JP2006051826A - 収縮シート状物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 収縮シート状物は、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする層およびポリ乳酸を主成分とする層を有する。この収縮シート状物の全厚さ中に占めるポリ乳酸を主成分とする層の厚さが25%以上、60%以下である。あるいは、この収縮シート状物を120℃のオイルバスに10分間浸漬した際の縦方向(MD)の収縮率が30%以上、横方向(TD)の収縮率が40%以上である。
【選択図】 なし
Description
そこで、生産性が高く、設備コストの安い、インフレーション法を用いて、低温の収縮でも高い収縮率が得られる収縮フィルムまたはシートが求められている。
また、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする層とポリ乳酸を主成分とする層との間には接着層を有することができる。
ここで、前記接着層はアクリル変性ポリエチレン系樹脂を主成分とする層であることができる。
また、前記接着層はエチレン/エポキシ/アルキルアクリレート共重合体を主成分とする層であることができる。
また、前記ポリオレフィン系樹脂は線状低密度ポリエチレン樹脂またはエチレン系共重合体であることができる。
ポリ乳酸は、生分解性があり環境問題を生じることのない材料であり、またその延伸フィルムやシートは延伸PETに近い特性を有し、種々の用途への検討が行われてきた。しかし、ポリ乳酸は生分解性の特性のみが強調され、またこの生分解性に注目するあまり、一般的な樹脂との組み合わせ等については今までのところ全く検討されていない。ところが、従来高価であったポリ乳酸も大量生産のおかげで汎用樹脂に近い価格で入手することが可能となってきた。そこで、本発明者はポリ乳酸の生分解性以外の特性に注目して、かかる特性と一般の樹脂の特性とを共に生かした樹脂や積層体が開発できないものかと研究を続けて本発明を完成させるに至った。本発明の完成により材料選択の範囲が著しく広くなり、材料設計における分野の拡大に貢献することができた。
本発明の収縮シート状物は、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする層とポリ乳酸を主成分とする層を少なくとも1層ずつ以上有する。
シート状物の包装機械適性、耐水性等を考慮すると、表面と裏面の最外層にポリオレフィン系樹脂を主成分とする層を有することが好ましい。ここでシート状物の包装機械適性とは、シート状物を包装機械に通すときに包装機械のベルト等の部品とシート状物表面との滑り性が良好なこと、および延伸フィルムを収縮させるために用いられる収縮トンネルを通過させるときの耐熱性に優れていること等をいう。ポリオレフィン系樹脂については、このような特性のみならず種々の特性を満足させるためには如何なる混合材料を選択すればよいか、添加剤の使用処方はどうすればよいか等のノウハウが確立されているので、包装機械に適合した材料や処方の選択が容易に行える。したがってポリオレフィン系樹脂を主成分とする層を両外層とすることにより、要求される包装機械適性を容易に満足させることができるので便利である。
ポリ乳酸に共重合される共重合成分等のモノマーとしては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシカプロン酸等の2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸やカプロラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン類が挙げられる。
ポリ乳酸を主成分とする層には、滑り剤、酸化防止剤、可塑剤、衝撃改良剤等の各種の添加剤を添加したり、強度や伸びを改良するようなポリマーブレンドの配合を選択することができる。
ポリ乳酸を主成分とする層の厚さは、特に限定されるものではないが、本発明においては、2〜50μmの範囲であることが好ましい。
本発明においては、ポリオレフィン系樹脂に必要に応じて、酸化防止剤、スリップ剤、防曇剤等の各種添加剤を適当量添加することができる。
ポリオレフィン系樹脂を主成分とする層の厚さは、特に制限されるものではないが、例えば、2〜50μmの範囲であることが好ましい。
接着層の厚さは、特に制限されるものではないが、約1〜3μmの範囲であることが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂として三井・デュポンポリケミカル社製のエチレン/メタクリル酸共重合体(EMAA)である(商品名「ニュクレルN1108C」を用い、L−乳酸:D−乳酸=96:4(重量比)であり重量平均分子量が約20万のポリ乳酸を用いて、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする層(A)の厚さが6μm、ポリ乳酸を主成分とする層(C)の厚さが6μmで、層構成がポリオレフィン系樹脂を主成分とする層(A)/ポリ乳酸を主成分とする層(C)である総厚さ12μmの収縮シート状物をインフレーション法により作製した。ただし、その押出し温度を190℃、ブローアップ比率を6倍として、作製した。
実施例1において、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする層の厚さ、ポリ乳酸を主成分とする層の厚さ、および層構成を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、総厚さ12μmの収縮シート状物を作製した。
実施例1において、ポリオレフィン系樹脂の種類とポリオレフィン系樹脂を主成分とする層の厚さおよびポリ乳酸を主成分とする層の厚さを表1に示すように変更し、また、表1の層構成に示すように更に接着層または中間層(B)としてEMAAから形成される層を1.5μm厚となるように形成した以外は実施例1と同様にして収縮シート状物を作製した。
実施例1において、ポリオレフィン系樹脂の種類とポリオレフィン系樹脂を主成分とする層の厚さおよびポリ乳酸を主成分とする層の厚さを表1に示すように変更し、また、表1の層構成に示すように更に接着層または中間層(B)としてポリエチレン/グリシジルメタクリレート/メチルアクリレート共重合体(PE/GMA/MA)である商品名「ボンドファースト7N」(住友化学社製)から形成される層を1.5μm厚となるように形成した以外は実施例1と同様にして収縮シート状物を作製した。
実施例1において、表1に示すように、ポリオレフィン系樹脂の種類とポリオレフィン系樹脂を主成分とする層の厚さを変更し、および層構成を表1に示すようにポリ乳酸を主成分とする層を設けず、接着層または中間層としてPE/GMA/MAから形成される層を厚さ6μmとなるように設けた以外は実施例1と同様にして、総厚さ12μmの収縮シート状物を作製した。
表1に示すように、市販のチューブラー延伸によるポリオレフィン系樹脂の収縮シート状物を参考のため準備した。
Claims (7)
- ポリオレフィン系樹脂を主成分とする層およびポリ乳酸を主成分とする層を有する収縮シート状物であって、該収縮シート状物の全厚さ中に占める前記ポリ乳酸を主成分とする層の厚さが25%以上、60%以下であることを特徴とする収縮シート状物。
- ポリオレフィン系樹脂を主成分とする層およびポリ乳酸を主成分とする層を有する収縮シート状物であって、該収縮シート状物を120℃のオイルバスに10分間浸漬した際の縦方向(MD)の収縮率が30%以上、横方向(TD)の収縮率が40%以上であることを特徴とする収縮シート状物。
- 最外層がポリオレフィン系樹脂を主成分とする層であり、該ポリオレフィン系樹脂を主成分とする層の間にポリ乳酸を主成分とする層を少なくとも1層有することを特徴とする請求項1または2に記載の収縮シート状物。
- ポリオレフィン系樹脂を主成分とする層とポリ乳酸を主成分とする層との間に接着層を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の収縮シート状物。
- 前記接着層がアクリル変性ポリエチレン系樹脂を主成分とする層であることを特徴とする請求項4に記載の収縮シート状物。
- 前記接着層がエチレン/エポキシ/アルキルアクリレート共重合体を主成分とする層であることを特徴とする請求項4に記載の収縮シート状物。
- 前記ポリオレフィン系樹脂が線状低密度ポリエチレン樹脂またはエチレン系共重合体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の収縮シート状物。
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