JP2006022692A - 内燃機関用組立型カム軸構造 - Google Patents

内燃機関用組立型カム軸構造 Download PDF

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Yuuki Muraoka
勇樹 村岡
Kaoru Wakechigai
薫 輪違
Takayoshi Shibata
隆義 柴田
Yoshiyuki Sekiya
義之 関谷
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Abstract

【課題】カム山が形成されるカム軸本体と、上記カム軸本体に一体化され、クランク軸からの駆動力が入力される回転部材とからなり、上記カム軸本体と回転部材とは、締結部材を介して着脱自在に結合される内燃機関用組立型カム軸構造において、少ない部材で簡単な構造によって構成されるコンパクトな内燃機関用組立型カム軸構造を提供する。
【解決手段】上記回転部材は、一側に上記カム軸本体に結合される被結合面を備え、他側に回転軸受部を備えたことを特徴とする。また、上記カム軸本体のカム山のベース円部分に、上記回転部材に対する位相位置決め部が形成されていることを特徴とする。
【選択図】 図9

Description

本発明は内燃機関用組立型カム軸構造に関するものである。
従来の組立型カム軸は、カム軸本体と、回転部材と、上記両部材の間に設けられる軸受部材と、の3部材からなる構造となっていた(例えば、特許文献1参照。)。このため、部材点数が多く、各々を結合するためのインロー結合部が増加したり、また、カム軸本体と回転部材との位相位置決め精度や組付け性にも課題があった。
特許第3285915号公報(図1)。
本発明は上記課題を解決し、少ない部材で簡単な構造によって構成されるコンパクトな内燃機関用組立型カム軸を提供しようとするものである。
本発明は上記課題を解決したものであって、請求項1に記載の発明は、
カム山が形成されるカム軸本体と、上記カム軸本体に一体化され、クランク軸からの駆動力が入力される回転部材とからなり、上記カム軸本体と回転部材とは、締結部材を介して着脱自在に結合される内燃機関用組立型カム軸構造において、
上記回転部材は、一側に上記カム軸本体に結合される被結合面を備え、他側に回転軸受部を備えたことを特徴とする内燃機関用組立型カム軸構造に関するものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関用組立型カム軸構造において、
上記カム軸本体のカム山のベース円部分に、上記回転部材に対する位相位置決め部が形成されていることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関用組立型カム軸構造において、
上記回転部材は、ボス部と、タイミングベルトが掛け回されるプーリ部と、上記ボス部とプーリ部とを繋ぐ繋ぎ部とから成り、
上記プーリ部の内側の位置に、上記繋ぎ部に支持される遠心ウエイトと、上記繋ぎ部を貫通してカム軸本体のカム山部に伸びるデコンプカムとを備えたデコンプ機構が配置されていることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の内燃機関用組立型カム軸構造において、
上記内燃機関のシリンダヘッドサイドカバーは、カム軸支持部と、ロッカーアーム軸支持部とを備え、
上記組立型カム軸の回転部材側の軸受は、上記シリンダヘッドサイドカバーのカム軸支持部に支持されていることを特徴とするものである。
請求項1の発明によって、
少ない部材数で簡単な構造によって組立型カム軸が形成される。
また、カム軸本体に対して回転部材が独立して形成され、且つそれぞれの一方の端部に軸受部を設けて接続されるため、組立型カム軸の長さを軸方向に2分割構造として短くでき、内燃機関への組付け自由度が向上する。
請求項2の発明によって、
位相位置決め部はカム山の厚みを利用して形成されているので、組立型カム軸の長さを短くすることができる。
請求項3の発明によって、
プーリ部の内側の空きスペースを利用してデコンプ機構が配置されるため、デコンプ機構が小型化され、デコンプ機構を備えた組立型カム軸の長さを短くすることができる。
請求項4の発明によって、
シリンダヘッドサイドカバーに、カム軸支持部とロッカーアーム軸支持部が形成されているので、シリンダヘッドの構造を簡素化することができる。
図1は本発明の一実施形態に関するペダル付き自動二輪車1の側面図である。ヘッドパイプ2から後方斜め下向きに板金製箱型断面の車体フレーム3が延出している。ヘッドパイプ2にステアリングシャフト4が軸支され、ステアリングシャフト4の上部に左右に展開したハンドル5が設けられ、ステアリングシャフト4から下方へ延出したフロントフォーク6に前輪7が軸支されている。パイプ製シートポスト8は、U字状パイプ製であり、その下部両先端部は車体フレーム3の後端部に結合され、その上部U字状曲がり部にシート9が取り付けられている。
図1に示されるように、車体フレーム3の下部に頭上弁式4ストローク単気筒内燃機関10が搭載固定され、同内燃機関10の前方、且つ車体フレーム3の下部に、人力駆動用ペダル軸11が回転可能に装備されている。内燃機関10の左側面に動力伝達ケース12が固定され、その後端部には、後輪13が回転可能に支持されている。車体フレーム3と内燃機関10と動力伝達ケース12とは相互に一体的に結合されている。
動力伝達ケース12の中には、内燃機関10の動力を後輪13に伝達する動力伝達機構14が収納され、動力伝達ケース12の外側には、ペダル踏力を後輪13に伝達するペダル踏力伝達機構15が設けられている。シートポスト8の下部には、燃料タンク16、エアクリーナ17、気化器18が設けられ、シートポスト8の左右のパイプ部に挟まれた部分は、ヘルメットの置き場所19となっている。なお、26はペダルアーム、27はペダルである。
図2は上記実施形態における内燃機関10と動力伝達ケース12の外観図、図3は上記パワーユニットのほぼ水平方向の断面を上から見た図、図4は上記内燃機関の縦断面を左側から見た図である。図2および図4に示されるように、内燃機関10の外殻は、クランクケース20、シリンダヘッド21、シリンダヘッドカバー22から構成されている。シリンダ30は、図3に示されるように、クランクケース20内に収納されているので、図2では見えない。クランクケース20の右側には、図3に示される発電機収納部23が一体的に設けられ、図2において、上記発電機収納部23の外側には発電機カバー24が設けられている。図2のシリンダヘッド21の前面中央部に点火プラグ25が見える。
図3は上記パワーユニットのほぼ水平方向の断面を上から見た図、図4は上記内燃機関の縦断面を左側から見た図、図5は上記内燃機関のシリンダヘッドカバーを取り除き、特にシリンダヘッドの内部を見えるようにした正面図である。
図4において、上記クランクケース20は、ほぼ水平方向に傾斜したシリンダ30を収納すると共に、シリンダ30の下方に、シリンダ軸線方向前方に開口部を有するオイルパン部80が形成され、上記シリンダヘッド21が上記オイルパン部80の開口を覆っている。シリンダ30はシリンダヘッド21にボルト31によって固着されており、シリンダヘッド21はクランクケース20にボルト28で固着されている。したがって、シリンダ30はクランクケース20内にて、シリンダヘッド21に片持ち式にほぼ水平方向に傾斜して保持された状態となっている。上記シリンダヘッド21において、上記クランクケース20に対する接合面と上記シリンダ30に対する接合面とは、同一平面上に形成されている。シリンダ30の外周にはシリンダ軸線に平行な複数のフィン32が設けられている。クランクケース20の上部と下部に、内燃機関10を車体へ取付けるためのボルト挿通孔125が一体に形成してある。
図3において、クランクケース20の後部には、クランク軸35がボールベアリング36A、36Bを介してクランクケース20に回転可能に保持されている。クランク軸35の左端部を支えるボールベアリング36Bは、クランクケース20の左面中央部に設けられたクランクケース左壁開口を覆う動力伝達ケース基端部材40を介してクランクケース20に保持されている。クランクピン37にはコンロッド38の大端部が支持され、コンロッド38の小端部はピストン39を支持している。ピストン39は、上記シリンダ30内を摺動可能となっている。
図5は上記内燃機関のシリンダヘッドカバーを取り除いた正面図である。図4において、シリンダヘッド21における上記ピストン39に対向する部分に、燃焼室45が形成され、点火プラグ25と共に、図5に示される吸気弁46と排気弁47が設けられている。シリンダヘッド21における上記シリンダ30の頂部前方の内部空間には、上記吸気弁46と排気弁47の軸端部が突出し、これらを駆動する頭上弁式動弁機構48が収容されている。図4、図5に見られるように、動弁機構48には、カム軸49とロッカーアーム軸52がある。カム軸49には吸気カム50と排気カム51が一体に設けられ、ロッカーアーム軸52には吸気ロッカーアーム53と排気ロッカーアーム54が揺動自在に枢支されている。カム軸49の端部には従動プーリ55が一体に設けられ、クランク軸35に一体に設けられた駆動プーリ56との間にタイミングベルト57(図4)が巻き掛けられ、クランク軸35によってカム軸49が回転駆動されるようになっている。タイミングベルト57は歯付きベルトである。図4において、60は吸気ポート、図5において61は排気ポートである。なお、カム軸49の構造の詳細は後述するが、このカム軸49は、図5において、カム50、51を備えたカム軸本体145と、従動プーリ55を備えた回転部材146とを、締結ボルト147で連結した組立型カム軸であり、ここでカム軸49と称しているのは上記、各部が連結された総体の名称である。
図4において、シリンダヘッドカバー22が上記シリンダヘッド21の頂部にボルト29によって取り付けられており、シリンダヘッド21の頂部を覆っている。シリンダヘッドカバー22の内部にはブリーザ機構の気液分離室58が形成されている。59は気液分離室58の一方の壁面を構成し、動弁機構48との間を仕切る隔壁である。
図3、図4において、クランクケース20の左面を覆う動力伝達ケース12の基端部材40に、その内側からオイルポンプ70が取り付けられている。オイルポンプ軸71には、従動歯車72が設けられ、クランク軸35に設けられた駆動歯車73と噛合っており、クランク軸35によってオイルポンプ70が駆動されるようになっている。
図4において、クランクケース20の下部にはオイルパン部80が形成され、ストレーナ装着溝81にストレーナ82が装着されている。シリンダヘッド21の、上記オイルパン部80を覆う部分に、油路形成部材83と油路蓋部材84とによって吸入油路85と吐出油路86が形成されている。上記吸入油路85とオイルポンプ70の吸入口74との間には吸入パイプ87が架け渡されており、上記吐出油路86とオイルポンプ70の吐出口75との間には吐出パイプ88が架け渡されている。上記吸入パイプ87および吐出パイプ88はいずれもシリンダ30の下方に設けられ、シリンダ30の軸線に沿って配置されている。オイルパン部80に流入し、ストレーナ82を通過して上方へ昇ったオイルは、オイル吸入孔95、吸入油路85、吸入パイプ87を経由してオイルポンプ70に吸入され、オイルポンプ70で加圧されて、吐出パイプ88、吐出油路86を経由して吐出される。
図5において、上記の吐出されたオイルは、上記吐出油路86に続く油路89、90、91、92、93、94を経由して動弁機構48へ噴射される。オイルの通路は、吐出油路86の端部から壁体内油路89によってクランクケース20の端面に設けられた油路90につながり、油路90の端部から壁体内油路91によってシリンダヘッド21の端面に設けられた油路92につながり、壁体内油路93を経てオイル噴射孔94に至る。オイルはオイル噴射孔94から動弁機構48へ噴射される。
図4において、オイルポンプには動力伝達ケース基端部材40への接合面に吐出口75に連なるオイルポンプ内油路76が設けられ、その端部に連通するオイル噴射孔77が設けられている。加圧されたオイルが、このオイル噴射孔77からコンロッド38の大端部へ向けて噴射され、クランク軸35との間の摺動部が潤滑される。動弁機構48、コンロッド38の大端部、クランク軸35等へ噴射されたオイルは、シリンダヘッド21、クランクケース20内を流下して、オイルパン部80へ落下して溜まり、再びオイルポンプ70に吸入され、加圧されて、循環する。
図5において、この内燃機関10には、上記吸入パイプ87、吐出パイプ88とほぼ平行に、シリンダヘッド21の前面からクランクケース20の後面に抜ける冷却風通路63が設けられている。この冷却風通路63は、シリンダヘッド部分63Aとクランクケース部分63Bとからなっている。クランクケース部分63Bの内面には前後方向に伸びる複数のフィン64が設けられており、クランクケース内を飛散あるいは流下するオイルを冷却するようになっている。また、図4、図5において、シリンダヘッド21の、上記オイルパン部80を覆う壁体部の前面にもフィン65が設けられており、クランクケース20の内部および油路の冷却に役立っている。またシリンダヘッドカバー22の前面にもフィン66が設けられており(図4)、気液分離室58内のオイルの冷却に役立っている。
図3において、クランクケース20の右面には発電機収納部23が設けられており、発電機68が収納されている。発電機68は、クランクケース20の右側面から外方へ突出したクランク軸35の端部によって回転駆動される。発電機収納部23は、通風隙間を有する発電機カバー24で覆われている。
図3において、動力伝達ケース12は、その基端部材40に順次組み付けられる内側部材41、外側部材42、後部部材43によって形成されている。上記基端部材40は動力伝達ケース12の一部をなすと共に、クランクケース左壁の開口部の蓋を兼ねている。
図3において、自動二輪車1には、前から順に、ペダル軸11、クランク軸35、従動軸96、中間軸97、および後車軸98の5本の回転軸が設けられている。ペダル軸11は車体フレーム3に回転可能に支持されている。クランク軸35は、クランクケースの右壁と上記動力伝達ケース12の基端部材40にそれぞれボールベアリング36A、36Bを介して回転可能に支持されている。従動軸96、中間軸97、および後車軸98は、何れも動力伝達ケース12の内側部材41と後部部材43とによって回転可能に支持されている。従動軸96と後車軸98はボールベアリングを介して支持されている。
図3において、クランク軸35、従動軸96、中間軸97、および後車軸98は、内燃機関10から後輪13への動力伝達に係る軸である。クランク軸35の左端部にドライブプーリ100が設けられ、従動軸96にドリブンプーリ101が回転自在に設けられ、この両プーリ間に無端状Vベルト102が架渡されて、Vベルト式無段変速機103が構成されている。従動軸96の左端部に設けられた遠心クラッチ104がドリブンプーリ101と従動軸96との間を系脱している。従動軸96に設けられた小径歯車105と中間軸97に設けられた大径歯車106が噛合い、中間軸97に設けられた小径歯車107と後車軸98にワンウエイクラッチ108を介して装着された大径歯車109とが噛合って、減速歯車機構110が構成されている。Vベルト無段変速機103と減速歯車機構110とによって、動力伝達機構14が構成されている。
図3において、ペダル軸11の左端部にドライブスプロケット112が取り付けてある。運転者の、ペダル27の踏力は、ペダルアーム26、およびペダル軸11を経て伝達され、ドライブスプロケット112が回転駆動される。後車軸98にワンウエイクラッチ113を介してドリブンスプロケット114が軸支されている。この両スプロケット間に無端状チェーン115が架渡され、ぺダル踏力が無端状チェーン115を介して後輪13に伝達される。後輪13の回転はワンウエイクラッチ113の作用によりペダル27には伝達されない。なお、図1に示されるように、無端状チェーン115には、アイドルプーリ116とテンショナプーリ117の作用によって張力が加えられている。上記各部材によってペダル踏力伝達機構15が構成される。
図6はシリンダヘッド21上部の動弁室の左面図である。矢印Fは前方を指している。図6において、シリンダヘッド21の上部左面には大きい開口140がある。これは、カム軸のプーリ部側の軸受支持部とロッカーアーム支持部を備えたシリンダヘッドサイドカバー141(詳細後述、図7、図8)で覆われる部分である。上記開口140を通して、カム軸支持部135とロッカーアーム軸支持部133が見える。開口140の周囲は、上記シリンダヘッドサイドカバー141が当接する当接面140aである。動弁室の下部に排気ポート61が開口している。
図7は上記シリンダヘッド21の左面開口を覆うシリンダヘッドサイドカバー141を右側(シリンダヘッド内側)から見た図、図8は図7のVIII−VIII断面図である。図8の矢印Lは左方、矢印Rは右方を指す。シリンダヘッドサイドカバー141の、シリンダヘッド21の右方(内側)に向いている部分に、カム軸支持部142とロッカーアーム軸支持部143が設けられている。
図9は上記カム軸49と、これを支持する上記シリンダヘッドサイドカバー141との拡大断面図である。カム軸49は、カム軸本体145と回転部材146とが、カム軸本体145側の結合部145aと回転部材146側の被結合面146aとを当接させて、締結ボルト147を介して連結された組立型カム軸構造となっている。カム軸本体145は、中心の軸部148と吸気カム50と排気カム51とからなっている。回転部材146は中央のボス部149と周囲の従動プーリ55と、両者を繋ぐ円板部150とからなっている。円板部150には、詳細後述するデコンプ機構151が付設されている。上記のように構成されたカム軸49におけるカム軸本体145右端の軸受部145bは、ボールベアリング152を介して右側カム軸支持部135(図6)に回転可能に支持され、回転部材146左端の軸受部146bはボールベアリング153を介して、シリンダヘッドサイドカバー141のカム軸軸受支持部142に回転可能に支持されている。
図10はカム軸本体145を左側から見た図、図11は図10のXI−XI断面図である。カム軸本体145の中心には軸線方向に締結ボルト用雌ねじ154が設けられている。各カム部50、51には、同径のベース円部155が設けられている。回転部材146には、吸排気カム50、51との関連の深いデコンプ機構151を付設する関係で、回転部材146とカム軸本体145との回転位相位置決めが必要となる。この目的のための、カム軸本体145側の手段として、排気カム51のベース円部155において、排気カム51の山部51aの反対側に位相位置決め用切欠き156(断面は図11参照)が設けられている。
図12は回転部材146とカム軸本体145とを回転方向位相位置決めをして組み合わせた状態を左側から見た図、図13は図12のXIII−XIII断面図である。図12には、回転部材146とカム軸本体145との相対的位置関係を明確に示すために、締結ボルトやデコンプ機構などは、煩雑となるので、除去して示されている。回転部材円板部150の左側の面には、デコンプ回動子162(後述)を回動可能に取り付けるための孔158、デコンプ回動子の摺動をスムーズにするためにエンドミルで底面を平滑加工した扇形の凹部159、デコンプ回動子を駆動するピン先端かしめ部の通過用溝160、及び上記デコンプ回動子を駆動するピンを備えた遠心ウエイトを回動可能に取り付けるためのピン孔161が設けられている。回転部材円板部150の右側の面には、上記カム軸本体145の位相位置決め用切欠き156に合致する位相位置決め用突起157が設けられている。図12では位相位置決め用突起157および吸排気カム50、51は、円板部150の背後にあるので、鎖線で示されている。図13には上記突起157の断面が示してある。図13のように、位相位置決め用切欠き156に位相位置決め用突起157を挿入してカム軸本体145と回転部材146とを締結することによって、吸排気カム50、51と、デコンプ機構151との位相が確定し、位置決めが成される。
図14はデコンプ機構151の断面図である。デコンプ機構151は、デコンプ回動子取り付け孔158に回動可能に装着されたデコンプ回動子162、遠心ウエイト163、回転部材円板部のピン孔161に嵌入され上記遠心ウエイト163を回動可能に支持する遠心ウエイト支持ピン164、基端部が遠心ウエイト163の先端部の孔に嵌入され、先端がデコンプ回動子のアーム部の長孔162d(詳細後述)に摺動可能に挿通されるデコンプ回動子駆動ピン165、および捩りコイルばね166から構成される。
図15は図14に示したデコンプ回動子162の拡大断面図、図16は図15のXVI−XVI断面図(断面を左から見た図)、図17は図15のXVII−XVII断面図(断面を右から見た図)である。なお、図15は図17のXV−XV断面を表している。デコンプ回動子162は作用の異なる3部分を一体として形成されている。その3部分は、図15において、中央の円形断面の軸部162a、左側のアーム部162b、および右側のデコンプカム部162cである。デコンプ回動子162は、円形断面の軸部162aを回転部材円板部150の回動子取り付け孔158に挿通して、回動可能に支持されている。アーム部162bはデコンプ回動子162全体を回動させるための腕の働きをする部分である。アーム部162bの中心線Bに沿って長孔162dが設けられている。デコンプ回動子162は、上記長孔162dに挿通されたデコンプ回動子駆動ピン165(図14)によって回動駆動される。デコンプカム部162cは、円柱の一側部がV形断面に切欠き除去された形状をなし、切欠かれていない側の外面はデコンプ作動面162e、切欠かれた側はデコンプ解除用切欠き162fとして作用する。一点鎖線Aは、デコンプカム部162cの断面(図17)の中心線であり、デコンプカムはこの線を通る対称面に関して左右対称に形成されている。
図18および図19は何れもデコンプ機構を左側から見た図であり、図18は内燃機関停止時および始動初期における、回転部材146に対するデコンプ機構151の位置を示し、図19は内燃機関が所定のデコンプ終了回転速度を超過した後における、回転部材146に対するデコンプ機構151の位置を示している。矢印Rはカム軸の回転方向である。図18において、円板部150の表面には、湾曲した遠心ウエイト163が遠心ウエイト支持ピン164を介して回動可能に支持されている。遠心ウエイト163は捩りコイルばね166によって回転部材146の中心方向へ付勢され、これによって遠心ウエイト163の湾曲の内側側面が回転部材146のボス部149に当接している。捩りコイルばね166の一端は回転部材146のばね受け突起146cに係止され、捩りコイルばね166の他端は遠心ウエイト163自体に係止されている。
図18において、遠心ウエイト163の向こう側に、デコンプ回動子162が装着されている。デコンプ回動子162は遠心ウエイト163によって隠れているので鎖線で示してある。遠心ウエイト163とデコンプ回動子162と円板部150との左右位置関係は、先に述べた図14に示してある。遠心ウエイト163の先端部に嵌装されたデコンプ回動子駆動ピン165が、デコンプ回動子162の長孔162dに摺動可能に嵌装されている。
図19において、内燃機関が所定のデコンプ終了回転速度に達すると、回転部材146の回転に伴う遠心力によって遠心ウエイト163が、支持ピン164の周りを回動しながら外方へ移動し、その外側面が回転部材146のストッパ突起146dに当接して止まる。この遠心ウエイト163の回動に伴って、遠心ウエイト163の先端部に嵌装され、かつデコンプ回動子162のアーム部162bの長孔162d(図16)に係合しているているデコンプ回動子駆動ピン165が、デコンプ回動子162を回動駆動し、デコンプ回動子162はその軸部162aを中心として回動する。内燃機関の回転速度が上記デコンプ終了回転速度以上である間は、デコンプ機構の各部材は図19に示される位置を保つ。
図20と図21はデコンプ回動子162と吸排気カム50、51とを左側から見た拡大図であり、図20は内燃機関停止時および始動初期におけるデコンプ回動子162の、吸気カム50および排気カム51に対する位置を示し、図21は内燃機関が所定のデコンプ終了回転速度を超過した後におけるデコンプ回動子162の、吸気カム50および排気カム51に対する位置を示している。デコンプ回動子162のデコンプカム部162cは、図9に示されているように、排気カム51のベース円部155に隣接して設けてある。吸気カム50、排気カム51とデコンプカム部162cのカム軸方向から見た位置関係は、図12、図13に示した位相位置決め用切欠き156と位相位置決め用突起157とによって確定している。
図20に示されている内燃機関停止時および始動初期の状態においては、デコンプカム部162cの中心線Aは、ほぼ吸排気カム50、51のベース円部155の接線方向になっているので、デコンプ作動面162eがベース円部155の外周面より外方へ突出している。
図21に示されている内燃機関がデコンプ終了回転速度を超過した後の状態においては、デコンプ回動子162の回動の結果、デコンプカム部162cの中心線Aはベース円部155の接線に直交し、デコンプ解除用切欠き162fがベース円部155の外方へ向いているので、ベース円部155の外周面より外方へ突出している部分はない。
本実施形態の動弁機構48は頭上弁式である。図4、図5に見られるように、動弁機構48には、クランク軸35に駆動されるカム軸49と一体に回転する吸気カム50、排気カム51と、ロッカーアーム軸52に回動可能に支持された吸気ロッカーアーム53、排気ロッカーアーム54とから成っている。ロッカーアームの一端に設けられカム面を摺動するスリッパーがカム山に差し掛かると、カム山によってスリッパーが押し上げられ、ロッカーアームの他端のタペットが吸気弁46、排気弁47の軸端を押し下げて、それぞれの弁を固有のタイミングで開弁するようになっている。図4には、吸気ロッカーアーム53、同アームのスリッパー53a、同アームのタペット53bが示されている。
図示していないが、排気ロッカーアーム54にも同様なスリッパーとタペットが設けてある。但し排気ロッカーアーム54のスリッパーは、排気カム51と、その一側に近接して設けられている上記デコンプカム部162cとの両方をカバーし得るよう幅広の形状に作られている。
内燃機関始動初期においては、排気ロッカーアームのスリッパーは、排気カムのカム山に差し掛かった時だけでなく、図20に示されるように、ベース円部155より外方に突出しているデコンプ作動面162eに差し掛かった時にも押し上げられ、排気ロッカーアーム54の他端のタペットが排気弁47の軸端を押し下げて排気弁47を開く。吸排気は、吸気、圧縮、膨張、排気、の順で行われる。特に本実施形態のようなペダル踏力による人力始動では、内燃機関始動初期の圧縮行程においてペダル踏力を要する。この踏力軽減のために上記デコンプ(圧縮解除)作動が行われる。そのタイミングは圧縮行程の後半部である。
内燃機関の始動が達成され、内燃機関の回転速度が所定のデコンプ終了速度に達すると、デコンプカム部162cは、図21に示す位置へ回動し、デコンプ解除用切欠き162fが外方へ向く。したがってデコンプ回動子162は排気ロッカーアームのスリッパーに影響を及ぼすことがなくなる。内燃機関の回転速度が上記デコンプ終了速度以上であれば、デコンプは行われず、通常の運転が行われる。
以上に詳述したように、本実施形態においては、つぎの効果がもたらされる。
(1)少ない部材数で簡単な構造によって組立型カム軸が形成される。
また、カム軸本体に対して回転部材が独立して形成され、且つそれぞれの一方の端部に軸受部を設けて接続されるため、組立型カム軸の長さを短くでき、内燃機関への組付け自由度が向上する。
(2)位相位置決め部はカム山の厚みを利用して形成されているので、組立型カム軸の長さを短くすることができる。
(3)カム軸に連なるプーリ部の内側の空きスペースを利用してデコンプ機構が配置されるため、デコンプ機構が小型化され、デコンプ機構を備えた組立型カム軸の長さを短くすることができる。
(4)シリンダヘッドサイドカバーに、カム軸支持部とロッカーアーム軸支持部が形成されているので、シリンダヘッドの構造を簡素化することができる。
本発明の一実施形態に関するペダル付き自動二輪車1の側面図である。 上記実施形態における内燃機関10と動力伝達ケース12の外観図である。 上記パワーユニットのほぼ水平方向の断面を上から見た図である。 上記内燃機関の縦断面を左側から見た図である。 上記内燃機関のシリンダヘッドカバーを取り除いた正面図である。 シリンダヘッド21の動弁室の左面図である。 シリンダヘッド21の左面開口を覆うシリンダヘッドサイドカバー141を右側(シリンダヘッド内側)から見た図である。 図7のVIII−VIII断面図である。 カム軸49と、カム軸49を支持するシリンダヘッドサイドカバー141の拡大断面図である。 カム軸本体145を左側から見た図である。 図10のXI−XI断面図である。 回転部材146とカム軸本体145とを回転方向位相位置決めをして組み合わせた状態を左側から見た図である。 図12のXIII−XIII断面図である。 デコンプ機構151の断面図である。 デコンプ回動子162の拡大断面図である。 図15のXVI−XVI断面図である。 図15のXVII−XVII断面図である。 内燃機関停止時および始動初期におけるデコンプ機構を左側から見た図である。 内燃機関が所定のデコンプ終了回転速度を超過した後におけるデコンプ機構を左側から見た図である。 内燃機関停止時および始動初期におけるデコンプ回動子162と吸排気カム50、51とを左側から見た図である。 内燃機関が所定のデコンプ終了回転速度を超過した後におけるデコンプ回動子162と吸排気カム50、51とを左側から見た図である。
符号の説明
21…シリンダヘッド、46…吸気弁、47…排気弁、48…動弁機構、49…カム軸、50…吸気カム、51…排気カム、52…ロッカーアーム軸、53…吸気ロッカーアーム、53a…スリッパー、53b…タペット、54…排気ロッカーアーム、55…従動プーリ、56…駆動プーリ、57…タイミングベルト、140…シリンダヘッド左面開口、141…シリンダヘッドサイドカバー、142…カム軸支持部、143…ロッカーアーム軸支持部、、145…カム軸本体、145a…カム軸本体側の結合部、145b…カム軸本体右端の軸受部、146…回転部材、146a…回転部材側の被結合面、146b…回転部材左端の軸受部、146c…ばね受け突起、146d…ストッパ突起、147…締結ボルト、148…カム軸本体軸部、149…回転部材ボス部、150…回転部材円板部、151…デコンプ機構、152…右ボールベアリング、153…左ボールベアリング、154…締結ボルト用雌ネジ孔、155…ベース円部、156…位相位置決め用切欠き、157…位相位置決め用突起、158…デコンプ回動子取り付け孔、159…デコンプ回動子摺動用凹部、160…デコンプ回動子駆動ピン先端部通過用溝、161…遠心ウエイト取り付け用ピン孔、162…デコンプ回動子、162a…軸部、162b…アーム部、162c…デコンプカム部、162d…長孔、162e…デコンプ作動面、162f…デコンプ解除用切欠き、163…遠心ウエイト、164…遠心ウエイト支持ピン、165…デコンプ回動子駆動ピン、166…捩りコイルばね、A…デコンプカム部162cの中心線、B…アーム部162bの中心線、R…カム軸49の回転方向。

Claims (4)

  1. カム山が形成されるカム軸本体と、上記カム軸本体に一体化され、クランク軸からの駆動力が入力される回転部材とからなり、上記カム軸本体と回転部材とは、締結部材を介して着脱自在に結合される内燃機関用組立型カム軸構造において、
    上記回転部材は、一側に上記カム軸本体に結合される被結合面を備え、他側に回転軸受部を備えたことを特徴とする内燃機関用組立型カム軸構造。
  2. 上記カム軸本体のカム山のベース円部分に、上記回転部材に対する位相位置決め部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用組立型カム軸構造。
  3. 上記回転部材は、ボス部と、タイミングベルトが掛け回されるプーリ部と、上記ボス部とプーリ部とを繋ぐ繋ぎ部とから成り、
    上記プーリ部の内側の位置に、上記繋ぎ部に支持される遠心ウエイトと、上記繋ぎ部を貫通してカム軸本体のカム山部に伸びるデコンプカムとを備えたデコンプ機構が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用組立型カム軸構造。
  4. 上記内燃機関のシリンダヘッドサイドカバーは、カム軸支持部と、ロッカアーム軸支持部とを備え、
    上記組立型カム軸の回転部材側の軸受は、上記シリンダヘッドサイドカバーのカム軸支持部に支持されていることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関用組立型カム軸構造。
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JP2008064083A (ja) * 2006-08-08 2008-03-21 Honda Motor Co Ltd デコンプ装置を備えたエンジン
WO2017146002A1 (ja) * 2016-02-26 2017-08-31 武蔵精密工業株式会社 内燃機関用動弁装置におけるカム位相可変機構

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