JP2006080660A - エコーキャンセラ付き通信端末及びそのエコーキャンセル方法 - Google Patents

エコーキャンセラ付き通信端末及びそのエコーキャンセル方法 Download PDF

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Abstract

【課題】遠端話者の音声の欠落及び収束信号音による不快感を防止して、遠端話者エコーを除去する。
【解決手段】 上記疑似回路が、信号の位相を反転させる位相反転器10と、真のエコーと特性が同じ又はほぼ同じ疑似エコーを作成する擬似ハイブリッド11及び擬似電話機5−2とを備え、真のエコーと位相が反対で特性が同じ又はほぼ同じ疑似エコーを作成して真のエコーを相殺する。電話機と呼が接続されたとき又は内線転送の発生があったときに、あらかじめ定めた一定時間で、かつ、遠端話者信号が「音声なし」のときだけ、適応フィルタ収束用信号を発生させる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、音声の欠落、不必要な収束信号音の発生を防止して遠端話者エコーを十分に除去できるエコーキャンセラつき通信端末装置に関するものである。
従来、このエコーキャンセラつき通信端末装置の類の技術としては特許文献1に開示されたものがあった。
この特許文献1に示す従来の、エコーキャンセラのトレーニングを制御する通信システム及び回線交換システムは、図9に示すように構成されている。
このシステムは、図9に示すように、受信入力端子Rin100(以下「Rin100」という)、受信出力端子Rout102(以下「Rout102」という)、ディジタル−アナログ変換器103(以下「D/A103」という)、2線4線変換ハイブリッド回路104、電話機105、アナログ−ディジタル変換器106(以下「A/D106」という)、送信入力端子Sin107(以下「Sin107」という)、エコー打消し加算器108、送信出力端子Sout109(以下「Sout109」という)、適応フィルタ110、エコーキャンセラ113、スイッチ112及び信号源111を備えて構成されている。
このシステムの動作を、図9を基に説明する。
初期状態ではスイッチ112の端子はaに接続されている。
はじめに電話機105同士の呼が確立すると、スイッチ112は切り替わってbに接続される。スイッチ112の端子bには信号源111(参照信号源111)から適応フィルタ110の収束に用いる参照信号が入力されている。スイッチ112を出た参照信号は適応フィルタ110とRout102に出力される。Rout102から出力された参照信号はD/A103でアナログ信号に変換され、ハイブリッド104に入力される。
ハイブリッド104に入力された参照信号は、その一部が電話機105に、残りは再びA/D106を経由してエコーキャンセラ113に戻る。すなわち、ハイブリッド104を出た信号はA/D106でディジタル信号に変換され、Sin107を経由して、加算器108に入力される。加算器108には適応フィルタ110からの出力である擬似エコーy’が入力されており、エコー信号yと加算器108で相殺される。加算器108から出た信号は適応フィルタ110とSout109に出力される。
呼が確立したあと、あらかじめ定めた一定時間だけ経過して、エコーキャンセラ113の適応フィルタ110を収束したあと、スイッチ112の端子は、図示しないスイッチ制御器からの時間的制御によってaに閉じられる。
そして、次に会話が始まると、遠端話者の音声信号はRin100に入力されたあと、スイッチ112、Rout102、D/A103、ハイブリッド104を経由して、電話機105に至る。
一方、音声信号は、ハイブリッド104で一部反射してエコーキャンセラ113に戻る。反射したエコー信号yは加算器108で擬似エコーy’と相殺され、遠方にいる、図示しない遠端話者には、もはやエコーが届くことがなく、会話を行うことができるのである。
特開2004−23299号公報
しかしながら、上記従来のシステムでは、以下に記述する問題点があった。
(1) 従来技術では、呼が確立したときに、スイッチ112を端子bに閉じて適応フィルタ110の収束を行うようにしていた。このとき、通常、「呼が確立した状態」とは、発信者(図9の左側にいる図示しない話者)も、受信者(図9の電話機105をつかう話者:以下近端話者と記す。)も通話可能になっている状態である。この呼が確立した状態で、適応フィルタ110の収束を行う信号を信号源111から出力すると、近端受話者にも収束用信号が聞こえてしまい、近端話者に不快感を与えてしまう。特に、適応フィルタ110の収束が最も短時間ですむ信号の種類は、ガウスノイズなど、いわゆる音声とは異なる不自然な信号であることが多い。このため、収束用信号のレベルが大きい場合などは、近端話者は電話にでたとたんに、いやおうなしに無用の大雑音を聞かされることになり、近端受信者にとっては非常に苦痛であった。
また、上記の場合と逆に、収束用信号のレベルを小さくすると、肝心のエコーを十分なレベルで入手することができず、適応フィルタ110を十分な精度で収束できないため、音声会話中のエコーを十分に除去できないという欠点があった。
(1−2) この欠点を回避する方法として、参照信号の出力時間を短縮する方法がある。即ち、簡単には参照信号レベルを小さくせずに、短い時間だけ参照信号を出力して、近端話者に対してノイズを聞かせる被害を小さくすることが考えられる。しかし、一般にエコーキャンセラの適応フィルタの収束は公知の技術である“NLMSアルゴリズム”などを用いて、エコー経路の推定を逐次的に行うのが普通であるが、この場合、不部合が生じる。すなわち、必要以上に短い時間で適応フィルタの推定を終了してしまっては、“逐次的“にエコー経路を推定するアルゴリズムは十分な時間が確保できない。この結果、エコー経路の推定が不十分になり、結局、通常会話中のエコーを十分に除去できるほど、適応フィルタを収束・学習させることができないという欠点がある。つまり、この場合、近端話者のノイズ受聴を回避しようとすると、会話中のエコー除去が満足にできないという欠点が生じる。
(2) さらに、「呼が確立した状態」から、受信線の一部をスイッチ112で切断して収束を始めるため、遠端話者の音声の冒頭の一部を欠いてしまう欠点があった。通常、電話の呼が確立した冒頭期間に、遠端話者から近端話者に対して、「もしもし」などの呼びかけが行われることは日常茶飯事であるため、呼びかけ音声や挨拶の一部を欠いてしまうと、受話者に違和感を与えてしまうという欠点があった。
遠端話者からの冒頭音声の欠けをなくす簡単な解決方法として、従来技術のスイッチ112を加算器108に変更し、遠端話者音声と適応フィルタ収束用信号を混ぜこんで出力する方法も考えられるが、上述したように、最も効果的な収束信号はガウスノイズのような不自然な信号であることが多く、近端話者にとって耳障りであることには変わりない。また一方で、近端話者にとって耳障りにならないようなレベルの参照信号を混ぜ込んだとしても、適応フィルタ110が十分に収束せず、本来の音声会話中のエコー除去が十分にできないという欠点も解決できないのである。また時間的に過度に短い時間で適応フィルタを収束させたときの欠点も前述した通りである。
本発明は上述の欠点に鑑みてなされたものであり、遠端話者の音声の欠落を発生することがなく、さらに、近端話者に不必要な収束信号を聞かせて不快感を与えることがなく、それでいて、遠端話者エコーを十分に除去できる、エコーキャンセラ付き通信端末及びそのエコーキャンセル方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、真のエコーを発生する回路と同じ又はほぼ同じ特性を有し、真のエコーと位相が反対で真のエコーを相殺するための疑似エコーを作る疑似回路を備えたことを特徴とする。
この疑似回路として、擬似ハイブリッド及び擬似電話機、ハイブリッドの通過伝達関数を模擬する擬似通過伝達関数演算器、ハイブリッドの通過伝達関数を模擬する擬似通過伝達関数フィルタ又は擬似ハイブリッド通過信号を作成する適応擬似通過伝達関数フィルタを備え、音声が無いところで収束させる。
また、通信中のエコーを除去する通信端末のエコーキャンセル方法であって、真のエコーを発生する回路と同じ又はほぼ同じ特性を有し、真のエコーと位相が反対の疑似エコーを作り、真のエコーを相殺することを特徴とする。
遠端話者の音声の欠落を発生することがなく、さらに、近端話者に不必要な収束信号を聞かせて不快感を与えることがなくなる。それでいて、遠端話者エコーを十分に除去することができる。
以下、本発明の実施形態に係るエコーキャンセラ付き通信端末及びそのエコーキャンセル方法について、添付図面を参照しながら説明する。
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態に係るエコーキャンセラ付き通信端末を示す概略構成図である。図1において、1は受信入力端子Rin(以下「Rin1」という)であり、以下、2は受信出力端子Rout(以下「Rout2」という)、3はディジタルアナログ変換器(以下「D/A3」という)、4はハイブリッド、5−1は電話機、6はアナログ−ディジタル変換器(以下「A/D6」という)、7は送信入力端子Sin(以下「Sin7」という)、8は送信出力端子Sout(以下「Sout8」という)、11は擬似ハイブリッド、5−2は擬似電話機Ztel(以下「Ztel5−2」という)、10は位相反転器である。これにより、エコーキャンセラ付き通信端末装置12の全体が構成されている。
ここで、擬似ハイブリッド11は、ハイブリッド4の疑似回路である。この擬似ハイブリッド11は、ハイブリッド4と反射伝達関数、通過伝達関数が同じになるような回路であればよい。特に構成等を限定するものではなく、なんであってもよい。簡単なものとしては、ハイブリッド4と同一種の製品を用いればよい。
Ztel5−2は、電話機5−1の疑似回路である。このZtel5−2は電話機5−1と同じ電気的インピーダンスを実現するための回路であればよく、特に構成等を限定するものではなく、なんであってもよい。例えば、通信機能を持たない非常に簡単な回路、たとえば最も簡単な例では単なる600Ω抵抗素子でもよい。
これら、位相反転器10、擬似ハイブリッド11及びZtel5−2で、位相が反転した擬似エコーを作成する擬似エコー作成手段を構成している。
[第1の実施形態のエコーキャンセル方法]
以上のように構成されたエコーキャンセラ付き通信端末装置12は、次のように動作する。以下、図1を用いてエコーキャンセラ付き通信端末装置12の動作を説明する。
図示しない遠方の話者(図1の左側に相当する話者である。以下遠端話者と記述する。)から届いた音声信号(ディジタル音声)はRin1に入力され、Rout2からD/A3でアナログ信号X_aに変換され、ハイブリッド4と位相反転器10に入力される。
ハイブリッド4に入力された信号X_aは、ハイブリッド4から電話機5−1に向かって出力されるが、その一部が反射してエコー信号となってA/D6に入力される。このエコーyは、公知のように、ハイブリッド4における反射伝達関数Hyと信号X_aとの畳み込み処理になるので、式1のように表現できる。
y=Hy*X_a ……(1)
ここで、*は畳み込みをあらわす。
一方、ハイブリッド4から電話機5−1に向かって出力される信号も、ハイブリッド4におけるもうひとつの特性である通過伝達関数Hgと信号X_aとの畳み込みで表現できるので、式2のように表現できる。つまり、ハイブリッド4は、入力信号に対し、送信入力端子の方向にはHy、電話機5−1の方向にはHgの特性を付与する素子となっている。
X_ah=Hg*X_a ……(2)
一方、D/A3から位相反転器10に入力された信号X_aは位相反転されて−X_aとなり、擬似ハイブリッド11に入力される。この擬似ハイブリッド11では、信号の一部が反射して擬似エコー信号y_dum、となり、残りは擬似電話機5−2に出力される。
擬似エコー信号y_dumは前述したエコー信号と同様に、擬似ハイブリッド11における反射伝達関数Hy_dumとエコー元信号X_aとの畳み込みで表現できるので式3のように表現できる。
y_dum=Hy_dum*(−X_a) ……(3)
一方、擬似ハイブリッド11から擬似電話機5−2に向かって出力される信号Xd_ahもまた、ハイブリッド4における通過伝達関数Hgとエコー元信号X_aとの畳み込みで表現できるので式4のように表現できる。
Xd_ah=Hg_dum*(−X_a) ……(4)
ここで、前述したように、
Hy_dum≒Hy ……(5)
であるので、A/D6に入力される信号yaは、エコー信号yと、擬似エコー信号y_dumのアナログ加算信号となる。すなわち
ya=y+y_dum
=Hy*X_a+(Hy_dum*−X_a)
≒Hy*X_a+(Hy_dum*−X_a)
=(X_a−X_a)*Hy ……(6)
となってエコーが除去された信号となる。
yaはA/D6でディジタル信号ydに変換され、送信入力端子Sin7、送信出力端子Sout8を経て図示しない遠端話者に出力される。
[第1の実施形態の効果]
以上説明したように、本発明の第1の実施形態によれば、次のような効果を奏する。
位相反転器10を用いて、遠端からのアナログ音声信号を反転させ、擬似ハイブリッド11とZtel5−2を用いて擬似エコーを作成して、アナログ線上で擬似エコーと真のエコーを相殺するようにしたので、エコーキャンセルのためのトレーニングを不要にすることができた。
結果、エコーを十分に除去しながらも、近端話者にトレーニングのためのノイズが聞こえるのを防止することができ、不快感を与えるのを防止することができる。
また、遠端話者の音声の冒頭部分からエコーのキャンセル処理が機能するため、遠端話者の音声の冒頭などを欠くこともなくなる。
この結果、通話品質の優れたエコーキャンセラ付き通信端末装置を提供することができる。

[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図2は本発明の第2の実施形態に係るエコーキャンセラ付き通信端末を示す概略構成図である。本実施形態のエコーキャンセラ付き通信端末の全体構成は、上述した第1の実施形態に係るエコーキャンセラ付き通信端末とほぼ同様であるため、ここでは、同一部材には同一記号を付してその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
本実施形態のエコーキャンセラ付き通信端末が上述した第1の実施形態のエコーキャンセラ付き通信端末と異なるのは、位相反転器10を変更した点である。擬似ハイブリッド11の前段に設けていたアナログ信号の位相反転器10をなくし、新たにディジタル信号の位相反転器20を設け、擬似ハイブリッド11と位相反転器20の間にディジタル−アナログ変換器21を設けた。
位相反転器20は、Rin1とRout2との間に接続され、Rin1から入力された遠端話者信号Xであるディジタル信号を直接入力させてアナログ信号に変換するようになっている。この位相反転器20は、DSPや反転器素子等を用いて構成されている。一般に、ディジタル信号での音声波形の反転は、たとえばDSPを用いて信号波形に−1を乗算するだけでよく、処理はきわめて簡単に実現できる。もちろん、ディジタル回路の反転器素子を用いてもよい。
ディジタル−アナログ変換器21は、位相反転器20で位相が反転された信号を変換する。
その他の部分は第1の実施形態のエコーキャンセラ付き通信端末と同じである。
[第2の実施形態のエコーキャンセル方法]
以上のように構成されたエコーキャンセラ付き通信端末装置は、次のように動作する。以下、図2を用いてエコーキャンセラ付き通信端末装置の動作を説明する。
第2の実施形態のエコーキャンセラ付き通信端末の動作が第1の実施形態のエコーキャンセラ付き通信端末と異なるのは、位相反転器20、ディジタル−アナログ変換器21である。そのほかの部分に関しては第1の実施形態と同じであるので、ここでは説明を省略する。
遠端話者信号(ディジタル信号)Xは、Rout2及び位相反転器20に入力する。そして、位相反転器20に入力した信号Xは、この位相反転器20によって位相反転される。たとえばDSPを用いて信号波形に−1を乗算して位相反転される。または、ディジタル回路の反転器素子を用いて位相反転される。
位相反転器20で位相反転された信号は、D/A21に出力され、ディジタル−アナログ変換されてアナログ信号X_a2になる。このアナログ信号X_a2は、擬似ハイブリッド11に出力され、その後、上述した第1の実施形態と同様に動作する。
[第2の実施形態の効果]
第1の実施形態のようにアナログ信号の位相反転器10を用いる場合、このアナログ位相反転器10が無視できない程度の大きさのインピーダンス成分を持つ場合がある。インピーダンス成分が小さい場合は問題ないが、大きくなると、擬似エコーydumを真のエコーyに近づけるために、アナログ位相反転器10、擬似ハイブリッド11及び擬似電話機Ztel5−2の3つの組み合わせのインピーダンスが、ハイブリッド4と電話機5−1の組み合わせのインピーダンスと一致するように、調整する必要がある。しかし、このインピーダンスを一致させる調整は容易ではなく、アナログ回路設計に熟練を要する。
これに対して、ディジタル信号の位相反転器20を用いると、位相反転がディジタル信号上で実行されるので、実現が非常に簡単になる。
具体的には、ハイブリッド4と擬似ハイブリッド11に同種(同型)の部品を使えば、設計者は、擬似電話機Ztel5−2のインピーダンスを電話機5−1のインピーダンスに一致させるだけですみ、設計・調整に特段の熟練を必要としない。
このように、機器の設計が容易になるとともに、前述したように整合対象がハイブリッド4と擬似ハイブリッド11の1対1に限定できるので、さらに調整の精度を向上させることができ、エコー除去精度を向上させることができる。
なお本実施形態では、擬似エコーと真のエコーをアナログ線上で相殺するようにしたが、ディジタル線上で相殺するようにしてもよい。この場合は、擬似エコーをいったん図示しない別のA/Dでディジタル変換した後、A/D6からSout8までの間に設けたディジタル加算器(図示せず)に出力して、このディジタル加算器でエコー相殺を行うようにしてもよい。
この場合も、上記第2の実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。

[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図3は本発明の第3の実施形態に係るエコーキャンセラ付き通信端末を示す概略構成図である。本実施形態のエコーキャンセラ付き通信端末の全体構成は、上述した第2の実施形態のエコーキャンセラ付き通信端末とほぼ同様であるため、ここでは、同一部材には同一記号を付してその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
本実施形態は、近端話者による電話機の自由な入れ替えを考慮したものである。第1及び第2の実施形態では、擬似電話機5−2と擬似ハイブリッド11を用いて、ハイブリッド4の通過伝達関数Hg、反射伝達関数Hyを模擬して擬似エコーを作成するものであった。この第1及び第2の実施形態のように、電話機5−1が交換されることがなく、例えば電話機5−1を含めて1つの筺体に収まっているような場合などは良いが、交換可能な電話機を用いる場合は、第1及び第2の実施形態では対応するのが難しい。即ち、電話機だけが入れ替え可能になっている形態で、エコーキャンセラ付き通信端末装置を実現しようとすると、エコー除去のため、電話機を入れ替えるたびに擬似電話機5−2のインピーダンスを新しい電話機と一致するように調整、交換する必要がある。
しかし、電話機の使用者が電話機を入れ替える度に端末装置の分解・部品の交換・調整を行うのは、技術的な熟練を要するため、非常に困難である。本実施形態は、この点に鑑みてなされたものであり、後述する、擬似通過伝達関数演算器33を設けて近端話者に求められる擬似電話機5−2の複雑で熟練を要する調整・交換を不要にし、かつ、適応フィルタ34を設けて遠端話者エコーを自動的にかつ適切に除去し、しかも近端話者が適応フィルタ34を収束させる収束信号を聞かせることによって被る違和感を感じないようにするためのものである。
このように、電話機を入れ替えることを想定した端末装置では、反射伝達関数Hyを模擬してエコーを除去するために、公知の技術であるエコーキャンセラを用いる。エコーキャンセラは適応フィルタで構成されており、この適応フィルタに、通話の初期にHyを模擬するように学習(収束と同意)させる。つまり、学習のためにエコーキャンセラに、Hy収束用入力と、Hy特性が反映されたエコーyとを入力する。具体的には、後述するハイブリッド4と適応フィルタ34に収束用信号を通過させ、適応フィルタ34の特性がハイブリッド4の特性Hyを徐々に模擬していくことで、逐次的にエコー打消し後信号eのパワーが最小になるようなアルゴリズムを用いて処理する。このアルゴリズムとして、NLMSアルゴリズム、LMSアルゴリズムなどを用いる。なお、これに限定せず、他のアルゴリズムでもよい。後述するRef_ecとディジタル変換されたエコーyd、加算器35の残差出力eを用いて、残差信号eが最小になるように処理する逐次的アルゴリズムであれば、どのようなアルゴリズムであってもよい。
本実施形態に係る発明は、しばしば、ハイブリッド4の通過伝達関数が比較的簡易な素子で模擬できる場合があることを利用しているものである。以下に本発明の具体的な実施形態を説明する。
本実施形態のエコーキャンセラ付き通信端末が上述した第2の実施形態のエコーキャンセラ付き通信端末と異なるのは、擬似ハイブリッド11及び擬似電話機5−2がなくなったことと、新たに適応フィルタ34、加算器35、参照信号発生器30、位相反転器31、D/A32、擬似通過伝達関数演算器33が設けられ、また、電話機5−1が電話機5−3に変わったことである。そのほかは、第2の実施形態のエコーキャンセラ付き通信端末と同じである。
このうち、適応フィルタ34、加算器35、参照信号発生器30、位相反転器31及びD/A32の機能は、公知であり、特に説明を要しないものである。
そして、擬似通過伝達関数演算器33は、ハイブリッド4の通過伝達関数Hgを模擬した性質を持つ素子である。この擬似通過伝達関数演算器33は、減衰器や抵抗などで構成されている。擬似通過伝達関数演算器33は、交換可能な構成になっている。具体的には、減衰器や抵抗などがソケット(図示せず)に格納され、このソケットごと差し替えることで、擬似通過伝達関数演算器33の通過伝達関数は変更できるようになっている。
あらかじめ定めた擬似通過伝達関数器たとえば抵抗素子を簡単に入れ替えるような方法、たとえば図示しないソケットに対する抵抗素子の差し替えなどによって行えば、特段の熟練調整の必要なく、近端話者が簡単に交換することができる。
[第3の実施形態のエコーキャンセル方法]
以上のように構成されたエコーキャンセラ付き通信端末装置は、次のように動作する。以下、図3を用いてエコーキャンセラ付き通信端末装置の動作を説明する。
はじめに、Rin1から入力された遠端話者信号Xは適応フィルタ34、Rout2に入力される。適応フィルタ34には参照信号発生器30からの適応フィルタ収束用信号Refが入力されており、RefはRout2、位相反転器31にも入力されている。
位相反転器31は信号Refを反転し−Refに変換する。位相反転器31の出力はD/A32でアナログ信号−Ref_aに変換される。次いで、−Ref_aは擬似通過伝達関数演算器33に入力される。
一方、信号XとRefはRout2に入力されたあと、D/A3でアナログ信号X3_aに変換される。したがってX3_aは式6のような信号である。
X3_a=X_a+Ref_a ……(6)
ここでX_a、Ref_aはおのおのX、Refをディジタル−アナログ変換した信号である。
一方、D/A32からの反転出力信号−Ref_aは擬似通過伝達関数演算器33に入力され、式7のようなX3’_ahとなる。
X3’_ah=Hg_dum*(−Ref_a) ……(7)
一方、X_a、Ref_aの混成信号Ref_ecは適応フィルタ34に入力される。適応フィルタ34は既に説明したように、Ref_ecとディジタル変換されたエコーyd、加算器35の残差出力eを用いて、残差信号eが最小になるように、逐次的アルゴリズムを用いてハイブリッド4の反射伝達関数Hyを推定し、擬似エコーy‘を作成する。擬似エコー作成のアルゴリズムは公知のアルゴリズムである前述のNLMSアルゴリズムや、LMSなどの逐次アルゴリズムを用いる。ここではアルゴリズムの詳細は省略する。
適応フィルタ34は、当該電話機5−3をハイブリッド4に接続したあと、「呼がはじめて確立してから」1度収束するだけでもよく、「呼が確立するたびに」毎回収束させるようにしてもよい。
これにより、エコーの発生を抑える。
一方、信号X3_aは、第1の実施形態で述べたと同じく、ハイブリッド4で、式8、9のように、反射伝達関数Hyと通過伝達関数Hgを各々施されて信号yおよびX3_ahになる。
y=Hy*C(X3_a+Ref_a) ……(8)
X3_ah=Hg*(X3_a+Ref_a) ……(9)
ハイブリッド4から電話機5−3に出力された信号X3_ahは、擬似通過伝達関数演算器33からの出力X3’_ahとアナログ的に加算され、信号X3_telとなる。ここでの加算は式10のように表現され、適応フィルタ収束用の信号Ref_aがなくなった信号になる。
X3_te1=X3_ah+X3’_ah
=Hg_dum*(−Ref_a)+Hg*(X3_a+Ref_a)
≒Hg*((−Ref_a)+(X3_a+Ref_a))
=Hg*X3_a ……(10)
ここで、(10)式はHg_dum≒Hgによっている。
これにより、信号Ref_aが無くなり、トレーニング信号が近端話者に聞こえるのを抑える。
[第3の実施形態の効果]
以上説明したように、似通過伝達関数演算器33でハイブリッド4の通過伝達関数Hgを模擬して、真のエコーと位相が反転した擬似エコーを作成して、信号X3_ahをキャンセルするようにしたので、近端話者が適応フィルタ34収束用の信号を聞かされて違和感を被る事がなくなる。
適応フィルタ34収束用信号として、時間的に長く、レベルも適度に大きい信号を用いて精度よくエコーキャンセラの適応フィルタ34を収束してエコーを除去することができる。
この結果、遠端話者の音声も欠けることがなく、快適な通話を行う端末を実現できる。
また、似通過伝達関数演算器33は、ソケット等によって抵抗値の異なるものを適宜差し替えるようにすることで、特段の熟練も調整の必要もなく、近端話者が簡単に似通過伝達関数演算器33を交換することができるため、電話機選択の自由度が高くなる。

[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図4は本発明の第4の実施形態に係るエコーキャンセラ付き通信端末を示す概略構成図である。本実施形態のエコーキャンセラ付き通信端末の全体構成は、上述した第3の実施形態のエコーキャンセラ付き通信端末とほぼ同様であるため、ここでは、同一部材には同一記号を付してその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
本実施形態が第3の実施形態と異なるのは、擬似通過伝達関数演算器33をなくし、擬似通過伝達関数フィルタ40を設けたことである。そのほかの部分の構成は第3の実施形態と同じであるため、ここでは説明を省略する。
擬似通過伝達関数フィルタ40は、ディジタルフィルタで構成されている。例えば、ディジタルFIRフィルタ(非巡回型有限タップ長フィルタ構成のフィルタ)やディジタルIIRフィルタ(巡回型有限タップ長フィルタ構成のフィルタ)で構成されている。これらディジタルFIRフィルタ、IIRフィルタは、公知の技術であるのでここで説明を省略する。
ディジタルフィルタの係数(図示せず)は、予めハイブリッド4の通過伝達関数Hgを模擬するように設定しておく。さらに、何種類かの模擬セットを用意しておく。模擬セットの種類は、例えば設計者が代表的な電話機のいくつかのハイブリッド通過伝達関数を実測して模擬する。これによって得たフィルタの係数セットを図示しないメモリに用意しておく。このメモリは図示しない選択スイッチ等で適宜選択できるようにしておく。これにより、近端話者は電話機5−3を交換したとき、選択スイッチ等で、所望の係数を選択する。
[第4の実施形態のエコーキャンセル方法]
以上のように構成されたエコーキャンセラ付き通信端末装置は、次のように動作する。以下、図4を用いてエコーキャンセラ付き通信端末装置の動作を説明する。なおここでは、擬似通過伝達関数フィルタ40を中心に説明する。
位相反転器31の出力−Refは擬似通過伝達関数フィルタ40に出力される。出力−Refは、この擬似通過伝達関数フィルタ40で通過伝達関数Hg_dを模擬した特性が施される。
擬似通過伝達関数フィルタ40で通過伝達関数Hg_dを模擬した特性を施された信号X3’_dhは、D/A32に出力されアナログ信号X3’_ahになり、第3の実施形態で説明したとおり、参照信号がハイブリッドを経由して電話機5−3に入る信号X3’_ahをキャンセルする。
近端話者が電話機5−3を交換したときは、選択スイッチ等を切り替えて、所望の係数を選択する。
[第4の実施形態の効果]
以上説明したように、第3の実施形態における擬似通過伝達関数演算器33に変えて擬似通過伝達関数フィルタ40を用いるようにしたので、近端話者はもはや抵抗素子などで実現された擬似通過伝達関数演算器33を交換する必要がなく、図示しないスイッチなどであらかじめ定めたいくつかの特性をもつ、擬似伝達関数フィルタ40のうち、ひとつの擬似通過伝達関数フィルタ40の特性を選択するだけでよい。
前述の説明のように擬似通過伝達関数フィルタ40の出力がエコー収束信号をキャンセルし、近端話者に当調信号を聞かせることがなくなる。結果、適応フィルタ34収束用信号として、時間的に長い信号を用いて精度よくエコーキャンセラの適応フィルタ34を収束してエコーを除去することができる。
また、近端話者にノイズを聞かせることがなくなり、違和感を与えることがなくなる。
遠端話者にとっても、適応フィルタ34収束用信号として十分なレベルの適応フィルタ34収束用信号を用いて、精度よくエコーキャンセラの適応フィルタ34を収束してエコーを除去することができる。
さらに、遠端話者が近端話者に伝える音声も欠けることがなく、快適な通話を行う端末を実現できる。

[第5の実施形態]
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
図5は本発明の第5の実施形態に係るエコーキャンセラ付き通信端末を示す概略構成図である。本実施形態のエコーキャンセラ付き通信端末の全体構成は、上述した第4の実施形態のエコーキャンセラ付き通信端末とほぼ同様であるため、ここでは、同一部材には同一記号を付してその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
本実施形態が第4の実施形態と異なるのは、新たにA/D50を設けたことと、擬似通過伝達関数フィルタ40をなくし、適応擬似通過伝達関数フィルタ51を設けたことである。そのほかの部分の構成は第4の実施形態と同じであるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態は、ハイブリッド4に接続される電話機54が未定であったり、または頻繁に変更したい場合を考慮してなされたものである。第4の実施形態では、設計者が代表的な擬似通過伝達関数Hgの特性を予め擬似通過伝達関数フィルタ40に設定しておくものであった。例えば、ハイブリッド4に接続される電話機が本端末12の設計時に市場に出回っていなかった電話機などの場合は、設計者が予めその特性を知ることができないから、擬似通過伝達関数フィルタ40の特性を精密に測定することはできないなどの不都合が発生する。なぜなら、真の通過伝達関数特性Hgは、ハイブリッド4に接続される電話機5−3(または54)の特性にも多少なりとも影響されるからである。
本実施形態では、上述したように、特性を予め知ることができないような電話機54を接続したときであっても、支障なく使用できるようにしたものである。このため、適応擬似通過伝達関数フィルタ51を設けて、この適応擬似通過伝達関数フィルタ51や適応フィルタ34を収束させ、近端話者が適応擬似通過伝達関数フィルタ51の収束のための収束用信号を聞いて違和感を感じないようにし、適応フィルタ34は十分に収束できて遠端話者にエコーを聞かせることなく、遠端話者が近端話者に向けて発した音声が欠ける違和感・不快感を軽減するものである。
適応擬似通過伝達関数フィルタ51は、擬似ハイブリッド通過信号X5’_dhを作成するための素子である。適応擬似通過伝達関数フィルタ51で作成する擬似ハイブリッド通過信号X5’_dhは、参照信号Refがハイブリッド4を通過する信号を擬似した信号である。すなわち、信号X5’_dhはX3_ahをキャンセルする信号であり、詳しくは参照信号発生器30で出力した信号Refが、D/A3でアナログ信号に変換された後、ハイブリッド4を通過した信号X3_ahをキャンセルするための信号である。
擬似通過伝達関数フィルタ51の適応アルゴリズムは、適応フィルタ34と同様の、LMSアルゴリズム、NLMSアルゴリズムなどを用いる。なお、適応フィルタ34では加算器35の出力eのパワーを最小にするように動作するのに対して、適応擬似通過伝達関数フィルタ51では信号X5_telのパワーを0にするように逐次的に適応学習がなされる。また、本実施形態ではX3_haとX5’_ahをアナログ信号同士で加算するようにしたが、別法として、適応フィルタ34のように、ディジタル加算器(図示せず)を用いるようにしてもよい。すなわち、D/Aをハイブリッド4後段に設け、A/DをD/Aの後段に設け、図示しない加算器をA/DとD/Aの間に設けて、ディジタル信号として加算するようにしてもよいのはもちろんである。
[第5の実施形態のエコーキャンセル方法]
以上のように構成されたエコーキャンセラ付き通信端末装置は、次のように動作する。以下、図5を用いてエコーキャンセラ付き通信端末装置の動作を説明する。なおここでは、適応擬似通過伝達関数フィルタ51を中心に説明する。
位相反転器31からの出力−Refは適応擬似通過伝達関数フィルタ51に入力される。適応擬似通過伝達関数フィルタ51は擬似ハイブリッド通過信号X5’_dhを作成する。
そして、近端話者が電話機54をはじめてハイブリッド4に接続したときだけ、近端話者が操作する図示しないスイッチから制御信号によって参照信号発生器30が適応擬似通過伝達関数フィルタ51の収束のための参照信号Refを発生する。Refは位相反転器31で−Refに変換され、適応擬似通過伝達関数フィルタ51に入力される。適応擬似通過伝達関数フィルタ51は、−RefX5_tel_dを用いて、X5_tel_dのパワーが最小になるように係数を逐次学習していく。擬似信号X5’_dhはD/A32でディジタル−アナログ変換され、アナログ信号線上でX3_ahと加算され、X5_telとなる。X5_telはA/D50でディジタル信号X5_tel_dに変換されて適応擬似通過伝達関数フィルタ51に入力され、すでに説明したように適応擬似通過伝達関数フィルタ51の係数(図示せず)更新に使われる。これにより、信号X5_telのパワーを最小にするように、上記アルゴリズムを用いて適応擬似通過伝達関数フィルタ51の係数を学習・更新する。その後は、この係数で適応擬似通過伝達関数フィルタ51を機能させる。
別の電話機54をハイブリッド4に接続する場合は、上記同様の処理を繰り返して、信号X5_telのパワーを最小にする係数を特定し、この係数で適応擬似通過伝達関数フィルタ51を機能させる。
[第5の実施形態の効果]
以上説明したように、第5の実施形態では、第4の実施形態の効果に加えて、次の効果を奏する。
端末設計時に特性の入手できない電話機54を接続する場合であっても、初めて電話機54をハイブリッドに接続したり、または、はじめて「呼を確立したとき」だけ適応擬似通過伝達関数フィルタ51を学習させてその後は、学習後の適応擬似通過伝達関数フィルタ51を用いて処理するので、近端話者はエコーキャンセラの適応擬似通過伝達関数フィルタ51の収束信号に煩わされることがなく、また、遠端話者音声の欠けもなく、遠端話者はエコーが十分除去された音声で品質の優れた通話を行うことができるようになる。

[第6の実施形態]
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。
図6は本発明の第6の実施形態に係るエコーキャンセラ付き通信端末を示す概略構成図である。本実施形態のエコーキャンセラ付き通信端末の全体構成は、上述した第4の実施形態のエコーキャンセラ付き通信端末とほぼ同様であるため、ここでは、同一部材には同一記号を付してその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
本実施形態のエコーキャンセラ付き通信端末が第4の実施形態のエコーキャンセラ付き通信端末と異なるのは、新たに呼制御装置60と音声検出器61が設けられ、電話機5−3が電話機64に変わった点であり、そのほかの構成は第4の実施形態と同じである。
本実施形態は、ハイブリッド4の接続先がPBX(図示せず)など、相手先電話機が不定である場合を想定してなされたものである。第4の実施形態では、例えば電話機5−3を初回設置の時や、電話機を置き換えたときに一度、近端話者が擬似通過伝達関数フィルタ40を選択し、以後の通話に用いればよかった。しかし、ハイブリッド4の接続先がPBXなどのような場合は、呼の接続のたびに近端話者の電話機が変化し、前回と同一の電話機に接続されるほうが稀である。さらに、たとえば内線転送などのように、いったん確立した呼接続において選択した擬似通過伝達関数フィルタ40の特性が、次の呼接続の際には既に不適切な特性となっている場合もあり得る。この場合、端末装置12の操作・制御が困難になることがある。即ち、第4の実施形態においてハイブリッド4の接続先がPBXになった場合は、近端話者電話機5−3と本発明の通信端末12との間にはPBXが介在することになり、もはや近端話者の電話機5−3と通信端末装置12が同一筐体にはなく別筐体であって、もはや近端話者はPBXを経由して端末装置12を操作・制御することは困難である。
したがって、このような場合、近端話者の操作に依存することなく、適応フィルタ34のトレーニングや擬似通過伝達関数フィルタ40の係数を自動的に選択できる端末装置12が望まれる。本発明はこの点に鑑みてなされたものである。
以下、図6を用いて本発明の第6の実施形態のエコーキャンセラ付き通信端末について説明する。第6の実施形態のエコーキャンセラ付き通信端末が第4の実施形態のエコーキャンセラ付き通信端末と異なるのは、電話機64、呼制御装置60及び音声検出器61を新たに設けた点と、参照信号発生器62の動作であり、そのほかは同一であるので、そのほかの部分に関しては詳細な説明を省略する。
呼制御装置60は、参照信号発生器62による適応フィルタ34への収束用信号の出力を、音声検出器61と協働して制御するための装置である。具体的には、呼制御装置60は、参照信号発生器62に対して、適応フィルタ34に収束用信号の出力を許可する信号Cnt_adp_okを出力するための装置である。即ち、呼制御装置60は、電話機64で呼が接続されたときや、図示しないPBXによって内線転送の発生があったときに、その呼の接続や内線転送の発生を検知して、予め定めた一定時間(たとえば10秒間。この時間は、各種の条件に応じて適宜特定される数値で、特に10秒間に限定するものではない。)だけ、参照信号発生器62に、適応フィルタ34の収束用信号の出力を許可する信号Cnt_adp_okを出力するようになっている。
さらに、呼制御装置60は、かけ先電話番号などから、設計者によっていくつか予め保存されている擬似通過伝達関数フィルタ40の中から最適な1個のフィルタを選択するための装置である。例えば、呼び出し先電話番号と擬似通過伝達関数フィルタ40とを関連付けたテーブルから1つの擬似通過伝達関数フィルタ40を、出力−Refが擬似通過伝達関数フィルタ40に出力される前に選択する。
音声検出器61は、Rin1への入力信号中の音声の有無を検出(音声検出)し、音声の有無に応じて選択的に制御信号の出力をするための装置である。音声検出の方法は、例えば本願発明者が先に提案した特開平10−301600号公報に記載のような方法を用いることができる。さらに、これ以外でも、信号中の人間の音声の有無を判断できる方法であれば、他の方法でもよく、特に限定するものではない。この音声検出器61は、検出結果が「音声あり」の場合、参照信号発生器62に対してなにも出力せず、「音声なし」の場合に、参照信号発生器62に対して適応フィルタ34に収束用信号の出力を促す信号Vad_adp_okを出力するようになっている。
参照信号発生器62は、信号Cnt_adp_okと信号Vad_adp_okの両方があるときに限り、専用信号Refを出力するための装置である。即ち、参照信号発生器62は、呼制御装置60からの信号Cnt_adp_okと、音声検出器61からの信号Vad_adp_okの両方があるときに限り、ガウスノイズなど、適応フィルタ34を収束させるための専用信号Refを位相反転器31、Rout2及び適応フィルタ34に出力するようになっている。
この参照信号発生器62による参照信号Refの出力を、遠端話者音声検出が「なし」のときだけ実行するようにしたのは、下記のような理由による。
近端話者用電話機64とハイブリッド4の間にPBXなどの交換機が存在する場合、もはや近端話者はエコーキャンセラ付端末に対してなにも操作ができない。つまり、近端話者は電話機64の種別等に合わせて擬似通過伝達関数フィルタ40の調整などは行えない。また、近端話者の電話機64に関して言えば、近端話者は、通話システム設置後に、電話機64の買い替えを図るなど、設計者が設計当事予見できない特性の電話機64を接続することが考えられる。この際には、設計者が再び擬似通過伝達関数フィルタ40の選択肢を増やすなどして解決するのが常套手段であるが、装置のメモリー量限界などから、擬似通過伝達関数フィルタ40の選択肢を増やせない場合がしばしば発生する。
このようなときには、次善の方法として、既存選択肢の中からもっともふさわしい擬似通過伝達関数フィルタ40を選択するように処理する。この際には、擬似通過伝達関数フィルタ40は完全にはハイブリッド4と新たな電話機64の組み合わせによるハイブリッド4の通過伝達関数Hgを模擬できないので、擬似通過伝達関数フィルタ40の出力は、完全にはハイブリッド4から漏れ出る適応フィルタ34の収束のための信号を打ち消すことができなくなり、多少近端話者に漏れ聞こえることになる。このため、近端話者はノイズと音声の聞きわけに努力を払う必要が発生する。その結果、近端話者は違和感が発生し、音声聞き取りに注力するために会話における疲労感が増大し、通話品質が劣化する。
従来技術では、Rin1の音声信号のあるなしにかかわらず、適応フィルタ34の収束用の信号を発生していたので、近端話者は常時収束用信号に被爆され違和感はさらに大きかった。
そこで本実施形態では、音声検出器61を設けて、呼が確立して一定期間(本実施形態では10秒間)、しかも音声のない期間に限定して適応フィルタ34の収束を行い、遠端話者音声のある期間は適応フィルタ34の収束のための信号を停止して近端話者にノイズのない音声を出力し、近端話者の疲労感を軽減し、通話品質を向上するようにしたものである。
[第6の実施形態のエコーキャンセル方法]
以上のように構成されたエコーキャンセラ付き通信端末装置は、次のように動作する。以下、図6を用いてエコーキャンセラ付き通信端末装置の動作を説明する。
Rin1に遠端話者の音声信号Xが入力されると、音声検出器61がその信号中の音声の有無を検出(音声検出)する。音声検出器61での検出結果が「音声あり」の場合は、参照信号発生器62に対してなにも出力しない。検出結果が「音声なし」の場合は、参照信号発生器62に適応フィルタ34の収束用信号の出力を促す信号Vad_adp_okを出力する。
一方、電話機64で呼が接続されたり、図示しないPBXによって内線転送の発生があったりすると、呼制御装置60がそれを検知して、予め定めた一定時間(例えば10秒間)だけ、参照信号発生器62に、適応フィルタ34に収束用信号の出力を許可する信号Cnt_adp_okを出力する。
参照信号発生器62は、呼制御装置60及び音声検出器61からの信号を待ち、呼制御装置60からの信号Cnt_adp_okと音声検出器61からの信号Vad_adp_okの両方があるときに限り動作する。即ち、両方の信号が出力されているときに、信号Cnt_adp_okの出力時間である一定時間(例えば10秒間)だけ、適応フィルタ34を収束させるための専用信号Refを位相反転器31、Rout2及び適応フィルタ34に出力する。
信号Refが出力された位相反転器31の動作は第4の実施形態と同じである。位相反転器31の出力−Refは擬似通過伝達関数フィルタ40に出力される。一方、呼制御装置60は、かけ先電話番号などを基に、上記テーブル等に予め保存されている擬似通過伝達関数フィルタ40の中から最適な1個のフィルタを、出力−Refが擬似通過伝達関数フィルタ40に出力される前に選択する。
呼制御装置60は、位相反転器31の出力−Refが擬似通過伝達関数フィルタ40に出力される以前に擬似通過伝達関数フィルタ40の選択を終了している。擬似通過伝達関数フィルタ40の出力X6’_dhはD/A32に出力され、アナログ変換されてX6’_ahとなって出力される。
一方、参照信号発生器62の出力は、Rout2、D/A3、ハイブリッド4を経由してX6_ahとなってハイブリッド4から出力される。また、参照信号発生器62の出力は、適応フィルタ34にも入力するが、この適応フィルタ34での動作は第3の実施形態と同じなので、ここでは動作の説明を省略する。
ハイブリッド4から電話機64に向かって出力されたX6_ahはD/A32から出力されたX6’_ahとアナログ的に加算されてキャンセルされる。なお、ここではX6_ahとX6’_ahをアナログ的に加算したが、信号をいったんディジタル化しディジタル加算器でX6_ahとX6’_ahを加算するようにしてもよいのはもちろんである。
加算が終了した信号X6_telはX6_ahとX6’_dhとが互いに打ち消し合っているため、近端話者には聞こえない。
上述したように、参照信号発生器62からの参照信号出力は、音声検出器61による遠端話者音声検出が「なし」のときだけ実行される。即ち、呼が確立して一定期間(実施形態では10秒間)、しかも音声のない期間に限定して適応フィルタ34の収束を行い、遠端話者音声のある期間は適応フィルタ34の収束のための信号を停止して近端話者にノイズのない音声を出力する。
[第6の実施形態の効果]
以上、説明したように、装置設定後に電話機64の買い替えやPBXによる頻繁な電話機の変更などによって、擬似通過伝達関数フィルタ40の特性が本来最適な特性から微小の誤差が発生する場合でも、音声のない期間に限定して適応フィルタ34の収束信号発生を行い、音声のある期間は適応フィルタ34収束のための信号を出力しないようにしたので、遠端話者の音声欠けを発生させることがなく、近端話者に対する適応フィルタ34の収束信号の違和感を軽減することができるようになる。
この結果、近端話者の疲労感を軽減し、通話品質の向上を図ることができる。
なお、本実施形態では、呼制御装置かけ先電話番号からフィルタ40の選択を行うようにしたが、近年普及してきたIP電話等における、IPアドレスをフィルタ40の選択のための情報として用いてもよいのはもちろんのことである。

[第7の実施形態]
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。
図7は本発明の第7の実施形態に係るエコーキャンセラ付き通信端末を示す概略構成図である。本実施形態のエコーキャンセラ付き通信端末の全体構成は、上述した第5の実施形態のエコーキャンセラ付き通信端末とほぼ同様であるため、ここでは、同一部材には同一記号を付してその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
本実施形態のエコーキャンセラ付き通信端末が第5の実施形態のエコーキャンセラ付き通信端末と異なるのは、新たに呼制御装置60と音声検出器61が設けられ、適応擬似通過伝達関数フィルタ51が適応擬似通過伝達関数フィルタ70に代わった点である。なお、呼制御装置60と音声検出器61は、第6の実施形態のエコーキャンセラ付き通信端末と同様である。
第7の実施形態は第5の実施形態を基本になされたもので、第5の実施形態に対する改善点は、第6の実施形態が第4の実施形態に対して改良した点と同様である。すなわち、ハイブリッドの接続先が図示しないPBXなどの場合のように、接続される度毎に電話機が異なる際に、近端話者が通話品質改善を意図して本発明端末装置12を操作しようとしても、本発明端末装置12を操作することができないことに鑑みてなされたものである。
たとえば、第5の実施形態においては、前述したように初期設置時などに一度だけ、適応擬似通過伝達関数フィルタ51を適応させれば、2回目以後は前回の呼接続で収束済みの適応擬似通過伝達関数フィルタ51を用いて適応フィルタ収束信号を除去して近端話者に聞こえないようにできた。しかし、PBXなどで毎回、呼接続の度に電話機が異なる状況では、もはや前回の収束済みの適応擬似通過伝達関数フィルタ51では、特性が異なるので用いることができない。さらに、第5の実施形態において、適応擬似通過伝達関数フィルタ51の収束を行うことは、場合によっては、次に説明するように、遠端話者の音声の一部を欠いてしまう可能性が第4の実施形態よりも大きくなってしまう。
第5の実施形態における問題点を以下に説明する。第5の実施形態では、遠端話者信号Xと適応フィルタ収束信号Refの混在信号を用いて適応フィルタ34を収束させるとともに、適応擬似通過伝達関数フィルタ51もまた、X3_ahとX5’_ahの2つのアナログ信号を加算した信号X5_telを残差信号として適応擬似通過伝達関数フィルタ51を収束させる方法(逐次アルゴリズムを用いる方法)を用いた。したがって、前述したように第5の実施形態では信号X5_telのパワーを最小にするように適応擬似通過伝達関数フィルタ51を収束する。つまり、遠端話者信号Xと適応フィルタ収束信号Refの混在信号とで行き過ぎた最小化が発生し、遠端話者の音声をもキャンセルし音声を劣化させる可能性がある。近端話者にとっては、遠端話者の音声が欠けたり、小さくなったりするような問題が発生する可能性がある。
本発明は第5の実施形態を基本にした構成の端末装置12を、PBXなどが介在する系に適用しても、このような問題が発生しないように改良したものである。
このため、呼制御装置60と音声検出器61と適応擬似通過伝達関数フィルタ70とを設けたものである。
[第7の実施形態のエコーキャンセル方法]
以下、図7を用いて第7の実施形態の動作を説明する。
第7の実施形態が第5の実施形態と異なるのは、適応擬似通過伝達関数フィルタ70の動作だけであるので、そのほかの部分に関してはここでは説明を省略する。また、呼制御装置60と音声検出器61については、第5の実施形態と同様である。
適応擬似通過伝達関数フィルタ70には音声検出器61の出力信号Vad_adp_okと呼制御装置60の出力信号Cnt_adp_okが入力されている。適応擬似通過伝達関数フィルタ70は、信号Vad_adp_okと信号Cnt_adp_okが入力されたときに限り、信号−Ref、信号X5_tel_dを用いて適応擬似通過伝達関数フィルタ70の収束を実行する。すなわち、X3_ah上に遠端話者音声信号成分がないときに限って適応擬似通過伝達関数フィルタ70の収束を実行する。
[第7の実施形態の効果]
以上により、第5の実施形態の効果に加え、電話機64と呼が接続されたときや、内線転送の発生があったときに、あらかじめ定めた一定時間で、かつ遠端話者信号が「音声なし」のときに限り、収束を行うようにしたので、適応擬似通過伝達関数フィルタ70が遠端音声パワーを最小化するように収束しない。その結果、PBXによる頻繁な電話機の変更によって、適応擬似通過伝達関数フィルタ70の特性を毎回収束する場合であっても、遠端話者の音声欠けを発生させることがなくなる。さらに、遠端話者の音声があるときには適応フィルタ収束信号は発生しないので、近端話者が適応フィルタ収束信号を聞くことによる違和感を軽減することができる。この結果、近端話者の疲労感を軽減し、通話品質を向上させることができる。

[第8の実施形態]
次に、本発明の第8の実施形態について説明する。
図8は本発明の第8の実施形態に係るエコーキャンセラ付き通信端末を示す概略構成図である。本実施形態のエコーキャンセラ付き通信端末の全体構成は、上述した第7の実施形態のエコーキャンセラ付き通信端末とほぼ同様であるため、ここでは、同一部材には同一記号を付してその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
本実施形態のエコーキャンセラ付き通信端末が第7の実施形態のエコーキャンセラ付き通信端末と異なるのは、双方向方通話検出器80を設け、適応擬似通過伝達関数フィルタ70の代わりに適応擬似通過伝達関数フィルタ81を設け、参照信号発生器62の代わりに参照信号発生器82を設け、適応フィルタ34の代わりに適応フィルタ83を設け、音声検出器61を無くした点である。そのほかの部分に関しては第7の実施形態と同じである。
双方向通話検出器80は、Sout8およびRin1の両方の音声検出を行う素子である。すなわち、遠端話者音声の検出だけでなく、近端話者音声の検出も行う素子である。この双方向通話検出器80は例えば、第7の実施形態における音声検出器61と共にもうひとつ別にSout8に接続して、Rin1と共にSout8からの入力で動作させることにより実現することができる。近端話者音声の検出と、遠端話者音声の検出ができる素子であればどのようなものであってもよい。
この双方向通話検出器80は、Sout8およびRin1を入力として下記の通話状態を検出する。
通話状態1:遠端話者音声あり(以下「レシーブトーク)という。)
通話状態2:近端話者音声あり(以下「センドトーク」という。)
通話状態3:近端話者音声あり、かつ、遠端話者音声あり(以下「ダブルトーク」という。)
通話状態4:両方とも音声なし(以下「無音」という。)
双方向通話検出器80は、無音のときだけ、適応擬似通過伝達関数フィルタ81と参照信号発生器82に対して収束許可信号dtd_adp_onを出力する。また、双方向通話検出器80はレシーブトーク及び無音のときだけ適応フィルタ83に適応フィルタ収束許可信号dtd_ec_adp_okを出力する。
参照信号発生器82は、双方向通話検出器80からの信号dtd_adp_onと呼制御装置60からの信号Cnt_adp_okとがあったときだけ、適応フィルタ83を収束するための信号Refを、適応フィルタ83、Rout2、位相反転器31に出力するための素子である。参照信号発生器82は、上記の条件以外の条件ではなにもしない。
適応擬似通過伝達関数フィルタ81は、双方向通話検出器80からの信号dtd_ec_adp_onと呼制御装置60からの信号Cnt_adp_okがあったときだけ係数の収束を行うための素子である。
[第8の実施形態のエコーキャンセル方法]
以上のように構成されたエコーキャンセラ付き通信端末は次のように動作する。なお。第8の実施形態が第7の実施形態と異なるのは、双方向通話検出器80、適応擬似通過伝達関数フィルタ81、参照信号発生器82、適応フィルタ83の動作だけであり、そのほかの部分に関しては第7実施形態と同じであるため、第7の実施形態と同じ部分に関してはここでは説明を省略する。
双方向通話検出器80の検出結果と適応擬似通過伝達関数フィルタ81の収束動作、適応フィルタ83の収束動作は下記のようになる。参照信号発生器82は、無音状態のときだけ適応フィルタ83を収束する信号Refを適応フィルタ83、Rout2、位相反転器31に出力する。適応擬似通過伝達関数フィルタ81も、無音状態のときだけ収束動作をする。適応フィルタ83は、無音状態のときだけでなく、レシーブトークのときにも収束動作をする。なお、適応フィルタ83は、これに限定せず、たとえばレシーブトークの時には収束を停止するよう動作させてもよい。
双方向通話検出器80の検出結果における各状態の動作をまとめると下記のようになる。
無音状態の時:
参照信号発生器82は、適応フィルタ83を収束する信号Refを適応フィルタ83、Rout2、位相反転器31に出力する。これにより、適応擬似通過伝達関数フィルタ81も適応フィルタ83も収束動作する。
レシーブトーク時:
レシーブトークのとき、参照信号発生器82はなにもしない。これにより、参照信号Refは出力されず、適応擬似通過伝達関数フィルタ81は収束動作をしない。参照信号を出力しない理由は第7の実施形態で説明したとおりである。本実施形態ではレシーブトークの時は適応フィルタ83は収束動作するようにした。なぜなら、レシーブトークのときは、適応フィルタ83にとっては参照信号Xが入手でき、Xに起因するエコーydが入手可能であり、適応フィルタ83の収束を行ってもかまわないからである。もちろんレシーブトーク時に適応フィルタ83の適応も停止し、双方向通話検出器80の判定結果が無音状態の時だけ収束動作するようにしてもかまわないのはもちろんである。
センドトーク時:
適応フィルタ83の収束は行わない。なぜなら、センドトーク時には、遠端信号Xが存在せず、遠端信号Xがないのだから消去すべきエコー信号ydも存在しないからである。参照信号発生器82も何もしない。したがって、適応擬似通過伝達関数フィルタ81も収束は行わない。もしも参照信号Refを発生し、通過伝達関数フィルタ81を収束させ始めると、X5_telには近端話者の送信音声が含まれることになる。結果、X5_telの最小化を行うと、今度は近端話者が遠端話者に対して送信する送信音声までも最小化(キャンセル)することになり不都合である。したがって、参照信号発生器82は何もしないし、適応擬似通過伝達関数フィルタ81は収束動作をしない。
ダブルトーク時:
近端話者音声、遠端話者音声の両方がある状態なので、第7の実施形態で説明したのと同様の理由により、適応擬似通過伝達関数フィルタ81は収束動作をしない。また、適応フィルタ83もydの中に遠端話者信号Xのエコーと近端話者の送信音声信号が混在するので、収束を行わない。もちろん参照信号発生器82は何もしない。

上記のように、双方向通話検出器80の検出結果に応じて、参照信号発生器82、適応フィルタ83、適応擬似通過伝達関数フィルタ81を動作させるようにしたので、たとえ図示しないPBX等の制御によって呼の接続転送などが発生しても、呼が確立するたびに自動的に適応擬似通過伝達関数フィルタ81を最適な特性に調整し、最適な期間で適応フィルタ83を収束させるための参照信号の出力を発生し、適応フィルタ83の収束には適度のレベル、十分な時間の参照信号で収束させる。これにより、遠端話者はエコーに煩わされることがなくなる。
近端話者信号があるときには適応フィルタ83の収束を停止するので、適応フィルタ83は、近端話者音声信号に乱されることなく、エコーに収束して精度よくエコーを除去し、適応擬似通過伝達関数フィルタ81によって、近端話者は無用の収束用ノイズ音を聞いて煩わされることなく、遠端話者から近端話者にとどく遠端話者の音声の一部が欠けることがない、良好な通話を実現できる。
[第8の実施形態の効果]
第7の実施形態に加えて、参照信号発生器82は無音のときだけ適応フィルタ83収束用信号を発生し、適応擬似通過伝達関数フィルタ81は参照信号があるときだけ収束動作するようにし、適応フィルタ83はレシーブトークのときと、無音のときだけ収束動作するようにしたので、適応フィルタ83を十分なレベルの信号で十分な時間だけ収束させることができるようになる。
また、適応擬似通過伝達関数フィルタ81は遠端音声を過度にキャンセルしないので、遠端話者の音声が欠けることもなくなる。
適応擬似通過伝達関数フィルタ81が近端話者方向にもれ出る適応フィルタ83の収束用参照信号をキャンセルするようにしたので、近端話者も無用のノイズを聞いて煩わされることがなくなる。
この結果、良好な通話を実現できるエコーキャンセラ付端末装置を提供できる。
[変形例]
上記第1〜第8の実施形態では、一般的な電話機に接続する端末装置を例にして説明したが、近年普及しているIP電話向けの端末装置等にも適用が可能である。
この場合も、上記各実施形態同様の作用、効果を奏することができる。
本発明の第1の実施形態に係るエコーキャンセラ付き通信端末を示す概略構成図である。 本発明の第2の実施形態に係るエコーキャンセラ付き通信端末を示す概略構成図である。 本発明の第3の実施形態に係るエコーキャンセラ付き通信端末を示す概略構成図である。 本発明の第4の実施形態に係るエコーキャンセラ付き通信端末を示す概略構成図である。 本発明の第5の実施形態に係るエコーキャンセラ付き通信端末を示す概略構成図である。 本発明の第6の実施形態に係るエコーキャンセラ付き通信端末を示す概略構成図である。 本発明の第7の実施形態に係るエコーキャンセラ付き通信端末を示す概略構成図である。 本発明の第8の実施形態に係るエコーキャンセラ付き通信端末を示す概略構成図である。 従来のエコーキャンセラ付き通信端末を示す概略構成図である。
符号の説明
1:受信入力端子Rin、2:受信出力端子Rout、3:ディジタルアナログ変換器、4:ハイブリッド、5−1:電話機、5−2:擬似電話機Ztel、5−3:電話機、6:アナログ−ディジタル変換器、7:送信入力端子Sin、8:送信出力端子Sout、10:位相反転器、11:擬似ハイブリッド、12:エコーキャンセラ付き通信端末装置、20:位相反転器21:ディジタル−アナログ変換器、30:参照信号発生器、31:位相反転器、32:D/A、33:擬似通過伝達関数演算器、34:適応フィルタ、35:加算器、40:擬似通過伝達関数フィルタ、50:A/D、51:適応擬似通過伝達関数フィルタ、54:電話機、60:呼制御装置、61:音声検出器、62:参照信号発生器、64:電話機。

Claims (20)

  1. 通信中のエコーを除去するエコーキャンセラ付き通信端末において、
    真のエコーを発生する回路と同じ又はほぼ同じ特性を有し、真のエコーと位相が反対で真のエコーを相殺するための疑似エコーを作る疑似回路を備えたことを特徴とするエコーキャンセラ付き通信端末。
  2. 請求項1に記載のエコーキャンセラ付き通信端末において、
    上記疑似回路が、信号の位相を反転させる位相反転器と、真のエコーと特性が同じ又はほぼ同じ疑似エコーを作成する擬似ハイブリッド及び擬似電話機とを備えて構成されたことを特徴とするエコーキャンセラ付き通信端末。
  3. 請求項1又は2に記載のエコーキャンセラ付き通信端末であって、
    装置本体と近端話者電話機とが一体的に設けられたことを特徴とするエコーキャンセラ付き通信端末。
  4. 請求項2又は3に記載のエコーキャンセラ付き通信端末であって、
    上記位相反転器が、上記信号がディジタル状態のときにその位相を反転させるディジタル信号位相反転器で構成されたことを特徴とするエコーキャンセラ付き通信端末。
  5. 請求項1に記載のエコーキャンセラ付き通信端末において、
    上記疑似回路が、ハイブリッドの通過伝達関数を模擬する擬似通過伝達関数演算器を備えて構成されたことを特徴とするエコーキャンセラ付き通信端末。
  6. 請求項1に記載のエコーキャンセラ付き通信端末において、
    上記疑似回路が、ハイブリッドの通過伝達関数を模擬する擬似通過伝達関数フィルタを備えて構成されたことを特徴とするエコーキャンセラ付き通信端末。
  7. 請求項1に記載のエコーキャンセラ付き通信端末において、
    上記疑似回路が、擬似ハイブリッド通過信号を作成する適応擬似通過伝達関数フィルタを備えて構成されたことを特徴とするエコーキャンセラ付き通信端末。
  8. 請求項5ないし7のいずれか1項に記載のエコーキャンセラ付き通信端末において、
    上記信号がディジタル状態のときにその位相を反転させるディジタル信号位相反転器と、
    適応フィルタ収束用信号を出力する参照信号発生器とを備えたことを特徴とするエコーキャンセラ付き通信端末。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載のエコーキャンセラ付き通信端末において、
    電話機と呼が接続されたとき又は内線転送の発生があったときに、あらかじめ定めた一定時間だけ、適応フィルタ収束用信号の出力を許可する信号を出力する呼制御装置と、
    遠端話者信号が「音声なし」のときだけ適応フィルタ収束用信号の出力を促す信号を出力する音声検出器と、
    上記呼制御装置及び音声検出器からの信号の両方があるときに限り、適応フィルタ収束用信号を出力する参照信号発生器とを備え、
    音声なしの一定期間に限定して適応フィルタ収束用信号を発生させることを特徴とするエコーキャンセラ付き通信端末。
  10. 請求項9に記載のエコーキャンセラ付き通信端末において、
    上記参照信号発生器からの出力信号の位相を反転させる位相反転器と、ハイブリッドの通過伝達関数を模擬した擬似通過伝達関数を複数保存した擬似通過伝達関数フィルタとを備え、
    上記呼制御装置が、上記位相反転器の出力が上記擬似通過伝達関数フィルタに出力される以前に、当該擬似通過伝達関数フィルタに保存した複数の擬似通過伝達関数のうちから最適な1個を選択することを特徴とするエコーキャンセラ付き通信端末。
  11. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載のエコーキャンセラ付き通信端末において、
    電話機と呼が接続されたとき又は内線転送の発生があったときに、あらかじめ定めた一定時間だけ、収束用信号の出力を許可する信号を出力する呼制御装置と、
    遠端話者信号が「音声なし」のときだけ適応フィルタ収束用信号の出力を促す信号を出力する音声検出器と、
    上記呼制御装置及び音声検出器からの信号の両方があるときに限り収束を行う適応擬似通過伝達関数フィルタとを備え、
    音声なしの一定期間に限定して収束を行うことを特徴とするエコーキャンセラ付き通信端末。
  12. 請求項9ないし11のいずれか1項に記載のエコーキャンセラ付き通信端末において、
    上記音声検出器に代えて、遠端話者音声ありの状態である「レシーブトーク」、近端話者音声ありの状態である「センドトーク」、近端話者音声ありで、かつ、遠端話者音声ありの状態である「ダブルトーク」及び両方とも音声なしの状態である「無音」を検出する双方向通話検出器を備え、
    当該双方向通話検出器の検出結果が無音のとき又はレシーブトークのとき上記参照信号発生器に適応フィルタ収束用信号を発生させ、
    当該参照信号発生器からの信号があるときだけ上記適応擬似通過伝達関数フィルタに収束動作させることを特徴とするエコーキャンセラ付き通信端末。
  13. 通信中のエコーを除去する通信端末のエコーキャンセル方法において、
    真のエコーを発生する回路と同じ又はほぼ同じ特性を有し、真のエコーと位相が反対の疑似エコーを作り、真のエコーを相殺することを特徴とする通信端末のエコーキャンセル方法。
  14. 請求項13に記載の通信端末のエコーキャンセル方法において、
    擬似ハイブリッド及び擬似電話機を用いて、真のエコーと特性が同じ又はほぼ同じで位相が反対の疑似エコーを作成することを特徴とする通信端末のエコーキャンセル方法。
  15. 請求項13に記載の通信端末のエコーキャンセル方法において、
    擬似通過伝達関数演算器、擬似通過伝達関数フィルタまたは適応擬似通過伝達関数フィルタを用いて疑似エコーを作成することを特徴とする通信端末のエコーキャンセル方法。
  16. 請求項13ないし15のいずれか1項に記載の通信端末のエコーキャンセル方法において、
    信号がディジタル状態のときにその位相を反転させることを特徴とする通信端末のエコーキャンセル方法。
  17. 請求項13ないし16のいずれか1項に記載の通信端末のエコーキャンセル方法において、
    電話機と呼が接続されたとき又は内線転送の発生があったときに、あらかじめ定めた一定時間だけ出力される、適応フィルタ収束用信号の出力を許可する信号と、遠端話者信号が「音声なし」のときだけ出力される、適応フィルタ収束用信号の出力を促す信号との両方があるときに限り、適応フィルタ収束用信号を出力して、
    音声なしの一定期間に限定して適応フィルタ収束用信号を発生させることを特徴とする通信端末のエコーキャンセル方法。
  18. 請求項13ないし17のいずれか1項に記載の通信端末のエコーキャンセル方法において、
    位相反転器の出力が擬似通過伝達関数フィルタに出力される以前に、呼制御装置が上記擬似通過伝達関数フィルタに保存した複数の擬似通過伝達関数のうちから最適な1個を選択することを特徴とする通信端末のエコーキャンセル方法。
  19. 請求項13ないし18のいずれか1項に記載の通信端末のエコーキャンセル方法において、
    電話機と呼が接続されたとき又は内線転送の発生があったときに、あらかじめ定めた一定時間だけ出力される、適応フィルタ収束用信号の出力を許可する信号と、遠端話者信号が「音声なし」のときだけ出力される、適応フィルタ収束用信号の出力を促す信号との両方があるときに限り、適応擬似通過伝達関数フィルタで収束を行い、
    音声なしの一定期間に限定して収束を行うことを特徴とする通信端末のエコーキャンセル方法。
  20. 請求項17ないし19のいずれか1項に記載の通信端末のエコーキャンセル方法において、
    遠端話者音声ありの状態である「レシーブトーク」、近端話者音声ありの状態である「センドトーク」、近端話者音声ありで、かつ、遠端話者音声ありの状態である「ダブルトーク」及び両方とも音声なしの状態である「無音」を検出する双方向通話検出器を用いて、
    当該双方向通話検出器の検出結果が無音のとき又はレシーブトークのときに収束動作を行わせることを特徴とする通信端末のエコーキャンセル方法。
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