JP2006022439A - 成型紙及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 通常の抄紙機を使用して成型紙を製造して熱成型するにあたり、深絞り適性及び成型保持性があり、熱プレス成型時の作業性に優れ、不透明性、耐油性、耐水性があり、フランジ部の平坦性が良く、トップシール適性に優れ、耐熱用途ではフィルム貼りを行っても木材パルプの配合率を51重量%以上としたことにより容器包装リサイクル法で紙として扱われ、高い生産効率で成型品を提供する。
【解決手段】 この課題は、針葉樹晒しクラフトパルプ、熱可塑性合成繊維および填料を主体として組成されており、そして表層、中層、裏層で構成される坪量250g/m2以上の多層抄きの熱成形可能な成形紙において、熱可塑性合成繊維の配合率が表層および裏層においては0〜30重量%であり、そして中層においては30〜100重量%であり、全層として木材パルプの配合率が51重量%以上であり、JIS P 8118におけるステキヒトサイズ度が1000秒以上であることを特徴とする熱成型可能な成型紙によって解決される。

Description

本発明は、合成パルプと木材パルプを主体とした加工性に優れた熱成型可能な成型紙に関するものである。更に詳しくはトレイ、使い捨て容器(食品、医薬品、化粧品、玩具など)で使用される熱成型可能な成型紙に関する。
白板紙やチップボールなどの天然パルプを主体とした板紙を圧縮成型してトレイ、使い捨て容器(弁当箱、折り箱等)などを造る方法が知られている。この方法による板紙では、成型時に大きな伸びを要求される深絞り成型を行うときに板紙が破断したり板紙に皺がでたりして深絞り成型を行うことができない。フランジ部の平坦性が悪くトップシール適性が劣る。成型保持性がプラスチックに較べて劣るなどの欠陥がある。その為、浅い絞り成型にしか使われなかった。
この深絞り成型を改善した方法に、木材パルプ紙、更には合成パルプ紙などを湿潤状態の下で賦形するものがある。しかし乾燥工程において時間と乾燥エネルギーを要し、能率や効率が悪い。一方、深絞りの成型品を得るのに合成パルプ、天然パルプなどを抄紙機にかけ、抄紙スクリーン自体を成型品の型とする方法が開発された。しかしこの場合は、特殊な構造の抄紙機となるので高速生産ができない、また成型品の形状を変えるときはその都度抄紙スクリーンの取替えが必要なこと、乾燥に手間がかかりすぎるといった能率上の様々の問題点が残されている。なお合成樹脂と天然パルプの混合物を圧縮成型、射出成型して各種の容器を製造することも行われているが、この容器は紙と言い難く、用途もおのずと違ってくる。
また板紙に高い加工度が要求される場合は、原料パルプに適当量の熱可塑性合成繊維を配合して混抄している。この場合に得られる板紙は、適当に熱可塑性となるものの、単なるホットプレス加工では金型より脱型できず製品を得ることができない。したがって材料となる板紙を予熱して軟化してからコールドプレスしなければ成型製品が得られない。しかもその加工装置として予熱装置が必要不可欠となり、コストや工程数がかかる。また成型紙を製造する方法として多くの技術が開示されている(例えば、特許文献1〜9参照)が、特に深絞り適性、成型保持特性、熱プレス成型時の作業性、フランジ部の平坦性に優れ、容器包装リサイクル法に対応した成型紙については提案がなされていない。コンビニのピザ、グラタンなどではプラスチック容器も使われているが、紙化の要求が強い。
特公昭51−22512号 特公昭52−21546号 特開昭52−25107号 特開昭52−130772号 特公昭53−10622号 特開昭54−29369号 特開昭54−108780号 特公昭59−17933号 特開2000−265400号
本発明の課題は、通常の抄紙機を使用して成型紙を製造して熱成型するにあたり、深絞り適性及び成型保持性があり、熱プレス成型時の作業性に優れ、不透明性、耐油性、耐水性があり、フランジ部の平坦性が良く、トップシール適性に優れ、耐熱用途ではフィルム貼りを行っても木材パルプの配合率を51重量%以上としたことにより容器包装リサイクル法で紙として扱われ、高い生産効率で成型品を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題に着目し成型性、リサイクル性の点から検討を重ね、上記課題を解決しようとするものである。
すなわち本発明は、N−BKP(針葉樹晒しクラフトパルプ)、熱可塑性合成繊維および填料を主体として組成されており、そして表層、中層、裏層で構成される坪量250g/m2以上の多層抄きの熱成形可能な成形紙において、熱可塑性合成繊維の配合率が表層および裏層においては0〜30重量%であり、そして中層においては30〜100重量%であり、全層として木材パルプの配合率が51重量%以上であり、JIS P 8118におけるステキヒトサイズ度が1000秒以上であることを特徴とする熱成型可能な成型紙に関する。
本発明の一つの有利な実施態様においては、熱可塑性合成繊維が、融点100〜180℃である多分岐状のポリエチレン系合成パルプである。
本発明の一つの有利な実施態様においては、填料が酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、クレー、合成ゼオライト、珪酸カルシウムである。
本発明の一つの有利な実施態様においては、熱成型後における成型品のはつ油度(キットナンバー)がTAPPI実用試験法UM557−1988年版で7以上であり、水道水4μlを滴下した時の1秒後の動的接触角が70度以上であり、成型品のフランジ部の中心線平均粗さが20μm以下である。
本発明の一つの有利な実施態様においては、成型紙の表層にポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリメチルペンテンフィルムでラミネート加工する。
この様な構成によって、深絞り適性及び成型保持性があり、熱プレス成型時の作業性に優れ、不透明性、耐油性、耐水性があり、フランジ部の平坦性が良く、トップシール適性も備えた成型紙を提供することが初めて可能となった。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、木材パルプと熱可塑性合成繊維と填料を混抄した熱成型可能な成型紙である。
(熱可塑性合成繊維)
本発明に用いられる熱可塑性合成繊維としては、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリロニトリルなどの合成繊維、及びこれらの混合物が使用可能である。
これら熱可塑性合成繊維としては、融点は、得られた成型紙をホットプレスで成型加工する場合に、高すぎて一般的な金型温度で充分な熱可塑性を発現しないとか、低すぎて金型成型後の形状保持が難しく、急速な冷却が必要となって成型加工性が低下することがない範囲であることが好ましく、通常80〜200℃であることが好ましい。
本発明における熱可塑性合成繊維としては、汎用の板紙抄紙機による湿式抄造プロセスに適した多分岐状の繊維性状を有するポリエチレンやポリプロピレンからなるポリオレフィン系合成パルプがより好ましい。特に熱溶融時の接着性に優れる好ましいものとしては、融点が100〜180℃のポリオレフィン系の合成パルプが安価であり、好適に用いられる。例えば、三井化学(株)よりSWPの商品名で市販されているものを使用できる。
これらの合成繊維の形態は抄紙機で抄紙できる範囲にあれば短繊維でも長繊維でもよいが0.1〜10mmの範囲内であることが好ましい。0.1mm以下では繊維間の絡み合いが少なく実質的にシート化することが難しく、10mm以上では抄紙で均一なシートとすることが難しい。
(木材パルプ)
本発明で使用する木材パルプとしては、主にN−BKP(針葉樹晒しクラフトパルプ)に代表される木材漂白化学パルプが使用される。必要に応じてL−BKP(広葉樹晒しクラフトパルプ)、GP、TMP、BCTMP等の機械パルプ、古紙パルプを適宜配合する事も出来る。
(原紙)
本発明の多層抄き板紙において、熱可塑性合成繊維と木材パルプとの配合率は、表層、裏層と中層では異なる。適正な配合率は熱成型時の深絞り適性及び成型保持性、作業性をみながら決定される。
熱可塑性合成繊維の配合率は表層、裏層においては0〜30重量%、好ましくは5〜25重量%、特に好ましくは10〜25重量%とする。30重量%以上であると熱成型加工時に金型に融着しやすくなり、離型性が劣る。また中層においては30〜100重量%、好ましくは40〜90重量%、特に好ましくは45〜85重量%とする。30重量%以下では熱成型加工後の深絞り適性及び成型保持性が劣る。またフィルム貼りを行っても全層として木材パルプの配合率を51重量%以上とするような配合率が好ましい。
表層、裏層、中層の坪量は、特に限定されるものではないが、各々10〜300g/m2が好ましく、全層としては250g/m2以上であり、より好ましくは300g/m2以上である。
表層、裏層、中層の厚さの比率は、特に限定されるものではないが、熱成型可能な発現の観点から表層:中層:裏層=1:2:1〜1:10:1が好ましい。
(サイズ剤等添加薬品)
紙料中には紙力剤、填料、バンド、歩留まり向上剤、染料、蛍光染料等が適宜用いられる。紙力剤としてはカチオン澱粉、ポリアクリルアマイドが用いられる。
填料としては酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、クレー、合成ゼオライト、珪酸カルシウム等が用いられる。特に不透明度の観点からは酸化チタンがより好ましい。
歩留まり向上剤はコロイダルシリカ、ポリアクリルアマイド、ポリエチレンイミン等が用いられる。
紙料中のサイズ剤としては、填料に炭酸カルシウムを用いる場合、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニル無水琥珀酸(ASA)、中性ロジン等が用いられ、炭酸カルシウム以外の填料を用いる場合、主に強化ロジン、鹸化ロジンが用いられる。
(原紙の製法)
原紙の製法は特に限定されるものではなく、公知の抄紙機、すなわち長網、丸網、ハイブリッドフォーマー、ギャップフォーマー等を使用し、プレス工程、乾燥工程を経て原紙を作成する。途中の工程で、サイズプレス、メタリングサイズプレス、ゲートロールコーター、バーコーター、ブレードコーター、エアナイフコーター、カーテンコーター、ロッドコーターなどの塗工装置を使用して、澱粉、ポリビニールアルコール、ポリアクリルアマイド、アクリル系エマルジョン、ワックス系エマルジョン、フッ素系サイズ剤等単独または混合物からなる塗工液を原紙に塗布することができる。助剤としては従来から一般的に使用されている、消泡剤、保水剤、増粘剤、潤滑剤、湿潤剤、離型剤、耐水化剤、着色剤、防腐剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、印刷適性向上剤等が適宜使用される。均一な皮膜を得る為には、エアナイフコーターが好適である。
原紙の坪量は特に限定するものではないが通常300〜400g/m2程度の範囲である。
塗工後の乾燥方式は特に限定されるものではなく、以下の乾燥方式、すなわち熱風乾燥、赤外線乾燥、常温乾燥、凍結乾燥等が挙げられるが、その乾燥効率から赤外線乾燥、熱風乾燥が好ましい。なお、乾燥温度は特に限定されるものではないが、一般に70〜150℃で乾燥すれば十分である。
また、抄造塗工乾燥後には、スーパーキャレンダー、マシンキャレンダー、ソフトキャレンダー等のキャレンダー装置を用いて平滑化処理を行うことができる。
実施例:
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、例中の「部」及び「%」は特に断らない限りそれぞれ「重量部」または「重量%」を示す。
<原紙の作成>
表、裏層の原料配合:
ポリエチレン系合成パルプ(商品名:SWP E500、三井化学社製;融点135℃)20重量%とカナディアンスタンダードフリーネス(CSF)500mlのN-BKP80重量%からなるパルプスラリーに、該パルプスラリー固形分を基準としてカチオン澱粉0.8%、酸化チタン5%およびサイズ剤(商品名:SE2360、星光PMC社製)0.3%を添加し、原料とした。
中層の原料配合:
ポリエチレン系合成パルプ(商品名:SWP E500、三井化学社製;融点135℃)50重量%とカナディアンスタンダードフリーネス(CSF)450mlのN-BKP50重量%からなるパルプスラリーに、該パルプスラリー固形分を基準としてカチオン澱粉0.8%、酸化チタン5%およびサイズ剤(商品名:SE2360、星光PMC社製)0.3%を添加し、原料とした。
上記原料を用いて、円網抄紙機により表層坪量70g/m2、中層坪量170g/m2、裏層坪量70g/m2の原紙を抄き合わせ抄紙後、以下の配合のサイズプレス液を使ってサイズプレス処理を行い坪量310g/m2の成型紙を抄造した。
<サイズプレス液配合>
ポリビニールアルコール(商品名:PVA−117、クラレ社製) 2部、酸化澱粉(商品名:エースA、王子コーンスターチ社製)2.5部、水95.5部。
実施例1において表層坪量100g/m2、中層坪量170g/m2、裏層坪量40g/m2の原紙を抄紙した以外は実施例1と同様にして本発明の成型紙を得た。
実施例1において厚さ20μmのポリブチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせてラミネート紙とした以外は実施例1と同様にして本発明の成型紙を得た。
表、裏層の原料配合:
ポリエチレン系合成パルプ(商品名:SWP E500、三井化学社製;融点135℃)20重量%とカナディアンスタンダードフリーネス(CSF)500mlのN-BKP80重量%からなるパルプスラリーに、該パルプスラリー固形分を基準として酸化チタン5%、サイズ剤(商品名:コロパールE−5N、星光PMC社製)0.3%および硫酸バンド0.3%を添加し、原料とした。
中層の原料配合:
ポリエチレン系合成パルプ(商品名:SWP E500、三井化学社製;融点135℃)70重量%とカナディアンスタンダードフリーネス(CSF)450mlのN-BKP30重量%からなるパルプスラリーに、該パルプスラリー固形分を基準として酸化チタン5%、サイズ剤(商品名:コロパールE−5N、星光PMC社製)0.3%および硫酸バンド0.3%を添加し、原料とした。
上記原料を用いて、円網抄紙機により表層坪量70g/m2、中層坪量170g/m2、裏層坪量70g/m2原紙を抄紙後、以下の配合のサイズプレス液を使ってサイズプレス処理を行い坪量310g/m2の成型紙を抄造した。
<サイズプレス液配合>
ポリビニールアルコール(商品名:AP−17、日本酢ビ・ポバール社製) 6.5部、ポリアミドエポキシ樹脂(商品名:SR675A、住友化学工業社製)1.7部、水91.8部。
比較例1:
<原紙の作成>
表、裏層の原料配合:
ポリエチレン系合成パルプ(商品名:SWP E500、三井化学社製;融点135℃)10重量%とカナディアンスタンダードフリーネス(CSF)500mlのN-BKP90重量%からなるパルプスラリーに、該パルプスラリー固形分を基準としてサイズ剤(商品名:コロパールE−5N、星光PMC社製)0.3%、硫酸バンド0.3%を添加し、原料とした。
中層の原料配合:
ポリエチレン系合成パルプ(商品名:SWP E500、三井化学社製;融点135℃)90重量%とカナディアンスタンダードフリーネス(CSF)450mlのN-BKP10重量%からなるパルプスラリーに、該パルプスラリー固形分を基準としてサイズ剤(商品名:コロパールE−5N、星光PMC社製)0.3%、硫酸バンド0.3%を添加し、原料とした。
上記原料を用いて、円網抄紙機により表層坪量60g/m2、中層坪量260g/m2、裏層坪量30g/m2の原紙を抄き合わせ抄紙後、以下の配合のサイズプレス液を使ってサイズプレス処理を行い坪量350g/m2の成型紙を抄造した。
<サイズプレス液配合>
ポリビニールアルコール(商品名:PVA−117、クラレ社製) 2部、酸化澱粉(商品名:エースA、王子コーンスターチ社製)2.5部、水95.5部。
比較例2:
実施例4においてチタンの配合を0部とした以外は実施例4と同様にして成型紙を得た。
比較例3:
<原紙の作成>
表、裏層の原料配合:
ポリエチレン系合成パルプ(商品名:SWP E500、三井化学社製)40重量%とカナディアンスタンダードフリーネス(CSF)500mlのN-BKP60重量%からなるパルプスラリーに、該パルプスラリー固形分を基準としてサイズ剤(商品名:SE2360、星光PMC社製)0.3%および硫酸バンド0.3%を添加し原料とした。
中層の原料配合:
ポリエチレン系合成パルプ(商品名:SWP E500、三井化学社製)20重量%とカナディアンスタンダードフリーネス(CSF)450mlのN-BKP80重量%からなるパルプスラリーに、該パルプスラリー固形分を基準としてサイズ剤(商品名:SE2360、星光PMC社製)0.3%および硫酸バンド0.3%を添加し原料とした。
上記原料を用いて、円網抄紙機により表層坪量70g/m2、中層坪量170g/m2、裏層坪量70g/m2の原紙を抄き合わせ抄紙後、以下の配合のサイズプレス液を使ってサイズプレス処理を行い坪量310g/m2の成型紙を抄造した。
<サイズプレス液配合>
ポリビニールアルコール(商品名:PVA−117、クラレ社製) 2部、酸化澱粉(商品名:エースA、王子コーンスターチ社製)2.5部、水95.5部。
比較例4:
実施例4において表層坪量50g/m2、中層坪量140g/m2、裏層坪量50g/m2の原紙を抄き合わせ抄紙後、以下の配合のサイズプレス液を使ってサイズプレス処理を行い坪量240g/m2の成型紙を抄造した以外は実施例4と同様にして成型紙を得た。
<サイズプレス液配合>
ポリビニールアルコール(商品名:PVA−117、クラレ社製) 2部、酸化澱粉(商品名:エースA、王子コーンスターチ社製)2.5部、水95.5部。
このようにして得られた成型紙において、成型紙の白紙物性、成型紙の成型加工適性をそれぞれ下記の方法で評価し、表1に示した。
[成型紙の白紙物性評価]
白紙物性は成型紙を23℃、50%RHで調温調湿後、JIS及び以下の方法に準拠して測定した。
坪量:JIS P 8124。
厚さ、密度:JIS P 8118。
ステキヒトサイズ度:JIS P 8122。
[成型紙の成型加工適性評価]
はつ油度(キットNo.):TAPPI実用試験法 UM557。
耐水性:FIBRO 1100 DAT MKII(FIBRO社製)にて、水道水4.0
μlを滴下した時の1秒後の動的接触角を測定した。
耐醤油性:市販の醤油2mlを成型加工後の容器内面に滴下し、24時間後の裏抜け状態を評価した。
〇:染み込みなし、染み込んでいるが裏抜けなし。
×:裏抜け有り、実用に耐えない。
耐ソース性:市販調味料のソース(商品名:ブルドックウスターソース;製造元:ブルドックソース株式会社)2mlを成型加工後の容器内面に滴下し、24時間後の裏抜け状態を評価した。
〇:染み込みなし。染み込んでいるが裏抜けなし。
×:裏抜け有り、実用に耐えない。
金型成型性:深さ30mmのトレイ成型機を用いて、雌雄金型をセットし温度(145±5)℃、プレス圧50kg/cm2、プレス時間4秒で連続成型を行い、材料破壊、皺発生の有無、成型保持性を評価した。
〇:良好、△:やや劣る、×:劣り実用に耐えない。
金型離型性:金型成型性と同様の処理を行い、金型からの離型性を評価した。
〇:良好、△:やや劣る、×:劣り実用に耐えない。
フランジ部の平坦性:(株)小坂研究所社製万能表面形状測定器にて中心線平均粗さを測定した。
不透明性:成型品のフランジ部、側面部、底面部の透明化の程度を目視にて評価した。
〇:透明化なし、△:透明化やや有り、×:完全に透明化して実用に耐えない。
Figure 2006022439
表の結果及び実施例から明らかなように、本発明の成型紙は、木材パルプと熱可塑性合成繊維と填料を主体とした坪量250g/m2以上の多層抄き板紙において、木材パルプの配合率が全層として51重量%以上である熱成型可能な成型紙を製造することにより、深絞り適性及び成型保持性があり、熱プレス成型時の作業性に優れ、不透明性、耐油性、耐水性があり、フランジ部の平坦性が良く、トップシール適性も備えた成型紙を提供することを可能とした。また耐熱用途ではフィルム貼りを行っても木材パルプの配合率を51重量%以上としたことにより容器包装リサイクル法で紙として扱われる。
詳細には、填料を含まない比較例1〜3においては、成形紙が不透明であり、中層中の熱可塑性合成繊維の配合率が20重量%でかつ表、裏層のそれが40重量%と本発明の範囲からはずれた配合量であるために、金型成形性および金型離型性も悪くかつフランジ部の平坦性は測定不可であった。比較例4の場合には、坪量、紙厚の不足が原因して耐醤油性および耐ソース性が非常に悪くかつ金型成形性も不十分であった。

Claims (5)

  1. N−BKP(針葉樹晒しクラフトパルプ)、熱可塑性合成繊維および填料を主体として組成されており、そして表層、中層、裏層で構成される坪量250g/m2以上の多層抄きの熱成形可能な成形紙において、熱可塑性合成繊維の配合率が表層および裏層においては0〜30重量%であり、そして中層においては30〜100重量%であり、全層として木材パルプの配合率が51重量%以上であり、JIS P 8118におけるステキヒトサイズ度が1000秒以上であることを特徴とする熱成型可能な成型紙。
  2. 熱可塑性合成繊維が、融点100〜180℃である多分岐状のポリエチレン系合成パルプであることを特徴とする請求項1記載の熱成型可能な成型紙。
  3. 填料が酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、クレー、合成ゼオライト、珪酸カルシウムであることを特徴とする請求項1または2記載の熱成型可能な成型紙。
  4. 熱成型後における成型品のはつ油度(キットNo.)がTAPPI実用試験法UM557 (1988年版)で7以上であり、水道水4μlを滴下した時の1秒後の動的接触角が70度以上であり、成型品のフランジ部の中心線平均粗さが20μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の熱成型可能な成型紙。
  5. 成型紙の表層にポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリメチルペンテンフィルムをラミネート加工したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の熱成型可能な成型紙。
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