JP2006063288A - 感光性樹脂組成物、光導波路およびその製造方法 - Google Patents

感光性樹脂組成物、光導波路およびその製造方法 Download PDF

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幸勇 前田
Yuuichi Eriyama
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Abstract

【課題】可視光領域の光を伝送する場合であっても導波路損失の少ない光導波路を形成することのできる感光性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)下記一般式(1)で表される構造を有する共重合体、
【化1】
Figure 2006063288

[式中、R、R、Rは各々独立して水素原子または炭素数1〜12のアルキル基、Xはカルボキシル基を有する基、Yは重合性反応基を有する基、ZはXおよびY以外の有機基であり、l、n、mは各々、0ではない繰り返し単位数を示す。]
(B)分子中に2個以上の重合性反応基を有する化合物、および(C)光重合開始剤を含有し、かつ、成分(C)の含有率が0.01〜0.3質量%である感光性樹脂組成物。該感光性樹脂組成物は、光導波路24を構成するコア部分20及びクラッド層12,22の材料となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光導波路用の感光性樹脂組成物、特に、可視光領域の光に対する伝送特性に優れた光導波路を形成するための感光性樹脂組成物に関する。
マルチメディア時代を迎え、光通信システムやコンピュータにおける情報処理の大容量化および高速化の要求から、光の伝送媒体として光導波路が注目されている。従来の光導波路の代表例である石英系光導波路は、一般に、以下の工程(1)〜(3)により製造されている。
(1)シリコン基板上に、火炎堆積法(FHD)やCVD法等の手法によって、ガラス膜からなる下部クラッド層を形成する。
(2)下部クラッド層上に、これよりも屈折率の高い無機質の薄膜を形成し、この薄膜を反応性イオンエッチング法(RIE)によりパターニングすることによってコア部分を形成する。
(3)更に、火炎堆積法によって上部クラッド層を形成する。
しかしながら、このような石英系光導波路の製造方法は、特殊な製造装置が必要であるとともに、製造時間が長くかかる等の問題があった。
これらの問題を解決するため、光重合可能な成分を含有するシリコーン系組成物の所定の箇所に、所定の量の光を照射して、当該箇所を硬化させた後、未露光部を現像することによってコア部分等を形成して、光導波路を製造する方法が提案されている(特許文献1)。
この方法は、従来の石英系光導波路の製造方法と比較して、短時間かつ低コストで光導波路を製造することができる点で有利である。しかし、この方法は、特殊なシリコーン系オリゴマーを用いる必要があるなどの制約がある。
一方、(A)カルボキシル基、重合性基およびそれ以外の有機基を有するビニル系重合体、(B)分子中に2個以上の重合性反応基を有する化合物、および(C)放射線重合開始剤、を含有する光導波路形成用放射線硬化性組成物が提案されている(特許文献2)。この組成物によれば、形状の精度が高くかつ優れた伝送特性を有する光導波路を製造することができる。
この組成物の具体例として、1.0質量%の重合開始剤を含む例が開示されている。この場合、波長850nmの光に対して、0.3〜0.4dB/cmの低い導波路損失を得ている。
特開2000−180643 特開2003−195079
本発明者が見出した知見によると、上述の成分(A)〜(C)を含む光導波路形成用放射線硬化性組成物を用いて形成した光導波路は、可視光領域(例えば、波長405nm)の光を伝送すると、近赤外領域(例えば、波長850nm)の光を伝送する場合よりも導波路損失が大きくなる傾向がある。
そこで、本発明は、可視光領域の光を伝送する場合であっても、導波路損失の少ない光導波路を形成することができる感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、上述の従来の光導波路形成用放射線硬化性組成物において、重合開始剤の配合量を所定の範囲内に限定すれば、可視光領域の光を伝送する場合であっても、導波路損失を低く抑えることができること、および、このように調製された組成物を用いて光導波路を製造する際には、波長254nmにおける照度が0.1〜30mW/cmの光を用いて当該組成物を光硬化させることが適当であること、等を見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜「6」を提供するものである。
[1]
(A)下記一般式(1)で表される構造を有する共重合体、
Figure 2006063288
[式中、R、R、Rは各々独立して水素原子または炭素数1〜12のアルキル基、Xはカルボキシル基を有する基、Yは重合性反応基を有する基、ZはXおよびY以外の有機基であり、l、n、mは各々、0ではない繰り返し単位数を示す。]
(B)分子中に2個以上の重合性反応基を有する化合物、および
(C)光重合開始剤
を含有し、かつ、前記成分(C)の含有率が0.01〜0.3質量%であることを特徴とする感光性樹脂組成物。
[2]
(D)有機溶剤を含有する前記[1]の感光性樹脂組成物。
[3]
前記成分(B)の重合性反応基が、エチレン性不飽和基または環状エーテルである前記[1]又は[2]の感光性樹脂組成物。
[4]
下部クラッド層と、コア部分と、上部クラッド層とを含む光導波路であって、前記下部クラッド層、コア部分および上部クラッド層の少なくとも一つが、前記[1]〜[3]のいずれかの感光性樹脂組成物の硬化物からなることを特徴とする光導波路。
[5]
下部クラッド層と、コア部分と、上部クラッド層とを含む光導波路の製造方法であって、下部クラッド層を形成する工程と、コア部分を形成する工程と、上部クラッド層を形成する工程とを含み、かつ、これらの少なくとも一つの工程が、前記[1]〜[3]のいずれかの感光性樹脂組成物を光照射して硬化させる光硬化工程であることを特徴とする光導波路の製造方法。
[6]
前記光硬化工程が、波長254nmにおける照度0.1〜30mW/cmの光を照射することにより行なわれる前記[5]の光導波路の製造方法。
本発明の感光性樹脂組成物を用いてコア部分とクラッド層の少なくとも一方(特に、コア部分)を形成してなる光導波路は、可視光領域の光を伝送する場合であっても、導波路損失が少ない。
本発明の感光性樹脂組成物の具体的用途としては、映像情報を光で伝送する際に用いられる光デバイスの部品(例えば、レーザープリンターのヘッド)の材料や、短波長レーザー(例えば、波長405nm)を適用し得る、高密度の書き込みが可能なDVD記録装置の部品(例えば、光ピックアップ)の材料等が挙げられる。これらの用途において可視光領域の光を伝送すれば、透明性を確保しつつ、映像情報等の伝送の高速化を達成することができる。
本発明の感光性樹脂組成物を構成する成分(A)〜(C)およびその他の任意成分について、以下に詳しく説明する。
[成分(A)]
本発明で用いられる成分(A)は、下記一般式(1)で表される構造を有する共重合体である。
Figure 2006063288
[式中、R、R、Rは各々独立して水素原子または炭素数1〜12のアルキル基、Xはカルボキシル基を有する基、Yは重合性反応基を有する基、ZはXおよびY以外の有機基であり、l、n、mは各々、0ではない繰り返し単位数を示す。]
成分(A)の数平均分子量は、好ましくは2,000〜100,000、より好ましくは5,000〜70,000、特に好ましくは10,000〜50,000である。該値が2,000未満では、塗布性が悪く、所望の膜厚が得られず、該値が100,000を超えると、粘度が高くなり、材料の取り扱いが難しくなる。
成分(A)は、次の2つの方法(1)、(2)のいずれかによって得ることができる。なお、化合物(c)は、化合物(a)、(b)以外のラジカル重合性化合物である。
(1) (a)カルボキシル基を有するラジカル重合性化合物、(b)重合性反応基(例えば、エポキシ基、オキセタニル基等の環状エーテル)を有するラジカル重合性化合物、および(c)他のラジカル重合性化合物を、溶媒中でラジカル共重合する方法。
(2) (a)カルボキシル基を有するラジカル重合性化合物、および(c)他のラジカル重合性化合物を、溶媒中でラジカル共重合して重合物を得た後、(d)反応性官能基(例えば、エポキシ基)を有するラジカル重合性化合物を、前記の重合物の側鎖のカルボキシル基の一部に付加させる方法。
前記の方法(1)、(2)で用いられる化合物(a)〜(d)について説明する。
化合物(a)(カルボキシル基を有するラジカル重合性化合物)の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸などのジカルボン酸;2−サクシノロイルエチルメタクリレート、2−マレイノロイルエチルメタクリレート、2−ヘキサヒドロフタロイルエチルメタクリレートなどのカルボキシル基およびエステル結合を有するメタクリル酸誘導体などが挙げられる。
中でも、アクリル酸、メタクリル酸、2−ヘキサヒドロフタロイルエチルメタクリレートが好ましく、特に好ましくはアクリル酸およびメタクリル酸である。
化合物(a)は、1種を単独でもしくは2種以上を組み合わせて用いられる。
成分(A)中の化合物(a)の含有率は、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜40質量%である。該含有率が5質量%未満であると、本発明の組成物を光照射によって硬化させた後にアルカリ現像処理を施したときに、溶解しにくくなるので、例えば、光導波路のコア部分として用いた場合に、設計どおりのコア形状が得られず、十分な伝送特性が得られなくなる。該含有率が50質量%を超えると、設計どおりの形状が得られなくなる。
化合物(b)(重合性反応基を有するラジカル重合性化合物)の例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、α−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、α−n−プロピルグリシジル(メタ)アクリレート、α−n−ブチルグリシジル(メタ)アクリレート、2-メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−プロピルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、α−エチル−6,7−エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル類;(2−エチル−2−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、(2−メチル−2−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、2−(2−エチル−2−オキセタニル)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−メチル−2−オキセタニル)エチル(メタ)アクリレート、3−(2−エチル−2−オキセタニル)プロピル(メタ)アクリレート、3−(2−メチル−2−オキセタニル)プロピル(メタ)アクリレート等のオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル類;o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,4−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,5−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,6−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,4−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,5−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,6−トリグリシジルオキシメチルスチレン、3,4,5−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,4,6−トリグリシジルオキシメチルスチレン等のエポキシ基を有するスチレン類などが挙げられる。
中でも、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、p−ビニルベンジルグリシジルエーテルなどが好ましく用いられる。
化合物(b)は、1種を単独でもしくは2種以上を組み合わせて用いられる。
成分(A)中の化合物(b)の含有率は、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜40質量%である。該含有率が5質量%未満であると、架橋が不十分になり、耐熱性等が低下する。該含有率が50質量%を超えると、硬化時の収縮率が大きくなり、基板上に硬化膜を作製した場合、収縮応力により基板からの硬化膜の剥離が生じることがある。
化合物(c)(他のラジカル重合性化合物)は、主として、成分(A)の機械的特性や屈折率を適度にコントロールするために用いられる。
化合物(c)の例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アリールエステル類;マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチルなどのジカルボン酸ジエステル類;スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メトキシスチレンなどの芳香族ビニル類;1,3−ブタジエン、イソプレン、1,4−ジメチルブタジエンなどの共役ジオレフィン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル基含有重合性化合物;塩化ビニル、塩化ビニリデンなどの塩素含有重合性化合物;アクリルアミド、メタクリルアミドなどのアミド結合含有重合性化合物;酢酸ビニルなどの脂肪酸ビニル類などが挙げられる。
中でも、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレンなどが好ましく用いられる。
化合物(c)は、1種を単独でもしくは2種以上を組み合わせて用いられる。
成分(A)中の化合物(c)の含有率は、好ましくは5〜80質量%、より好ましくは20〜70質量%である。該含有率が5質量%未満であると、屈折率の調整が難しくなる。該含有率が80質量%を超えると、現像液への溶解性が低下し、硬化膜の架橋が不十分になる。
化合物(d)(反応性官能基を有するラジカル重合性化合物)の例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、α−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、α−n−プロピルグリシジル(メタ)アクリレート、α−n−ブチルグリシジル(メタ)アクリレート、2-メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−プロピルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、α−エチル−6,7−エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル類;o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,4−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,5−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,6−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,4−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,5−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,6−トリグリシジルオキシメチルスチレン、3,4,5−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,4,6−トリグリシジルオキシメチルスチレン等のエポキシ基を有するスチレン類などが挙げられる。
中でも、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、p−ビニルベンジルグリシジルエーテルなどが好ましく用いられる。
化合物(d)は、1種を単独でもしくは2種以上を組み合わせて用いられる。
成分(A)中の化合物(d)の含有率は、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜40質量%である。該含有率が5質量%未満であると、架橋が不十分になり、耐熱性等が低下する。該含有率が50質量%を超えると、硬化時の収縮率が大きくなり、基板上に硬化膜を作製した場合、収縮応力により基板からの硬化膜の剥離が生じることがある。
方法(1)、(2)におけるラジカル共重合に用いられる重合溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル類;エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテートなどの多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジアセトンアルコールなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチルなどのエステル類が挙げられる。
中でも、環状エーテル類、多価アルコールのアルキルエーテル類、多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類、ケトン類、エステル類などが好ましい。
また、ラジカル共重合に用いられる重合触媒としては、通常のラジカル重合開始剤が使用でき、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2’−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物;ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1’−ビス−(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンなどの有機過酸化物、および過酸化水素などを挙げることができる。ラジカル重合開始剤として過酸化物を使用する場合、還元剤を組み合わせてレドックス型の開始剤としてもよい。
方法(2)における付加反応に用いる溶媒としては、ラジカル共重合に用いる重合溶媒と同じものを用いることができる。付加反応を行う際、熱による重合反応を抑えるために、熱重合禁止剤を添加することができる。
このような熱重合禁止剤としては、ピロガロール、ベンゾキノン、ヒドロキノン、メチレンブルー、tert−ブチルカテコール、モノベンジルエーテル、メトキシフェノール、アミルキノン、アミロキシヒドロキノン、n−ブチルフェノール、フェノール、ヒドロキノンモノプロピルエーテルなどを挙げることができる。
熱重合禁止剤の使用量は、成分(A)100質量部に対して好ましくは5質量部以下である。
[成分(B)]
成分(B)は、分子中に2個以上の重合性反応基を有する化合物である。
成分(B)は、熱重合および/または光重合する化合物であり、以下に示す化合物(1)、(2)を例示することができる。
(1)分子中に2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物
エチレン性不飽和基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等が挙げられる。
分子中に2個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートの例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドの付加体であるジオールのジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドの付加体であるジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリレートを付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレン化ビスフェノールAのジアクリレート等が挙げられる。
分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートの例としては、3個以上の水酸基を有する多価アルコールに3モル以上の(メタ)アクリル酸がエステル結合した化合物、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、主鎖にポリエーテル、ポリエステル、ポリウレタン骨格を有するポリエーテルアクリルオリゴマー、ポリエステルアクリルオリゴマー、ポリウレタンアクリルオリゴマー、あるいはポリエポキシアクリルオリゴマーも使用することができる。
これらの市販品としては、ユピマーUV SA1002、SA2007(以上、三菱化学社製)、ビスコート#195、#230、#215、#260、#295、#300、#335HP、#360、#400、#540、#700、3PA、GPT(以上、大阪有機化学工業社製)、ライトアクリレート4EG−A、9EG−A、NP−A、DCP−A、BP−4EA、BP−4PA、PE−3A、PE−4A、DPE−6A(以上、共栄社化学社製)、KAYARAD
MANDA、HX−220、HX−620、R−551、R−712、R−604、R−684、PET−30、GPO−303、TMPTA、DPHA、D−310、D−330、DPCA−20、−30、−60、−120(以上、日本化薬社製)、アロニックスM208、M210、M215、M220、M240、M305、M309、M310、M315、M325、M400、M1200、M6100、M6200、M6250、M7100、M8030、M8060、M8100、M8530、M8560、M9050(以上、東亞合成社製)、リポキシVR−77、VR−60、VR−90(以上、昭和高分子社製)、Ebecryl81、83、600、629、645、745、754、767、701、755、705、770、800、805、810、830、450、1830、1870(以上、ダイセルUCB社製)、ビームセット575、551B、502H、102(以上、荒川化学社製)等が挙げられる。
(2)分子中に2個以上の環状エーテルを有する化合物
該化合物としては、オキシラン化合物、オキセタン化合物、オキソラン化合物などのうち、分子中に2個以上の環状エーテルを有する化合物を使用することができる。
このようなオキシラン化合物の例としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシ化テトラベンジルアルコール、ラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ラクトン変性エポキシ化テトラヒドロベンジルアルコール、シクロヘキセンオキサイド、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールADジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル類;脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステル類;脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテル類;フェノール、クレゾール、ブチルフェノールまたはこれらにアルキレンオキサイドを付加して得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテル類;高級脂肪酸のグリシジルエステル類;エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシ化アマニ油などを挙げることができる。
オキセタン化合物としては、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、3,3’−(1,3−(2−メチレニル)プロパンジイルビス(オキシメチレン))ビス−(3−エチルオキセタン)、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルなどを挙げることができる。
これらの化合物は、1種を単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの市販品としては、エポライト40E、100E、70P、1500NP、100MF、4000、3002(以上、共栄社化学社製)、セロキサイド2021、2081、GT301、GT401、エポリードCDM、PB3600、エポフレンドA1005、A1010、A1020(以上、ダイセル化学社製)、デナコール611、612、512、521、411、421、313、321(以上、ナガセ化成社製)等が挙げられる。
また、成分(B)は、エチレン性不飽和基と環状エーテルの両反応性基を分子中にそれぞれ少なくとも1個以上有する化合物であってもよい。このような化合物として、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
成分(B)としては、分子中に2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物と、分子中に2個以上の環状エーテルを有する化合物のいずれか一方を単独で用いてもよいし、あるいはこれらを併用してもよい。
成分(B)としては、特に、分子中に2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物を使用することが好ましい。
成分(B)の配合量は、成分(A)100質量部に対して、好ましくは30〜150質量部、より好ましくは50〜130質量部である。該量が30質量部未満であると、光導波路を形成する際、目的とする導波路の形状の精度が劣ることがあり、該量が150質量部を超えると、成分(A)との相溶性が悪くなり、硬化物の表面に膜荒れを生じることがある。
[成分(C)]
成分(C)は、成分(B)を重合しうる活性種を光によって発生することのできる光重合開始剤である。
ここで光とは、例えば赤外線、可視光線、紫外線、およびX線、電子線、α線、β線、γ線のような電離放射線を意味する。
成分(C)としては、光照射により分解してラジカルを発生するもの(光ラジカル重合開始剤)と、カチオンを発生するもの(光カチオン重合開始剤)に大別できる。
光ラジカル重合開始剤としては、例えばアセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、べンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等が挙げられる。
中でも、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンは、可視領域での光吸収が少なく、得られる光導波路が可視領域で伝送性(低い伝送損失)に優れることから、好ましく用いられる。
光ラジカル重合開始剤の市販品としては、例えばIrgacure184、369、651、500、819、907、784、2959、CGI1700、CGI1750、CGI11850、CG24−61、Darocurl116、1173(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、LucirinTPO、TPO−L(以上、BASF社製)、ユベクリルP36(UCB社製)等が挙げられる。
光カチオン重合開始剤としては、下記一般式(2)で表される構造を有するオニウム塩を挙げることができる。このオニウム塩は、光を受けることによりルイス酸を放出する化合物である。
[R W]+m[MXn+m−m (2)
〔式中、カチオンはオニウムイオンであり、WはS、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O、I、Br、ClまたはN≡Nであり、R、R、RおよびRは同一または異なる有機基であり、a、b、cおよびdはそれぞれ0〜3の整数であって、(a+b+c+d)はWの価数に等しい。Mは、ハロゲン化物錯体〔MXn+m〕の中心原子を構成する金属またはメタロイドであり、例えばB、P、As、Sb、Fe、Sn、Bi、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、Mn、Coなどである。Xは例えばF、Cl、Br等のハロゲン原子であり、mはハロゲン化物錯体イオンの正味の電荷であり、nはMの原子価である。〕
一般式(2)におけるオニウムイオンの例としては、ジフェニルヨードニウム、4−メトキシジフェニルヨードニウム、ビス(4−メチルフェニル)ヨードニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム、トリフェニルスルホニウム、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウム、ビス[4−(ジフェニルスルフォニオ)−フェニル]スルフィド、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル)スルホニオ)−フェニル]スルフィド、η−2,4−(シクロペンタジェニル)[1,2,3,4,5,6−η]−(メチルエチル)−ベンゼン]−鉄(1+)等が挙げられる。
一般式(2)における陰イオン(MXn+m)の例としては、テトラフルオロボレート(BF )、ヘキサフルオロホスフェート(PF )、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF )、ヘキサフルオロアルセネート(AsF )、ヘキサクロロアンチモネート(SbCl )などが挙げられる。
光カチオン重合開始剤として使用することができる他のオニウム塩として、前記一般式(2)において、[MXn+m]の代わりに一般式(3):
〔MX(OH)〕 (3)
(式中、M、Xおよびnは一般式(2)に定義した通りである。)
で表される陰イオン、過塩素酸イオン(ClO )、トリフルオロメタンスルフォン酸イオン(CFSO )、フルオロスルフォン酸イオン(FSO )、トルエンスルフォン酸イオン、トリニトロベンゼンスルフォン酸イオン、トリニトロトルエンスルフォン酸イオンなどの他の陰イオンを有するオニウム塩が挙げられる。
光カチオン重合開始剤の市販品としては、例えばUVI−6950、UVI−6970、UVI−6974、UVI−6990(以上、ユニオンカーバイド社)、アデカオプトマーSP−150、SP−151、SP−170、SP−171(以上、旭電化工業社製)、Irgacure
261(以上、チバガイギー社製)、CI−2481、CI−2624、CI−2639、CI−2064(以上、日本曹達社製)、CD−1010、CD−1011、CD−1012(以上、サートマー社製)、DTS−102、DTS−103、NAT−103、NDS−103、TPS−102、TPS−103、MDS−103、MPI−103、BBI−101、BBI−102、BBI−103(以上、みどり化学社製)、Degacure
K126(デグサ社製)などが挙げられる。
光重合開始剤は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
本発明の感光性樹脂組成物(後述の成分(D)および他の任意成分を含む全体量)中の成分(C)の含有率は、0.01〜0.3質量%、好ましくは0.03〜0.2質量%、より好ましくは0.05〜0.2質量%、特に好ましくは0.1〜0.2質量%である。該割合が0.01質量%未満では、硬化が十分に進行せず、光導波路を製造する際に良好な形状精度および伝送特性が得られ難くなる。該割合が0.3質量%を超えると、ブルーレーザー(405nm)の如き可視光領域の光を伝送する際に、重合開始剤による光吸収に起因する光導波路の伝送損失が生じたり、長期の伝送特性に悪影響を及ぼすことがある。
本発明においては、上述の光重合開始剤と共に光増感剤を配合することが好ましい。光増感剤を併用すれば、光等のエネルギー線をより効果的に吸収することができる。
光増感剤としては、例えば、チオキサントン、ジエチルチオキサントンおよびチオキサントンの誘導体;アントラキノン、ブロムアントラキノンおよびアントラキノンの誘導体;アントラセン、ブロムアントラセンおよびアントラセン誘導体;ペリレンおよびペリレンの誘導体;キサントン、チオキサントンおよびチオキサントンの誘導体;クマリンおよびケトクマリン等を挙げることができる。光増感剤の種類は、光重合開始剤の種類に応じて選択すればよい。
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに成分(D)として、有機溶媒を含有することが好ましい。有機溶媒を配合することにより、感光性樹脂組成物の保存安定性が向上するとともに、適当な粘度を付与して、均一な厚さを有する光導波路を形成することができる。
有機溶媒の種類は、本発明の目的、効果を損なわない範囲で適宜選択することができるが、大気圧下での沸点が50〜200℃の範囲内の値を有し、かつ、各構成成分を均一に溶解させるものが好ましい。具体的には、成分(A)を調製する際に使用する有機溶剤を用いることができる。
有機溶媒の好ましい例としては、アルコール類、エーテル類、エステル類、およびケトン類が挙げられる。有機溶媒の好ましい化合物名としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、トルエン、キシレン、およびメタノールからなる群より選択される少なくとも1つの溶剤が挙げられる。
有機溶媒の配合量は、前記の成分(A)〜(C)の合計量100質量部に対し、好ましくは10〜500質量部である。該量が10質量部未満では、感光性樹脂組成物の粘度調整が困難となることがある。該量が500質量部を超えると、十分な厚さを有する光導波路等を形成することが困難なことがある。
本発明の樹脂組成物には、前記の成分(A)〜(D)以外に、必要に応じて本発明の樹脂組成物の特性を損なわない範囲で、例えば分子中に1個の重合性反応基を有する化合物や、高分子樹脂(例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリクロロプレン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、石油樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、セルロース樹脂、フッ素系ポリマー、シリコーン系ポリマー)などを配合することができる。
さらにまた、必要に応じて各種添加剤として、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、シランカップリング剤、塗面改良剤、熱重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、着色剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、フィラー、無機粒子、老化防止剤、濡れ性改良剤、帯電防止剤等を配合することができる。
ここで酸化防止剤としては、例えばIrganox1010、1035、1076、1222(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、Antigene
P、3C、FR、スミライザー(住友化学工業社製)等が挙げられる。紫外線吸収剤としては、例えばTinuvin P、234、320、326、327、328、329、213(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、Seesorb102、103、110、501、202、712、704(以上、シプロ化成社製)等が挙げられる。光安定剤としては、例えばTinuvin
292、144、622LD(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、サノールLS770(三共社製)、Sumisorb TM−061(住友化学工業社製)等が挙げられる。シランカップリング剤としては、例えばγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられ、市販品として、SH6062、6030(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、KBE903、603、403(以上、信越化学工業社製)等が挙げられる。塗面改良剤としては、例えばジメチルシロキサンポリエーテル等のシリコーン添加剤が挙げられ、市販品としてはDC−57、DC−190(以上、ダウコーニング社製)、SH一28PA、SH−29PA、SH−30PA、SH−190(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、KF351、KF352、KF353、KF354(以上、信越化学工業社製)、L−700、L−7002、L−7500、FK−024−90(以上、日本ユニカー社製)等が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物を調製するには、常法にしたがって前記の各成分を混合撹拌すればよい。
以下、図面を適宜参照しながら、本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成した光導波路の一例を説明する。図1は、本発明の光導波路の一例を模式的に示す断面図、図2は、本発明の光導波路の製造方法の一例を示すフロー図である。
[1.光導波路の構造]
図1中、光導波路24は、基板10と、この基板10の上面に形成された下部クラッド層12と、この下部クラッド層12の上面に形成された、特定の幅を有するコア部分20と、コア部分20および下部クラッド層12の上に積層して形成された上部クラッド層22とから構成されている。なお、コア部分20は、光導波路24の外形を形成する下部クラッド層12および上部クラッド層22の中に埋設されている。
下部クラッド層、コア部分、および上部クラッド層の厚さは、特に限定されないが、例えば、下部クラッド層の厚さが1〜200μm、コア部分の厚さが3〜200μm、上部クラッド層の厚さが1〜200μmとなるように定められる。コア部分の幅は、特に限定されないが、例えば、1〜200μmである。
コア部分の屈折率は、下部クラッド層および上部クラッド層のいずれの屈折率よりも大きいものであることが必要である。例えば、波長400〜1,600nmの光に対して、コア部分の屈折率が1.420〜1.650、下部クラッド層および上部クラッド層の屈折率が1.400〜1.648であり、かつ、コア部分の屈折率が、2つのクラッド層のいずれの屈折率よりも少なくとも0.1%大きな値であることが好ましい。
[2.光導波路の製造方法]
本発明の光導波路24の製造方法は、下部クラッド層12を形成する工程と、コア部分20を形成する工程と、上部クラッド層22を形成する工程を含む。これらの3つの工程のうち、少なくとも一つの工程は、上述の感光性樹脂組成物を光照射して硬化物を形成する工程である。
なお、光導波路を構成する下部クラッド層12、コア部分20および上部クラッド層22の各部を形成するための感光性樹脂組成物は、各々、便宜上、下層用組成物、コア用組成物および上層用組成物と称する。
(1)材料の調製
下層用組成物、コア用組成物および上層用組成物の各々の成分組成は、下部クラッド層12、コア部分20および上部クラッド層22の各部の屈折率の関係が、光導波路に要求される条件を満足するように定められる。具体的には、屈折率の差が適宜の大きさとなるような二種または三種の感光性樹脂組成物を調製し、このうち、最も高い屈折率の硬化膜を与える感光性樹脂組成物をコア用組成物とし、他の感光性樹脂組成物を下層用組成物および上層用組成物として用いる。なお、下層用組成物と上層用組成物は、同一の感光性樹脂組成物であることが、経済上および製造管理上、好ましい。
感光性樹脂組成物の粘度は、好ましくは1〜10,000mPa・s(25℃)、より好ましくは5〜8,000mPa・s(25℃)、特に好ましくは10〜5,000mPa・s(25℃)である。粘度がこの範囲外であると、感光性樹脂組成物の取り扱いが困難になったり、均一な塗膜を形成することが困難なことがある。なお、粘度は、有機溶媒等の配合量を変えることによって、適宜調整することができる。
(2)基板の準備
図2中の(a)に示すように、平坦な表面を有する基板10を用意する。この基板10の種類としては、特に限定されないが、例えば、シリコン基板やガラス基板等を用いることができる。
(3)下部クラッド層の形成工程
基板10の表面に、下部クラッド層12を形成する工程である。具体的には、図2中の(b)に示すように、基板10の表面に下層用組成物を塗布し、乾燥またはプリベークして下層用薄膜を形成する。この下層用薄膜に光を照射して硬化させ、硬化体である下部クラッド層12を形成する。なお、下部クラッド層12の形成工程においては、薄膜の全面に光を照射し、その全体を硬化することが好ましい。
ここで、下層用組成物の塗布方法としては、スピンコート法、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、カーテンコート法、グラビア印刷法、シルクスクリーン法、インクジェット法等のいずれかの方法を用いることができる。このうち、均一な厚さの下層用薄膜が得られることから、スピンコート法を採用することが好ましい。
また、下層用組成物のレオロジー特性を塗布方法に応じた適切なものとするために、下層用組成物には、各種レベリング剤、チクソ付与剤、フィラー、有機溶媒、界面活性剤等を必要に応じて配合することが好ましい。
また、下層用組成物からなる下層用薄膜は、塗布後、有機溶剤などを除去する目的で50〜200℃の温度でプリベークすることが好ましい。
なお、下部クラッド層の形成工程における塗布方法や、レオロジー特性の改良等は、後述のコア部分の形成工程や、上部クラッド層の形成工程においても同様である。
下部クラッド層を形成する際に照射する光の種類としては、可視光、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、γ線等を用いることができるが、特に紫外線(波長170〜300nm)が好ましい。光の照射装置としては、例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマランプ、エキシマレーザー等を用いることが好ましい。
下部クラッド層を形成する際の光の照射量は、特に限定されるものではないが、特に本発明においては、少量の光重合開始剤であっても充分な硬化を実現し、かつ、樹脂組成物における分解や不必要な架橋を生じさせないように、波長254nmや248nmにおける照度0.1〜30mW/cm2、好ましくは0.5〜30mW/cm2の光を、10〜5,000mJ/cm2となるように照射して露光することが好ましい。ここで、波長254nmにおける照度とは、UIT−150とUVD−C254(いずれもウシオ電機社製)を組み合わせた照度計で測定した値を示す。
また、露光後に、塗膜全面が十分硬化するように、さらに加熱処理(ポストベーク)を行うことが好ましい。この加熱条件は、感光性樹脂組成物の成分組成等により異なるが、通常、30〜400℃、好ましくは50〜300℃で、例えば5分間〜72時間の加熱時間とすればよい。
なお、下部クラッド層の形成工程における光の照射量、種類、および光(紫外線)の照射装置等は、後述するコア部分の形成工程や、上部クラッド層の形成工程においても同様である。
(4)コア部分の形成工程
コア部分を形成する際の光の照射量は、特に限定されるものではないが、特に本発明においては、少量の光重合開始剤であっても充分な硬化を実現し、かつ、樹脂組成物における分解や不必要な架橋を生じさせないように、波長254nmにおける照度0.1〜30mW/cm2の光を、10〜5,000mJ/cm2となるように照射して露光することが好ましい。
下部クラッド層12上に、図2中の(c)に示すように、コア用組成物を塗布し、乾燥(およびプリベーク)させてコア用薄膜14を形成する。その後、図2中の(d)に示すように、コア用薄膜14の上面に対して、所定のパターンに従って、例えば所定のラインパターンを有するフォトマスク18を介して光16の照射(露光)を行う。これにより、コア用薄膜14のうち、光が照射された箇所のみが硬化するので、それ以外の未硬化の部分を現像処理して除去することにより、図2中の(e)に示すように、下部クラッド層12上に、パターニングされた硬化膜からなるコア部分20を形成することができる。
本工程における現像処理の詳細は、次のとおりである。
現像処理は、所定のパターンに従ってパターン露光し、選択的に硬化させた薄膜に対して、硬化部分と未硬化部分との溶解性の差異を利用して、現像液を用いて未硬化部分のみの除去を行なうものである。つまり、パターン露光後、未硬化部分を除去し、かつ、硬化部分を残存させて、結果的にコア部分を形成させるものである。
現像処理に用いる現像液としては、有機溶媒、あるいは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、N−メチルピロリドン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノナンなどのアルカリ類からなるアルカリ水溶液等を用いることができる。
なお、現像液としてアルカリ水溶液を用いる場合、その濃度は、通常0.05〜25質量%、好ましくは0.1〜3.0質量%である。また、アルカリ水溶液に、メタノール、エタノールなどの水溶性有機溶媒や界面活性剤などを適当量加えて、現像液として使用することも好ましい。
現像時間は、通常30〜600秒間である。現像方法としては、液盛り法、ディッピング法、シャワー現像法などの公知の方法を採用することができる。
現像液として有機溶媒を用いた場合は、そのまま風乾することにより、また、現像液としてアルカリ水溶液を用いた場合は、流水洗浄を例えば30〜90秒間行った後、圧縮空気や圧縮窒素等で風乾することによって、有機溶媒または水分が除去されて、パターン状の薄膜が形成される。
パターン状の薄膜(パターニング部)の形成後、このパターニング部をさらに硬化させるために、ホットプレートやオーブンなどの加熱装置を用いて、例えば、30〜200℃、好ましくは50〜150℃の温度で5〜600分間ポストベーク処理すれば、硬化体であるコア部分20が形成される。
本工程において、所定のパターンに従って光の照射を行う方法としては、光の透過部と非透過部とからなるフォトマスク18を用いる方法に限られず、例えば、以下に示すa〜cの方法のいずれかを採用してもよい。
a.液晶表示装置と同様の原理を利用して、所定のパターンに従って光透過領域と光不透過領域とからなるマスク像を電気光学的に形成する手段を利用する方法。
b.多数の光ファイバーを束ねてなる導光部材を用い、この導光部材における所定のパターンに対応する光ファイバーを介して光を照射する方法。
c.レーザ光、あるいはレンズ、ミラー等の集光性光学系により得られる収束性の光を、走査させながら感光性樹脂組成物に照射する方法。
(5)上部クラッド層の形成工程
上部クラッド層を形成する際の光の照射量は、特に限定されるものではないが、特に本発明においては、少量の光重合開始剤であっても充分な硬化を実現し、かつ、樹脂組成物における分解や不必要な架橋を生じさせないように、波長254nmにおける照度0.1〜30mW/cm2の光を、10〜5,000mJ/cm2となるように照射して露光することが好ましい。
コア部分20および下部クラッド層12の表面に、上層用組成物を塗布し、乾燥またはプリベークさせて上層用薄膜を形成する。この上層用薄膜に対し、光を照射して硬化させると、図2中の(f)に示すように上部クラッド層22が形成される。上部クラッド層22は、必要に応じて、さらに上述の下部クラッド層の形成工程と同様なポストベークを行なうことが好ましい。ポストベークを行なえば、大きな硬度および優れた耐熱性を有する上部クラッド層22が得られる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内において種々の実施形態の変更が可能である。
[1.材料の用意]
成分(A)〜(C)として、以下の材料を用意した。
(1)成分(A)
調製例1
ドライアイス/メタノール還流器の付いたフラスコを窒素置換した後、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.3g、有機溶剤として乳酸エチル53.8gを仕込み、重合開始剤が溶解するまで攪拌した。次いで、メタクリル酸6.7g、ジシクロペンタニルメタクリレート15.7g、スチレン9.0g、およびn−ブチルアクリレート13.5gを仕込んだ後、緩やかに攪拌を始めた。その後、溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度で5時間重合を行った。その後、得られた溶液に3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート10.6g、テトラブチルアンモニウムブロマイド0.7g、およびp−メトキシフェノール0.1gを添加し、80℃で8時間攪拌することによって、ポリマー中のカルボキシル基の一部にエポキシ基を付加させて、側鎖にアクリル基を有するポリマー(反応生成物)を含む溶液を得た。その後、反応生成物を多量のヘキサンに滴下して、反応生成物を凝固させた。さらに、この凝固物と同質量のテトラヒドロフランに再溶解し、多量のヘキサンで再度凝固させた。この再溶解−凝固操作を計3回行った後、得られた凝固物を40℃で48時間真空乾燥して、目的とする共重合体A−1を得た。
調製例2
ドライアイス/メタノール還流器の付いたフラスコを窒素置換した後、重合開始剤として2,2’−アゾビスジメチルバレロニトリル0.4g、有機溶剤として乳酸エチル59.8gを仕込み、重合開始剤が溶解するまで攪拌した。次いで、メタクリル酸8.0g、ジシクロペンタニルメタクリレート10.0g、メチルメタクリレート13.9g、およびn−ブチルアクリレート8.0gを仕込んだ後、緩やかに攪拌を始めた。その後、溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度で5時間重合を行った。その後、得られた溶液に3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート31.9g、テトラブチルアンモニウムブロマイド2.2g、p−メトキシフェノール0.1gを添加し、80℃で8時間攪拌することによって、ポリマー中のカルボキシル基の一部にエポキシ基を付加させて、側鎖にアクリル基を有するポリマー(反応生成物)を含む溶液を得た。その後、反応生成物を多量のヘキサンに滴下して、反応生成物を凝固させた。さらに、この凝固物と同質量のテトラヒドロフランに再溶解し、多量のヘキサンで再度凝固させた。この再溶解−凝固操作を計3回行った後、得られた凝固物を40℃で48時間真空乾燥して、目的とする共重合体A−2を得た。
調製例3
ドライアイス/メタノール還流器の付いたフラスコを窒素置換した後、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.3g、有機溶剤としてジエチレングリコールジメチルエーテル53.8gを仕込み、重合開始剤が溶解するまで攪拌した。次いで、メタクリル酸6.7g、グリシジルメタクリレート15.7g、スチレン9.0g、およびn−ブチルアクリレート13.5gを仕込んだ後、緩やかに攪拌を始めた。その後、溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度で5時間重合を行った。その後、反応生成物を多量のヘキサンに滴下して、反応生成物を凝固させた。さらに、この凝固物と同質量のテトラヒドロフランに再溶解し、多量のヘキサンで再度凝固させた。この再溶解−凝固操作を計3回行った後、得られた凝固物を40℃で48時間真空乾燥し、目的とする共重合体A−3を得た。
調製例4
ドライアイス/メタノール還流器の付いたフラスコを窒素置換した後、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.3g、有機溶剤として乳酸エチル53.8gを仕込み、重合開始剤が溶解するまで攪拌した。次いで、メタクリル酸6.7g、(2−エチル−2−オキセタニル)メチルアクリレート15.7g、スチレン9.0g、およびn−ブチルアクリレート13.5gを仕込んだ後、緩やかに攪拌を始めた。その後、溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度で5時間重合を行った。その後、反応生成物を多量のヘキサンに滴下して、反応生成物を凝固させた。さらに、この凝固物と同質量のテトラヒドロフランに再溶解し、多量のヘキサンで再度凝固させた。この再溶解−凝固操作を計3回行った後、得られた凝固物を40℃で48時間真空乾燥し、目的とする共重合体A−4を得た。
(2)成分(B)
多官能アクリレート(東亞合成社製、M8100)
トリメチロールプロパントリアクリレート
多官能オキシラン化合物(商品名「エポリードGT301」、ダイセル化学社製)
(3)成分(C)
光ラジカル重合開始剤(商品名「Irgcure184」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
光カチオン重合開始剤(商品名「SP170」、旭電化社製)
(4)成分(D)
乳酸エチル
ジエチレングリコールジメチルエーテル
[2.感光性樹脂組成物の調製]
表1に示す配合割合で、上述の成分(A)(共重合体A−1〜A−4)、および成分(B)〜(D)を均一に混合して、感光性樹脂組成物J−1〜J−9を得た。
Figure 2006063288
[3.光導波路の形成]
(1)実施例1
(a)下部クラッド層の形成
感光性樹脂組成物J−4をシリコン基板の表面上に、スピンコータで塗布し、ホットプレートを用いて100℃、10分間の条件でプリベークした。次いで、感光性樹脂組成物J−4からなる塗膜に、波長254nmにおける照度が1mW/cmの紫外線を1,000秒間照射(照射量:1,000mJ/cm)して、光硬化させた。そして、この硬化膜を150℃、1時間の条件でポストベークをすることにより、厚さ50μmの下部クラッド層を形成した。
(b)コア部分の形成
次に、感光性樹脂組成物J−1を下部クラッド層の上にスピンコータで塗布し、ホットプレートを用いて,100℃、10分間の条件でプレベークした。その後、感光性樹脂組成物J−1からなる厚さ50μmの塗膜に、幅50μmのライン状パターンを有するフォトマスクを介して、波長254nmにおける照度が1mW/cmの紫外線を1,000秒間照射(照射量:1,000mJ/cm)して、塗膜を光硬化させた。次いで、光硬化させた塗膜を有する基板を、1.0%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH)からなる現像液中に浸漬して、塗膜の未露光部を溶解させた。その後、150℃、1時間の条件でポストベークを行い、幅50μmのライン状パターンを有するコア部分を形成した。
(c)上部クラッド層の形成
次いで、コア部分を有する下部クラッド層の上面に、感光性樹脂組成物J−4をスピンコータで塗布し、ホットプレートを用いて、100℃、10分間の条件でプリベークした。その後、感光性樹脂組成物J−4からなる塗膜に、波長254nmにおける照度が1mW/cmの紫外線を1,000秒間照射することにより、厚さ50μmの上部クラッド層を形成した。
(2)実施例2〜3、比較例1〜3
表2に示す感光性樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、光導波路を形成した。
[4.光導波路の評価]
光導波路(実施例1〜3、比較例1〜3)を次のようにして評価した。
(1)光導波路の形状の精度
設計上のコア形状(高さ50μm×ライン幅50μm)に対して、実際に形成されたコアの高さおよび幅が共に、50±5μmの寸法を有する場合を「○」、それ以外の場合を「×」とした。
(2)光導波路の導波路損失
光導波路について、波長405nmの光を一端から入射させた。そして、他端から出射する光量を測定することにより、単位長さ当たりの導波路損失をカットバック法により求めた。
その結果、導波路損失が1.0dB/cm未満の場合を「○」とし、導波路損失が1.0dB/cm以上の場合を「×」とした。
以上の結果を表2に示す
Figure 2006063288
表2から、本発明の感光性樹脂組成物を用いて少なくとも一部を形成してなる光導波路(実施例1〜3)は、可視光領域の光(波長405nm)に対しても、導波路損失が小さく、かつ、形状の精度も高いことがわかる。一方、本発明に属さない感光性樹脂組成物のみからなる光導波路(比較例1〜3)は、可視光領域の光(波長405nm)に対して、導波路損失が大きく、伝送特性に劣ることがわかる。
本発明の光導波路の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の光導波路の製造方法の一例を示すフロー図である。
符号の説明
10 基板
12 下部クラッド層
14 コア用薄膜
16 照射光
18 フォトマスク
20 コア部分
22 上部クラッド層
24 光導波路

Claims (6)

  1. (A)下記一般式(1)で表される構造を有する共重合体、
    Figure 2006063288
    [式中、R、R、Rは各々独立して水素原子または炭素数1〜12のアルキル基、Xはカルボキシル基を有する基、Yは重合性反応基を有する基、ZはXおよびY以外の有機基であり、l、n、mは各々、0ではない繰り返し単位数を示す。]
    (B)分子中に2個以上の重合性反応基を有する化合物、および
    (C)光重合開始剤
    を含有し、かつ、前記成分(C)の含有率が0.01〜0.3質量%であることを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. (D)有機溶剤を含有する請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記成分(B)の重合性反応基が、エチレン性不飽和基または環状エーテルである請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 下部クラッド層と、コア部分と、上部クラッド層とを含む光導波路であって、前記下部クラッド層、コア部分および上部クラッド層の少なくとも一つが、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の硬化物からなることを特徴とする光導波路。
  5. 下部クラッド層と、コア部分と、上部クラッド層とを含む光導波路の製造方法であって、下部クラッド層を形成する工程と、コア部分を形成する工程と、上部クラッド層を形成する工程とを含み、かつ、これらの少なくとも一つの工程が、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を光照射して硬化させる光硬化工程であることを特徴とする光導波路の製造方法。
  6. 前記光硬化工程が、波長254nmにおける照度0.1〜30mW/cmの光を照射することにより行なわれる請求項5に記載の光導波路の製造方法。
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