JP2006007579A - インクカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【課題】 インク収容部の内部圧力の上昇等によりインクが噴出するのを防ぐ。
【解決手段】 インクカートリッジ1は、インク収容部2aの内部圧力が外気圧よりも高くなるとこれを外気中に放出し、内部圧力が外気圧よりも低下すると外気圧を導入してインク収容部2aの内部圧力を上昇させる圧力調整弁機構71を備えている。圧力調整弁機構71は、弁取付口12に取付られていて該弁取付口12を開閉するスリット状の開閉部72aを有する第1の弁体72と、インク収容部に開口部73を介して連通し、前記第1の弁体72及び弁取付口12を介して外気中に連通する圧力調整室74と、インク収容部の内部圧力が設定値を超えたときに前記開口部73を開放してインク収容部2aと圧力調整室74とを連通するとともに前記スリット状の開閉部72aを覆い隠す第2の弁体75と、を備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】 インクカートリッジ1は、インク収容部2aの内部圧力が外気圧よりも高くなるとこれを外気中に放出し、内部圧力が外気圧よりも低下すると外気圧を導入してインク収容部2aの内部圧力を上昇させる圧力調整弁機構71を備えている。圧力調整弁機構71は、弁取付口12に取付られていて該弁取付口12を開閉するスリット状の開閉部72aを有する第1の弁体72と、インク収容部に開口部73を介して連通し、前記第1の弁体72及び弁取付口12を介して外気中に連通する圧力調整室74と、インク収容部の内部圧力が設定値を超えたときに前記開口部73を開放してインク収容部2aと圧力調整室74とを連通するとともに前記スリット状の開閉部72aを覆い隠す第2の弁体75と、を備えている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、記録紙等の記録媒体上に記録ヘッドに設けた噴射ノズルから直接インクを噴射して記録を行うインクジェットプリンター等のインクジェット記録装置に用いられるインクカートリッジに関する。
プリンターに代表されるインクジェット記録装置は、キャリッジに搭載された多数の噴射ノズルを設けた記録ヘッドにインクを供給し、記録紙等の記録媒体上に直接インクを噴射して記録を行うものである。そして、前記記録ヘッドへのインクの供給は、記録ヘッドに着脱、交換可能とした一般にカートリッジと称されるインク収納容器(以下、インクカートリッジと称する)によってなされる。前記インクカートリッジとしては、ハードタイプのものとソフトタイプのもが知られている。
図16、図17に示すように、ハードタイプのインクカートリッジ101は、アクリルブチレンスチロール(ABS)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂のように比較的硬質の合成樹脂によって形成された本体部102と蓋部103とからなっている。前記本体部102の底面にはインクジェット記録装置のキャリッジにインクを供給するための供給針差込口104が形成されている。また、蓋部103にはインクを充填するためのインク注入口105が形成されている。
前記蓋部103の底面には、突起106が形成されていて、該突起106を本体部102の開口部107内に圧入して、該開口部107を蓋部103で塞ぐと共に、その周縁部を超音波溶着機によって溶着して、本体部102内を蓋部103で密閉している。そして、前記インク注入口105からインクを注入したのち、該インク注入口105を封印体108で封印するようになっている。
一方、図18に示すように、ソフトタイプのインクカートリッジ201は、インクを充填するビニールなどの軟質材で形成された袋体202の上部に略円筒状のインク注入口203を設けることにより形成されている。そして、前記インク注入口203からインクを注入したのち、該インク注入口203内にゴム等の弾性体で形成された栓204を圧入すると共に、前記インク注入口203の外周にキャップ205を取付ける構成になっている。前記インク注入口203は、供給針差込口を兼ねていて、インクジェット記録装置のキャリッジにインクを供給する際には、前記キャップ205の頂部に設けた孔部206および前記栓204を介して袋体202内にキャリッジのインク供給針が差し込まれるようになっている。
ところで、前記ハードタイプのインクカートリッジ101は、ABS樹脂、PC樹脂のように比較的硬質の合成樹脂によって形成されていて定形性を有するので取り扱いに便利でインクジェット記録装置のキャリッジに着脱し易いという利点がある反面、本体部102に蓋部103を超音波溶着機で溶着する際に、不可避的に樹脂の摩耗粉が発生し、摩耗粉の一部は本体部102内に脱落してしまい、インクの中に樹脂摩耗粉等の異物が混ざると、インクジェット記録装置のノズルに所謂詰まりが生じて、円滑なプリントができなくなる虞がある。このような虞は、本体部102と蓋部103を超音波溶着したのち、内部を洗浄してからインクを注入することにより解決することができるが、生産性が悪くコスト高になるという欠点がある。
一方、前記ソフトタイプのインクカートリッジ201は、インクを充填するビニールなどの軟質材で形成された袋体202を使用するもので、医療用等に用いられる従来の輸液パック等と略同様の構成であって、異物等の混入を防止できるという利点がある反面、柔軟な構造であるために取り扱い難く、インクジェット記録装置のキャリッジに着脱し難いという欠点がある。
そこで、前記ハードタイプのインクカートリッジ101の欠点および前記ソフトタイプのインクカートリッジ201の欠点を解決するものとして、内側容器と外側容器とを有し、内側容器を可撓性を有する袋容器で形成したインクカートリッジが開発されている。(例えば特許文献1)
前記インクカートリッジは、少なくとも内側容器と外側容器を有するものであって、内側容器は、可撓性のある袋容器で、少なくとも含浸性の充填材、弁取付口、および充填材が臨む排出口を含み、外側容器は、内側容器の排出口を給液対象に接続する接続部を持ち、かつ少なくとも二面に開口部を有しており、前記内側容器は液を収容し、前記外側容器に収容されていることを特徴とする。
前記インクカートリッジは、少なくとも内側容器と外側容器を有するものであって、内側容器は、可撓性のある袋容器で、少なくとも含浸性の充填材、弁取付口、および充填材が臨む排出口を含み、外側容器は、内側容器の排出口を給液対象に接続する接続部を持ち、かつ少なくとも二面に開口部を有しており、前記内側容器は液を収容し、前記外側容器に収容されていることを特徴とする。
そして、上記構成により、インクカートリッジの内側容器が可撓性を有する袋容器であっても、これを収納する外側容器によって、インクジェットプリンタのキャリッジ等と一緒に動いても他と干渉しない安定した姿勢や外形、また、キャリッジなどに着脱する際に、排出口を安定した状態で接続するための接続部形状などの要件を満足しながら、内側容器に収容した液を排出口から外側容器の接続部を通じて、充填材から滲み出させながら補給することができるようにしたものである。
特開平11−240169号公報(段落0009、段落0010等)
ところで、前記特許文献1のインクカートリッジには、次に述べるような問題点があった。
(1)内側容器が可撓性を有する袋容器で構成されているために、内部でインクが流動すると袋容器の形状も変化してしまうために持ち難く、取り扱いに不便なところがある。例えば、内側容器を外側容器内に挿入する場合などには内側容器が外側容器の内側容器収納部と同様の形体を保っている方が挿入し易い。また、インクという液体の入った袋容器が揺動しないように外側容器内に位置決め固定するのが難しい。
(2)袋容器内の液(インク)を使い終わったら、外側容器の開口部からシリジンの針を袋容器に突き刺して液(インク)の補充が可能であるが、針を抜いた跡の穴を専用の接着テープで塞がなければならない。
(3)外側容器と内側容器としての袋容器の二重構造になっているためにその分、使用する合成樹脂の量が多くなり、材料費が高くなると共に、重量が大になる。また、袋容器の内部に排出口に臨んで充填材を収納しているの袋容器の製造工程が複雑になりコストが高くなる。
(1)内側容器が可撓性を有する袋容器で構成されているために、内部でインクが流動すると袋容器の形状も変化してしまうために持ち難く、取り扱いに不便なところがある。例えば、内側容器を外側容器内に挿入する場合などには内側容器が外側容器の内側容器収納部と同様の形体を保っている方が挿入し易い。また、インクという液体の入った袋容器が揺動しないように外側容器内に位置決め固定するのが難しい。
(2)袋容器内の液(インク)を使い終わったら、外側容器の開口部からシリジンの針を袋容器に突き刺して液(インク)の補充が可能であるが、針を抜いた跡の穴を専用の接着テープで塞がなければならない。
(3)外側容器と内側容器としての袋容器の二重構造になっているためにその分、使用する合成樹脂の量が多くなり、材料費が高くなると共に、重量が大になる。また、袋容器の内部に排出口に臨んで充填材を収納しているの袋容器の製造工程が複雑になりコストが高くなる。
そこで、前記従来の問題点を解決するべく、図19、図20に示すように、インクカートリッジ301を、インクを収容する内側容器302と、該内側容器302を収納する外側容器303と、で構成し、前記内側容器302を、合成樹脂のブロー成形により形成し、上面側にインク注入口304を設け、底面側に弾性を有する栓305で塞がれた筒状のインク排出口306を設けると共に、前記外側容器303を、合成樹脂の射出成形によりスリーブ状に形成し、前記内側容器302を外側容器303の内側容器収納部307内に収納し、前記内側容器302に設けた筒状のインク排出口306を前記外側容器303の底面308に設けた孔部309から外部に突出させて、前記筒状のインク排出口306にキャップ310を取付けるようにしたものも開発されつつある。なお、前記キャップ310の天面には前記弾性を有する栓305の一部を露出させるための孔部311が設けられている。また、前記インク注入口304は栓312とキャップ313で塞がれている。また、前記内側容器302の上面側の前記インク注入口304と反対側の端部には、内側容器302のインク収容部302a(図22参照)内の圧力を調整するための圧力調整弁機構314が設けられている。
前記圧力調整弁機構314は、弁取付口315に弁体316とキャップ317を取り付けることにより形成されている。前記キャップ317の天面には孔部318が設けられている。
図21、図22に示すように、前記弁体316は、ゴムやプラスチック等の弾性材で形成されていて底面にスリット部319を有している。前記弁体316は、前記内側容器302のインク収容部302aの内部圧力が設定値の場合には、前記スリット部319が閉じた状態になっている。
前記内側容器302のインク収容部302aの内部圧力が設定値を超過すると、図23に示すように、前記弁体316の底面が前記弁取付口315側に撓んで前記スリット部319が開いた状態になって前記インク収容部302a内の圧力が外気中に放出される。また、前記内側容器302のインク収容部302aの内部圧力が設定値以下になると、図24に示すように、前記弁体316の底面がインク収容部302a側に撓んで前記スリット部319が開いた状態になって外気がインク収容部302a内に導入される。
ところで前記弁体316にあっては、前記インク収容部302a内の圧力が外気中に放出される際に、前記インク収容部302a内のインクも外部に飛散するという問題点があり、斯かる問題点を解決することがこの種のインクカートリッジの課題とされていた。
本発明の目的は、上記問題点を解決し、インクの飛散を防止することのできる圧力調整弁機構を備えたインクカートリッジを提供することにある。
本発明は、インク収容部の内部圧力が外気圧よりも高くなると前記内部圧力を外気中に放出する圧力調整弁機構を備えたインクカートリッジにおいて、前記圧力調整弁機構を、前記弁取付口に設けられていて該弁取付口を開閉するスリット状の開閉部を有する第1の弁体と、前記インク収容部に開口部を介して連通し前記第1の弁体を介して外気中に連通する圧力調整室と、前記インク収容部の内部圧力が設定値を超過したときに前記連通口を開放して前記インク収容部と圧力調整室とを連通するとともに前記第1の弁体のスリット状の開閉部を覆い隠す第2の弁体と、で構成した。前記圧力調整室を、前記インク収容部の内部に設けた。前記圧力調整室を、前記インク収容部の一部を深絞りすることにより形成したリブによって構成した。前記第1の弁体と第2の弁体を、一体に形成した。前記第2の弁体を、自身の持つ弾性によって前記圧力調整室形成用のリブに押し付けて前記連通口を閉塞する構成にした。前記第2の弁体を、前記第1の弁体のスリット状の開閉部よりも大に形成した。
外気圧がインク収容部の内部圧力よりも所定値以上低くなったときに前記内部圧力を外気中に放出する圧力調整弁機構を備えたインクカートリッジにおいて、前記圧力調整弁機構を、前記弁取付口の外気側の端部に設けられた弁体収容空間部と、前記弁取付口の外周で且つ前記弁体収容空間部の一端側と前記インク収容部の間に設けられて前記弁体収容空間部の一端側と前記インク収容部を連通するスリット状の連通溝と、前記弁体収容空間部内に収容されていて外気圧が設定値以下になると前記弁体収容空間部の外気側の端部に移動して前記弁取付口を閉塞し、外気圧が設定値を超えると前記弁体収容空間部の前記インク収容部側の端部に移動して前記スリット状の連通溝を介して前記インク収容部と外気を連通する弁体と、で構成した。前記弁体を、球形状に形成した。前記圧力調整弁機構の弁体収容空間部を、中栓に形成し、該中栓を前記弁取付口内に取り付ける構成にした。
前記圧力調整弁機構を、前記弁取付口に設けられていて該弁取付口を開閉するスリット状の開閉部を有する第1の弁体と、前記インク収容部に開口部を介して連通し前記第1の弁体及び前記弁取付口を介して外気中に連通する圧力調整室と、前記インク収容部の内部圧力が設定値を超過したときに前記連通口を開放して前記インク収容部と圧力調整室とを連通するとともに前記第1の弁体のスリット状の開閉部を覆い隠す第2の弁体と、で構成したので、前記インク収容部の内部圧力が設定値を超えると、その圧力で前記第2の弁体が開いて前記連通口から前記インク収容部の内部圧力及びインクの一部が圧力調整室内に導入されるとともに、圧力調整室内に導入された圧力は、前記第1の弁体のスリット状の開閉部を介して外気中に放出されるのであるが、このとき、前記第1の弁体のスリット状の開閉部は、前記第2の弁体で覆い隠された状態になっているので、前記インク収容部内のインクが前記第1の弁体のスリット状の開閉部から直接、外部に排出するのが防止される。特に、前記圧力調整室を、前記インク収容部の内部に設けたので、インクカートリッジの外形を変える必要がない。従って、プリンターのインクカートリッジ収納部の形状を変える必要もない。
前記インク収容部の一部を深絞りすることにより形成した圧力調整室形成用のリブによって前記圧力調整室を簡単、容易に形成することができる。また、前記第1の弁体と第2の弁体を、一体に形成したので、前記第1の弁体と第2の弁体を独立、別個に形成する場合に比べて部品点数の削減をはかることができる。前記第2の弁体を、自身の持つ弾性によって前記圧力調整室形成用のリブに押し付けて前記連通口を閉塞する構成にしたので、前記第2の弁体を前記圧力調整室形成用のリブに押し付けるためのバネ材が不要となる。前記第2の弁体を、前記第1の弁体のスリット状の開閉部よりも大に形成したので、該開閉部を確実に覆うことができる。
また、前記圧力調整弁機構を、弁取付口の外気側の端部に設けられた弁体収容空間部と、前記弁取付口の外周で且つ前記弁体収容空間部の一端側と前記インク収容部の間に設けられて前記弁体収容空間部の一端側と前記インク収容部を連通するスリット状の連通溝と、前記弁体収容空間部内に収容されていて外気圧が設定値以下になると前記弁体収容空間部の外気側の端部に移動して前記弁取付口を閉塞し、外気圧が設定値を超えると前記弁体収容空間部の前記インク収容部側の端部に移動して前記スリット状の連通溝を介して前記インク収容部と外気を連通する弁体と、で構成したので、インクカートリッジの空輸時等において、外気圧が設定値以下に下降した場合に前記弁体が前記弁取付口を閉塞してインクが外部に飛び散るのを防止する。前記弁体を、球形状に形成したので、前記弁体収容空間部内において弁体が回転したような場合でも確実に前記弁取付口を閉塞等を行うことができる。前記圧力調整弁機構の弁体収容空間部を、中栓に形成し、該中栓を前記弁取付口内に取り付ける構成にしたので、前記弁体収容空間部をインクカートリッジの弁取付口内に直接、形成する場合に比べて弁体収容空間部の寸法精度等を向上させることができるとともに、弁体収容空間部が変形するのを抑制することができる。
図1〜図7は、第1の実施例を示す。図1は内側容器を外側容器に収納する前の状態の斜視図、図2は内側容器を外側容器に収納した後の状態の斜視図、図3は裏返した状態の斜視図、図4は弁体を裏返して見た状態の斜視図、図5は第2の弁体が閉じている状態の断面図、図6は第2の弁体が開いた状態の断面図、図7はインク排出口部分の断面図である。
図1〜図3に示すように、インクカートリッジ1は、インクを収容する内側容器2と、該内側容器2を収納する外側容器3と、を備えている。
前記内側容器2は、合成樹脂のブロー成形により偏平な直方体形状に形成されていて、上面側の一端部には、インク注入口11が一体的に形成され、上面側の他端部には、次に説明する圧力調整弁機構71を構成する第1の弁体72及び第2の弁体73を取り付ける弁取付口12が一体的に形成され、底面側の中央部にはインク排出口13が一体的に形成されている。前記内側容器2の底面14は、前記インク排出口13に向かって下り勾配の傾斜面に形成されていて、内側容器2内のインクを余さずにインク排出口13から排出させることができるようになっている。
前記インク注入口11は、円筒状に形成されていて外周面に雄ネジ15が一体的に形成されている。前記インク注入口11は、栓16を圧入したのちに第1のキャップ17が螺着されて密封される。
前記圧力調整弁機構71は、内側容器2の内部圧力が外気圧よりも高くなると前記内部圧力を外気中に放出して、前記内側容器2の内部圧力を下げる。
図4、図5に示すように、前記圧力調整弁機構71は、前記弁取付口12に取り付けられていて該弁取付口12を開閉するスリット状の開閉部72aを有する第1の弁体72と、連通口73を介して前記インク収容部2aと連通し前記第1の弁体72を介して外気中に連通する圧力調整室74と、前記インク収容部2aの内部圧力が設定値を超過したときに前記連通口73を開放して前記インク収容部2aと圧力調整室74とを連通させるとともに前記第1の弁体72を覆い隠す第2の弁体75と、を備えている。
図4に示すように、第1の弁体72は、円筒部72bと、該円筒部72bに連設された扁平な角筒部72cと、を備えていて、前記角筒部72cの先端面72dに前記スリット状の開閉部72aを設けることにより形成されている。第1の弁体72は、前記ゴムやプラスチック等の弾性材で形成されていて、前記弁取付口12内に取り付けられている。
図5に示すように、前記内側容器2は、インク収容部2aの内部に前記圧力調整室74を備えている。前記圧力調整室74は、前記内側容器2の一端面から上面に向けて傾斜状のリブ76を設けることにより形成されている。前記傾斜状のリブ76は、内側容器2を一側面側から或いは両側面側から深絞りすることにより形成されている。
前記圧力調整室74は、前記連通口73を介して前記インク収容部2aに連通している。前記連通口73は、前記傾斜状のリブ76の上端部を前記内側容器2の上面から離した状態に成形することにより形成されている。
図5、図6に示すように、前記第2の弁体75は、前記連通口73を開閉する。図4に示すように、前記第2の弁体75は、前記第1の弁体72のスリット状の開閉部72aを設けた先端面72dの一端部から該先端面72dに対して所定の傾斜角度θ1で一体的に突出形成されている。
前記第2の弁体75の傾斜角度θ1は、前記傾斜状のリブ75の傾斜角度θ2(図5参照)よりも大になるように形成されていて、自身の持つ弾性によって前記傾斜状のリブ76に押し付けられて前記連通口73を閉塞するようになっている。また、図4に示すように、前記第2の弁体75の幅W1は、前記第1の弁体72のスリット状の開閉部72aの幅W2よりも大に形成されている。
前記弁体取付口12は、円筒状に形成されていて、前記第2の弁体75を一体に形成した第1の弁体72の円筒部72bを圧挿入して取り付けるようになっている。また、図5に示すように、前記弁体取付口12には前記第1の弁体72を圧挿入したのちに第2のキャップ19が取付けられる。前記第2のキャップ19の天面には孔部(空気孔)20が設けられている。
図1に示すように、前記インク排出口13は、円筒状に形成されていて先端部の外周面に雄ネジ21が一体的に形成されている。前記インク排出口13は、弾性を有するゴムやプラスチック等の栓22で塞がれたのちに第3のキャップ23が螺着される。前記第3のキャップ23の天面には前記弾性を有する栓22を露出させるための切欠部24が形成されている。前記内側容器2は、ポリプロピレン(PP)等の合成樹脂をブロー成形することにより形成されている。
前記外側容器3は、前記内側容器2を挿入する偏平なスリーブ状に形成されていて、内側容器収納部31の底部32に、収納した内側容器2のインク排出口13を外部に突出させる孔部33を備えている。前記外側容器3は、長辺側の側壁34に前記内側容器収納部31内に貫通する覗き窓部35を備えている。
前記外側容器3は、短辺側の側壁36に図示を省略したプリンターのカートリッジ収納部への収納ガイド部37を備えている。また、前記外側容器3は、前記内側容器収納部31の底部に前記プリンターのカートリッジ収納部への収納時において、位置決めを行なうための位置決めピン38を備えている。前記位置決めピン38は、インクの種類等を判別するための検知機能を備えている。
次に、前記インクカートリッジ1の組立方法の一例および作用について説明する。先ず、内側容器2の弁体取付口12に前記第1の弁体72を挿入すると、前記第1の弁体72の先端部に設けた第2の弁体75が前記傾斜状のリブ76に押しつけられて前記連通口73を閉塞する。
次に、インク排出口13内に弾性を有する栓22を圧入して該インク排出口13を塞ぐ。次に、インク注入口11からインクを内側容器2内に注入する。
インクが注入され内側容器2内の圧力が上昇して設定値以上になった場合には、その圧力で前記第2の弁体75が押圧され、前記連通口73が開いて内側容器2内の圧力が前記圧力調整室74内に排出される。インクの注入による内側容器2内の圧力上昇を前記圧力調整室74で完全に吸収できないときは、前記第1の弁体72が作用して前記スリット状の開口部72aから圧力が外部に放出される。
インクを注入し終えたら前記インク注入口11に栓16を圧入したのちに第1のキャップ17を螺着する。そして、内側容器2を外側容器3の内側容器収納部31内に挿入する。
内側容器2を外側容器3の内側容器収納部31内に挿入すると、内側容器2の下面に設けた円筒状のインク排出口13が外側容器3の底面32に設けた孔部33から外部に突出する。従って、前記円筒状のインク排出口13に第3のキャップ23を螺着して締め付ければ、図7に示すように、前記第3のキャップ23の端面39と内側容器2の底面14との間で外側容器3の底面32が挟着され、内側容器2と外側容器3とが一体的に結合されて、内側容器2が外側容器3から抜け出るのを防止する。また、インクカートリッジ1を使用中に何らかの原因で前記内側容器2内の圧力が急激に上昇し、或いは外気圧が急激に低下したような場合には、第2の弁体75が上記圧力で押圧されて前記連通口73が開いて内側容器2内の圧力が前記圧力調整室74内に排出されるのであるが、前記圧力で押圧された第2の弁体75は、図6に示すように、前記第1の弁体72のスリット状の開口部72aを覆い隠して、該開口部72aからインクが外部に飛散するのを防止する。
図8、図9は、前記圧力調整弁機構71の第2の実施例を示す。この実施例において前記圧力調整弁機構71は、弁取付口12の内周の連通孔81の上端に設けられた該外気連通孔81よりも大径の弁体収容空間部82と、該弁体収容空間部82内に収容されていて前記インク収容部2aの内部圧力が設定値を超過し或いは外部圧力が設定値以下になったときに前記弁体収容空間部82の上端側の端部に移動して前記キャップ19の孔部20を閉塞し、前記インク収容部2aの内部圧力が設定値以下のとき或いは外部圧力が設定値を超過したときに前記弁体収容空間部82の下端側(前記連通孔81側)の端部に移動して前記連通孔81を閉塞して該連通孔81の外周に設けたスリット状の連通溝83を介して前記インク収容部2aの内部と外部を連通させる弁体84と、で構成されている。
前記インクカートリッジ1を空輸するような場合に外気圧が低下してインクが噴出する虞がある。前記弁体84は、このような場合に前記弁体収容空間部82内を浮遊して前記弁体収容空間部82の上端側に移動して前記キャップ19の孔部20を閉塞する。前記弁体84は、発泡樹脂等の比重の小さい素材によって球形状に形成されている。前記弁体84の素材や重量は、インクカートリッジ1を空輸する場合に、外気圧が1.0atmから例えば0.7〜0.8atmに下がることを考慮して決定される。
第2の実施例の圧力調整弁機構71は、上述のような構成であって、インクカートリッジ1の空輸時等において、外気圧が例えば0.7〜0.8atm以下に低下すると、前記弁体83が前記弁体収容空間部82の上端側に移動して前記キャップ19の孔部20を閉塞して、該孔部20からインクが吸い出されて外部に飛び散るのを防止する。また、何等かの原因で前記インク収容部2aの内部圧力が設定値以下になったとき或いは外気圧が設定値を超過したときに前記弁体収容空間部82の下端側の端部に移動して前記連通孔81を閉塞するも該連通孔81の外周に設けたスリット状の連通溝83を介して前記インク収容部2aの内部と外部を連通させ前記スリット状の連通溝83を介して外気をインク収容部2a内に導入してインク収容部2a内の圧力と外気圧のバランスをとる。なお、前記弁体84の形状は、球形に限定されるものではなく、図10〜図12に示すように、2つの円錐体を結合した形状、或いは図13に示すように2つの円錐体を結合した形状、その他の形状であってもよい。また、前記弁体収容空間部82の内周面に前記弁体84の移動をガイドするリブを設けてもよい。他の構成は基本となる第1の実施例の場合と略同じであるので重複する説明を省略する。
図14は、前記弁取付口12内に中栓91を取り付け、該中栓91内に前記圧力調整弁機構71の弁体収容空間部82を設けた第3の実施例を示す。前記弁体取付口12に直接、前記弁体収容空間部82を形成する場合には、該弁体収容空間部81を精度よく形成するのが困難であり、また変形しやすい。そこで、この実施例においては、前記弁体取付口12と別個に円筒状の中栓91を形成し、該中栓91に弁体収容空間部82を設ける構成にした。これにより弁体収容空間部82をより精度よく形成することができるとともに、変形を抑制することができる。また、図15A,図15Bに示すように、前記中栓91と第3のキャップ19の間にパッキング92を挟んで圧縮することにより圧力の漏れやインクの漏れを確実に防止することができる。その他の構成は基本となる第1、第2の実施例の構成と略同様であるので重複する説明は省略する。なお、上記実施例においては、内側容器2に1個のインク排出口13を設けた場合を示したが、複数のインク排出口13を設けても良い。
1…インクカートリッジ、2…内側容器、2a…インク収容部、3…外側容器、11…インク注入口、12…弁体取付口、13…筒状のインク排出口、23…第3のキャップ、71…圧力調整弁機構、72…第1の開閉弁、72a…スリット状の開閉部、73…連通口、74…圧力調整室、75…第1の開閉弁、76…傾斜状のリブ、81…弁体収容空間部、82…スリット状の連通溝、83…弁体、91…中栓、92…パッキング。
Claims (9)
- インク収容部の内部圧力が外気圧よりも高くなると前記内部圧力を外気中に放出する圧力調整弁機構を備えたインクカートリッジにおいて、
前記圧力調整弁機構は、前記弁取付口に設けられていて該弁取付口を開閉するスリット状の開閉部を有する第1の弁体と、前記インク収容部に開口部を介して連通し前記第1の弁体を介して外気に連通する圧力調整室と、前記インク収容部の内部圧力が設定値を超過したときに前記連通口を開放して前記インク収容部と圧力調整室とを連通するとともに前記第1の弁体のスリット状の開閉部を覆い隠す第2の弁体と、を備えていることを特徴とするインクカートリッジ。 - 前記圧力調整室は、前記インク収容部の内部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のインクカートリッジ。
- 前記圧力調整室は、前記インク収容部の一部を深絞りすることにより形成したリブによって構成されていることを特徴とする請求項1に記載のインクカートリッジ。
- 前記第2の弁体は、前記第1の弁体と一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のインクカートリッジ。
- 前記第2の弁体は、自身の持つ弾性によって前記圧力調整室形成用のリブに押し付けられて前記連通口を閉塞することを特徴とする請求項4に記載のインクカートリッジ。
- 前記第2の弁体は、前記第1の弁体のスリット状の開閉部よりも大に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のインクカートリッジ。
- 外気圧がインク収容部の内部圧力よりも所定値以上低くなったときに下降して前記インク収容部の内部圧力を外気中に放出する圧力調整弁機構を備えたインクカートリッジにおいて、
前記圧力調整弁機構は、弁取付口の外気側の端部に設けられた弁体収容空間部と、前記弁取付口の外周で且つ前記弁体収容空間部の一端側と前記インク収容部の間に設けられて前記弁体収容空間部の一端側と前記インク収容部を連通するスリット状の連通溝と、前記弁体収容空間部内に収容されていて外気圧が設定値以下になると前記弁体収容空間部の外気側の端部に移動して前記弁取付口を閉塞し、外気圧が設定値を超えると前記弁体収容空間部の前記インク収容部側の端部に移動して前記スリット状の連通溝を介して前記インク収容部と外気を連通する弁体と、で構成されていることを特徴とするインクカートリッジ。 - 前記弁体は、球形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のインクカートリッジ。
- 前記圧力調整弁機構の弁体収容空間部は、前記弁取付口内に取り付けられた中栓に形成されていることを特徴とする請求項7に記載のインクカートリッジ。
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JP2008018599A (ja) * | 2006-07-12 | 2008-01-31 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置 |
JP2019021735A (ja) * | 2017-07-14 | 2019-02-07 | 信越ポリマー株式会社 | 基板収納容器 |
-
2004
- 2004-06-25 JP JP2004187812A patent/JP2006007579A/ja active Pending
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