JP2006043296A - 生体内組織閉鎖具および生体内組織閉鎖装置 - Google Patents

生体内組織閉鎖具および生体内組織閉鎖装置 Download PDF

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Abstract

【課題】生体内組織膜に形成された傷穴を容易かつ確実に閉じることができて、完全に止血することができるとともに、安全性の高い生体内組織閉鎖具および生体内組織閉鎖装置を提供する。
【解決手段】クリップ(生体内組織閉鎖具)4は、生体内組織膜の一方の面側から傷穴および傷穴の周辺部を覆う平面部412を有するシール部41と、傷穴を通過可能な第1の形態と他方の面側からシール部41とで生体内組織膜を挟むことが可能な第2の形態とに変形可能な変形部42と、変形部42を第2の形態に保持する(変形部42の変形状態を保持する)固定部43とで構成されている。シール部41の表面の少なくとも一部には、潤滑性を発現させる潤滑性処理が施されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、生体内組織閉鎖具および生体内組織閉鎖装置に関するものである。
従来、血管や他の生体内組織中にカテーテル等の診断或いは治療用装置を挿入してなされる低侵襲手術が広く行なわれている。例えば、心臓の冠状動脈の狭窄の治療においては、その治療処置を行なうために血管内へカテーテル等の器具を挿入することが必要になる。
このようなカテーテルの血管内への挿入は、通常、大腿部を切開して形成した穿刺孔を介して行なわれる。従って、治療処置が終了した後に、穿刺孔の止血を行なう必要があるが、大腿動脈からの出血時の血圧(出血血圧)は高いため、医療従事者が長時間の間、手指で押さえ続ける(用手圧迫)等の過酷な作業が必要となる。
近年、このような止血作業を容易かつ確実に行なうために、傷穴から挿入して血管に形成された穴を縫合する縫合装置が開発されている。例えば、装置の端部に籠状に膨らむことのできる部材を設け、縫合の際にこの部材を血管内へ挿入して籠状に膨らませ、その後に縫合用の針を刺し、籠状に膨らんでいる部材を閉じて針をキャッチし、装置の端部を引き抜くものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような構成の縫合装置は、針のキャッチにおける信頼性が低い問題があった。また、縫合用の糸を一旦通した後、その糸の入れ替え作業を行なう必要があるため、縫合に手間と時間がかかるという問題もあった。
一方、生体内組織閉鎖装置として、硬質のシール部とコラーゲンスポンジとが糸によって連結された構成のものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2に記載の装置の操作方法は、まず、本体部の先端を血管の傷穴から挿入して、シール部を展開する。次いで、本体部をゆっくり引き抜きながら、シール部を傷穴およびその周辺組織に当接させる(面当てする)。この面当てのときの抵抗が術者の手に感じ取られることで、術者はシール部の位置決めを行なう。この状態のままシール部を維持しながら本体部を引くと、本体部の先端からコラーゲンスポンジが傷穴の上の組織中に展開される。そして、本体部を体外に抜去して、シール部とコラーゲンスポンジとに連結した糸を引いて、予め設置されている結び目を進め、シール部とコラーゲンスポンジとを引き寄せて止血を行う。最後に、糸を切断して終了する。
しかしながら、このような構成の生体内組織閉鎖装置では、シール部を血管内に挿入(したり(押し入れたり)、血管内で引っ張る際に、シール部が血管内で引きずられ、血管内膜に悪影響を与えたり、シール部が血管の分岐等に引っ掛かって移動不能になる虞がある。
特表平8−504618号公報 特許第3179783号公報
本発明の目的は、生体内組織膜に形成された傷穴を容易かつ確実に閉じることができて、完全に止血することができるとともに、安全性の高い生体内組織閉鎖具および生体内組織閉鎖装置を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(19)の本発明により達成される。
(1) 生体内組織膜を貫通する傷穴を閉じる生体内組織閉鎖具であって、
前記傷穴を通過して前記傷穴の周辺部に密着して前記傷穴を覆う面を有するシール部と、前記傷穴の外側に配置され、変形可能な変形部と、該変形部の変形状態を保持・固定する固定部とを備え、
前記シール部の表面の少なくとも一部には、潤滑性を発現させる潤滑性処理が施されていることを特徴とする生体内組織閉鎖具。
(2) 前記シール部は、板状をなしており、
前記シール部のうち、前記傷穴の周辺部に密着する面には、前記潤滑性処理が施されていない上記(1)に記載の生体内組織閉鎖具。
(3) 前記シール部は、板状をなしており、
前記シール部における前記傷穴の周辺部に密着する面を除く面全体に前記潤滑性処理が施されている上記(1)に記載の生体内組織閉鎖具。
(4) 前記シール部は、板状をなしており、
前記シール部における前記傷穴の周辺部に密着する面と反対側の面は、湾曲凸面をなしている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の生体内組織閉鎖具。
(5) 前記変形部は、枠状をなしている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の生体内組織閉鎖具。
(6) 前記変形部は、前記固定部の少なくとも一部を受入可能な開口部を有する上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の生体内組織閉鎖具。
(7) 前記変形部は、4つのリンクを一体的に形成してなる四角形をなし、該四角形の対角位置にある2つの角部同士が接近、離間するように変形するものである上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の生体内組織閉鎖具。
(8) 前記シール部、前記変形部および前記固定部が一体的に形成されている上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の生体内組織閉鎖具。
(9) 前記潤滑性処理は、前記変形部の外側表面に更に設けられてなる上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の生体内組織閉鎖具。
(10) 前記潤滑性処理により、潤滑性材料を含む潤滑性被覆層が設けられている上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の生体内組織閉鎖具。
(11) 前記潤滑性材料は、湿潤によって潤滑性を発現する親水性材料である上記(10)に記載の生体内組織閉鎖具。
(12) 前記潤滑性材料は、シリコーンである上記(10)に記載の生体内組織閉鎖具。
(13) 前記シール部の少なくとも一部は、X線造影性を有する上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の生体内組織閉鎖具。
(14) 前記シール部の少なくとも一部は、その表面に、X線不透過性材料を含むX線造影性被覆層を有し、前記潤滑性処理は、前記X線造影性被覆層の表面に施されている上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の生体内組織閉鎖具。
(15) 前記変形部の少なくとも一部は、X線造影性を有する上記(1)ないし(14)のいずれかに記載の生体内組織閉鎖具。
(16) 前記保持部の少なくとも一部は、X線造影性を有する上記(1)ないし(15)のいずれかに記載の生体内組織閉鎖具。
(17) 上記(1)ないし(16)のいずれかに記載の生体内組織閉鎖具を生体内に配置し、該生体内組織閉鎖具により生体内組織膜を貫通する傷穴を閉じる生体内組織閉鎖装置であって、
上記(1)ないし(16)のいずれかに記載の生体内組織閉鎖具と、
先端部において前記生体内組織閉鎖具を着脱自在に保持する長尺状の管状部材とを有することを特徴とする生体内組織閉鎖装置。
(18) 前記管状部材の先端部において、前記生体内組織閉鎖具を間接的に保持するよう構成されている上記(17)に記載の生体内組織閉鎖装置。
(19) 前記管状部材の先端側の外表面には、潤滑性を発現させる潤滑性処理が施されている上記(17)または(18)に記載の生体内組織閉鎖装置。
本発明によれば、生体内組織閉鎖具のシール部の生体内組織内(例えば、血管内)での走行性が向上し、安全性が高くなるとともに、シール部の位置決めを容易かつ確実に行なうことができ、生体内組織膜に形成された傷穴に対し、止血作業を容易かつ確実に行なうことができる。すなわち、傷穴を容易かつ確実に閉じる(閉鎖する)ことができ、完全に止血することができる。
以下、本発明の生体内組織閉鎖具および生体内組織閉鎖装置を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の生体内組織閉鎖装置の第1実施形態を示す斜視図、図2は、図1に示す生体内組織閉鎖装置の生体内組織閉鎖具を示す側面図(a)、斜視図(b)および部分平面図(c)、図3〜図6は、それぞれ、図1に示す生体内組織閉鎖装置の生体内組織閉鎖具の他の構成例を示す側面図(a)および正面図(b)、図7は、図1に示す生体内組織閉鎖装置の生体内組織閉鎖具の他の構成例を示す側面図、図8は、図1に示す生体内組織閉鎖装置の生体内組織閉鎖具の他の構成例を示す側面図および斜視図、図9は、図1に示す生体内組織閉鎖装置の生体内組織閉鎖具の他の構成例を示す側面図、図10〜図16は、それぞれ、図1に示す生体内組織閉鎖装置の作用(動作)を説明するための断面図である。
なお、説明の都合上、図1、図10〜図15において、図中の左下側を「先端」、右上側(手元側)を「基端」、図2〜図9、図16において、図中の上側を「先端」、下側を「基端」として説明する。
これらの図に示す生体内組織閉鎖装置1は、例えば、血管等の生体管腔、生体内部器官、生体内部組織等の生体内組織膜に形成され、経皮的に貫通した傷穴(生体内組織膜を貫通する傷穴)を閉じる(閉鎖する)装置である。
図11および図12に示すように、生体内組織閉鎖装置1は、長尺状の本体部2と、本体部2の先端部に着脱自在に装着され、生体内組織膜を貫通する傷穴を閉じる生体内組織閉鎖具であるクリップ4と、クリップ4を牽引する牽引手段である糸(糸状部材)8とを備えている。
図1、図10および図11に示すように、本体部2は、中心部に軸線方向に貫通する貫通孔51を有するシース5と、シース5に着脱自在に装着される長尺状の移送・変形手段3とを備えている。止血作業(傷穴を閉じる作業)の際は、これらシース5および移送・変形手段3の先端部と、クリップ4とが、それぞれ、傷穴を貫通する。すなわち、傷穴から血管等の生体の管腔(生体管腔)内に挿入される。
シース5は、略円筒状をなし、その基端部にハブ52を有している。ハブ52の外周面には、その周方向に沿って溝53が形成されている。また、シース5の先端は、後述する外套チューブ6の先端より基端側に位置している。
このシース5としては、例えば、カテーテルを用いた治療(PCI)や診断(CAG)の処置後に留置されているシース(イントロデューサシース)を用いてもよく、また、この生体内組織閉鎖装置1専用のものであってもよい。すなわち、本体部2の構成要素には、シース5が含まれていてもよく、また、含まれていなくてもよい。
移送・変形手段3は、長尺状の管状部材である外套チューブ(筒状部材)6と、プッシャーチューブ7(筒状部材)と、糸留めキャップ(糸保持部材)9と、一端側が糸留めキャップ9に固定されたガイドワイヤー11と、ストッパー12とを有している。この移送・変形手段3のうち、外套チューブ6およびプッシャーチューブ7により、クリップ4を移送する移送手段と、後述するクリップ4の変形部42を押圧することにより変形部42を後述する第2の形態に変形させる変形手段との主要部が構成される。
外套チューブ6は、チューブ本体61と、チューブ本体61の基端部に設けられたハブ62とで構成され、外套チューブ6の長さは、シース5より長く設定されている。
この外套チューブ6の先端部(先端側)の外表面には、潤滑性を発現させる後述する潤滑性処理が施されている。
図12に示すように、本体部2を傷穴から引き抜く方向に移動させ、シール部41を傷穴およびその周辺組織に当接させる(面当てする)際の抵抗(引き抜き抵抗)には、外套チューブ6が傷穴やその周辺組織(皮下組織)と摺動する際の抵抗も含まれるので、前記外套チューブ6に対する潤滑性処理により、前記引き抜き抵抗が減少し、これによって、シール部41が傷穴およびその周辺組織に当接したときの抵抗(面当て抵抗)が、術者に対し、より確実に伝わる。例えば、皮下組織が厚い場合や、患者が以前にもカテーテル手術を受けており、過去の穿刺による痕跡化で組織が硬くなっている場合等であっても、術者は、前記面当て抵抗を感知することができる。これにより、止血作業(止血操作)の際のシール部41の位置決めを、さらに容易かつ確実に行なうことができる。
この外套チューブ6の先端部には、クリップ4が着脱自在に装着(保持)される。
ハブ62は、円筒状の筒状部621を有している。筒状部621の内周面には、シース5のハブ52に形成されている溝53に係合し得るリブ622がその周方向に沿って形成されている。また、ハブ62の外周面には、その周方向に沿って溝623が形成されている。
また、ハブ62の筒状部621の内径は、シース5のハブ52の外径より若干大きく、チューブ本体61の外径は、シース5の内径より若干小さい。これにより、外套チューブ6のチューブ本体61をシース5内に挿入することができ、また、シース5のハブ52を外套チューブ6のハブ62の筒状部621内に挿入することができ、ハブ62のリブ622をハブ52の溝53に係合させることができる。リブ622を溝53に係合させることにより、シース5と外套チューブ6の一方から他方の離脱が阻止され、操作し易くなる。
プッシャーチューブ7は、チューブ本体71と、チューブ本体71の基端部に設けられたハブ72とで構成されている。このプッシャーチューブ7は、外套チューブ6の先端部に装着されているクリップ4を外套チューブ6から押し出し、離脱させる。
ハブ72は、円筒状の筒状部721を有している。筒状部721の内周面には、外套チューブ6のハブ61に形成されている溝623に係合し得るリブ722がその周方向に沿って形成されている。
また、ハブ72の基端部の外径は、筒状部721の外径より小さい。このハブ72の基端の外周面には、その周方向に沿ってリブ(フランジ)723が形成されている。
また、ハブ72の筒状部721の内径は、外套チューブ6のハブ62の外径より若干大きく、チューブ本体71の外径は、外套チューブ6の内径より若干小さい。これにより、プッシャーチューブ7のチューブ本体71を外套チューブ6内に挿入することができ、また、外套チューブ6のハブ62をプッシャーチューブ7のハブ72の筒状部721内に挿入することができ、ハブ72のリブ722をハブ62の溝623に係合させることができる。リブ722を溝623に係合させることにより、外套チューブ6とプッシャーチューブ7の一方から他方の離脱が阻止され、操作し易くなる。
糸留めキャップ9は、プッシャーチューブ7のハブ72に対し、着脱自在に装着される。
糸留めキャップ9は、円筒状の筒状部91を有している。筒状部91の内周面には、プッシャーチューブ7のハブ72に形成されているリブ723が係合し得る溝92がその周方向に沿って形成されている。
この糸留めキャップ9の筒状部91内には、ガイドワイヤー11の一端側が固定されている。
糸8をキャップ9とプッシャーチューブ7のハブ72との間に配置し、キャップ9をハブ72に装着し、リブ723を溝92に係合させることにより、プッシャーチューブ7のハブ72からの糸留めキャップ9の離脱が阻止されるとともに、糸8がキャップ9の筒状部91とハブ72のリブ723とで挟み込まれ、保持される。
ストッパー12は、プッシャーチューブ7のチューブ本体71に対し、着脱自在に装着される。
ストッパー12は、略C字状の取付部121と、把持部122とで構成されている。このストッパー12は、プッシャーチューブ7のチューブ本体71を取付部121に挿通させることにより、ハブ72の近傍のチューブ本体71(図1中点線の矢印で示す位置)に装着される。
図1および図2に示すように、クリップ(生体内組織閉鎖具)4は、シール部41と、第1の形態と第2の形態とに変形可能な変形部42と、変形部42を第2の形態に保持・固定する(変形部42の変形状態を保持する)固定部43とで構成されている。これらシール部41、変形部42および固定部43、特に、シール部41、変形部42および固定部43のうちの後述する潤滑性被覆層、X線造影性被覆層および撥水性被覆層以外の部分(主要部分)は、同一の材料で一体的に形成されているのが好ましい。
シール部41は、生体内組織膜の一方の面(内面)側から傷穴の周辺部(生体内組織膜の傷穴を含む部分)に密着して傷穴を覆う平面部412を有する部材であり、板状(平面視で略長方形)をなしている。
このシール部41における後述する変形部42が接続された面(図2中上側の面)は、略平面をなし、変形部42が接続された面と反対側の面(図2中下側の面)は、湾曲凸面をなしている。
変形部42は、基本形態(基本形状)から、傷穴を通過可能な第1の形態と、生体内組織膜の他方の面(外面)側からシール部41とで生体内組織膜を挟むことが可能な第2の形態とに変形可能である枠状をなしており、シール部41の平面部412の略中央に接続(連結)されている。
生体内組織膜が、血管壁(生体管腔壁)である場合は、前記一方の面は、血管壁(生体管腔壁)の内面であり、前記他方の面は、血管壁(生体管腔壁)の外面である。
ここで、本実施形態では、変形部42は、4つのリンクを一体的に形成してなり、ヒンジ状に屈曲可能な4つの角部を有する四角形(四角形の枠状)をなしている。そして、図2中上下方向の対角位置にある2つの角部421、422のうちの図2中下側(シール部41側)の角部422が、シール部41の平面部412に連結され、シール部41や固定部43に対して移動不可能な不動部となっている。
これにより、変形部42は、角部421と角部422とが接近、離間するように変形する、すなわち直行する2方向へ伸縮変形することができ、かつ、シール部41に対し、揺動することもできる。
また、2つの角部421、422のうちの図2中上側(シール部41と反対側)の角部421の上面(シール部41と反対側の表面)は、湾曲凸面をなしている。この角部421には、図2(b)、(c)に示すように、略H字状のスリット424が形成されている。スリット424は、枠状の変形部42を貫通した開口部である。
固定部43は、棒状をなしている。この固定部43は、変形部42の枠内に位置し、その基端部が、角部422に連結されている。
これにより、固定部43は、シール部41に対し、変形部42とともに揺動することができる。
また、固定部43の図2(a)中左右方向の片側(右側)には、爪431が形成されている。この爪431は、固定部43の長手方向(図2(a)中上下方向)に沿って、所定間隔で複数個(図示例では、2つ)並設されている。
前述した移送・変形手段3(本体部2)をその先端方向へ移動させると、外套チューブ6およびプッシャーチューブ7の先端部は、図2(a)中上側から前記変形部42の角部421の上面423あるいは上面423の周囲の変形部42の上面の一部に当接し、外套チューブ6およびプッシャーチューブ7により、変形部42の角部421が図2(a)中下側に向って押圧される。このとき、固定部43は、プッシャーチューブ7内に位置し、邪魔にはならない(図14参照)。
これにより、変形部42の角部421が図2(a)中下側に移動し、固定部43の図2(a)中最も上側の爪431は、角部421に形成されているスリット424を挿通し(スリット424に挿入され)、その爪431が角部421に係合する(図14参照)。
この状態で外套チューブ6およびプッシャーチューブ7による押圧を解除しても、変形部42の形状は保持される。また、変形部42の角部421が図2(a)中上側に向って押圧されても変形部42の形状は保持される。
移送・変形手段3(本体部2)をその先端方向へさらに移動させると、外套チューブ6およびプッシャーチューブ7により、変形部42の角部421が図2(a)中下側に向ってさらに押圧される。
これにより、変形部42の角部421が図2(a)中下側にさらに移動し、固定部43の下側の爪431は、角部421に形成されているスリット424を挿通し(スリット424に挿入され)、角部421に係合する(図15、図16参照)。
前記と同様に、この状態で外套チューブ6およびプッシャーチューブ7による押圧を解除しても、また、変形部42の角部421が図2(a)中上側に向って押圧されても、変形部42の形状は保持される。途中の段階でも同様である。
このようにして、変形部42は、角部421と角部422とが接近するように変形し、シール部41とで生体内組織膜を挟み、傷穴を閉じる第2の形態となり、所定の爪431が角部421に係合して、その第2の形態に保持される。
このように、固定部43により、変形部42の第2の形態において、変形部42の変形の度合いが減少する方向の変形は阻止され、変形部42の変形の度合いが増大する方向の変形は可能とされ、変形部42の変形の度合いを複数段階に規制(調整)することができる。すなわち、固定部43により、変形部42の第2の形態において、角部421と角部422とが離間する方向の変形は阻止され、角部421と角部422とが接近する方向の変形は可能とされ、2つの角部421、422の間の距離を複数段階に規制(調整)することができる。これにより、例えば、生体内組織膜が厚い人、薄い人、硬い人、軟らかい人等、種々の場合に対応することができる。
また、固定部43の先端部には、糸8が挿通する孔(貫通孔)432が形成されている。
図1および図10に示すように、糸8は、図1中上側から変形部42の角部421のスリット424を挿通し、固定部43の孔432を挿通し、さらに、図1中下側からスリット424を挿通した状態で、その両端部をプッシャーチューブ7内を挿通させて、プッシャーチューブ7の基端部から外部に引き出され、この状態でハブ72に糸留めキャップ9を装着することにより、糸留めキャップ9とハブ72との間で挟まれ(保持され)、プッシャーチューブ7の基端部に保持することができる。すなわち、糸8は、その一端部に固定部43が保持され、この状態で他端部がプッシャーチューブ7の基端部に保持される。
図1および図2に示すように、変形部42の角部422の近傍には、ガイドワイヤー11が挿通する孔(貫通孔)425が形成されている。
また、シール部41には、ガイドワイヤー11が挿通する孔(貫通孔)411が形成されている。この孔411の一端は、シール部41の図2(b)中左側の端部に開放し、他端は、シール部41の図2(b)中上側の面の孔425の近傍に開放している。
図10に示すように、ガイドワイヤー11は、変形部42の角部421のスリット424、変形部42の孔425、シール部41の孔411を挿通する。
前記クリップ4の主要部分(大部分)は、生体吸収性材料で全体を一体的に構成されるのが好ましい。これにより、クリップ4の主要部分が所定期間後に生体に吸収され、最終的に生体内に残らないので、人体への影響をなくすことができる。
用いられる生体吸収性材料としては、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリジオキサノン等の単体、あるいはこれらの複合体が挙げられる。
なお、クリップ4の構成材料としては、生体吸収性材料に限らず、例えば、樹脂や金属等の生体適合性材料を用いることができる。
また、前記クリップ4としては、特に、変形部42の変形機能に求められる材料物性としては、ヒンジ特性に優れたものであることが望ましい。具体的には、引張り強さ250〜500(Kg/cm)、伸び150〜800%、引張弾性率8〜20(×10Kg/cm)、曲げ強さ300〜700(Kg/cm)のものが好ましい。これらの物性値を満たすことによって、クリップ4は、ヒンジ特性に優れ、変形部42が所望の変形能を有することができる。
このようなクリップ4のシール部41の表面の少なくとも一部(例えば、シール部41の表面全体、またはシール部41の表面のうちの変形部42が接続された面を除く面全体)には、潤滑性を発現させる潤滑性処理が施されている。これにより、クリップ4のシール部41の血管内等の生体内組織内での走行性が向上し、安全性が高くなるとともに、シール部41の位置決めを容易かつ確実に行なうことができ、血管壁等の生体内組織膜に形成された傷穴に対し、止血作業(止血操作)を容易かつ確実に行なうことができる。
潤滑性処理としては、例えば、親水化処理、潤滑性材料を含む潤滑性被覆層の形成等が挙げられる。
潤滑性被覆層の厚さは、0.1〜50μm程度が好ましく、0.5〜30μm程度がより好ましい。
また、前記潤滑性材料としては、例えば、湿潤によって潤滑性を発現する親水性材料、シリコーン等が挙げられる。
また、前記親水性材料としては、親水性高分子物質が好ましく、親水性高分子物質としては、例えば、以下のような天然または合成の高分子物質、あるいはその誘導体が挙げられる。特に、セルロース系高分子物質(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース)、ポリエチレンオキサイド系高分子物質(ポリエチレングリコール)、無水マレイン酸系高分子物質(例えば、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体のような無水マレイン酸共重合体)、アクリルアミド系高分子物質(例えば、ポリアクリルアミド)、水溶性ナイロン(例えば、東レ社製のAQ−ナイロン P−70)は、低い摩擦係数が安定的に得られるので好ましい。この中でも、無水マレイン酸系高分子物質がより好ましく用いられる。
また、前記高分子物質の誘導体としては、水溶性のものに限定されず、前記高分子物質を基本構成としていれば、特に制限はなく、不溶化されたものであっても、分子鎖に自由度があり、かつ含水するものであればよい。
また、シリコーンとしては、例えば、シリコーン油、シリコーンゴム、シリコーン樹脂等が挙げられる。
また、親水化処理としては、例えば、オゾン処理、プラズマ処理、グロー放電、コロナ放電、紫外線照射等の物理活性化処理や、前述した親水性材料(親水性高分子物質)の他、界面活性剤、水溶性シリコーン等の付与(塗布)等により行うことができる。
なお、シール部41の血管内壁に密着する面(変形部42が接続された面)および固定部43には、それぞれ、潤滑性処理を施さないのが好ましい。シール部41の血管内壁に密着する面は、クリップ4の留置後に位置ずれを起こさないよう、ある程度の摩擦を有することが望ましいためである。また、固定部43は、クリップ4を留置しようとする際に例えば血管内壁の内面に接触しないので、潤滑性処理を施す必要が無く、また、潤滑性処理を施さないことにより、クリップ4によって傷穴を閉じた際、変形部42が外れ難くなる。また、変形部42の外側表面には潤滑性処理を施すのが好ましい。変形部42は、クリップ4を留置しようとする際に、シース5の内表面に沿って移動するため、シース5の内表面との摩擦抵抗を低減する効果が得られるためである。
また、シール部41の少なくとも一部は、X線造影性を有しているのが好ましい。これにより、シール部41の傷穴への位置決めの際に、シール部41の位置や姿勢を、X線映像下で確認することができ、例えば、シール部4の破損時においては、血管内(例えば、動脈内)で流れ、移動したシール部41を容易に探索することができる。これによって、止血作業の安全性および確実性が向上する。
このX線造影性を有するシール部41の構成例としては、下記2つの構成例(X線造影性に関する構成例)1、2が挙げられる。
(X線造影性に関する構成例1)
シール部41の少なくとも一部が、その表面に、X線不透過性材料(造影剤)を含むX線造影性被覆層を有する。
このX線造影性被覆層の厚さは、0.1〜50μm程度が好ましく、0.5〜30μm程度がより好ましい。
また、X線不透過性材料としては、例えば、イオメプロール、イオキサグル酸、イオパミドール、イオへキソール、イオキシラン、イオベルソール、イオジキサノール、イオプロミド等が挙げられる。
前記X線造影性被覆層の形成方法の具体例としては、例えば、水またはアルコール水溶液にて溶解した水溶性ヨード造影剤を用い、例えば、ディッピング法で形成する。
前記潤滑性処理は、X線造影性被覆層の表面に施されているのが好ましいが、X線造影性被覆層のない部位の表面に施されていてもよい。
また、前記X線造影性被覆層の表面、特に、X線造影性被覆層における潤滑性処理の施されていない部位の表面は、潤滑性を有する撥水性材料(撥水剤)を含む撥水性被覆層で被覆されるのが好ましい。これにより、X線不透過性材料の血液等への溶解を遅延させることができる。
この撥水性被覆層の厚さは、0.1〜50μm程度が好ましく、0.5〜30μm程度がより好ましい。
また、潤滑性を有する撥水性材料としては、例えば、シリコーンや、フッ素を含有する官能基を有するカップリング剤等が挙げられる。
前記撥水性被覆層は、例えば、X線造影性被覆層上に、撥水性材料を塗布すること等により形成することができる。
(X線造影性に関する構成例2)
シール部41の構成材料として、シール部41の主材料(樹脂材料)の他に、X線不透過性材料を用いる。
具体例としては、例えば、クリップ4の主材料と、X線不透過性材料とを混合(混練)して、クリップ4用の材料を得、この材料を用いてクリップ4を成形する。
また、シール部41に限らず、変形部42の少なくとも一部が、X線造影性を有しているのが好ましく、また、固定部43の少なくとも一部が、X線造影性を有しているのが好ましい。特に、シール部41の少なくとも一部と変形部42の少なくとも一部とがX線造影性を有しているのがより好ましく、同様に、シール部41の少なくとも一部と固定部43の少なくとも一部とがX線造影性を有しているのがより好ましく、シール部41の少なくとも一部と変形部42の少なくとも一部と固定部43の少なくとも一部とがX線造影性を有しているのがさらに好ましい。これにより、より明確に、生体内におけるクリップ4の位置および状態(形状や姿勢)を、X線映像下で確認することができる。
以下、代表的に、図3〜図6に示す4つの構成例(構成例1〜4)を簡単に説明する。
(構成例1)
図3に示すクリップ4では、シール部41は、その表面全体に、X線造影性被覆層を有する。そして、X線造影性被覆層の表面全体(図3中の太線で示す部分)に、潤滑性処理が施されている。なお、前述したように、X線造影性に関する構成例2を適用してもよい。
これにより、クリップ4のシール部41の走行性が向上するとともに、シール部41の位置や姿勢をX線映像下で確認することができる。
(構成例2)
図4に示すクリップ4では、クリップ4は、その表面全体(図4中の太線で示す部分)に、X線造影性被覆層を有する。そして、シール部41に対応する(シール部41の表面に設けられている)X線造影性被覆層の表面全体(図3中の太線で示す部分)に、潤滑性処理が施されている。なお、前述したように、X線造影性に関する構成例2を適用してもよい。
これにより、クリップ4のシール部41の走行性が向上する。また、クリップ4の表面全体にX線造影性被覆層を有するので、クリップ4の位置およびクリップ4全体の状態(形状や姿勢)を、X線映像下で確認することができる。
(構成例3)
図5に示すクリップ4では、クリップ4の表面全体(図4中の太線で示す部分)に、X線造影性被覆層を有する。そして、シール部41の表面のうちの変形部42が接続された面を除く面全体(図5中の太線で示す部分)に、潤滑性処理が施されている。すなわち、シール部41の表面のうちの変形部42が接続された面には、潤滑性処理が施されていない。なお、前述したように、X線造影性に関する構成例2を適用してもよい。
これにより、クリップ4のシール部41の走行性が向上するとともに、クリップ4の位置や姿勢をX線映像下で確認することができる。
また、シール部41の表面のうちの変形部42が接続された面には、潤滑性処理が施されていないので、図12に示すように、本体部2を傷穴から引き抜く方向に移動させ、シール部41を傷穴の周辺組織に当接(密着)させる(面当てする)際、傷穴からシール部41が滑って抜けてしまうのを防止することができ、また、クリップ4によって傷穴を閉じた際、そのクリップ4が外れ難くなる。
なお、この構成例3においても、前記構成例1のように、シール部41の表面全体(図3中の太線で示す部分)に、X線造影性被覆層を設けてもよく、また、前記構成例2のように、クリップ4の表面全体(図4中の太線で示す部分)に、X線造影性被覆層を設けてもよい。
(構成例4)
図6に示すクリップ4では、クリップ4の表面全体(図4中の太線で示す部分)に、X線造影性被覆層を有する。また、変形部42の外側表面およびシール部41の表面のうち、変形部42が接続された面(血管内壁に密着する面)を除く面全体(図6中の太線で示す部分)に、潤滑性処理が施されている。すなわち、シール部41の表面のうちの変形部42が接続された面と、変形部42の内側および固定部43には潤滑性処理が施されていない。なお、前述したように、X線造影性に関する構成例2を適用しても良い。
これにより、クリップ4のシール部41の走行性およびシース5内での変形部42の走行性が向上すると共に、クリップ4の位置や姿勢をX線映像下で確認することができる。
また、シール部41の表面のうちの変形部42が接続された面には、潤滑性処理が施されていないので、図12に示すように、本体部2を傷穴から引き抜く方向に移動させ、シール部41を傷穴の周辺組織に当接(密着)させる(面当てする)際、傷穴からシール部41が滑って抜けてしまうのを防止することができ、また、クリップ4によって傷穴を閉じた際、そのクリップ4が外れ難くなる。
ここで、本発明では、クリップ4は、前記の構成のものに限定されない。他の構成例としては、例えば、図7(a)〜(c)、図8(a)、(b)および図9に示すものが挙げられる。以下、これらをそれぞれ説明するが、前述した図2に示すクリップ4との主な相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図7(a)に示すクリップ4では、固定部43の図7(a)中左右方向の両側に、それぞれ、爪431が形成されている。この爪431は、固定部43の長手方向(図7(a)中上下方向)に沿って、所定間隔で複数個(図示例では、4つ)並設されている。
図7(b)に示すクリップ4では、シール部41と変形部42(固定部43)との連結部44の幅(図の紙面に対して垂直な方向の長さ)が、前述した図2に示すクリップ4より狭く(短く)設定されている。また、固定部43の両側に、それぞれ、爪431が形成されている。
図7(c)に示すクリップ4では、固定部43の長手方向の長さが前述した図2に示すクリップ4より長く設定されており、固定部43の先端部が変形部42の角部421のスリット424を挿通している。
また、シール部41と変形部42(固定部43)との連結部44の幅(図の紙面に対して垂直な方向の長さ)が、前述した図3に示すクリップ4より狭く(短く)設定されている。また、固定部43の両側に、それぞれ、爪431が形成されている。
ここで、連結部44の幅は、シース5の外径と略等しい程度の寸法が望ましい。シース5は柔軟性を有するため、内径よりも大きいものでも、変形して受け入れることができる。血管の傷穴はシース5によって形成されたものであるため、シース5の外径は血管に形成された傷穴の幅に等しく、傷穴にクリップ4を配置した際に、傷穴と等しい幅の連結部44が傷穴内に位置すれば、クリップ4が留置後に位置ずれを起こすことがないためである。なお、シール部41の幅(連結部44の幅方向の幅)は、連結部44よりも大きいものとすることが望ましい。このように構成することによって、傷穴から血液が漏れ出す可能性を低減することができる。
図8(a)に示すクリップ4では、変形部42の図7(a)中左右方向の対角位置にある2つの角部426、427に、それぞれ、凸部428、429が形成されている。この場合、凸部428は、変形部42を構成する図8(a)中左上のリンク(辺)の延長線に沿って延在し、凸部429は、変形部42を構成する図8(a)中右上のリンク(辺)の延長線に沿って延在している。
変形部42とシール部41とで生体内組織膜を挟み込んだとき、これら凸部428、429により、皮下組織を傷穴付近に集めることができ、より確実に、傷穴を閉じることができる。
また、固定部43の両側に、それぞれ、爪431が形成されている。
図8(b)に示すクリップ4では、固定部43の図8(b)の紙面に対して垂直な方向の両側に、それぞれ、爪431が形成されている。すなわち、固定部43の爪431の形成位置が、前述した図3に示すクリップ4に対し、中心角で90°ずれている。
また、シール部41と変形部42(固定部43)との連結部44の幅(図の紙面に対して垂直な方向の長さ)が、前述した図2に示すクリップ4より狭く(短く)設定されている。
図9に示すクリップ4では、その基本形態(基本形状)において、固定部43および変形部42が、それぞれ、シール部41に対して傾斜している。
すなわち、本体部2は、例えば、血管に対して、所定角度傾斜させて挿入されるので、これに対応させて、固定部43および変形部42を、それぞれ、シール部41に対して傾斜させる。この場合、血管の方向とシール部41の長辺の方向(長手方向)とを一致させたとき、本体部2の長手方向と、固定部43の中心軸の方向とが略一致する程度に、固定部43および変形部42を、それぞれ、シール部41に対して傾斜させるのが好ましい。
具体的には、固定部43の中心軸と、シール部41の変形部42側の表面とのなす角(傾斜角度)θは、30〜60°程度の範囲で所定値に設定されるのが好ましい。
これにより、より確実に、傷穴を閉じることができる。
また、固定部43の両側に、それぞれ、爪431が形成されている。
なお、本発明では、クリップ(生体内組織閉鎖具)の変形部の形状は、枠状の場合、四角形に限らず、他の多角形でもよく、また、円環状、楕円環等の角のない枠状であってもよい。また、枠状以外の形状であってもよい。
また、本発明では、クリップ(生体内組織閉鎖具)の固定部の爪の数は、1つでもよい。
次に、生体内組織閉鎖装置1を用いて行なう止血作業の手順(生体内組織閉鎖装置1の作用)について説明する。
まず、図10に示すように、移送・変形手段3を組み立てる。
この場合、まず、ストッパー12をプッシャーチューブ7のチューブ本体71(図1中点線の矢印で示す位置)に装着し、そのプッシャーチューブ7を外套チューブ6の基端側から外套チューブ6内に挿入し、プッシャーチューブ7のハブ72と外套チューブ6のハブ62との間にストッパー12を位置させる。
また、図1に示すように、糸8を、図2中上側からクリップ4の変形部42のスリット424に挿通し、固定部43の孔432に挿通し、さらに、図2中下側からスリット424に挿通する。
次に、図10に示すように、ガイドワイヤー11をプッシャーチューブ7の基端側からプッシャーチューブ7内に挿入し、さらに、そのガイドワイヤー11を、クリップ4の変形部42のスリット424、変形部42の孔425、シール部41の孔411に挿通させる。
次に、図10に示すように、糸8の両端部をプッシャーチューブ7の先端側からプッシャーチューブ7内に挿入し、プッシャーチューブ7の基端部から外部に引き出す。
また、クリップ4の変形部42を潰し、その変形部42を外套チューブ6の先端側から外套チューブ6内に挿入する(装着する)。
そして、この状態で、プッシャーチューブ7のハブ72に糸留めキャップ9を装着し、ハブ72のリブ723をキャップ9の溝92に係合させる。これにより、糸8の両端部は、糸留めキャップ9とハブ72との間で挟まれ、プッシャーチューブ7の基端部に保持される。以上で、移送・変形手段3の組み立てが完了する。
シース5としては、カテーテルを用いた治療(PCI)や診断(CAG)の処置後に留置されているシースを用いる。このシース5の先端部は、血管内に挿入されている。
次に、図10に示すように、移送・変形手段3をシース5の基端側からシース5の貫通孔51に挿入してゆき、図11に示すように、ハブ62とハブ52とを嵌合させ、ハブ62のリブ622をハブ52の溝53に係合させる。これにより、シース5の先端部から外套チューブ6の先端部が突出するとともに、クリップ4のシール部41が突出し、血管内に挿入される。
次に、図12に示すように、本体部2をゆっくり傷穴から引き抜く方向に移動させ、クリップ4のシール部41で血管壁の内側から傷穴および傷穴の周辺部を覆う。これにより、クリップ4の変形部42および固定部43は、それぞれ、血管の外側に移動する。また、固定部43に対して略平行になっていたシール部41は、傷穴に接近するにつれ、ガイドワイヤー11にガイドされ、固定部43に対して垂直に近づく方向に復元する。これにより、傷穴および傷穴の周辺部を容易かつ確実に覆うことができる。
なお、術者は、前記シール部41で傷穴および傷穴の周辺部を覆う際の作業(操作)においては、本体部2を傷穴から引き抜く方向に移動させた際、シール部41が傷穴およびその周辺組織に当接したときの抵抗(面当て抵抗)を感知すると、シール部41が傷穴およびその周辺組織に当接し(面当てされ)、シール部41の位置決めが完了したものと判断する。
次に、図13に示すように、外套チューブ6のハブ62とプッシャーチューブ7のハブ72との間にあるストッパー12を取り外し、外套チューブ6またはシース5を傷穴から引き抜く方向に移動させ、ハブ72とハブ62とを嵌合させ、ハブ72のリブ722をハブ62の溝623に係合させる。
次に、図14に示すように、糸留めキャップ9をプッシャーチューブ7のハブ72から取り外し、これとともに、ガイドワイヤー11を引き抜く。そして、糸8を少し引いてテンションを加えつつ(クリップ4の固定部43を牽引しつつ)、本体部2を傷穴内に挿入する方向に押して、クリップ4の変形部42を第2の形態に変形させる。そして、図15に示すように、これを止血が完了するまで続ける。
これにより、変形部42が血管壁の外側から傷穴および傷穴の周辺部を覆い、シール部41が血管壁の内側から傷穴および傷穴の周辺部を覆い、これらシール部41と変形部42とで血管壁が挟み込まれ、傷穴が閉じる。そして、固定部43の所定の爪431が変形部42の角部421に係合して、変形部42が第2の形態に保持される。
最後に、本体部2および糸8をそれぞれ抜去し、止血作業が完了する。
以上説明したように、この生体内組織閉鎖装置1によれば、クリップ4のシール部41の血管内等の生体内組織内での走行性が向上し、安全性が高くなるとともに、シール部41の位置決めを容易かつ確実に行なうことができ、血管壁等の生体内組織膜に形成された傷穴に対し、止血作業を容易かつ確実に行なうことができる。すなわち、傷穴を容易かつ確実に閉じる(閉鎖する)ことができ、完全に止血することができる。
次に、本発明の生体内組織閉鎖装置の第2実施形態について説明する。
図17は、本発明の生体内組織閉鎖装置の第2実施形態を示す断面図(第1実施形態の図12に対応する図)である。
なお、説明の都合上、図17において、図中の左下側を「先端」、右上側(手元側)を「基端」として説明する。
以下、第2実施形態の生体内組織閉鎖装置1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図17に示すように、第2実施形態の生体内組織閉鎖装置1では、シース(長尺状の管状部材)5の先端は、外套チューブ6の先端の近傍(若干基端側)に位置している。これにより、シース5の先端部には、外套チューブ6を介して、クリップ4が着脱自在に間接的に装着(保持)される。そして、このシース5の先端部(先端側)の外表面には、潤滑性を発現させる前述した潤滑性処理が施されている。
この生体内組織閉鎖装置1によれば、前述した第1実施形態の生体内組織閉鎖装置1と同様の効果が得られる。
以上、本発明の生体内組織閉鎖具および生体内組織閉鎖装置を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
本発明の生体内組織閉鎖装置の第1実施形態を示す斜視図である。 図1に示す生体内組織閉鎖装置の生体内組織閉鎖具を示す側面図、斜視図および部分平面図である。 図1に示す生体内組織閉鎖装置の生体内組織閉鎖具の他の構成例を示す側面図および正面図である。 図1に示す生体内組織閉鎖装置の生体内組織閉鎖具の他の構成例を示す側面図および正面図である。 図1に示す生体内組織閉鎖装置の生体内組織閉鎖具の他の構成例を示す側面図および正面図である。 図1に示す生体内組織閉鎖装置の生体内組織閉鎖具の他の構成例を示す側面図および正面図である。 図1に示す生体内組織閉鎖装置の生体内組織閉鎖具の他の構成例を示す側面図である。 図1に示す生体内組織閉鎖装置の生体内組織閉鎖具の他の構成例を示す側面図および斜視図である。 図1に示す生体内組織閉鎖装置の生体内組織閉鎖具の他の構成例を示す側面図である。 図1に示す生体内組織閉鎖装置の作用(動作)を説明するための断面図である。 図1に示す生体内組織閉鎖装置の作用(動作)を説明するための断面図である。 図1に示す生体内組織閉鎖装置の作用(動作)を説明するための断面図である。 図1に示す生体内組織閉鎖装置の作用(動作)を説明するための断面図である。 図1に示す生体内組織閉鎖装置の作用(動作)を説明するための断面図である。 図1に示す生体内組織閉鎖装置の作用(動作)を説明するための断面図である。 図1に示す生体内組織閉鎖装置の作用(動作)を説明するための断面図である。 本発明の生体内組織閉鎖装置の第2実施形態を示す断面図である。
符号の説明
1 生体内組織閉鎖装置
2 本体部
3 移送・変形手段
4 クリップ
41 シール部
411 孔
412 平面部
42 変形部
421、422 角部
423 上面
424 スリット
425 孔
426、427 角部
428、429 凸部
43 固定部
431 爪
432 孔
44 連結部
5 シース
51 貫通孔
52 ハブ
53 溝
6 外套チューブ
61 チューブ本体
62 ハブ
621 筒状部
622 リブ
623 溝
7 プッシャーチューブ
71 チューブ本体
72 ハブ
721 筒状部
722、723 リブ
8 糸
9 糸留めキャップ
91 筒状部
92 溝
11 ガイドワイヤー
12 ストッパー
121 取付部
122 把持部

Claims (19)

  1. 生体内組織膜を貫通する傷穴を閉じる生体内組織閉鎖具であって、
    前記傷穴を通過して前記傷穴の周辺部に密着して前記傷穴を覆う面を有するシール部と、前記傷穴の外側に配置され、変形可能な変形部と、該変形部の変形状態を保持・固定する固定部とを備え、
    前記シール部の表面の少なくとも一部には、潤滑性を発現させる潤滑性処理が施されていることを特徴とする生体内組織閉鎖具。
  2. 前記シール部は、板状をなしており、
    前記シール部のうち、前記傷穴の周辺部に密着する面には、前記潤滑性処理が施されていない請求項1に記載の生体内組織閉鎖具。
  3. 前記シール部は、板状をなしており、
    前記シール部における前記傷穴の周辺部に密着する面を除く面全体に前記潤滑性処理が施されている請求項1に記載の生体内組織閉鎖具。
  4. 前記シール部は、板状をなしており、
    前記シール部における前記傷穴の周辺部に密着する面と反対側の面は、湾曲凸面をなしている請求項1ないし3のいずれかに記載の生体内組織閉鎖具。
  5. 前記変形部は、枠状をなしている請求項1ないし4のいずれかに記載の生体内組織閉鎖具。
  6. 前記変形部は、前記固定部の少なくとも一部を受入可能な開口部を有する請求項1ないし5のいずれかに記載の生体内組織閉鎖具。
  7. 前記変形部は、4つのリンクを一体的に形成してなる四角形をなし、該四角形の対角位置にある2つの角部同士が接近、離間するように変形するものである請求項1ないし6のいずれかに記載の生体内組織閉鎖具。
  8. 前記シール部、前記変形部および前記固定部が一体的に形成されている請求項1ないし7のいずれかに記載の生体内組織閉鎖具。
  9. 前記潤滑性処理は、前記変形部の外側表面に更に設けられてなる請求項1ないし8のいずれかに記載の生体内組織閉鎖具。
  10. 前記潤滑性処理により、潤滑性材料を含む潤滑性被覆層が設けられている請求項1ないし9のいずれかに記載の生体内組織閉鎖具。
  11. 前記潤滑性材料は、湿潤によって潤滑性を発現する親水性材料である請求項10に記載の生体内組織閉鎖具。
  12. 前記潤滑性材料は、シリコーンである請求項10に記載の生体内組織閉鎖具。
  13. 前記シール部の少なくとも一部は、X線造影性を有する請求項1ないし12のいずれかに記載の生体内組織閉鎖具。
  14. 前記シール部の少なくとも一部は、その表面に、X線不透過性材料を含むX線造影性被覆層を有し、前記潤滑性処理は、前記X線造影性被覆層の表面に施されている請求項1ないし12のいずれかに記載の生体内組織閉鎖具。
  15. 前記変形部の少なくとも一部は、X線造影性を有する請求項1ないし14のいずれかに記載の生体内組織閉鎖具。
  16. 前記保持部の少なくとも一部は、X線造影性を有する請求項1ないし15のいずれかに記載の生体内組織閉鎖具。
  17. 請求項1ないし16のいずれかに記載の生体内組織閉鎖具を生体内に配置し、該生体内組織閉鎖具により生体内組織膜を貫通する傷穴を閉じる生体内組織閉鎖装置であって、
    請求項1ないし16のいずれかに記載の生体内組織閉鎖具と、
    先端部において前記生体内組織閉鎖具を着脱自在に保持する長尺状の管状部材とを有することを特徴とする生体内組織閉鎖装置。
  18. 前記管状部材の先端部において、前記生体内組織閉鎖具を間接的に保持するよう構成されている請求項17に記載の生体内組織閉鎖装置。
  19. 前記管状部材の先端側の外表面には、潤滑性を発現させる潤滑性処理が施されている請求項17または18に記載の生体内組織閉鎖装置。
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