JP2006022839A - 複合変速機 - Google Patents

複合変速機 Download PDF

Info

Publication number
JP2006022839A
JP2006022839A JP2004199034A JP2004199034A JP2006022839A JP 2006022839 A JP2006022839 A JP 2006022839A JP 2004199034 A JP2004199034 A JP 2004199034A JP 2004199034 A JP2004199034 A JP 2004199034A JP 2006022839 A JP2006022839 A JP 2006022839A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transmission
continuously variable
gear
stepped
parallel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004199034A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuichi Shibukawa
祐一 渋川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2004199034A priority Critical patent/JP2006022839A/ja
Publication of JP2006022839A publication Critical patent/JP2006022839A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Friction Gearing (AREA)
  • Transmission Devices (AREA)

Abstract

【課題】有段変速機および無段変速機を組み合わせた複合変速機を、有段変速機の変速時の動力の断接が伝動系に影響することのない構成にし、滑らかな伝動を実現する。
【解決手段】無段変速機3および直列有段変速機4より成る直列伝動列はクラッチCmainによりエンジン2に結合可能とし、並列有段変速機5より成る並列伝動列はクラッチCsubを介してエンジン2に結合可能とする。Cmainを締結し、変速機4をロー側変速段にした状態で変速機3を無段変速させる低速伝動から、変速機4をハイ側変速段に切り替えて高速伝動にモード切り替えする場合、変速機3のアップシフトで総合変速比が変速機5の設定ギヤ比と同じになった時に、Cmainを解放すると同時にCsubを締結して、変速機5を含む並列伝動列に切り替える。そして、変速機4をロー側変速段からハイ側変速段へ切り替えると共に、これに伴う直列伝動列のギヤ比変化が起きないよう変速機3を無段変速させ、かかる変速機4の変速段切り替えが完了した時にCsubを解放すると共にCmainを締結して直列伝動列を用いた伝動に戻す。
【選択図】図1

Description

本発明は、無段変速機と有段変速機とを組み合わせて構成した複合変速機に関するものである。
トロイダル型無段変速機やVベルト式無段変速機に代表される無段変速機は、変速比幅がハードウェア上の制約により或る範囲内に制限される。
トロイダル型無段変速機の場合、同軸に対向配置された入出力ディスクと、これら入出力ディスク間にトラクション伝動を行い得るよう挟圧したパワーローラとにより構成し、このパワーローラを自己の回転軸線と直交する首振り軸線周りに傾転させて入出力ディスクに対するパワーローラの接触点を変位させることにより無段変速を行うものであることから、パワーローラが入出力ディスクとの接触を維持可能な範囲にパワーローラ傾転角を制約され、これにより決まるパワーローラの傾転可能角度範囲に変速比幅が制限される。
Vベルト式無段変速機の場合、V溝を有したプライマリプーリおよびセカンダリプーリ間にベルトを巻き掛けして伝動を行うもので、これらプーリに対するVベルトの巻き掛け位置の変更により無段変速を行うものであることから、スペース上の制約により大きくできないプーリの直径によって変速比幅が制限される。
そこで従来、例えば特許文献1に記載のように、無段変速機に直列的に有段変速機を設けたり、特許文献2に記載のように、無段変速機に並列的に有段変速機を設けることが提案されている。
特公平05−043899号公報 特開昭63−163062号公報
しかし従来の複合変速機にあっては、有段変速機を設けることで変速比幅を拡大することができても、この有段変速機を変速段切り替えする時における動力伝達の断続が、現在使用中の伝動系に影響を及ぼすものであるため、
無段変速機を用いた伝動系であるにもかかわらず、その特長であるトルク段差のない滑らかな伝動を妨げられ、複合変速機の商品価値が低下するという問題を生じる。
本発明は、有段変速機を変速段切り替えする時における動力伝達の断続が、現在使用中の伝動系に影響を及ぼすことがないような変速制御が可能な複合変速機を提案し、
もって、無段変速機と有段変速機との組み合わせになる複合変速機であっても、有段変速機の変速段切り替え時を含めてトルク段差のない滑らかな伝動を常時行い得るようにし、複合変速機の商品価値を高めることを目的とする。
この目的のため、本発明による複合変速機は、請求項1に記載したごとく、
有段変速機として、無段変速機に対し直列的に結合した直列有段変速機と、これら無段変速機および直列有段変速機に対し並列的に結合した並列有段変速機とを設ける。
そして、直列有段変速機および無段変速機より成る直列伝動列と、並列有段変速機より成る並列伝動列とを個々に、直列側メインクラッチと、並列側サブクラッチとにより、原動機に切り離し可能に結合する。
また、直列有段変速機に設定された隣接変速段のうち一方の変速段のギヤ比および他方の変速段のギヤ比と、無段変速機の変速比幅とでそれぞれ構成される無段変速比領域が相互に一部重合するよう、これら直列有段変速機および無段変速機を構成する。
更に、上記のごとく重合した無段変速比領域内における任意の特定変速比と同じギヤ比の変速段を有するよう並列有段変速機を構成する。
かかる構成になる本発明複合変速機によれば、メインクラッチを締結した状態で、直列伝動列を用いた伝動中に直列有段変速機の変速段切り替えを行う場合、これら直列有段変速機の変速段と無段変速機の変速比とで構成される総合変速比が前記特定変速比となった時にメインクラッチを解放すると共にサブクラッチを締結して並列伝動列を用いた伝動に切り替え、この並列伝動列を用いた伝動中に直列有段変速機の変速段切り替えを行うと共に、この切り替えに伴う直列伝動列のギヤ比変化を無段変速機の変速制御で補償して直列伝動列のギヤ比を上記特定変速比に維持し、直列有段変速機の変速段切り替えの完了時にサブクラッチを解放すると共にメインクラッチを締結して並列伝動列を用いた伝動から直列伝動列を用いた伝動に戻す変速制御により、
直列有段変速機を変速段切り替えする時における動力伝達の断続が、現在使用中の伝動列(並列伝動列)に影響を及ぼすことがなくなり、直列有段変速機の変速段切り替え時を含めてトルク段差のない滑らかな伝動を常時行うことができ、複合変速機の商品価値を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例になる複合変速機1のシステム図で、その前段に原動機としてのエンジン2を配置する。
ここで複合変速機1は、エンジン2から遠い側より変速後の出力回転を図示せざる車輪に向かわせる車両用の変速機とし、以下の構成とする。
つまり複合変速機1は、無段変速機3と2個の有段変速機4,5とにより構成するが、一方の有段変速機は無段変速機3に対し直列的に結合した直列有段変速機とし、他方の有段変速機5は、無段変速機3および直列有段変速機4に対し並列的に結合した並列有段変速機とする。
なお図面では、直列有段変速機4を無段変速機3の前段に設けたが、逆に無段変速機3の後段に設けてもよい。
前者のように直列有段変速機4が無段変速機3の前段に位置する場合、直列有段変速機4を径方向スペースに比較的余裕のある複合変速機の前端に配置することから、設計が容易であり、
後者のように直列有段変速機4が無段変速機3の後段に位置する場合、エンジン2からのトルクが直列有段変速機4により増大されないでそのまま無段変速機3に入力されることから、無段変速機3の強度上有利である。
そして、無段変速機3および直列有段変速機4より成る直列伝動列は、直列側メインクラッチCmainを介してエンジン2に切り離し可能に結合し、
並列有段変速機5より成る並列伝動列は、並列側サブクラッチCsubを介してエンジン2に切り離し可能に結合する。
直列有段変速機4は、少なくとも2個の変速段を設定され、これら変速段を選択的に切り替え使用可能な変速機とするが、相互に隣り合うよう設定された隣接変速段のギヤ比を、無段変速機3の変速比幅との関連において以下のごとくに定める。
つまり、直列有段変速機4に設定された上記隣接変速段のうちロー側変速段のギヤ比と、無段変速機3の変速比幅とで構成される直列伝動列のロー側無段変速比領域が、例えば図2に示す車速VSPおよびエンジン回転数Neの二次元座標上においてαのごときものとなるようロー側変速段のギヤ比を定め、
直列有段変速機4に設定された上記隣接変速段のうちハイ側変速段のギヤ比と、無段変速機3の変速比幅とで構成される直列伝動列のハイ側無段変速比領域が、例えば図2においてβで示すごときものとなるようハイ側変速段のギヤ比を定め、
ロー側無段変速比領域αとハイ側無段変速比領域βとが相互に、例えば図2にハッチングを付した領域において一部重合するよう無段変速機3および直列有段変速機4を構成する。
他方で並列有段変速機5は、図2にハッチングを付して例示した上記重合する無段変速比領域内における任意の特定変速比γと同じギヤ比の変速段を有するよう構成する。
なお図2では、直列有段変速機4が2個の変速段を有する場合について示したが、直列有段変速機4が3個以上の変速段を有する場合は、それ以外の相互に隣り合う隣接変速段のギヤ比についても上記したと同様の考え方に基づき、無段変速機3の変速比幅との関連においてこれらギヤ比を決定することは言うまでもない。
またこの場合、隣接変速段組の増大数だけ並列有段変速機5の変速段数が1個から、2個、3個と増大することも勿論である。
そして、増大させる並列有段変速機5の変速段についても、個々のギヤ比を上記したと同様の考え方に基づき決定すること勿論である。
図1に示す本実施例に成る複合変速機1の作用を次に説明する。
メインクラッチCmainを締結し、直列有段変速機4をロー側変速段に投入した状態で無段変速機3を無段変速させる場合(直列伝動列を用いた低速伝動中)、エンジン2の回転は図3(a)に太線で示すようにメインクラッチCmain、直列有段変速機4および無段変速機3を順次経て車輪に至る。
このとき直列有段変速機4のロー側変速段(ロー側ギヤ比)と無段変速機3の変速比とで構成される総合変速比iは、無段変速機3の変速比(icvt)変化につれて図4にX1で示すごとくに変化する。
同じくメインクラッチCmainを締結するも、直列有段変速機4をハイ側変速段に投入した状態で無段変速機3を無段変速させる場合(直列伝動列を用いた高速伝動中)、エンジン2の回転は、図3(a)の場合と同様、図3(c)に太線で示すようにメインクラッチCmain、直列有段変速機4および無段変速機3を順次経て車輪に至るが、
このとき直列有段変速機4のハイ側変速段(ハイ側ギヤ比)と無段変速機3の変速比とで構成される総合変速比iは、無段変速機3の変速比(icvt)変化につれて図4にX2で示すごとくに変化する。
上記のような直列伝動列を用いた低速伝動モードと、高速伝動モードとの間でのモード切り替えは、以下のごとくにこれを行う。
先ず、図3(a)に示すように、直列伝動列を用いた低速伝動中(直列有段変速機4がロー側変速段)であって無段変速機3がロー側変速比からハイ側変速比に向け変速した結果、直列有段変速機4をロー側変速段からハイ側変速段へ変速段切り替えする必要がある場合について説明する。
この場合、無段変速機3が上記のようにロー側変速比からハイ側変速比に向け変速することで、総合変速比iが図4の変速特性線X1上を矢印A1方向にハイ側へと変化し、並列有段変速機5の設定ギヤ比γ(図2および図4参照)と同じ変速比になった時に、図3(b)に示すごとくメインクラッチCmainを解放すると同時にサブクラッチCsubを締結して、エンジン2の回転がサブクラッチCsubおよび並列有段変速機5を順次経て車輪に至るようにし、直列伝動列を用いた伝動から並列伝動列を用いた伝動へと切り替える。
かかる並列伝動列を用いた伝動中(エンジン回転伝動系はギヤ比γに固定される)に、メインクラッチCmainの解放でエンジン2から切り離された直列有段変速機4を図3(b)に示すごとくロー側変速段からハイ側変速段へ切り替えると共に、この切り替えに伴う直列伝動列のギヤ比変化を補償して直列伝動列のギヤ比を並列有段変速機5の設定ギヤ比γに維持するよう無段変速機3を図3(b)に示すごとくハイ側変速比からロー側変速比へと変速させる。
そして、当該無段変速機3の変速制御と共に行う上記直列有段変速機4の変速段切り替えが完了した時にサブクラッチCsubを解放すると共にメインクラッチCmainを締結して、並列伝動列を用いた伝動から図3(c)に示すような直列伝動列を用いた伝動に戻し切り替えする。
かかる伝動列の戻し切り替えにより、またそれに先立ち、図3(b)につき上述した通り直列有段変速機4をロー側変速段からハイ側変速段へ切り替えると共に、これによっても直列伝動列の総合変速比iが並列有段変速機5の設定ギヤ比γと同じに保たれるよう無段変速機3を変速制御することにより、
直列伝動列の総合変速比iを図4に矢A2で示すように、並列有段変速機5の設定ギヤ比γと同じに保ったまま、変速点を同図の変速特性線X1上から変速特性線X2上の対応する点へと移行させることができる。
図3(c)に示すような直列伝動列を用いた伝動への復帰後は、同図に示すように直列有段変速機4を切り替え後のハイ側変速段に保って無段変速機3を更にハイ側変速比へと変速させることにより、直列伝動列を用いた更なる高速伝動を行うことができ、
この間、直列伝動列の総合変速比iは図4に矢A3で示すように、無段変速機3のハイ側変速比への変速に伴い、同図の変速特性線X2上を更にハイ側へと変化して上記の更なる高速伝動を可能ならしめる。
ところで本実施例の複合変速機によれば、上記したような直列伝動列および並列伝動列間での伝動列切り替え制御と、無段変速機3の変速制御および直列有段変速機4の変速段切り替え制御とにより、
直列有段変速機4を変速段切り替えする時における動力伝達の断続が、使用中の伝動列(並列有段変速機5より成る並列伝動列)に影響を及ぼすことがなく、クラッチCmainおよびCsubの掛け替え時に直列伝動列のギヤ比が並列伝動列のギヤ比γと同じにされていることとも相まって、直列有段変速機4の変速段切り替え時を含めトルク段差のない滑らかな伝動を常時行うことができ、複合変速機の商品価値を高めることができる。
なお図3および図4では、総合変速比iがロー側からハイ側へ変化する場合のモード切り替えについて説明したが、総合変速比iが逆にハイ側からロー側へ変化する場合のモード切り替え時も、図4の矢A1,A2,A3の順とは逆方向の変速が生ずるような直列伝動列および並列伝動列間での伝動列切り替え制御と、無段変速機3の変速制御および直列有段変速機4の変速段切り替え制御とを行うことにより、同様な作用効果を達成することができる。
図5(a)は、本発明の他の実施例に成る複合変速機1の具体的な構成例を示し、 本実施例では、複合変速機1を成す無段変速機3、直列有段変速機4、および並列有段変速機5のうち、
無段変速機3をトロイダル型無段変速機10で構成し、
直列有段変速機4をシングルピニオン遊星歯車組11で構成し、
並列有段変速機5を軸12で構成する。
トロイダル型無段変速機10は、2個のトロイダル伝動ユニット(フロント側トロイダル伝動ユニット13およびリヤ側トロイダル伝動ユニット14)を同軸に配置して具えた、所謂ダブルキャビティー式トロイダル型無段変速機とする。
これらトロイダル伝動ユニット13,14はそれぞれ、入力ディスク15,16と、これに同軸に対向配置した出力ディスク17,18と、相互に対向する入出力ディスク15,17間および16,18間にそれぞれ介在させたパワーローラ19,20とを具えた同様な構成とする。
パワーローラ19,20は、対応する入出力ディスク15,17間および16,18間で油膜の剪断(トラクション伝動)により動力伝達を行うようこれら入出力ディスク間に挟圧し、該入出力ディスクの回転軸線を挟んでその両側に対向配置する。
図5(a)に示すようにフロント側トロイダル伝動ユニット13およびリヤ側トロイダル伝動ユニット14は、出力ディスク17,18が背中合わせになるよう同軸に配置し、この配置に当たっては、中空の主軸21上に両トロイダル伝動ユニット13,14の入出力ディスク15〜15を支持する。
入力ディスク15,16はそれぞれ、ボールスプライン22により主軸21に回転係合させるも、軸線方向にスライド可能とし、入力ディスク16は主軸21に対して抜け止めする。
また出力ディスク17,18は中空出力軸23を介して相互に一体結合し、この中空出力軸23を主軸21上に回転自在に支持する。
なお中空の主軸21内には、並列有段変速機5を構成する前記した軸12を回転自在に挿通する。
パワーローラ19,20は、自己の回転軸線Oに直交する首振り軸線Oの周りに傾転可能とし、かかる傾転によりパワーローラ19,20が対応する入出力ディスクとの接触位置を変更されることで、入出力ディスク間での伝動比(トロイダル型無段変速機10の変速比)を無段階に変化させ得るものとする。
これにより変速された後の回転を出力ディスク17,18から取り出すために、相互に背中合わせに配置した出力ディスク17,18間に配して出力ギヤ24を設け、これを中空出力軸23の外周に一体結合する。
そして、出力ギヤ24にカウンターギヤ25を噛合させ、このカウンターギヤ25をカウンターシャフト26に結着する。
カウンターギヤ25から遠いカウンターシャフト26の端部に設けた歯車27と、並列有段変速機5を成す前記の軸12に結合した歯車28と、これら歯車27,28に噛合するアイドラギヤ29とより成る歯車組により、カウンターシャフト26および軸12間を結合し、出力ギヤ24からカウンターギヤ25を経てカウンターシャフト26に達したトロイダル型無段変速機10の変速後の出力回転を軸12より取り出すようにする。
従って軸12は、前記したごとく並列有段変速機5として機能するだけでなく、トロイダル型無段変速機10の変速後の出力回転を取り出す出力軸、つまり、複合変速機1の出力軸としても機能する。
図5(a)の左側から伝達されてくるエンジン2の回転は、主軸21に同軸に突き合わせた中空の入力軸30、およびローディングカム31を介して、両トロイダル伝動ユニット13,14の入力ディスク15,16へ伝達されるが、
入力軸30と、エンジン2との間には、エンジン回転を方向変換可能な前後進切り替え機構32、および、直列有段変速機4を成すシングルピニオン遊星歯車組11を介在させる。
前後進切り替え機構32は、トロイダル型無段変速機10の前段に用いられる周知のもので、入力回転要素をメインクラッチCmainによりエンジン2に切り離し可能に結合する。
またシングルピニオン遊星歯車組11は、サンギヤ11sと、リングギヤ11rと、これらに噛合するピニオン11pと、ピニオン11pを回転自在に支持するキャリア11cとを具え、サンギヤ11sを前後進切り替え機構32の出力回転要素に結合する。
シングルピニオン遊星歯車組11のキャリア11cを入力軸30に結合し、リングギヤ11rをハイクラッチH/Cにより入力軸30に切り離し可能に結合すると共にローブレーキL/Bにより適宜固定可能とする。
かかるシングルピニオン遊星歯車組11は、前後進切り替え機構32がエンジン回転を方向転換することなくサンギヤ11sに入力する前進回転伝達中において、ローブレーキL/BまたはハイクラッチH/Cを締結することにより、サンギヤ11sへの前進回転を減速下に入力軸30へ向かわせるロー側変速段、または、サンギヤ11sへの前進回転をそのまま入力軸30へ向かわせるハイ側変速段を選択した状態となる。
ところで、前記したように並列有段変速機5を軸12により構成したことから、並列有段変速機5の設定ギヤ比(図2および図4にγで示すギヤ比)は1:1である。
このため、直列有段変速機4を成すシングルピニオン遊星歯車組11の上記ロー側変速段およびハイ側変速段でのギヤ比は、トロイダル型無段変速機10の変速比幅との関連において、シングルピニオン遊星歯車組11のロー側変速段ギヤ比およびハイ側変速段ギヤ比と、トロイダル型無段変速機10の変速比幅とでそれぞれ構成される無段変速比領域(図2にα,βで示すもの)が相互に、1:1の変速比を含んで一部重合するようなギヤ比に決定する。
なお、前記した通りトロイダル型無段変速機10の中心部に回転自在に挿通した軸12(並列有段変速機5)は更に、中空入力軸30の中心孔、シングルピニオン遊星歯車組11の中心部、および前後進切り替え機構32の中心部内を経てエンジン2に至るよう延在させ、この軸12(並列有段変速機5)をサブクラッチCsubにより切り離し可能にエンジン2に結合する。
上記の構成とした本実施例に成る複合変速機1の作用を次に説明する。
この複合変速機1は、メインクラッチCmain、サブクラッチCsub、ローブレーキL/B、ハイクラッチH/Cを、図5(b)に示す組み合わせで締結(ONで示した)、解放(OFFで示した)制御することにより、ローモードでの伝動、ハイモードでの伝動、および、これらモード間でのモード切り替えを以下のように行うことができる。
なおモード切り替えについては、ローモードからハイモードへの切り替えも、逆のハイモードからローモードへの切り替えも同様のものであるから、前者のモード切り替えについて説明するのみとする。
先ずローモードでの伝動を説明するに、この場合、メインクラッチCmainを締結し、シングルピニオン遊星歯車組11をローブレーキL/Bの締結によりロー側変速段が選択されている状態にし、この状態でトロイダル型無段変速機10を無段変速させる。
かかる直列伝動列を用いた低速伝動中は(ローモードでは)、メインクラッチCmainおよび前後進切り替え機構32(後進回転出力中はモード選択を行わないため、明細書全般を通じて前進回転出力中であるものとする)を経てシングルピニオン遊星歯車組11のサンギヤ11sに入力されたエンジン2の回転が、サンギヤ11sの歯数とリングギヤ11rの歯数との比で決まるギヤ比により減速されてトロイダル型無段変速機10の入力軸30に至る。
入力軸30への減速回転は、ローディングカム31を経て入力ディスク15,16に伝達され、入力ディスク15,16への回転はパワーローラ19,20を経て出力ディスク17,18に至り、その後、歯車24,25およびカウンターシャフト26、並びに歯車組27〜29を順次経て軸12から取り出される。
この間トロイダル型無段変速機10は、パワーローラ19,20の前記した傾転により決まる変速比で入力軸30への回転を変速して出力回転速度を決定する。
このときシングルピニオン遊星歯車組11のロー側変速段(ロー側ギヤ比)とトロイダル型無段変速機10の変速比とで構成される総合変速比iは、トロイダル型無段変速機10の変速比(icvt)変化につれて図4にX1で示すごとくに変化する。
次にハイモードでの伝動を説明するに、この場合、図5(b)に示すように、同じくメインクラッチCmainを締結するも、ハイクラッチH/Cの締結によりシングルピニオン遊星歯車組11をハイ側変速段(直結変速段)が選択された状態とし、この状態でトロイダル型無段変速機10を無段変速させる。
かかる直列伝動列を用いた高速伝動中は(ハイモードでは)、メインクラッチCmainおよび前後進切り替え機構32を経てシングルピニオン遊星歯車組11のサンギヤ11sに入力されたエンジン2の回転がそのままトロイダル型無段変速機10の入力軸30に至る。
入力軸30への直結回転は、ローディングカム31を経て入力ディスク15,16に伝達され、入力ディスク15,16への回転はパワーローラ19,20を経て出力ディスク17,18に至り、その後、歯車24,25およびカウンターシャフト26、並びに歯車組27〜29を順次経て軸12から取り出される。
この間トロイダル型無段変速機10は、パワーローラ19,20の前記した傾転により決まる変速比で入力軸30への回転を変速して出力回転速度を決定する。
このときシングルピニオン遊星歯車組11のハイ側変速段(直結ギヤ比)とトロイダル型無段変速機10の変速比とで構成される総合変速比iは、トロイダル型無段変速機10の変速比(icvt)変化につれて図4にX2で示すごとくに変化する。
上記のような直列伝動列を用いた低速伝動(ロー)モードから高速伝動(ハイ)モードへのモード切り替えは、以下のごとくにこれを行う。
つまり、トロイダル型無段変速機10がロー側変速比からハイ側変速比に向け変速することで、総合変速比iが図4の変速特性線X1上を矢印A1方向にハイ側へと変化し、並列有段変速機5を成す軸12の設定ギヤ比1:1(これを図4で、便宜上γにより示す)と同じ変速比になった時に、図5(b)に示すごとくメインクラッチCmainを解放すると同時にサブクラッチCsubを締結して、エンジン2の回転がサブクラッチCsubおよび並列有段変速機5を成す軸12を経てそのまま出力されるようにし、直列伝動列を用いた伝動から並列伝動列を用いた伝動へと切り替える。
かかる並列伝動列を用いた伝動中(エンジン回転伝動系はギヤ比γ=1:1に固定される)に、メインクラッチCmainの解放でエンジン2から切り離されたシングルピニオン遊星歯車組11を、図5(b)に示すごときローブレーキL/Bの解放およびハイクラッチH/Cの締結によりロー側変速段からハイ側(直結)変速段へ切り替えると共に、この変速段切り替えに伴う直列伝動列のギヤ比変化を補償して直列伝動列のギヤ比を並列有段変速機5を成す軸12の設定ギヤ比γ(1:1)と同じギヤ比に維持するようトロイダル型無段変速機10をハイ側変速比からロー側変速比へと変速させる。
そして、当該トロイダル型無段変速機10の変速制御と共に行う上記シングルピニオン遊星歯車組11の変速段切り替えが完了した時にサブクラッチCsubを解放すると共にメインクラッチCmainを締結して、並列伝動列を用いた伝動から直列伝動列を用いた伝動に戻し切り替えする。
かかる伝動列の戻し切り替えにより、またそれに先立ち、上述した通りシングルピニオン遊星歯車組11をロー側変速段からハイ側(直結)変速段へ切り替えると共に、これによっても直列伝動列の総合変速比iが並列有段変速機5を成す軸12の設定ギヤ比γ(1:1)と同じに保たれるようトロイダル型無段変速機10を変速制御することにより、
直列伝動列の総合変速比iを図4に矢A2で示すように、並列有段変速機5を成す軸12の設定ギヤ比γ(1:1)と同じに保ったまま、変速点を同図の変速特性線X1上から変速特性線X2上の対応する点へと移行させることができる。
上記したような直列伝動列を用いた伝動への復帰後は、シングルピニオン遊星歯車組11を切り替え後のハイ側(直結)変速段に保ってトロイダル型無段変速機10を更にハイ側変速比へと変速させることにより、直列伝動列を用いた更なる高速伝動を行うことができ、
この間、直列伝動列の総合変速比iは図4に矢A3で示すように、トロイダル型無段変速機10のハイ側変速比への変速に伴い、同図の変速特性線X2上を更にハイ側へと変化して上記の更なる高速伝動を可能ならしめる。
ところで本実施例の複合変速機によっても、上記したような直列伝動列および並列伝動列間での伝動列切り替え制御と、トロイダル型無段変速機10の変速制御およびシングルピニオン遊星歯車組11の変速段切り替え制御とにより、
シングルピニオン遊星歯車組11を変速段切り替えする時における動力伝達の断続が、使用中の伝動列(並列有段変速機5を成す軸12で構成された並列伝動列)に影響を及ぼすことがなく、クラッチCmainおよびCsubの掛け替え時に直列伝動列のギヤ比が並列伝動列のギヤ比γ(1:1)と同じにされていることとも相まって、シングルピニオン遊星歯車組11の変速段切り替え時を含めトルク段差のない滑らかな伝動を常時行うことができ、複合変速機の商品価値を高めることができる。
そして本実施例によれば更に、直列有段変速機4を成すシングルピニオン遊星歯車組11のロー側変速段およびハイ側変速段でのギヤ比を、これらロー側変速段ギヤ比およびハイ側変速段ギヤ比と、トロイダル型無段変速機10の変速比幅とでそれぞれ構成される無段変速比領域(図2にα,βで示すもの)が相互に、1:1の変速比を含んで一部重合するよう決定したから、
並列有段変速機5の設定ギヤ比(図4にγで示すギヤ比)を1:1にすることができて、並列有段変速機5を軸12で構成し得ることとなり、
この軸12を図5(a)に示すように、トロイダル型無段変速機10の中心部およびシングルピニオン遊星歯車組11の中心部に回転自在に挿置して、サブクラッチCsubによりエンジン2に結合可能な構成を採用することができ、並列有段変速機5を追加するといえども、並列有段変速機5の大幅な小型化により複合変速機1の大型化をほとんど生ずることがない。
また本実施例においては、直列有段変速機4を遊星歯車組11で構成し、これをエンジン2およびトロイダル型無段変速機10間に同軸配置したから、
エンジン2およびトロイダル型無段変速機10間の径方向スペースに比較的余裕があって直列有段変速機4(遊星歯車組11)の配置、従って複合変速機の設計が容易である。
図6(a)は、本発明の更に他の実施例に成る複合変速機1の具体的な構成例を示し、本実施例では、図5(a)におけると同様にシングルピニオン遊星歯車組11を設けるが、これにより直列有段変速機4を構成するのみならず、前後進切り替え機構32をも構成する。
これがため、シングルピニオン遊星歯車組11のサンギヤ11sを入力回転要素としてメインクラッチCmainによりエンジン2に結合可能とし、
シングルピニオン遊星歯車組11のキャリア11cを、高低速前進時の出力回転要素としてフォワードクラッチF/Cによりトロイダル型無段変速機10の入力ディスク15,16に結合可能にするほか、後進時の反力要素としてリバースブレーキR/Bにより固定可能とし、
シングルピニオン遊星歯車組11のリングギヤ11rを、高速前進時の出力回転要素および後進時の出力回転要素としてハイ&リバースクラッチHR/Cによりトロイダル型無段変速機10の入力ディスク15,16に結合可能にすると共に、低速前進時の反力要素としてローブレーキL/Bにより固定可能とする。
上記した部分以外は、図5(a)におけると全く同様の構成であるため、重複説明を避ける。
上記の構成とした本実施例に成る複合変速機1の作用を次に説明する。
この複合変速機1は、メインクラッチCmain、サブクラッチCsub、ローブレーキL/B、ハイ&リバースクラッチHR/C、フォワードクラッチF/C、リバースブレーキR/Bを、図6(b)に示す組み合わせで締結(ONで示した)、解放(OFFで示した)制御することにより、ローモードでの伝動、ハイモードでの伝動、これらモード間でのモード切り替え、および、後進時の伝動を以下のように行うことができる。
先ずローモードでの伝動を説明するに、この場合、メインクラッチCmainを締結し、シングルピニオン遊星歯車組11をローブレーキL/BおよびフォワードクラッチF/Cの締結により前進用ロー側変速段が選択されている状態にし、この状態でトロイダル型無段変速機10を無段変速させる。
かかる直列伝動列を用いた低速伝動中は(ローモードでは)、メインクラッチCmainを経てシングルピニオン遊星歯車組11のサンギヤ11sに入力されたエンジン2の回転が、サンギヤ11sの歯数とリングギヤ11rの歯数との比で決まるギヤ比により減速されてフォワードクラッチF/Cを通りトロイダル型無段変速機10の入力軸30に至る。
入力軸30への減速回転は、ローディングカム31を経て入力ディスク15,16に伝達され、入力ディスク15,16への回転はパワーローラ19,20を経て出力ディスク17,18に至り、その後、歯車24,25およびカウンターシャフト26、並びに歯車組27〜29を順次経て軸12から取り出される。
この間トロイダル型無段変速機10は、パワーローラ19,20の前記した傾転により決まる変速比で入力軸30への回転を変速して出力回転速度を決定する。
このときシングルピニオン遊星歯車組11の前進用ロー側変速段(ロー側ギヤ比)とトロイダル型無段変速機10の変速比とで構成される総合変速比iは、トロイダル型無段変速機10の変速比(icvt)変化につれて図4にX1で示すごとくに変化する。
次にハイモードでの伝動を説明するに、この場合、図6(b)に示すように、同じくメインクラッチCmainおよびフォワードクラッチF/Cを締結するも、ローブレーキL/Bの解放と引き替えに行われるハイ&リバースクラッチHR/Cの締結によりシングルピニオン遊星歯車組11を前進用ハイ側変速段(直結変速段)が選択された状態とし、この状態でトロイダル型無段変速機10を無段変速させる。
かかる直列伝動列を用いた高速伝動中は(ハイモードでは)、メインクラッチCmainを経てシングルピニオン遊星歯車組11のサンギヤ11sに入力されたエンジン2の回転が、フォワードクラッチF/Cおよびハイ&リバースクラッチHR/Cを経てそのままトロイダル型無段変速機10の入力軸30に至る。
入力軸30への直結回転は、ローディングカム31を経て入力ディスク15,16に伝達され、入力ディスク15,16への回転はパワーローラ19,20を経て出力ディスク17,18に至り、その後、歯車24,25およびカウンターシャフト26、並びに歯車組27〜29を順次経て軸12から取り出される。
この間トロイダル型無段変速機10は、パワーローラ19,20の前記した傾転により決まる変速比で入力軸30への回転を変速して出力回転速度を決定する。
このときシングルピニオン遊星歯車組11の前進用ハイ側変速段(直結ギヤ比)とトロイダル型無段変速機10の変速比とで構成される総合変速比iは、トロイダル型無段変速機10の変速比(icvt)変化につれて図4にX2で示すごとくに変化する。
上記のような直列伝動列を用いた低速伝動(ロー)モードから高速伝動(ハイ)モードへのモード切り替えは、以下のごとくにこれを行う。
つまり、トロイダル型無段変速機10がロー側変速比からハイ側変速比に向け変速することで、総合変速比iが図4の変速特性線X1上を矢印A1方向にハイ側へと変化し、並列有段変速機5を成す軸12の設定ギヤ比1:1(これを図4で、便宜上γにより示す)と同じ変速比になった時に、図6(b)に示すごとくメインクラッチCmainを解放すると同時にサブクラッチCsubを締結して、エンジン2の回転がサブクラッチCsubおよび並列有段変速機5を成す軸12を経てそのまま出力されるようにし、直列伝動列を用いた伝動から並列伝動列を用いた伝動へと切り替える。
かかる並列伝動列を用いた伝動中(エンジン回転伝動系はギヤ比γ=1:1に固定される)に、メインクラッチCmainの解放でエンジン2から切り離されたシングルピニオン遊星歯車組11を、図6(b)に示すごときローブレーキL/Bの解放およびハイ&リバースクラッチHR/Cの締結により前進用ロー側変速段から前進用ハイ側(直結)変速段へ切り替えると共に、この変速段切り替えに伴う直列伝動列のギヤ比変化を補償して直列伝動列のギヤ比を並列有段変速機5を成す軸12の設定ギヤ比γ(1:1)と同じギヤ比に維持するようトロイダル型無段変速機10をハイ側変速比からロー側変速比へと変速させる。
そして、当該トロイダル型無段変速機10の変速制御と共に行う上記シングルピニオン遊星歯車組11の変速段切り替えが完了した時にサブクラッチCsubを解放すると共にメインクラッチCmainを締結して、並列伝動列を用いた伝動から直列伝動列を用いた伝動に戻し切り替えする。
かかる伝動列の戻し切り替えにより、またそれに先立ち、上述した通りシングルピニオン遊星歯車組11を前進用ロー側変速段から前進用ハイ側(直結)変速段へ切り替えると共に、これによっても直列伝動列の総合変速比iが並列有段変速機5を成す軸12の設定ギヤ比γ(1:1)と同じに保たれるようトロイダル型無段変速機10を変速制御することにより、
直列伝動列の総合変速比iを図4に矢A2で示すように、並列有段変速機5を成す軸12の設定ギヤ比γ(1:1)と同じに保ったまま、変速点を同図の変速特性線X1上から変速特性線X2上の対応する点へと移行させることができる。
上記したような直列伝動列を用いた伝動への復帰後は、シングルピニオン遊星歯車組11を切り替え後の前進用ハイ側(直結)変速段に保ってトロイダル型無段変速機10を更にハイ側変速比へと変速させることにより、直列伝動列を用いた更なる高速伝動を行うことができ、
この間、直列伝動列の総合変速比iは図4に矢A3で示すように、トロイダル型無段変速機10のハイ側変速比への変速に伴い、同図の変速特性線X2上を更にハイ側へと変化して上記の更なる高速伝動を可能ならしめる。
ところで本実施例の複合変速機によっても、上記したような直列伝動列および並列伝動列間での伝動列切り替え制御と、トロイダル型無段変速機10の変速制御およびシングルピニオン遊星歯車組11の変速段切り替え制御とにより、
シングルピニオン遊星歯車組11を変速段切り替えする時における動力伝達の断続が、使用中の伝動列(並列有段変速機5を成す軸12で構成された並列伝動列)に影響を及ぼすことがなく、クラッチCmainおよびCsubの掛け替え時に直列伝動列のギヤ比が並列伝動列のギヤ比γ(1:1)と同じにされていることとも相まって、シングルピニオン遊星歯車組11の変速段切り替え時を含めトルク段差のない滑らかな伝動を常時行うことができ、複合変速機の商品価値を高めることができる。
本実施例によれば更に、図5につき前述した実施例と同様に、並列有段変速機5を軸12で構成したから、この軸12を図6(a)に示すように、トロイダル型無段変速機10の中心部およびシングルピニオン遊星歯車組11の中心部に回転自在に挿置して、サブクラッチCsubによりエンジン2に結合可能な構成を採用することができ、並列有段変速機5を追加するといえども、並列有段変速機5の大幅な小型化により複合変速機1の大型化をほとんど生ずることがない。
次に後進モードでの伝動を説明するに、この場合図6(b)に示すように、メインクラッチCmainを締結し、シングルピニオン遊星歯車組11をリバースブレーキR/Bおよびハイ&リバースクラッチHR/Cの締結により後進変速段が選択されている状態にし、この状態でトロイダル型無段変速機10を後進用の変速比となす。
かかる直列伝動列を用いた後進伝動中は(後進モードでは)、メインクラッチCmainを経てシングルピニオン遊星歯車組11のサンギヤ11sに入力されたエンジン2の回転が、固定状態のキャリア11cを反力受けとしてピニオン11pにより逆転された後にリングギヤ11rに達し、この時回転数が、サンギヤ11sの歯数とリングギヤ11rの歯数との比で決まるギヤ比により減速され、この減速された逆方向回転はハイ&リバースクラッチHR/Cを経てトロイダル型無段変速機10の入力軸30に至る。
よって、トロイダル型無段変速機10からは逆回転が出力されることとなり、この逆回転は歯車24,25およびカウンターシャフト26、並びに歯車組27〜29を順次経て軸12から取り出される。
ところで本実施例においては、シングルピニオン遊星歯車組11と、ローブレーキL/Bと、ハイ&リバースクラッチHR/Cと、フォワードクラッチF/Cと、リバースブレーキR/Bとで、直列有段変速機4の機能と、前後進切り替え機構32の機能との双方を持たせる構成したから、
1個のシングルピニオン遊星歯車組11で直列有段変速機4を構成するのみならず、前後進切り替え機構32をも構成することができ、複合変速機のコンパクト化を実現することができる。
図7は、本発明の別の実施例に成る複合変速機1の具体的な構成例を示し、 本実施例では、図5(a)に示すように直列有段変速機4をシングルピニオン遊星歯車組11で構成してエンジン2およびトロイダル型無段変速機10間に配置する代わりに、直列有段変速機4を平行軸式2段変速歯車組33で構成して、これをトロイダル型無段変速機10の後段に配置したものである。
これがため、トロイダル型無段変速機10の入力軸30を直接、前後進切り替え機構32の出力回転要素に結合し、平行軸式2段変速歯車組33を以下の構成にする。
平行軸式2段変速歯車組33は、カウンターシャフト26の後端上に回転自在に配した小径入力歯車34および大径入力歯車35を具え、更に、並列有段変速機5を成す軸12の後端上に結着した大径出力歯車36および小径出力歯車37を具える。
そして、小径入力歯車34および大径出力歯車36に噛合するアイドラギヤ38を設けると共に、大径入力歯車35および小径出力歯車37に噛合するアイドラギヤ39を設け、
小径入力歯車34と、大径出力歯車36と、アイドラギヤ38とで、ロー側変速段を成す歯車組を構成し、大径入力歯車35と、小径出力歯車37と、アイドラギヤ39とで、ハイ側変速段を成す歯車組を構成する。
カウンターシャフト26上には更に、小径入力歯車34および大径入力歯車35間に配して、これら歯車を選択的にカウンターシャフト26に駆動結合する同期噛合機構40を設ける。
この同期噛合機構40は、カウンターシャフト26と共に回転しているカップリングスリーブ41を具え、これを右行させて小径入力歯車34に係合させる時、小径入力歯車34と、大径出力歯車36と、アイドラギヤ38とよりなるロー側変速段を成す歯車組がトロイダル型無段変速機10の出力回転を軸12へ伝達し、カップリングスリーブ41を左行させて大径入力歯車35に係合させる時、大径入力歯車35と、小径出力歯車37と、アイドラギヤ39とよりなるハイ側変速段を成す歯車組がトロイダル型無段変速機10の出力回転を軸12へ伝達する。
かようにしてロー側変速段選択状態またはハイ側変速段選択状態となる平行軸式2段変速歯車組33(直列有段変速機4)の選択変速段に応じたギヤ比と、トロイダル型無段変速機10の変速比とで、ローモードまたはハイモードを図5につき前述したと同様に使い分けることができると共に、これら平行軸式2段変速歯車組33(直列有段変速機4)と、並列有段変速機5を成す軸12との組み合わせにより、図5につき前述したと同様にローモードおよびハイモード間でのモード切り替えを滑らかに行い得て、前記した作用効果を本実施例でも奏することができる。
なお本実施例では特に、平行軸式2段変速歯車組33(直列有段変速機4)をトロイダル型無段変速機10の後段に配したから、トロイダル型無段変速機10への入力トルクが平行軸式2段変速歯車組33(直列有段変速機4)によって大きくなることがなく、トロイダル型無段変速機10の小型化を実現することができる。
また全ての実施例に共通な効果として、複合変速機1のトルクの取り出しが無段変速機3(トロイダル型無段変速機10)の主軸線の後端から同軸に行われる構成としたから、複合変速機1の出力軸が無段変速機3(トロイダル型無段変速機10)の主軸線から径方向にオフセットして複合変速機1のレイアウトが不便になるという問題を回避することができる。
本発明の一実施例になる複合変速機の概略を示すブロック線図である。 本発明による複合変速機の直列伝動列に関したロー側無段変速比領域およびハイ側無段変速比領域と、並列伝動列における設定ギヤ比との関係を、車速およびエンジン回転数の二次元座標上に示した変速特性線図である。 図1に示す複合変速機の作用説明図で、 (a)は、ロー側無段変速比領域での変速中における動力伝達経路を示す説明図、 (b)は、ロー側無段変速比領域からハイ側無段変速比領域へモード切り替え中における動力伝達経路を示す説明図、 (c)は、ロー側無段変速比領域での変速中における動力伝達経路を示す説明図である。 本発明による複合変速機がロー側変速モードからハイ側変速モードにモード切り替えする時における総合変速比の変化状況を示す、変速比変化特性線図である。 本発明の他の実施例になる複合変速機を示し、 (a)は、その概略構成を示す骨子図、 (b)は、クラッチおよびブレーキの締結、解放の組み合わせと、選択モードとの関係を示す説明図である。 本発明の更に他の実施例になる複合変速機を示し、 (a)は、その概略構成を示す骨子図、 (b)は、クラッチおよびブレーキの締結、解放の組み合わせと、選択モードとの関係を示す説明図である。 本発明の更に別の実施例になる複合変速機の概略構成を示す骨子図である。
符号の説明
1 複合変速機
2 エンジン(原動機)
3 無段変速機
4 直列有段変速機
5 並列有段変速機
Cmain メインクラッチ
Csub サブクラッチ
10 トロイダル型無段変速機
11 シングルピニオン遊星歯車組(直列有段変速機)
12 軸(並列有段変速機)
13 フロント側トロイダル伝動ユニット
14 リヤ側トロイダル伝動ユニット
15,16 入力ディスク
17,18 出力ディスク
19,20 パワーローラ
21 主軸
22 ボールスプライン
23 中空出力軸
24 出力ギヤ
25 カウンターギヤ
26 カウンターシャフト
30 入力軸
31 ローディングカム
32 前後進切り替え機構
33 平行軸式2段変速歯車組(直列有段変速機)
34 小径入力歯車
35 大径入力歯車
36 大径出力歯車
37 小径出力歯車
38,39 アイドラギヤ
40 同期噛合機構
41 カップリングスリーブ

Claims (7)

  1. 無段変速機と有段変速機とよりなる複合変速機において、
    前記有段変速機として、前記無段変速機に対し直列的に結合した直列有段変速機と、これら無段変速機および直列有段変速機に対し並列的に結合した並列有段変速機とを具え、
    直列有段変速機および無段変速機より成る直列伝動列と、並列有段変速機より成る並列伝動列とを個々に、直列側メインクラッチと、並列側サブクラッチとにより、原動機に切り離し可能に結合し、
    前記直列有段変速機に設定された隣接変速段のうち一方の変速段のギヤ比および他方の変速段のギヤ比と、前記無段変速機の変速比幅とでそれぞれ構成される無段変速比領域が相互に一部重合するよう、これら直列有段変速機および無段変速機を構成し、
    該重合した無段変速比領域内における任意の特定変速比と同じギヤ比の変速段を有するよう前記並列有段変速機を構成したことを特徴とする複合変速機。
  2. 請求項1に記載の複合変速機において、
    前記無段変速機が、同軸に対向配置された入出力ディスクと、これら入出力ディスク間にトラクション伝動を行い得るよう挟圧したパワーローラと、該パワーローラを自己の回転軸線と直交する首振り軸線周りに傾転させて入出力ディスクに対するパワーローラの接触点を変位させることにより無段変速を生起させる変速機構とよりなるトロイダル型無段変速機であることを特徴とする複合変速機。
  3. 請求項2に記載の複合変速機において、
    前記重合した無段変速比領域内に1:1の変速比が含まれるよう前記直列有段変速機およびトロイダル型無段変速機を構成すると共に、前記特定変速比を1:1として前記並列有段変速機を、前記トロイダル型無段変速機の中心部に回転自在に挿置され、前記サブクラッチにより前記原動機に結合可能な軸で構成したことを特徴とする複合変速機。
  4. 請求項3に記載の複合変速機において、
    前記直列有段変速機を、前記原動機およびトロイダル型無段変速機間に介在させた遊星歯車組で構成し、
    該遊星歯車組の入力回転要素を前記メインクラッチにより前記原動機に結合可能にすると共に該遊星歯車組の出力回転要素を前記トロイダル型無段変速機の入力ディスクに結合し、
    該遊星歯車組の他の回転要素を固定したり、回転要素間を相互に結合することにより、前記隣接変速段をそれぞれ選択可能にしたことを特徴とする複合変速機。
  5. 請求項4に記載の複合変速機において、
    前記遊星歯車組をシングルピニオン遊星歯車組とし、
    該遊星歯車組のサンギヤを入力回転要素として前記メインクラッチにより前記原動機に結合可能とし、
    該遊星歯車組のキャリアを出力回転要素としてフォワードクラッチにより前記トロイダル型無段変速機の入力ディスクに結合可能にするほか、リバースブレーキにより固定可能とし、
    該遊星歯車組のリングギヤをハイ&リバースクラッチにより前記トロイダル型無段変速機の入力ディスクに結合可能にすると共にローブレーキにより固定可能としたことを特徴とする複合変速機。
  6. 請求項3に記載の複合変速機において、
    前記トロイダル型無段変速機および軸に平行に、トロイダル型無段変速機の出力ディスクから無段変速後の出力回転を伝達されるカウンターシャフトを並置し、
    該カウンターシャフトおよび前記軸間に、2種類の選択使用可能な平行軸式変速歯車組を介在させて、これら平行軸式変速歯車組により前記直列有段変速機を構成すると共に、前記軸を複合変速機用出力軸としても用いるよう構成したことを特徴とする複合変速機。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合変速機において、
    前記メインクラッチを締結した状態で、前記直列有段変速機および無段変速機より成る直列伝動列を用いた伝動中に前記直列有段変速機の変速段切り替えを行う場合、
    これら直列有段変速機の変速段と無段変速機の変速比とで構成される総合変速比が前記特定変速比となった時に前記メインクラッチを解放すると共に前記サブクラッチを締結して前記並列有段変速機より成る並列伝動列を用いた伝動に切り替え、
    該並列伝動列を用いた伝動中に前記直列有段変速機の変速段切り替えを行うと共に、この切り替えに伴う前記直列伝動列のギヤ比変化を無段変速機の変速制御で補償して該直列伝動列のギヤ比を前記特定変速比に維持し、
    前記直列有段変速機の変速段切り替えの完了時に前記サブクラッチを解放すると共に前記メインクラッチを締結して前記並列伝動列を用いた伝動から前記直列伝動列を用いた伝動に戻すよう構成したことを特徴とする複合変速機。
JP2004199034A 2004-07-06 2004-07-06 複合変速機 Withdrawn JP2006022839A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004199034A JP2006022839A (ja) 2004-07-06 2004-07-06 複合変速機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004199034A JP2006022839A (ja) 2004-07-06 2004-07-06 複合変速機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006022839A true JP2006022839A (ja) 2006-01-26

Family

ID=35796268

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004199034A Withdrawn JP2006022839A (ja) 2004-07-06 2004-07-06 複合変速機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006022839A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105793608A (zh) * 2013-12-09 2016-07-20 舍弗勒技术股份两合公司 Cvt变速器
JP2016540170A (ja) * 2013-12-09 2016-12-22 シェフラー テクノロジーズ アー・ゲー ウント コー. カー・ゲーSchaeffler Technologies AG & Co. KG Cvt伝動機構
JP2016540942A (ja) * 2013-12-09 2016-12-28 シェフラー テクノロジーズ アー・ゲー ウント コー. カー・ゲーSchaeffler Technologies AG & Co. KG Cvtパワートレーン

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105793608A (zh) * 2013-12-09 2016-07-20 舍弗勒技术股份两合公司 Cvt变速器
JP2016540170A (ja) * 2013-12-09 2016-12-22 シェフラー テクノロジーズ アー・ゲー ウント コー. カー・ゲーSchaeffler Technologies AG & Co. KG Cvt伝動機構
JP2016540943A (ja) * 2013-12-09 2016-12-28 シェフラー テクノロジーズ アー・ゲー ウント コー. カー・ゲーSchaeffler Technologies AG & Co. KG Cvt伝動機構
JP2016540942A (ja) * 2013-12-09 2016-12-28 シェフラー テクノロジーズ アー・ゲー ウント コー. カー・ゲーSchaeffler Technologies AG & Co. KG Cvtパワートレーン

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2971864B1 (en) Split power infinitely variable transmission architecture
US8257216B2 (en) Infinitely variable transmission
US6893373B2 (en) Transmission for vehicle
US6045477A (en) Continuously variable multi-range powertrain with a geared neutral
JP5800088B2 (ja) 車両用動力伝達装置
US7128681B2 (en) Transmission
JP5861778B2 (ja) 車両用動力伝達装置
US6866606B2 (en) Continuously variable transmission system for vehicles
JP2006132595A (ja) 車両用自動変速機
JP2006329338A (ja) 分流式無段変速機
JP2005527754A5 (ja)
JP2008144904A (ja) パワースプリット型無段変速装置
JPH10325453A (ja) 車両用無段変速装置
JP2002048213A (ja) 無段変速機構を備えた変速機
US7384363B2 (en) Six-speed powertrain of automatic transmission
JP5861777B2 (ja) 車両用動力伝達装置
US7438662B2 (en) Six-speed power train of automatic transmission for vehicle
EP0781940B1 (en) Continuously variable transmission
WO2015137124A1 (ja) 自動変速機
JP2001056045A (ja) 車両用ベルト式無段変速装置
JP2006022839A (ja) 複合変速機
KR101836508B1 (ko) 자동화 수동변속기
JP3736292B2 (ja) 変速装置
JP2006132572A (ja) 変速装置
JP2001227615A (ja) 車両用無段変速機

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060601

A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20071002