JP2006021144A - 排ガス浄化用触媒及びその調製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高温耐久性と共に触媒活性を高めた排ガス浄化用触媒及びその調製方法を提供する。
【解決手段】基材と、基材上に担持され、かつ、表面の少なくとも一部に一種以上の貴金属から形成される貴金属層を被覆すると共に、粒径が5nm〜100nmである微粒子と、を含むことを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】基材と、基材上に担持され、かつ、表面の少なくとも一部に一種以上の貴金属から形成される貴金属層を被覆すると共に、粒径が5nm〜100nmである微粒子と、を含むことを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、自動車等の移動体に搭載されて、排ガス中の有害成分を浄化する排ガス浄化用触媒及びその調製方法に関する。
排ガス浄化用触媒の研究開発が従来から各種進められており、近年の自動車の排ガス規制強化に伴い、排ガス浄化用触媒の触媒性能を向上させることが望まれている。
排ガス浄化用触媒の触媒性能を向上させる対策の1つとして、基材表面に担持する貴金属を微粒子化する方法がある。貴金属を微粒子化すると貴金属粒子の表面積が大きくなり、排ガス中の有害成分との接触面積が拡大して排ガス浄化用触媒の性能が向上する。貴金属を微粒子化する方法として、逆ミセル法(マイクロエマルジョン)がある。
例えば、逆ミセル法を用いて貴金属を微粒子化すると同時に、貴金属よりも低価格である酸素吸蔵能等の効果がある金属を微粒子化し、貴金属微粒子と金属微粒子とを基材上に担持する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。本方法によれば、逆ミセル法により貴金属又は金属を微粒子化した後、貴金属微粒子又は金属微粒子のいずれかを含浸法により担持するか、又は、貴金属微粒子及び金属微粒子の各々を還元又は水酸化物とした状態で互いに混合して基材に担持している。
特開2000−42411号公報
しかしながら、前述した逆ミセル法により貴金属を微粒子化する製法では、粒径を正確に制御して貴金属を微粒子化できるという利点があるが、大量生産には不向きであり量産化することが難しかった。
また、所謂含浸法によって基材に担持した貴金属粒子の初期粒径は、nm以下の超微粒子状態であるが、高温の酸化雰囲気下に排ガス浄化用触媒を晒すと、その表面が酸化されて、近傍の貴金属粒子と合体して数10nmに粗大化してしまう。特に、自動車等の移動体に搭載される排ガス浄化用触媒は、高温酸化雰囲気下に長期に亘り晒されるため、貴金属粒子の表面積の低下に伴い、排ガスの浄化率が低下してしまう恐れがあった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、すなわち、本発明の排ガス浄化用触媒は、基材と、基材上に担持され、かつ、表面の少なくとも一部に一種以上の貴金属から形成される貴金属層を被覆すると共に、粒径が5nm〜100nmである微粒子と、を含むことを要旨とする。
本発明の排ガス浄化用触媒の調製方法は、無機化合物から形成される微粒子の表面の一部に、めっき法又は化合物分解法を用いて一種以上の貴金属から形成される貴金属層を被覆して触媒活性成分とする触媒活性成分調製工程と、触媒活性成分を基材上に担持する担持工程と、を含むことを要旨とする。
本発明の排ガス浄化用触媒によれば、高温耐久性と共に触媒活性を高めることができる。
本発明の排ガス浄化用触媒の調製方法によれば、高温耐久性と共に触媒活性を高めた排ガス浄化用触媒を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態に係る排ガス浄化用触媒及びその調整方法について、図1及び図2を用いて説明する。
本発明の実施の形態に係る排ガス浄化用触媒は、基材上に微粒子を担持して構成される。微粒子の表面の少なくとも一部には、白金、パラジウム及びロジウムの中から選択される少なくとも一種以上の貴金属から形成される貴金属層を被覆しており、微粒子の粒径が5nm〜100nmである。なお、微粒子の粒径を5nm〜100nmと規定したが、微粒子が球状である場合に限定されるものではなく、微粒子が楕円形状である場合には、長軸方向における径が5nm〜100nmであることを意味する。
このようにナノ単位である微粒子の表面の一部に貴金属から形成される貴金属層を被覆したため、貴金属層がシェル形状となり貴金属の比表面積が大きくなる。
さらに、通常の含浸法を用いて貴金属を基材に担持した触媒に比べて、微粒子表面に貴金属層を被覆した触媒活性成分を触媒中に分散したため、貴金属粒子間の距離を大きくすることができる。この結果、高温酸化雰囲気下に排ガス浄化用触媒を長期に亘り晒した場合であっても、貴金属粒子のシンタリングを抑制でき、高温耐久性が高まる結果、排ガス浄化率の低下を防止することができる。さらに、微粒子の粒径を5nm〜100nmと規定したが、粒径が5nm未満になると、含浸法と何ら変わらず、高温耐久性が向上しないからである。一方、微粒子の粒径が100nmを超えると、γ−アルミナに貴金属を担持した従来の触媒と同様となり、貴金属粒子の分散性が低下するからである。
また、上記排ガス浄化用触媒において、貴金属層の厚さは、0.3nm〜3nmとすることが好ましい。このように本範囲に貴金属層の厚さを規定したが、厚さが0.3nm未満になると貴金属層を形成することができず、一方、厚さが3nmを超えると貴金属量が増えて高コスト化するからである。
さらに、上記排ガス浄化用触媒において、微粒子は、無機化合物から形成されることが好ましい。この理由は、微粒子を有機化合物から形成すると、微粒子が燃えてしまい貴金属層を形成することができないからである。また、無機化合物から微粒子を形成することにより、Pt等の貴金属の凝集を抑制することができる。より具体的には、微粒子は、アルミナ、セリア、ジルコニア、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の中から選択される少なくとも一種以上の無機化合物から形成することが好ましい。また、微粒子は、アルミナ、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化ケイ素、酸化マンガン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化銅、酸化コバルト、酸化タングステン、酸化モリブデン、チタンシリケート、アルミニウムシリケート、チタン酸バリウム及びこれらの複合化合物の中から選択される少なくとも一種以上の無機化合物から形成することが好ましい。
さらに、上記排ガス浄化用触媒において、貴金属層は、めっき法又は化合物分解法を用いて微粒子の少なくとも一部の表面に被覆して形成することが実用的であり好ましい。めっき法又は化合物分解法により貴金属層を形成すると、後述するように、貴金属層の厚さを制御することができるため、比表面積を大きくして触媒活性を高めることができる。
次に、本発明の実施の形態に係る排ガス浄化用触媒の調製方法について説明する。本発明の実施の形態に係る排ガス浄化用触媒の調製方法は、無機化合物から形成される微粒子の表面の一部に、めっき法又は化合物分解法を用いて一種以上の貴金属から形成される貴金属層を被覆して触媒活性成分とする触媒活性成分調製工程と、触媒活性成分を基材上に担持する担持工程と、を含むものである。本調製方法によれば、貴金属の比表面積を大きくすることができ、貴金属間の距離を広げて貴金属の分散性を高めることができる。この結果、高温耐久性に優れ、触媒活性の高い排ガス浄化用触媒を得ることができる。
上記排ガス浄化用触媒の調製方法の触媒活性成分調整工程において、めっき処理を用いて、触媒活性成分を調整する工程を図1により説明する。
図1に示すように、まず、長軸方向の径が30nmのアルミナ粒子1を用いて、アルミナ粒子1表面の一部にPtめっき処理をする(第1段階A(前処理))。すると、アルミナ粒子1の表面の一部にPtめっき層2が薄く形成される。その後、再度めっき処理をする(第2段階B(正規Ptめっき処理))。正規Ptめっき処理では、前処理で形成されたPtめっき層2上に、選択的にPtめっきが施されてPt貴金属層3の厚さが増大したPtめっき粒子となる。
また、触媒活性成分調整工程における貴金属層を形成する貴金属の比表面積を16m2/g〜175m2/gとすることが好ましい。貴金属の比表面積を本範囲に規定した理由は、比表面積が16m2/g未満になると比表面積が小さくなりすぎて高い触媒活性が得られないからであり、逆に、比表面積が175m2/gを超える場合は、無機化合物の微粒子径が小さく成りすぎ、所謂含浸法と変わらなくなるからである。
さらに、めっき法は、無電解めっき法を用いることが好ましく、めっき液中の貴金属量に応じて、微粒子上に形成する貴金属層の被覆率及び厚さを制御するものである。一方、化合物分解法は、微粒子に塗布する貴金属化合物の液量及び濃度に応じて、微粒子上に形成した貴金属層の被覆率及び厚さを制御するものである。本調製方法によれば、微粒子を被覆する貴金属の被覆率及び貴金属の比表面積を正確に制御することができる。
以下、実施例及び比較例を用いて具体的に説明するが、本発明の排ガス浄化用触媒は、例示した実施例に限定されるものではないことはもちろんである。
<実施例1>
実施例1では、径が5nmのセリアを使用して調製したPt厚0.3nmのPt粒子Aを用いた。
実施例1では、径が5nmのセリアを使用して調製したPt厚0.3nmのPt粒子Aを用いた。
めっき槽(1.5L)にTP-502めっき液(田中貴金属工業製)133.3ml(Pt量4g)、アンモニア水(28%)133.3ml、TP-502用還元剤133.3mlを順次加えた。これに純水約900ml、TP-502用めっき開始剤50ml、純水をさらに加えて1Lに調整した。調製した溶液中にセリア(径5nm)10.9gを加えてスターラーで攪拌しながら、めっき槽をウオーターバスで徐々に加熱し、50分で70℃まで温度を上げて、70℃で10分間保った。めっき液からガスが発生していないことを確認した後、めっき液の液温を室温まで下げてろ過し、純水で洗浄を繰り返して乾燥し、一部Pt被覆層付きセリア(Pt厚さ:0.3nm)粒子を調製した。この粒子のPt含有量は26.84%であった(Pt粒子A)。Pt粒子A をTEMで観察したところ、一部分だけにPtが付着しており、Ptが付着していない箇所が6割以上であり、Ptの比表面積は175 m2/gであった。
アルミナ基材(γ-アルミナに酸化セリウム9%、酸化ジルコニウム6%、酸化ランタン6%を複合化したもの)124.25g、セリア基材(セリアに酸化ジルコニウムを25%複合化したもの)45.875g、ベーマイトアルミナ1.6g、及びPt粒子A2.725gをボールミルに加えた後、さらに、水307.5g、10%硝酸水溶液17.5gを加えて、Pt粒子を分散させると共に粉末を粉砕し、平均粒径3μmのスラリとした(スラリa)。
次に、ジルコニウムとして3%を含むγ-アルミナと酸化ジルコニウム複合化合物に硝酸ロジウムを含浸し、ロジウム0.6%担持粉末を調製した。また、酸化ジルコニウムに酸化セリウムを24%複合化してジルコニア基材を調製した。ロジウム0.6%担持粉末116.55g、ジルコニア基材44.45g、アルミナ基材11g、ベーマイトアルミナ3gを順次ボールミルに加えた後、さらに、水307.5g、10%硝酸水溶液17.5gを加えて粉砕して平均粒径3μmのスラリとした(スラリR)。
直径36φ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)にスラリaを141g/Lコーティングした後、乾燥し、その後、スラリRを59g/Lコーティングし、乾燥後、400℃で焼成して実施例1の試料とした。得られた実施例1の触媒は、Pt 0.587g/L、Rh0.236g/Lを各々担持した触媒である。
<実施例2>
実施例2では、径が10nmのセリアを使用して調製したPt厚0.5nmのPt粒子Bを用いた。
実施例2では、径が10nmのセリアを使用して調製したPt厚0.5nmのPt粒子Bを用いた。
めっき槽(1.5L)にTP-502めっき液(田中貴金属工業製)66.7ml(Pt量2g)、アンモニア水(28%)66.7ml、TP-502用還元剤66.7mlを順次加えた。さらに、純水約900mlまで加えた後、TP-502用めっき開始剤50mlを加え、さらに純水を加えて1Lに調整した。この溶液にセリア(径10nm)12.52gを加えてスターラーで攪拌しながら、めっき槽をウオーターバスで徐々に加熱して50分で70℃まで温度を上げて、10分間、70℃を保持した。めっき液からガスが発生していないことを確認した後、液温を室温まで下げてろ過し、純水で洗浄を繰り返して乾燥した後、一部Pt被覆層付きアルミナ(Pt厚さ:0.278nm)粒子を調製した。この粒子のPt含有量は13.77%であった(Ptめっき粒子b)。TEMにて観察したところ、一部分だけにPtが付着しており、Ptが付着していない箇所が6割以上であった。
次に、めっき槽(1.5L)にTP-502めっき液(田中貴金属工業製)58.7ml(Pt量1.76g)、アンモニア水(28%)58.7mlを順次加えた後、TP-502用還元剤58.7mlを加えた。さらに、純水約900mlまで加えた後、TP-502用めっき開始剤50mlを加えて1Lに調整した。この溶液に前述したPtめっき粒子b14.52gを加えてスターラーで攪拌しながら、めっき槽をウオーターバスで徐々に加熱し、50分で70℃まで温度を上げて10分間、70℃を保った。めっき液からガスが発生していないことを確認した後、液温を室温まで下げてろ過し、純水で洗浄を繰り返して乾燥し、一部Pt被覆層付きセリア(Pt厚さ:0.5nm)粒子を調製した。この粒子のPt含有量は23.1%であった(Pt粒子B)。TEMにてPt粒子Bを観察したところ、Ptは前にPtを付着した箇所に被覆されており、Ptが被覆されていない箇所が6割以上であった。Ptの比表面積は102m2/gであった。
アルミナ基材(γ-アルミナに酸化セリウム9%、酸化ジルコニウム6%、酸化ランタン6%を複合化したもの)124.8g、セリア基材(セリアに酸化ジルコニウムを25%複合化したもの)45.434g、ベーマイトアルミナ1.6g及びPt粒子B3.166gをボールミルに加えた後、さらに水307.5g、10%硝酸水溶液17.5gを加えて、Pt粒子を分散させると共に粉末を粉砕し、平均粒径3μmのスラリとした(スラリb)。
次に、ジルコニウムとして3%を含むγ-アルミナと酸化ジルコニウム複合化合物に硝酸ロジウムを含浸し、ロジウム0.6%担持粉末を調製した。また、酸化ジルコニウムに酸化セリウムを24%複合化してジルコニア基材を調製した。ロジウム0.6%担持粉末116.55g、ジルコニア基材44.45g、アルミナ基材11g、ベーマイトアルミナ3gを順次ボールミルに加えた後、水307.5g、10%硝酸水溶液17.5gを加えて粉砕し、平均粒径3μmのスラリとした(スラリR)。
直径36φ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)にスラリaを141g/Lコーティングした後、乾燥し、さらにスラリRを59g/Lコーティングして乾燥した後、400℃で焼成して実施例2の試料とした。得られた実施例2の触媒は、Pt 0.587g/L、Rh0.236g/Lを各々担持した触媒である。
<実施例3>
実施例3では、径が20nmのアルミナを使用して調製したPt厚1nmのPt粒子Cを用いた。
実施例3では、径が20nmのアルミナを使用して調製したPt厚1nmのPt粒子Cを用いた。
めっき槽(1.5L)にTP-502めっき液(田中貴金属工業製)66.7ml(Pt量2g)、アンモニア水(28%)66.7ml、TP-502用還元剤66.7mlを順次加え、さらに、純水約900mlまで加えた後、TP-502用めっき開始剤50mlを加え、さらに純水を加えて1Lに調整した。この溶液にアルミナ(径20nm)13.04gを加えてスターラーで攪拌しながら、めっき槽をウオーターバスで徐々に加熱して50分で70℃まで温度を上げ、10分間、70℃を保った。めっき液からガスが発生していないことを確認した後、液温を室温まで下げてろ過し、純水で洗浄を繰り返して乾燥した後、一部Pt被覆層付きアルミナ(Pt厚さ:0.278nm)粒子を調製した。この粒子のPt含有量は13.30%であった(Ptめっき粒子c)。TEMにて観察したところ、一部分だけにPtが付着しており、Ptが付着していない箇所が6割以上であった。
次に、めっき槽(1.5L)にTP-502めっき液(田中貴金属工業製)190.5ml(Pt量5.71g)、アンモニア水(28%)190.5ml、TP-502用還元剤190.5mlを順次加えた後、純水約900mlまで加えた。さらに、TP-502用めっき開始剤50ml加えた後、純水を加えて1Lに調整した。この溶液に前述したPtめっき粒子c15.04gを加えてスターラーで攪拌しながら、めっき槽をウオーターバスで徐々に加熱して50分で70℃まで温度を上げ、10分間70℃を保った。めっき液からガスが発生していないことを確認した後、液温を室温まで下げてろ過し、純水で洗浄を繰り返して一部Pt被覆層付きアルミナ(Pt厚さ:1nm)粒子を調製した。この粒子のPt含有量は37.17%であった(Pt粒子C)。TEMにてPt粒子Cを観察したところ、Ptは前にPtを付着した箇所に被覆されており、Ptが被覆されていない箇所が6割以上であった。また、Ptの比表面積は51.1 m2/gであった。
実施例1で調製したアルミナ基材122.832g、実施例1で調製したセリア基材48.6g、ベーマイトアルミナ1.6g及びPt粒子C1.968gをボールミルに順次加えた後、水307.5g、10%硝酸水溶液17.5gを加えて、Pt粒子を分散させると共に粉末を粉砕して、平均粒径3μmのスラリとした(スラリc)。
直径36φ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)にスラリcを141g/Lコーティングし、乾燥後、さらに実施例1で調製したスラリRを59g/Lコーティングして、乾燥後400℃で焼成して実施例3の試料とした。得られた実施例3の触媒は、Pt 0.587g/L、Rh0.236g/Lを各々担持した触媒である。
<実施例4>
実施例4では、径が30nmのアルミナを使用して調製したPt厚1nmのPt粒子Dを用いた。
実施例4では、径が30nmのアルミナを使用して調製したPt厚1nmのPt粒子Dを用いた。
めっき槽(1.5L)にTP-502めっき液(田中貴金属工業製)66.7ml(Pt量2g)、アンモニア水(28%)66.7ml、TP-502用還元剤66.7mlを順次加えた後、純水を約900mlまで加えた。その後、TP-502用めっき開始剤50mlを加え、さらに純水を加えて1Lに調整した。この溶液にアルミナ(径30nm)19.78gを加えてスターラーで攪拌しながら、めっき槽をウオーターバスで徐々に加熱して50分で70℃まで温度を上げ、10分間70℃を保った。めっき液からガスが発生していないことを確認した後、液温を室温まで下げてろ過し、純水で洗浄を繰り返し乾燥し、一部Pt被覆層付きアルミナ(Pt厚さ:0.278nm)粒子を調製した。この粒子のPt含有量は9.18%であった(Ptめっき粒子d)。Ptめっき粒子dをTEMにて観察したところ、一部分だけにPtが付着しており、Ptが付着していない箇所が6割以上であった。
次に、めっき槽(1.5L)にTP-502めっき液(田中貴金属工業製)185ml(Pt量5.55g)、アンモニア水(28%)185ml、TP-502用還元剤185mlを順次加えた後、これに純水を約900mlまで加えた。その後、TP-502用めっき開始剤50mlを加えた後に純水を加えて1Lに調整した。この溶液に前述したPtめっき粒子d 21.78gを加えてスターラーで攪拌しながら、めっき槽をウオーターバスで徐々に加熱し50分で70℃まで温度を上げて、10分間70℃を保った。めっき液からガスが発生していないことを確認した後、液温を室温まで下げてろ過し、純水で洗浄を繰り返し乾燥し、一部Pt被覆層付きアルミナ(Pt厚さ:1nm)粒子を調製した。この粒子のPt含有量は27.62%であった(Pt粒子D)。Pt粒子DをTEMにて観察したところ、Ptは前にPtを付着した箇所に被覆されており、Ptが被覆されていない箇所が6割以上であった。また、Ptの比表面積は49.6m2/gであった。
実施例1で調製したアルミナ基材122.152g、実施例1で調製したセリア基材48.6g、ベーマイトアルミナ1.6g、及び前述したPt粒子D2.648gを順次ボールミルに加えた後、水307.5g、10%硝酸水溶液17.5gを加えて、Pt被覆層付き粒子を分散させると共に粉末を粉砕して、平均粒径3μmのスラリとした(スラリd)。
直径36φ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)にスラリdを141g/Lコーティングし、乾燥後、さらに実施例1で調製したスラリRを59g/Lコーティングし、乾燥後、400℃で焼成して実施例4の試料とした。得られた実施例4の触媒は、Pt0.587g/L、Rh0.236g/Lを各々担持した触媒である。
<実施例5>
実施例5では、径が50nmのチタンシリケートを使用して調製したPt厚2nmのPt粒子Eを用いた。
実施例5では、径が50nmのチタンシリケートを使用して調製したPt厚2nmのPt粒子Eを用いた。
めっき槽(1.5L)にTP-502めっき液(田中貴金属工業製)66.7ml(Pt量2g)、アンモニア水(28%)66.7ml、TP-502用還元剤66.7mlを順次加えた。その後、これに純水を約900mlまで加えてTP-502用めっき開始剤50mlを加え、さらに純水を加えて1Lに調整した。この溶液にチタンシリケート(径50nm)41.48gを加えてスターラーで攪拌しながら、めっき槽をウオーターバスで徐々に加熱し50分で70℃まで温度を上げ、10分間70℃を保った。めっき液からガスが発生していないことを確認した後、液温を室温まで下げてろ過し、純水で洗浄を繰り返して乾燥し、一部Pt被覆層付きチタンシリケート(Pt厚さ:0.278nm)粒子を調製した。この粒子のPt含有量は4.60%であった(Ptめっき粒子e)。TEMにてPtめっき粒子eを観察したところ、一部分だけにPtが付着しており、Ptが付着していない箇所が7割以上であった。
次に、めっき槽(1.5L)にTP-502めっき液(田中貴金属工業製)215.5ml(Pt量6.46g)、アンモニア水(28%)215.5ml、TP-502用還元剤215.5mlを順次加えた後、純水を約900mlまで加えた。その後、TP-502用めっき開始剤50mlを加え、さらに純水を加えて1Lに調整した。この溶液に前述したPtめっき粒子e20.96gを加えてスターラーで攪拌しながら、めっき槽をウオーターバスで徐々に加熱し50分で70℃まで温度を上げ、10分間、70℃を保った。めっき液からガスが発生していないことを確認した後、液温を室温まで下げてろ過し、純水で洗浄を繰り返し乾燥し、一部Pt被覆層付きチタンシリケート(Pt厚さ:2nm)粒子を調製した。この粒子のPt含有量は27.08%であった(Pt粒子E)。TEMにてPt粒子Eを観察したところ、Ptは前にPtを付着した箇所に被覆されており、Ptが被覆されていない箇所が7割以上であった。また、Ptの比表面積は25.1m2/gであった。
実施例1で調製したアルミナ基材122.099g、実施例1で調製したセリア基材48.6g、ベーマイトアルミナ1.6g、及びPt粒子E2.701gをボールミルに順次加えた後、さらに水307.5g、10%硝酸水溶液17.5gを加えて、Pt粒子を分散させると共に粉末を粉砕して、平均粒径3μmのスラリとした(スラリe)。
直径36φ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)にスラリeを141g/Lコーティングし、乾燥後、さらに実施例1で調製したスラリRを59g/Lコーティングし、乾燥後400℃で焼成して、実施例5の試料とした。得られた実施例5の触媒は、Pt0.587g/L、Rh0.236g/Lを各々担持した触媒である。
<実施例6>
実施例6では、径が70nmのチタンシリケートを使用して調製したPt厚2nmのPt粒子Fを用いた。
実施例6では、径が70nmのチタンシリケートを使用して調製したPt厚2nmのPt粒子Fを用いた。
めっき槽(1.5L)にTP-502めっき液(田中貴金属工業製)66.7ml(Pt量2g)、アンモニア水(28%)66.7ml、TP-502用還元剤66.7mlを順次加えた後、これに純水を約900mlまで加えた。その後、TP-502用めっき開始剤50mlを加え、さらに純水を加えて1Lに調整した。この溶液にチタンシリケート(径70nm)58.23gを加えてスターラーで攪拌しながら、めっき槽をウオーターバスで徐々に加熱し50分で70℃まで温度を上げ、10分間70℃を保った。めっき液からガスが発生していないことを確認した後、液温を室温まで下げてろ過し、純水で洗浄を繰り返して乾燥し、一部Pt被覆層付きチタンシリケート(Pt厚さ:0.278nm)粒子を調製した。この粒子のPt含有量は3.32%であった(Ptめっき粒子f)。Ptめっき粒子fをTEMにて観察したところ、一部分だけにPtが付着しており、Ptが付着していない箇所が7割以上であった。
次に、めっき槽(1.5L)にTP-502めっき液(田中貴金属工業製)150ml(Pt量4.501g)を加え、次にアンモニア水(28%)を150ml加え、TP-502用還元剤150ml加える。これに純水を約900mlまで加え、TP-502用めっき開始剤50mlを加えた後、さらに純水を加えて1Lに調整した。この溶液に前述のPtめっき粒子f20.687gを加えてスターラーで攪拌しながら、めっき槽をウオーターバスで徐々に加熱し、50分で70℃まで温度を上げ、10分間70℃を保った。めっき液からガスが発生していないことを確認した後、液温を室温まで下げてろ過し、純水で洗浄を繰り返して乾燥し、一部Pt被覆層付きチタンシリケート(Pt厚さ:2nm)粒子を調製した。この粒子のPt含有量は20.59%であった(Pt粒子F)。TEMにてPt粒子Fを観察したところ、Ptは前にPtを付着した箇所に被覆されており、Ptが被覆されていない箇所が7割以上であった。また、Ptの比表面積は24.6m2/gであった。
実施例1で調製したアルミナ基材121.248g、実施例1で調製したセリア基材48.6g、ベーマイトアルミナ1.6g、及びPt粒子F3.552gをボールミルに順次加えた後、さらに、水307.5g、10%硝酸水溶液17.5gを加えて、Pt粒子を分散させると共に粉末を粉砕し、平均粒径3μmのスラリとした(スラリf)。
直径36φ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)にスラリfを141g/Lコーティングし、乾燥後、さらに実施例1で調製したスラリRを59g/Lコーティングし、乾燥後、400℃で焼成して実施例6の試料とした。実施例6の触媒は、Pt0.587g/L、Rh0.236g/Lを各々担持した触媒である。
<実施例7>
実施例7では、径が100nmのアルミニウムシリケートを使用して調製したPt厚3nmのPt粒子Gを用いた。
実施例7では、径が100nmのアルミニウムシリケートを使用して調製したPt厚3nmのPt粒子Gを用いた。
めっき槽(1.5L)にTP-502めっき液(田中貴金属工業製)66.7ml(Pt量2g)、アンモニア水(28%)66.7ml、TP-502用還元剤66.7mlを順次加えた。これに純水を約900mlまで加えた後、TP-502用めっき開始剤50mlを加えて、さらに純水を加えて1Lに調整した。この溶液にチタンシリケート(径70nm)83.47gを加えてスターラーで攪拌しながら、めっき槽をウオーターバスで徐々に加熱し50分で70℃まで温度を上げ、10分間70℃を保った。めっき液からガスが発生していないことを確認した後、液温を室温まで下げてろ過し、純水で洗浄を繰り返し乾燥し、一部Pt被覆層付きチタンシリケート(Pt厚さ:0.278nm)粒子を調製した。この粒子のPt含有量は2.34%であった(Ptめっき粒子g)。このPtめっき粒子gをTEMにて観察したところ、一部分だけにPtが付着しており、Ptが付着していない箇所が7割以上であった。
次に、めっき槽(1.5L)にTP-502めっき液(田中貴金属工業製)166ml(Pt量4.98g)、アンモニア水(28%)166ml、TP-502用還元剤166mlを順次加えた。これに純水を約900mlまで加えた後、TP-502用めっき開始剤50mlを加え、さらに純水を加えて1Lに調整した。この溶液に前述したPtめっき粒子g20.48gを加えてスターラーで攪拌しながら、めっき槽をウオーターバスで徐々に加熱し50分で70℃まで温度を上げ、10分間70℃を保った。めっき液からガスが発生していないことを確認した後、液温を室温まで下げろ過し、純水で洗浄を繰り返し乾燥し、一部Pt被覆層付きチタンシリケート(Pt厚さ:3nm)粒子を調製した。この粒子のPt含有量は21.44%であった(Pt粒子G)。TEMにてPt粒子Gを観察したところ、Ptは前にPtを付着した箇所に被覆されており、Ptが被覆されていない箇所が7割以上であった。また、Ptの比表面積は16.5m2/gであった。
実施例1で調製したアルミナ基材121.194g、実施例1で調製したセリア基材48.6g、ベーマイトアルミナ1.6g、及びPt粒子G3.606gをボールミルに加えた後、さらに、水307.5g、10%硝酸水溶液17.5gを加えて、Pt粒子を分散させると共に粉末を粉砕して平均粒径3μmのスラリとした(スラリg)。
直径36φ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)にスラリgを141g/Lコーティングし、乾燥後、さらに実施例1で調製したスラリRを59g/Lコーティングして、乾燥後、400℃で焼成して実施例7の試料とした。得られた実施例7の触媒は、Pt 0.587g/L、Rh0.236g/Lを各々担持した触媒である。
<実施例8>
実施例8では、径が30nmのアルミナを使用して調製したPt厚0.5nm〜2nmのPt粒子Hを用いた。
実施例8では、径が30nmのアルミナを使用して調製したPt厚0.5nm〜2nmのPt粒子Hを用いた。
20nmのアルミナ粒子20gにジニトロジアミンPt溶液を噴霧して、アルミナ粒子がスラリ化しない状態で噴霧を止めて乾燥した。再び噴霧して、乾燥を繰り返し、400℃で焼成して化合物を分解した。この粒子のPt含有量は27.6%であった(Pt粒子H)。このPt粒子HをTEMにて観察したところ、Ptは粒子の所々に付着しており、Ptが付着していない箇所は6割以上であった。観察した結果、Ptの厚さは0.5nm〜2nmと各種存在しており、また、Ptの比表面積は約40m2/gであった。
実施例1で調製したアルミナ基材122.15g、実施例1で調製したセリア基材48.6g、ベーマイトアルミナ1.6g及びPt粒子H2.65gを順次ボールミルに加えた。その後、水307.5g、10%硝酸水溶液17.5gを加えて、Pt粒子を分散させると共に、粉末を粉砕して平均粒径3μmのスラリとした(スラリh)。
直径36φ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)にスラリhを141g/Lコーティングし、乾燥後、さらに実施例1で調製したスラリRを59g/Lコーティングし、乾燥後400℃で焼成して、実施例8の試料とした。得られた実施例8の触媒は、Pt0.587g/L、Rh0.236g/Lを各々担持した触媒である。
<比較例1>
比較例1では、実施例1で調製したアルミナ基材にジニトロジアミン白金水溶液を含浸し、乾燥後、400℃で焼成して、Pt0.44%のアルミナ基材を調製した。また、実施例1で調製したセリア基材にジニトロジアミン白金水溶液を含浸し、乾燥した後、400℃で焼成してPt0.375 %のセリア基材を調製した。
比較例1では、実施例1で調製したアルミナ基材にジニトロジアミン白金水溶液を含浸し、乾燥後、400℃で焼成して、Pt0.44%のアルミナ基材を調製した。また、実施例1で調製したセリア基材にジニトロジアミン白金水溶液を含浸し、乾燥した後、400℃で焼成してPt0.375 %のセリア基材を調製した。
Pt0.44%のアルミナ基材124.8g、Pt0.375 %のセリア基材48.6g、ベーマイトアルミナ1.6gを順次ボールミルに加えた後、さらに、水307.5g、10%硝酸水溶液17.5gを加えて粉末を粉砕し、平均粒径3μmのスラリとした(スラリX)。
直径36φ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)にスラリXを141g/Lコーティングし、乾燥後、さらに実施例1で調製したスラリRを59g/Lコーティングし、乾燥後400℃で焼成して比較例1の試料とした。得られた比較例1の触媒は、Pt 0.587g/L、Rh0.236g/Lを各々担持した触媒であり、所謂、通常の貴金属を含浸した触媒である。
<比較例2>
比較例2では、径が3nmであるジルコニアを使用して調製したPt0.278nm厚のPt粒子Iを用いた。
比較例2では、径が3nmであるジルコニアを使用して調製したPt0.278nm厚のPt粒子Iを用いた。
めっき槽(1.5L)にTP-502めっき液(田中貴金属工業製)66.7ml(Pt量2.0g)、アンモニア水(28%)66.7ml、TP-502用還元剤66.7mlを順次加えた。これに純水を約900mlまで加え、さらにTP-502用めっき開始剤50mlを加えた後、さらに純水を加えて1Lに調整した。この溶液にジルコニア(径3nm)2.61gを加えてスターラーで攪拌しながら、めっき槽をウオーターバスで徐々に加熱し50分で70℃まで温度を上げ、10分間70℃を保った。めっき液からガスが発生していないことを確認した後、液温を室温まで下げてろ過し、純水で洗浄を繰り返し乾燥し、一部Pt被覆層付きジルコニア(Pt厚さ:0.278nm)粒子を調製した。この粒子のPt含有量は43.33%であった(Pt粒子I)。Pt粒子IをTEMにて観察したところ、一部分だけにPtが付着しており、Ptが付着していない箇所が6割以上であった。また、Ptの比表面積は約200m2/gであった。
実施例1で調製したアルミナ基材123.112g、実施例1で調製したセリア基材48.6g、ベーマイトアルミナ1.6g、Pt粒子Iを1.688g順次ボールミルに加えた。その後、水307.5g、10%硝酸水溶液17.5gを加えて、Pt粒子を分散させると共に粉末を粉砕して平均粒径3μmのスラリとした(スラリi)。
直径36φ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)にスラリiを141g/Lコーティングし、乾燥後、さらに実施例1で調製したスラリRを59g/Lコーティングし、乾燥後、400℃で焼成して比較例2の試料とした。得られた比較例2の触媒は、Pt0.587g/L、Rh0.236g/Lを各々担持した触媒である。
<比較例3>
比較例3では、径が150nmのチタン酸バリウムを使用して調製したPt厚5nm のPt粒子Jを用いた。
比較例3では、径が150nmのチタン酸バリウムを使用して調製したPt厚5nm のPt粒子Jを用いた。
めっき槽(1.5L)にTP-502めっき液(田中貴金属工業製)66.7ml(Pt量2g)、アンモニア水(28%)66.7ml、TP-502用還元剤66.7mlを順次加えた。これに純水を約900mlまで加えた後、TP-502用めっき開始剤50mlを加え、さらに純水を加えて1Lに調整した。この溶液にチタン酸バリウム(径150nm)254gを加えてスターラーで攪拌しながら、めっき槽をウオーターバスで徐々に加熱し50分で70℃まで温度を上げ、10分間70℃を保った。めっき液からガスが発生していないことを確認した後、液温を室温まで下げてろ過し、純水で洗浄を繰り返し乾燥し、一部Pt被覆層付きチタン酸バリウム (Pt厚さ:0.278nm)粒子を調製した。この粒子のPt含有量は0.78%であった(Ptめっき粒子j)。このPtめっき粒子jをTEMにて観察したところ、一部分だけにPtが付着しており、Ptが付着していない箇所が7割以上であった。
次に、めっき槽(1.5L)にTP-502めっき液(田中貴金属工業製)95.3ml(Pt量2.858g)、アンモニア水(28%)95.3ml、TP-502用還元剤95.3mlを順次加えた。これに純水を約900mlまで加えて、TP-502用めっき開始剤50mlを加えた後、さらに、純水を加えて1Lに調整した。この溶液に前述したPt粒子j20.157gを加えてスターラーで攪拌しながら、めっき槽をウオーターバスで徐々に加熱し、50分で70℃まで温度を上げて、10分間70℃を保った。めっき液からガスが発生していないことを確認した後、液温を室温まで下げてろ過し、純水で洗浄を繰り返し乾燥し、一部Pt被覆層付きチタン酸バリウム(Pt厚さ5nm)粒子を調製した。この粒子のPt含有量は13.1%であった(Pt粒子J)。TEMにてPt粒子Jを観察したところ、Ptは前にPtを付着した箇所に被覆されており、Ptが被覆されていない箇所が7割以上であった。また、Ptの比表面積は約9m2/gであった。
実施例1で調製したアルミナ基材119.217g、実施例1で調製したセリア基材48.6g、ベーマイトアルミナ1.6g、及びPt粒子J5.583gをボールミルに加えた後、さらに、水307.5g、10%硝酸水溶液17.5gを加えて、Pt粒子を分散させると共に、粉末を粉砕して平均粒径3μmのスラリとした(スラリj)。
直径36φ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)にスラリjを141g/Lコーティングし、乾燥後、さらに実施例1で調製したスラリRを59g/Lコーティングして、乾燥後400℃で焼成して比較例3の試料とした。得られた比較例3の触媒は、Pt 0.587g/L、Rh0.236g/Lを各々担持した触媒である。
<比較例4>
比較例4では、径が200nmのチタン酸バリウムを使用して調製したPt厚5nm のPt粒子Kを用いた。
比較例4では、径が200nmのチタン酸バリウムを使用して調製したPt厚5nm のPt粒子Kを用いた。
めっき槽(1.5L)にTP-502めっき液(田中貴金属工業製)66.7ml(Pt量2g)、アンモニア水(28%)66.7ml、TP-502用還元剤66.7mlを順次加えた。これに純水を約900mlまで加えた後、TP-502用めっき開始剤50mlを加え、さらに、純水を加えて1Lに調整した。この溶液にチタン酸バリウム(径200nm)602gを加えてスターラーで攪拌しながら、めっき槽をウオーターバスで徐々に加熱して50分で70℃まで温度を上げて、10分間、70℃を保った。めっき液からガスが発生していないことを確認した後、液温を室温まで下げてろ過し、純水で洗浄を繰り返し乾燥し、一部Pt被覆層付きチタン酸バリウム(Pt厚さ0.278nm)粒子を調製した。この粒子のPt含有量は0.33%であった(Ptめっき粒子k)。Ptめっき粒子kをTEMにて観察したところ、一部分だけにPtが付着しており、Ptが付着していない箇所が7割以上であった。
次に、めっき槽(1.5L)にTP-502めっき液(田中貴金属工業製)72ml(Pt量2.16g)、アンモニア水(28%)72ml、TP-502用還元剤72mlを順次加えた。その後、これに純水を約900mlまで加え、TP-502用めっき開始剤50mlを加えた後、さらに純水を加えて1Lに調整した。この溶液に前述したPtめっき粒子k20.066gを加えてスターラーで攪拌しながら、めっき槽をウオーターバスで徐々に加熱し、50分で70℃まで温度を上げて、10分間70℃を保った。めっき液からガスが発生していないことを確認した後、液温を室温まで下げてろ過し、純水で洗浄を繰り返して乾燥し、一部Pt被覆層付きチタン酸バリウム(Pt厚さ5nm)粒子を調製した。この粒子のPt含有量は10.01%であった(Pt粒子K)。TEMにてPt粒子Kを観察したところ、前にPtを付着した箇所にPtが被覆されており、Ptが被覆されていない箇所が7割以上であった。また、Ptの比表面積は約9m2/gであった。
実施例1で調製したアルミナ基材117.494g、実施例1で調製したセリア基材48.6g、ベーマイトアルミナ1.6g及びPt粒子K7.306gを順次ボールミルに加えた。その後、水307.5g、10%硝酸水溶液17.5gを加えて、Pt粒子を分散させると共に粉末を粉砕して平均粒径3μmのスラリとした(スラリk)。
直径36φ、400セル6ミルのハニカム担体(容量0.04L)にスラリkを141g/Lコーティングし、乾燥後、さらに実施例1で調製したスラリRを59g/Lコーティングして、乾燥後400℃で焼成して比較例4の試料とした。得られた比較例4の触媒は、Pt 0.587g/L、Rh0.236g/Lを各々担持した触媒である。
実施例1〜実施例8及び比較例1〜比較例4から製造した各触媒を用いて、耐久試験を行った後、NOx、HC、COについての浄化率を評価した。
[耐久試験方法]
上記各実施例及び各比較例から得られた各触媒を用いて、排気量3500ccのV型エンジンの排気系に片バンクあたり触媒を5個ずつ装着した。そして、国内レギュラーガソリンを使用して、触媒入口温度650℃として30時間運転した。
上記各実施例及び各比較例から得られた各触媒を用いて、排気量3500ccのV型エンジンの排気系に片バンクあたり触媒を5個ずつ装着した。そして、国内レギュラーガソリンを使用して、触媒入口温度650℃として30時間運転した。
[浄化率の評価]
浄化率は、実施例1〜実施例8及び比較例1〜比較例4の各触媒について、いずれも耐久試験による熱履歴後に評価したものである。
浄化率は、実施例1〜実施例8及び比較例1〜比較例4の各触媒について、いずれも耐久試験による熱履歴後に評価したものである。
耐久試験後における各実施例及び各比較例の触媒を模擬排気ガス流通装置に組み込んだ後、表1に示す組成の模擬排気ガスを流通させて、速度30℃/分で触媒を昇温させながら、NOx、HC、COの浄化率が50%となる温度を調べた。
表2に示すように、比較例1は、含浸法を用いてPt溶液を含浸させて調製した通常の触媒であり、初期のPt粒径は非常に小さく分散性が良好であったが、TEMにて耐久後のPt粒子を観察したところ、Pt粒子の粒径は20nm〜30nmに拡大していることが判った。この結果、含浸法では耐久試験による熱履歴を受けると、Pt粒子が移動してPt粒子同士間の距離が縮まり、Pt粒子が凝集し易くなったものと考えられる。
また、比較例2の触媒のPt粒子をTEM観察したところ、初期のPt粒子は微粒子表面に付いていたが、耐久後のPt粒子は凝集して粒径が20nm〜30nmに拡大していた。これは、比較例2の触媒に使用した微粒子の粒径が3nmと微小すぎて、比較例1と同様にPt粒子同士の距離が短く、Pt粒子が凝集し易くなったものと考えられる。
さらに、比較例3及び比較例4の初期と耐久後とにおける触媒のPt粒子の粒径には大幅な違いが見られなかったが、初期のPt粒子の粒子径が20nm〜30nm程度と大きく、触媒の性能が劣ることになったものと考えられる。
これに対して、実施例1から実施例8までの各触媒では、初期と耐久後とにおけるPt粒子の粒径に大きな変化はみられず、浄化率を評価したところNOx、HC、COの各浄化温度が低いことから、高い浄化率を得られることが判明した。
また、実施例1から実施例8までは、2段階のめっき処理をして調製したPt粒子AからPt粒子GまでのPt粒子を使用したため、表2に示すように、耐久前におけるPt粒子の比表面積を大きくすることができる。これは、前処理として貴金属量を調整し微粒子(アルミナ粒子等)表面の一部にPtのめっき処理をすると、アルミナ粒子の約20%〜30%の面に薄いPtめっき層が形成され、この箇所が種となり、再度めっき処理をすると、Ptめっき上に選択的にPtめっきが形成されて厚みが増し、比表面積の大きいPt被覆粒子を形成することができるからである。
1…アルミナ粒子,
2…Ptめっき層,
3…Pt貴金属層,
2…Ptめっき層,
3…Pt貴金属層,
Claims (10)
- 基材と、
前記基材上に担持され、かつ、表面の少なくとも一部に一種以上の貴金属から形成される貴金属層を被覆すると共に、粒径が5nm〜100nmである微粒子と、
を含むことを特徴とする排ガス浄化用触媒。 - 前記貴金属層の厚さは、0.3nm〜3nmであることを特徴とする請求項1記載の排ガス浄化用触媒。
- 前記貴金属層は、白金、パラジウム及びロジウムの中から選択される少なくとも一種以上の貴金属から形成されることを特徴とする請求項1又は2記載の排ガス浄化用触媒。
- 前記微粒子は、無機化合物から形成されることを特徴とする請求項1記載の排ガス浄化用触媒。
- 前記微粒子は、アルミナ、セリア、ジルコニア、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の中から選択される少なくとも一種以上の無機化合物から形成されることを特徴とする請求項1記載の排ガス浄化用触媒。
- 前記微粒子は、アルミナ、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化ケイ素、酸化マンガン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化銅、酸化コバルト、酸化タングステン、酸化モリブデン、チタンシリケート、アルミニウムシリケート、チタン酸バリウム及びこれらの複合化合物の中から選択される少なくとも一種以上の無機化合物から形成されることを特徴とする請求項1記載の排ガス浄化用触媒。
- 前記貴金属層は、無電解めっき法又は化合物分解法を用いて前記微粒子の表面の少なくとも一部に形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の排ガス浄化用触媒。
- 無機化合物から形成される微粒子の表面の一部に、めっき法又は化合物分解法を用いて一種以上の貴金属から形成される貴金属層を被覆して触媒活性成分とする触媒活性成分調製工程と、
前記触媒活性成分を基材上に担持する担持工程と、
を含むことを特徴とする排ガス浄化用触媒の調製方法。 - 前記触媒活性成分調整工程における前記貴金属層を形成する貴金属の比表面積を16m2/g〜175m2/gとすることを特徴とする請求項8記載の排ガス浄化用触媒の調製方法。
- 前記めっき法は、無電解めっき法であり、めっき液中の貴金属量に応じて、前記微粒子上に被覆する貴金属層の被覆率及び厚さを制御し、前記化合物分解法は、前記微粒子に塗布する貴金属化合物の液量及び濃度に応じて、微粒子上に被覆した貴金属層の被覆率及び厚さを制御することを特徴とする請求項8又は9記載の排ガス浄化用触媒の調製方法。
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-
2004
- 2004-07-08 JP JP2004202135A patent/JP2006021144A/ja active Pending
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