JP2006077129A - アルカリ脱膜性に優れた皮膜を形成可能な水性被覆組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 耐水性などの塗膜性能が良好で、プレス成形性に優れ、しかもアルカリによって容易に脱膜することのできる被膜を形成することのできる水性被覆用組成物を提供すること。
【解決手段】 (A)ポリビニルアルコール、(B)高酸価アクリル樹脂及び(C)潤滑剤を含有してなる被覆用組成物であって、ポリビニルアルコール(A)の鹸化度が90モル%以上及び平均重合度が250〜3,000の範囲内であり、高酸価アクリル樹脂(B)が、酸価300mgKOH/g以上及び重量平均分子量が3,000〜300,000の範囲内であり、ポリビニルアルコール(A)とカルボキシル基含有アクリル樹脂(B)との固形分重量比が80/20〜20/80の範囲内であることを特徴とするアルカリ脱膜性に優れた水性被覆用組成物。
【選択図】なし
【解決手段】 (A)ポリビニルアルコール、(B)高酸価アクリル樹脂及び(C)潤滑剤を含有してなる被覆用組成物であって、ポリビニルアルコール(A)の鹸化度が90モル%以上及び平均重合度が250〜3,000の範囲内であり、高酸価アクリル樹脂(B)が、酸価300mgKOH/g以上及び重量平均分子量が3,000〜300,000の範囲内であり、ポリビニルアルコール(A)とカルボキシル基含有アクリル樹脂(B)との固形分重量比が80/20〜20/80の範囲内であることを特徴とするアルカリ脱膜性に優れた水性被覆用組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、アルカリ脱膜性に優れた皮膜を形成可能な水性被覆組成物に関するものであり、該水性被覆組成物を塗布してなる樹脂被覆金属板に関するものである。
従来、プレス加工されてなる金属製品は、金属板にプレス油などの潤滑剤を塗布した後、プレス成型機にかけられて成型され、その後プレス油を洗浄して落とした後、必要に応じて塗料が塗装されて製品となる。しかしながら、この洗浄工程で排出される潤滑剤や洗浄剤が環境を汚染するということで問題となり、プレス油を必要としない塗装鋼板の需要が高まっている。
塗装鋼板をそのまま用いるような製品の場合には、上記方法が効果があるが、ステンレス板やアルミニウム板といった素材の外観を生かした製品に利用する場合には、塗装塗膜が邪魔となる。
そこで、金属板上に塩ビ等の軟質な被膜を塗装又はラミネートすることにより形成し、プレス成型後に該被膜を剥離するという手法が多く用いられている。しかしながらこのような被膜は、後で剥ぎ取り易いように、軟質な膜で且つ素材との付着性がそれほど無いものを選択しているため、厳しい加工にあっては、プレス成型時に膜が破れたり傷ついたりして素材金属にも悪影響を及ぼすという問題があり、また、人手をかけて被膜を剥す必要があるため、コストがかかるという問題がある。
これらの問題を解決するため、上記のような一次保護膜の成分としてアルカリ可溶樹脂を用い、成型加工後にアルカリ水溶液に浸漬して溶解、剥離する方法が開発されてきた(例えば、特許文献1、特許文献2等参照。)。
特許文献1は、特定のアルカリ可溶性樹脂、シランカップリング剤および金属石鹸を組合わせるものであるが、シランカップリング剤が高価であることから、通常の用途には使用しづらい。
一方、特許文献2には、水溶性カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、水溶性潤滑剤及び水からなるアルカリ脱膜型水性潤滑組成物が開示されている。このものを塗装した金属板のアルカリ脱膜性は良好であるが、素地との密着性が十分とはいえず、耐水性等にも問題がある。
本発明の目的は、耐水性などの塗膜性能が良好で、プレス成形性に優れ、しかもアルカリによって容易に脱膜することのできる被膜を形成することのできる水性被覆用組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、特定のポリビニルアルコール、特定の高酸価アクリル樹脂及び潤滑剤を含有してなる水性被覆用組成物をアルミニウム板、ステンレス板等の金属板に塗布した塗装金属板が、塗膜性能良好で、プレス成形性に優れ、しかもアルカリによって容易に脱膜することを見出し本発明を完成するに至った。
かくして本発明は、(A)ポリビニルアルコール、(B)高酸価アクリル樹脂及び(C)潤滑剤を含有してなる被覆用組成物であって、ポリビニルアルコール(A)の鹸化度が90モル%以上及び平均重合度が250〜3,000の範囲内であり、高酸価アクリル樹脂(B)が、酸価300mgKOH/g以上及び重量平均分子量が3,000〜300,000の範囲内であり、ポリビニルアルコール(A)とカルボキシル基含有アクリル樹脂(B)との固形分重量比が80/20〜20/80の範囲内であることを特徴とするアルカリ脱膜性に優れた水性被覆用組成物に関する。
また、本発明は、上記水性被覆用組成物による皮膜がアルミニウム板、ステンレス板又はアルミニウム・亜鉛合金メッキ鋼板上に乾燥膜厚1〜5μmになるように形成されてなることを特徴とする樹脂被覆金属板に関する。
本発明の水性被覆用組成物は、ポリビニルアルコール(A)、高酸価アクリル樹脂(B)及び潤滑剤(C)を含有してなるものであり、アルミニウム板、ステンレス板、アルミニウム・亜鉛合金メッキ鋼板等の高級感のある表面を有する金属素材上に塗布、乾燥して金属板上に被膜を形成することで、該金属板が加工される前の一次防錆の役割を持ち、プレス加工時にはプレス油を塗布しなくても加工でき、且つアルカリによって該被膜が容易に脱膜するものであり、金属素地を生かした製品の保護に極めて有用なものである。
本発明の水性被覆用組成物は、ポリビニルアルコール(A)、高酸価アクリル樹脂(B)及び潤滑剤(C)を含有してなるものである。
ポリビニルアルコール(A)
本発明組成物における(A)成分であるポリビニルアルコールは、造膜成分としての役割を果たすとともに分子中に二級水酸基が多量に存在するため水との親和性に富むものであり、鹸化度が90モル%以上、なかでも鹸化度98%以上の、いわゆる完全鹸化ポリビニルアルコールといわれるものであることが特に好ましく、また平均重合度が250〜3,000、特に300〜2,500の範囲内にあることが好ましい。なお、ポリビニルアルコールの平均重合度はJIS K6726により求められるものである。
本発明組成物における(A)成分であるポリビニルアルコールは、造膜成分としての役割を果たすとともに分子中に二級水酸基が多量に存在するため水との親和性に富むものであり、鹸化度が90モル%以上、なかでも鹸化度98%以上の、いわゆる完全鹸化ポリビニルアルコールといわれるものであることが特に好ましく、また平均重合度が250〜3,000、特に300〜2,500の範囲内にあることが好ましい。なお、ポリビニルアルコールの平均重合度はJIS K6726により求められるものである。
また、ポリビニルアルコール(A)は、他の有機化合物と反応させたいわゆる変性ポリビニルアルコール(例えば、アクリルアミド、不飽和カルボン酸、スルホン酸モノマー、カチオン性モノマー、不飽和シランモノマーなどとの共重合物)も使用することができる。
高酸価アクリル樹脂(B)
本発明組成物における(B)成分である高酸価アクリル樹脂は、カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーの単独重合体、又は該カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーとその他モノマーとの共重合体であり、樹脂酸価が300mgKOH/g以上、好ましくは500〜800mgKOH/gの範囲内にあるものであって、通常、重量平均分子量が3,000〜300,000、好ましくは4,000〜100,000の範囲内にあることが好適である。なお、本発明において、分子量は、標準試料にポリスチレンを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフ法により求められる分子量である。
本発明組成物における(B)成分である高酸価アクリル樹脂は、カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーの単独重合体、又は該カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーとその他モノマーとの共重合体であり、樹脂酸価が300mgKOH/g以上、好ましくは500〜800mgKOH/gの範囲内にあるものであって、通常、重量平均分子量が3,000〜300,000、好ましくは4,000〜100,000の範囲内にあることが好適である。なお、本発明において、分子量は、標準試料にポリスチレンを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフ法により求められる分子量である。
上記カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーとしては、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸などを挙げることができる。これらは一種で又は2種以上を組合せて使用することができる。
上記アクリル樹脂が共重合体である場合に、上記カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーと共重合されるその他モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート等のC1〜24アルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及びポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の、多価アルコールとアクリル酸又はメタクリル酸とのモノエステル化物;上記多価アルコールとアクリル酸又はメタクリル酸とのモノエステル化物にε-カプロラクトンを開環重合した化合物などの水酸基含有モノマー;スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニルなどが挙げられる。これらの化合物は、1種で、又は2種以上を組合せて使用することができる。本発明において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタアクリレートを意味する。
高酸価アクリル樹脂(B)としては、なかでもポリアクリル酸が好適である。
高酸価アクリル樹脂(B)の配合量は、ポリビニルアルコール(A)と高酸価アクリル樹脂(B)との固形分重量比が(A)/(B)=80/20〜20/80、特に70/30〜30/70の範囲内がアルカリ可溶性の点で好ましく、さらに、高酸価アクリル樹脂(B)のカルボキシル基の20〜80%、特に30〜80%を塩基性化合物によって中和されてなるものであることがアルカリ可溶性の点で好ましい。
上記塩基性化合物としては、従来から公知のものが使用でき、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物;アンモニア;エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ベンジルアミン等の第1級モノアミン;ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、ジエチレントリアミン、エチルアミノエチルアミン、メチルアミノプロピルアミン等のアルキルアミン類;モノエタノールアミン、ネオペンタノールアミン、2−アミノプロパノール、ジエタノールアミン、ジ−n−プロパノールアミン、ジ−iso−プロパノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール等のアルカノールアミン類等が挙げられる。
潤滑剤(C)
本発明の水性被覆用組成物の(C)成分である潤滑剤を、水性被覆用組成物に添加することにより、プレス成形性は格段に向上する。また、潤滑剤無添加の水性被覆用組成物と比較し、より低膜厚で良好なプレス成形性が得られる。
本発明の水性被覆用組成物の(C)成分である潤滑剤を、水性被覆用組成物に添加することにより、プレス成形性は格段に向上する。また、潤滑剤無添加の水性被覆用組成物と比較し、より低膜厚で良好なプレス成形性が得られる。
潤滑剤としては、フッ素樹脂微粉末(例えば、四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂、四フッ化エチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合樹脂、四フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂等の微粉末)、ポリオレフィンワックス(例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等)、1つの粒子中にポリオレフィンとフッ素樹脂とが混在して含まれる潤滑剤、グラファイト、窒化ホウ素、フッ化カーボンの中から選ばれる少なくとも1種の潤滑剤を用いることが好ましい。特に、ポリオレフィンワックスとフッ素樹脂微粉末とを複合添加することにより、潤滑性は格段に向上する。
上記ポリオレフィンワックスとしては、チーグラー系触媒を用いる配位アニオン重合法により製造されたものを用いることが好ましいが、その中でも特に、ポリエチレンワックスが最も潤滑性に優れているため好ましい。また、ポリエチレンワックスの中でも、数平均分子量700〜4500及び軟化点100〜140℃のものが特に優れた潤滑性を示し、さらに数平均分子量1000〜3500及び軟化点110〜130℃のものが最も優れた潤滑性を示す。
潤滑剤(C)の添加量は、ポリビニルアルコール(A)と高酸価アクリル樹脂(B)との合計固形分量100重量部に対して0.5〜20重量部、特に1〜10重量部の範囲内が高度なプレス成形性及び成膜性の観点から好ましい。
着色剤(D)
本発明の水性被覆用組成物は、上記ポリビニルアルコール(A)、高酸価アクリル樹脂(B)及び潤滑剤(C)を必須成分としてなるものであるが、さらに、着色剤(D)を含有していることが望ましい。本発明の水性被覆用組成物を塗布して得られる被膜に色を付けることで、金属素材上に膜が良好に形成されているかどうかを確認できるだけでなく、アルカリ脱膜処理において被膜が完全に脱膜しているかどうかを目視で確認することができる。
本発明の水性被覆用組成物は、上記ポリビニルアルコール(A)、高酸価アクリル樹脂(B)及び潤滑剤(C)を必須成分としてなるものであるが、さらに、着色剤(D)を含有していることが望ましい。本発明の水性被覆用組成物を塗布して得られる被膜に色を付けることで、金属素材上に膜が良好に形成されているかどうかを確認できるだけでなく、アルカリ脱膜処理において被膜が完全に脱膜しているかどうかを目視で確認することができる。
着色剤(D)としては、特に耐侯性を必要としないため、従来から塗料やインク等に用いられている顔料や染料を特に限定なく用いることができる。
着色顔料としては、酸化チタン、亜鉛華、鉛白、塩基性硫酸鉛、硫酸鉛、リトポン、硫化亜鉛、アンチモン白などの白色顔料;カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、鉄黒、アニリンブラックなどの黒色顔料;ナフトールエローS、ハンザエロー、ピグメントエローL、ベンジジンエロー、パーマネントエローなどの黄色顔料;クロムオレンジ、クロムバーミリオン、パーマネントオレンジなどの橙色顔料;酸化鉄、アンバーなどの褐色顔料;ベンガラ、鉛丹、パーマネントレッド、キナクリドン系赤顔料などの赤色顔料;コバルト紫、ファストバイオレット、メチルバイオレットレーキなどの紫色顔料、群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、インジゴなどの青色顔料;クロムグリーン、ピグメントグリーンB、フタロシアニングリーンなどの緑色顔料などが挙げられる。
また、染料としては、例えば、
I.アゾ系染料として、1)酸性染料(例えば、ORANGE II など)、2)酸性媒染染料(例えば、CHROME BLACK RCなど)、3)直接染料(例えば、ダイレクトブルーBBなど)、4)含金錯塩染料(例えば、SOLVENT RED 8 、VALI FAST RED 3304およびVALI FAST RED 3320など)、5)塩基性染料(例えば、クリソイジンなど)、6)分散染料(例えば、キリトンファーストオレンジGRなど)、7)アゾイック染料(例えば、ファーストオレンジGなどのファーストカラーソルト系、ナフトールASなどのナフトール系など)、8)ピラゾロン染料(キシレンファーストエロー2G)など、
II.アントラキノン系染料として、1)媒染染料(例えば、アリザリンなど)、2)酸性媒染染料(例えば、アリザリンレッドSなど)、3)酸性染料(例えば、アリザリンイリゾールRなど)、4)分散染料(例えば、セリトンファーストブルーFFRなど)、5)建染染料(例えば、インダスレンブルーRSNなど)など、
III.インジゴイド染料として、例えばインジゴなどのインジゴイド染料、
IV.カーボニウム染料として、1)ジフェニルメタン染料(例えば、オーラミンなど)、2)トリフェニルメタン染料(例えば、マラカイトグリーンなど)、3)キサンテン染料(例えば、ローダミンBなど)、
V.キノンイミン染料として、1)アジン染料(例えば、サフラニンTなど)、
VI.フタロシアニン染料、
VII.反応性染料として、例えばプロシオンブリリアントレッド2BSなどがあげられる。
I.アゾ系染料として、1)酸性染料(例えば、ORANGE II など)、2)酸性媒染染料(例えば、CHROME BLACK RCなど)、3)直接染料(例えば、ダイレクトブルーBBなど)、4)含金錯塩染料(例えば、SOLVENT RED 8 、VALI FAST RED 3304およびVALI FAST RED 3320など)、5)塩基性染料(例えば、クリソイジンなど)、6)分散染料(例えば、キリトンファーストオレンジGRなど)、7)アゾイック染料(例えば、ファーストオレンジGなどのファーストカラーソルト系、ナフトールASなどのナフトール系など)、8)ピラゾロン染料(キシレンファーストエロー2G)など、
II.アントラキノン系染料として、1)媒染染料(例えば、アリザリンなど)、2)酸性媒染染料(例えば、アリザリンレッドSなど)、3)酸性染料(例えば、アリザリンイリゾールRなど)、4)分散染料(例えば、セリトンファーストブルーFFRなど)、5)建染染料(例えば、インダスレンブルーRSNなど)など、
III.インジゴイド染料として、例えばインジゴなどのインジゴイド染料、
IV.カーボニウム染料として、1)ジフェニルメタン染料(例えば、オーラミンなど)、2)トリフェニルメタン染料(例えば、マラカイトグリーンなど)、3)キサンテン染料(例えば、ローダミンBなど)、
V.キノンイミン染料として、1)アジン染料(例えば、サフラニンTなど)、
VI.フタロシアニン染料、
VII.反応性染料として、例えばプロシオンブリリアントレッド2BSなどがあげられる。
これらは、1種もしくは2種以上併用できる。
着色剤(D)の添加量としては、ポリビニルアルコール(A)と高酸価アクリル樹脂(B)との合計固形分量100重量部に対して0.1〜20重量部、特に0.2〜10重量部程度が好ましく、膜に色が付いていることがわかる程度でよい。
本発明の水性被覆用組成物には、さらに必要に応じて、例えば、上記した成分以外に、上記した成分以外の有機樹脂、増粘剤、界面活性剤、防菌剤、防錆剤(タンニン酸、フィチン酸、ベンゾトリアゾールなど)、体質顔料、防錆顔料などを含有することができる。
上記した成分以外の有機樹脂としては、例えば、ポリ(N−ビニルアセトアミド)、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、水溶性ナイロン、酸化デンプン、デキストリン、カルボキシメチルデンプン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルデンプン、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどを挙げることができ、添加量としては、ポリビニルアルコール(A)と高酸価アクリル樹脂(B)との合計固形分量100重量部に対して1〜20重量部程度であり、添加量が多過ぎるとアルカリ脱膜性が低下する。
また、本発明の水性被覆用組成物は、必要に応じて、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール系、プロピレングリコール系等の親水性溶剤で希釈して使用することができる。
樹脂被覆金属板
本発明の水性被覆用組成物を金属板上に塗布し、乾燥させることによりアルカリ脱膜性に優れた樹脂被覆金属板を得ることができる。
本発明の水性被覆用組成物を金属板上に塗布し、乾燥させることによりアルカリ脱膜性に優れた樹脂被覆金属板を得ることができる。
上記金属板としては、冷延鋼板、亜鉛系めっき鋼板、アルミニウム系めっき鋼板、アルミニウム板、ステンレス鋼板、銅板、銅めっき鋼板、錫めっき鋼板等が挙げられる。中でも特にアルミニウム板、ステンレス鋼板、55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板(商品名「ガルバリウム」等)など高級感のある表面を有する金属素材に好適である。
本発明の水性被覆用組成物の塗布膜厚は、乾燥膜厚で1〜5μm、好ましくは1.5〜4μm程度が経済的で、十分な耐水性やプレス成型性が得られる。また、塗装後の乾燥は素材最高到達温度(PMT)が100〜230℃、特に150〜200℃になるようにして10秒間〜30分間程度である。
水性被覆用組成物の塗装は、ロール塗装、カーテン塗装、スプレー塗装、浸漬塗装等通常金属板の塗装に用いられるものであれば特に限定はない。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。なお、以下、「部」及び「%」はいずれも重量基準によるものとする。
ポリビニルアルコール
実施例及び比較例の水性被覆用組成物に使用したポリビニルアルコールは、下記表1に示す内容のものである。
実施例及び比較例の水性被覆用組成物に使用したポリビニルアルコールは、下記表1に示す内容のものである。
カルボキシル基含有アクリル樹脂
実施例及び比較例の水性被覆用組成物に使用したカルボキシル基含有アクリル樹脂はアクリル酸を主体に酸価を変動させるためメチルメタクリレートを共重合してなるものであり、下記表2に示す数平均分子量及び酸価に調整されたものである。
実施例及び比較例の水性被覆用組成物に使用したカルボキシル基含有アクリル樹脂はアクリル酸を主体に酸価を変動させるためメチルメタクリレートを共重合してなるものであり、下記表2に示す数平均分子量及び酸価に調整されたものである。
水性被覆用組成物の作成及び評価
実施例1〜17及び比較例1〜15
後記表3及び表4に示す配合に従って、各水性被覆用組成物を作成した。なお、表3及び表4に示す配合は固形分重量比で示した。また、脱イオン水によりバーコーターで塗装できる粘度に調整した。
実施例1〜17及び比較例1〜15
後記表3及び表4に示す配合に従って、各水性被覆用組成物を作成した。なお、表3及び表4に示す配合は固形分重量比で示した。また、脱イオン水によりバーコーターで塗装できる粘度に調整した。
上記で得られた各水性被覆用組成物を0.5mmアルミニウム板にバーコーターにて乾燥膜厚約2μmになるようにして塗装した後、素材最高到達温度(PMT)が120℃になるようにして20秒間焼付けを行ない各試験塗板を得た。得られた各試験塗板について下記試験方法に基いて塗膜性能試験を行なった。得られた結果を後記表3及び4に示す。
耐水性:試験塗板を20℃の水中に24時間浸漬した後取り出して、塗膜の外観を目視で、下記基準で評価した。
◎:塗膜の剥離がなく、塗膜の色の変化もない。
○:塗膜の剥離はないが、塗膜が白濁している。
△:塗膜の一部剥離し、塗膜が白濁している。
×:塗膜が全面剥離している。
◎:塗膜の剥離がなく、塗膜の色の変化もない。
○:塗膜の剥離はないが、塗膜が白濁している。
△:塗膜の一部剥離し、塗膜が白濁している。
×:塗膜が全面剥離している。
絞り加工性:試験塗板をエリクセン社製の金属薄板深絞り試験器142型を使用し、下記条件でカップ絞り試験を行なった。
・シートホルダー圧:1000Kg
・ポンチ径:50mm
・ブランク径:110mm
・絞り速度:10mm/sec
絞り試験で得られたカップの表側側面を目視で観察し、下記基準で評価した。
◎:塗膜にすり傷が全く認めらない。
○:塗膜に微小のすり傷が認められる。
△:塗膜に多くのすり傷が認められる。
×:塗膜の全面にすり傷が認められるか、試験塗板の一部が破断している。
・シートホルダー圧:1000Kg
・ポンチ径:50mm
・ブランク径:110mm
・絞り速度:10mm/sec
絞り試験で得られたカップの表側側面を目視で観察し、下記基準で評価した。
◎:塗膜にすり傷が全く認めらない。
○:塗膜に微小のすり傷が認められる。
△:塗膜に多くのすり傷が認められる。
×:塗膜の全面にすり傷が認められるか、試験塗板の一部が破断している。
アルカリ脱膜性:50℃に加温したpH12の水酸化ナトリウム水溶液に試験塗板を30秒間浸漬した後、取り出して脱膜状態を目視で下記基準により評価した。
◎:塗板全面がきれいに脱膜している。
○:塗板の全面積の1%未満に塗膜が残存している。
△:塗板の全面積の1%以上で10%未満に塗膜が残存している。
×:塗板の全面積の10%以上に塗膜が残存している。
◎:塗板全面がきれいに脱膜している。
○:塗板の全面積の1%未満に塗膜が残存している。
△:塗板の全面積の1%以上で10%未満に塗膜が残存している。
×:塗板の全面積の10%以上に塗膜が残存している。
Claims (6)
- (A)ポリビニルアルコール、(B)高酸価アクリル樹脂及び(C)潤滑剤を含有してなる被覆用組成物であって、ポリビニルアルコール(A)の鹸化度が90モル%以上及び平均重合度が250〜3,000の範囲内であり、高酸価アクリル樹脂(B)が、酸価300mgKOH/g以上及び重量平均分子量が3,000〜300,000の範囲内であり、ポリビニルアルコール(A)とカルボキシル基含有アクリル樹脂(B)との固形分重量比が80/20〜20/80の範囲内であることを特徴とするアルカリ脱膜性に優れた水性被覆用組成物。
- 高酸価アクリル樹脂(B)が、ポリアクリル酸である請求項1に記載の水性被覆用組成物。
- 高酸価アクリル樹脂(B)が、該樹脂中のカルボキシル基の20〜80%を塩基性化合物によって中和されてなるものである請求項1又は2に記載の水性被覆用組成物。
- 潤滑剤(C)の含有量が、ポリビニルアルコール(A)とカルボキシル基含有アクリル樹脂(B)との合計固形分量100重量部に対して0.5〜20重量部の範囲内である請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性被覆用組成物。
- さらに、着色剤(D)を含有してなる請求項1〜4のいずれか一項に記載の水性被覆用組成物。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の水性被覆用組成物による皮膜がアルミニウム板、ステンレス板又はアルミニウム・亜鉛合金メッキ鋼板上に乾燥膜厚1〜5μmになるように形成されてなることを特徴とする樹脂被覆金属板。
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JP2004262800A JP2006077129A (ja) | 2004-09-09 | 2004-09-09 | アルカリ脱膜性に優れた皮膜を形成可能な水性被覆組成物 |
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- 2004-09-09 JP JP2004262800A patent/JP2006077129A/ja active Pending
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JP4615487B2 (ja) * | 2006-07-20 | 2011-01-19 | 日新製鋼株式会社 | 加工部の皮膜密着性に優れた樹脂被覆ステンレス鋼板 |
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