JP2006045466A - 熱可塑性樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物およびその成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】 摺動性が高く、表面外観および機械的強度にも優れ、しかも製造安定性が高い熱可塑性樹脂組成物および成形品を提供する。
【解決手段】 本発明の熱可塑性樹脂組成物は、エチレン含量が75〜90質量%のエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体および低分子量変性α−オレフィン共重合体を含有するゴム質重合体(A)に、芳香族ビニル単量体およびシアン化ビニル系単量体を含有する単量体混合物(B)が乳化グラフト重合したグラフト重合体(C)と、芳香族ビニル単量体およびシアン化ビニル系単量体が共重合した共重合体(D)とが含まれている。
【選択図】 なし

Description

本発明は、事務機器、家電、自動車の摺動部材に使用される熱可塑性樹脂組成物および成形品に関する。
エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体の存在下に、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体をグラフト重合してなるグラフト重合体を含有するゴム変性熱可塑性樹脂はAES樹脂として知られており(例えば、特許文献1〜3参照)、優れた耐候性、耐衝撃性を有するため、様々な用途で利用されている。
ところで、事務機器、家電、自動車分野においては、例えば、キーボード、軸受け材料、ギヤー材料等の摺動部材が設けられることがある。この摺動部材には摺動性や自己潤滑性の高い材料が使用され、摺動性や自己潤滑性が高い材料としては、例えば、AES樹脂等の熱可塑性樹脂にシリコーンオイル等の潤滑剤やポリエチレン等のポリオレフィン樹脂を添加したものが挙げられる。
また、摺動性や自己潤滑性が高い材料として、例えば、特許文献4には、ゴム変性スチレン樹脂にポリオレフィン系樹脂、スチレン−オレフィングラフト共重合体、ジメチルシリコーンを混合した摺動性スチレン系樹脂組成物が開示されている。さらに、特許文献5には、合成樹脂の耐磨耗性を向上させる添加剤として、特定のポリエチレン成分を使用する方法が開示されている。
特開昭63−291913号公報 特開昭63−291942号公報 特開昭63−291943号公報 特開昭63−182361号公報 特開昭63−175069号公報
しかしながら、特許文献4,5に記載されているような、シリコーンオイル等の潤滑剤やポリエチレン樹脂等のポリオレフィン樹脂を添加する方法では、潤滑剤のブリージングが起こりやすく、また添加剤の分散状態が十分でないため、機械的強度が低下するという欠点があった。したがって、優れた摺動性、自己潤滑性、表面外観を得ることは困難であった。なお、特許文献1〜3に記載されたAES樹脂のみでは、摺動性が不足することはいうまでもない。
さらに、AES樹脂においては、乳化重合でグラフト重合体を製造する際の製造安定性が高いことが求められる。
本発明の目的は、上記課題を解決して、摺動性が高く、表面外観および機械的強度にも優れ、しかも製造安定性が高い熱可塑性樹脂組成物および成形品を提供することにある。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、エチレン含量が75〜90質量%のエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体および低分子量変性α−オレフィン共重合体を含有するゴム質重合体(A)に、芳香族ビニル単量体およびシアン化ビニル系単量体を含有する単量体混合物(B)が乳化グラフト重合したグラフト重合体(C)と、
芳香族ビニル単量体およびシアン化ビニル系単量体が共重合した共重合体(D)とが含まれていることを特徴とする。
本発明の熱可塑性樹脂組成物においては、グラフト重合体(C)が、ゴム質重合体(A)40〜80質量%に単量体化合物(B)60〜20質量%をグラフト重合したものであることが好ましい。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物においては、グラフト重合体(C)と共重合体(D)の合計100質量部に対し、グラフト重合体(C)の含有量が5〜70質量部、共重合体(D)の含有量が95〜30質量部であることが好ましい。
本発明の成形品は、上述した熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする。
本発明の熱可塑性樹脂組成物および成形品は、摺動性、表面外観、機械的強度に優れる上に、製造安定性が高いものである。
<グラフト重合体(C)>
グラフト重合体(C)は、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体(以下、「EPDM」と略称する)および低分子量変性α−オレフィン共重合体を含有するゴム質重合体(A)に単量体混合物(B)が乳化グラフト重合したものである。
ゴム質重合体(A)に含まれるEPDMは、エチレン含量が75〜90重量%である。エチレン含量が75〜90重量%であることで、摺動性および機械的強度をともに高くできる。そして、添加剤を添加しなくても摺動性を高くできるため、添加剤の分散不良による外観不良がなく、表面外観に優れる。これに対し、エチレン含量が75重量%未満の場合には、摺動性が低くて実用的でなく、90重量%を超える場合には、摺動性は向上するものの物性バランスが悪くなる。
EPDMにおける非共役ジエン成分としては特に制限はないが、1,4−ヘキサジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニルノルボルネンおよびジシクロペンタジエン等が好ましい。
ゴム質重合体(A)はEPDM以外のゴム成分を含有してもよい。EPDM以外のゴム成分の例としては、ポリブタジエン、ポリブタジエンの水素添加物、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、エチレン−ブテン−1−(非共役ジエン)共重合体、イソブチレン−イソプレン共重合体、アクリルゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、SEBS等の水素添加ジエン系(ブロック、ランダムおよびホモ)(共)重合体、ポリウレタンゴムおよびシリコーンゴム等が挙げられる。
低分子量変性α−オレフィン共重合体は、α−オレフィン共重合体が官能基を有する化合物で変性され、質量平均分子量が1000〜5000のものである。例えば、α−オレフィン99.8〜80質量%と不飽和カルボン酸系化合物0.2〜20質量%とが共重合した変性ポリエチレン等が挙げられる。ここで、α−オレフィンとしては、エチレン等が挙げられ、不飽和カルボン酸系化合物としては、例えば、アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸およびマレイン酸モノアミドが挙げられる。
この低分子量変性α−オレフィン共重合体がゴム質重合体(A)に含まれることで、乳化安定性を高くできるので、製造安定性が高くなる。
ゴム質重合体(A)中の低分子量変性α−オレフィン共重合体の含有量は、EPDM100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましい。低分子量変性α−オレフィン共重合体の含有量が0.1質量部以上であれば、より安定に乳化グラフト重合できるが、30質量部を超えると得られる熱可塑性樹脂組成物の物性バランスが低下する傾向にある。
ゴム質重合体(A)は、得られる熱可塑性樹脂組成物の物性バランスに優れることから、平均粒子径が0.2〜1μmであることが好ましい。平均粒子径が0.2μm未満の場合には、得られる熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性が低くなることがあり、1μmを超える場合には、光沢が低下して表面外観が悪化する傾向にある。
ゴム質重合体(A)はラテックスの状態で乳化グラフト重合に供される。
ゴム質重合体ラテックスを調製する方法としては、公知の溶融混練手段でEPDMと低分子量変性α−オレフィン共重合体の所定量を混練し、機械的剪断力を与えて充分に分散させ、その混練物を、乳化剤を含む水性媒体に添加する方法が挙げられる。この方法によれば、安定なゴム質重合体のラテックスを得ることができる。
このラテックスの調製方法における溶融混練手段としては特に制限はないが、ニーダー、バンバリーミキサー、多軸スクリュー押出機が好ましい。また、乳化剤としては、例えば、オレイン酸カリウムや不均化ロジン酸カリウム等のアニオン系界面活性剤などが用いられる。乳化剤の添加量は、EPDM100質量部に対して1〜10質量部とするのが好ましい。なお、乳化剤は、例えばオレイン酸をEPDMと低分子量変性α−オレフィン共重合体にあらかじめ混合しておき、これに水酸化カリウム水溶液を添加して、オレイン酸カリウムを生成させて添加することもできる。
ゴム質重合体(A)は、未架橋のゴム質重合体を架橋処理したものでもよい。架橋処理する方法としては、未架橋のゴム質重合体ラテックスの固形分100質量部に対して、ジ−t−ブチル−オキシトリメチルシクロヘキサン等の有機過酸化物を0.1〜5質量部およびジビニルベンゼン等の多官能性化合物を0.1〜5質量部添加して、60〜140℃で、0.5〜5時間程度反応させる方法などが挙げられる。
[単量体混合物(B)]
単量体混合物(B)は、芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体を必須成分として含み、これらと重合可能な他のビニル単量体を任意成分として含む混合物である。
芳香族ビニル系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン等が挙げられる。
シアン化ビニル系単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
他のビニル系単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピルおよびアクリル酸ブチル等のアクリル酸アルキルエステルや、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピレンおよびメタクリル酸ブチル等のメタクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。これらの中でも、アクリル酸ブチルまたはメタクリル酸メチルが好ましく用いられる。
また、他のビニル系単量体としては、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(2−メチルフェニル)マレイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド系単量体が挙げられる。
単量体化合物(B)の組成は、得られる熱可塑性樹脂組成物の物性バランスに優れることから、芳香族ビニル系単量体が60〜76質量%、シアン化ビニル系単量体が40〜24質量%、他のビニル系単量体が0〜20質量%であることが好ましい。
[グラフト重合体(C)の製造方法]
グラフト重合体(C)を製造する方法としては、ゴム質重合体(A)のラテックスに単量体混合物(B)を添加し、所定の重合温度に加熱して乳化グラフト重合させる方法が挙げられる。中でも、単量体混合物(B)にレドックス系開始剤を混合した上で、単量体混合物(B)を1時間以上にわたって、ゴム質重合体(A)のラテックスに連続的に添加することが好ましい。単量体混合物(B)の添加時間が1時間未満の場合、ラテックス安定性が低下して重合収率が低下することがある。
重合後のグラフト重合体(C)には、必要に応じて酸化防止剤を添加してもよい。
ここで使用されるレドックス系開始剤としては、油溶性有機過酸化物と硫酸第一鉄−キレート剤−還元剤とが組み合わされたものが好ましい。油溶性有機過酸化物としては、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。より好ましいレドックス系開始剤としては、クメンハイドロパーオキサイド、硫酸第一鉄、ピロリン酸ナトリウム、デキストロースからなるものである。
グラフト重合体(C)においては、ゴム質重合体(A)40〜80質量%(固形分として)に、単量体混合物(B)60〜20質量%を重合する((A)と(B)の合計100質量%)ことが好ましい。ゴム質重合体(A)が40質量%未満である(単量体混合物が60質量%を超える)場合、ゴム質重合体(A)が80質量%を超える(単量体混合物が20質量%未満である)場合のいずれも、耐衝撃性が低下する傾向にある。
上記グラフト重合体の製造方法によりグラフト重合体ラテックスが得られる。グラフト重合体ラテックスからグラフト重合体(C)を回収する方法としては、例えば、グラフト重合体ラテックスに析出剤を添加し、加熱、攪拌した後、析出剤を分離し、これを水洗、脱水、乾燥する析出法が採用される。析出法における析出剤としては、例えば、硫酸、酢酸、塩化カルシウムまたは硫酸マグネシウム等の水溶液を単独で使用あるいは併用できる。
<共重合体(D)>
共重合体(D)は、芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル系単量体とが共重合したものである。また、この共重合体(D)には、芳香族ビニル単量体およびシアン化ビニル系単量体と共重合可能な他のビニル系単量体が共重合していてもよい。
芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、他のビニル系単量体の具体例としては、単量体混合物(B)と同様のものが挙げられる。
共重合体(D)の組成には特に制限はないが、芳香族ビニル系単量体60〜76重量%、シアン化ビニル系単量体40〜24重量%およびこれらの単量体と共重合可能な単量体0〜20重量%を含むものが好ましい。
共重合体(D)の製造には、乳化重合や懸濁重合等の重合法が採用される。共重合体(D)を乳化重合で製造する場合、反応器内に各単量体と乳化剤と重合開始剤と連鎖移動剤とを仕込み、加熱して重合し、得られた共重合体ラテックスから析出法により共重合体(D)を回収する。
ここで、乳化剤としては、ロジン酸カリウムおよびアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の一般的な乳化重合用乳化剤を用いることができる。また、重合開始剤としては、有機、無機の過酸化物系開始剤を用いることができ、連鎖移動剤としては、メルカプタン類、α−メチルスチレンダイマー、テルペン類等を用いることができる。析出法としては、グラフト重合体ラテックスからグラフト重合体(C)を回収するのと同様の方法を採用できる。
懸濁重合で製造する場合、反応器内に各単量体と懸濁剤と懸濁助剤と重合開始剤と連鎖移動剤とを仕込み、加熱して重合し、得られた共重合体スラリーを脱水して共重合体(D)を回収する。
ここで、懸濁剤としては、トリカルシウムフォスファイト、ポリビニルアルコール等を用いることができ、懸濁助剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等が用いることができる。また、重合開始剤としては、有機パーオキサイド類を用いることができ、連鎖移動剤としては、メルカプタン類、α−メチルスチレンダイマー、テルペン類等を用いることができる。
<他の重合体(E)>
熱可塑性樹脂組成物には、グラフト重合体(C)および共重合体(D)以外に他の重合体(E)が含まれてもよい。他の重合体(E)としては、例えば、ポリメチルメタクリレート系樹脂、ナイロン6樹脂、ナイロン66樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン系樹脂およびハイインパクトポリスチレン樹脂(HIPS樹脂)等が挙げられる。これら他の重合体(E)は単独で用いてもよいし、2種類以上をブレンドして用いてもよい。
<熱可塑性樹脂組成物>
熱可塑性樹脂組成物は、摺動性、表面外観、機械的強度のバランスが特に良くなることから、グラフト重合体(C)と共重合体(D)の合計100質量部に対し、上述したグラフト重合体(C)の含有量が5〜70質量部および共重合体(D)の含有量が95〜30質量部であることが好ましく、グラフト重合体(C)の含有量が10〜50質量部および共重合体(D)の含有量が90〜50質量部であることが特に好ましい。グラフト重合体(C)の含有量が5質量部未満(共重合体(D)の含有量が95質量部を超える)の場合には、耐衝撃性が低下することがある。また、グラフト重合体(C)の含有量が70質量部を超える(共重合体(D)の含有量が5質量部未満)場合には、表面外観が悪化することがある。
熱可塑性樹脂組成物は、グラフト重合体(C)、共重合体(D)と、必要に応じて、酸化防止剤、滑剤、加工助剤、顔料、充填剤とを混合し、例えば、押出機、バンバリーミキサーまたは混練ロール等にてペレット化することで容易に製造される。
<成形品>
次に、本発明の成形品について説明する。本発明の成形品は、上述した熱可塑性樹脂組成物を成形したものである。成形方法としては、例えば、射出成形法、プレス成形法、押出成形法、真空成形法、ブロー成形法などが挙げられる。
本発明の成形品は、キーボード、軸受け材料、ギヤー材料等の摺動部材等に好適であるが、それ以外の用途にも適用できる。
以下、製造例、実施例および比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下において、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を意味する。
「製造例1」ゴム質重合体(A−1)の製造
EPDM(デュポンダウエラストマー(株)製NDR4820P、エチレン含量;85%)84部、低分子量変性ポリエチレン(三井化学(株)製ハイワックス2203A)16部、更に、オレイン酸カリウム5部を混合した。次いで、それらの混合物を2軸スクリュー押出機(池貝鉄鋼(株)製PCM−30型、L/D=40)のホッパーより4kg/時間で供給し、水酸化カリウム15%水溶液を110g/時間で連続的に供給しながら、加熱温度180℃で溶融混練して溶融物を押出した。引き続き、溶融物を同押出機先端に取り付けた冷却用一軸押出機に連続的に供給し、90℃まで冷却した。取り出した固体を80℃の温水中に投入し、連続的に分散させて、平均粒子径0.45μmのゴム質重合体ラテックスを得た。
このラテックスの固形分100部に対してジ−t−ブチルパーオキシトリメチルシクロヘキサンを1.15部、ジビニルベンゼンを1.0部添加し、120℃で1時間反応させて、ゴム質重合体(A−1)を調製した。
「製造例2」ゴム質重合体(A−2)の製造
EPDMとして三井化学(株)製14030(エチレン含量;50%)を使用したこと以外は製造例1と同様にしてゴム質重合体(A−2)を製造した。
「製造例3」ゴム質重合体(A−3)の製造
EPDMとして三井化学(株)製TP3180(エチレン含量;70%)を使用したこと以外は製造例1と同様にしてゴム質重合体(A−3)を製造した。
「製造例4」グラフト重合体(C−1)の製造
攪拌機付きステンレス重合槽に、イオン交換水200部、ゴム質重合体(A−1)を固形分として50部、オレイン酸カリウム2部、硫酸第一鉄0.004部、ピロリン酸ナトリウム0.2部およびデキストロース0.2部を仕込み、温度を80℃とした。次に、アクリロニトリル17部およびスチレン33部からなる単量体混合物とクメンハイドロパーオキサイド0.6部とを2時間連続的に添加し、重合温度を80℃一定に保ち乳化グラフト重合を行った。重合終了後のモノマー転化率は93%であった。
重合後、得られたグラフト重合体ラテックスに酸化防止剤を添加し、硫酸にて固形分の析出を行い、洗浄、脱水、乾燥の工程を経て、粉末状のグラフト重合体(C−1)を得た。
「製造例5」
ゴム質重合体(A−1)の量を70部(固形分)にし、アクリロニトリルを10.3部、スチレンを19.7部にしたこと以外は製造例4と同様にしてグラフト重合体(C−2)を得た。
「製造例6」
ゴム質重合体(A−1)の代わりにゴム質重合体(A−2)を用いたこと以外は製造例3と同様にしてグラフト重合体(C−3)を得た。
「製造例7」
ゴム質重合体(A−1)の代わりにゴム質重合体(A−3)を用いたこと以外は製造例3と同様にしてグラフト重合体(C−4)を得た。
「製造例8」
ゴム質重合体(A−3)の量を70部(固形分)にし、アクリロニトリルを10.3部、スチレンを19.7部にしたこと以外は製造例7と同様にしてグラフト重合体(C−5)を得た。
なお、製造例4〜8におけるゴム質重合体の種類および量、単量体混合物量ついては表1に示す。
Figure 2006045466
「製造例9」共重合体の製造法(D)
窒素置換した攪拌機付きステンレス重合反応槽反応器に、イオン交換水120部、ポリビニルアルコール0.1部、アゾビスイソブチロニトリル0.3部、アクリロニトリル30部、スチレン70部、t−ドデシルメルカプタン0.35部を仕込んだ。そして、反応器の温度60℃にして5時間加熱した後、120℃に昇温し、4時間重合した後に抜き出して共重合体(D)を得た。その重合におけるモノマー転化率は98%であり、得られた共重合体(D)の質量平均分子量は1.0×10であった。
(実施例1〜3および比較例1〜3)
上述した方法で得た各成分を表2に示す配合で混合し、その混合物を押出機で溶融混練して熱可塑性樹脂組成物を得た。
Figure 2006045466
得られた熱可塑性樹脂組成物の機械的強度、摺動性、表面外観について以下のように評価した。評価結果を表2に示す。
機械的強度:東芝機械製射出成形機IS55FP−1.5Aを用い、ISO 3167に準拠して試験片を作成し、引張強さをISO 527−4、曲げ強さをISO 178の方法に準拠して測定した。
摺動性: NORMAN TOOL&STANPING COMPANY製のRCA摩耗試験機を使用し、テープ送り速度65mm/秒、荷重280gの条件下、加圧2秒を1サイクルとし、これを50サイクル繰り返した後、摩耗部分の凹みを表面粗さ計で測定した。
表面外観:日本製鋼所製射出成形機J75E−Pを用い、240℃で射出成形してダンベル1号の試験片を作製し、その試験片のゲート付近を次の基準にて目視で判定評価した。
○:フローマーク等の成形外観のむらがない。
△:フローマーク等の成形外観のむらが幾分認められる。
×:フローマーク等の成形外観のむらが明瞭に認められる。
本願請求項1を満たす実施例1〜3では、機械的強度、摺動性、表面外観のいずもが優れていた。一方、EPDMのエチレン含量が75%未満の比較例1〜3では、摺動性が低かった上に、表面外観も劣っていた。

Claims (4)

  1. エチレン含量が75〜90質量%のエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体および低分子量変性α−オレフィン共重合体を含有するゴム質重合体(A)に、芳香族ビニル単量体およびシアン化ビニル系単量体を含有する単量体混合物(B)が乳化グラフト重合したグラフト重合体(C)と、
    芳香族ビニル単量体およびシアン化ビニル系単量体が共重合した共重合体(D)とが含まれていることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. グラフト重合体(C)が、ゴム質重合体(A)40〜80質量%に単量体化合物(B)60〜20質量%をグラフト重合したものであることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. グラフト重合体(C)と共重合体(D)の合計100質量部に対し、グラフト重合体(C)の含有量が5〜70質量部、共重合体(D)の含有量が95〜30質量部であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする成形品。
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