JP2006046497A - 動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1のピン3は、素材(線材)を引き抜き加工することにより形成されており、その周面11には、全周に亘ってファイバーフロー15が形成されている。各ファイバーフロー15は、所定方向Fに沿って直線状に延びている。第1のピン3の長手方向Lに対して所定方向Fのなす角Dが、0°〜20°の範囲に設定されている。
【選択図】 図5
Description
すなわち、本発明は、チェーン進行方向に並ぶ複数のリンクを備え、プーリ係合用の動力伝達面を一対の端部のそれぞれに有するピンを用いて対応するリンクが相互に連結される動力伝達チェーンにおいて、上記ピンの周面のファイバーフローが所定方向に直線状に延び、且つピンの長手方向に対して上記所定方向のなす角が0°〜20°の範囲に設定されていることを特徴とするものである。
上記ピンの周面にショットピーニング加工が施されていてもよい。これにより、ピンの形成時等に生じた引張残留応力を除去すると共に圧縮残留応力を発生させることができ、ピンの疲れ強さ(繰り返し荷重に対する強さ)をより向上することができる。
図1は、本発明の動力伝達チェーンの一実施の形態に係るチェーン式無段変速機用の動力伝達チェーン(以下では、単にチェーンという)の要部の構成を模式的に示す斜視図である。図2は、図1に示すチェーンの要部の断面平面図である。図3は、図2のII−II線に沿う断面図である。
図2および図3を参照して、各リンク2は板状に形成されており、チェーン進行方向Xの前後に並ぶ一対の端部としての前端部7および後端部8を含んでいる。これら前端部7および後端部8には、前貫通孔9および後貫通孔10がそれぞれ形成されている。
各第1のピン3は、チェーン幅方向Wに延びる棒状体である。各第1のピン3の一対の端部が、チェーン幅方向Wの一対の端部に配置されるリンク2からチェーン幅方向Wにそれぞれ突出している。各第1のピン3の一対の端面には、プーリのシーブ面に接触(係合)するための動力伝達面5,6がそれぞれ設けられている。各第1のピン3は、その動力伝達面5,6によって直接動力伝達に寄与するため、例えば、軸受用鋼(SUJ2)等の高強度材料で形成されている。
対応する第1〜第3の列51〜53の対応するリンク2は、対応する第1および第2のピン3,4を用いて、相互に屈曲可能に連結されている。
図2において、第1〜第3の列51〜53は、それぞれ1つしか図示されていないが、チェーン進行方向Xに沿って第1〜第3の列51〜53が繰り返すように配置されている。そして、チェーン進行方向Xに互いに隣接する2つの列のリンク2同士が対応する第1および第2のピン3,4によって順次に連結され、無端状をなすチェーン1が形成されている。
具体的には、第1のピン3は、第1の列51の各リンク2の前貫通孔9に遊嵌されて、第1の列51の各リンク2に対する相対回転が可能とされると共に、第2の列52の各リンク2の後貫通孔10に圧入固定されて、第2の列52の各リンク2に対する相対回転が規制されている。同様に、第1のピン3は、第2の列52の各リンク2の前貫通孔9に遊嵌されると共に、第3の列53の各リンク2の後貫通孔10に圧入固定されている。
具体的には、第2のピン4は、第1の列51の各リンク2の前貫通孔9に圧入固定されて、第1の列51の各リンク2に対する相対回転が規制されると共に、第2の列52の各リンク2の後貫通孔10に遊嵌されて、第2の列52の各リンク2に対する相対移動(回転)が可能とされている。同様に、第2のピン4は、第2の列52の各リンク2の前貫通孔9に圧入固定されると共に、第3の列53の各リンク2の後貫通孔10に遊嵌されている。
また、第1のピン3を基準とした第1のピン3と対応する第2のピン4との接触線T(図4において、紙面に垂直な方向に延びる直線)の軌跡が、概ねインボリュート曲線となるようにされている。
図5(A)は、第1のピン3の一部拡大正面図である。図5(A)を参照して、各第1のピン3は、素材(線材)を引き抜き加工することにより形成されており、その周面11には、全周に亘ってファイバーフロー15が形成されている。各ファイバーフロー15は、所定方向Fに沿って直線状に延びている。
長手方向Lに対して所定方向Fのなす角Dを20°より大きくすると、第1のピン3の衝撃値(シャルピー衝撃値)と疲労強度の低下が著しくなり、第1のピン3の強度を十分に確保し難くなるため、角Dの範囲を上記の値に設定した。また、各第1のピン3の周面11には、全周に亘ってショットピーニング加工が施されている。
さらに、第1および第2のピン3,4は、それぞれ対応するリンク2の対応する貫通孔9,10に圧入されていなくても良い。また、第1および第2のピン3,4の互いの接触線Tの軌跡が、インボリュート形状を描くようにされていなくても良い。さらに、第1および第2のピン3,4の両方がプーリのシーブ面に係合できる構成でも良い。また、プーリのシーブ面に係合する動力伝達面をピンの両端部に設けた動力伝達ブロックとしてもよい(動力伝達ブロックは、例えば、動力伝達面が形成された部材とピンとが別体に形成されている)。
なお、本発明の動力伝達装置は、ドライブプーリ60およびドリブンプーリ70の双方の溝幅が変動する態様に限定されるものではなく、何れか一方の溝幅のみが変動し、他方が変動しない固定幅にした態様であっても良い。また、上記では溝幅が連続的(無段階)に変動する態様について説明したが、段階的に変動したり、固定式(無変速)である等の他の動力伝達装置に適用しても良い。
試験例は、SUJ2(軸受用鋼)製であり、引き抜き加工により形成されている。試験例の周面のファイバーフローは長手方向に沿って直線状に延びている。
比較例は、SKD11(合金工具鋼)製であり、放電加工により形成されている。比較例の周面のファイバーフローの状態は、特に方向性を持たないものとなっている。
上記の試験例および比較例を用い、曲げ試験(3点曲げ試験)および疲労試験を実施した。
図8に示すように、試験台の上に軸受用ころ(直径7mm、長さ7mm)を2個平行に並べて置き、その上に試験例を載せた。ここで、試験例と対応する軸受用ころとの接触点間の距離(支持スパン)は、17.5mmに設定されている。また、試験例は、その周面のうち第2のピンと接触するための接触部(インボリュート面)が、下を向いて上記各軸受用ころと接触している。
疲労試験
試験例および比較例のそれぞれについて、疲労試験を行った。具体的には、下記の条件で試験例および比較例のそれぞれに繰り返し荷重を付与し、破断に至るまでの回数(繰り返し荷重の付与回数。以下、繰り返し数という。)を計測した。
荷重条件(2):500Nの荷重と2000Nの荷重とを10Hzのサイクルで繰り返し付与。
荷重条件(3):500Nの荷重と1500Nの荷重とを10Hzのサイクルで繰り返し付与。
荷重条件(3)において、比較例は、繰り返し数が11459回目で破断したのに対して、試験例は、繰り返し数が1000000回の時点でも破断(損傷)しなかった。すなわち、試験例は、比較例に対して、87.3倍以上の耐久性を有している。
図9は、第1のピンが破断するまでの繰り返し数と繰り返し荷重の最大値との関係を示すグラフ図である。図9に示すように、試験例は、比較例と比較して、より高い繰り返し荷重に耐えることができると共に、より多い繰り返し数に耐えることができる。
2 リンク(第1のリンク、第2のリンク)
3 第1のピン(ピン)
4 第2のピン
5 動力伝達面
6 動力伝達面
9 前貫通孔
10 後貫通孔
11 (第1のピンの)周面
15 ファイバーフロー
60 ドライブプーリ(第1のプーリ)
70 ドリブンプーリ(第2のプーリ)
62a,63a,72a,73a シーブ面
F 所定方向
L (第1のピンの)長手方向
X チェーン進行方向
Claims (5)
- チェーン進行方向に並ぶ複数のリンクを備え、プーリ係合用の動力伝達面を一対の端部のそれぞれに有するピンを用いて対応するリンクが相互に連結される動力伝達チェーンにおいて、
上記ピンの周面のファイバーフローが所定方向に直線状に延び、且つピンの長手方向に対して上記所定方向のなす角が0°〜20°の範囲に設定されていることを特徴とする動力伝達チェーン。 - 請求項1において、上記ピンは、素材を引き抜き加工または圧延加工して形成されていることを特徴とする動力伝達チェーン。
- 請求項1または2において、上記ピンの周面にショットピーニング加工が施されていることを特徴とする動力伝達チェーン。
- 請求項1,2または3において、上記ピンを第1のピンとして、第1のピンに転がり摺動接触する第2のピンを備え、
上記複数のリンクは第1および第2のリンクを含み、これら各リンクは、チェーン進行方向の前後に並ぶ前貫通孔および後貫通孔をそれぞれ有し、
上記第1のピンは、第1のリンクの前貫通孔に移動可能に嵌め入れられ且つ第2のリンクの後貫通孔に圧入固定され、第2のピンは、第1のリンクの前貫通孔に圧入固定され且つ第2のリンクの後貫通孔に移動可能に嵌め入れられていることを特徴とする動力伝達チェーン。 - 相対向する一対の円錐面状のシーブ面をそれぞれ有する第1および第2のプーリと、これらのプーリ間に巻き掛けられ、シーブ面に係合して動力を伝達する請求項1,2,3または4に記載の動力伝達チェーンとを備えることを特徴とする動力伝達装置。
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