JP2006034600A - 識別情報を有する義歯およびその製造方法 - Google Patents

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伊藤  公一
Kazutaka Maeda
和孝 前田
Atsushi Takeuchi
淳 竹内
Akira Ogasawara
明 小笠原
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Abstract

【課題】
本願発明は、通常の状態で使用される場合のみならず、高熱に曝された場合であっても、目視読み取りが可能であり、かつ、見付面積が狭く、平面部分が僅小なクラウンにも付することができ、法的にも許可されている歯科材料からなる識別標識を有する義歯およびその製造方法を提供する。
【解決手段】
陶材製またはレジン材製のクラウンからなる義歯、または人工歯とレジン床とからなる義歯において、クラウンの表面にステイン陶材または歯科用ステインにより、クラウンの舌側歯頸部近傍の表面に直接描画を描出して目視可能な義歯識別標識とし、またはレジン床の表面の舌側歯頸部近傍に描画を刻設したレジン片を埋入して目視可能な義歯識別標識とする構成とした。
【選択図】 図1

Description

本願発明は、クラウンまたはポンティックあるいは人工歯を支持するレジン床に製造者名等の義歯識別情報を付した標識を有する義歯に関する。
高齢化社会を迎えて、高齢者の増加とともに、介護を受ける高齢者のなかにも義歯を装着する者が多数存在するようになってきた。このようなことを背景として、一人の介護者が複数の高齢者を介護することが通常であり、食事等が終わった後、介護者が複数の被介護者から有床義歯を預かり、洗浄した後、各被介護者に返却することがおこなわれる。そのため、有床義歯には所有者を識別するための目印を付けることが従来からおこなわれていた。この従来実施されていた方法には、たとえば、有床義歯の舌側に所有者の氏名を刻設する方法がある。しかし、この方法では、装着者が食べ物を咀嚼するたびに刻設部分に応力の集中が生じ、咀嚼を繰り返すことで比較的容易に刻設部分から破損するという不具合があった。
さらに、近年になると、製造物責任が問われるようになり、義歯もその例にもれず、製造者名を義歯に明記する必要も生じてきた。このため、有床義歯にテープや印刷物等を用いて製造者名や電話番号等を記入する方法も紹介されているが、使用されるテープや印刷物は歯科材料としての許可を受けていないものである。
また、情報が収納されている小片を有床義歯に埋設する発明や考案が提案されていて、有床義歯に埋設する小片に多数の情報を集積する工夫がおこなわれている。この発明や考案には、たとえば、特開平11−253461号公報に掲載された発明や実用新案登録第3080133号公報に記載された考案がある。
特開平11−253461号公報に掲載された発明は、有床義歯のレジン床に埋め込み穴を刻設して、この埋め込み穴にマイクロチップなどを埋め込み、その後、マイクロチップなどの表面に即時重合型レジンを塗布して固化させたものである。
また、実用新案登録第3080133号公報に記載された考案は、有床義歯のレジン床またはクラウンに埋め込み用くぼみを刻設して、この埋め込み用くぼみに情報記載片を埋め込んだ後、透明レジンで覆い固定し、透明レジンの表面を研磨するものである。
そして、前記特開平11−253461号公報に掲載された発明は、マイクロチップの読み取り機により義歯の所有者の登録番号を読み取り、義歯の所有者を特定するというもので、前記実用新案登録第3080133号公報に記載された考案は、所有者の氏名、歯科医院名、カルテナンバー、電話番号、住所などの文字情報を迅速、確実に確認するというものである。
特開平11−253461号公報 実用新案登録第3080133号公報
しかしながら、天然歯に限らず義歯であっても、その歯型は個人を特定するのに、重要な要素を占め、このような場合に際しては、義歯に識別標識が付されていれば、義歯の所有者を迅速に特定することができる。そのためには、生活環境とは異なる高温等の状態に当該義歯が曝されても、当該義歯に付された識別標識の識別機能が維持されることが要望される。また、このような識別標識は、たとえば、見付面積が狭く、平面部分が僅小な下顎切歯や下顎犬歯のような義歯であっても付することができるようなものであることが望ましい。
このような観点から見ると、特開平11−253461号公報に掲載された発明は、マイクロチップを使用しているため本質的に熱に弱く、また、マイクロチップの大きさからは、レジン床にのみ埋め込みが可能である。また、実用新案登録第3080133号公報に記載された考案にあっても、当該考案に使用される情報記載片には、所有者の氏名、歯科医院名、カルテナンバー、電話番号、住所などの文字情報が記載されているため、ある程度の大きさを有せざるを得ず、義歯にも埋め込むことができるとされているものの、対象となる義歯は、臼歯のような見付面積の大きい義歯に限られるとともに、情報記載片が高熱に曝された場合には、変形あるいは燃焼してしまうことになる。
さらに、前記のマイクロチップや情報記載片は、歯科材料としての許可を受けていないものであり、レジン等で被覆はされていても、使用方法や使用年数によっては、レジン等が剥離したり磨耗したりする場合も生じ、さらには、口腔内で食物残渣が付着して不衛生であることを免れない。その上、マイクロチップに記載された情報を読み取るためには、専用の読み取り機が必要であり、情報記載片に記載された情報を読み取るためには、拡大鏡を必要とする。
そこで、本願発明は、高熱に曝された場合であっても、目視読み取りが可能で、見付面積が狭く、平面部分が僅小な義歯にも付することができ、法的にも許可されている歯科材料からなる識別標識、を有する義歯およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本願請求項1に係る識別情報を有する義歯の発明は、陶材製またはレジン材製のクラウンまたはクラウンとポンティックからなる架工義歯(ブリッジ)または人工歯とこれを支持するレジン床とからなる有床義歯において、前記クラウンとポンティックの表面および/または前記レジン床の表面の舌側歯頸部近傍に目視可能な義歯識別標識が付されていることを特徴としている。
また、本願請求項2に係る識別情報を有する義歯の発明は、本願請求項1に係る識別情報を有する義歯であって、前記クラウンの表面に付する前記義歯識別標識は、前記陶材製クラウンの表面に塗布するステイン陶材または前記レジン材製のクラウンの表面に塗布する歯科用ステインにより、前記クラウンの表面に直接描出された文字または線図あるいは描画であることを特徴としている。
そして、本願請求項3に係る識別情報を有する義歯の発明は、本願請求項1の発明に係る識別情報を有する義歯であって、前記レジン床の表面に付する前記義歯識別標識は、描画が刻設された所定の形状を有する板状のレジン片を前記レジン床に直接埋入固定させたことを特徴としている。
さらに、本願請求項4に係る識別情報を有する義歯の製造方法の発明は、本願請求項1または本願請求項2に係る識別情報を有する義歯の製造方法であって、前記クラウンの形態修正後、前記陶材製クラウンの表面に塗布するステイン陶材または前記レジン材製クラウンの表面に塗布する歯科用ステインにより、前記クラウンの表面に直接描画を描き、その後、前記陶材製クラウンをグレーズ焼成またはセルフグレーズ焼成をおこない、または、前記レジン材製クラウンの表面に透明レジンを塗布後、重合・研磨をおこなうことを特徴としている。
また、本願請求項5に係る識別情報を有する義歯の製造方法の発明は、本願請求項1または本願請求項2に係る識別情報を有する義歯の製造方法であって、前記クラウンの形態修正後、切削工具で前記クラウンの表面に描画を刻設し、前記陶材製クラウンの表面にステイン陶材または前記レジン材製クラウンの表面に歯科用ステインを前記描画の刻設溝に埋入し、その後、前記陶材製クラウンをグレーズ焼成またはセルフグレーズ焼成をおこない、または、前記レジン材製クラウンの表面に透明レジン塗布後、重合・研磨をおこなうことを特徴としている。
そして、本願請求項6に係る識別情報を有する義歯の製造方法の発明は、本願請求項1または本願請求項3に係る識別情報を有する義歯の製造方法であって、人工歯が排列された蝋義歯製作後に、フラスコ埋没し、前記蝋義歯の人工歯排列部の蝋部分を床用レジンに置換して第1のレジン床を形成する一方、前記蝋義歯の基礎床部を床用レジンに置換して第2のレジン床を形成し、描画が刻設された前記レジン片の刻設面を前記第2のレジン床に押し当てて前記第2のレジン床の所望の位置に仮置きし、前記第2のレジン床が形成されたフラスコと前記第1のレジン床が形成されたフラスコとを重ねて前記レジン片を挟み込み、フラスコ加圧をおこなって前記第1のレジン床と前記第2のレジン床を一塊とし重合させてレジン床を形成し、その後、前記レジン床面を研磨して、義歯を装着したときに前記レジン片の刻設面が舌側に現れるようにすることを特徴としている。
以上のように本願請求項1に係る発明によれば、目視可能な義歯識別標識を舌側歯頸部近傍に付しているため、以下の効果がある。すなわち、
(1)義歯識別標識は舌側に付されることにより、義歯識別標識が外観に現れることはない。歯は顔の表情に重要な役割を占め、義歯に付された標識が外部から見えるようだと相手に違和感を与えてしまうことになる。本願発明においてはそのようなことはなく、本願発明に係る義歯を使用しても不自然さがない。
(2)義歯識別標識は歯頸部近傍に付されていて、この歯頸部近傍は上下顎歯相互が接触することの少ない場所であるため、義歯識別標識の損傷を防ぐことができる。
また、本願請求項2に係る発明によれば、義歯識別標識は、ステイン陶材または歯科用ステインでクラウンの表面に直接描出された描画であるため、以下の効果がある。すなわち、
(1)ステイン陶材または歯科用ステインは、通常、義歯製作過程で彩色に使用される材料であり、法的な規制の対象ではなく、数種類の色を使用することができる。そして、複数の色が使用できることから、義歯識別標識に盛り込むことのできる情報量も多くなる。
(2)義歯識別標識は描画であるため、極めて小さな標識にすることができる。本願発明における描画(「文字」、「記号」あるいは「模様」等からなる。以下、同じ)を用いて、例えば文字の場合は、縦横2mm角程度としている。これは、目視可能であるために必要な大きさとしていることによる。
そして、本願請求項3に係る発明によれば、レジン床の表面に付する義歯識別標識を予め描画が刻設されたレジン片としているため、以下の効果を有する。
(1)予め描画が刻設されたレジン片を製作してからレジン床に埋入固定させるため、義歯識別標識は極めて精緻な描画とすることができるとともに、レジン床はクラウンに比して、平面的な面積が大きく、その分、義歯識別標識も大きくすることができ、義歯識別標識に盛り込むことができる情報量を多くすることができる。
(2)また、予め描画が刻設されたレジン片の描画に、ステイン陶材または歯科用ステインで着色すれば、レジン片の情報量をより多くすることができる。
(3)レジン自体の形状を方形、円形、多角形あるいは星形等とし、レジン自体の色も変えて前記のレジン自体の形状と組み合わせれば、さらに、多くの情報量をレジン片に盛り込むことができる。
(4)また、レジン片はレジン床と同じ材料で作製されるので、接着性・密着性が良く一体化され、さらには、露出する表面の平滑性が保たれ、食物残渣等が付着することがなく、衛生上も通常のレジン床と同様の使用ができる。
さらに、本願請求項4に係る製造方法の発明では、クラウンの表面に直接ステイン陶材または歯科用ステインで描画を描き、また、本願請求項5に係る製造方法の発明では、クラウンの表面に描画を刻設してから、ステイン陶材または歯科用ステインを埋入している。そのため、本願請求項4に係る製造方法では、習熟することにより簡便に義歯識別標識を製作することができ、本願請求項5に係る製造方法では、ステイン陶材または歯科用ステインで描いた線が滲むことがない。
そして、本願請求項4の製造方法であっても本願請求項5の製造方法であっても、描画を描いた後にグレーズ焼成、セルフグレーズ焼成、または透明レジン塗布後、重合・研磨・艶出しの一連の作業をおこなうため、いわばステイン陶材または歯科用ステインの表面をコーティングすることになり、ステイン陶材または歯科用ステインは強固にクラウンの表面に固着される。
また、本願請求項6に係る発明によれば、重合させた第1のレジン床と第2のレジン床との間にレジン片を挟持させているため、レジン片は第1のレジン床と第2のレジン床に一体化することになり、強固に固定される。また、レジン片の厚みは1mm程度であり、その分レジン片が仮置きされる第2のレジン床を薄くすることにより、当該義歯の装着者がレジン片による違和感を覚えることはない。
前述のように、クラウンに描く文字の大きさは縦横2mm角程度としており、クラウンに描く文字数はクラウンの大きさを考慮すると2文字程度となる。この2文字にアルファベットを使用すれば、その組合せは、676個となり、さらにステイン陶材または歯科用ステインの色数を通常使用される5色とすれば、義歯識別標識に盛り込むことのできる情報量は、16,900個(676×5×5)ということになる。さらに、この情報量とレジン床に埋入されたレジン片の情報量とを合わせれば、無限に近い情報量を本願発明に係る義歯に与えることになる。
この義歯識別標識には、所有者の情報を付与することは勿論可能であるが、本願出願人は、この義歯識別標識に製造者の情報を付与することを考えている。当該義歯が、高熱に曝され義歯全体の形状が原形をとどめていないような場合であっても、1つのクラウンの義歯識別標識が読み取り可能であれば、そこから当該義歯の製造者が判明し、当該義歯の製造者が判明すれば、歯型などから当該製造者が保持するカルテにより、氏名等が刻設されている場合より、確実かつ迅速に当該義歯の所有者を特定することができるからである。
このように、この義歯識別標識に付与する情報を限られたものとしても、他のデータベースと関連付けることにより、この義歯識別標識が有する情報は無限の広がりを持つことになる。
以下、本願発明を実施するための最良の形態に係る実施例1および実施例2について図1ないし図4に基づいて説明する。図1は、実施例1に係る識別情報を有する義歯の製造中の図、図2は、実施例1に係る識別情報を有する義歯の製造のフローチャート、図3は、実施例2に係る識別情報を有する義歯の断面構成図、図4は、実施例2に係る識別情報を有する義歯の製造のフローチャートである。
まず、実施例1について図1および図2に基づいて説明する。図1において、符号12は本実施例に係る識別情報を有する義歯を構成するクラウン、符号14は義歯識別標識、符号40は筆、符号42は筆の柄、符号44は筆の穂先である。
本実施例に係る識別情報を有する義歯は、図示外の支台装置と連結するポンティックと、クラウン12と、義歯識別標識14と、から構成されている。そして、図1においては、クラウン12の舌側が手前となっていて、本実施例においては、見付面積が狭い下顎切歯を例として示している。義歯識別標識14は、クラウン12の舌側歯頸部近傍に付されていて、本実施例においては、例えば、「日大」という漢字の2文字からなっているが、漢字に限定されるわけではないことは勿論であり、場合によっては、「記号」や「図形」、「キャラクタ模様」等であっても良い。また、筆40は、周知のものであり、筆の柄42と筆の穂先44から構成されている。
つぎに、本実施例に係る義歯の製造方法について、図2を基に説明する。
クラウン12には、陶材製のクラウン(以下「陶材冠」という。)とレジン材製のクラウン(以下「レジン冠」という。)があり、義歯の製造方法も異なるので、個別に説明する。
まず、「日大」の文字を識別標識とする陶材冠の製造方法について説明する。
(1)陶材冠の核となるフレームの仕上げ処理後、オペーク陶材の塗布、焼成をおこない、デンチン陶材の築盛、焼成をおこない、さらにエナメル陶材の築盛、焼成をおこなう。その後、クラウンの形態修正をおこなう(ステップS1)。ここで、オペーク陶材は、フレーム色の遮断、および、フレームに築盛する陶材との結合を強化するためのものである。クラウンとは、冠状の被覆部をいい、形態修正は、クラウンの形を天然歯に似せて整えることをいう。
(2)ステップS1で最終的な形態に修正された陶材冠12の舌側歯頚部近傍に、尖端の鋭いカーバイトバー等で「日大」と刻設する(ステップS2)。カーバイトバーとは、カーバイト製の切削工具をいう。
(3)そして、カーバイトバー等で刻設した溝に、先端が極細の穂先42を有する筆40や針でステイン陶材を埋め込み(ステップS3a)、義歯識別標識14を形成する。ステイン陶材は彩色材であり、微細な粉末からなっている。なお、図1はこのステップS3aあるいは後述するステップS3bを示したものである。
(4)埋め込んだステイン陶材の上からグレーズ陶材を塗布しグレーズ焼成をおこなうか、あるいは、グレーズ陶材を塗布せずにセルフグレーズ焼成をおこなう(ステップS4a)。このグレーズ陶材は透明であり、ステイン陶材の上から塗布することにより保護皮膜が形成される。また、セルフグレーズ焼成は、グレーズ陶材を使わずに、築盛された陶材のみで焼成することにより艶を出すことをいう。
(5)その後、この陶材冠12はクラウン単冠として作成するか、あるいは、この陶材冠12を支台装置とし、ポンティックと連結して架工義歯として作成し、本実施例に係る識別情報を有する義歯の製造が完了する(ステップS6)。
つぎに、「日大」の文字を識別標識とするレジン冠の製造方法について説明する。
(1)築盛・重合を繰り返しながらクラウンとしての形を整え、クラウンの形態修正をおこなう(ステップS1)。
(2)ステップS2は、陶材冠12の場合と同様であるのでその説明を省略する。
(3)カーバイトバー等で刻設した溝に歯科用ステインを先端が極細の穂先42を有する筆40や針で埋め込む(ステップS3b)。この歯科用ステインは彩色材であり、微細な粉末からなっている。
(4)埋め込んだ歯科用ステインの上から透明のレジンを塗布し、重合をおこなう(ステップS4b)。
(5)その後、最終の艶出し研磨をおこない(ステップS5b)、さらに前述したステップS6を経て、本実施例に係る識別情報を有する義歯の製造が完了する。
つぎに、実施例2について図3および図4に基づいて説明する。図3において、符号20は本実施例に係る識別情報を有する義歯、符号22は人工歯、符号24はレジン床、符号24aは第1のレジン床、符号24bは第2のレジン床、符号26はレジン片である。
つぎに、「日大」の文字を識別標識とする有床義歯の製造方法について説明する。
義歯20は有床義歯であり、義歯20を装着した場合、図3の上側は舌に接する側であり、図3の下側は顎堤側である。そして、第1のレジン床24aと第2のレジン床24bとが重合されてレジン床24が形成されていて、第1のレジン床24aには、人工歯22が排列されている。
その表面に「日大」の文字が刻設されているレジン片26は、本実施例においては、略4mm×8mm×厚1mmの臼歯の断面形状とした略方形の板状体であり、第1のレジン床24aと第2のレジン床24bとに挟装されていて、第1のレジン床24aおよび第2のレジン床24bに重合されて一体化され、より強固に固着されている。そして、第1のレジン床24aの表面を研磨することによって、「日大」の文字が第1のレジン床24aの表面に現れた状態となっている。
なお、本実施例に係る人工歯22には、実施例1に係る義歯識別標識14を付したクラウン12を使用してもよいことは勿論である。
つぎに、義歯20の製造工程について、図4を基に説明する。
(1)まず、クラウンが排列された蝋義歯を製作する(ステップT1)。
(2)つぎに、ステップT1で製作した蝋義歯をフラスコ内に埋没させる(ステップT2)。
(3)そして、蝋義歯のワックスを流蝋させて上フラスコの蝋部分を床用レジンに置換し、第1のレジン床24aを形成し(ステップT3a)、同様にして、下フラスコに第2のレジン床24bを形成する(ステップT3b)。
(4)その後、「日大」の文字が刻設されたレジン片26の刻設面を下向きにして、第2のレジン床上24bの所望の位置にレジン片26を仮置きする(ステップT4)。
(5)第2のレジン床24bが形成されたフラスコを下にし、第1のレジン床24aが形成されたフラスコを上にして、第2のレジン床24bの上に第1のレジン床24aを重ねるように上下のフラスコを重ね合わせ(ステップT5)、
(6)重ね合せた上下のフラスコを加圧して、第1のレジン床24aと第2のレジン床24bを一塊とし重合させる(ステップT6)。
(7)そして、重合したレジン床24を研磨して、「日大」の文字が刻設されたレジン片26の「日大」の文字を研ぎ出すとともに、レジン床24の艶出しをおこなう。図3は、この最終工程における段階における義歯20を示している。
図1は、本願発明を実施するための最良の形態の実施例1に係る識別情報を有する義歯の製造中の図である。 図2は、実施例1に係る識別情報を有する義歯の製造のフローチャートである。 図3は、本願発明を実施するための最良の形態の実施例2に係る識別情報を有する義歯の断面構成図である。 図4は、実施例2に係る識別情報を有する義歯の製造のフローチャートである。
符号の説明
12 実施例1に係る識別情報が付されたクラウン
14 義歯識別標識
20 実施例2に係る識別情報を有する義歯
22 人工歯
24 レジン床
26 レジン片
40 筆

Claims (6)

  1. 陶材製またはレジン材製のクラウンまたはクラウンとポンティックからなる架工義歯(ブリッジ)または人工歯とこれを支持するレジン床とからなる有床義歯において、
    前記クラウンとポンティック(以下、単に「クラウン」という。)の表面および/または前記レジン床の表面の舌側歯頸部近傍に目視可能な義歯識別標識が付されていることを特徴とする識別情報を有する義歯。
  2. 前記クラウンの表面に付する前記義歯識別標識は、前記陶材製クラウンの表面に塗布するステイン陶材または前記レジン材製のクラウンの表面に塗布する歯科用ステインにより、前記クラウンの表面に直接描出された文字または線図あるいは描画(以下、単に「描画」という。)であることを特徴とする請求項1に記載の識別情報を有する義歯。
  3. 前記レジン床の表面に付する前記義歯識別標識は、描画が刻設された所定の形状を有する板状のレジン片を前記レジン床に直接埋入固定させたことを特徴とする請求項1に記載の識別情報を有する義歯。
  4. 前記クラウンの形態修正後、
    前記陶材製クラウンの表面に塗布するステイン陶材または前記レジン材製クラウンの表面に塗布する歯科用ステインにより、前記クラウンの表面に直接描画を描き、その後、前記陶材製クラウンをグレーズ焼成またはセルフグレーズ焼成をおこない、または、前記レジン材製クラウンの表面に透明レジンを塗布後、重合・研磨をおこなうことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の識別情報を有する義歯の製造方法。
  5. 前記クラウンの形態修正後、
    切削工具で前記クラウンの表面に描画を刻設し、
    前記陶材製クラウンの表面にステイン陶材または前記レジン材製クラウンの表面に歯科用ステインを前記描画の刻設溝に埋入し、その後、前記陶材製クラウンをグレーズ焼成またはセルフグレーズ焼成をおこない、または、前記レジン材製クラウンの表面に透明レジン塗布後、重合・研磨をおこなうことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の識別情報を有する義歯の製造方法。
  6. 人工歯が排列された蝋義歯製作後に、フラスコ埋没し、前記蝋義歯の人工歯排列部の蝋部分を床用レジンに置換して第1のレジン床を形成する一方、前記蝋義歯の基礎床部を床用レジンに置換して第2のレジン床を形成し、描画が刻設された前記レジン片の刻設面を前記第2のレジン床に押し当てて前記第2のレジン床の所望の位置に仮置きし、前記第2のレジン床が形成されたフラスコと前記第1のレジン床が形成されたフラスコとを重ねて前記レジン片を挟み込み、フラスコ加圧をおこなって前記第1のレジン床と前記第2のレジン床を一塊とし重合させてレジン床を形成し、その後、前記レジン床面を研磨して、義歯を装着したときに前記レジン片の刻設面が舌側に現れるようにすることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の識別情報を有する義歯の製造方法。
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