JP2006022073A - フリルピリミジン誘導体又はその塩、及びその用途 - Google Patents

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功 宮崎
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Abstract

【課題】優れた抗腫瘍活性を有する新規な化合物の提供。
【解決手段】一般式(1)
Figure 2006022073

[式中、X及びYは、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基、ニトロ基、シアノ基、-CZ3、-NR1R2、-CO2R3、-S(O)n-R4、-NHC(O)R5、-C(O)NR6R7、-COR8、-CH2-OR9、-CH=CH-R10、-CH=CH-COOR11、及び-CH=CH-CONHR12から選ばれる1以上の原子又は置換基を示し;Aは、2つの窒素原子間に炭素数2〜10個の直鎖状、分枝状又は環状のアルキレン鎖を有するジアミノ基を示し、1つ又は2つの窒素原子は当該アルキレン鎖と一緒になって4〜7員の脂環式複素環基を形成してもよい;Bは、カルボニル基又はスルホニル基を示し;Cは、置換基を有していてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基又はα位が低級アルキル基で置換されていてもよいベンジル基を示す。]で表されるフリルピリミジン誘導体又はその塩。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なフリルピリミジン誘導体又はその塩に関する。
1942年に、GilmanとPhilipsにより、ナイトロジェンマスタードが悪性のリンパ腫の治療に用いられ、腫瘍の著しい縮小が観察された。以来現在までに、ビンカアルカロイド、エピポドフィロトキシン、プラチナ化合物、タキサン、カンプトテシンなどの誘導体が抗腫瘍剤として開発されてきている。しかしながら、これら抗腫瘍剤のほとんどは、細胞の増殖及び***過程を阻害するものであり、活発に増殖する癌細胞だけでなく、正常細胞にも作用を及ぼすことが知られている。したがって癌に対する効果が未だ不充分であり、すなわち、耐性を有すること、正常細胞に対する毒性があること、及び癌細胞に対して低選択性であることが従来の抗腫瘍剤の課題となっている。従って、癌化学療法の発展には、抗腫瘍効果、及び癌細胞に対する選択性の優れた抗腫瘍剤の開発がさらに望まれている。
フリルピリミジン誘導体は、従来から医薬品の基本構造として広く研究されている。フリルピリミジン誘導体のピリミジン環2位の置換基が、アミノ基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキルアミノ基であるアデノシン受容体拮抗剤(特許文献1)、ピリミジン環2位の置換基が、4-メチルピペラジン又は一方の窒素原子にメチル基を有していてもよいエチレンジアミンである5-HT2A 受容体作動薬(非特許文献1〜3)、ピリミジン環2位の置換基が、1置換又は2置換のフェニル基を有するアミノ基である抗喘息薬(特許文献2)等が報告されている。また、ピリミジン環上にピラゾールアミノ基を有するAuroraキナーゼ阻害剤(特許文献3、4)、ピリミジン環上に芳香環に置換されたアミノ基を有するrhoキナーゼ阻害剤(特許文献5)、フラン環上に2つの置換基を有し、その一方がアリール基であるRafキナーゼ阻害剤(特許文献6)、ピリミジン環2位の置換基が置換基を有していてもよいエチレンジアミンであり、その一方の窒素原子にアリール又はヘテロアリール基が結合したグリコーゲンシンターゼキナーゼ3阻害剤(特許文献7)等の各種キナーゼ阻害剤が抗腫瘍剤として有用であることが報告されている。しかしながら、ピリミジン環2位の置換基がアミド又はスルホンアミド基を有するアルキルアミノ基である化合物は知られていない。
国際公開03/035639号パンフレット 米国特許第4788195号明細書 米国特許出願公開第2003/055068号明細書 米国特許出願公開第2003/064982号明細書 国際公開03/062225号パンフレット 国際公開03/022840号パンフレット 国際公開02/20495号パンフレット Journal of Medicinal Chemistry 2000,Vol.43,No.10. 1901. Arch. Pharm. 328, 659(1995). Pharmazie 1994, 49, H. 11.
本発明の目的は、優れた抗腫瘍活性を有し、癌細胞に対して高い選択性を有する新規な化合物を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記一般式で表されるフリルピリミジン誘導体が優れた抗腫瘍活性を有することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は一般式(1)
Figure 2006022073
[式中、X及びYは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基、ニトロ基、シアノ基、-CZ3、-NR1R2、-CO2R3、-S(O)n-R4、-NHC(O)R5、-C(O)NR6R7、-COR8、-CH2-OR9、-CH=CH-R10、-CH=CH-COOR11、及び-CH=CH-CONHR12
(Zはハロゲン原子を示し;R1、R2 、R3 、R4、R6、R7及びR9は各々独立して水素原子、低級アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基及び置換基を有していてもよいアラルキル基もしくはヘテロアリールアルキル基から選ばれる原子又は置換基を示し、R6とR7は一緒になって置換基を有していてもよい4〜7員の脂環式複素環基を形成してもよい;R5は低級アルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を示し;R8は水素原子又は低級アルキル基を示し;R10及びR12は各々独立して置換基を有していてもよいアリール基又はヘテロアリール基を示し;R11は水素原子又は低級アルキル基を示し;nは0〜2の整数を示す)
から選ばれる1以上の原子又は置換基を示し;Aは、2つの窒素原子間に炭素数2〜10個の直鎖状、分枝状又は環状のアルキレン鎖を有するジアミノ基を示し、1つ又は2つの窒素原子は当該アルキレン鎖と一緒になって4〜7員の脂環式複素環基を形成してもよい;Bは、カルボニル基又はスルホニル基を示し;Cは、置換基を有していてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基又はα位が低級アルキル基で置換されていてもよいベンジル基を示す。フリル基のピリミジン環への結合位置は2位又は3位である。]
で表されるフリルピリミジン誘導体又はその塩を提供する。
本発明はまた、以下のフリルピリミジン誘導体から選ばれる化合物:
4-(2-フリル)-2-[1-[4 -(2-メトキシ-4-メチルベンゼンスルホニル)ピペラジノ]]ピリミジン
2-[1-[4 -(2,4-ジフルオロベンゼンスルホニル)ピペラジノ]]-4-(2-フリル)ピリミジン
4-(2-フリル)-2-[1-[4 -(2-フェニルブチロイル)ピペラジノ]]ピリミジン
4-(2-フリル)-2-[1-[4 -(2,5-ジフルオロベンゾイル)ピペラジノ]]ピリミジン
4-(2-フリル)-2-[1-[4 -(キノリン-8-スルホニル)ピペラジノ]]ピリミジン
2-[1-[4 -(3,4,5-トリフルオロベンゼンスルホニル)ピペラジノ]]-4-(2-フリル)ピリミジン
4-(2-フリル)-2-[1-[4 -(ピリジン-3-スルホニル)ピペラジノ]]ピリミジン
4-(2-フリル)-2-[1-[4 -(2,4-ジメトキシベンゼンスルホニル)ピペラジノ]]ピリミジン
2-[1-(4 -{[2-(4-クロロフェニル)-3-メチル]ブチロイル}ピペラジノ) ] -4-(2-フリル)ピリミジン
2-(N-{[N-(2,4-ジフルオロベンゼンスルホニル)-N-メチル]アミノ}エチル-N-メチル) アミノ-4-(2-フリル)ピリミジン
2-(4-{1-[(2,4-ジフルオロベンゼン)スルホニル]}ピペリジン) アミノ-4-(2-フリル)ピリミジン
2-[1−[4−(2−フェニルブチロイル)アミノ]ピペリジノ]−4−(2-フリル)ピリミジン
2-{N-[N-(2,4-ジフルオロベンゼンスルホニル)アミノ]エチル}アミノ-4-(2-フリル)ピリミジン
又はその塩を提供する。
本発明はまた、上記一般式(1)で表される化合物又はその塩を有効成分とする医薬組成物を提供する。
本発明は更に、上記一般式(1)で表される化合物又はその塩を有効成分とする抗腫瘍剤を提供する。
本発明のフリルピリミジン誘導体又はその塩は、優れた抗腫瘍活性を有し、また癌細胞に対する選択性が高く、抗腫瘍剤として有用である。
上記一般式(1)中のX及びYについて説明する。
「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。
「低級アルキル基」とは、炭素数1〜6の直鎖状又は分枝状のアルキル基を意味する。例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基等が挙げられ、メチル基又はエチル基が好ましい。
「低級アルコキシ基」とは、炭素数1〜6の直鎖状又は分枝状のアルコキシ基を意味する。例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基等が挙げられ、メトキシ基又はエトキシ基が好ましい。
「置換基を有していてもよいアリール基」の「アリール基」は、炭素数6〜20のアリール基を意味する。例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ベンズアントリル基、フェナントリル基等が挙げられ、フェニル基が好ましい。
「置換基を有していてもよいヘテロアリール基」の「ヘテロアリール基」とは、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる同種又は異種のヘテロ原子を1〜3個含む、単環式又は二環式の炭素数4〜9のヘテロアリール基を意味する。このようなヘテロアリール基としては、例えば、チエニル基、フリル基、ピロリル基、トリアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、イソチアゾリル基、イソキサゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、イソベンゾフリル基、インドリジニル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基等が挙げられ、ピリジル基又はフリル基が好ましい。
「置換基を有していてもよいアリール基」、「置換基を有していてもよいヘテロアリール基」の「置換基」としては、例えば、前記ハロゲン原子、前記低級アルキル基、トリフルオロメチル基、前記低級アルコキシ基、水酸基、ニトロ基、アミノ基、モノ又はジ低級アルキル置換アミノ基、低級アシルオキシ基、低級アシルアミノ基、シアノ基、カルボキシル基、カルボキシアミド基、低級アルコキシカルボニル基、モノ又はジ低級アルキル置換カルバモイル基、前記アリール基、前記ヘテロアリール基、アリールカルボニル基、ヘテロアリールカルボニル基、アリールカルボキシル基、ヘテロアリールカルボキシル基、アリールカルボキサミド基、アリール(N-低級アルキル)カルボキサミド基、ヘテロアリールカルボキサミド基、ヘテロアリール(N-低級アルキル)カルボキサミド基、アリールカルバモイル基、アリール(N-低級アルキル)カルバモイル基、ヘテロアリールカルバモイル基、ヘテロアリール(N-低級アルキル)カルバモイル基等が挙げられる。
モノ又はジ低級アルキル置換アミノ基とは、1つ又は2つの前記低級アルキル基で置換されたアミノ基を意味する。例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、N,N-ジメチルアミノ基、N,N-ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基等が挙げられる。
低級アシルオキシ基とは、前記低級アルキル基を有する、炭素数2〜7のアシルオキシ基を意味する。例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、n-ブチリルオキシ基、sec-ブチリルオキシ基、ピバロイルオキシ基等が挙げられる。
低級アシルアミノ基とは、前記低級アルキル基を有する、炭素数2〜7のアシルアミノ基を意味する。例えば、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、n-ブチリルアミノ基、sec-ブチリルアミノ基、ピバロイルアミノ基等が挙げられる。
低級アルコキシカルボニル基とは、前記低級アルコキシを有するカルボニル基を意味する。例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n-プロポキシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基等が挙げられる。
モノ又はジ低級アルキル置換カルバモイル基とは、1つ又は2つの前記低級アルキル基で置換されたカルバモイル基を意味する。例えば、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基等が挙げられる。
アリールカルボニル基とは、前記アリール基を有するカルボニル基を意味する。例えば、ベンゾイル基、ナフトイル基等が挙げられる。
ヘテロアリールカルボニル基とは、前記ヘテロアリール基を有するカルボニル基を意味する。例えば、ピリジルカルボニル基、フリルカルボニル基等が挙げられる。
アリールカルボキシル基とは、前記アリール基を有するカルボキシル基を意味する。例えば、フェニルカルボキシル基、ナフチルカルボキシル基等が挙げられる。
ヘテロアリールカルボキシル基とは、前記ヘテロアリール基を有するカルボニル基を意味する。例えば、ピリジルカルボキシル基、フリルカルボキシル基等が挙げられる。
アリールカルボキサミド基とは、前記アリール基を有するカルボキサミド基を意味する。例えば、フェニルカルボキサミド基等が挙げられる。
アリール(N-低級アルキル)カルボキサミド基とは、前記アリール基及び前記低級アルキル基を有するカルボキサミド基を意味する。例えば、フェニル-N-メチルカルボキサミド基等が挙げられる。
ヘテロアリールカルボキサミド基とは、前記ヘテロアリール基を有するカルボキサミド基を意味する。例えば、ピリジルカルボキサミド基、フリルカルボキサミド基等が挙げられる。
ヘテロアリール(N-低級アルキル)カルボキサミド基とは、前記ヘテロアリール基及び前記低級アルキル基を有するカルボキサミド基を意味する。例えば、ピリジル-N-メチルカルボキサミド基、フリル-N-メチルカルボキサミド基等が挙げられる。
アリールカルバモイル基とは、前記アリール基を有するカルバモイル基を意味する。例えば、フェニルカルバモイル基が挙げられる。
アリール(N-低級アルキル)カルバモイル基とは、前記アリール基及び前記低級アルキル基で置換されたカルバモイル基を意味する。例えば、N-フェニル-N-メチルカルバモイル基、N-フェニル-N-エチルカルバモイル基等が挙げられる。
ヘテロアリールカルバモイル基とは、前記アリール基を有するカルボキシル基を意味する。例えば、ピリジルカルバモイル基、フリルカルバモイル基等が挙げられる。
ヘテロアリール(N-低級アルキル)カルバモイル基とは、前記ヘテロアリール基及び前記低級アルキル基で置換されたカルバモイル基を意味する。例えば、N-ピリジル-N-メチルカルバモイル基、N-フリル-N-メチルカルバモイル基等が挙げられる。
これらの置換基の中で、ハロゲン原子、低級アルキル基又は低級アルコキシ基が好ましい。また、置換基の数は複数でもよく、その複数の置換基は同種でも異種でもよい。
R1〜R12の低級アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又はヘテロアリール基は前記と同様である。また、R1〜R4、R6、R7、R9の置換基を有していてもよいアラルキル基のアラルキル基とは、炭素数6〜20のアリール基と前記低級アルキル基とから構成される基を意味する。このようなアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられ、ベンジル基が好ましい。置換基を有していてもよいヘテロアルールアルキル基とは、前記ヘテロアリール基と前記低級アルキル基とから構成される基を意味する。このようなヘテロアルールアルキル基としては、ピリジルメチル基、ピリジルエチル基等が挙げられる。置換基を有していてもよい4〜7員の脂環式複素環基としては、ピペリジル基、ピペラジニル基、ピロリジニル基、ホモピペラジニル基、イミダゾリジニル基、ピラゾリジニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基等の窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる同種又は異種のヘテロ原子を1〜3個含む脂環式複素環基が挙げられる。
アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、脂環式複素環基が有する置換基は前記と同様であるが、低級アルキル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
-CZ3としては、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基等が挙げられる。
-NR1R2としては、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n-プロピルアミノ基、N,N-ジメチルアミノ基、N,N-ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、N-メチル-N-n-プロピルアミノ基、フェニルアミノ基、N,N-ジフェニルアミノ基、ベンジルアミノ基、ピリジルアミノ基、ピリジルメチルアミノ基、ピロリジニル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ピペラジニル基、N-メチルピペラジニル基等が挙げられ、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、N,N-ジメチルアミノ基、N,N-ジエチルアミノ基、フェニルアミノ基、ベンジルアミノ基、ピリジルアミノ基、ピリジルメチルアミノ基、ピロリジニル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ピペラジニル基又はN-メチルピペラジニル基が好ましい。
-CO2R3としては、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n-プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基、sec-ブトキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ナフトキシカルボニル基等が挙げられ、カルボキシル基、メトキシカルボニル基又はエトキシカルボニル基が好ましい。
-S(O)n-R4としては、チオール基、メチルチオ基、エチルチオ基、スルフェン酸基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、スルフィン酸基、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルチオ基、フェニルスルフィニル基、フェニルスルホニル基、ピリジルチオ基、ピリジルスルホニル基等が挙げられ、フェニルチオ基、フェニルスルホニル基、ピリジルチオ基又はピリジルスルホニル基が好ましい。
-NHC(O)R5としては、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、n-プロピルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ピリジルカルボニルアミノ基等が挙げられ、フェニルカルボニルアミノ基又はピリジルカルボニルアミノ基が好ましい。
-C(O)NR6R7としては、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、N,N-ジメチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、N,N-ジエチルアミノカルボニル基、N-メチル-N-エチルアミノカルボニル基、N-エチル-N-エチルアミノカルボニル基、n-プロピルアミノカルボニル基、N-メチル-N-n-プロピルアミノカルボニル基、N-エチル-N-n-プロピルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、N-メチルフェニルアミノカルボニル基、N-エチルフェニルアミノカルボニル基、ベンジルアミノカルボニル基、N-メチル-N-ベンジルアミノカルボニル基、N-エチル-N-ベンジルアミノカルボニル基、ピリジルアミノカルボニル基、N-メチル-N-ピリジルアミノカルボニル基、N-エチル-N-ピリジルアミノカルボニル基、ピリジルメチルアミノカルボニル基、N-メチル-N-ピリジルメチルアミノカルボニル基、N-エチル-N-ピリジルメチルアミノカルボニル基、ピロリジニルカルボニル基、ピペリジルカルボニル基、モルホリノカルボニル基、ピペラジニルカルボニル基、N-メチル-ピペラジニルカルボニル基等が挙げられる。
-COR8としては、ホルミル基、アセチル基等が挙げられる。
-CH2-OR9としては、ヒドロキシメチル基、フェノキシメチル基、ピリジルオキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、ピリジルメチルオキシメチル基、フェネチルオキシメチル基、ピリジルエチルオキシメチル基等が挙げられる。
-CH=CH-R10としては、スチリル基、ピリジルエテニル基等が挙げられる。
-CH=CH-COOR11としては、アクリロイル基、メトキシカルボニルエテニル基、エトキシカルボニルエテニル基等が挙げられる。
-CH=CH-CONHR10としては、フェニルアミノカルボキシエテニル基、ピリジルアミノカルボキシエテニル基等が挙げられる。
上記の原子又は置換基の中で、Xとしては、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、ニトロ基、シアノ基、-NR1R2、-COR8、-CH2-OR9、-CH=CH-R10、-CH=CH-COOR11及び-CH=CH-CONHR12が好ましく、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、ニトロ基又はシアノ基がより好ましく、特に水素原子又はハロゲン原子が好ましい。
Yとしては、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基(例えば、フェニル基)もしくはヘテロアリール基(例えば、フリル基、チエニル基)、ニトロ基、シアノ基、CZ3、-NR1R2、-CO2R8、-S(O)n-R4、-NHCOR5、-CONR6R7、-COR8、-CH2-OR9、-CH=CH-R10、-CH=CH-COOR11及び-CH=CH-CONHR12が好ましく、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、ニトロ基又はシアノ基がより好ましく、特に水素原子又はハロゲン原子が好ましい。
Aで示される2つの窒素原子間に炭素数2〜10個の直鎖状、分枝状又は環状のアルキレン鎖を有するジアミノ基とは、2つの窒素原子(一方の窒素原子はピリミジン環2位に結合し、他方の窒素原子はBに結合する)間に、エチレン基、プロピレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、メチルエチレン基、エチルエチレン基、メチルプロピレン基、エチルプロピレン基、シクロプロピレン基、シクロヘキシレン基等の炭素数2〜10個の直鎖状、分枝状又は環状のアルキレン鎖を有するジアミンから誘導される二価のジアミノ基である。
また、1つ又は2つの窒素原子は、当該アルキレン鎖と一緒になって4〜7員の脂環式複素環基を形成していてもよい。このような脂環式複素環としては、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、ホモピペラジン等が挙げられる。
従って、Aとしては、一般式(2)
Figure 2006022073
(式中、R13、R14、R15及びR16は、各々独立して水素原子、メチル基又はエチル基を示す。)
で表される基が好ましい。
具体的には、エチレンジアミノ基、エチルエチレンジアミノ基、シクロプロピレンジアミノ基、シクロヘキシレンジアミノ基、N,N-ジメチルエチレンジアミノ基、ピペラジノ基、ピロリジノ基、4-アミノピペリジノ基、1,3-プロパンジアミノ基、1,4-ブタンジアミノ基、1,5-ペンタンジアミノ基、1,6-ヘキサンジアミノ基、1,7-ヘプタンジアミノ基等が挙げられ、エチレンジアミノ基、N,N-ジメチルエチレンジアミノ基、ピペラジノ基又は4-アミノピペリジノ基が好ましい。
Cで示されるアリール基及びヘテロアリール基としては、前記と同様なものが挙げられる。アリール基としては、フェニル基が好ましく、ヘテロアリール基としてはピリジル基又はキノリル基が好ましい。アリール基又はヘテロアリール基が有する置換基については、前記と同様である。置換基としては、ハロゲン原子、低級アルキル基及び低級アルコキシ基から選ばれる基が好ましい。置換基の数は1〜3個が好ましく、複数の置換基が置換する場合には同種でも異種でもよい。
置換基を有していてもよいフェニル基、ピリジル基もしくはキノリル基としては、例えば、フェニル基、トルイル基、キシリル基、メトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、メチルメトキシフェニル基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、トリクロロフェニル基、ピリジル基、メチルピリジル基、クロロピリジル基、キノリル基、メチルキノリル基、クロロキノリル基等が挙げられる。
「α位が低級アルキル基で置換されたベンジル基」とは、α位が前記低級アルキル基で置換されたベンジル基を意味する。前記低級アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基又はイソプロピル基が好ましい。当該低級アルキル基は、更に前記ハロゲン原子、前記低級アルキル基及び前記低級アルコキシ基から選ばれる置換基で置換されていてもよい。また、ベンジル基のベンゼン環は、更に前記低級アルキル基、前記低級アルコキシ基、前記ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基等で置換されていてもよい。
α位が低級アルキル基で置換されたベンジル基としては、例えば、α-メチルベンジル基、α-エチルベンジル基、α-n-プロピルベンジル基、α-イソプロピルベンジル基、α-n-ブチルベンジル基、α-(1-メチルブチル)-p-クロロベンジル基、α-ペンチルベンジル基、α-ヘキシルベンジル基等が挙げられる。
Cとしては、置換基を有していてもよいフェニル基、ピリジル基もしくはキノリル基又はα位が低級アルキル基で置換されていてもよいベンジル基が好ましく、ハロゲン原子、低級アルキル基及び低級アルコキシ基から選ばれる置換基を有していてもよいフェニル基、ピリジル基もしくはキノリル基、又はα位がハロゲン原子、低級アルキル基及び低級アルコキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい低級アルキル基で置換されたベンジル基がより好ましく、フェニル基、ピリジル基もしくはキノリル基が特に好ましい。
本発明のフリルピリミジン誘導体において、フリル基のピリミジン環4位への結合位置はフリル基の2位又は3位であるが、2位が好ましい。
一般式(1)において、Xが、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、ニトロ基、シアノ基、-NR1R2、-COR8、-CH2-OR9、-CH=CH-R10、-CH=CH-COOR11及び-CH=CH-CONHR12を示し;Yが、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基(例えば、フェニル基)もしくはヘテロアリール基(例えば、フリル基、チエニル基)、ニトロ基、シアノ基、-CZ3、-NR1R2、-CO2R8、-S(O)n-R4、-NHCOR5、-CONR6R7、-COR8、-CH2-OR9、-CH=CH-R10、-CH=CH-COOR11及び-CH=CH-CONHR12を示し;Aが、前記一般式(2)で表される基を示し;Bがカルボニル基又はスルホニル基を示し;Cが置換基を有していてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基又はα位が低級アルキル基で置換されていてもよいベンジル基を示し;フリル基のピリミジン環への結合位置が2位又は3位であることが好ましく、
X及びYが、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、ニトロ基又はシアノ基を示し;Aが前記一般式(2)で表される基を示し;Bがカルボニル基又はスルホニル基を示し;Cがハロゲン原子、低級アルキル基及び低級アルコキシ基から選ばれる置換基を有していてもよいフェニル基、ピリジル基もしくはキノリル基又はα位がハロゲン原子、低級アルキル基及び低級アルコキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい低級アルキル基で置換されたベンジル基を示し;フリル基のピリミジン環への結合位置が2位であることがより好ましく、
X及びYが共に水素原子を示し;Aが前記一般式(2)で表される基を示し;Bがカルボニル基又はスルホニル基を示し;Cがフェニル基、ピリジル基もしくはキノリル基を示し;フリル基のピリミジン環への結合位置が2位であることが特に好ましい。
以上のように、一般式(1)で表される本発明の化合物は、ピリミジン環2位の置換基が前記A、Bにより形成されるアミド又はスルホンアミド基を有するアルキルアミノ基であることを特徴とするものである。
本発明の化合物は、薬学的に許容される塩を形成することができる。例えば、酸性基が存在する場合は、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ又はアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩、メチルアンモニウム塩、ジメチルアンモニウム塩、トリメチルアンモニウム塩等のアンモニウム塩を形成することができる。塩基性基が存在する場合には、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の鉱酸塩;酢酸塩、プロピオン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩等の有機酸塩を形成することができる。また、本発明の化合物又はその塩は溶媒和物として存在することもできる。溶媒和物には、結晶の晶出等に使用した溶媒が付加した溶媒和物の他に、空気中の水分を吸収して形成されるものも含む。溶媒の例としては、メタノール、エタノール等の低級アルコールをはじめ、アセトン、アセトニトリル、水などを挙げることができる。
一般式(1)で示される本発明の化合物は、下記工程1に従い製造することができる。
Figure 2006022073
(式中、Mはハロゲン原子を示し;X、Y及びAは前記と同様である。)
一般式(2)で表される化合物は、通常慣用の合成法で製造することができる。例えば、文献(Strekowski, L., et al Journal of Heterocyclic Chemistry,1990, 27, 1393.)の記載の方法に準じて合成することができる。
当該一般式(2)で表される化合物を文献(例えば、Mokrosz, M. J., et al Arch. Pharm. 1995, 328, 659.)に記載の方法又はこれに準じた方法によってAに相当するアミンと反応させることにより、一般式(3)で表される化合物が得られる。
アミンとしては、炭素数2〜10個の直鎖状、分枝状又は環状のアルキレン鎖を有するジアミンから誘導される二価のジアミノ基、又はその保護体であればいずれでもよい。例えば、ピペラジン、エチレンジアミン、N,N-ジメチルエチレンジアミン、4-アミノ-1-ピペリジン-カルボン酸エチルエステル、4-(N-Bocアミノ)ピペリジン等が挙げられる。当該保護体と、一般式(2)で表される化合物と反応させた場合は、保護基を公知の方法で脱保護して化合物(3)に変換した後、下記工程2に使用することができる。用いるアミンの量は反応に影響しない限り特に制限はないが、通常、一般式(2)で表される化合物1モルに対し1〜100モルであり、好ましくは1〜20モルである。
当該アミン又はその保護体は、塩基と共に反応させることができる。塩基としては、水素化ナトリウム、tert-ブトキシカリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等が挙げられる。通常、一般式(2)で表される化合物1モルに対し0.1〜100モルであり、好ましくは1〜10モルである。
反応は適当な溶媒中又は非溶媒で行う。溶媒としては特に制限されないが、ピリジン、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ベンゼン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が好ましく、特にピリジン又はテトラヒドロフランが好ましい。
反応温度は−30〜200℃、好ましくは50〜140℃であり、反応時間は0.1〜100時間、好ましくは1〜50時間である。
一般式(3)で表される化合物は必要に応じ単離精製することができるが、精製することなく次工程2に用いることもできる。
Figure 2006022073
(式中、X、Y、A、B及びCは前記と同様である。)
一般式(3)で表される化合物を用いて、アミド化又はスルホンアミド化することにより、一般式(1)で表される化合物を得ることができる。縮合反応は公知の方法に従えばよい。例えば、前記B-Cに相当するカルボン酸又はスルホン酸を縮合剤と共に用いるか、又は当該カルボン酸又はスルホン酸の酸ハライド体を塩基と共に用いる。
カルボン酸又はスルホン酸と縮合剤を用いる場合は、さらに縮合補助剤を加えてもよい。カルボン酸又はスルホン酸の使用量は、一般式(3)で表される化合物に1モルに対し、通常0.5〜10モルである。
縮合剤としては特に制限されるものではないが、例えば、1,3-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1-(3-ジメチルアミノプルピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(WSC)、カルボニルジイミダゾール(CDI)、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)等が挙げられる。縮合補助剤としては、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBT)、N-ヒドロキシスクシンイミド(HONSu)、N-ヒドロキシ-5-ノルボネン-2,3-ジカルボン酸イミド(HONB)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)等が挙げられる。
通常、一般式(3)で表される化合物1モルに対し、縮合剤0.5〜60モル、縮合補助剤0.01〜10モルであるが、好ましくは縮合剤1〜20モル、縮合補助剤0.1〜5モルである。
反応溶媒としては反応に影響しないものであれば特に制限はない。例えば、ピリジン、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ベンゼン等が挙げられる。
反応温度は通常−30〜100℃、好ましくは−20〜60℃であり、反応時間は0.1〜100時間、好ましくは1〜80時間である。
当該カルボン酸又はスルホン酸の酸ハライド体と塩基を用いる場合は、酸又は酸ハライド体の使用量は、一般式(3)で表される化合物1モルに対し、通常1〜10モルである。
塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等が挙げられる。通常、一般式(2)で表される化合物1モルに対し0.1〜100モルであり、好ましくは1〜10モルである。
反応溶媒としては反応に影響しないものであれば特に制限はない。例えば、ピリジン、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ベンゼン等が挙げられる。
反応温度は通常−30〜100℃、好ましくは−20〜60℃であり、反応時間は0.1〜100時間、好ましくは1〜80時間である。
本発明の化合物又はその塩は、公知の分離精製手段、例えば、濃縮、溶媒抽出、濾過、再結晶、各種クロマトグラフィー等を用いることにより単離精製が可能である。
本発明の化合物又はその塩を医薬として用いるに際し、予防又は治療目的に応じて各種の投与形態を採用することができる。当該形態としては、例えば、経口剤、注射剤、坐剤、軟膏剤、貼付剤等が挙げられ、これらの製剤は、各々当業者に公知慣用の製剤方法により製造できる。
経口用固形製剤を調製する場合は、本発明の化合物又はその塩に賦形剤、必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味・矯臭剤等の添加剤を加えた後、常法により錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等を製造することができる。そのような添加剤としては、当該分野で一般的に使用されるものであればよい。
例えば、賦形剤としては、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、微結晶セルロース、珪酸等が挙げられる。
結合剤としては、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、エチルセルロース、シェラック、リン酸カルシウム、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
崩壊剤としては、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、乳糖等が挙げられる。
滑沢剤としては、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ砂、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
着色剤としては、酸化チタン、酸化鉄等を、矯味・矯臭剤としては白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸等が挙げられる。
経口用液体製剤を調製する場合は、本発明の化合物又はその塩に矯味剤、緩衝剤、安定化剤、矯臭剤等を添加し、常法により内服液剤、シロップ剤、エリキシル剤等を製造することができる。矯味・矯臭剤としては、上記に挙げたものを用いることができる。緩衝剤としては、クエン酸ナトリウム等、安定剤としては、トラガント、アラビアゴム、ゼラチン等が挙げられる。
注射剤を調製する場合は、本発明の化合物又はその塩にpH調節剤、緩衝剤、安定化剤、等張化剤、局所麻酔剤等を添加し、常法により皮下、筋肉内又は静脈内用注射剤を製造することができる。この場合のpH調節剤及び緩衝剤としては、それぞれ、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等が挙げられる。安定化剤としては、ピロ亜硫酸ナトリウム、EDTA、チオグリコール酸、チオ乳酸等が挙げられる。局所麻酔剤としては、塩酸プロカイン、塩酸リドカイン等が挙げられる。等張化剤としては、塩化ナトリウム、ブドウ糖等が挙げられる。
坐剤を調製する場合は、本発明の化合物又はその塩に当業者において公知の製剤用担体、例えば、ポリエチレングリコール、ラノリン、カカオ脂、脂肪酸トリグリセリド等を、必要に応じてツイーン(登録商標)等の界面活性剤などを加えた後、常法により製造することができる。
軟膏剤を調製する場合は、本発明の化合物又はその塩に通常使用される基剤、安定剤、湿潤剤、保存剤等を必要に応じて配合でき、常法により混合、製剤化される。基剤としては、流動パラフィン、白色ワセリン、サラシミツロウ、オクチルドデシルアルコール、パラフィン等が挙げられる。保存剤としては、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル等が挙げられる。
貼付剤を調製する場合は、支持体に前記軟膏、クリーム、ゲル、ペースト等を常法により塗布すればよい。支持体としては、綿、スフ、化学繊維からなる織布、不織布、軟質塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン等のフィルム又は発泡体シートが好ましい。
上記の各投与単位形態中に配合されるべき本発明の化合物又はその塩は、患者の症状、その剤形等により一定ではないが、一般に投与単位形態あたり、経口剤では約1〜1000mg、注射剤では約0.1〜500mg、坐剤では約5〜1000mgとするのが望ましい。また、上記投与形態を有する薬剤の1日あたりの投与量は、患者の症状、体重、年齢、性別等によって異なるが、通常成人1日当たり約0.1〜5000mg、好ましくは1〜1000mgとすればよく、これを1日1回又は2〜4回程度に分けて投与するのが好ましい。
本発明の化合物又はその塩を含有する医薬を投与することにより治療できる疾病としては、例えば、頭頚部癌、食道癌、胃癌、結腸癌、直腸癌、肝臓癌、胆嚢・胆管癌、膵臓癌、肺癌、乳癌、卵巣癌、膀胱癌、前立腺癌、骨・軟部肉腫、悪性リンパ腫、白血病、多発性骨髄腫、子宮頚癌、皮膚癌、脳腫瘍等の悪性腫瘍が挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明をより詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[参考例1]
4-(2-フリル)-2-ピペラジノピリミジン
Figure 2006022073
文献(Strekowski, L., et al Journal of Heterocyclic Chemistry,1990, 27, 1393.)記載の方法で製造した2-クロロ-4-(2-フリル)ピリミジン2.0 g(11 mmol)をトルエン100 mLに溶かし溶液とした。ピペラジン19 g(220 mmol)を加え、1時間加熱還流後、反応液に飽和重曹水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分取、飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、標記化合物2.5 g(収率100%)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6) δ(ppm): 2.71-2.74(4H, m), 3.67-3.70(4H, m), 6.67 (1H, dd, J = 3.1, 1.5 Hz), 6.87(1H, d, J = 5.1 Hz), 7.25(1H, d, J = 3.1 Hz), 7.88(1H, d, J = 1.5 Hz), 8.36(1H, d, J = 5.1 Hz).
[実施例1]
4-(2-フリル)-2-[1-[4 -(2-メトキシ-4-メチルベンゼンスルホニル)ピペラジノ]]ピリミジン
Figure 2006022073
参考例1で得られた4-(2-フリル)-2-ピペラジノピリミジン100 mg(0.43 mmol)にピリジン4 mLを加え、溶解するまで撹拌した。得られた溶液に2-メトキシ-4-メチルベンゼンスルホニルクロライド143 mg(0.65 mmol)を加えた。室温で3日間撹拌後、反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分取、飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動層;酢酸エチル:ヘキサン=2:1(v/v))で精製し、標記化合物180 mg(収率100%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(DMSO-d6) δ(ppm): 2.35(3H, s), 3.13-3.15(4H, m), 3.82-3.84(4H, m), 3.87(3H, s), 6.67(1H, dd, J = 3.4, 1.7 Hz), 6.90(1H, d, J = 8.3 Hz), 6.94(1H, d, J = 5.0 Hz), 7.05(1H, s), 7.28(1H, d, J = 3.4 Hz), 7.61(1H, d, J = 8.3 Hz), 7.89(1H, d, J = 1.7 Hz), 8.38(1H, d, J = 5.0 Hz).
m.p.: 162-163 ℃
[実施例2]
2-[1-[4 -(2,4-ジフルオロベンゼンスルホニル)ピペラジノ]]-4-(2-フリル)ピリミジン
Figure 2006022073
参考例1で得られた4-(2-フリル)-2-ピペラジノピリミジン250 mg(1.09 mmol)にピリジン4 mLを加え、溶解するまで撹拌した。得られた溶液に2,4-ジフルオロベンゼンスルホニルクロライド0.22 mL(1.64 mmol)を加えた。室温で1時間撹拌後、反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分取、飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動層;酢酸エチル:ヘキサン=2:1(v/v))で精製し、標記化合物380 mg(収率86%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ(ppm): 3.25-3.27(4H, m), 3.98-4.01(4H, m), 6.53(1H, dd, J = 3.4, 1.7 Hz), 6.88(1H, d, J = 5.1 Hz), 6.92-7.03(2H, m), 7.13(1H, d, J = 3.4 Hz), 7.55(1H, d, J = 1.7 Hz), 7.85-7.91(1H, m), 8.31(1H, d, J = 5.1 Hz).
m.p.: 167-168 ℃
[実施例3]
4-(2-フリル)-2-[1-[4 -(2-フェニルブチロイル)ピペラジノ]]ピリミジン
Figure 2006022073
参考例1で得られた4-(2-フリル)-2-ピペラジノピリミジン250 mg(1.09 mmol)にTHF5 mLを加え、溶解するまで撹拌した。得られた溶液に、トリエチルアミン0.16 mL(1.31 mmol)、2-フェニルブチリルクロライド0.13 mL(1.31 mmol)を加えた。室温で1時間撹拌後、反応液に飽和重曹水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分取、飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動層;酢酸エチル:ヘキサン=2:1(v/v))で精製し、標記化合物290 mg(収率88%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ(ppm): 0.90(3H, t, J = 7.3 Hz), 1.73-1.83(1H, m), 2.10-2.21(1H, m), 3.09-3.15(1H, m),3.46-3.65(5H, m), 3.84-4.03(3H, m), 6.52(1H, dd, J = 3.4, 1.7 Hz), 6.85(1H, d, J = 5.1 Hz), 7.13(1H, d, J = 3.4 Hz), 7.20-7.33(5H, m), 7.54(1H, d, J = 1.7 Hz), 8.30(1H, d, J = 5.1 Hz).
m.p.: 116-117 ℃
[実施例4]
4-(2-フリル)-2-[1-[4 -(2,5-ジフルオロベンゾイル)ピペラジノ]]ピリミジン
Figure 2006022073
実施例3に準じて、参考例1で得られた4-(2-フリル)-2-ピペラジノピリミジン150 mg(0.65 mmol)と2,5-ジフルオロベンゾイルクロライド 0.122 mL(0.98 mmol)から標記化合物200 mg(収率83%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ(ppm): 3.43(2H, brs), 3.88-3.91(4H, m), 3.99-4.01(2H, m), 6.54(1H, dd, J = 3.4, 1.7 Hz), 6.92(1H, d, J = 5.1 Hz), 7.06-7.14(3H, m), 7.15(1H, d, J = 3.4 Hz), 7.56(1H, d, J = 1.7 Hz), 8.35(1H, d, J = 5.1 Hz).
m.p.: 140-141 ℃
[実施例5]
4-(2-フリル)-2-[1-[4 -(キノリン-8-スルホニル)ピペラジノ]]ピリミジン
Figure 2006022073
実施例1に準じて、参考例1で得られた4-(2-フリル)-2-ピペラジノピリミジン100 mg(0.43 mmol)とキノリン-8-スルホニルクロライド 148 mg(0.65 mmol)から標記化合物138 mg(収率76%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ(ppm): 3.53-3.55(4H, m), 3.94-3.96(4H, m), 6.52(1H, dd, J = 3.4, 1.7 Hz), 6.83(1H, d, J = 5.1 Hz), 7.12(1H, d, J = 3.4 Hz), 7.50(1H, dd, J = 8.3, 4.3 Hz), 7.53(1H, dd, J = 1.7, 0.7 Hz), 7.63(1H, dd, J = 8.0, 7.4 Hz), 8.03(1H, dd, J = 8.0, 1.5 Hz), 8.22(1H, dd, J = 8.3, 1.7 Hz), 8.28(1H, d, J = 5.1 Hz), 8.52(1H, dd, J = 7.4, 1.5 Hz), 9.06(1H, dd, J = 4.3, 1.7 Hz).
m.p.: 155-156 ℃
[実施例6]
2-[1-[4 -(3,4,5-トリフルオロベンゼンスルホニル)ピペラジノ]]-4-(2-フリル)ピリミジン
Figure 2006022073
実施例1に準じて、参考例1で得られた4-(2-フリル)-2-ピペラジノピリミジン280 mg(1.22 mmol)と3,4,5-トリフルオロベンゼンスルホニルクロライド 0.203 mL(1.46 mmol)から標記化合物270 mg(収率52%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ(ppm): 3.11-3.14(4H, m), 4.01-4.03(4H, m), 6.53(1H, dd, J = 3.6, 1.7 Hz), 6.89(1H, d, J = 5.0 Hz), 7.13(1H, d, J = 3.6 Hz), 7.42-7.45(2H, m), 7.55(1H, d, J = 1.7 Hz), 8.31(1H, d, J = 5.0 Hz).
m.p.: 178-179 ℃
[実施例7]
4-(2-フリル)-2-[1-[4 -(ピリジン-3-スルホニル)ピペラジノ]]ピリミジン
Figure 2006022073
実施例1に準じて、参考例1で得られた4-(2-フリル)-2-ピペラジノピリミジン100 mg(0.43 mmol)と3-ピリジルスルホニルクロライド塩酸塩 353 mg(0.65 mmol)から標記化合物40 mg(収率25%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ(ppm): 3.13-3.16(4H, m), 4.0-4.03(4H, m), 6.53(1H, dd, J = 3.4, 1.7 Hz), 6.87(1H, d, J = 5.1 Hz), 7.12(1H, d, J = 3.4 Hz), 7.48(1H, dd, J = 7.9, 4.9 Hz), 7.54(1H, d, J = 1.7 Hz), 8.06(1H, d, J = 7.9 Hz), 8.30(1H, d, J = 5.1 Hz), 8.82(1H, dd, J = 4.9, 1.4 Hz), 9.00(1H, d, J = 2.2 Hz).
m.p.: 145-146 ℃
[実施例8]
4-(2-フリル)-2-[1-[4 -(2,4-ジメトキシベンゼンスルホニル)ピペラジノ]]ピリミジン
Figure 2006022073
実施例1に準じて、参考例1で得られた4-(2-フリル)-2-ピペラジノピリミジン100 mg(0.43 mmol)と2,5-ジメトキシベンゼンスルホニルクロライド 154 mg(0.65 mmol)から標記化合物180 mg(収率97%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ(ppm): 3.33-3.35(4H, m), 3.81(3H, s), 3.87(3H, s), 3.97-3.99(4H, m), 6.55(1H, dd, J = 3.3, 1.7 Hz), 6.90(1H, d, J = 5.3 Hz), 6.93(1H, d, J = 9.0 Hz), 7.05(1H, dd, J = 9.0, 3.2 Hz), 7.18(1H, d, J = 3.3 Hz), 7.45(1H, d, J = 3.2 Hz), 7.58(1H, brs), 8.35(1H, d, J = 5.3 Hz).
m.p.: 133-136℃
[実施例9]
2-[1-(4 -{[2-(4-クロロフェニル)-3-メチル]ブチロイル}ピペラジノ) ] -4-(2-フリル)ピリミジン
Figure 2006022073
実施例1に準じて、参考例1で得られた4-(2-フリル)-2-ピペラジノピリミジン150 mg(0.65 mmol)と2-(4-クロロフェニル)-3-メチルブチロイルクロライド 0.15 mL(0.98 mmol)から標記化合物212 mg(収率77%)を淡黄色粉末として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ(ppm): 0.69(3H, d, J = 6.7 Hz), 1.04(3H, d, J = 6.4 Hz), 2.42-2.51(1H, m), 3.35(1H, d, J = 9.9 Hz), 3.32-3.38(1H, m), 3.56-3.66(4H, m),3.80-3.94(3H, m), 6.53(1H, dd, J = 3.5, 1.8 Hz),6.88(1H, d, J = 5.0 Hz), 7.14(1H, dd, J = 3.5, 0.8 Hz), 7.28(4H, brs), 7.55(1H, dd, J = 1.8, 0.8 Hz), 8.32(1H, d, J = 5.0 Hz).
m.p.: 114-115 ℃
[実施例10]
2-(N-{[N-(2,4-ジフルオロベンゼンスルホニル)-N-メチル]アミノ}エチル-N-メチル) アミノ-4-(2-フリル)ピリミジン
Figure 2006022073
参考例1及び実施例1に準じ、2-クロロ-4-(2-フリル)ピリミジンと、N,N-ジメチルエチレンジアミン、2,4-ジフルオロベンゼンスルホニルクロライドと反応させ、標記化合物を油状物質として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ(ppm): 3.0(3H, d, J = 1.7 Hz), 3.19(3H, s), 3.45(2H, t, J = 6.6 Hz), 3.87(2H, t, J = 6.6 Hz), 6.53(1H, dd, J = 3.4, 1.7 Hz), 6.83-6.95(2H, m), 6.85(1H, d, J = 5.0 Hz), 7.13(1H, dd, J = 3.4, 0.9 Hz), 7.54(1H, dd, J = 1.7, 0.9 Hz), 7.83-7.89(1H, m), 8.30(1H, d, J = 5.0 Hz).
[実施例11]
2-(4-{1-[(2,4-ジフルオロベンゼン)スルホニル]}ピペリジン) アミノ-4-(2-フリル)ピリミジン
Figure 2006022073
参考例1及び実施例1に準じ、2-クロロ-4-(2-フリル)ピリミジンと、4-アミノ-1-ピペリジン-カルボン酸エチルエステル、2,4-ジフルオロベンゼンスルホニルクロライドと反応させ、標記化合物を油状物質として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ(ppm): 1.59-1.68(2H, m), 2.13-2.18(2H, m), 2.85-2.91(2H, m), 3.74-3.78(2H, m), 3.91-4.00(1H, m), 5.03(1H, d, J = 7.6 Hz), 6.53(1H, dd, J = 3.4, 1.7 Hz), 6.89(1H, d, J = 5.1 Hz), 6.96-7.04(2H, m), 7.09(1H, d, J = 3.4 Hz), 7.55(1H, d, J = 1.7 Hz), 7.86-7.91(1H, m), 8.27(1H, d, J = 5.1 Hz).
m.p.: 176.5-177 ℃
[実施例12]
2-[1-[4-(2-フェニルブチロイル)アミノ]ピペリジノ]-4-(2-フリル)ピリミジン
Figure 2006022073
参考例1及び実施例1に準じ、2-クロロ-4-(2-フリル)ピリミジンと、4-(N-Bocアミノ)ピペリジン、2-フェニルブチリルクロライドと反応させ、標記化合物を油状物質として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ(ppm): 0.88(3H, t, J = 7.3 Hz), 1.19-1.35(2H, m), 1.73-1.82(1H, m), 1.88-1.91(1H, m), 1.97-2.00(1H, m), 2.14-2.25(1H, m), 3.01-3.11(2H, m), 3.19(1H, brt, J = 7.5 Hz), 4.00-4.08(1H, m), 4.61-4.68(2H, m), 5.25(1H, brd, J = 7.8 Hz), 6.52(1H, dd, J = 3.4, 1.9 Hz), 6.82(1H, d, J = 5.0 Hz), 7.13(1H, dd, J = 3.4, 0.7 Hz), 7.23-7.34(5H, m), 7.53(1H, dd, J = 1.9, 0.7 Hz), 8.30(1H, d, J = 5.0 Hz).
m.p.: 153-154 ℃
[実施例13]
2-{N-[N-(2,4-ジフルオロベンゼンスルホニル)アミノ]エチル}アミノ-4-(2-フリル)ピリミジン
Figure 2006022073
参考例1及び実施例1に準じ、2-クロロ-4-(2-フリル)ピリミジンと、エチレンジアミン、2,4-ジフルオロベンゼンスルホニルクロライドと反応させ、標記化合物を油状物質として得た。
1H-NMR(CDCl3) δ(ppm): 3.28-3.32(2H, m), 3.57-3.61(2H, m), 5.39(1H, brs), 6.56(1H, dd, J = 3.6, 1.7 Hz), 6.70-6.86(1H,brs), 6.80-6.86(1H, m), 6.90-6.93(1H, m), 6.94(1H, d, J = 5.1 Hz), 7.17(1H, d, J = 3.6 Hz), 7.59(1H, d, J = 1.7 Hz), 7.84-7.90(1H, m), 8.28(1H, d, J = 5.1 Hz).
m.p.: 143.5-144℃
[試験例1]
JHH-7細胞(ヒト肝細胞癌株)に対するin vitro殺細胞試験
ASF104培地(味の素社製)中に浮遊させたJHH-7細胞浮遊液を96ウェル平底マイクロプレートの各ウェルに4×103個(0.1 mL)ずつ播種し、5%炭酸ガス含有の培養器中37℃で1日培養した。本発明の化合物をジメチルスルホキシドにて10 mMの濃度に溶解し、更に、ASF104培地を用いて、本発明の化合物の最終濃度がそれぞれ30、10、3、0.3、0.1 μMになるように希釈を行った。これを先に述べたJHH-7細胞の培養プレートの各ウェルに0.1 mLずつ加え、5%炭酸ガス含有の培養器中37℃で3日間培養した。培養後、25%グルタルアルデヒド水溶液(ナカライテスク社製)を各ウェルに20 μLずつ添加し、室温で20分放置し、細胞を固定した。その後、プレートを水にて洗浄し乾燥させた。0.05%クリスタルバイオレット/20%メタノール水溶液(和光純薬工業社製)を各ウェルに100 μLずつ添加し、室温で20分放置し、細胞を染色した。その後、プレートを水道水にて洗浄し乾燥させた。各ウェルに0.05 M NaH2PO4/エタノール (1/1= v/v) 100 μLを加え、クリスタルバイオレットを抽出した。抽出されたクリスタルバイオレットの540nmにおける吸光度をマイクロプレートリーダーで測定し、生細胞数の指標とした。以下の式より抑制率を算出し、50%抑制する被検化合物の濃度(IC50(μM))を求めた。
抗腫瘍剤として有用である化合物BAY 43-9006 (Curr. Pharm. Des. 2002, 8, 2255) についても同様にin vitro殺細胞試験を実施した。
抑制率(%)=(C−T)/C×100
T : 被検化合物を添加したウェルの吸光度
C : 被検化合物を添加しなかったウェルの吸光度
Figure 2006022073
表1から明らかなように、本発明の化合物又はその塩は、BAY 43-9006と同等以上の殺細胞活性を示すことから、優れた抗腫瘍活性を有することが確認された。
正常肝細胞について試験例1と同様の方法を用いてin vitro殺細胞試験を実施した。正常肝細胞に対するIC50は、BAY 43-9006が3.46μMであったのに対し、本発明の化合物(実施例2、実施例11の化合物)は30μM以上であり、癌細胞に対して優れた選択性を示すことが確認された。

Claims (11)

  1. 一般式(1)
    Figure 2006022073
    [式中、X及びYは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基、ニトロ基、シアノ基、-CZ3、-NR1R2、-CO2R3、-S(O)n-R4、-NHC(O)R5、-C(O)NR6R7、-COR8、-CH2-OR9、-CH=CH-R10、-CH=CH-COOR11、及び-CH=CH-CONHR12
    (Zはハロゲン原子を示し;R1、R2 、R3 、R4、R6、R7及びR9は各々独立して水素原子、低級アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基及び置換基を有していてもよいアラルキル基もしくはヘテロアリールアルキル基から選ばれる原子又は置換基を示し、R6とR7は一緒になって置換基を有していてもよい4〜7員の脂環式複素環基を形成してもよい;R5は低級アルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を示し;R8は水素原子又は低級アルキル基を示し;R10及びR12は各々独立して置換基を有していてもよいアリール基又はヘテロアリール基を示し;R11は水素原子又は低級アルキル基を示し;nは0〜2の整数を示す)
    から選ばれる1以上の原子又は置換基を示し;Aは、2つの窒素原子間に炭素数2〜10個の直鎖状、分枝状又は環状のアルキレン鎖を有するジアミノ基を示し、1つ又は2つの窒素原子は当該アルキレン鎖と一緒になって4〜7員の脂環式複素環基を形成してもよい;Bは、カルボニル基又はスルホニル基を示し;Cは、置換基を有していてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基又はα位が低級アルキル基で置換されていてもよいベンジル基を示す。フリル基のピリミジン環への結合位置は2位又は3位である。]
    で表されるフリルピリミジン誘導体又はその塩。
  2. X及びYが各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、ニトロ基又はシアノ基を示すものである請求項1記載のフリルピリミジン誘導体又はその塩。
  3. Aが一般式(2)
    Figure 2006022073
    [式中、R13、R14、R15及びR16は、各々独立して水素原子、メチル基又はエチル基を示す。]
    で表される基を示すものである請求項1又は2記載のフリルピリミジン誘導体又はその塩。
  4. Cが、置換基を有していてもよいフェニル基、ピリジル基もしくはキノリル基又はα位が低級アルキル基で置換されていてもよいベンジル基を示すものである請求項1〜3のいずれか1項記載のフリルピリミジン誘導体又はその塩。
  5. Cが、ハロゲン原子、低級アルキル基及び低級アルコキシ基から選ばれる置換基を有していてもよいフェニル基、ピリジル基もしくはキノリル基、又はα位がハロゲン原子、低級アルキル基及び低級アルコキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい低級アルキル基で置換されたベンジル基を示すものである請求項1〜4のいずれか1項記載のフリルピリミジン誘導体又はその塩。
  6. Xが、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、ニトロ基、シアノ基、-NR1R2、-COR8、-CH2-OR9、-CH=CH-R10、-CH=CH-COOR11及び-CH=CH-CONHR12を示し;Yが、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基、ニトロ基、シアノ基、-CZ3、-NR1R2、-CO2R8、-S(O)n-R4、-NHCOR5、-CONR6R7、-COR8、-CH2-OR9、-CH=CH-R10、-CH=CH-COOR11及び-CH=CH-CONHR12を示し;Aが前記一般式(2)[式中、R13、R14、R15及びR16は、前記定義のとおりである。] で表される基を示し;Bがカルボニル基又はスルホニル基を示し;Cが、置換基を有していてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基又はα位が低級アルキル基で置換されていてもよいベンジル基を示し;フリル基のピリミジン環への結合位置が2位又は3位である請求項1〜5のいずれか1項記載のフリルピリミジン誘導体又はその塩。
  7. X及びYが、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、ニトロ基又はシアノ基を示し;Aが前記一般式(2)[式中、R13、R14、R15及びR16は、前記定義のとおりである。] で表される基を示し;Bがカルボニル基又はスルホニル基を示し;Cが、ハロゲン原子、低級アルキル基及び低級アルコキシ基から選ばれる置換基を有していてもよいフェニル基、ピリジル基もしくはキノリル基又はα位がハロゲン原子、低級アルキル基及び低級アルコキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい低級アルキル基で置換されたベンジル基を示し;フリル基のピリミジン環への結合位置が2位である請求項1〜5のいずれか1項記載のフリルピリミジン誘導体又はその塩。
  8. X及びYが共に水素原子を示し;Aが前記一般式(2)[式中、R13、R14、R15及びR16は、前記定義のとおりである。] で表される基を示し;Bがカルボニル基又はスルホニル基を示し;Cが、フェニル基、ピリジル基又はキノリル基を示し;フリル基のピリミジン環への結合位置が2位である請求項1〜5のいずれか1項記載のフリルピリミジン誘導体又はその塩。
  9. 以下のフリルピリミジン誘導体から選ばれる化合物:
    4-(2-フリル)-2-[1-[4 -(2-メトキシ-4-メチルベンゼンスルホニル)ピペラジノ]]ピリミジン
    2-[1-[4 -(2,4-ジフルオロベンゼンスルホニル)ピペラジノ]]-4-(2-フリル)ピリミジン
    4-(2-フリル)-2-[1-[4 -(2-フェニルブチロイル)ピペラジノ]]ピリミジン
    4-(2-フリル)-2-[1-[4 -(2,5-ジフルオロベンゾイル)ピペラジノ]]ピリミジン
    4-(2-フリル)-2-[1-[4 -(キノリン-8-スルホニル)ピペラジノ]]ピリミジン
    2-[1-[4 -(3,4,5-トリフルオロベンゼンスルホニル)ピペラジノ]]-4-(2-フリル)ピリミジン
    4-(2-フリル)-2-[1-[4 -(ピリジン-3-スルホニル)ピペラジノ]]ピリミジン
    4-(2-フリル)-2-[1-[4 -(2,4-ジメトキシベンゼンスルホニル)ピペラジノ]]ピリミジン
    2-[1-(4 -{[2-(4-クロロフェニル)-3-メチル]ブチロイル}ピペラジノ) ] -4-(2-フリル)ピリミジン
    2-(N-{[N-(2,4-ジフルオロベンゼンスルホニル)-N-メチル]アミノ}エチル-N-メチル) アミノ-4-(2-フリル)ピリミジン
    2-(4-{1-[(2,4-ジフルオロベンゼン)スルホニル]}ピペリジン) アミノ-4-(2-フリル)ピリミジン
    2-[1−[4−(2−フェニルブチロイル)アミノ]ピペリジノ]−4−(2-フリル)ピリミジン
    2-{N-[N-(2,4-ジフルオロベンゼンスルホニル)アミノ]エチル}アミノ-4-(2-フリル)ピリミジン
    又はその塩。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項記載のフリルピリミジン誘導体又はその塩を有効成分とする医薬組成物。
  11. 請求項1〜9のいずれか1項記載のフリルピリミジン誘導体又はその塩を有効成分とする抗腫瘍剤。
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