JP2005214345A - 動力伝達チェーンおよびその製造方法ならびに動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】動力伝達チェーンの複数のリンクが互いに摩擦接触して伝動効率が低下することを防止する。
【解決手段】チェーン1は、複数列に並べられた板状のリンク2と、対応するリンク2を相互に連結するための伝動ピン3と、伝動ピン3よりも若干短いストリップ4とを備えている。伝動ピン3およびストリップ4は、各リンク2の一対のリンク端5,6の貫通孔7に圧入嵌合される場合と遊嵌される場合がある。チェーン幅方向Wに関して、隣接するリンク2間に隙間Sが設けられている。これにより、チェーン1の駆動時に、隣接するリンク2が相互に摩擦接触することを防止している。
【選択図】 図2
【解決手段】チェーン1は、複数列に並べられた板状のリンク2と、対応するリンク2を相互に連結するための伝動ピン3と、伝動ピン3よりも若干短いストリップ4とを備えている。伝動ピン3およびストリップ4は、各リンク2の一対のリンク端5,6の貫通孔7に圧入嵌合される場合と遊嵌される場合がある。チェーン幅方向Wに関して、隣接するリンク2間に隙間Sが設けられている。これにより、チェーン1の駆動時に、隣接するリンク2が相互に摩擦接触することを防止している。
【選択図】 図2
Description
本発明は、動力伝達チェーンおよびその製造方法ならびに動力伝達装置に関する。
自動車の無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)等の動力伝達装置に用いられる無端状の動力伝達チェーンとして、チェーン進行方向に複数並べられた板状のリンクと、リンクの両端にそれぞれ形成された貫通孔に挿通されて対応するリンクを相互に連結する伝動ピンと、上記貫通孔にそれぞれ挿通されて対応する伝動ピンに転がり接触可能なストリップとを備えるものがある(例えば、特許文献1〜4参照)。
特願2003−379351号明細書。
特願2003−379882号明細書。
特願2003−354678号明細書。
特開平8−312725号公報。
上記リンクは、チェーン幅方向に積層配置されており、積層された複数のリンクの貫通孔に伝動ピンが圧入されている。チェーン幅方向に隣接するリンクは圧入の際に互いに押圧され、比較的強く押圧接触している。その結果、動力伝達チェーンが曲がる際、すなわちリンクがピンを中心に回動してチェーン幅方向に隣接するリンクと相対摺動する際、摩擦抵抗による駆動ロスが生じて伝動効率の低下を招いていた。
本発明は、かかる背景のもとでなされたもので、伝達効率を向上することのできる動力伝達チェーンおよびその製造方法ならびに動力伝達装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、チェーン進行方向に並ぶ一対のリンク端および各リンク端に形成された貫通孔を有する複数のリンクを相互に連結してなる動力伝達チェーンにおいて、対応するリンクの一方のリンク端の貫通孔に圧入嵌合されると共に対応するリンクの他方のリンク端の貫通孔に遊嵌されて対応するリンクを相互に連結するピンと、上記一方のリンク端の貫通孔に遊嵌されると共に上記他方のリンク端の貫通孔に圧入嵌合され、チェーン進行方向に隣接する対応するピンに接触可能なストリップとを備え、チェーン幅方向に隣接するリンク間に隙間が設けられることを特徴とする動力伝達チェーンを提供するものである。
本発明によれば、チェーン幅方向に隣接するリンク同士が接触して摩擦抵抗が生じることを防止できるので、駆動ロスを十分に低減して伝動効率を格段に向上させることができる。
また、本発明において、チェーン幅方向に隣接するリンク間に合成樹脂部材が介在する場合がある。この場合、チェーン幅方向に隣接するリンク同士が直接接触することを確実に防止でき、伝動効率をより確実に向上することができる。
また、本発明において、チェーン幅方向に隣接するリンク間に合成樹脂部材が介在する場合がある。この場合、チェーン幅方向に隣接するリンク同士が直接接触することを確実に防止でき、伝動効率をより確実に向上することができる。
また、本発明は、相対向する一対の円錐面状のシーブ面をそれぞれ有する第1および第2のプーリと、これらのプーリ間に巻き掛けられ、シーブ面に接触して動力を伝達する上記動力伝達チェーンとを備えることを特徴とする動力伝達装置を提供する。
本発明によれば、伝動効率に優れた動力伝達装置を実現できる。また、例えばチェーン幅方向に隣接するリンク間に隙間が設けられた場合、ピンがチェーン幅方向に移動することができる。これにより、仮に第1のプーリと第2のプーリの相対位置がずれてミスアライメントを生じても、ピンがチェーン幅方向に移動(スキュー)してこのミスアライメントを許容することができる。その結果、ピンが対応するシーブ面に角当たりする等して両者が異常磨耗することを防止でき、寿命を格段に向上できる。
本発明によれば、伝動効率に優れた動力伝達装置を実現できる。また、例えばチェーン幅方向に隣接するリンク間に隙間が設けられた場合、ピンがチェーン幅方向に移動することができる。これにより、仮に第1のプーリと第2のプーリの相対位置がずれてミスアライメントを生じても、ピンがチェーン幅方向に移動(スキュー)してこのミスアライメントを許容することができる。その結果、ピンが対応するシーブ面に角当たりする等して両者が異常磨耗することを防止でき、寿命を格段に向上できる。
また、本発明は、上記動力伝達チェーンの製造方法であって、互いの間に間隔規制部材を介在させて積層され、対応する貫通孔へのピンおよびストリップの挿入により相互に連結された複数のリンクを得るステップと、間隔規制部材を除去するステップとを含むことを特徴とする動力伝達チェーンの製造方法を提供する。
本発明によれば、圧入作業後に間隔規制部材を除去するのみで、隙間を容易に形成することができる。また、間隔規制部材の厚さを調整することで、上記隙間の値を容易に調整することができる。
本発明によれば、圧入作業後に間隔規制部材を除去するのみで、隙間を容易に形成することができる。また、間隔規制部材の厚さを調整することで、上記隙間の値を容易に調整することができる。
本発明の好ましい実施の形態を添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の動力伝達チェーンの一実施の形態に係るチェーン式無段変速機用の動力伝達チェーン(以下では、単にチェーンという)の要部の構成を模式的に示す斜視図である。図1を参照して、チェーン1は、複数列に並べられた板状のリンク2と、対応するリンク2を相互に連結するための伝動ピン3と、伝動ピン3よりも若干短いストリップ4とを備える。
図1は、本発明の動力伝達チェーンの一実施の形態に係るチェーン式無段変速機用の動力伝達チェーン(以下では、単にチェーンという)の要部の構成を模式的に示す斜視図である。図1を参照して、チェーン1は、複数列に並べられた板状のリンク2と、対応するリンク2を相互に連結するための伝動ピン3と、伝動ピン3よりも若干短いストリップ4とを備える。
図2は、図1に示すチェーン1の要部の断面図であり、チェーン進行方向Xの位置がそれぞれ同じである3組のリンク2を示している。具体的には、第1の組51、第2の組52および第3の組53である。図3は、チェーン1のリンク2、伝動ピン3およびストリップ4の断面図である。
図2および図3に示すように、各リンク2は、チェーン進行方向Xに並ぶ一対のリンク端5,6を含み、リンク端5,6にはそれぞれ貫通孔7が形成されている。
図2および図3に示すように、各リンク2は、チェーン進行方向Xに並ぶ一対のリンク端5,6を含み、リンク端5,6にはそれぞれ貫通孔7が形成されている。
第1の組51のリンク2のリンク端5の貫通孔7と第2の組52のリンク2のリンク端6の貫通孔7とは、チェーン幅方向Wに並び、これらの貫通孔7を挿通する伝動ピン3によって、第1および第2の組51,52のリンク2が相互に連結されている。
伝動ピン3は、リンク2の貫通孔7に圧入嵌合されてリンク2に対する相対回転が規制されている場合と、微小な隙間を設けて貫通孔7に遊嵌されてリンク2に対する相対回転が許容されている場合がある。伝動ピン3は、例えば第1の組51の各リンク2のリンク端5の貫通孔7に圧入嵌合されて、第1の組51の各リンク2に対する相対回転が規制されると共に、第2の組52の各リンク2のリンク端6の貫通孔7に遊嵌されて、第2の組52の各リンク2に対する相対回転が許容されている。
伝動ピン3は、リンク2の貫通孔7に圧入嵌合されてリンク2に対する相対回転が規制されている場合と、微小な隙間を設けて貫通孔7に遊嵌されてリンク2に対する相対回転が許容されている場合がある。伝動ピン3は、例えば第1の組51の各リンク2のリンク端5の貫通孔7に圧入嵌合されて、第1の組51の各リンク2に対する相対回転が規制されると共に、第2の組52の各リンク2のリンク端6の貫通孔7に遊嵌されて、第2の組52の各リンク2に対する相対回転が許容されている。
同様に、第2の組52のリンク2のリンク端5の貫通孔7は、第3の組53のリンク2のリンク端6の貫通孔7とチェーン幅方向Wに並び、これらの貫通孔7を挿通する伝動ピン3によって、第2および第3の組52,53のリンク2が相互に連結されている。すなわち、伝動ピン3は、第2の組52の各リンク2のリンク端5の貫通孔7に圧入嵌合されると共に、第3の組53の各リンク2のリンク端6の貫通孔7に遊嵌されている。
図示していないが、次には第3および第4の組のリンク2が相互に連結され、このようにして、順次にリンク2が2組ずつ連結されて、チェーン1全体として無端状をなす。
伝動ピン3の両端は、チェーン幅方向Wの両端に配置されるリンク2からチェーン幅方向Wに突出しており、伝動ピン3の両端面には、シーブ面接触用の動力伝達面8,9が設けられている。伝動ピン3はその動力伝達面8,9によって直接動力伝達に寄与するため、例えば軸受用鋼(例えばSUJ2)等の高強度材料で形成されている。
伝動ピン3の両端は、チェーン幅方向Wの両端に配置されるリンク2からチェーン幅方向Wに突出しており、伝動ピン3の両端面には、シーブ面接触用の動力伝達面8,9が設けられている。伝動ピン3はその動力伝達面8,9によって直接動力伝達に寄与するため、例えば軸受用鋼(例えばSUJ2)等の高強度材料で形成されている。
一方、ストリップ4は、シーブ面と接触しないように伝動ピン3よりも若干短く形成された棒状体である。ストリップ4は、貫通孔7に圧入嵌合されてリンク2に対する相対回転が規制されている場合と、微小な隙間を設けて貫通孔7に遊嵌されてリンク2に対する相対回転が許容されている場合がある。
ストリップ4は、例えば第1の組51の各リンク2のリンク端5の貫通孔7に遊嵌されて、第1の組51の各リンク2に対する相対回転が許容されると共に、第2の組52の各リンク2のリンク端6の貫通孔7に圧入嵌合されて、第2の組52の各リンク2に対する相対回転が規制されている。
ストリップ4は、例えば第1の組51の各リンク2のリンク端5の貫通孔7に遊嵌されて、第1の組51の各リンク2に対する相対回転が許容されると共に、第2の組52の各リンク2のリンク端6の貫通孔7に圧入嵌合されて、第2の組52の各リンク2に対する相対回転が規制されている。
上記の構成により、ストリップ4は、チェーン進行方向Xに隣接する対応する伝動ピン3と接触(転がり摺動接触:転がり接触およびすべり接触の少なくとも一方を含む接触)できるようになっている。これにより、プーリのシーブ面に対して伝動ピン3が殆ど回転しないようにし、摩擦損失を低減して高い伝動効率を確保するようになっている。
図4は、図2のII−II線に沿う断面図である。図4を参照して、本実施の形態の特徴とするところは、チェーン幅方向Wに関して、隣接するリンク2間に隙間Sが設けられることにより、隣接するリンク2が相互に摩擦接触することを防止して、チェーン1の駆動に起因する伝動効率の低下を防止している点にある。
図4は、図2のII−II線に沿う断面図である。図4を参照して、本実施の形態の特徴とするところは、チェーン幅方向Wに関して、隣接するリンク2間に隙間Sが設けられることにより、隣接するリンク2が相互に摩擦接触することを防止して、チェーン1の駆動に起因する伝動効率の低下を防止している点にある。
具体的には、チェーン幅方向Wに関して、隣接するリンク2の相対向する一側面がそれぞれ一対の対向面10を含んでおり、この対向面10間に隙間Sが設けられている。これにより、伝動ピン3は、チェーン進行方向Xに隣接する伝動ピン3(図2参照)に対して、隙間Sに対応する量だけチェーン幅方向Wに移動すること(スキュー)が可能となっている。なお、隙間Sは、スキュー量が最大で例えば0.5mm〜1mmとなるように設定される
図5(a)〜図5(c)はそれぞれ、チェーン1の製造方法について説明するための一部断面図である。チェーン1は、例えば下記の2つのステップ、すなわち、互いの間に間隔規制部材11を介在させてチェーン幅方向Wに積層され、対応する貫通孔7への伝動ピン3およびストリップ4の挿入により相互に連結された複数のリンク2を得るステップと、間隔規制部材11を対応するリンク2間から除去するステップとを経て製造される。
図5(a)〜図5(c)はそれぞれ、チェーン1の製造方法について説明するための一部断面図である。チェーン1は、例えば下記の2つのステップ、すなわち、互いの間に間隔規制部材11を介在させてチェーン幅方向Wに積層され、対応する貫通孔7への伝動ピン3およびストリップ4の挿入により相互に連結された複数のリンク2を得るステップと、間隔規制部材11を対応するリンク2間から除去するステップとを経て製造される。
すなわち、図5(a)に示すように、対応するリンク2の対応するリンク端5,6の貫通孔7に、対応する伝動ピン3およびストリップ4を順次挿入していく。この際、チェーン幅方向Wに隣接する対応するリンク2の対向面10間に、間隔規制部材11をそれぞれ介在させて(挟んで)おく。
これにより、図5(b)に示すように、チェーン進行方向Xに隣り合う2組のリンク2(例えば第1および第2の組51,52のリンク2)は、間隔規制部材11を介してチェーン幅方向Wに積層配置される。
これにより、図5(b)に示すように、チェーン進行方向Xに隣り合う2組のリンク2(例えば第1および第2の組51,52のリンク2)は、間隔規制部材11を介してチェーン幅方向Wに積層配置される。
上記間隔規制部材11は、チェーン幅方向Wに隣接するリンク2間に隙間Sを形成するためのものであり、塗料、デンプン、セルロース等の可溶性を有する材料や、炭素鋼、合金鋼等の引っ張り強度に優れた材料により形成されている。
次に、間隔規制部材11を対応するリンク2間から除去する。具体的には、間隔規制部材11が上記可溶性を有する材料により形成されている場合には、水、有機溶剤、無機溶剤等の溶剤を用いて溶かすことで、間隔規制部材11を対応するリンク2間から除去する。また、間隔規制部材11が上記引っ張り強度に優れた材料により形成されている場合には、間隔規制部材11を引き抜くことで、対応するリンク2間から除去する。これにより、図5(c)に示すように、チェーン幅方向Wに隣接するリンク2間に隙間Sが設けられたチェーン1が製造される。
次に、間隔規制部材11を対応するリンク2間から除去する。具体的には、間隔規制部材11が上記可溶性を有する材料により形成されている場合には、水、有機溶剤、無機溶剤等の溶剤を用いて溶かすことで、間隔規制部材11を対応するリンク2間から除去する。また、間隔規制部材11が上記引っ張り強度に優れた材料により形成されている場合には、間隔規制部材11を引き抜くことで、対応するリンク2間から除去する。これにより、図5(c)に示すように、チェーン幅方向Wに隣接するリンク2間に隙間Sが設けられたチェーン1が製造される。
なお、複数のリンク2を、予め間隔規制部材11を介してチェーン幅方向Wに積層配置しておき、伝動ピン3およびストリップ4を、これら複数のリンク2の対応するリンク端5,6の貫通孔7に一括して挿入するようにしても良い。
以上の次第で、本実施の形態によれば、チェーン幅方向Wに隣接するリンク2間に隙間Sが設けられることで、使用時にチェーン幅方向Wに隣接するリンク2同士が接触して摩擦抵抗が生じることを防止できるので、駆動ロスを十分に低減して伝動効率を格段に向上させることができる。
以上の次第で、本実施の形態によれば、チェーン幅方向Wに隣接するリンク2間に隙間Sが設けられることで、使用時にチェーン幅方向Wに隣接するリンク2同士が接触して摩擦抵抗が生じることを防止できるので、駆動ロスを十分に低減して伝動効率を格段に向上させることができる。
また、チェーン1の製造の際、伝動ピン3およびストリップ4の圧入作業後に間隔規制部材11を除去するのみで、隙間Sを容易に形成することができる。また、間隔規制部材11の厚さを調整することで、隙間Sの値を容易に調整することができる。
なお、上記実施の形態において、チェーン1の製造の際、対応するリンク2の一対の対向面10の少なくとも一方に塗装処理により皮膜を形成しておき、伝動ピン3およびストリップ4の圧入作業後に水、有機溶剤、無機溶剤等の溶剤を用いてこの皮膜を除去することで、隙間Sを形成しても良い。
なお、上記実施の形態において、チェーン1の製造の際、対応するリンク2の一対の対向面10の少なくとも一方に塗装処理により皮膜を形成しておき、伝動ピン3およびストリップ4の圧入作業後に水、有機溶剤、無機溶剤等の溶剤を用いてこの皮膜を除去することで、隙間Sを形成しても良い。
また、図6に示すように、対応するリンク2の対応するリンク端5,6の貫通孔7への伝動ピン3およびストリップ4の挿入量(挿入ストローク)を設定することで隙間Sを設けても良い。この場合、伝動ピン3およびストリップ4は、対応するリンク2が所定の位置(例えば位置P)に到達するように、対応するリンク端5,6の貫通孔7に挿入される。
さらに、上記各実施の形態において、チェーン幅方向Wに隣接するリンク2間に、図7(a)〜図7(c)にそれぞれ示す合成樹脂部材12を介在させるようにしても良い。合成樹脂部材12は、フェノール、ナイロン、フッ素等の材料により形成され、各リンク2の対向面10を覆っている。合成樹脂部材12は、例えば図7(a)に示すように各リンク2の表面全体を覆ったものでも良いし、図7(b)に示すように各リンク2の対向面10の一方にのみ設けられるものでも良いし、図7(c)に示すように各リンク2の対向面10の両方に設けられるものでも良い。
この場合、合成樹脂部材12を、対応する隙間Sが完全に詰まるように形成しても良いし、隙間Sの一部のみが詰まるように形成して伝動ピン3のスキューを許容するようにしても良い。
これにより、チェーン幅方向Wに隣接するリンク2同士が直接接触することを確実に防止でき、伝動効率をより確実に向上することができる。
これにより、チェーン幅方向Wに隣接するリンク2同士が直接接触することを確実に防止でき、伝動効率をより確実に向上することができる。
図8は、本発明の動力伝達装置の一実施の形態に係るいわゆるチェーン式無段変速機(以下では、単に無段変速機ともいう)の要部構成を模式的に示す斜視図である。図8を参照して、本形態に係る無段変速機は、自動車等の車両に搭載され、第1のプーリとしての金属(構造用鋼等)製のドライブプーリ60と、第2のプーリとしての金属(構造用鋼等)製のドリブンプーリ70と、これら両プーリ60,70間に巻き掛けられた無端状のチェーン1とを備えている。なお、図8中のチェーン1は、理解を容易にするために一部断面を示している。
図9は、図8に示すチェーン式無段変速機のドライブプーリ60(ドリブンプーリ70)およびチェーン1の部分的な拡大断面図である。図8および図9を参照して、ドライブプーリ60は、車両の駆動源に動力伝達可能に連なる入力軸61に取り付けられるものであり、固定シーブ62と可動シーブ63とを備えている。固定シーブ62および可動シーブ63は、相対向する一対のシーブ面62a,63aをそれぞれ有している。シーブ面62a,63aは円錐面状の傾斜面を含む。これらシーブ面62a,63a間に溝が区画され、この溝によってチェーン1を強圧に挟んで保持するようになっている。
また、可動シーブ63には、溝幅を変更するための油圧アクチュエータ(図示せず)が接続されており、変速時に、入力軸61の軸方向(図9の左右方向)に可動シーブ63を移動させることにより溝幅を変化させ、それにより、入力軸61の径方向(図9の上下方向)にチェーン1を移動させて入力軸61に対するチェーン1の巻き掛け半径(有効半径)を変化できるようになっている。
一方、ドリブンプーリ70は、駆動輪(図示せず)に動力伝達可能に連なる出力軸71に一体回転可能に取り付けられており、ドライブプーリ60と同様に、チェーン1を強圧で挟む溝を形成するためのシーブ面72a,73aをそれぞれ有する固定シーブ72および可動シーブ73を備えている。また、ドリブンプーリ70の可動シーブ73には、ドライブプーリ60の可動シーブ63と同様に油圧アクチュエータ(図示せず)が接続されており、変速時に、可動シーブ73を移動させることにより溝幅を変化させ、それによりチェーン1を移動させて出力軸71に対するチェーン1の巻き掛け半径(有効半径)を変化できるようにしてある。
上記のように構成された本実施の形態に係る無段変速機では、例えば、以下のようにして無段階の変速を行うことができる。すなわち、出力軸71の回転を減速する場合、ドライブプーリ60の溝幅を可動シーブ63の移動によって拡大させ、チェーン1の伝動ピン3の両端の動力伝達面8,9を円錐面状のシーブ面62a,63aの内側方向(図9の下方向に向けて境界潤滑(接触面内の一部が微小突起の直接接触で、残部が潤滑油膜を介して接触する潤滑状態)条件下ですべり接触すながらチェーン1の入力軸61に対する巻き掛け半径を小さくする。一方、ドリブンプーリ70では、可動シーブ73の移動によって溝幅を縮小させ、チェーン1の動力伝達面8,9を円錐面状のシーブ面72a,73aの外側方向に向けて境界潤滑条件下ですべり接触させながらチェーン1の出力軸71に対する巻き掛け半径を大きくする。
逆に、出力軸71の回転を増速する場合には、ドライブプーリ60の溝幅を可動シーブ63の移動によって縮小させ、チェーン1の動力伝達面8,9を円錐面状のシーブ面62a,63aの外側方向(図9の上方向)に向けて境界潤滑条件下ですべり接触しながらチェーン1の入力軸61に対する巻き掛け半径を大きくする。一方、ドリブンプーリ70では、可動シーブ73の移動によって溝幅を拡大させ、チェーン1の動力伝達面8,9を円錐面状のシーブ面72a,73aの内側方向に向けて境界潤滑条件下ですべり接触させながらチェーン1の出力軸71に対する巻き掛け半径を小さくする。
以上の次第で、本実施の形態によれば、伝動効率に優れた動力伝達装置を実現できる。また、チェーン幅方向Wに隣接するリンク2間に隙間Sが設けられた場合、伝動ピン3がチェーン幅方向Wに移動することができる。これにより、仮にドライブプーリ60とドリブンプーリ70の相対位置がずれてミスアライメントを生じても、すなわち図10(a)に示すように、ドライブプーリ60とドリブンプーリ70との間で水平方向(動力伝達方向に直交する方向)にずれを生じるミスアライメントAを生じたり、図10(b)に示すように、ドライブプーリ60とドリブンプーリ70が互いに異なる方向を向くことで生じるミスアライメントBを生じたり、図10(c)に示すように、ドライブプーリ60とドリブンプーリ70が捩れるように回転することで生じるミスアライメントCを生じたり、これらが組み合わさったミスアライメントを生じたりしても、伝動ピン3がチェーン幅方向Wに移動(スキュー)してこのミスアライメントを許容することができる。その結果、伝動ピン3が対応するシーブ面62a,63a,72a,73aに角当たりする等して両者が異常磨耗することを防止でき、寿命を格段に向上できる。
なお、本発明の動力伝達装置は、ドライブプーリ60およびドリブンプーリ70の双方の溝幅が変動する態様に限定されるものではなく、何れか一方の溝幅のみが変動し、他方が変動しない固定幅にした態様であっても良い。また、上記では溝幅が連続的(無段階)に変動する態様について説明したが、段階的に変動したり、固定式(無変速)である等の他の動力伝達装置に適用しても良い。
なお、伝動ピン3の動力伝達面8,9(端面)が対応するシーブ面62a,63a,72a,73aに接触して動力伝達する例を示したが、ピンやリンク等のチェーン構成部材に動力伝達面を有する動力伝達ブロック等、他の動力伝達部材を備えるタイプのチェーンを用いてもよい。
本発明は、以上の各実施の形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
本発明は、以上の各実施の形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
1 チェーン(動力伝達チェーン)
2 リンク
3 伝動ピン(ピン)
4 ストリップ
5,6 リンク端
7 貫通孔
8,9 動力伝達面
11 間隔規制部材
12 合成樹脂部材
60 ドライブプーリ(第1のプーリ)
62a,63a シーブ面
70 ドリブンプーリ(第2のプーリ)
72a,73a シーブ面
S 隙間
W チェーン幅方向
X チェーン進行方向
2 リンク
3 伝動ピン(ピン)
4 ストリップ
5,6 リンク端
7 貫通孔
8,9 動力伝達面
11 間隔規制部材
12 合成樹脂部材
60 ドライブプーリ(第1のプーリ)
62a,63a シーブ面
70 ドリブンプーリ(第2のプーリ)
72a,73a シーブ面
S 隙間
W チェーン幅方向
X チェーン進行方向
Claims (4)
- チェーン進行方向に並ぶ一対のリンク端および各リンク端に形成された貫通孔を有する複数のリンクを相互に連結してなる動力伝達チェーンにおいて、
対応するリンクの一方のリンク端の貫通孔に圧入嵌合されると共に対応するリンクの他方のリンク端の貫通孔に遊嵌されて対応するリンクを相互に連結するピンと、
上記一方のリンク端の貫通孔に遊嵌されると共に上記他方のリンク端の貫通孔に圧入嵌合され、チェーン進行方向に隣接する対応するピンに接触可能なストリップとを備え、
チェーン幅方向に隣接するリンク間に隙間が設けられることを特徴とする動力伝達チェーン。 - 請求項1において、チェーン幅方向に隣接するリンク間に合成樹脂部材が介在することを特徴とする動力伝達チェーン。
- 相対向する一対の円錐面状のシーブ面をそれぞれ有する第1および第2のプーリと、これらのプーリ間に巻き掛けられ、シーブ面に接触して動力を伝達する請求項1または2記載の動力伝達チェーンとを備えることを特徴とする動力伝達装置。
- 請求項1に記載の動力伝達チェーンの製造方法であって、
互いの間に間隔規制部材を介在させて積層され、対応する貫通孔へのピンおよびストリップの挿入により相互に連結された複数のリンクを得るステップと、
間隔規制部材を除去するステップとを含むことを特徴とする動力伝達チェーンの製造方法。
Priority Applications (8)
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---|---|---|---|
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