JP2006028436A - ポリビニルアセタール多孔質体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
ケン化度が60モル%以上のポリビニルアルコール系樹脂(A)と、ケン化度が60モル%未満で、ケン化度x(モル%)と30重量%水溶液の曇点y(℃)が下記(1)式を満足する部分ケン化ビニルエステル系樹脂(B)の混合物をアセタール化してなる。
lny>0.042x+1.0・・・(1)
Description
また、ポリビニルアセタール多孔質体は湿潤時には膨潤し、乾燥すると収縮する特性をもつが、その差が大きいと変形やそれにともなう薄肉部分の破断、支持体に接着して使用される場合には接着部分の剥離などが起きる可能性が大きく、その課題に対しても上記特許文献に記載のポリビニルアセタール多孔質体では不充分であることが判明した。
すなわち、湿潤状態で保管した際にその乾燥速度が小さく、長期間湿潤状態を保つことで再使用時に即座に使用でき、さらには乾燥による収縮率が小さいポリビニルアセタール多孔質体が求められるところである。
lny>0.042x+1.0・・・(1)
lny>0.042x+1.0・・・(1)
また、ケン化度として好ましい範囲は20モル%以上60モル%未満、更に好ましくは30モル%以上60モル%未満であり、ケン化度x(モル%)と30重量%水溶液の曇点y(℃)が下記(1’)式を満足することが好ましい。
lny>0.042x+1.7・・・(1’)
ケン化度が60モル%以上であると、得られるポリビニルアセタール多孔質体の水分保持力が不十分となったり、乾燥収縮率が大きくなるため不適である。
n+m<5では得られたポリビニルアセタール多孔質体の水分保持力が不充分となり、n+m>50では湿潤時の変形回復性が乏しくなるため好ましくない。
以下(II)の方法について具体的に説明するが、これに限定されるものではない。
X1、X2がいずれも酸素原子の場合、上記(2)式で示される官能基は(3)式で示されるオキシアルキレン基となる。
[(メタ)アクリル酸エステル型]
下記の(4)式で示されるもので、具体的にはポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
下記の(5)式で示されるもので、具体的にはポリオキシエチレン(メタ)アクリル酸アミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリル酸アミド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル等が挙げられる。
下記の(6)式で示されるもので、具体的にはポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテル等が挙げられる。
下記の(7)式で示されるもので、具体的にはポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル等が挙げられる。
これらのオキシアルキレン基を含有する単量体の中でも(6)式で示される(メタ)アリルアルコール型のものが好適に使用される。
ビニルエステル成分は、それを更にケン化してビニルアルコール成分に変えられ、このときのケン化度は60モル%以下であることが必要で、好ましくは20〜60モル%、特に好ましくは30〜60モル%である。
ケン化触媒としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート等のアルカリ金属の水酸化物やアルコラートの如きアルカリ触媒を用いることが必要である。かかる触媒の使用量はモノマー単位のビニルエステル1モルに対して1〜100ミリモル当量、好ましくは1〜50ミリモル、更に好ましくは1〜30ミルモルである。
また、硫酸、塩酸等の酸触媒を用いてケン化を行うことも可能である。
アルデヒド化合物の種類や量を変えることで多孔質体の湿潤時の弾性、強度などを変えることが可能である。その使用量は、アルデヒド化合物の種類によって異なるが、ホルムアルデヒドの場合は、好ましくはPVA系樹脂(A)と部分ケン化ビニルエステル系樹脂(B)の総量100重量部に対して10〜100重量部、更には20〜90重量部、特には30〜80重量部であることが好ましく、かかるホルムアルデヒドの量が10重量部未満ではアセタール化反応に長時間を要したり、得られたポリビニルアセタール多孔質体の湿潤時の強度が不足する場合があり、逆に100重量部を超えると未反応のホルムアルデヒドが多量に残存する場合があるため好ましくない。
なお、例中「部」、「%」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
ケン化度98.1モル%、平均重合度1750のPVA系樹脂(A)81部と、部分ケン化ビニルエステル系樹脂(B)として、ポリオキシエチレンモノアリルエーテル(n=15)ユニット2モル%、酢酸ビニルユニット53モル%、ビニルアルコールユニット45モル%からなり4%水溶液粘度が3mPa・sの部分ケン化ビニルエステル系樹脂(B)9部を含む水溶液750部を調整し、この水溶液に馬鈴薯でんぷん45部を含む水分散液300部を加え、60℃で30分間攪拌混合して均一な水分散液とした。該分散液に30%硫酸300部と30%ホルムアルデヒド水溶液150部とを加えて均一に混合した後、ガラス型に流し込み、60℃の恒温水槽に浸漬し18時間後、反応生成物を取り出し、水洗してでんぷんおよび未反応物を除去し、ポリビニルアセタール多孔質体を得た。なお、該部分ケン化ビニルエステル系樹脂(B)のケン化度xは45モル%で、30重量%水溶液の曇点yは45℃であり、これらを本文中の(1)式に代入すると、ln45=3.81>0.042×45+1.0=2.89となり、かかる(1)式を満足するものであった。また、得られたポリビニルアセタール多孔質体を用いて、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
ポリビニルアセタール多孔質体を直径43mm、厚さ5mmの円盤状に裁断し、測定用の試料とする。試料を真空乾燥器中、40℃で12時間乾燥させて、絶乾重量a(g)を求める。この試料に絶乾重量の2〜3倍の水を吸収させ、その重量b(g)を測定した後、高温・低湿度条件として40℃、30%RHに調整した恒温恒湿器中に静置、12時間後に取り出し、その重量c(g)を測定する。水分保持率を下式より求める。
水分保持率(%)={(c−a)/(b−a)}×100
同様の試料を用い、絶乾時の直径d(mm)および湿潤時の直径e(mm)を求め、下式より乾燥収縮率を求める。
乾燥収縮率(%)={(e−d)/e}×100
実施例1において部分ケン化ビニルエステル系樹脂(B)としてポリオキシエチレンモノアリルエーテル(n=15)ユニット2モル%、酢酸ビニルユニット53モル%、ビニルアルコールユニット45モル%からなり4%水溶液粘度が1mPa・sの部分ケン化ビニルエステル系樹脂(B)を用い、同様にポリビニルアセタール多孔質体を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。なお、かかる部分ケン化ビニルエステル系樹脂(B)のケン化度xは45モル%で、30重量%水溶液の曇点yは43℃であり、これらを本文中の(1)式に代入すると、ln43=3.76>0.042×45+1.0=2.89となり、かかる(1)式を満足するものであった。
実施例1において部分ケン化ビニルエステル系樹脂(B)としてポリオキシエチレンモノアリルエーテル(n=15)ユニット2モル%、酢酸ビニルユニット53モル%、ビニルアルコールユニット45モル%からなり4%水溶液粘度が5mPa・sの部分ケン化ビニルエステル系樹脂(B)を用い、同様にポリビニルアセタール多孔質体を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。なお、かかる部分ケン化ビニルエステル系樹脂(B)のケン化度xは45モル%で、30重量%水溶液の曇点yは47℃であり、これらを本文中の(1)式に代入すると、ln47=3.85>0.042×45+1.0=2.89となり、かかる(1)式を満足するものであった。また、
実施例1において部分ケン化ビニルエステル系樹脂(B)としてポリオキシエチレンモノアリルエーテル(n=15)ユニット2モル%、酢酸ビニルユニット43モル%、ビニルアルコールユニット55モル%からなり4%水溶液粘度が3mPa・sの部分ケン化ビニルエステル系樹脂(B)を用い、同様にポリビニルアセタール多孔質体を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。なお、かかる部分ケン化ビニルエステル系樹脂(B)のケン化度xは55モル%で、30重量%水溶液の曇点yは65℃であり、これらを本文中の(1)式に代入すると、ln65=4.17>0.042×55+1.0=3.31となり、かかる(1)式を満足するものであった。
実施例1において部分ケン化ビニルエステル系樹脂(B)としてポリオキシエチレンモノアリルエーテル(n=8)ユニット3モル%、酢酸ビニルユニット52モル%、ビニルアルコールユニット45モル%からなり4%水溶液粘度が5mPa・sの部分ケン化ビニルエステル系樹脂(B)を用い、同様にポリビニルアセタール多孔質体を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。なお、かかる部分ケン化ビニルエステル系樹脂(B)のケン化度xは45モル%で、30重量%水溶液の曇点yは47℃であり、これらを本文中の(1)式に代入すると、ln47=3.85>0.042×45+1.0=2.89となり、かかる(1)式を満足するものであった。
実施例1において部分ケン化ビニルエステル系樹脂(B)としてポリオキシエチレンアクリル酸アミド(n=30)ユニット2モル%、酢酸ビニルユニット53モル%、ビニルアルコールユニット45モル%からなり4%水溶液粘度が3mPa・sの部分ケン化ビニルエステル系樹脂(B)を用い、同様にポリビニルアセタール多孔質体を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。なお、かかる部分ケン化ビニルエステル系樹脂(B)のケン化度xは45モル%で、30重量%水溶液の曇点yは49℃であり、これらを本文中の(1)式に代入すると、ln49=3.89>0.042×45+1.0=2.89となり、かかる(1)式を満足するものであった。
実施例1において部分ケン化ビニルエステル系樹脂(B)としてポリオキシエチレンビニルエーテル(n=50)ユニット1モル%、酢酸ビニルユニット49モル%、ビニルアルコールユニット50モル%からなり4%水溶液粘度が3mPa・sの部分ケン化ビニルエステル系樹脂(B)を用い、同様にポリビニルアセタール多孔質体を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。なお、かかる部分ケン化ビニルエステル系樹脂(B)のケン化度xは50モル%で、30重量%水溶液の曇点yは52℃であり、これらを本文中の(1)式に代入すると、ln52=3.95>0.042×50+1.0=3.10となり、かかる(1)式を満足するものであった。
実施例1において部分ケン化ビニルエステル系樹脂(B)としてポリオキシエチレンモノアリルエーテル(n=15)ユニット2モル%、マレイン酸モノメチルユニット0.6モル%、酢酸ビニルユニット52.4モル%、ビニルアルコールユニット45モル%からなり4%水溶液粘度が3mPa・sの部分ケン化ビニルエステル系樹脂(B)を用い、同様にポリビニルアセタール多孔質体を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。なお、かかる部分ケン化ビニルエステル系樹脂(B)のケン化度xは45モル%で、30重量%水溶液の曇点yは47℃であり、これらを本文中の(1)式に代入すると、ln47=3.85>0.042×45+1.0=2.89となり、かかる(1)式を満足するものであった。
実施例1においてPVA(A)としてケン化度96.0モル%、平均重合度1700のPVAを用いた以外は同様にポリビニルアセタール多孔質体を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1においてPVA(A)としてケン化度88.2モル%、平均重合度1400のPVAを用いた以外は同様にポリビニルアセタール多孔質体を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、PVA(A)を89.1部、部分ケン化ビニルエステル系樹脂(B−1)を0.9部とした以外は同様にポリビニルアセタール多孔質体を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、PVA(A)を63部、部分ケン化ビニルエステル系樹脂(B)を27部とした以外は同様にポリビニルアセタール多孔質体を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1においてPVA(A)を90部とし、部分ケン化ビニルエステル系樹脂(B)を用いなかった以外は同様にポリビニルアセタール多孔質体を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において部分ケン化ビニルエステル系樹脂(B)としてポリオキシエチレンモノアリルエーテル(n=15)ユニット2モル%、酢酸ビニルユニット33モル%、ビニルアルコールユニット65モル%からなり4%水溶液粘度が3mPa・sの部分ケン化ビニルエステル系樹脂(B)を用い、同様にポリビニルアセタール多孔質体を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。なお、かかる部分ケン化ビニルエステル系樹脂(B)のケン化度xは65モル%で、30重量%水溶液の曇点yは85℃であり、これらを本文中の(1)式に代入すると、ln85=4.44>0.042×65+1.0=3.73となり、かかる(1)式を満足するものであった。
Claims (7)
- ケン化度が60モル%以上のポリビニルアルコール系樹脂(A)と、ケン化度が60モル%未満の部分ケン化ビニルエステル系樹脂(B)の混合物をアセタール化して得られることを特徴とするポリビニルアセタール多孔質体。
- ケン化度が60モル%未満の部分ケン化ビニルエステル系樹脂(B)が、ケン化度x(モル%)と30重量%水溶液の曇点y(℃)が下記(1)式を満足する部分ケン化ビニルエステル系樹脂(B)であることを特徴とする請求項1記載のポリビニルアセタール多孔質体。
lny>0.042x+1.0・・・(1) - ポリビニルアルコール系樹脂(A)、部分ケン化ビニルエステル系樹脂(B)、および気孔形成材を含有する反応液をアセタール化した後、気孔形成材を除去して得られることを特徴とする請求項1または2記載のポリビニルアセタール多孔質体。
- 部分ケン化ビニルエステル系樹脂(B)中に上記(2)式で示される官能基を0.5〜5.0モル%含有することを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のポリビニルアセタール多孔質体。
- 部分ケン化ビニルエステル系樹脂(B)にイオン性基を含有することを特徴とする請求項1〜5いずれか記載のポリビニルアセタール多孔質体。
- ポリビニルアルコール系樹脂(A)と部分ケン化ビニルエステル系樹脂(B)の混合割合(A/B)が99.9/0.1〜50/50(重量比)であることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載のポリビニルアセタール多孔質体。
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