JP2006062039A - 作業工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 作業工具に動吸振器を取付けるに際し、取付箇所の配置間隔と、動吸振器側に設定される取付箇所の配置間隔との製作上のバラツキを吸収する上で有効な取付け技術を提供する。
【解決手段】 動吸振器151を有する作業工具において、動吸振器の筒体153を、弾性要素157,159の弾発力を受けつつ筒体の長軸方向に相対移動可能に連接された第1および第2の筒部161,163によって構成する。第1および第2の筒部には、工具本体部に所定の配置間隔で設けられた被取付部181に取付け可能な取付部167,169を設ける。第1および第2の筒部は、第1および第2の筒部の少なくとも周方向への相対移動によって、第1の筒部と第2の筒部が相互に連結される連結位置と、連結が解除される連結解除位置とに変位可能とされ、連結位置では、第1の筒部と第2の筒部が軸方向の所定範囲について相対移動を許容される。
【選択図】 図5

Description

本発明は、ハンマやハンマドリル等のように先端工具を直線状に駆動する作業工具における制振技術に関する。
特開昭52−109673号(特許文献1)では、制振装置が設けられた電動ハンマの構成が開示されている。この従来の電動ハンマでは、本体ハウジングの下方側であってモータハウジングの前方をなす領域に、当該本体ハウジング(およびモータハウジング)と一体状に防振室を形成するとともに、この防振室内に動吸振器を収容する。そしてハンマ駆動の際に生じるハンマ長軸方向への強い振動が当該動吸振器によって吸振されるように構成される。
特許文献1に開示された電動ハンマでは、本体ハウジングに防振室を設定し、この防振室内に動吸振器を収容する構成である。このため、本体ハウジングに対して動吸振器の構成部材であるウェイト、弾性部材等を直接に組付けることが必要になり、組付け性を考慮した場合、なお改良の余地がある。
因みに、工具本体部としての本体ハウジングに対する動吸振器の組付け性は、例えば、動吸振器をモジュール化し、このモジュール化された動吸振器アッセンブリを工具本体部としての本体ハウジングに取付ける方式を採用することで向上できる。この場合の動吸振器の取付け構造として、例えば、作業工具の工具本体部に動吸振器を一定間隔の2箇所で取付けるような取付構造を採用しようとすると、動吸振器側に設定される取付部と工具本体部側に設定される被取付部の配置間隔の精度が極めて重要となる。
特開昭52−109673号公報
本発明は、作業工具の工具本体部に動吸振器を取付けるに際し、工具本体部側に設定される取付箇所の配置間隔と、動吸振器側に設定される取付箇所の配置間隔との製作上のバラツキを吸収する上で有効な取付け技術を提供することを目的とする。
上記課題を達成するため、各請求項に記載の発明が構成される。
請求項1に記載の発明によれば、筒体と、筒体に当該筒体の長軸方向に移動可能に収容されたウェイトと、当該ウェイトを前記筒体との間で連接する弾性要素とを有する動吸振器により、工具ビット駆動時の制振をなす作業工具が構成される。動吸振器は、制振対象物に対して弾性要素さらには減衰要素を介して連接されたウェイトを介して制振対象物の振動を軽減するための装置である。本発明における動吸振器は、筒体と、当該筒体に収容されて当該筒体の長軸方向に移動可能に収容されたウェイトと、当該ウェイトの各端部を筒体との間で連接する弾性要素とを有する構成とされる。そして作業工具駆動時に振動が生じる場合、弾性要素を介して筒体に連接されたウェイトが当該振動に対向状に動作することで制振作用を奏する。ウェイトは、筒体との間で少なくとも弾性要素で連接されれば足り、さらに減衰要素によって筒体との間を連接する構成も包含されるものとする。なお本発明における「筒体」は、断面形状を限定するものではない。
なお本発明における「作業工具」としては、動吸振器による制振の必要性の度合いより、典型的にはハンマあるいはハンマドリル等がこれに該当する。また作業工具の駆動形式としては、典型的には電動方式あるいはエア方式がこれに該当する。
本発明における動吸振器の筒体は、同軸上に対向状に配置された第1および第2の筒部からなるとともに、当該第1の筒部および第2の筒部には工具本体部に所定の配置間隔で設けられた被取付部に取付け可能な取付部が設けられている。そして第1および第2の筒部は、少なくとも周方向への相対移動によって、当該第1の筒部と第2の筒部が相互に連結される連結位置と、当該第1の筒部と第2の筒部との連結が解除される連結解除位置との間で変位可能とされ、連結位置では、第1の筒部と第2の筒部が軸方向の所定範囲について相対移動を許容され、これによって当該第1の筒部の取付部と第2の筒部の取付部との軸方向の間隔が前記被取付部の配置間隔に対応する間隔に調整可能とされている。
本発明によれば、第1および第2の筒部が連結された状態、すなわち動吸振器が組み立てられた状態において、第1の筒部における取付部と第2の筒部における取付部の配置間隔は、当該第1および第2の筒部を許容された所定範囲内で長軸方向に相対移動することによって変えることが可能とされる。このため、工具本体部側の被取付部の配置間隔と動吸振器側の取付部の配置間隔との間に製作上のバラツキが生じたとしても、当該バラツキを吸収しつつ取付部を被取付部に取付けることが可能となり、これによって工具本体部に対する動吸振器の組付け性の向上に資する作業工具が提供される。なお本発明における「許容された所定範囲」とは、予め想定される「バラツキ」の大きさを考慮して設定される範囲を指す。また本発明では、第1の筒部と第2の筒部とを周方向に相対移動させることで当該筒部が相互に連結され、あるいは連結が解除される構成である。このため、第1の筒部と第2の筒部との連結あるいは連結解除作業を容易に行うことができ、連結解除状態では第1の筒部と第2の筒部とを分離し、筒部内に収容されるウェイト、弾性要素を保守点検することができる。
(請求項2に記載の発明)
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の作業工具における第1の筒部と第2の筒部とのそれぞれは、当該両筒部を相互に連結する手段として、当該第1および第2の筒部の少なくとも周方向への相対移動によって相互に係合あるいは離脱される係合部を有する。そして係合部の係合状態では弾性要素の弾発力によって当該係合状態が維持されるとともに、第1および第2の筒部が弾性要素の弾発力の作用方向と反対方向の長軸方向に相対移動することを許容される構成としている。本発明における「係合部」としては、例えば、両筒部の対向端面側それぞれに、当該両筒部の周方向への相対移動によって相互に噛み合い係合する対称的な鍵形状(フック状)の係合部材を設ける態様を好適に包含するが、一方の筒部側に長軸方向および周方向に延びるL形の溝を設け、他方の筒部にこの溝に沿って係合可能な突起を設ける態様を好適に包含する。また「係合状態が維持される」とは、第1の筒部側の係合部と第2の筒部側の係合部とを互いに係合させる方向に弾性要素の弾発力を作用させることがこれに該当する。
本発明によれば、係合部の係合状態では弾性要素の弾発力によって当該係合状態が維持される構成としている。このため、第1の筒部と第2の筒部の連結状態が定形化(安定化)されることとなり、工具本体部の被取付部に対する動吸振器側の取付部の取付け作業を簡便に遂行できる。また係合部の係合状態の維持する手段として、動吸振器の制振作用に用いられる弾性要素を利用することで、構成部材の低減を図ることができる。また係合部の係合状態では、第1および第2の筒部が弾性要素の弾発力の作用方向と反対方向の長軸方向に移動することを許容される。このため、弾性要素の弾発力に抗して両筒部を長軸方向へ相対移動させることで当該筒部側の取付部を工具本体部側の被取付部の位置に一致させ、この状態で取付部を被取付部に取付けることができる。
(請求項3に記載の発明)
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の作業工具における第1および第2の筒部の取付部は、当該筒部外周面に径方向に突出状に設けられるとともに筒部の内部空間と連通する通気孔を有する接続口によって構成され、工具本体部側に設けた被取付部は、工具本体部の内部空間と連通する通気孔を有する被接続口によって構成されている。そして動吸振器は、接続口を被接続口に嵌合することによって工具本体部に取付けられるとともに、作業工具の駆動時には、動吸振器のウェイトが、第1の筒部の内部空間あるいは第2の筒部の内部空間の少なくとも一方に導入される工具本体部の内部空間の変動圧力を介して駆動される構成としている。
動吸振器は、本来的には、外部からの振動入力に基づいてウェイトが駆動され、これによって振動を受動的に抑制する機構である。本発明では、かかる受動的な制振機構である動吸振器につき、そのウェイトを、工具本体部の内部空間の変動圧力を介して積極的に駆動させる構成である。従って、作業工具に作用する振動の大小によらず、動吸振器を定常的に作動させることが可能となる。このため、例えば作業工具に強い押圧力を作用させながら加工作業を行なう等のように、制振の要請は高いにも拘らず、作業工具を強く押し付けることに起因して作業者自らが作業工具の振動を受けることとなり、これによって作業工具の振動が抑えられる結果、動吸振器に入力される振動量が小さく、当該動吸振器が十分に作動しないような作業態様においても、十分な制振機能を確保することが可能な作業工具が提供されることになる。ここで「内部空間の変動圧力」とは、典型的には、工具ビットの駆動機構として用いられているクランク機構を収容するクランク室の変動圧力がこれに該当する。クランク室の圧力は、クランク機構における最終駆動部材であるピストンが直線運動することに基づき変動する。この変動圧力を動吸振器の内部空間に導入することで、ウェイトを積極的に駆動することが可能とされる。
本発明では、第1および第2の筒部の取付部を、当該筒部外面に径方向に突出状に設けられた接続口によって構成している。そして当該接続口を、工具本体部側に設けた被取付部としての被接続口に嵌合することによって、筒部の内部空間と工具本体部の内部空間とを連通する構成としている。かかる構成によれば、動吸振器を工具本体部に取付ける作業を行うことで、動吸振器側の内部空間と工具本体部側の内部空間とをつなぐ配管作業が同時的に行われたこととなる。このため、動吸振器を工具本体部に組付けた後での配管作業が不要となり、組付け性がより一層向上される。
(請求項4に記載の発明)
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれかに記載の作業工具における第1および第2の筒部は、弾性要素の弾発力を受けつつ当該筒部に相対的に移動可能とされた弾性要素受部材を有し、各弾性要素受部材は、第1および第2の筒部に対する相対的な移動動作を介して工具本体部に止着される構成とされる。かかる構成によれば、弾性要素の弾発力を利用して動吸振器を工具本体部に取付けることができるため、例えばネジ等を用いた締結構造等に比べて少ない部品で合理的な取付けが実現される。また弾性要素の弾発力が第1および第2の筒部に作用しない構成であり、このため、弾性要素の弾発力が取付部に作用することが回避され、当該取付部を保護することが可能となる。
本発明によれば、作業工具の工具本体部に動吸振器を取付けるに際し、工具本体部側に設定される取付箇所の配置間隔と、動吸振器側に設定される取付箇所の配置間隔との製作上のバラツキを吸収する上で有効な取付け技術が提供されることとなった。
以下、本発明の実施の形態につき、図1〜図8を参照しつつ詳細に説明する。本発明の実施の形態では、作業工具の一例として電動式のハンマドリルを用いて説明する。図1〜図3には、主としてハンマドリル101全体の外観構成が示され、図4〜図6には動吸振器の取付け構造が示され、図7および図8には動吸振器の構成が示されている。図1〜図3に示すように、本実施の形態に係るハンマドリル101は、概括的に見て、ハンマドリル101の外郭を形成する本体部103、当該本体部103の先端領域にツールホルダ137を介して着脱自在に取付けられたハンマビット119を主体として構成される。本体部103は、本発明における「工具本体部」に対応し、ハンマビット119は、本発明における「工具ビット」に対応する。
電動ハンマドリル101の本体部103は、大別して、駆動モータ111(図3参照)を収容したモータハウジング105、便宜上特に図示しないものの、クランク機構によって構成される運動変換機構を収容したクランクハウジング107、歯車装置によって構成される動力伝達機構等を収容したギアハウジング108(図3参照)、ストライカおよびインパクトボルトからなる打撃要素を収容したバレルハウジング106、およびハンドグリップ109によって構成されている。駆動モータ111の回転出力は、運動変換機構によって直線運動に適宜変換された上で打撃要素に伝達され、当該打撃要素を介してハンマビット119の長軸方向(図1における左右方向)への衝撃力を発生する。また駆動モータ111の回転出力は、動力伝達機構によって適宜減速された上でハンマビット119に回転運動として伝達され、当該ハンマビット119が周方向に回転動作される。またハンマドリル101は、適宜作業者が操作することにより、ハンマビット119に対し長軸方向への打撃力のみを加えて被加工材の加工作業を行う、いわゆるハンマモードと、長軸方向への打撃力と周方向への回転力とを加えて被加工材の加工作業を行う、いわゆるハンマドリルモードとの間で切替可能とされている。図2にはハンマモード切替レバー113が示されている。
なおハンマビット119に長軸方向への打撃力を加えるハンマ駆動、および長軸方向への打撃力と周方向への回転力を加えるハンマドリル駆動の詳細、更にはハンマモードとハンマドリルモード間でのモード切替えの詳細については、それぞれ公知の事項であり、かつまた本発明には直接的には関係しないため、その説明を省略する。
ハンマドリル101における本体部103の上部領域には、ハンマビット119の長軸線を挟んで左側と右側にそれぞれ動吸振器収容空間115が形成され、この左右の動吸振器収容空間115に動吸振器151が配置されている。動吸振器151の詳細な構造が図4、図7および図8に示される。なお動吸振器151は、左右いずれの動吸振器151も構造自体は同一である。動吸振器151は、長尺中空状に形成された筒体153と、当該筒体153内に配置されたウェイト155と、ウェイト155を筒体153との間で連接するべく当該ウェイト155の図示左右に配置された付勢バネ157,159を主体として構成される。付勢バネ157,159は、本発明における「弾性要素」に対応する。
筒体153は、円筒状の第1筒部161、円筒状の第2筒部163および円筒状の内筒165から構成されている。第1筒部161と第2筒部163は、それぞれが内筒165の外周面に対し周方向および長軸方向への摺動自在に嵌合されている。これによって第1筒部161および第2筒部163は、同軸上に配置されるとともに、筒体165の長軸方向に相対的に移動可能とされる。なお内筒165と第1筒部161および第2筒部163との嵌合面には、空気の漏れ防止用のシール164が介在されている。第1筒部161は、本発明における「第1の筒部」に対応し、第2筒部163は、本発明における「第2の筒部」に対応する。
第1筒部161と第2筒部163は、互いに対向する長軸方向の一端部において、互いに噛み合い係合する鍵形状(フック状)の係合部161a,163aを介して連結される構成とされる。第1筒部161の係合部161aと第2筒部163の係合部163aは、筒部端面から長軸方向に所定長さで延出されており、両筒部161,163を相互に接近させた状態(筒部端面と係合部先端とを当接させた状態)において、両筒部161,163を周方向へ相対移動させることで互いに噛み合い係合し、これによって第1筒部161と第2筒部163とを連結する。したがって、第1筒部161と第2筒部163とを、上記とは反対方向の周方向に相対移動すれば、係合部161a,163a相互の噛み合い係合が解除され、第1筒部161と第2筒部163の連結が解除される。図7には第1筒部161と第2筒部163の連結前の状態、つまり連結解除状態が示されており、図8には第1筒部161と第2筒部163が連結された状態、つまり動吸振器151の組み立て状態が示されている。
第1筒部161と第2筒部163を連結するべく行われる係合部161a,163aの噛み合い係合動作は、付勢バネ157,159の弾発力に抗しつつ行われる構成とされる。そして係合部161a,163aが相互に噛み合い係合した両筒部161,163の連結状態では、図8に示すように、第1筒部161および第2筒部163の長軸方向端面と、それに対向する係合部163aの長軸方向端面との間に、それぞれ所定の間隙Cが設定されており、この間隙Cの範囲内で第1筒部161と第2筒部163が長軸方向に相対移動可能とされている。これによって筒体153全体が間隙Cの範囲内で長軸方向に伸縮自在とされている。なお上記の間隙Cの大きさについては、後述する本体部103側の被接続口181の配置間隔と、動吸振器151側の接続口167,169の配置間隔との、製作上のバラツキを考慮した上で設定される。
第1筒部161および第2筒部163の外側には、空気の通気孔167a,169aを有する接続口167,169が径方向に突出状に設けられており、当該接続口167,169は、電動ハンマドリル101の本体部103に設けられた空気の通気孔181aを有する被接続口181に接続する構成とされる。動吸振器151を本体部103に取付ける前の状態では、前述したように、付勢バネ157,159の弾発力で筒体153が最大に伸長された状態(図8に示す状態)に保持されるため、このときに両接続口167,169の配置間隔が最大となる。そして両接続口167,169の配置間隔は、第1筒部161と第2筒部163との軸方向の相対移動を介して調整可能とされる。また第1筒部161の接続口167と第2筒部163の接続口169は、第1筒部161の係合部161aと第2筒部163の係合部163aが係合されて両筒部161,163が連結された図8に示す状態では、周方向の位置が一致する、すなわち筒体153の軸線方向の同一直線上に位置するように設定されている。接続口167,169は、本発明における「取付部」に対応し、被接続口181は、本発明における「被取付部」に対応する。
また第1および第2筒部161,163の長軸方向の他端部には、それぞれ付勢バネ157,159の弾発力を受けるバネ受け171,173が設けられ、各バネ受け171,173は、第1および第2筒部161,163の他端部内周に対し当該第1および第2筒部161,163の長軸方向(図中左右方向)に相対的に移動可能に嵌入されている。なお各バネ受け171,173は、常時には第1および第2筒部161,163の内周面に設けた段差面に当接することで当該第1および第2筒部161,163から抜け出ることが規制されている。またバネ受け171,173には、それぞれストッパ175,177が設けられており、このストッパ175,177によりウェイト155の移動範囲を規制している。またバネ受け171,173と第1および第2筒部161,163との嵌合面には、空気の漏出を防止するシール172が介在されている。上記のバネ受け171,173は、本発明における「弾性要素受部材」に対応する。
ウェイト155は、大径部155aと当該大径部155aを挟んで両側に位置する小径部155bとを有するとともに、大径部155aが内筒165の内周面を摺動する構成とされる。大径部155aの移動方向両側にはそれぞれ付勢バネ157,159が配置される。付勢バネ157,159は、圧縮コイルスプリングであり、一端がバネ受け171,173に当接され、他端がウェイト155の大径部155aの長軸方向端面に当接されている。これによって付勢バネ157,159は、ウェイト155が筒体153の長軸方向(ハンマビット119の長軸方向)に移動する際に当該ウェイト155に対向状の弾発力を付与する。
上記のように構成された動吸振器151を電動ハンマドリル101の本体部103に取付けるべく、当該本体部103におけるハンマビット119の長軸線を挟んで右側面と左側面との側面領域には、それぞれ各2個の被接続口181と、各2個の止着部材183が設けられている。各2個の被接続口181は、動吸振器151の接続口167,169と接続するべく設定されており、ハンマビット119の長軸方向と平行な方向に所定間隔で配置されている。各2個の止着部材183は、動吸振器151のバネ受け171,173を係止保持するべく設定されており、ハンマビット119の長軸方向と平行な方向に互いに対向状に配置されている。
被接続口181は、図4および図5に示すように、インナハウジング117に一体に設けられており、動吸振器151の接続口167,169が嵌合可能な嵌合凹部181bを有する。この嵌合凹部181bは、側面方向に開口している。つまり、本体部103の側方から当該本体部103の側面に向かって動吸振器151を概ね水平状に移動させることによって、動吸振器151の接続口167,169が被接続口181の嵌合凹部181bに嵌め込まれて接続される構成である。
2個の止着部材183は、図4および図5に示すように、鉄板を折り曲げることによって平面視で略L字形に形成されるとともにインナハウジング117に固定状に取付けられている。止着部材183は、接続口167,169の嵌め込み方向と平行な方向に延びる対向プレート183aにバネ受け171,173の端部が係止する係止凹部183bを有する。そして動吸振器151の接続口167,169を被接続口181に嵌め込むべく動吸振器151を移動させるときの移動動作に基づき、当該動吸振器151のバネ受け171,173が対向状に配置された止着部材183の対向プレート183a間に差し込まれるとともに、バネ受け171,173の端部が当該対向プレート183aの係止凹部183bに係止され、これによって動吸振器151の筒体153が止着部材183に止着される。かくして、動吸振器151が筒体153の長軸方向がハンマビット119の長軸方向と平行となるように本体部103に取付けられる。
バネ受け171,173が止着部材183の対向プレート183a間に差し込まれるとき、第1および第2筒部161,163に相対移動可能に取付けられたバネ受け171,173は、付勢バネ157,159に抗して第1および第2筒部161,163内に押し込まれる。このため、動吸振器151が本体部103に取付けられた状態では、付勢バネ157,159の弾発力は、バネ受け171,173を介して止着部材183によって受けられることとなり、第1および第2筒部161,163には付勢バネ157,159の弾発力が作用しない。その結果、被接続口181に嵌合する接続口167,169に対して、当該接続口167,169の径方向に付勢バネ157,159の弾発力が作用することが回避される。
バネ受け171,173の先端には、対向プレート183aに対する差し込み方向に向って内側に傾斜する傾斜面171a,173a(図4参照)が設けられ、また対向プレート183aの差込側端部に外側に傾斜する傾斜部183cが形成されており、これによりバネ受け171,173の対向プレート183a間への差込動作の円滑化が図られている。なお動吸振器収容空間115は、図3に示すように、カバー191によって塞がれ、上記のようにして本体部103に取付けられた動吸振器151が外から見えないように隠されている。
動吸振器151の接続口167,169と接続される本体部103側の各2個の被接続口181は、それぞれ通気孔181aを有する。そして一方の被接続口181の通気孔181aは、図5に模式的に示すように、本体部103の内部密閉空間、具体的には、運動変換機構等を収容するクランクハウジング107の内部空間であるクランク室185に連通され、他方の被接続口181の通気孔181aは、本体部103の内部密閉空間、具体的には、動力伝達機構を収容するギアハウジング108やストライカおよびピストンが摺動自在に嵌入されるシリンダを収容するバレルハウジング106等によって囲まれるシリンダ収容空間187に連通されている。すなわち、動吸振器151のウェイト155の両側部に形成される内部空間のうち、一方の内部空間である第1筒部161側の作動室151aは、クランク室185に連通され、他方の内部空間である第2筒部163側の作動室151bは、シリンダ収容空間187に連通されている。
上記のように構成されるハンマドリル101の作用について説明する。図3に示す駆動モータ111が通電駆動されると、その回転出力は、運動変換機構を介して直線運動に変換された後、打撃機構を介してハンマビット119に長軸方向の直線運動、つまりハンマ動作を行わせる。またハンマビット119には、上記のハンマ動作に加え、駆動モータ111の回転出力によって駆動される動力伝達機構を介して回転動作が伝達され、これにより周方向のドリル動作が加えられる。すなわち、ハンマドリル101のハンマドリルモードでの駆動時には、ハンマビット119が長軸方向のハンマ動作と周方向のドリル動作を行い、被加工材にハンマドリル加工作業を遂行する。
なおハンマドリル101がハンマモードで駆動されるときは、動力伝達機構における回転動力伝達系の途中に設けられたクラッチを介して回転動力伝達が遮断される。このため、ハンマモードでの駆動時には、ハンマビット119が長軸方向のハンマ動作のみを行い、被加工材にハンマ加工作業を遂行する。
上記のようにハンマビット119が駆動される際に発生する衝撃的かつ周期的な振動に対しては、本体部103に設けられた動吸振器151が制振機能を奏する。すなわち、ハンマドリル101の本体部103を、所定の外力(振動)が作用する制振対象体として見立てた場合、当該制振対象体である本体部103に対して、動吸振器151における制振要素であるウェイト155および付勢バネ157,159が協働して受動的な制振を行なう。これにより本実施の形態における電動ハンマ101の振動が効果的に抑制されることとなる。なお動吸振器151による制振原理自体は公知の事項ゆえ詳細な説明を省略する。
本実施の形態では、動吸振器151における第1筒部161の作動室151aがクランク室185に連通し、第2筒部163の作動室151bがシリンダ収容空間187に連通している。クランク室185は、外部と遮断された密閉空間であり、クランク室185の圧力は、運動変換機構の駆動に伴い変動する。これは、運動変換機構の構成部材であるピストンがシリンダ内を直線運動することに基づくものである。すなわち、ピストンの前進時(ハンマビット119にハンマ動作を行わせる長軸方向への移動時)には、当該ピストンの前進動作によるクランク室185の容積の拡大に基づきクランク室185の圧力が下がり、ピストンの後退時にはクランク室185の容積が縮小して圧力が上がる。
一方、シリンダ収容空間187は、クランク室185には連通されておらず、独立した密閉空間とされている。そしてピストンが前進動作されたとき、打撃機構の構成部材であるストライカが空気バネを介してシリンダ内を前方へと移動されてインパクトボルトを介してハンマビットに衝撃力を加えるが、このとき、ストライカとインパクトボルト間のシリンダ内空間が縮小され、それに伴い当該シリンダ内空間の空気が当該シリンダに形成されている通気孔からシリンダ収容空間187に押し出される。このため、当該シリンダ収容空間187の圧力が上昇する。そしてストライカが初期位置へと復帰する際には、上記のシリンダ内空間が広がることに基づきシリンダ収容空間187の空気がシリンダ内空間に吸入され、これによりシリンダ内の圧力が下がる。なお、上記のストライカは、態様1における「打撃子」に対応し、クランク室は、態様1における「第1の内部空間」に対応し、シリンダ収容空間は、態様1における「第2の内部空間」に対応する。
このように、ハンマドリル101の駆動時には、クランク室185およびシリンダ収容空間187の圧力は、運動変換機構あるいは打撃機構の駆動に伴って変動し、しかもその圧力変動は、概ね180度の位相差を有するものである。つまり、クランク室185の圧力が上昇したときには、シリンダ収容空間187の圧力が低下し、クランク室185の圧力が低下したときには、シリンダ収容空間187の圧力が上昇するという態様となる。本実施の形態では、このように変動する本体部103の内部空間の圧力を動吸振器151の第1および第2筒部161,163の作動室151a,151bに導入する構成としている。すなわち、クランク室185およびシリンダ収容空間187内の変動圧力を利用して動吸振器151のウェイト155を積極的に駆動する、いわゆる強制加振方式によって動吸振器151に制振作用を行わせる構成である。
ハンマドリル101の駆動時において、ピストンが前進し、ストライカを介してハンマビット119がハンマ動作されるときには、クランク室185の圧力が下がり、シリンダ収容空間187の圧力が上がる(ただし、時間的に一致するものではなく、ずれを伴う)。これにより動吸振器151のウェイト155には、第1筒部161の作動室151aでは吸引力が作用し、第2筒部163の作動室151b側では押圧力が作用する。これによってウェイト155がストライカの移動方向と対向する方向(図示右側)へと移動される。すなわち、動吸振器151は、ウェイト155を積極駆動する、強制加振による能動的な制振機構として作用し、ハンマ作業時に本体部103に生ずる振動を効果的に抑制することができる。
他方、ピストンの後退時、延いてはストライカの後退時には、既述したように、クランク室185の圧力が上がり、シリンダ収容空間187の圧力が下がる。これにより動吸振器151のウェイト155には、第1筒部161の作動室151aでは押圧力が作用し、第2筒部163の作動室151b側では吸引力が作用する。これによってウェイト155は、ストライカの移動方向と対向する方向(図示左側)へと移動される。すなわち、動吸振器151は、ストライカが後退動作する場合においても、ウェイト155を積極駆動する、強制加振による能動的な制振機構として効果的に作用することとなる。
このように、本実施の形態によれば、本来的には、外部側(ハンマドリル101側)からの振動入力に基づいてウェイト155が駆動され、これによって振動を受動的に抑制する機構である動吸振器151につき、当該ウェイト155を、本体部103の内部空間の変動圧力を利用してストライカ143の直線運動と対向するように積極的に駆動する、強制加振方式としている。これにより、ハンマドリル101に作用する振動の大小によらず、動吸振器151を定常的に作動させることが可能となる。この結果、例えば作業者がハンマドリル101に強い押圧力を作用させながらハンマ作業あるいはハンマドリル作業を行なう等のように、制振の要請は高いにも拘らず、当該押圧力のため動吸振器151に入力される振動量が小さくなってしまい、当該動吸振器151が十分に作動しないような作業態様においても、ウェイト153を積極的に駆動させ、十分な制振機能を確保することが可能となる。
本実施の形態においては、上記のような変動圧力を利用した強制加振式のモジュール化された動吸振器151を本体部103に取付けるに際し、動吸振器151の筒体153に設けた接続口167,169を、本体部103側に設けた被接続口181に嵌め込むことによって、当該動吸振器151の内部空間である作動室151a,151bが、本体部103の内部空間であるクランク室185およびシリンダ収容空間187に同時的に連通される構成としている。かかる構成によれば、動吸振器151を本体部103に組付けた後で、わざわざ動吸振器151の作動室151a,151bと、本体部103のクランク室185およびシリンダ収容空間187とを接続するための煩わしい配管作業が不要となり、組付け作業の効率を向上できる。
この場合、動吸振器151側の2つの接続口167,169の配置間隔と、本体部103側の被接続口181の配置間隔に製作上のバラツキが生ずる可能性がある。本実施の形態では、かかるバラツキの発生に対応するべく、動吸振器151の筒体153を、それぞれ接続口167,169が備えられた第1筒部161と第2筒部163から構成するとともに、係合部161a,163aを介して両筒部161,163を付勢バネ157,159の弾発力を受けつつ長軸方向に相対移動可能に連結している。そして接続口167,169は、被接続口181に嵌め込む際に、係合部161a,163aに設定された間隙Cの範囲内での、第1および第2筒部161,163の長軸方向の相対移動を介して配置間隔を調整する(変える)ことができる構成としている。すなわち、被接続口181に対する接続口167,169の位置ずれが吸収される構成としている。このことから、動吸振器151側の接続口167,169の配置間隔と本体部103側の被接続口181の配置間隔に製作上のバラツキが生じたとしても、第1および第2筒部161,163の長軸方向の相対移動が許容された間隙Cの範囲内で当該バラツキを吸収しつつ接続口167,169を被接続口181に支障なく取付けることが可能となる。
また第1および第2筒部161,163は、周方向への相対移動(回動操作)によって互いに噛み合い係合する係合部161a,163aを介して連結される構成であり、反対向きに相対移動することで連結が解除される構成である。このため、第1筒部161と第2筒部163との連結あるいは連結解除を特別の工具を用いることなく容易に行うことができるとともに、連結解除状態では第1筒部161と第2筒部163とを分離し、中のウェイト155、弾性要素157,159を保守点検することができる。
また本実施の形態においては、付勢バネ157,159の弾発力を受けるバネ受け171,173を第1および第2筒部161,163に対し相対移動可能に嵌合する構成とし、当該バネ受け171,173が第1および第2筒部161,163に対する相対的な移動動作を介して本体部103の止着部材183に止着される構成としている。かかる構成によれば、付勢バネ157,159の弾発力を利用して動吸振器151を本体部103に取付けることができるため、ネジ等の締結構造に比べて少ない部品で合理的な取付けが実現されるし、必要に応じて簡単に取り外すことができ、保守、点検作業を行う上で有利となる。また付勢バネ157,159の弾発力が第1および第2筒部161,163に作用しない構成であり、延いては接続口167,169にも作用することが回避されることとなり、当該接続口167,169の保護が図れる。
なお上述した実施の形態では、本体部103の内部空間の変動圧力を利用して動吸振器151のウェイト155を積極的に駆動する強制加振式で説明した関係で、本体部103側の被取付部が通気孔181aを有する被接続口181から構成され、動吸振器151の取付部が通気孔167a,169aを有する接続口167,169により構成されるとしたが、被取付部および取付部については、被接続口181、接続口167,169に限定されるものではない。また上述した実施の形態では、作業工具としてハンマドリル101を例にとって説明しているが、ハンマドリル101に限らず、ハンマに適用できることは当然のこと、工具ビットを直線状に動作させて被加工材に対する加工作業を遂行する作業工具であれば適用することが可能である。例えば、鋸刃を直線状に往復動作させて被加工材の切断作業を行うジグソーあるいはレシプロソー等に好適に用いることができる。
上記発明の趣旨に鑑み、下記のごとき態様が構成可能である。
従来の、例えば特開昭52−109673号公報に開示された動吸振器は、弾性要素による付勢力が作用した状態で配置されたウェイトが、当該動吸振器に入力される振動量の大きさに応じて駆動されることで制振作用を奏する。すなわち動吸振器は、発生した振動量に応じて制振量が決定されるという受動的な性格を有する。ところで、実際の加工作業においては、作業者が作業工具を被加工材側に強く押圧した状態で作業を行なうといったように、工具ビットに被加工材側からの負荷が相当程度作用するため制振の要請が高いにもかかわらず、動吸振器に入力される振動量が抑制されてしまう場合がある。
態様1の発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、作業工具における制振性を一層向上するのに資する技術を提供することを目的としている。
(態様1)
「工具ビットと、
駆動モータと、
前記駆動モータの回転出力を前記工具ビット長軸方向への直線運動に変換する運動変換機構と、
前記運動変換機構の作動動作に基づいて圧力が変動する第1の内部空間と、
前記運動変換機構によって直線状に駆動されて前記工具ビットに長軸方向への衝撃力を付与し、これによって当該工具ビットに所定の加工作業を遂行させる打撃子と、
前記打撃子の作動動作に基づいて圧力が変動する第2の内部空間と、
前記工具ビットによる加工作業時の制振を行う動吸振器を有する作業工具であって、
前記動吸振器は、複数の弾性要素による付勢力が対向状に作用した状態で直線運動可能に構成されるウェイトを有し、当該ウェイトは、前記第1の内部空間から導入される変動圧力と、前記第2の内部空間から導入される変動圧力によって双方向に駆動される構成としたことを特徴とする作業工具。」
態様1に記載の発明によれば、工具ビットと、駆動モータと、運動変換機構と、第1の内部空間と、打撃子と、第2の内部空間と、動吸振器を有する作業工具が構成される。運動変換機構は、駆動モータの回転出力を工具ビット長軸方向への直線運動に変換する。打撃子は、運動変換機構によって直線状に駆動されて工具ビットに長軸方向への衝撃力を付与し、これによって当該工具ビットに所定の加工作業を遂行させる。かかる工具ビットとしては、典型的にはハンマビットがこれに該当する。第1の内部空間は、運動変換機構が駆動されるとき、当該運動変換機構の作動動作に基づいて圧力が変動する。「第1の内部空間」とは、典型的には運動変換機構としてのクランク機構を収容するクランク室がこれに該当する。クランク室は、クランク機構の構成部材であるピストンがシリンダ内を直線状の運動を行うことに基づいて圧力変化を伴う。第2の内部空間は、打撃子が駆動されるとき、当該打撃子の作動動作に基づいて圧力が変動する。「第2の内部空間」とは、典型的には、打撃子の直線状の動作を案内するシリンダを収容するシリンダ収容空間がこれに該当する。シリンダ収容空間は、打撃子の直線状の動作によってシリンダ内の空気が当該シリンダ収容空間に流入あるいは流出することに基づいて圧力変化を伴う。
本発明における動吸振器は、弾性要素による付勢力が作用した状態で直線運動可能に構成されたウェイトを有する。動吸振器の要素たるウェイトは、少なくとも弾性要素による付勢力が作用すれば足り、さらに減衰要素による減衰力の作用を受ける構成も包含されるものとする。
本発明の特徴として、動吸振器のウェイトは、第1の内部空間から導入される変動圧力と、第2の内部空間から導入される変動圧力によって双方向に駆動される構成としている。動吸振器は、本来的には、外部からの振動入力に基づいてウェイトが駆動され、これによって振動を受動的に抑制する機構である。本発明では、かかる受動的な制振機構である動吸振器につき、そのウェイトを、工具ビット駆動用の運動変換機構および打撃子の作動による変動圧力によって積極的に駆動させる。従って、作業工具に作用する振動の大小によらず、動吸振器を定常的に作動させることが可能となる。このため、例えば作業工具に強い押圧力を作用させながら加工作業を行なう等のように、制振の要請は高いにも拘らず、動吸振器に入力される振動量が小さく、当該動吸振器が十分に作動しないような作業態様においても、十分な制振機能を確保することが可能となる。特に、ウェイトを双方向に積極駆動することによって、打撃子が工具ビットに衝撃力を加える方向に動作する行程と、初期位置に戻る行程との双方について制振作用を奏することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る電動式のハンマドリルの外観全体構成を示す一部切断側面図である。 同じくハンマドリルの外観全体構成を示す一部切断平面図である。 同じくハンマドリルの外観全体構成を示す一部切断背面図である。 本体部に対する動吸振器の取付構造を示す平断面図であり、取付ける前の状態が示されている。 同じく本体部に対する動吸振器の取付構造を示す平断面図であり、取付けた状態が示されている 同じく本体部に対する動吸振器の取付構造を示す縦断面図である。 第1筒部から第2筒部が切り離された動吸振器の構成を示す外観図である。 組み立てられた動吸振器を示す外観図である。
符号の説明
101 ハンマドリル(作業工具)
103 本体部
105 モータハウジング
106 バレルハウジング
107 クランクハウジング
108 ギアハウジング
109 ハンドグリップ
111 駆動モータ
113 モード切替レバー
115 動吸振器収容空間
117 インナハウジング
119 ハンマビット(工具ビット)
137 ツールホルダ
151 動吸振器
151a,151b 作動室
153 筒体
155 ウェイト
155a 大径部
155b 小径部
157,159 付勢バネ(弾性要素)
161 第1筒部(第1の筒部)
161a 係合部
163 第2筒部(第2の筒部)
163a 係合部
164 シール
165 内筒
167,169 接続口(取付部)
167a,169a 通気孔
171,173 バネ受け(弾性要素受け部材)
171a,173a 傾斜面
172 シール
175,177 ストッパ
181 被接続口(被取付部)
181a 通気孔
181b 嵌合凹部
183 止着部材
183a 対向プレート
183b 係止凹部
183c 傾斜部
185 クランク室
187 シリンダ収容空間
191 カバー

Claims (4)

  1. 筒体と、前記筒体に当該筒体の軸方向に移動可能に収容されたウェイトと、当該ウェイトを前記筒体との間で連接する弾性要素とを有する動吸振器により、工具ビット駆動時の制振をなす作業工具であって、
    前記動吸振器の筒体は、同軸上に対向状に配置された第1および第2の筒部からなるとともに、当該第1の筒部の外周面および第2の筒部の外周面には、工具本体部に所定の配置間隔で設けられた被取付部に取付け可能な取付部が設けられており、
    前記第1および第2の筒部は、当該第1および第2の筒部の少なくとも周方向への相対移動によって、当該第1の筒部と第2の筒部が相互に連結される連結位置と、当該連結が解除される連結解除位置とに変位可能とされ、前記連結位置では、前記第1の筒部と第2の筒部が軸方向の所定範囲について相対移動を許容され、これによって当該第1の筒部の取付部と第2の筒部の取付部との軸方向の間隔が前記被取付部の配置間隔に対応する間隔に調整可能とされていることを特徴とする作業工具。
  2. 請求項1に記載の作業工具であって、
    前記第1の筒部と第2の筒部とのそれぞれは、当該両筒部を相互に連結する手段として、当該第1および第2の筒部の少なくとも周方向への相対移動によって相互に係合あるいは離脱される係合部を有し、当該係合部の係合状態では前記弾性要素の弾発力によって当該係合状態が維持されるとともに前記第1および第2の筒部が当該弾性要素の弾発力の作用方向と反対方向の軸方向に相対移動することを許容される構成としたことを特徴とする作業工具。
  3. 請求項1または2に記載の作業工具であって、
    前記第1の筒部の取付部および第2の筒部の取付部は、当該筒部外周面に径方向に突出状に設けられるとともに当該筒部の内部空間と連通する通気孔を有する接続口によって構成され、前記工具本体部側に設けた被取付部は、前記工具本体部の内部空間と連通する通気孔を有する被接続口によって構成され、
    前記動吸振器は、前記接続口を前記被接続口に嵌合することによって工具本体部に取付けられるとともに、作業工具の駆動時には、前記動吸振器のウェイトが、前記第1の筒部の内部空間あるいは第2の筒部の内部空間の少なくとも一方に導入される前記工具本体部の内部空間の変動圧力を介して駆動される構成としたことを特徴とする作業工具。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の作業工具であって、
    前記第1および第2の筒部は、前記弾性要素の弾発力を受けつつ当該第1および第2の筒部に相対的に移動可能とされた弾性要素受部材を有し、各弾性要素受部材は、前記第1および第2の筒部に対する相対的な移動動作を介して前記工具本体部に止着されることを特徴とする作業工具。
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