JP2006038181A - 円筒軸受ブッシュを軸支持体内に固定する方法 - Google Patents

円筒軸受ブッシュを軸支持体内に固定する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006038181A
JP2006038181A JP2004222595A JP2004222595A JP2006038181A JP 2006038181 A JP2006038181 A JP 2006038181A JP 2004222595 A JP2004222595 A JP 2004222595A JP 2004222595 A JP2004222595 A JP 2004222595A JP 2006038181 A JP2006038181 A JP 2006038181A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diameter
diameter cylindrical
small
bearing bush
cylindrical outer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004222595A
Other languages
English (en)
Inventor
Masato Ono
正人 大野
Takashi Nakamaru
隆 中丸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oiles Industry Co Ltd
Original Assignee
Oiles Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oiles Industry Co Ltd filed Critical Oiles Industry Co Ltd
Priority to JP2004222595A priority Critical patent/JP2006038181A/ja
Publication of JP2006038181A publication Critical patent/JP2006038181A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Mounting Of Bearings Or Others (AREA)
  • Sliding-Contact Bearings (AREA)

Abstract

【課題】 突き合わせ端面が互いに密に接触し、内周面に切削、研削等の機械加工による仕上げ加工を施すことなく内周面の真円度の極めて高い円筒軸受ブッシュをハウジングとしての軸支持体内に固定する方法を提供すること。
【解決手段】 軸支持体内に円筒軸受ブッシュを固定する方法は、略円筒軸受ブッシュ6を形成する工程と、金型10を準備する工程と、芯金20を準備する工程と、芯金20に所定の圧力をかけて略円筒軸受ブッシュ6にアプセット加工を施す工程と、円筒軸受ブッシュBにアニーリング処理を施す工程と、軸支持体50を準備する工程と、他の芯金60を準備する工程と、アニーリング処理後の円筒軸受ブッシュBに再度のアプセット加工を施す工程とを具備している。
【選択図】図1

Description

本発明は、内周面の真円度を極めて高くした状態で円筒軸受ブッシュをハウジングとしての軸支持体内に固定する方法に関する。
特開平5−99230号公報 特開平9−53642号公報 特公昭61−11700号公報
板状の裏金と該裏金の表面に一体的に形成された多孔質金属焼結層と該多孔質金属焼結層の孔隙及び表面に充填被覆された合成樹脂層からなる複層材を、該合成樹脂層を内側にして円筒状に捲回して形成された円筒軸受ブッシュ、所謂巻きブッシュは各種機械装置等における軸を円滑に摺動支承する支持手段として広く使用されている。
この円筒軸受ブッシュは複層材を円筒状に捲回して形成されるため、円筒軸受ブッシュの両端の突き合わせ端面間にスプリングバック等により比較的大きな隙間、例えば1.5mm程度の隙間の発生が余儀なくされる。また、複層材を円筒状に捲回して形成する際に生じた合成樹脂層の残留応力が円筒軸受ブッシュの使用時の温度によって解放され、合成樹脂層に盛り上がりを生じてその肉厚が厚くなり、該円筒軸受ブッシュの内径の寸法精度を著しく低下させる。
このような円筒軸受ブッシュのハウジングとしての軸支持体の孔への固定を圧入によって行なう場合には、軸支持体の孔の寸法誤差(公差)と円筒軸受ブッシュの肉厚の寸法誤差等との累積により、圧入後、円筒軸受ブッシュの内径が大きくばらつくこととなり、高い内径寸法精度をもって円筒軸受ブッシュを孔に固定することが困難となる場合がある。
円筒軸受ブッシュの両端突き合わせ端面間に生じた隙間を減少させるべく、成形時に生じた合成樹脂層の残留応力を熱処理と冷却処理とを施して除去する方法が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、この方法では円筒軸受ブッシュの突き合わせ端面間の隙間を完全に無くすことはできず、高い内径寸法精度をもって円筒軸受ブッシュを孔に固定することが困難となる。
また、成形時に生じた合成樹脂層の残留応力をアニーリング処理によって除去した円筒軸受ブッシュをハウジングとしての軸支持体の孔に圧入固定したのち、該円筒軸受ブッシュの内周面を研削による仕上げ加工により内径の寸法精度を高めた軸受装置が提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、この方法は内径の寸法精度を機械加工によって高めるものであり、機械加工時に生じる切粉等が内周面に残存し、該円筒軸受ブッシュに支承される軸を損傷させる虞がある。
更に、円筒軸受ブッシュの寸法精度を高める方法として、円筒軸受ブッシュをホルダの孔内に圧入すると共に、該軸受ブッシュの内径内に基準となる軸コアを嵌合させ、さらにこの軸受ブッシュを軸方向に圧縮してホルダの変形を介して軸受ブッシュに内径方向の変形を与え、もって軸受ブッシュの内周面を軸コアになじませることにより、軸受ブッシュの内径の所要の寸法精度が得られるようした方法が提案されている(特許文献3参照)。
この方法は円筒軸受ブッシュの寸法精度を高める方法としては有効であるが、それでも円筒軸受ブッシュを構成する複層材における裏金のスプリングバックを消滅させることは不可能であり、やはり軸受ブッシュを型から取り出した後には、円筒軸受ブッシュの突き合わせ端面間に隙間を生じ、型内での寸法精度をそのまま維持させることはできない。特に、内径寸法が小さい、例えば内径10mm以下の円筒軸受ブッシュにおいては顕著である。
通常、板状の裏金には冷間圧延鋼板又はリン青銅などの銅合金が使用されている。冷間圧延鋼板を裏金に使用した複層材からなる円筒軸受ブッシュにおいては、充分な内周面の真円度を得るには大きな成形圧力によるアプセット加工が必要となるが、大きな成形圧力でアプセット加工を行った場合でも、アプセット加工後、突き合わせ端面間にスプリングバックによる隙間を生じ、充分な内周面の真円度を得ることが難しい。
また、裏金にリン青銅板を使用した複層材からなる円筒軸受ブッシュにおいては、次のような問題点がある。すなわち、リン青銅板の表面に多孔質金属焼結層を形成する際、リンなどの固溶型元素が核生成を促進する役割を果たし、異常結晶成長から3次再結晶を惹き起こすため、リン青銅板の表面に結晶粒が発現し、著しい強度低下を招来する。また、これらの固溶型元素は加工硬化に大きく寄与し、加工硬化度が増加する。このようなリン青銅板を裏金として使用した複層材からなる円筒軸受ブッシュに内周面の真円度を高めるためにアプセット加工を施した場合、裏金の充分な塑性変形が行われず、充分な真円度を得る前に加工硬化を起こし、それ以上の成形圧力をかけることにより裏金の粒界からクラックを生じるという問題である。
本発明者らは、上記複層材における裏金に着目し、この裏金の材料として純銅、中でも無酸素銅又はタフピッチ銅は軟化点が200℃と低く、加工性に優れていることから曲げ加工等が容易に行われ、アプセット加工による寸法精度の向上が図られると共に、これら無酸素銅又はタフピッチ銅は加工硬化により硬度が高められることから、摺動部材としての強度が確保されることを確認した。
本発明は、前記知見に基づきなされたものであって、その目的とするところは、突き合わせ端面が互いに密に接触し、内周面に切削、研削等の機械加工による仕上げ加工を施すことなく内周面の真円度の極めて高い円筒軸受ブッシュをハウジングとしての軸支持体内に固定する方法を提供することにある。
本発明の円筒軸受ブッシュを軸支持体内に固定する方法は、無酸素銅又はタフピッチ銅から成る板状の裏金と、該裏金の表面に一体的に形成された多孔質金属焼結層と、該多孔質金属焼結層の孔隙及び表面に充填被覆された合成樹脂層とを具備する複層材を、該合成樹脂層を内側にして円筒状に捲回して突き合わせ端面間に隙間が生じた略円筒軸受ブッシュを形成する工程と、大径筒状内壁面によって規定される大径円筒孔を具備した金型本体と、この大径円筒孔に軸方向に隣接して配されていると共に該大径円筒孔の径よりも小径の小径円筒孔を具備した金型台座とからなり、該金型本体の大径筒状内壁面と金型台座の小径円筒孔を規定する小径筒状内壁面との間には、大径筒状内壁面から径方向であって内方に延びて小径筒状内壁面で終端する環状面が介在してなる金型を準備する工程と、略円筒軸受ブッシュの内径寸法を規定する径をもった小径筒状外面とこの小径筒状外面に軸方向に隣接していると共に該小径筒状外面よりも大径の大径筒状外面とを具備しており、小径筒状外面と大径筒状外面との間には、小径筒状外面から径方向であって外方に延びて大径筒状外面で終端する環状面が介在してなる芯金を準備する工程と、該芯金の小径筒状外面に略円筒軸受ブッシュを嵌着する工程と、該小径筒状外面に略円筒軸受ブッシュを嵌着した芯金の小径筒状外面の一部を金型の小径円筒孔に、芯金の大径筒状外面を金型の大径円筒孔に夫々配し、該芯金に所定の圧力をかけて小径筒状外面の残部並びに金型及び芯金の夫々の環状面によって略円筒軸受ブッシュにアプセット加工を施す工程と、アプセット加工後、金型から円筒軸受ブッシュを取り出し、突き合わせ端面が互いに密に接触し、かつ内周面の真円度が5μm〜15μmに形成された円筒軸受ブッシュを得ると共に、該円筒軸受ブッシュにアニーリング処理を施す工程と、大径筒状内壁面によって規定される大径円筒孔とこの大径円筒孔に軸方向に隣接して配されている該大径円筒孔の径よりも小径の小径円筒孔とを具備しており、該大径筒状内壁面と小径円筒孔を規定する小径筒状内壁面との間には、大径筒状内壁面から径方向であって内方に延びて小径筒状内壁面で終端する環状面が介在してなる軸支持体を準備する工程と、円筒軸受ブッシュの最終の内径寸法を規定する径をもった小径筒状外面とこの小径筒状外面に軸方向に隣接していると共に該小径筒状外面よりも大径の大径筒状外面とを具備しており、小径筒状外面と大径筒状外面との間には、小径筒状外面から径方向であって外方に延びて大径筒状外面で終端する環状面が介在してなる他の芯金を準備する工程と、該他の芯金の小径筒状外面にアニーリング処理後の円筒軸受ブッシュを嵌着する工程と、該他の芯金の小径筒状外面にアニーリング処理後の円筒軸受ブッシュを嵌着した当該他の芯金の小径筒状外面の一部を軸支持体の小径円筒孔に、他の芯金の大径筒状外面を軸支持体の大径円筒孔に夫々配し、該他の芯金に所定の圧力をかけて他の芯金の小径筒状外面の残部並びに軸支持体及び他の芯金の夫々の環状面によってアニーリング処理後の円筒軸受ブッシュにアプセット加工を施すと共に、該アプセット加工によって、内周面の真円度を2μm〜8μmに形成した円筒軸受ブッシュを軸支持体の大径円筒孔に固定する工程とを具備していることを特徴とする。
本発明の円筒軸受ブッシュを軸支持体内に固定する他の方法は、無酸素銅又はタフピッチ銅からなる板状の裏金と、該裏金の表面に一体的に形成された多孔質金属焼結層と、該多孔質金属焼結層の孔隙及び表面に充填被覆された合成樹脂層とを具備する複層材を、該合成樹脂層を内側にして円筒状に捲回して突き合わせ端面間に隙間が生じた略円筒軸受ブッシュを形成する工程と、略円筒軸受ブッシュの最終の外径寸法を規定する径をもった筒状内壁面によって規定される円孔を備えた金型本体と一端側に凹所を有すると共に該凹所の開口面を囲繞する環状端面及び金型本体の筒状内壁面に嵌合される筒状外面を有した受金とを具備した金型を準備する工程と、略円筒軸受ブッシュの最終の内径寸法を規定する径を有すると共に前記受金の凹所に嵌入される小径筒状外面とこの小径筒状外面に軸方向に隣接して配されていると共に該小径筒状外面よりも大径の大径筒状外面とを具備しており、小径筒状外面と大径筒状外面との間には、小径筒状外面から径方向であって外方に延びて大径筒状外面で終端する環状面が介在してなる芯金を準備する工程と、該芯金の小径筒状外面に略円筒軸受ブッシュを嵌着する工程と、該受金を金型本体の円孔の一方の開口端から円孔内に、該小径筒状外面に略円筒軸受ブッシュを嵌着した芯金の小径筒状外面の一部を金型本体の円孔の他方の開口端を介して受金の凹所に夫々配し、該受金及び芯金に所定の圧力を掛けて小径筒状外面の残部、受金の環状端面及び芯金の環状面によって略円筒軸受ブッシュにアプセット加工を施す工程と、アプセット加工後、金型から円筒軸受ブッシュを取り出し、突き合わせ端面が互いに密に接触し、かつ内周面の真円度が5μm〜15μmに形成された円筒軸受ブッシュを得ると共に、該円筒軸受ブッシュにアニーリング処理を施す工程と、大径筒状内壁面によって規定される大径円筒孔とこの大径円筒孔に軸方向に隣接して配されている該大径円筒孔の径よりも小径の小径円筒孔とを具備しており、該大径筒状内壁面と小径円筒孔を規定する小径筒状内壁面との間には、大径筒状内壁面から径方向であって内方に延びて小径筒状内壁面で終端する環状面が介在してなる軸支持体を準備する工程と、円筒軸受ブッシュの最終の内径寸法を規定する径をもった小径筒状外面とこの小径筒状外面に軸方向に隣接していると共に該小径筒状外面よりも大径の大径筒状外面とを具備しており、小径筒状外面と大径筒状外面との間には、小径筒状外面から径方向であって外方に延びて大径筒状外面で終端する環状面が介在してなる他の芯金を準備する工程と、該他の芯金の小径筒状外面にアニーリング処理後の円筒軸受ブッシュを嵌着する工程と、該他の芯金の小径筒状外面にアニーリング処理後の円筒軸受ブッシュを嵌着した当該他の芯金の小径筒状外面の一部を軸支持体の小径円筒孔に、他の芯金の大径筒状外面を軸支持体の大径円筒孔に夫々配し、該他の芯金に所定の圧力をかけて他の芯金の小径筒状外面の残部並びに軸支持体及び他の芯金の夫々の環状面によってアニーリング処理後の円筒軸受ブッシュに再度のアプセット加工を施すと共に、該再度のアプセット加工によって、内周面の真円度を2μm〜8μmに形成した円筒軸受ブッシュを軸支持体の大径円筒孔に固定する工程とを具備していることを特徴とする。
本発明によれば、略円筒軸受ブッシュにアプセット加工を施すことにより、略円筒軸受ブッシュはその内周面及び外周面が芯金の小径筒状外面及び金型の大径円筒孔の寸法に倣って塑性流動し、突き合わせ端面が互いに密に接触せしめられた状態で円筒軸受ブッシュに形成される。アプセット加工後、金型から取出した際の円筒軸受ブッシュの内周面の真円度は5μm〜15μmに形成される。この略円筒軸受ブッシュにアプセット加工を施す際の芯金に加える圧力は、好ましくは0.3KN/mm〜1.7KN/mm、より好ましくは0.5KN/mm〜1.1KN/mmである。
本発明によれば、アプセット加工された円筒軸受ブッシュにはアニーリング処理が施され、該円筒軸受ブッシュに蓄積された応力が解放されたのち、ハウジングとしての軸支持体内に再度のアプセット加工により固定される。アニーリング処理は、好ましくは180℃以上、より好ましくは200℃以上の温度で0.5〜4時間行われる。また、アプセット加工され、内周面の真円度が5μm〜15μmに形成された円筒軸受ブッシュを軸支持体内に再度のアプセット加工により固定する際の他の芯金に加える圧力は、好ましくは0.1KN/mm〜0.6KN/mmである。このように軸支持体内に再度のアプセット加工により固定された円筒軸受ブッシュの内周面の真円度は、2μm〜8μmと極めて高いものとなる。その結果、軸支持体内に固定された円筒軸受ブッシュの内周面の寸法精度を高めるための切削、研削等の機械加工による仕上げ加工を施す必要がない。
本発明の固定方法において、円筒軸受ブッシュの裏金を形成する無酸素銅には、JIS−H−2123で規定されている無酸素形銅の1種又は2種が使用され、タフピッチ銅には同じくJIS−H−2123で規定されているタフピッチ形銅が使用される。これら裏金は、アプセット加工により加工硬化を生じ、その硬さがマイクロビッカース硬さ(MHv)で80〜140を呈し得る。
本発明の固定方法において、円筒軸受ブッシュの合成樹脂層は、四ふっ化エチレン樹脂、四ふっ化エチレン樹脂を主成分とする合成樹脂組成物、ポリアミドイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂を主成分とする合成樹脂組成物を具備しているとよい。
合成樹脂組成物としては、四ふっ化エチレン樹脂にポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などの有機物質及び/又はカーボン粉末、黒鉛などの無機物質を、あるいはポリアミドイミド樹脂に四ふっ化エチレン樹脂、ポリイミド樹脂などの有機物質及び/又はカーボン粉末、黒鉛などの無機物質を、夫々所定量の割合で配合した合成樹脂組成物が使用されて好適である。
好ましい例では、軸支持体の小径円筒孔は、再度のアプセット加工後の円筒軸受ブッシュの内径と実質的に等しい径か又は当該径よりも若干大きな径を有している。
軸支持体としては、金属又はガラス繊維、炭素繊維等の補強材を含有する強化合成樹脂から形成されているものを好ましい例として挙げることができる。
本発明によれば、突き合わせ端面が互いに密に接触し、内周面に切削、研削等の機械加工を施すことなくハウジングとしての軸支持体内に円筒軸受ブッシュをその内径が2μm〜8μmと極めて高い真円度をもって固定することができる。
本発明に係る図1に示す複層材4は、無酸素銅又はタフピッチ銅からなる板状の裏金1と、該裏金1の表面に一体的に形成された多孔質金属焼結層2と、該多孔質金属焼結層2の孔隙及び表面に充填被覆された合成樹脂層3とから形成されている。該複層材4は、該合成樹脂層3を内側にして円筒状に捲回し、両端の突き合わせ端面5、5間に隙間δを有する略円筒軸受ブッシュ6(図2)に形成される。多孔質金属焼結層2としては、銅又は銅合金、とくに青銅からなる多孔質青銅焼結層が好適である。
略円筒軸受ブッシュ6には、内、外径の寸法精度を高めるべく、図3及び図4に示す金型10と芯金20とによって又は図6に示す金型30と芯金40とによってアプセット加工が施される。
金型10は、略円筒軸受ブッシュ6の最終の外径寸法を規定する径をもった大径筒状内壁面11によって規定される大径円筒孔12を具備した金型本体13と、この大径円筒孔12に軸方向に隣接して配されていると共に該大径円筒孔12の径14よりも小径であって、芯金20の小径筒状外面22の径21と等しい径をもった小径円筒孔15を具備した金型台座16とからなり、金型10の大径筒状内壁面11と小径円筒孔15を規定する小径筒状内壁面17との間には、大径筒状内壁面11から径方向であって内方に延びて小径筒状内壁面17で終端する環状面18が介在している。
芯金20は、略円筒軸受ブッシュ6の最終の内径寸法を規定する径21をもった小径筒状外面22と、小径筒状外面22に軸方向の上方に隣接して配されていると共に、小径筒状外面22の径よりも大きく、前記大径円筒孔12の径14に等しい径23をもった大径筒状外面24とを具備しており、小径筒状外面22と大径筒状外面24との間に、小径筒状外面22から径方向であって外方に延びて大径筒状外面24で終端する環状面25が介在している。
略円筒軸受ブッシュ6へのアプセット加工は、次のようにして行われる。芯金20の小径筒状外面22に略円筒軸受ブッシュ6を嵌着し、次に、芯金20を金型10に対して位置決めし、更に、芯金20にA方向の荷重を加えて、芯金20を金型10の金型台座16に向かって移動させる。
更に、芯金20の小径筒状外面22の一部を金型10の金型台座16の小径円筒孔15に、芯金20の大径筒状外面24を金型10の金型本体13の大径円筒孔12に夫々配して、図4に示すように小径筒状外面22の残部並びに金型10及び芯金20の夫々の環状面18及び25によって略円筒軸受ブッシュ6をアプセット加工する。
このアプセット加工は、大径筒状内壁面11及び小径筒状外面22の残部並びに環状面18及び25によって形成される環状空間Sの容積が円筒軸受ブッシュBの体積の近傍になるまで環状空間Sを減少させるように行うのであるが、環状空間Sの容積減少により、略円筒軸受ブッシュ6に軸方向の圧縮力を加えて、略円筒軸受ブッシュ6の軸方向の長さを減少させる一方、この軸方向の長さの減少に基づいて略円筒軸受ブッシュ6を径方向に塑性変形させて、大径筒状内壁面11に圧接させ、突き合わせ端面5、5が互いに密に接触した円筒軸受ブッシュBにする。この円筒軸受ブッシュBは金型10から取り出される(図5)。
上記の金型10及び芯金20を用いる代わりに図6に示す金型30と芯金40を用いてアプセット加工を行ってもよい。
金型30は、略円筒軸受ブッシュ6の最終の外径寸法を規定する径をもった筒状内壁面31によって規定される円孔32を備えた金型本体33と、一端35側に凹所36を有すると共に凹所36の開口端面を囲繞する環状端面37及び金型本体33の筒状内壁面31に嵌合される筒状外面34を備えた受金38とからなり、芯金40は、前述の芯金20と同様に構成されており、略円筒軸受ブッシュ6の最終の内径寸法を規定する径を有すると共に受金38の凹所36に嵌入される小径筒状外面41とこの小径筒状外面41に軸方向に隣接して配されていると共に該小径筒状外面41よりも大径の大径筒状外面42とを具備しており、小径筒状外面41と大径筒状外面42との間には、小径筒状外面41から径方向であって外方に延びて大径筒状外面42で終端する環状面43が介在している。
斯かる金型30と芯金40とを準備し、該芯金40の小径筒状外面41に略円筒軸受ブッシュ6を嵌着し、次に、受金38を金型本体33の円孔32の一方の開口端から円孔32内に配し、該小径筒状外面41に略円筒軸受ブッシュ6を嵌着した芯金40の小径筒状外面41の一部を金型本体33の円孔32の他方の開口端を介して受金38の凹所36に配し、受金38及び芯金40の夫々に所定の圧力を掛けて小径筒状外面41の残部、受金38の環状端面37及び芯金40の環状面43によって略円筒軸受ブッシュ6をアプセット加工する。
このアプセット加工は、金型本体33の筒状内壁面31と芯金40の小径筒状外面41の残部と金型本体33の環状端面37と芯金40の環状面43とによって形成される環状空間Sの容積が円筒軸受ブッシュBの体積の近傍になるまで環状空間Sを減少させるように受金38及び芯金40に夫々圧縮力を掛けて行うのであるが、環状空間Sの容積減少により、略円筒軸受ブッシュ6の軸方向の長さを減少させる一方、この軸方向長さの減少に基づいて略円筒軸受ブッシュ6を径方向に塑性変形させて、金型本体33の筒状内壁面31に圧接させ、突き合わせ端面5、5が互いに密に接触した円筒軸受けブッシュBにする。この円筒軸受ブッシュBは金型30及び芯金40から取り出される。
金型10又は金型30から取り出した円筒軸受ブッシュBは、ついで、180℃以上、より好ましくは200℃以上の温度に加熱された加熱炉に0.5〜4時間保持されてアニーリング処理され、アプセット加工により円筒軸受ブッシュBに蓄積された応力が斯かるアニーリング処理により解放される。
次に、大径筒状内壁面51によって規定される大径円筒孔52と、この大径円筒孔52に軸方向に隣接して配されていると共に、該大径円筒孔52の径53よりも小径であって、最終の円筒軸受ブッシュBの内径dと実質的に等しい径54をもった小径円筒孔55とを具備しており、該大径筒状内壁面51と小径円筒孔55を規定する小径筒状内壁面56との間に、大径筒状内壁面51から径方向であって内方に延びて小径筒状内壁面56で終端する環状面57が介在しているハウジングとしての金属製の軸支持体50を準備する(図7)。
また、最終の円筒軸受ブッシュBの内径dを規定する径61をもった小径筒状外面62と、小径筒状外面62に軸方向の上方に隣接して配されていると共に、小径筒状外面62の径よりも大きく、前記軸支持体50の大径円筒孔52の径53に実質的に等しい径63をもった大径筒状外面64とを具備しており、小径筒状外面62と大径筒状外面64との間に、小径筒状外面62から径方向であって外方に延びて大径筒状外面64で終端する環状面65が介在している他の芯金60を準備する(図8)。
準備された軸支持体50と芯金60とにおいて、芯金60の小径筒状外面62にアニーリング処理が施された円筒軸受ブッシュBを図8に示すように嵌着し、次に、芯金60を軸支持体50に対して位置決めし、更に、芯金60にA方向の荷重を加えて、芯金60を軸支持体50に向かって移動させる。
図8に示すように更に、芯金60の小径筒状外面62の一部を軸支持体50の小径円筒孔55に、芯金60の大径筒状外面64を軸支持体50の大径円筒孔52に夫々配して、小径筒状外面62の残部並びに軸支持体50及び芯金60の夫々の環状面57及び65によって円筒軸受ブッシュBをアプセット加工すると共に、該円筒軸受ブッシュBを軸支持体50の大径円筒孔52に固定する。
応力が解放された円筒軸受ブッシュBは、金属製の軸支持体50に再度のアプセット加工によって固定される。この再度のアプセット加工による円筒軸受ブッシュBの軸支持体50の大径円筒孔52への固定により、該円筒軸受ブッシュBの内周面の真円度は、切削、研削などの機械加工による仕上げ加工を必要としない極めて高いものとなる。
次に、複層材4として、以下の3種類の複層材(1)、(2)及び(3)を使用して試験体(略円筒軸受ブッシュ6)を作製し、この試験体を最終のハウジングとしての金属製の軸支持体50内に固定するという試験を行い、軸支持体50内に固定された最終の円筒軸受ブッシュBの内周面の真円度を測定した。
(複層材(1))
無酸素銅からなる板状の裏金1と該裏金1の表面に一体的に形成された多孔質金属焼結層2としての多孔質青銅焼結層と該多孔質青銅焼結層の孔隙及び表面に充填被覆された黒鉛5重量%と四ふっ化エチレン樹脂95重量%とからなる合成樹脂組成物の合成樹脂層3を具備した複層材4(厚さ0.97mm)。
(複層材(2))
タフピッチ銅からなる板状の裏金1と該裏金1の表面に一体的に形成された多孔質金属焼結層2としての多孔質青銅焼結層と該多孔質青銅焼結層の孔隙及び表面に充填被覆された黒鉛5重量%と四ふっ化エチレン樹脂95重量%からなる合成樹脂組成物の合成樹脂層3を具備した複層材4(厚さ0.97mm)。
(複層材(3):従来技術)
冷間圧延鋼板からなる裏金1と該裏金1の表面に一体的に形成された多孔質金属焼結層2としての多孔質青銅焼結層と該多孔質青銅焼結層の孔隙及び表面に充填被覆された黒鉛5重量%と四ふっ化エチレン樹脂95重量%からなる合成樹脂組成物の合成樹脂層3を具備した複層材4(厚さ0.97mm)。
複層材(1)、(2)及び(3)の夫々から夫々3個の試験体(略円筒軸受ブッシュ6)を作製した。
試験体(1)−1:内径10.20mm、外径11.96mm、長さ10.20mm、 突き合わせ端面間の隙間0.5mm
試験体(1)−2:内径10.15mm、外径12.07mm、長さ10.30mm、 突き合わせ端面間の隙間0.4mm
試験体(1)−3:内径10.18mm、外径12.04mm、長さ10.20mm、 突き合わせ端面間の隙間0.4mm
試験体(2)−1:内径10.18mm、外径12.12mm、長さ10.20mm、 突き合わせ端面間の隙間0.5mm
試験体(2)−2:内径10.16mm、外径12.06mm、長さ10.18mm、 突き合わせ端面間の隙間0.5mm
試験体(2)−3:内径10.20mm、外径12.08mm、長さ10.20mm、 突き合わせ端面間の隙間0.5mm
試験体(3)−1:内径10.20mm、外径12.12mm、長さ10.20mm、 突き合わせ端面間の隙間0.8mm
試験体(3)−2:内径10.18mm、外径11.98mm、長さ10.20mm、 突き合わせ端面間の隙間0.7mm
試験体(3)−3:内径10.20mm、外径12.08mm、長さ10.30mm、 突き合わせ端面間の隙間0.9mm
<金型及び芯金(図3及び図4)>
金型10の大径円筒孔12の径:12mm
芯金20の小径筒状外面22の径:10mm
<試験方法>
芯金20の小径筒状外面22に各試験体を嵌着し、芯金20を金型10に対して位置決めし、芯金20に荷重0.87KN/mmを加え、各試験体にアプセット加工を施して円筒軸受ブッシュBとした後、金型10から円筒軸受ブッシュBを取り出した状態での各円筒軸受ブッシュBの一方の端部から3mmの位置の内周面の真円度を測定した。また、アプセット加工後の突き合わせ端面5、5間の隙間δの状態を観察した。結果を表1に示す。
Figure 2006038181
次に、試験体(1)−1ないし試験体(3)−3の各円筒軸受ブッシュBを200℃の温度に加熱した加熱炉内に4時間保持し、アニーリング処理を施した。
ついで、芯金60の小径筒状外面62に、アニーリング処理が施された各試験体(円筒軸受ブッシュB)を嵌着し、芯金60をハウジングとしての軸支持体50に対して位置決めし、芯金60に荷重0.4KN/mmを加え、各試験体に再度のアプセット加工を施すと共に試験体を軸支持体50に固定した。軸支持体50内に固定された各試験体について、各試験体の一方の端部から3mmの位置の真円度を測定した。また、裏金1のマイクロビッカース硬さ(MHv)を測定した。これらの測定結果を表2に示す。




Figure 2006038181
以上のように、ハウジングとしての金属製の軸支持体50の大径円筒孔52に固定された円筒軸受ブッシュBは、その内周面の真円度が極めて高い値を示している。このように円筒軸受ブッシュBが極めて高い内周面の真円度をもって軸支持体50の大径円筒孔52に固定されたということは、内周面に切削、研削等の機械加工による仕上げ加工を必要としないことを意味するものである。また、裏金1のマイクロビッカース硬さ(MHv)がおおよそ100前後の値を示したことにより、軸受等の摺動部材としての強度が確保された。
本発明によれば、両端の突き合わせ端面が互いに密に接触せしめられ、内周面に切削、研削等の機械加工による仕上げ加工を行うことなく内周面が極めて高い真円度をもってハウジングとしての軸支持体内に固定する方法を提供することができる。
本発明の固定方法における複層材の断面図である。 本発明の固定方法における略円筒軸受ブッシュの斜視図である。 本発明の固定方法における金型と芯金とからなるアプセット装置の断面図である。 本発明の固定方法におけるアプセット加工の最終工程の説明図である。 本発明の固定方法におけるアプセット加工後の円筒軸受ブッシュの斜視図である。 本発明の固定方法における他の金型と芯金とからなるアプセット装置の断面図である。 本発明の固定方法における軸支持体の断面図である。 本発明の固定方法における最終工程の説明図である。
符号の説明
1 裏金
2 多孔質金属焼結層
3 合成樹脂層
4 複層材
5 突き合わせ端面
6 略円筒軸受ブッシュ
10、30 金型
20、40 芯金
50 軸支持体

Claims (8)

  1. 無酸素銅又はタフピッチ銅からなる板状の裏金と、該裏金の表面に一体的に形成された多孔質金属焼結層と、該多孔質金属焼結層の孔隙及び表面に充填被覆された合成樹脂層とを具備する複層材を、該合成樹脂層を内側にして円筒状に捲回して突き合わせ端面間に隙間が生じた略円筒軸受ブッシュを形成する工程と、
    大径筒状内壁面によって規定される大径円筒孔を具備した金型本体と、この大径円筒孔に軸方向に隣接して配されていると共に該大径円筒孔の径よりも小径の小径円筒孔を具備した金型台座とからなり、該金型本体の大径筒状内壁面と金型台座の小径円筒孔を規定する小径筒状内壁面との間には、大径筒状内壁面から径方向であって内方に延びて小径筒状内壁面で終端する環状面が介在してなる金型を準備する工程と、
    略円筒軸受ブッシュの内径寸法を規定する径をもった小径筒状外面とこの小径筒状外面に軸方向に隣接していると共に該小径筒状外面よりも大径の大径筒状外面とを具備しており、小径筒状外面と大径筒状外面との間には、小径筒状外面から径方向であって外方に延びて大径筒状外面で終端する環状面が介在してなる芯金を準備する工程と、
    該芯金の小径筒状外面に略円筒軸受ブッシュを嵌着する工程と、
    該小径筒状外面に略円筒軸受ブッシュを嵌着した芯金の小径筒状外面の一部を金型の小径円筒孔に、芯金の大径筒状外面を金型の大径円筒孔に夫々配し、該芯金に所定の圧力をかけて小径筒状外面の残部並びに金型及び芯金の夫々の環状面によって略円筒軸受ブッシュにアプセット加工を施す工程と、
    アプセット加工後、金型から円筒軸受ブッシュを取り出し、突き合わせ端面が互いに密に接触し、かつ内周面の真円度が5μm〜15μmに形成された円筒軸受ブッシュを得ると共に、該円筒軸受ブッシュにアニーリング処理を施す工程と、
    大径筒状内壁面によって規定される大径円筒孔とこの大径円筒孔に軸方向に隣接して配されている該大径円筒孔の径よりも小径の小径円筒孔とを具備しており、該大径筒状内壁面と小径円筒孔を規定する小径筒状内壁面との間には、大径筒状内壁面から径方向であって内方に延びて小径筒状内壁面で終端する環状面が介在してなる軸支持体を準備する工程と、
    円筒軸受ブッシュの最終の内径寸法を規定する径をもった小径筒状外面とこの小径筒状外面に軸方向に隣接していると共に該小径筒状外面よりも大径の大径筒状外面とを具備しており、小径筒状外面と大径筒状外面との間には、小径筒状外面から径方向であって外方に延びて大径筒状外面で終端する環状面が介在してなる他の芯金を準備する工程と、
    該他の芯金の小径筒状外面にアニーリング処理後の円筒軸受ブッシュを嵌着する工程と、
    該他の芯金の小径筒状外面にアニーリング処理後の円筒軸受ブッシュを嵌着した当該他の芯金の小径筒状外面の一部を軸支持体の小径円筒孔に、他の芯金の大径筒状外面を軸支持体の大径円筒孔に夫々配し、該他の芯金に所定の圧力をかけて他の芯金の小径筒状外面の残部並びに軸支持体及び他の芯金の夫々の環状面によってアニーリング処理後の円筒軸受ブッシュに再度のアプセット加工を施すと共に、該再度のアプセット加工によって、内周面の真円度を2μm〜8μmに形成した円筒軸受ブッシュを軸支持体の大径円筒孔に固定する工程と、
    を具備した軸支持体内に円筒軸受ブッシュを固定する方法。
  2. 無酸素銅又はタフピッチ銅からなる板状の裏金と、該裏金の表面に一体的に形成された多孔質金属焼結層と、該多孔質金属焼結層の孔隙及び表面に充填被覆された合成樹脂層とを具備する複層材を、該合成樹脂層を内側にして円筒状に捲回して突き合わせ端面間に隙間が生じた略円筒軸受ブッシュを形成する工程と、
    略円筒軸受ブッシュの最終の外径寸法を規定する径をもった筒状内壁面によって規定される円孔を備えた金型本体と一端側に凹所を有すると共に該凹所の開口面を囲繞する環状端面及び金型本体の筒状内壁面に嵌合される筒状外面を有した受金とを具備した金型を準備する工程と、
    略円筒軸受ブッシュの最終の内径寸法を規定する径を有すると共に前記受金の凹所に嵌入される小径筒状外面とこの小径筒状外面に軸方向に隣接して配されていると共に該小径筒状外面よりも大径の大径筒状外面とを具備しており、小径筒状外面と大径筒状外面との間には、小径筒状外面から径方向であって外方に延びて大径筒状外面で終端する環状面が介在してなる芯金を準備する工程と、
    該芯金の小径筒状外面に略円筒軸受ブッシュを嵌着する工程と、
    該受金を金型本体の円孔の一方の開口端から円孔内に、該小径筒状外面に略円筒軸受ブッシュを嵌着した芯金の小径筒状外面の一部を金型本体の円孔の他方の開口端を介して受金の凹所に夫々配し、該受金及び芯金に所定の圧力を掛けて小径筒状外面の残部、受金の環状端面及び芯金の環状面によって略円筒軸受ブッシュにアプセット加工を施す工程と、
    アプセット加工後、金型から円筒軸受ブッシュを取り出し、突き合わせ端面が互いに密に接触し、かつ内周面の真円度が5μm〜15μmに形成された円筒軸受ブッシュを得ると共に、該円筒軸受ブッシュにアニーリング処理を施す工程と、
    大径筒状内壁面によって規定される大径円筒孔とこの大径円筒孔に軸方向に隣接して配されている該大径円筒孔の径よりも小径の小径円筒孔とを具備しており、該大径筒状内壁面と小径円筒孔を規定する小径筒状内壁面との間には、大径筒状内壁面から径方向であって内方に延びて小径筒状内壁面で終端する環状面が介在してなる軸支持体を準備する工程と、
    円筒軸受ブッシュの最終の内径寸法を規定する径をもった小径筒状外面とこの小径筒状外面に軸方向に隣接していると共に該小径筒状外面よりも大径の大径筒状外面とを具備しており、小径筒状外面と大径筒状外面との間には、小径筒状外面から径方向であって外方に延びて大径筒状外面で終端する環状面が介在してなる他の芯金を準備する工程と、
    該他の芯金の小径筒状外面にアニーリング処理後の円筒軸受ブッシュを嵌着する工程と、
    該他の芯金の小径筒状外面にアニーリング処理後の円筒軸受ブッシュを嵌着した当該他の芯金の小径筒状外面の一部を軸支持体の小径円筒孔に、他の芯金の大径筒状外面を軸支持体の大径円筒孔に夫々配し、該他の芯金に所定の圧力をかけて他の芯金の小径筒状外面の残部並びに軸支持体及び他の芯金の夫々の環状面によってアニーリング処理後の円筒軸受ブッシュに再度のアプセット加工を施すと共に、該再度のアプセット加工によって、内周面の真円度を2μm〜8μmに形成した円筒軸受ブッシュを軸支持体の大径円筒孔に固定する工程と、
    を具備した軸支持体内に円筒軸受ブッシュを固定する方法。
  3. 略円筒軸受ブッシュにアプセット加工を施す際の芯金に加える圧力は、0.3KN/mm〜1.7KN/mmである請求項1又は2に記載の軸支持体内に円筒軸受ブッシュを固定する方法。
  4. アニーリング処理は、180℃以上の温度で0.5〜4時間行われる請求項1から3のいずれか一項に記載の軸支持体内に円筒軸受ブッシュを固定する方法。
  5. 円筒軸受ブッシュを軸支持体内に再度のアプセット加工により固定する際の他の芯金に加える圧力は、0.1KN/mm〜0.6KN/mmである請求項1から4のいずれか一項に記載の軸支持体内に円筒軸受ブッシュを固定する方法。
  6. 軸支持体内に固定された円筒軸受ブッシュの裏金の硬度は、マイクロビッカース硬度(MHv)で80〜140を呈する請求項1から5のいずれか一項に記載の軸支持体内に円筒軸受ブッシュを固定する方法。
  7. 軸支持体の小径円筒孔は、再度のアプセット加工後の円筒軸受ブッシュの内径と実質的に等しい径か又は当該径よりも若干大きな径を有している請求項1から6のいずれか一項に記載の軸支持体内に円筒軸受ブッシュを固定する方法。
  8. 軸支持体は、金属又は強化合成樹脂からなる請求項1から7のいずれか一項に記載の軸支持体内に円筒軸受ブッシュを固定する方法。
JP2004222595A 2004-07-29 2004-07-29 円筒軸受ブッシュを軸支持体内に固定する方法 Pending JP2006038181A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004222595A JP2006038181A (ja) 2004-07-29 2004-07-29 円筒軸受ブッシュを軸支持体内に固定する方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004222595A JP2006038181A (ja) 2004-07-29 2004-07-29 円筒軸受ブッシュを軸支持体内に固定する方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006038181A true JP2006038181A (ja) 2006-02-09

Family

ID=35903373

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004222595A Pending JP2006038181A (ja) 2004-07-29 2004-07-29 円筒軸受ブッシュを軸支持体内に固定する方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006038181A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013146608A1 (ja) * 2012-03-30 2013-10-03 大豊工業株式会社 摺動部材、及び、摺動部材の製造方法
CN107697260A (zh) * 2017-11-10 2018-02-16 中船黄埔文冲船舶有限公司 一种滑动水密封舵承装置及其安装方法
CN115056389A (zh) * 2022-03-21 2022-09-16 陕西飞机工业有限责任公司 一种复材类模具衬套的安装方法
CN115181023A (zh) * 2022-05-17 2022-10-14 东华理工大学 螺环活性增塑剂及其制备方法

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61140336A (ja) * 1984-12-12 1986-06-27 Oiles Ind Co Ltd 円筒巻軸受の整形方法
JPS61150722A (ja) * 1984-12-24 1986-07-09 Oiles Ind Co Ltd 円筒複層軸受の整形方法
JPH03116A (ja) * 1989-05-25 1991-01-07 Kubota Corp 膜分離装置
JPH0953642A (ja) * 1995-08-11 1997-02-25 Taiho Kogyo Co Ltd 軸受装置とその製造方法
JPH11303880A (ja) * 1998-04-22 1999-11-02 Oiles Ind Co Ltd 軸支持体内に軸受ブッシュを固定する方法及びその方法に用いるための軸受ブッシュ
JP2001114119A (ja) * 1999-10-19 2001-04-24 Koyo Seiko Co Ltd ステアリングシャフト支持体内に軸受ブッシュを固定する方法及びその方法に用いるための軸受ブッシュ
JP2001153142A (ja) * 1999-11-25 2001-06-08 Oiles Ind Co Ltd 複層円筒巻き軸受並びにその製造方法
JP2004019759A (ja) * 2002-06-14 2004-01-22 Daido Metal Co Ltd 摺動部材

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61140336A (ja) * 1984-12-12 1986-06-27 Oiles Ind Co Ltd 円筒巻軸受の整形方法
JPS61150722A (ja) * 1984-12-24 1986-07-09 Oiles Ind Co Ltd 円筒複層軸受の整形方法
JPH03116A (ja) * 1989-05-25 1991-01-07 Kubota Corp 膜分離装置
JPH0953642A (ja) * 1995-08-11 1997-02-25 Taiho Kogyo Co Ltd 軸受装置とその製造方法
JPH11303880A (ja) * 1998-04-22 1999-11-02 Oiles Ind Co Ltd 軸支持体内に軸受ブッシュを固定する方法及びその方法に用いるための軸受ブッシュ
JP2001114119A (ja) * 1999-10-19 2001-04-24 Koyo Seiko Co Ltd ステアリングシャフト支持体内に軸受ブッシュを固定する方法及びその方法に用いるための軸受ブッシュ
JP2001153142A (ja) * 1999-11-25 2001-06-08 Oiles Ind Co Ltd 複層円筒巻き軸受並びにその製造方法
JP2004019759A (ja) * 2002-06-14 2004-01-22 Daido Metal Co Ltd 摺動部材

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013146608A1 (ja) * 2012-03-30 2013-10-03 大豊工業株式会社 摺動部材、及び、摺動部材の製造方法
KR20140146154A (ko) * 2012-03-30 2014-12-24 다이호 고교 가부시키가이샤 슬라이딩 부재 및 슬라이딩 부재의 제조 방법
CN104246251A (zh) * 2012-03-30 2014-12-24 大丰工业株式会社 滑动构件以及滑动构件的制造方法
US20150055899A1 (en) * 2012-03-30 2015-02-26 Taiho Kogyo Co., Ltd. Sliding member and method for manufacturing sliding member
JPWO2013146608A1 (ja) * 2012-03-30 2015-12-14 大豊工業株式会社 摺動部材、及び、摺動部材の製造方法
KR101627325B1 (ko) * 2012-03-30 2016-06-03 다이호 고교 가부시키가이샤 슬라이딩 부재 및 슬라이딩 부재의 제조 방법
CN104246251B (zh) * 2012-03-30 2017-05-17 大丰工业株式会社 滑动构件以及滑动构件的制造方法
CN107697260A (zh) * 2017-11-10 2018-02-16 中船黄埔文冲船舶有限公司 一种滑动水密封舵承装置及其安装方法
CN107697260B (zh) * 2017-11-10 2023-08-29 中船黄埔文冲船舶有限公司 一种滑动水密封舵承装置及其安装方法
CN115056389A (zh) * 2022-03-21 2022-09-16 陕西飞机工业有限责任公司 一种复材类模具衬套的安装方法
CN115181023A (zh) * 2022-05-17 2022-10-14 东华理工大学 螺环活性增塑剂及其制备方法
CN115181023B (zh) * 2022-05-17 2023-07-28 东华理工大学 螺环活性增塑剂及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20090205453A1 (en) Ring gear and manufacturing method for such a ring gear
JP5865487B2 (ja) 鋳造用部材及びその製造方法、ダイカスト用スリーブ、並びにダイカスト装置
WO2009136532A1 (ja) ころ軸受用保持器、ころ軸受およびころ軸受用保持器の製造方法
WO2015141572A1 (ja) すべり軸受
WO2016006550A1 (ja) 軌道輪の製造方法および軌道輪
KR102375656B1 (ko) 소결 부품의 제조 방법 및 소결 부품
JP2006038181A (ja) 円筒軸受ブッシュを軸支持体内に固定する方法
JP2006038180A (ja) 円筒軸受ブッシュ及び該円筒軸受ブッシュの製造方法
WO2005058519A1 (en) Wire drawing die
JP2006070940A (ja) 円筒軸受ブッシュの製造方法
JP2007127228A (ja) 円筒軸受ブッシュ及びその製造方法
US5339513A (en) Method of manufacturing thick-walled small diameter pipe
US20070181228A1 (en) Spherical Bearing Arrangements
JP4167326B2 (ja) アルミニウム合金製オートマチックトランスミッション用スプール弁
JP6077481B2 (ja) すべり軸受
KR101965734B1 (ko) 금속 부재의 제조 방법
JP2007160439A (ja) 歯付プーリの製造方法
JP2002086278A (ja) 環状および中空形状の機械部品の製造方法
JP3094068B2 (ja) 金属部材同士の結合体及びその製造方法
JP6077480B2 (ja) すべり軸受
JP6423740B2 (ja) 軌道輪の製造方法
WO2022065408A1 (ja) 軌道輪及び転がり軸受
WO2016031074A1 (ja) 金属部材の製造装置
KR101343347B1 (ko) Hdd 스핀들 모터의 유체동압베어링 소재 및 유체동압베어링의 제조 방법
JP2022055301A (ja) 軌道輪及び転がり軸受

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070627

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091029

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091110

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100112

A02 Decision of refusal

Effective date: 20100330

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02