電子部品の薄層化および多層化に適した電子部品の製造方法を提供することができる。
Claims (12)
- セラミック粉体と、バインダ樹脂と、可塑剤と、溶剤とを有するグリーンシート用塗料であって、
前記バインダ樹脂が、ポリビニルブチラール樹脂を含み、そのポリブチラール樹脂の重合度が1000以上1700以下であり、樹脂のブチラール化度の公称値が65%以上78%より小さく、残留アセチル基量が6%未満であることを特徴とするグリーンシート用塗料。 - 前記バインダ樹脂が前記セラミックス粉体100質量部に対して5質量部以上6.5質量部以下で含まれる請求項1に記載のグリーンシート用塗料。
- 前記可塑剤として、フタル酸ジオクチルを前記バインダ樹脂100質量部に対して、40質量部以上70質量部以下で含有する請求項1または2に記載のグリーンシート用塗料。
- 前記セラミックス粉体とバインダ樹脂と可塑剤との合計の体積を100体積%とした場合に、前記セラミックス粉体が占める体積割合が64.3%以上72%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のグリーンシート用塗料。
- セラミック粉体と、バインダ樹脂と、可塑剤と、有機溶剤とを有するグリーンシート用塗料であって、
前記セラミック粉体100質量部に対して、水を1質量部以上6質量部以下含有することを特徴とするグリーンシート用塗料。 - セラミック粉体と、バインダ樹脂と、可塑剤と、溶剤と、分散剤とを有するグリーンシート用塗料であって、
前記分散剤が、ポリエチレングリコール系のノニオン性分散剤を含み、親水性・親油性バランス値が5〜6であり、
前記分散剤がセラミック粉体100質量部に対して0.5質量部以上1.5質量部以下添加されていることを特徴とするグリーンシート用塗料。 - セラミック粉体と、バインダ樹脂と、可塑剤と、溶剤と、帯電助剤とを有するグリーンシート用塗料であって、
前記帯電除剤が、イミダゾリン系帯電除剤を含み、前記帯電助剤が、前記セラミック粉体100質量部に対して0.1質量部以上0.75質量部以下含まれることを特徴とするグリーンシート用塗料。 - セラミック粉体と、バインダ樹脂と、溶剤とを有するグリーンシート用塗料であって、
前記溶剤が、アルコール系溶剤と芳香族系溶剤とを含み、アルコール系溶剤と芳香族系溶剤との合計質量を100質量部として、芳香族系溶剤が、10質量部以上20質量部以下含まれることを特徴とするグリーンシート用塗料。 - 請求項1〜8のいずれかに記載のグリーンシート用塗料を製造する方法において、
前記バインダ樹脂を、予め、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールの内の少なくとも一種類以上のアルコール系溶剤に溶解濾過させて溶液にしておき、その溶液に、前記セラミック粉体およびその他の成分を添加することを特徴とするグリーンシート用塗料の製造方法。 - 請求項1〜8のいずれかに記載のグリーンシート用塗料を準備する工程と、
前記グリーンシート用塗料を用いてセラミックグリーンシートを成形する工程と、
を有するセラミックグリーンシートの製造方法。 - 請求項1〜8のいずれかに記載のグリーンシート用塗料を準備する工程と、
前記グリーンシート用塗料を用いてセラミックグリーンシートを成形する工程と、
前記グリーンシートを乾燥させる工程と、
乾燥後のグリーンシートを、内部電極層を介して積層し、グリーンチップを得る工程と、
前記グリーンチップを焼成する工程と、
を有するセラミック電子部品の製造方法。 - 請求項1〜8のいずれかに記載のグリーンシート用塗料を用いて製造されるグリーンシート。
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2005
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