JP2006032248A - 導電性組成物 - Google Patents

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JP2006032248A JP2004212618A JP2004212618A JP2006032248A JP 2006032248 A JP2006032248 A JP 2006032248A JP 2004212618 A JP2004212618 A JP 2004212618A JP 2004212618 A JP2004212618 A JP 2004212618A JP 2006032248 A JP2006032248 A JP 2006032248A
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敏之 甲斐
Satoru Nishiyama
覚 西山
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涛 梁
Hozumi Sato
穂積 佐藤
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Abstract

【課題】低加速電子線リソグラフィー用帯電防止層を形成できる導電性組成物を提供する。
【解決手段】(A)下記一般式(1)で表される化合物および下記一般式(2)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物の加水分解物または縮合物もしくは加水分解・縮合物、ならびに(B)4級窒素原子を含む塩を含有する導電性組成物。
1 aSi(OR24-a (1)
(R1は水素原子、フッ素原子または1価の有機基を示し、R2は1価の有機基を示し、aは0〜2の整数を表す。)
3 b(R4O)3-bSi−(R7d−Si(OR53-c6 c (2)
(R3、R4、R5およびR6は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ1価の有機基を示し、bおよびcは、同一でも異なっていてもよく、0〜2の数を示し、R7は酸素原子または−(CH2n−を示し、dは0または1を示し、nは1〜6の数を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、微細加工の有力候補である電子線リソグラフィーによる微細パターン形成時に好適に用いることができる導電性組成物に関する。
集積回路素子の製造に代表される微細加工の分野においては、集積回路のより高い集積度を得るため、リソグラフィーにおけるデザインルールの微細化が急速に進行しており、微細加工を安定して行うことができるリソグラフィープロセスの開発が強く推し進められている。しかしながら、従来のKrF、ArFエキシマレーザーを用いる方法では、100nm以下の微細パターンを高精度に形成することが困難であるため、電子線、X線を使用する方法が提案されている。一方、半導体用素子等のパターン形成には、リソグラフィー技術、レジスト現像プロセス、ならびにレジスト現像後のパターン転写により、有機材料や無機材料の微細加工が行われている。
電子線リソグラフィーは、微細パターン形成、下層膜からの定在波による影響がない等、光リソグラフィーに対して優位性はあるものの、レジスト膜が一般的に絶縁性であるため、荷電粒子を照射すると容易に帯電し、電子ビームが直進せず、電子線露光時に描画ずれが起き、目的とするパターン寸法や位置ずれの問題を生ずる。
そこで、レジスト膜の帯電防止技術が必要となる。レジスト膜の帯電防止技術として、ポリシランと4級アンモニウム塩とを含む導電性組成物が提案されている(例えば特許文献1参照)。また、水溶性の導電性ポリマーを用いた帯電防止材料も開発されている(例えば特許文献2〜6参照)。
特開2000−191916号公報 特開平6−192440号公報 特開平8−109351号公報 特開平7−168367号公報 特開平9−62008号公報 特開平7−324132号公報
従来の水溶性の導電性ポリマーは、レジスト膜の上に導電層を形成するものであるため、感度を向上させるために電子線の加速電圧を低くすると電子線がレジストの下部まで充分進入せず、矩形なパターンが得られないという問題がある。更に工程数の増加を招く。また、ポリシランと4級アンモニウム塩とを含む導電性組成物は、水溶性でないためレジスト膜の下に導電層を形成し得るものであるが、レジスト膜との接着性が十分でなく目的通りのパターン形成が十分にできないという問題がある。また、導電層形成時に使用される溶剤が限定され、実用上問題がある。
本発明はこのような課題に対応するものであり、低い加速電圧に対応できるように、レジスト膜の下に導電層を形成でき、かつレジスト膜との密着性に優れ、実用的な溶剤を用いることができる導電性組成物を提供することを特徴とする。
本発明は、(A)下記一般式(1)で表される化合物および下記一般式(2)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物の加水分解物または縮合物もしくは加水分解・縮合物、ならびに(B)4級窒素原子を含む塩を含有する導電性組成物を提供するものである。
1 aSi(OR24-a (1)
(R1は水素原子、フッ素原子または1価の有機基を示し、R2は1価の有機基を示し、aは0〜2の整数を表す。)
3 b(R4O)3-bSi−(R7d−Si(OR53-c6 c (2)
(R3、R4、R5およびR6は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ1価の有機基を示し、bおよびcは、同一でも異なっていてもよく、0〜2の数を示し、R7は酸素原子または−(CH2n−を示し、dは0または1を示し、nは1〜6の数を示す。)
本発明において、(A)成分が下記一般式(3)で表される化合物の加水分解物または縮合物もしくは加水分解・縮合物であることが好ましい。
Si(OR24 (3)
(R2は、1価の有機基を示す。)
また、(A)成分が上記一般式(3)で表される化合物および下記一般式(4)で表される化合物からなるシラン化合物の加水分解物または縮合物もしくは加水分解・縮合物であることが好ましい。
1 nSi(OR24-n (4)
(R1およびR2は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ1価の有機基を示し、nは1〜3の整数を示す。)
また、(A)成分(完全加水分解縮合物換算)100重量部に対して、(B)成分を1〜70重量部含有することが好ましい。
本発明の導電性組成物は、レジストとの密着性が良好であり、かつ水溶性が低い。従って、レジストの下に導電性の下層膜として形成することができ、低加速電圧の電子線リソグラフィーに対応し得る導電膜として使用することができる。更に、実用的な溶剤に溶解し得るため、より容易に導電膜を形成することができる。
以下、本発明の実施形態を具体的に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
(A)成分
(A)成分は、下記一般式(1)で表される化合物および下記一般式(2)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物の加水分解物または縮合物もしくは加水分解・縮合物である。
1 aSi(OR24-a (1)
(R1は水素原子、フッ素原子または1価の有機基を示し、R2は1価の有機基を示し、aは0〜2の整数を表す。)
3 b(R4O)3-bSi−(R7d−Si(OR53-c6 c (2)
(R3、R4、R5およびR6は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ1価の有機基を示し、bおよびcは、同一でも異なっていてもよく、0〜2の数を示し、R7は酸素原子または−(CH2n−を示し、dは0または1を示し、nは1〜6の整数を示す。)
一般式(1)において、R1およびR2の好ましい1価の有機基としては、アルキル基、アリール基、アリル基、グリシジル基などを挙げることができる。また、一般式(1)において、R1は1価の有機基、特にアルキル基またはフェニル基であることが好ましい。
ここで、好ましいアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられ、炭素数1〜5であることが好ましく、これらのアルキル基は直鎖状でも、分岐していてもよく、更に水素原子がフッ素原子などに置換されていてもよい。
一般式(1)において、好ましいアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基などを挙げることができる。
一般式(1)で表される化合物(以下化合物(1)という)の具体例としては、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリ−n−プロポキシシラン、トリ−iso−プロポキシシラン、トリ−n−ブトキシシラン、トリ−sec−ブトキシシラン、トリ−tert−ブトキシシラン、トリフェノキシシラン、フルオロトリメトキシシラン、フルオロトリエトキシシラン、フルオロトリ−n−プロポキシシラン、フルオロトリ−iso−プロポキシシラン、フルオロトリ−n−ブトキシシラン、フルオロトリ−sec−ブトキシシラン、フルオロトリ−tert−ブトキシシラン、フルオロトリフェノキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラフェノキシシランなど;
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−iso−プロポキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、メチルトリ−sec−ブトキシシラン、メチルトリ−tert−ブトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ−n−プロポキシシラン、エチルトリ−iso−プロポキシシラン、エチルトリ−n−ブトキシシラン、エチルトリ−sec−ブトキシシラン、エチルトリ−tert−ブトキシシラン、エチルトリフェノキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ−n−プロポキシシラン、ビニルトリ−iso−プロポキシシラン、ビニルトリ−n−ブトキシシラン、ビニルトリ−sec−ブトキシシラン、ビニルトリ−tert−ブトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、n−プロピルトリ−iso−プロポキシシラン、n−プロピルトリ−n−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−sec−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−tert−ブトキシシラン、n−プロピルトリフェノキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、i−プロピルトリ−iso−プロポキシシラン、i−プロピルトリ−n−ブトキシシラン、i−プロピルトリ−sec−ブトキシシラン、i−プロピルトリ−tert−ブトキシシラン、i−プロピルトリフェノキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、n−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、n−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、n−ブチルトリ−sec−ブトキシシラン、n−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、n−ブチルトリフェノキシシラン、sec−ブチルトリメトキシシラン、sec−ブチル−i−トリエトキシシラン、sec−ブチル−トリ−n−プロポキシシラン、sec−ブチル−トリ−iso−プロポキシシラン、sec−ブチル−トリ−n−ブトキシシラン、sec−ブチル−トリ−sec−ブトキシシラン、sec−ブチル−トリ−tert−ブトキシシラン、sec−ブチル−トリフェノキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、t−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、t−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、t−ブチルトリ−sec−ブトキシシラン、t−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、t−ブチルトリフェノキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリ−n−プロポキシシラン、フェニルトリ−iso−プロポキシシラン、フェニルトリ−n−ブトキシシラン、フェニルトリ−sec−ブトキシシラン、フェニルトリ−tert−ブトキシシラン、フェニルトリフェノキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、γ−トリフロロプロピルトリエトキシシランなど;
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジメチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジメチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジメチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジメチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジメチルジフェノキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジエチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジエチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジエチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジエチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジエチルジフェノキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−フェノキシシラン、ジ−iso−プロピルジメトキシシラン、ジ−iso−プロピルジエトキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−フェノキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−フェノキシシラン、ジ−sec−ブチルジメトキシシラン、ジ−sec−ブチルジエトキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−フェノキシシラン、ジ−tert−ブチルジメトキシシラン、ジ−tert−ブチルジエトキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−フェノキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニル−ジ−エトキシシラン、ジフェニル−ジ−n−プロポキシシラン、ジフェニル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジフェニル−ジ−n−ブトキシシラン、ジフェニル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジフェニル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジフェニルジフェノキシシラン、ジビニルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、γ−トリフロロプロピルトリエトキシシランなど;
を挙げることができる。
化合物(1)のうち、好ましくは、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラフェノキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−iso−プロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、トリメチルモノメトキシシラン、トリメチルモノエトキシシラン、トリエチルモノメトキシシラン、トリエチルモノエトキシシラン、トリフェニルモノメトキシシラン、トリフェニルモノエトキシシランなどを挙げることができる。これらは、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
一般式(2)において、R3、R4、R5およびR6の好ましい1価の有機基としては、先の一般式(1)において挙げたものと同様な有機基を挙げることができる。
一般式(2)で表される化合物(以下化合物(2)という)において、R7が酸素原子の化合物としては、ヘキサメトキシジシロキサン、ヘキサエトキシジシロキサン、ヘキサフェノキシジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタメトキシ−3−メチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタエトキシ−3−メチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタメトキシ−3−フェニルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタエトキシ−3−フェニルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメトキシ−1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエトキシ−1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメトキシ−1,3−ジフェニルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエトキシ−1,3−ジフェニルジシロキサン、1,1,3−トリメトキシ−1,3,3−トリメチルジシロキサン、1,1,3−トリエトキシ−1,3,3−トリメチルジシロキサン、1,1,3−トリメトキシ−1,3,3−トリフェニルジシロキサン、1,1,3−トリエトキシ−1,3,3−トリフェニルジシロキサン、1,3−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサンなどを挙げることができる。これらのうち、ヘキサメトキシジシロキサン、ヘキサエトキシジシロキサン、1,1,3,3−テトラメトキシ−1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエトキシ−1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメトキシ−1,3−ジフェニルジシロキサン、1,3−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサンなどを好ましい例として挙げることができる。
化合物(2)においてdが0の化合物としては、ヘキサメトキシジシラン、ヘキサエトキシジシラン、ヘキサフェニキシジシラン、1,1,1,2,2−ペンタメトキシ−2−メチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタエトキシ−2−メチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタメトキシ−2−フェニルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタエトキシ−2−フェニルジシラン、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラエトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジフェニルジシラン、1,1,2,2−テトラエトキシ−1,2−ジフェニルジシラン、1,1,2−トリメトキシ−1,2,2−トリメチルジシラン、1,1,2−トリエトキシ−1,2,2−トリメチルジシラン、1,1,2−トリメトキシ−1,2,2−トリフェニルジシラン、1,1,2−トリエトキシ−1,2,2−トリフェニルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシランなどを挙げることができる。
化合物(2)においてR7が−(CH2n−の化合物としては、ビス(ヘキサメトキシシリル)メタン、ビス(ヘキサエトキシシリル)メタン、ビス(ヘキサフェノキシシリル)メタン、ビス(ジメトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジエトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジメトキシフェニルシリル)メタン、ビス(ジエトキシフェニルシリル)メタン、ビス(メトキシジメチルシリル)メタン、ビス(エトキシジメチルシリル)メタン、ビス(メトキシジフェニルシリル)メタン、ビス(エトキシジフェニルシリル)メタン、ビス(ヘキサメトキシシリル)エタン、ビス(ヘキサエトキシシリル)エタン、ビス(ヘキサフェノキシシリル)エタン、ビス(ジメトキシメチルシリル)エタン、ビス(ジエトキシメチルシリル)エタン、ビス(ジメトキシフェニルシリル)エタン、ビス(ジエトキシフェニルシリル)エタン、ビス(メトキシジメチルシリル)エタン、ビス(エトキシジメチルシリル)エタン、ビス(メトキシジフェニルシリル)エタン、ビス(エトキシジフェニルシリル)エタン、1,3−ビス(ヘキサメトキシシリル)プロパン、1,3−ビス(ヘキサエトキシシリル)プロパン、1,3−ビス(ヘキサフェノキシシリル)プロパン、1,3−ビス(ジメトキシメチルシリル)プロパン、1,3−ビス(ジエトキシメチルシリル)プロパン、1,3−ビス(ジメトキシフェニルシリル)プロパン、1,3−ビス(ジエトキシフェニルシリル)プロパン、1,3−ビス(メトキシジメチルシリル)プロパン、1,3−ビス(エトキシジメチルシリル)プロパン、1,3−ビス(メトキシジフェニルシリル)プロパン、1,3−ビス(エトキシジフェニルシリル)プロパンなどを挙げることができる。これらのうち、ヘキサメトキシジシラン、ヘキサエトキシジシラン、ヘキサフェニキシジシラン、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラエトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジフェニルジシラン、1,1,2,2−テトラエトキシ−1,2−ジフェニルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシラン、ビス(ヘキサメトキシシリル)メタン、ビス(ヘキサエトキシシリル)メタン、ビス(ジメトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジエトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジメトキシフェニルシリル)メタン、ビス(ジエトキシフェニルシリル)メタン、ビス(メトキシジメチルシリル)メタン、ビス(エトキシジメチルシリル)メタン、ビス(メトキシジフェニルシリル)メタン、ビス(エトキシジフェニルシリル)メタンを、好ましい例として挙げることができる。
本発明において、(A)成分は、化合物(1)および化合物(2)、もしくはいずれか一方を用い、これらに対して加水分解および縮合、もしくはいずれか一方を行うことにより得ることができる。なお、化合物(1)および化合物(2)はそれぞれ2種以上用いることもできる。
本発明において、(A)成分が下記[1]または[2]であること、特に[1]である場合がレジストに対する密着性がより良好である点で特に好ましい。
[1]下記一般式(3)で表される化合物に対して、加水分解および縮合、もしくはいずれか一方を行って得られる化合物。
Si(OR24 (3)
(R2は、1価の有機基を示す。)
[2]上記一般式(3)で表される化合物および下記一般式(4)で表される化合物に対して、加水分解および縮合、もしくはいずれか一方を行って得られる化合物。
1 nSi(OR24-n (4)
(R1およびR2は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ1価の有機基を示し、nは1〜3の整数を示す。)
式(3)および(4)において、R1およびR2の好ましい1価の有機基の具体例としては、式(1)において挙げたものと同様のものを挙げることができる。また、(A)成分が上記(2)の場合、一般式(3)で表される化合物(完全加水分解縮合物換算)は一般式(4)で表される化合物(完全加水分解縮合物換算)100重量部に対して0.5〜30重量部であることが好ましい。
(A)成分は、化合物(1)および化合物(2)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を加水分解および部分縮合させて得ることが好ましい。このような化合物を加水分解、部分縮合させる際に、R2O−、R4O−またはR5O−で表される基1モル当たり、0.25〜3モルの水を用いることが好ましく、0.3〜2.5モルの水を加えることが特に好ましい。添加する水の量が0.3〜2.5モルの範囲内の値であれば、塗膜の均一性が低下する恐れが少なく、また、レジスト下層膜用組成物の保存安定性が低下する恐れが少ないためである。
具体的には例えば化合物(1)および/または(2)を溶解させた有機溶剤中に水を断続的あるいは連続的に添加する。この際触媒は有機溶剤中に予め添加しておいてもよいし、水添加時に水中に溶解あるいは分散させておいてもよい。この際の反応温度としては、通常0〜100℃、好ましくは15〜80℃である。これらの処理を施した溶液に(B)成分を添加することにより、本発明の導電性組成物が得られる。
また、化合物(1)および/または(2)を2種以上使用する場合には、(a)2種以上の化合物(1)および/または(2)を混合後に加水分解、縮合してもよいし、(b)2種以上の化合物(1)および/または(2)をそれぞれ別個に加水分解、縮合した後混合して使用してもよいが、特に(b)が好ましい。
また、化合物(1)および/または(2)を加水分解、部分縮合させる際には、触媒を使用してもよい。この際に使用する触媒としては、金属キレート化合物、有機酸、無機酸、有機塩基、無機塩基を挙げることができる。
金属キレート化合物としては、例えばトリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−i−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−t−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−t−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−i−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−t−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、テトラキス(アセチルアセトナート)チタン、トリエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−i−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−t−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−t−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、モノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−i−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−t−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、テトラキス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテート)チタン、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)チタン、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)チタン、等のチタンキレート化合物;
トリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−i−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−t−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−t−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−i−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−sec−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−t−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−i−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−t−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−t−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−i−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−sec−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−t−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、等のジルコニウムキレート化合物;
トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム等のアルミニウムキレート化合物;
などを挙げることができる。
有機酸としては、例えば酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、メチルマロン酸、アジピン酸、セバシン酸、没食子酸、酪酸、メリット酸、アラキドン酸、ミキミ酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、スルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸等を挙げることができる。
無機酸としては、例えば塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸等を挙げることができる。
有機塩基としては、例えばピリジン、ピロール、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピコリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジアザビシクロオクラン、ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロウンデセン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等を挙げることができる。
無機塩基としては、例えばアンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等を挙げることができる。
これら触媒のうち、金属キレート化合物、有機酸、無機酸が好ましく、より好ましくはチタンキレート化合物、有機酸を挙げることができる。これらは1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
上記触媒の使用量は(A)成分(完全加水分解縮合物換算)のそれぞれ100重量部に対して、通常、0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜10重量部の範囲である。
(B)4級窒素原子を含む塩
4級窒素原子を含む塩としては、4級窒素原子をカチオン部として含む塩であれば特に構造的限定はない。カチオン部の好ましい具体例としては、4級アンモニウムカチオン、置換または非置換のイミダゾリウムカチオン、置換または非置換のピリジニウムカチオン、置換または非置換のピロリジニウムカチオンなどが挙げられる。またアニオン部の好ましい具体例としてはBF4 -、CF3SO3 -、PF6 -、(CF3SO22-、CH2C(OH)COO-、(CF3SO23-、Br-、Cl-、I-等が挙げられる。この中でも常温溶融塩(常温で液状の塩)が特に好ましい。
4級アンモニウム塩、置換または非置換のイミダゾリウム塩、置換または非置換のピリジニウム塩および置換または非置換のピロリジニウム塩の好ましい具体的な構造としては、各々下記一般式(5)、(6)、(7)および(8)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2006032248
(各R8、各R9、各R10、各R11は、各々相互に独立に水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のハロアルキル基、または、置換もしくは非置換の炭素数6〜20のアリール基を表し、X-は陰イオンを表す。)
式(5)、(6)、(7)および(8)における好ましいX-としてはBF4 -、CF3SO3 -、PF6 -、(CF3SO22-、CH2C(OH)COO-、(CF3SO23-、Br-、Cl-、I-等が挙げられる。
4級窒素原子を含む塩としては、融点が20℃以下である様な柔軟構造であることが好ましい。また、本発明の導電性組成物から膜を形成する際の温度を考慮すると、熱分解温度が200℃以上の塩であることが好ましく、250℃以上であることが更に好ましい。また、電子線リソグラフィーのプロセスを考慮すると、通常用いられる帯電防止剤と比較して、超真空下で容易に蒸発しないものが好ましく、電気伝導度が高いものが好ましい。また、パターン形成能の観点から、(A)成分との親和性に優れるものが好ましい。
上述のような点を踏まえて、更に好ましい具体的としては、カチオンが置換または非置換のイミダゾリウム、アニオンがBF4 -、CF3SO3 -、(CF3SO22-、CH2C(OH)COO-である塩を挙げることができる。本発明における4級窒素原子を含む塩は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明において、導電性組成物における4級窒素原子を含む塩の含有量は、(A)成分(完全加水分解縮合物換算)100重量部に対して1〜70重量部であることが好ましく、3〜50重量部であることが更に好ましく、5〜30重量部であることが特に好ましい。1重量部より少ない場合は十分な導電性が得られない場合があり、70重量部より多い場合は、製膜性、パターン転写が悪化するおそれおよび上層レジストのパターン形状が悪化するおそれがある。
上述してきたような(A)成分と(B)成分とを含有する導電性組成物は、レジストとの密着性が良好であり、かつ水溶性が低いためレジストの下に形成する導電性膜として好適に用いることができる。更に、本発明の導電性組成物を用いた以下に例示するような工程によりシリコン酸化膜などの基板の微細加工が可能になる。
例えば、シリコン酸化膜上にシリコン酸化膜加工用下層膜を形成し、この下層膜の上に下層膜加工用マスクを本発明の導電性組成物から形成した後、この下層膜加工用マスクの上にレジスト膜を形成する。そして、電子線によりレジスト膜にパターンを形成する。このレジストパターンをマスクとして下層膜加工用マスクにパターンを形成し、下層膜加工用マスクをマスクとして下層膜にパターンを形成し、最後に下層膜をマスクとしてシリコン酸化膜をエッチングする。
このような工程により、レジストの膜厚を薄く、例えば150nm以下、更には100nm以下にすることができ、パターンの微細化および低加速電圧の電子線による加工が容易となる。本発明の導電性組成物は、裾引きなどの少ないパターンを形成することができ、レジストとの密着性に優れ、酸化膜加工用下層膜を加工する際の十分なマスク性を有している。従って、本発明の導電性組成物は、上述の工程に好適に用いることができ、このような工程により、非常に微細な加工が可能となる。
本発明の導電性組成物はパターンの裾引きが少ないが、更にパターンの裾形状等の改善を目的に、電子線照射により酸を発生する化合物(以下「酸発生剤」と記す)を添加してもよい。この実施形態で用いられる「酸発生剤」は、電子線照射にて酸を発生するものが好ましい。また、導電性下層製膜時の温度を考慮すると熱分解温度が200℃以上のものが好ましく、250℃以上のものが更に好ましい。具体的にはスルホニウム塩、ヨードニウム塩等を挙げることができる。
本発明で用いられる好ましい酸発生剤としては、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロn−ブタンスルホネート、ビス(4―t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4―t−ブチルフェニル)ヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、ビス(4―t−ブチルフェニル)ヨードニウムナフタレンスルホネート、ビス(4―t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4―t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロn−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムナフタレンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロn−ブタンスルホネート、(ヒドロキシフェニル)ベンゼンメチルスルホニウムトルエンスルホネート、シクロヘキシルメチル(2―オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジシクロヘキシル(2―オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、
ジメチル(2―オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート、(4―ヒドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウムトルエンスルホネート、1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、1―ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4―シアノ−1―ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4―ニトロ−1―ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4―メチル−1―ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4―シアノ−1―ナフチル−ジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4―ニトロ−1―ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メチル−1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4―エトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4―メトキシメトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4―エトキシメトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(1−メトキシエトキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(2−メトキシエトキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−エトキシカルブニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−n−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、
4−i−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−n−ブトキカルビニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−t−ブトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(2−テトラヒドロフラニルオキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ベンジルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(ナフチルアセトメチル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート等のオニウム塩系光酸発生剤を挙げることができる。これらは1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
本発明の導電性組成物は、(A)成分および(B)成分を液体に溶解または分散させることが好ましい。好ましい液体としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、ヘプタノール−3、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチルヘプタノール−4、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルメチルカルビノール、ジアセトンアルコール、クレゾール等のモノアルコール系溶媒;
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンタンジオール−2,4、2−メチルペンタンジオール−2,4、ヘキサンジオール−2,5、ヘプタンジオール−2,4、2−エチルヘキサンジオール−1,3、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール系溶媒;
アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−i−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、フェンチョン等のケトン系溶媒;
エチルエーテル、i−プロピルエーテル、n−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;
ジエチルカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル等のエステル系溶媒等を挙げることができる。これらは1種あるいは2種以上を混合して使用することができる。
これらの中でも、沸点が100℃以上の液体が取り扱いの容易性などの実用上の観点から好ましい。また、化合物(1)および/または(2)を、加水分解および/または部分縮合する際に同様な液体を使用することができる。
また、本発明の導電性組成物を液体中に溶解または分散させた液状組成物とする場合には、液状組成物中のアルコールの含量が、20重量%以下、特に5重量%以下であることが好ましい。アルコールは、上記化合物(1)および/または(2)の加水分解および縮合の際に生じる場合があり、その含量が20重量%以下、好ましくは5重量%以下になるように蒸留等により除去することが好ましい。
その他
上述の液状組成物には、更にコロイド状シリカ、コロイド状アルミナ、有機ポリマー、界面活性剤などの成分を添加してもよい。
コロイド状シリカとは、例えば高純度の無水ケイ酸を親水性有機溶媒に分散した分散液であり、通常、平均粒径が5〜30μm、好ましくは10〜20μm、固形分濃度が10〜40重量%程度のものである。具体的な好ましいコロイド状シリカとしては、例えば日産化学工業(株)製、メタノールシリカゾルおよびイソプロパノールシリカゾル;触媒化成工業(株)製、オスカルなどが挙げられる。
好ましいコロイド状アルミナとしては、日産化学工業(株)製のアルミナゾル520、同100、同200;川研ファインケミカル(株)製のアルミナクリアーゾル、アルミナゾル10、同132などが挙げられる。
好ましい有機ポリマーとしては、例えばポリアルキレンオキサイド構造を有する化合物、糖鎖構造を有する化合物、ビニルアミド系重合体、(メタ)アクリレート系重合体、芳香族ビニル系重合体、デンドリマー、ポリイミド,ポリアミック酸、ポリアリーレン、ポリアミド、ポリキノキサリン、ポリオキサジアゾール、フッ素系重合体等を挙げることができる。
好ましい界面活性剤としては、例えばノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられ、さらには、シリコーン系界面活性剤、ポリアルキレンオキシド系界面活性剤、含フッ素界面活性剤等を挙げることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を更に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
合成例1(A−1)
テトラメトキシシラン88.0gとメチルトリメトキシシラン17.7gをプロピレングリコールモノプロピルエーテル253gに溶解させた後、スリーワンモーターで撹拌し、溶液温度を60℃に安定させた。次にマレイン酸1.7gを溶解させたイオン交換水72.8gを1時間かけて溶液に添加した。その後、60℃で4時間反応させた後、反応液を室温まで冷却した。この反応液を50℃にて減圧乾燥しメタノール、水、プロピレングリコールモノプロピルエーテルの一部を除去した後、固形分濃度が20wt%のプロピレングリコールモノプロピルエーテル溶液(A−1)を得た。
合成例2(レジスト)
p−アセトキシスチレン100g、アクリル酸2−メチル−2−アダマンチル40.6g、アゾビスイソブチロニトリル6.5g、t−ドデシルメルカプタン1.7g、プロピレングリコールモノメチルエーテル141gをセパラブルフラスコに投入し、室温で撹拌して均一溶液とした。窒素雰囲気下、反応温度を80℃まで昇温して撹拌下10時間重合した。重合終了後、反応液を多量のメタノールで再沈させて精製し、得られた重合体130gをプロピレングリコールモノメチルエーテル800gに溶解させ、これを減圧濃縮した。
次いで、重合体溶液約300g、トリエチルアミン60g、イオン交換水10g、メタノール300gをセパラブルフラスコに仕込み、撹拌、還流下、加水分解反応を行った。その後、加水分解溶液を減圧濃縮し、多量のイオン交換水で再沈させて精製し、50℃にて真空乾燥することにより、p−ヒドロキシスチレン/アクリル酸2−メチル−2−アダマンチル(モル比で77/23)共重合体(Mw;9500、Mw/Mn;1.52)102gを得た。
次に、上記で得られたp−ヒドロキシスチレン/アクリル酸2−メチル−2−アダマンチル(モル比で77/23)共重合体20g、トリフェニルスルホニウムトリフロオロメタンスルホネート2.0g、ターピリジン0.10g、乳酸エチル180g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート80gを均一溶液とし、レジスト溶液を調製した。
実施例および比較例中の各測定および評価は、下記の方法により実施した。
表面抵抗
各種導電性組成物をガラス基板上にスピンコート法により塗布し、200℃−60秒、300℃−60秒で乾燥を行い、導電性膜を形成した。また、比較の帯電防止膜アクアSAVE−57ZSについては100℃−90秒で乾燥を行い、各帯電防止膜の膜厚を光学式膜厚計で測定したところ約50nmであった。次に図1に示す3端子法にて印加電圧10Vで表面抵抗率(Ω/□)を測定した。
パターンニング評価
シリコンウエハー上に各種導電性組成物をスピンコート法により塗布し、200℃−60秒、300℃−60秒で乾燥を行い、導電性膜を形成した。得られた導電性膜の膜厚を光学式膜厚計で測定したところ約50nmであった。次に、合成例2で得られたレジストをスピンコート法により塗布し、約150℃−90秒にて乾燥後得られた約150nmのレジスト被膜に電子線を照射し、直ちに130℃−90秒にてポスト・エクスポージャー・ベーク(PEB)を行った。次に、アルカリ現像、水洗、乾燥を行い、レジストパターンを形成した。
感度
上記レジストパターンを形成した時、線幅150nmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を線幅(凸部の幅):線間隔(凹部の幅)=1:1に形成する照射量を最適露光量とし、この最適照射量により感度を評価した。
解像度
上記最適露光量で照射した時に解像されるライン・アンド・スペースパターン(1L1S)の最小寸法(nm)を解像度とした。
酸素アッシング耐性
レジスト下層膜をバレル型酸素プラズマ灰化装置(ヤマト科学製PR−501A)を用いて、200Wで15秒間O2処理し前後で膜厚の変化が3nm以下の場合、「良好」と判断した。
各実施例および比較例に用いた材料を以下に示す。
(A)シロキサン系化合物
(A−1):合成例1
(B)4級窒素原子を含む塩
(B−1)1,3−エチルメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(EMI−BF4)
(B−2)1,3−エチルメチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート(EMI−Tf)
(B−3)1,3−エチルメチルイミダゾリウム ビス(トリフロオロメタンスルフォニル)アミド(EMI−TfSI)
レジスト:合成例2
帯電防止膜:アクアSAVE−57ZS(三菱レーヨン製、下記式(9)に示す化学構造)
Figure 2006032248
実施例1〜5および比較例1〜2
導電性組成物の配合を表1に示す(但し、表1において、部は重量部とする)。各成分を混合して均一溶液とした後、孔径0.5μmのメンブランフィルターでろ過し異物を除去して、導電性組成物溶液を調製した。また、レジストパターンニング評価においては、導電性組成物、レジストを所定の条件で製膜後、簡易型の電子線描画装置(日立社製、型式「HL800D」、加速電圧;50KeV、電流密度;5アンペア)を用いてレジスト被膜に電子線を照射した。照射後、所定の条件でPEBを行い、次いで、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38重量%水溶液を用い、23℃で60秒間現像を行った。その後、水で30秒間洗浄し、乾燥してレジストパターンを形成した。導電性組成物の各種評価結果を表2に示す。
Figure 2006032248
Figure 2006032248
実施例1〜5では低い表面抵抗が得られ、A−1およびB−1を含有する導電性組成物から形成された膜が帯電防止効果を示すことがわかった。また、これらの膜は良好な感度および解像度を示すとともに良好な酸素アッシング耐性を示し、マスクとしての機能を併せ持つことが示された。一方、比較例1において、4級窒素原子を含む塩を含有しない組成物から形成された膜は、表面抵抗が高く、十分な帯電防止効果を示さないことがわかった。また、比較例2において、従来の帯電防止剤を用いた膜は水洗工程で膜が洗い流されてしまい、膜の上部のパターンが消失してしまった。
本発明の導電性組成物は、表面抵抗の改良が見られ、導電性組成物上の化学増幅型レジストパターン形成が可能であり、マスクとしての特性も併せ持つため、電子線、得に低加速電子線用帯電防止膜として極めて有用である。特に、本発明の導電性組成物を下層膜加工用マスクとして用いる工程において、極めて有用である。
表面抵抗の測定法を示す模式的な断面図である。

Claims (4)

  1. (A)下記一般式(1)で表される化合物および下記一般式(2)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物の加水分解物または縮合物もしくは加水分解・縮合物、ならびに
    (B)4級窒素原子を含む塩
    を含有する導電性組成物。
    1 aSi(OR24-a (1)
    (R1は水素原子、フッ素原子または1価の有機基を示し、R2は1価の有機基を示し、aは0〜2の整数を表す。)
    3 b(R4O)3-bSi−(R7d−Si(OR53-c6 c (2)
    (R3、R4、R5およびR6は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ1価の有機基を示し、bおよびcは、同一でも異なっていてもよく、0〜2の数を示し、R7は酸素原子または−(CH2n−を示し、dは0または1を示し、nは1〜6の数を示す。)
  2. (A)成分が下記一般式(3)で表される化合物の加水分解物または縮合物もしくは加水分解・縮合物である請求項1記載の導電性組成物。
    Si(OR24 (3)
    (R2は、1価の有機基を示す。)
  3. (A)成分が下記一般式(3)で表される化合物および下記一般式(4)で表される化合物からなるシラン化合物の加水分解物または縮合物もしくは加水分解・縮合物である請求項1記載の導電性組成物。
    Si(OR24 (3)
    (R2は、1価の有機基を示す。)
    1 nSi(OR24-n (4)
    (R1およびR2は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ1価の有機基を示し、nは1〜3の整数を示す。)
  4. (A)成分(完全加水分解縮合物換算)100重量部に対して、(B)成分を1〜70重量部含む請求項1〜3の何れか1項記載の導電性組成物。
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