JP2006017444A - エジェクタサイクルおよびその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 コストおよび搭載空間の増加を軽減でき、さらにサイクルの効率を向上できるエジェクタサイクルの提供を目的とする
【解決手段】 冷媒通路面積が最も縮小する1つの喉部を有するノズルが配置されたエジェクタ13を、冷凍サイクルにおける冷媒減圧手段および冷媒循環手段として使用したエジェクタサイクルにおいて、放熱器12とエジェクタ13との間の部位にヒータ17を配置し、冷媒のエンタルピを所定量増加させて気液2相状態でノズルに流入させる。
【選択図】 図1
【解決手段】 冷媒通路面積が最も縮小する1つの喉部を有するノズルが配置されたエジェクタ13を、冷凍サイクルにおける冷媒減圧手段および冷媒循環手段として使用したエジェクタサイクルにおいて、放熱器12とエジェクタ13との間の部位にヒータ17を配置し、冷媒のエンタルピを所定量増加させて気液2相状態でノズルに流入させる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、流体を減圧する減圧手段であるとともに、高速で噴出する作動流体の巻き込み作用によって流体輸送を行う運動量輸送式ポンプであるエジェクタを、冷凍サイクルにおける冷媒減圧手段および冷媒循環手段として使用したエジェクタサイクルに関するとともに、そのエジェクタサイクルの制御方法に関するものである。
従来、車両用空調装置(冷凍サイクル装置)において、凝縮後の冷媒を減圧する手段としてエジェクタを備える冷凍サイクル(以下エジェクタサイクルと称す)が広く知られている。エジェクタは、冷媒凝縮器の下流に配置されており、冷媒凝縮器から導かれる冷媒を高速で噴出させるノズルや、このノズルから噴出した冷媒を拡散させるディフューザ等で構成されている。ここで、ノズル入口に導かれる冷媒が過冷却液相冷媒の場合には、ノズル効率が低下してしまう。
この問題を解決するために、ノズルに2つの喉部を形成したエジェクタを備えるエジェクタサイクルが特許文献1にて知られている(以下従来例と称す)。この図13の従来例のエジェクタ13内に配置されるノズル13aには、冷媒流れ上流側から上流喉部13j、下流喉部13kの2つの喉部13j、13kが形成されている。
これによると、まず上流喉部13jがノズル内部に流入する液相冷媒を気液二相流状態にする。さらに、2つの喉部13j、13kの間で冷媒通路の断面積を拡大して、冷媒を細かい気泡を含んだ状態で再凝縮させているため、下流喉部13kで冷媒が沸騰しやすくなる。したがって、下流喉部13kから噴出口13hまでの冷媒流れの液滴が微粒化されて、より気液の速度差が低減した均質流に近づくため、ノズル効率を向上することができる。
特許第3331604号
しかし、特許文献1のエジェクタでは、ノズル13aに2つの喉部13j、13kが形成されるためエジェクタの構造が複雑になる、言い換えると加工が難しくコストが高くなるという問題がある。さらに、冷媒流れ方向に直列的に2つの喉部13j、13kが配置されるため、エジェクタ本体の体格が大きくなるという問題もある。
本発明は、上記点に鑑み、簡単な構造のエジェクタを冷媒減圧手段および冷媒循環手段として使用したエジェクタサイクルにおいて、エジェクタサイクルの効率を向上することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、エジェクタサイクルにおいて、冷媒を高圧状態にする圧縮機(11)と、圧縮機(11)から吐出した高圧冷媒の熱を放熱する放熱器(12)と、液相冷媒を蒸発させて吸熱する蒸発器(16)と、冷媒通路
面積が最も縮小する1つの喉部(13e)を有し、放熱器(12)から流出した高圧冷媒が
喉部(13e)を通過して等エントロピ的に減圧膨張するノズル(13a)と、ノズル(13a)から噴出する高い速度の冷媒流により蒸発器(16)にて蒸発した気相冷媒が内部に吸引される気相冷媒流入口(13b)と、冷媒通路断面積を拡大して冷媒の圧力を昇圧するディフューザ(13d)とを有するエジェクタ(13)とを備え、エジェクタ(13)から流出した気相冷媒は圧縮機(11)に吸引され、エジェクタ(13)から流出した液相冷媒は蒸発器(16)へ流入するようになっており、放熱器(12)から流出した高圧冷媒が気液2相状態でノズル(13a)に流入するようになっていることを特徴としている。
面積が最も縮小する1つの喉部(13e)を有し、放熱器(12)から流出した高圧冷媒が
喉部(13e)を通過して等エントロピ的に減圧膨張するノズル(13a)と、ノズル(13a)から噴出する高い速度の冷媒流により蒸発器(16)にて蒸発した気相冷媒が内部に吸引される気相冷媒流入口(13b)と、冷媒通路断面積を拡大して冷媒の圧力を昇圧するディフューザ(13d)とを有するエジェクタ(13)とを備え、エジェクタ(13)から流出した気相冷媒は圧縮機(11)に吸引され、エジェクタ(13)から流出した液相冷媒は蒸発器(16)へ流入するようになっており、放熱器(12)から流出した高圧冷媒が気液2相状態でノズル(13a)に流入するようになっていることを特徴としている。
これによると、放熱器(12)から流出した高圧冷媒が気液2相状態でノズル(13a)に流入するようになっているため、従来例(図13)と同様の理由によりノズル(13a)の喉部(13e)で冷媒が沸騰しやすくなる。これにより、ノズル(13a)から噴出する冷媒流れの液滴が微粒化されて気液の速度差が低減した均質流に近づくため、ノズル効率を向上することができる。
本発明では、上述の効果を1つの喉部(13e)を有するノズル(13a)を備えるエジェクタ(13)、つまり従来例(図13)に比べて簡単な構造のエジェクタ(13)で発揮させることができるため、エジェクタ(13)の加工がしやすい。したがって、エジェクタ(13)のコストを低減することができる。また、喉部(13e)が1つであるため、従来例(図13)に比べて、特にエジェクタ本体の冷媒流れ方向の体格を小さくすることができる。つまり、従来例に比べてエジェクタサイクルの搭載空間が減少するため、搭載性能を向上することができる。
ところで、ノズル(13a)の入口圧力と出口圧力を一定として考えると、ノズル(13a)入口でのエンタルピが大きい時の方が断熱熱落差(冷媒のノズル(13a)入口でのエンタルビからノズル(13a)出口でのエンタルピを引いたもの)が大きくなる。これは、等エントロピ線はエンタルピが大きくなるほど傾きが大きくなり、ノズル(13a)での冷媒の減圧膨張は等エントロピ的に行われるからである。
したがって、ノズル(13a)入口において冷媒が液相の時よりも、本発明のように液相よりもエンタルピが大きい気液2相状態の時の方が断熱熱落差は大きくなる。断熱熱落差は、エジェクタ(13)の入力エネルギとしてノズル(13a)で速度エネルギに変換され、この速度エネルギがディフューザ(13d)で圧力エネルギに変換される。したがって、断熱熱落差が増加することにより、ディフューザ(13d)での冷媒圧力の昇圧量が増加、つまり圧縮機(11)の吸引側圧力が増加するため、エジェクタサイクルの効率を高めることができる。
また、請求項2に記載の発明のように、請求項1に記載のエジェクタサイクルにおいて、エジェクタ(13)にノズル(13a)の開度を増減する弁手段(13f)を配置し、弁手段(13f)にノズル(13a)の開度を増減してサイクルを循環する冷媒流量を調節すれば、具体的に放熱器(12)から流出する高圧冷媒を気液2相状態にすることができる。そして、この2相冷媒をノズル(13a)に流入させれば請求項1で述べた効果を有するエジェクタサイクルを具体的に構成することができる。
また、請求項3に記載の発明のように、請求項1または2に記載のエジェクタサイクルにおいて、放熱器(12)へ高圧冷媒と熱交換する空気を送風する送風機(12a)を備え、送風機(12a)が送風量を増減すれば、放熱器(12)で冷媒が受ける熱負荷が変化し、具体的に放熱器(12)から流出する高圧冷媒を気液2相状態にすることができる。そして、この2相冷媒をノズル(13a)に流入させれば請求項1で述べた効果を有するエジェクタサイクルを具体的に構成することができる。
また、請求項4に記載の発明のように、請求項1に記載のエジェクタサイクルにおいて、圧縮機(11)から吐出した高圧冷媒を放熱器(12)にて過冷却して過冷却液相冷媒とし、この過冷却液相冷媒のエンタルピを所定量増加させて高圧冷媒を気液2相状態にし、この2相冷媒をノズル(13a)に流入させれば請求項1で述べた効果を有するエジェクタサイクルを構成することができる。
また、請求項5に記載の発明のように、請求項4に記載のエジェクタサイクルにおいて、放熱器(12)とエジェクタ(13)との間の部位に配置される加熱手段(17)を備え、加熱手段(17)が過冷却液相冷媒を加熱することにより、過冷却液相冷媒のエンタルピを所定量増加させれば、具体的に請求項4で述べた効果を有するエジェクタサイクルを構成できる。
また、請求項6に記載の発明のように、請求項5に記載のエジェクタサイクルにおいて、加熱手段を作動により発熱する発熱体(11、13g)の熱を過冷却液相冷媒に放熱させる発熱体放熱部(20)としてもよい。
また、請求項7に記載の発明のように、請求項5に記載のエジェクタサイクルにおいて、加熱手段を圧縮機(11)から吐出された高温冷媒の熱を過冷却冷媒に放熱させる吐出冷媒放熱部(21)としてもよい。
また、請求項8に記載の発明では、請求項4ないし7のいずれか1つに記載のエジェクタサイクルにおいて、放熱器(12)とエジェクタ(13)との間の部位に冷媒圧力を減圧する減圧手段(22)を備えることを特徴としている。
過冷却液相冷媒は、同一のエンタルピの場合には、圧力が低い方が気液2相状態になりやすい傾向がある。したがって、減圧手段(22)による減圧でエジェクタ(13)に流入する冷媒を確実に気液二相化することができる。また、過冷却液相冷媒に与えるエンタルピを少なくすることができる。
また、請求項9に記載の発明のように、請求項1ないし8のいずれか1つに記載のエジェクタサイクルにおいて、冷媒としてフロン系冷媒、HC系冷媒、CO2冷媒のいずれか1つを使用してもよい。
なお、ここでフロンとは炭素、フッ素、塩素、水素からなる有機化合物の総称であり、冷媒として広く使用されているものである。フロン系冷媒には、HCFC(ハイドロ・クロロ・フルオロ・カーボン)系冷媒、HFC(ハイドロ・フルオロ・カーボン)系冷媒等が含まれており、これらはオゾン層を破壊しないため代替フロンと呼ばれる冷媒である。
また、HC(炭化水素)系冷媒とは、水素、炭素を含み、自然界に存在する冷媒物質のことである。このHC系冷媒には、R600a(イソブタン)、R290(プロパン)などがある。
二酸化炭素冷媒を冷媒として使用する場合には、二酸化炭素が高圧側で臨界点を超えない場合に請求項1ないし8の請求項で述べた効果を発揮させることができる。
請求項10に記載の発明のように、請求項1に記載のエジェクタサイクルの制御方法において、ノズル(13a)に流入する際の高圧冷媒の乾き度をノズル入口乾き度としたとき、ノズル入口乾き度を目標値に制御することを特徴とする。
これによると、請求項1の発明の効果、すなわちノズル効率の向上効果やエジェクタサイクルの効率向上効果を確実に発揮させることができる。
請求項11に記載の発明のように、喉部(13e)の冷媒通路面積、喉部(13e)を通過する高圧冷媒の流量、および前記ノズル(13a)における冷媒出入口間の圧力差に基づいて前記ノズル入口乾き度を算出し、ノズル入口乾き度の算出結果に基づいてノズル入口乾き度に影響を及ぼす因子のうち1つ以上の因子を調整することにより、請求項10に記載の発明を実行することができる。
なお、喉部(13e)の冷媒通路面積、喉部(13e)を通過する高圧冷媒の流量、および前記ノズル(13a)における冷媒出入口間の圧力差の各物理量については、それらを直接的に検出したものであってもよいし、或いはそれらの物理量を推定可能な代替物理量から求めたものでもよい。
請求項12に記載の発明のように、冷媒が非共沸性冷媒または擬似共沸性冷媒の場合、ノズル(13a)の冷媒入口側の冷媒圧力、およびノズル(13a)の冷媒入口側の冷媒温度に基づいてノズル入口乾き度を算出し、ノズル入口乾き度の算出結果に基づいてノズル入口乾き度に影響を及ぼす因子のうち1つ以上の因子を調整することにより、請求項10に記載の発明を実行することができる。
なお、ノズル(13a)の冷媒入口側の冷媒圧力、およびノズル(13a)の冷媒入口側の冷媒温度の各物理量については、それらを直接的に検出したものであってもよいし、或いはそれらの物理量を推定可能な代替物理量から求めたものでもよい。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
本実施形態は、本発明に係るエジェクタサイクルを車両用空調装置の冷凍サイクルに適用したものであり、図1は本実施形態に係る冷凍サイクルの模式図である。図1中、11は冷媒を吸入圧縮する圧縮機11である。この圧縮機11で高圧状態となった冷媒は放熱器12に流入する。放熱器12では高圧冷媒が室外空気へ放熱する、言い換えると冷媒が室外空気により冷却され、凝縮して液相となる。
本実施形態は、本発明に係るエジェクタサイクルを車両用空調装置の冷凍サイクルに適用したものであり、図1は本実施形態に係る冷凍サイクルの模式図である。図1中、11は冷媒を吸入圧縮する圧縮機11である。この圧縮機11で高圧状態となった冷媒は放熱器12に流入する。放熱器12では高圧冷媒が室外空気へ放熱する、言い換えると冷媒が室外空気により冷却され、凝縮して液相となる。
液相状態となった高圧冷媒は、エジェクタ13に流入する。エジェクタ13は放熱器12から流出する冷媒を減圧膨張させて後述する蒸発器16にて蒸発した気相冷媒を吸引するとともに、膨張エネルギを圧力エネルギに変換して圧縮機11の吸入圧を上昇させている。このエジェクタ13についての詳細は後述する。
エジェクタ13から流出した冷媒は、気液分離器14に流入する。気液分離器14では、流入した冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して冷媒を蓄えており、分離された気相冷媒は圧縮機11に吸引されて再び圧縮され、一方、分離された液相冷媒は蒸発器16側に吸引される。
蒸発器16は、液相冷媒が室内に吹き出す空気と熱交換して蒸発することにより冷房能力を発揮するものである。なお、気液分離器14と蒸発器16との間に配置される第1減圧器15は、気液分離器14から蒸発器16側に吸引される液相冷媒を減圧する絞り(減圧)手段であり、この第1減圧器15により蒸発器16内の圧力(蒸発圧力)を確実に低下させている。また、本実施形態では放熱器12とエジェクタ13との間の部位に冷媒を加熱するヒータ17が配置されている。
エジェクタ13は、図2に示すように、流入する高圧冷媒の圧力エネルギを速度エネルギに変換して冷媒を減圧膨張させるノズル13aと、ノズル13aから噴出する高い速度の冷媒流により蒸発器16にて蒸発した気相冷媒が吸引される気相冷媒流入口13bと、吸引された気相冷媒とノズル13aから噴射する冷媒流とを混合する混合部13cと、ノズル13aから噴出する冷媒と蒸発器16から吸引した冷媒とを混合させながら速度エネルギを圧力エネルギに変換して冷媒の圧力を昇圧させるディフューザ13d等からなるものである。
なお、本実施形態では、ノズル13aとして冷媒通路途中に冷媒通路面積が最も縮小した1つの喉部13eを有する末広ノズルを使用している。また、図2中の左右方向に変位することにより喉部13eの開度を増減する弁手段としてニードル弁13fが配置されている。このニードル弁13fの変位は変位手段が行っており、本実施形態では変位手段としてソレノイドコイル13g(図1参照)への通電による磁力でニードル弁13fを変位させるソレノイドを使用している。
また、混合部13cにおいては、ノズル13aから噴射する冷媒流の運動量と、蒸発器16からエジェクタ13に吸引される冷媒流の運動量との和が保存されるように混合するので、混合部13cにおいても冷媒の静圧が上昇する。一方、ディフューザ13dにおいて、冷媒通路断面積が徐々に拡大するため、冷媒の動圧が静圧に変換される。
なお、本実施形態の圧縮機11、ヒータ17、ソレノイド13gの作動は図示しない制御装置からの制御信号で制御されている。
次に、上記構成において本実施形態の作動を図3のp−h線図に基づいて説明する。ここで、図1中の点A1〜A9は、図3中の点A1〜A9に対応している。圧縮機11が起動すると、気液分離器14から気相冷媒が圧縮機11に吸入され、圧縮された冷媒が放熱器12に吐出される(A7G→A1)。そして、放熱器12に流入した冷媒は空気へ放熱する、つまり空気により冷却される。本実施形態では冷媒が飽和液線を超えて過冷却される(A1→A2)。
放熱器12から流出した冷媒は、ヒータ17により加熱される。つまりヒータ17によりエンタルピが増加して気液2相状態となる(A2→A3)。2相状態の冷媒は、エジェクタ13のノズル13aに流入し、喉部13eを通過して噴出口13hから噴出して等エントロピ的に減圧膨張する(A3→A4)。この時、高速度で噴出する冷媒流の巻き込み作用により、蒸発器16で蒸発した気相冷媒が気相冷媒流入口13bから吸引される。
次に、蒸発器16から吸引された冷媒とノズル13aから噴出冷媒とが混合部13cで混合し(A4→A5、A9→A5)、ディフィーザ13dにてその動圧が静圧に変換されて気液分離器14に流入する。気液分離器14の気相冷媒は圧縮機11に吸引されて再びサイクルを循環する(A7G→A1)。なお、点A7Gが飽和蒸気線上に位置しないのは気液分離器14から圧縮機11までの配管で吸熱するからである。
一方、エジェクタ13にて蒸発器16内の冷媒が吸引されるため、蒸発器16には気液分離器14から液相冷媒が流入し、その流入した冷媒は室内に吹き出す空気から吸熱して蒸発する(A7L→A9)。
また、ソレノイド13gによるニードル弁13fの変位、つまりノズル13aの開度は制御装置(図示せず)からの制御信号で制御される。これによると、例えば圧縮機11が高回転、つまりエジェクタ13に流入する冷媒が多い時にはノズル13aの開度を大きくして、ノズル13a(エジェクタ13)を通過する冷媒量を増やすことができる。したがって、エジェクタ13の冷媒流れ下流側の蒸発器16を流れる冷媒量が増えるため、冷凍(冷房)能力を向上することができる。
次に、第1実施形態による作用効果を述べると、(1)気液2相状態の冷媒をノズル13aに流入させるため、ノズル効率が向上し、エジェクタサイクルのサイクル効率を向上できる。
より詳細に述べると、本実施形態では放熱器12から流出した高圧冷媒がヒータ17で加熱され、つまりエンタルピが増加されて気液2相状態でノズル13aに流入する。したがって、ノズル13aの喉部13eで冷媒が沸騰しやすくなる。これにより、喉部13e通過後の冷媒流れの液滴が微粒化されて気液の速度差が低減した均質流に近づく。つまり、ノズル13a入口での冷媒のエネルギ(入力ネルギ)を速度エネルギへ変換するノズル効率が高くなる。これにより、エジェクタサイクルのサイクル効率を向上できる。
(2)上述の作用効果(1)を1つの喉部13eを有するノズル13aを搭載したエジェクタ13を使用したため、エジェクタ13のコストを低減でき、さらにエジェクタ13の体格を小さくすることができる。
本実施形態では、1つの喉部13eを有するノズル13aを備えるエジェクタ13、つまり従来例(図13)に比べて簡単な構造のエジェクタ13で作用効果(1)を発揮させることができる。当然に、エジェクタ13の加工が容易となるため、エジェクタ13のコストを低減することができる。また、喉部13eが1つであるため、従来例(図13)のように喉部13j、13kが直列的に並んでいる場合に比べて、特にエジェクタ本体の冷媒流れ方向の体格を小さくすることができる。つまり、従来例に比べてエジェクタサイクルの搭載空間が減少するため、搭載性能を向上することができる。
(3)より断熱熱落差が大きい気液2相状態の冷媒をエジェクタ13(ノズル13a)に流入させるため、エジェクタ13から流出する冷媒圧力、つまり圧縮機11の吸入圧力を高くすることができる。
ここで、図14に示すような過冷却度を有するエジェクタサイクル(以下比較例と称す)と本実施形態のp−h線図(図3)を使用してサイクル効率を考える。ノズル13aの入口圧力と出口圧力を一定として考えると、ノズル13a入口でのエンタルピが大きい時の方が断熱熱落差(冷媒のノズル13a入口でのエンタルビからノズル13a出口でのエンタルピを引いたもの)が大きくなる。これは、等エントロピ線はエンタルピが大きくなるほど傾きが大きくなり、ノズル13aでの冷媒の減圧膨張は等エントロピ的に行われるからである。
したがって、ノズル13a入口において冷媒が液相の時よりも、本発明のように液相よりもエンタルピが大きい気液2相状態の時の方が断熱熱落差は大きくなる。本実施形態の断熱熱落差Δhは、従来例の断熱熱落差Δh’よりも大きくなっている。
断熱熱落差Δh、Δh’は、エジェクタ13の入力エネルギとしてノズル13aで速度エネルギに変換され、この速度エネルギがディフューザ13dで圧力エネルギに変換される。したがって、断熱熱落差が大きいほどディフューザ13dでの冷媒圧力の昇圧量が増加、つまり圧縮機11の吸引側圧力が増加するため、エジェクタサイクルの効率を高めることができる。
したがって、断熱熱落差が大きい本実施形態のエジェクタ13での昇圧量ΔPの方が従来例のエジェクタ13での昇圧量ΔP’よりも大きくなるため、エジェクタサイクルの効率が高くなる。図4は、ノズル13a入口の冷媒状態以外(例えば冷媒循環量など)を同一とした場合のサイクル効率の変化を示したものである。上述したように気液2相状態でノズル13aに流入させた場合の方がサイクル効率が高くなることが確認されている。
(第2実施形態)
図5の本実施形態は、第1実施形態とほぼ同構成であるが、第1実施形態におけるヒータ17に換えて発熱体である変位手段(ソレノイドコイル13g)の熱で放熱器12から流出した冷媒を加熱する発熱体放熱部20を備えている。
図5の本実施形態は、第1実施形態とほぼ同構成であるが、第1実施形態におけるヒータ17に換えて発熱体である変位手段(ソレノイドコイル13g)の熱で放熱器12から流出した冷媒を加熱する発熱体放熱部20を備えている。
これによると、ヒータ17を備えなくてもよいため、より簡単な構成で第1実施形態で述べた作用効果(1)〜(3)を有するエジェクタサイクルを構成できる。
(第3実施形態)
図6の本実施形態は、第1実施形態とほぼ同構成であるが、第1実施形態におけるヒータ17に換えて圧縮機11から吐出される高温高圧冷媒の熱で放熱器12から流出した冷媒を加熱する吐出冷媒放熱部21を備えている。
図6の本実施形態は、第1実施形態とほぼ同構成であるが、第1実施形態におけるヒータ17に換えて圧縮機11から吐出される高温高圧冷媒の熱で放熱器12から流出した冷媒を加熱する吐出冷媒放熱部21を備えている。
これによっても、ヒータ17を備えなくてもよいため、より簡単な構成で第1実施形態で述べた作用効果(1)〜(3)を有するエジェクタサイクルを構成できる。
(第4実施形態)
図7の本実施形態は、第1実施形態とほぼ同構成であるが、ヒータ17の冷媒流れ下流側部位に冷媒の圧力を減圧する減圧手段である第2減圧器22が配置されている。図8のp−h線図を使用して説明すると、ヒータ17で加熱された冷媒は、第2減圧器22での減圧により気液2相状態となる(A3→A31)。
図7の本実施形態は、第1実施形態とほぼ同構成であるが、ヒータ17の冷媒流れ下流側部位に冷媒の圧力を減圧する減圧手段である第2減圧器22が配置されている。図8のp−h線図を使用して説明すると、ヒータ17で加熱された冷媒は、第2減圧器22での減圧により気液2相状態となる(A3→A31)。
これにより、エジェクタ13に流入する冷媒を確実に気液二相化することができる。さらに、ヒータ17が冷媒に与える熱量を少なくすることができる。
なお、本実施形態においても第1実施形態で述べた作用効果(1)〜(3)を発揮することができる。
(第5実施形態)
図9の本実施形態は、第1実施形態とほぼ同構成であるが、第1実施形態におけるヒータ17を廃止したものである。そして、本実施形態の圧縮機11、エジェクタ13の開度を増減するニードル弁13fを変位させるソレノイドコイル13g、および放熱器12へ空気を送風する送風機12aは、電子制御装置(ECU図示せず)からの制御信号で制御されている。さらに、この電子制御装置には、放熱器12下流側の冷媒圧力、温度などがセンサ等から入力されている。
図9の本実施形態は、第1実施形態とほぼ同構成であるが、第1実施形態におけるヒータ17を廃止したものである。そして、本実施形態の圧縮機11、エジェクタ13の開度を増減するニードル弁13fを変位させるソレノイドコイル13g、および放熱器12へ空気を送風する送風機12aは、電子制御装置(ECU図示せず)からの制御信号で制御されている。さらに、この電子制御装置には、放熱器12下流側の冷媒圧力、温度などがセンサ等から入力されている。
そして、電子制御装置は放熱器12下流側の冷媒圧力、温度などが予め与えられている冷媒が気液2相となる領域の圧力、温度となるように、圧縮機11の作動、送風機12aの送風量(放熱器12への熱負荷)、エジェクタ13の開度(エジェクタ13を通過する冷媒流量)を制御している。
これにより、第1実施形態に比べて、より簡単な構成で第1実施形態で述べた作用効果(1)〜(3)を有するエジェクタサイクルを構成できる。
(第6実施形態)
図11に示す第6実施形態は、第1実施形態におけるヒータ17を廃止し、圧縮機11の吸入側と放熱器12の出口側との間に内部熱交換器23を設けている。この内部熱交換器23により、放熱器12出口側の高圧液冷媒を低温の低圧冷媒で冷却して、放熱器12出口側の高圧液冷媒の過冷却度を増大させるようにしている。
図11に示す第6実施形態は、第1実施形態におけるヒータ17を廃止し、圧縮機11の吸入側と放熱器12の出口側との間に内部熱交換器23を設けている。この内部熱交換器23により、放熱器12出口側の高圧液冷媒を低温の低圧冷媒で冷却して、放熱器12出口側の高圧液冷媒の過冷却度を増大させるようにしている。
そして、圧縮機11の作動やエジェクタ13の開度(エジェクタ13を通過する冷媒流量)を制御して、エジェクタ13に流入する冷媒を気液2相化する。
(第7実施形態)
図12に示す第7実施形態は、気液分離器14を廃止したエジェクタサイクルに本発明を適用した例を示すものである。
図12に示す第7実施形態は、気液分離器14を廃止したエジェクタサイクルに本発明を適用した例を示すものである。
本実施形態は、図12に示すように、放熱器12の出口側の冷媒通路は2つに分岐されており、一方の冷媒通路は第1減圧器15および蒸発器16を介してエジェクタ13における気相冷媒流入口13bに接続され、他方の冷媒通路はエジェクタ13におけるノズル13aに直接接続されている。
また、エジェクタ13の出口側には、気液分離器14に代えて第2蒸発器24が設けられている。この第2蒸発器24は、冷媒と室内に吹き出す空気とを熱交換させて冷媒を蒸発(吸熱)させることにより冷房能力を発揮するものである。そして、第2蒸発器24から流出した冷媒は圧縮機11に吸引され、圧縮される。
因みに、本実施形態によると、2つの蒸発器16、24の冷凍能力を異ならせて、車室内の任意の2ヶ所の冷却、または別々の2つの車室をそれぞれ最適な温度で冷却することができる。
(第8実施形態)
本実施形態は、ノズル13aに流入する際の高圧冷媒の乾き度(以下、ノズル入口乾き度という)の制御方法を示すものである。
本実施形態は、ノズル13aに流入する際の高圧冷媒の乾き度(以下、ノズル入口乾き度という)の制御方法を示すものである。
まず、ノズル13aにおける喉部13eの冷媒通路面積、喉部13eを通過する高圧冷媒の流量、およびノズル13aにおける冷媒出入口間の圧力差を検出し、それらの物理量に基づいてノズル入口乾き度をエネルギ保存則から演算する。
次に、ノズル入口乾き度の演算結果とノズル入口乾き度の目標値とを比較し、ノズル入口乾き度に影響を及ぼす制御因子(すなわち、喉部13eの冷媒通路面積、喉部13eを通過する高圧冷媒の流量、ノズル13aにおける冷媒出入口間の圧力差)のうちどれかひとつ以上の因子を調節して、ノズル入口乾き度を目標値に制御する。
このように、ノズル入口乾き度を目標値に制御することにより、ノズル効率の向上効果やエジェクタサイクルの効率向上効果を確実に発揮させることができる。
なお、ノズル入口乾き度を演算する際の、喉部13eの冷媒通路面積、喉部13eを通過する高圧冷媒の流量、ノズル13aにおける冷媒出入口間の圧力差の各物理量については、それらを直接的に検出したものであってもよいし、或いは以下詳述するように、それらの物理量を推定可能な代替物理量から求めたものでもよい。
例えば図2に示すような、喉部13eの開度をニードル弁13fにて増減する可変ノズルの場合は、ニードル弁13fの位置情報から喉部13eの冷媒通路面積を推定してもよい。
喉部13eを通過する高圧冷媒の流量は、圧縮機11の回転数、圧縮機11の1回転当たりの吐出容量、圧縮機11に吸入される冷媒の密度、圧縮機11の体積効率から演算してもよい。また、圧縮機11に吸入される冷媒の密度は、圧縮機11の吸入圧力或いはそれに準ずる低圧系圧力、および低圧系圧力を推定可能な温度(低圧2相域温度)で代用してもよい。
ノズル13aにおける冷媒出入口間の圧力差は、ノズル13aにおける冷媒入口圧力或いはそれに準ずる高圧系圧力、および高圧系圧力を推定可能な温度(高圧2相域温度)で代用したもののいずれか1つ以上の因子と、ノズル13aにおける冷媒出口圧力或いはそれに準ずる低圧系圧力、および低圧系圧力を推定可能な温度(低圧2相域温度)で代用したもののいずれか1つ以上の因子の差分として検出してよい。
また、ノズル入口乾き度を目標値に制御するための調整方法としては、以下詳述するように、上記制御因子を直接調整してもよいし、或いは間接的に調節する方法でもよい。
例えば図2に示すような、喉部13eの開度をニードル弁13fにて増減する可変ノズルの場合は、ニードル弁13fの位置を調節して喉部13eの冷媒通路面積を制御する。
喉部13eを通過する高圧冷媒の流量は、圧縮機11の回転数、可変容量圧縮機11の場合の吐出容量、サイクル中(例えばノズル13aの上流側)に設けた流量調節弁の開度を調整してもよい。
ノズル13aにおける冷媒出入口間の圧力差は、冷凍サイクルの圧力バランスを変動させる因子を調節する。具体的には、例えば放熱器12の冷却風量、放熱器12の冷媒流量、蒸発器16の冷却風量、蒸発器16の冷媒流量、内部熱交換器23の冷媒流量等を調節する。
因みに、放熱器12、蒸発器16、および内部熱交換器23に対してバイパス回路を設け、そのバイパス回路を開閉することにより、放熱器12の冷媒流量、蒸発器16の冷媒流量、内部熱交換器23の冷媒流量を調節することができる。
なお、上気したノズル入口乾き度の算出に必要な因子および目標値への調整因子は一例であり、各制御因子を変動させるはたらきをもつ検出因子および調整因子であればよい。
また、ノズル入口乾き度の目標値に関しては、各冷媒およびシステム毎に異なるが、物理的には乾き度0(飽和液状態)から乾き度1(飽和ガス状態)まで制御可能である。
また、具体的な制御方法として、検出した物理量の信号を入力して演算してノズル入口乾き度を算出する方法でもよいが、予めそのシステムにおける検出信号に対する出力値をマップ化しておく方法でもよい。また、別の方法であっても検出因子および調整因子が含有されれば本発明の意図しているところと等価である。
他の実施形態
上述の実施形態では、ノズル13aに末広ノズルを使用した例を示したが、ノズル13aは1つの喉部13eを有するものであれば、先細ノズル、ラバールノズルなど種々適用可能である。
上述の実施形態では、ノズル13aに末広ノズルを使用した例を示したが、ノズル13aは1つの喉部13eを有するものであれば、先細ノズル、ラバールノズルなど種々適用可能である。
また、上述の第2実施形態では、発熱体放熱部20において、発熱体であるソレノイドコイル13gが放熱器12から流出した過冷却冷媒に放熱した例を示したが、発熱体はエジェクタサイクル中の圧縮機であってもよいし、サイクル外の発熱体、例えばエンジンなどであってもよい。
また、上述の第4実施形態では、第2減圧器22がヒータ17で加熱された後の冷媒を減圧した例を示したが、第2減圧器22をヒータ17の上流に配置して加熱前の冷媒を減圧してもよいし、加熱中の冷媒を減圧してもよい。
また、上述の第5実施形態では、電子制御装置が圧縮機11の作動、送風機12aの送風量、エジェクタ13の開度を同時に制御した例を示したが、これらの制御は独立して行うことが可能であるため、いずれか1つの制御のみを行ってもよい。また、例えは送風量とエジェクタ開度のように、任意の2つの制御を行うものであってもよい。
また、上述の実施形態では本発明を車両用空調装置に適用した例を示したが、本発明を車両用空調装置に限らず、給湯器用のヒートポンプサイクルなどの蒸気圧縮式サイクルに適用してもよい。また、設置場所は車両のような移動体に限られるものではなく定置固定されていてもよいのは当然である。
また、上述の実施形態では冷媒の種類を限定していないが冷媒は、フロン系冷媒、HC系冷媒、CO2冷媒などが適用可能である。なお、二酸化炭素冷媒を冷媒として使用する場合には、二酸化炭素が高圧側で臨界点を超えない場合に上述した作用効果を発揮させることができる。
また、冷媒として非共沸性冷媒(R404A等)または擬似共沸冷媒(R410A等)を用いる場合は、2相域においても圧力と温度の間に1対1の関係が成立することから、ノズル13aの冷媒入口側の冷媒圧力とノズル13aの冷媒入口側の冷媒温度とに基づいてノズル入口乾き度を算出してもよい。そして、そのノズル入口乾き度の算出結果に基づいてノズル入口乾き度に影響を及ぼす因子のうち1つ以上の因子を調整することにより、ノズル入口乾き度を目標値に制御するようにしてもよい。
なお、ノズル13aの冷媒入口側の冷媒圧力、およびノズル13aの冷媒入口側の冷媒温度の各物理量については、それらを直接的に検出したものであってもよいし、或いはそれらの物理量を推定可能な代替物理量から求めたものでもよい。
また、上述の第1〜第6実施形態では、気液分離器14で分離された液相冷媒を、1つの蒸発器16にて蒸発させてエジェクタ13における気相冷媒流入口13bに供給させる例を示したが、気液分離器14で分離された液相冷媒を、複数の蒸発器16にて蒸発させてエジェクタ13における気相冷媒流入口13bに供給させるようにしたエジェクタサイクルにも、本発明は適用することができる。
11…圧縮機発熱体、12…放熱器、12a…送風機、13…エジェクタ、13a…ノズル、13b…気相冷媒流入口、13d…ディフューザ、13e…喉部、13f…ニードル弁弁手段、13g…ソレノイドコイル発熱体、14…気液分離器、16…蒸発器、17…ヒータ加熱手段、20…発熱体放熱部、21…吐出冷媒放熱部、22…第2減圧器減圧手段。
Claims (13)
- 冷媒を高圧状態にする圧縮機(11)と、
前記圧縮機(11)から吐出した前記高圧冷媒の熱を放熱する放熱器(12)と、
液相冷媒を蒸発させて吸熱する蒸発器(16)と、
冷媒通路面積が最も縮小する1つの喉部(13e)を有し、前記放熱器(12)から流出した前記高圧冷媒が前記喉部(13e)を通過して等エントロピ的に減圧膨張するノズル(13a)と、前記ノズル(13a)から噴出する高い速度の冷媒流により前記蒸発器(16)にて蒸発した気相冷媒が内部に吸引される気相冷媒流入口(13b)と、冷媒通路断面積を拡大して冷媒の圧力を昇圧するディフューザ(13d)とを有するエジェクタ(13)とを備え、
前記エジェクタ(13)から流出した気相冷媒は前記圧縮機(11)に吸引され、前記エジェクタ(13)から流出した液相冷媒は前記蒸発器(16)へ流入するようになっており、
前記放熱器(12)から流出した前記高圧冷媒は、気液2相状態で前記ノズル(13a)に流入するようになっていることを特徴とするエジェクタサイクル。 - 前記エジェクタ(13)において、前記ノズル(13a)の開度を増減する弁手段(13f)を備え、
前記弁手段(13f)が前記ノズル(13a)の開度を増減することにより、前記放熱器(12)から流出した前記高圧冷媒が気液2相状態で前記ノズル(13a)に流入するようになっていることを特徴とする請求項1に記載のエジェクタサイクル。 - 前記放熱器(12)へ前記高圧冷媒と熱交換する空気を送風する送風機(12a)を備え、
前記送風機(12a)が送風量を増減することにより、前記放熱器(12)から流出した前記高圧冷媒が気液2相状態で前記ノズル(13a)に流入するようになっていることを特徴とする請求項1または2に記載のエジェクタサイクル。 - 前記圧縮機(11)から吐出した前記高圧冷媒は、前記放熱器(12)にて過冷却されて過冷却液相冷媒となり、前記過冷却液相冷媒はエンタルピが所定量増加されることにより気液2相状態となって前記ノズル(13a)に流入するようになっていることを特徴とする請求項1に記載のエジェクタサイクル。
- 前記放熱器(12)と前記エジェクタ(13)との間の部位に配置される加熱手段(17)を備え、
前記加熱手段(17)が前記過冷却液相冷媒を加熱することにより、前記過冷却液相冷媒のエンタルピを所定量増加させることを特徴とする請求項4に記載のエジェクタサイクル。 - 前記加熱手段は、作動により発熱する発熱体(11、13g)の熱を前記過冷却液相冷媒に放熱させる発熱体放熱部(20)であることを特徴とする請求項5に記載のエジェクタサイクル。
- 前記加熱手段は、前記圧縮機(11)から吐出された高温冷媒の熱を前記過冷却冷媒に放熱させる吐出冷媒放熱部(21)であることを特徴とする請求項5に記載のエジェクタサイクル。
- 前記放熱器(12)と前記エジェクタ(13)との間の部位に冷媒圧力を減圧する減圧手段(22)を備えることを特徴とする請求項4ないし7のいずれか1つに記載のエジェクタサイクル。
- 前記冷媒は、フロン系冷媒、HC系冷媒、CO2冷媒のいずれか1つであることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載のエジェクタサイクル。
- 前記ノズル(13a)に流入する際の前記高圧冷媒の乾き度をノズル入口乾き度としたとき、前記ノズル入口乾き度を目標値に制御することを特徴とする請求項1に記載のエジェクタサイクルの制御方法。
- 前記喉部(13e)の冷媒通路面積、前記喉部(13e)を通過する前記高圧冷媒の流量、および前記ノズル(13a)における冷媒出入口間の圧力差に基づいて前記ノズル入口乾き度を算出し、
前記ノズル入口乾き度の算出結果に基づいて前記ノズル入口乾き度に影響を及ぼす因子のうち1つ以上の因子を調整することを特徴とする請求項10に記載のエジェクタサイクルの制御方法。 - 前記冷媒は、非共沸性冷媒または擬似共沸性冷媒であり、
前記ノズル(13a)の冷媒入口側の冷媒圧力、および前記ノズル(13a)の冷媒入口側の冷媒温度に基づいて前記ノズル入口乾き度を算出し、
前記ノズル入口乾き度の算出結果に基づいて前記ノズル入口乾き度に影響を及ぼす因子のうち1つ以上の因子を調整することを特徴とする請求項10に記載のエジェクタサイクルの制御方法。 - 前記冷媒は、フロン系冷媒、HC系冷媒、CO2冷媒のいずれか1つであることを特徴とする請求項10ないし12のいずれか1つに記載のエジェクタサイクルの制御方法。
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