JP2006002076A - 熱伝導性弾性材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】良熱伝導材を高配合しても十分な弾性と密着性を有し、200℃の環境下で、高い絶縁破壊電圧を有する熱伝導性弾性材料を提供すること。
【解決手段】ポリジメチルシロキサンとシラン化合物との反応生成物であるシリコーンポリマー前駆体に、良熱伝導材を高配合した低硬度で十分な弾性を有した耐熱性弾性材料が得られた。または、該PDMSと該シラン化合物および金属アルコキド類との反応生成物であるシリコーンポリマー前駆体に、良熱伝導材を高配合した低硬度で十分な機械特性と、高い熱的特性を有した耐熱性弾性材料が得られた。該良熱伝導剤としては、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物が通常用いられ、該耐熱性弾性材料に、更に導電性付与材を添加することで導電性を有する耐熱性弾性材料が得られた。
【選択図】なし

Description

本発明は熱伝導性材料に関するものである。
例えば電源用パワートランジスタ、半導体部品、または電子写真用部品等には熱伝導性を有する高熱伝導性材料が使用される。従来、この種の熱伝導性を有する高熱伝導性材料としては、耐熱性の面からシリコーンゴムに良熱伝導材を充填したものが使用されている(例えば特許文献1〜3参照)。
特開2000−001616公報 特開2000−345040公報 特開2003−198166公報
従来使われているシリコーンゴムを用いた熱伝導性材料は、良熱伝導材を高配合することが困難であり、そのシート状部材の熱伝導度としては、5W/m・K程度が限界で、一般的には3W/m・K前後である。またこのシート状部材では発熱体や放熱材との密着力が重要であり、高熱伝導化のために良熱伝導材を高配合した場合、シートが硬くなるため発熱体や放熱材との密着力が低下し、効率的な放熱ができない。発熱体等との密着力には優れるゲル状部材では、10W/m・K程度のものも提案されているが、材料強度が低いため締付けて使用することが困難で、使用する都度発熱体や放熱材への塗布が必要で作業性が悪いといったハンドリングや使用状態の制約が大きい。また高集積化により発熱体の表面温度が200℃程度の高温になること、また多くの放熱材が金属であるため、200℃の環境下での連続使用に耐えうる絶縁性を有するこが要求される。以上の理由で、良熱伝導材を高配合しても十分な弾性と密着性を有し、200℃の環境下で、高い絶縁破壊電圧を有する熱伝導性弾性材料を提供することである。
即ち本発明は、絶縁破壊電圧が10kV/mm以上で、温度200℃における電気抵抗率が1×1012Ω・cm以上であることを特徴とする熱伝導性弾性材料である。また本発明は、官能基を有するポリジメチルシロキサン(PDMS)と、該PDMSの官能基と反応可能な官能基を有するシラン化合物との反応生成物であるシリコーンポリマー前駆体に良熱伝導材料を添加し加熱し硬化したことを特徴とする熱伝導性弾性材料である。あるいは官能基を有するポリジメチルシロキサン(PDMS)と、該PDMSの官能基と反応可能な官能基を有するシラン化合物と、金属およびまたは半金属アルコキシドとの反応生成物であるシリコーンポリマー前駆体に良熱伝導材を添加し、加熱し硬化したことを特徴とする熱伝導性弾性材料である。この場合良熱伝導材としては、アスペクト比が5以上のものと、アスペクト比が5以下のものとを混合することが望ましい。更には、PDMSとシラン化合物との反応の際、或いは、PDMSとシラン化合物、金属およびまたは半金属アルコキシドとの反応の際に、硬化剤として有機金属化合物を添加することが望ましい。また、PDMSの官能基と反応可能な官能基を有するシラン化合物は、シラン系カップリング剤であることが望ましい。
上記PDMSは重量平均分子量(Mw)は15000以上が望ましく、20000以上がより望ましい。該PDMSは、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が1.5以上の分子量分布を有するものが望ましい。前記高熱伝導性材料は、官能基を有する該PDMSと、該PDMSの官能基と反応可能な官能基を有する該シラン化合物と、およびまたは金属アルコキシド類との縮合反応等によってゾル液状のシリコーン樹脂に合成されるが、該縮合反応等は80℃以上に加熱することが望ましい。
〔作用〕
アスペクト比が異なる前記良熱伝導体を二種類以上配合することで熱伝導性を向上せしめ、高熱伝導性の材料が得られる。即ち、アスペクト比が5以上の鱗片状の良熱伝導材と、アスペクト比が5以下の球状または塊状の良熱伝導材を配合することで、加圧時に優れた高熱伝導材が得られる。また、官能基を有する該PDMSと該PDMSと反応する官能基を有するシラン化合物との反応生成物である該シリコーン樹脂に、該良熱伝導材を高配合しても、低硬度で十分な弾性を有する耐熱性弾性材料が得られる。該PDMS、該シラン化合物、および金属アルコキド類との反応生成物である該シリコーン樹脂に、該良熱伝導材を高配合しても低硬度で十分な弾性と高熱伝導性を有する耐熱性弾性材料が得られる。該PDMSと該シラン化合物、およびまたは金属アルコキド類との反応の際に、反応促進剤として有機金属化合物を添加することで、短時間で反応が進み該シリコーン樹脂を短時間で得ることができる。
本発明を以下に詳細に説明する。
本発明によれば、良熱伝導材を高配合しても十分な弾性と密着性を有し、200℃の環境下で、高い絶縁破壊電圧を有する熱伝導性弾性材料を提供することができる。
本発明の耐熱性弾性材料は、官能基を有するPDMSと、該PDMSの官能基と反応可能な官能基を有するシラン化合物との反応生成物であるゾル液状のシリコーン樹脂に、良熱伝導材を添加し加熱ゲル化せしめることによって得られる。
〔PDMS〕
本発明のPDMSとしては、シラノール変性ポリジメチルシロキサンのような、片末端または両末端に、シラン化合物、金属およびまたは半金属アルコキシドの官能基と反応可能な官能基を有するポリオルガノシロキサン等を使用することが出来る。該ポリオルガノシロキサンは、一般に重量平均分子量が400〜80000の範囲にあるものが使用されるが、耐熱性の点からみて重量平均分子量は15000以上であるのものが望ましい。該高熱伝導性材料の使用状況が200℃以上の高温条件下では、重量平均分子量が15000〜80000のポリオルガノシロキサンを使用することが望ましい。該ポリオルガノシロキサンの重量平均分子量が80000以上であると、ゾル液の粘度が高くなり過ぎて作業性が悪くなり、重量平均分子量が15000以下であると、得られる該耐熱性伝導弾性材料の耐熱性が劣る。官能基を有するポリジメチルシロキサン(PDMS)の官能基、および官能基を有するポリジメチルシロキサン(PDMS)と該PDMSの官能基と反応可能な官能基とは、例えば以下に示される官能基(化学式1〜化学式13)である。なお化学式のRおよびR´は、メチレン、アルキレン、アルキルを示す。
Figure 2006002076
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但し、X=−OCH3、−OC2H5等のアルコキシル基、−NH、のアミノ基、−CONHのアミド基、−Cl、Br等のハロゲン原子、
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このような官能基を有する該ポリオルガノシロキサンは、シラン系カップリング剤のようなシラン化合物、有機金属化合物、金属または半金属アルコキシドと円滑に反応し易い。
〔シラン化合物〕
本発明で使用されるシラン化合物としては、前記PDMSと同様に、活性水素または潜在的に活性水素を持った官能基を有するシラン化合物である。その一つにシランカップリング剤がある。シランカップリング剤としては、従来からある市販のものが使用できる。例えば、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、アミノシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩)、アミノシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロールイド、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
〔有機金属化合物〕
本発明で使用される有機金属化合物としては、ジブチル錫ジラウリレート、酢酸第1錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、ナフテン酸鉛、カプリル酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、チタン酸テトラブチルエステル、ステアリン酸鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム等があげられる。
〔金属アルコキシド類〕
本発明で使用される金属アルコキシド類、即ち金属または半金属アルコキシドの金属または半金属の種類としては、ホウ素、アルミニウム、ケイ素、チタン、バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、ランタン、セリウム、カドミウム、タンタル、タングステンのうち一種または二種以上の金属で、アルコキシドを形成し得る金属または半金属が挙げられるが、特に望ましい金属はチタン、ジルコニウム、ケイ素である。またアルコキシドの種類としては特に限定されることなく、例えばメトキシド、エトキシド、プロポキシド、ブトキシド等が挙げられる。前記金属または半金属アルコキシドはアセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸イソプロピル等のアセト酢酸エステル等の化学修飾剤によって化学修飾されることが望ましい。
〔良熱伝導材〕
本発明で使用される良熱伝導材としては、アスペクト比(平均長径/平均厚さ)が5以上の燐辺状またはフレーク状等のものと、アスペクト比が5未満の球状または塊状等のものを混合することが望ましい。また、アスペクト比が同じでも粒子径の異なる数種類の同一種類良伝導材を混合することはさらに望ましい。電気絶縁性を有しアスペクト比が5以上の良熱伝導材としては、例えば、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化クロム、窒化ケイ素、窒化タングステン、窒化マグネシウム、窒化モリブデン、窒化リチウム等の金属窒化物、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化セリウム等の金属酸化物粉等があり、特に該窒化ホウ素は、誘電率も低く電気部材として優れた特性を持ち、鱗片状のものがあり、高配合による硬度上昇が低く、低硬度の成形体が得られるため良熱伝導材としてより望ましい。電気絶縁性を有しアスペクト比が5未満の良熱伝導材としては例えば、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化セリウム等の金属酸化物粉、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化タンタル、炭化チタン、炭化鉄、炭化ホウ素等の金属炭化物等の微粒子があり、通常粒度は0.1μm〜30μm程度である。また、これらの微粒子表面に、シランカップリング剤を被覆しても良い。
〔高熱伝導性弾性材料の製造〕
本発明の高熱伝導性材料は、前記PDMSの官能基と、該PDMSと反応可能な官能基を有するシラン化合物、およびまたは金属アルコキシド類との加水分解を伴う縮合反応等によって合成される。該縮合反応は80℃以上に加熱して前記ケイ素化合物を低粘度化した状態で行われる。高熱伝導性材料を製造するには、まず前記PDMSの有機成分と、所望の前記シラン化合物、およびまたは金属アルコキシド類の加水分解物、必要に応じて有機金属化合物とを反応させゾル液状のシリコーン樹脂を調製する。該有機成分は、該シラン化合物や加水分解前の金属アルコキシド類に対して配合してもよいし、該シラン化合物や加水分解した金属アルコキシド類に対して配合してもよい。具体的には、前記PDMSの溶液中に該シラン化合物や該金属アルコキシド類、あるいは所望なれば前記化学修飾剤によって修飾された金属アルコキシド類を滴下後、該シラン化合物を滴下してもよい。前記製造に使用する溶液としては、例えばメタノール、エタノール等の各種アルコールの他、アセトン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン等が一般的に使用される。
なお該溶液は、過剰に存在する水分や低分子量成分を除去するために加熱・蒸留処理することが望ましい。水分除去を行えば、PDMS溶液中に金属属アルコキシド類を添加した場合、該金属アルコキシド類の残存水分による加水分解が防止出来、金属アルコキシド類の滴下速度を早めて耐熱性弾性材料の合成を短時間に行うことが出来、また低分子量成分残存による表面のべたつき、機械的強度の劣化等の不具合を効果的に解消することが出来る。
前記PDMS溶液は塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸等を添加して酸処理またはアンモニア等によるアルカリ処理されることが望ましい。通常、PDMS溶液のpHが3〜13の範囲になるようにPDMS溶液に添加される。Ti系アルコキシドにおいては、架橋を直線的に進めることを目的に強酸性条件での合成を実施してもよい。また、Zr系アルコキシド等では、一部溶剤可溶された原料を用い、無触媒条件で実施してもよい。
PDMS溶液に加えられる金属アルコキシド類を化学修飾剤によって化学修飾する場合、該化学修飾剤は金属アルコキシド類1モルに対して1.5モル以下の量、望ましくは0.5モル以上の量で使用される。
前記金属アルコキシド類の前記PDMSに対する添加量は、通常モル比で1:0.1〜1:200の範囲とする。また該金属アルコキシド類に対して該PDMSは90体積%程度であることが望ましい。前記比率よりも金属または半金属成分が多いと、該金属または半金属成分が粒塊を形成し、得られる耐熱性弾性材料にうねりや気孔が形成され、またPDMSが多いと無機成分によるシナジー効果が現れず、有機成分の特性に近づく。
前記シリコーンポリマー前駆体には、前記良熱伝導性材を添加する。該良熱伝導材の添加量は、通常シリコーンポリマー前駆体に対して0.5〜2000質量%程度である。本発明のシリコーンポリマー前駆体は良熱伝導体分散性に優れるので、容易に該良熱伝導性材を均一に分散させることが出来る。また前記良熱伝導材のうち数μm程度の粒子径を持つ微小粒子は、増粘剤としても作用するので、該シリコーンポリマー前駆体を増粘し、かつチクソトロピックな粘度特性を与える。従って、厚い塗膜を容易に形成することが出来る。なお該シリコーンポリマー前駆体には、該良熱伝導材以外に、所望により、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、粘度調節剤等の充填剤を添加することができる。以上のようにして得られるゾル液状シリコーンポリマー前駆体は、白濁化することなく、かつポットライフの長い溶液となる。
前記シリコーンポリマー前駆体から耐熱性弾性材料を製造するには、通常基材上にシリコーンポリマー前駆体に良熱伝導材を添加した溶液を塗布し加熱する。該良熱伝導材を添加したシリコーンポリマー前駆体液は、注型成形、押出成形等によって形状化され、一定の雰囲気下にて焼成される。また芯型や基材となる部材表面に塗布され、加熱することによって芯型や基材表面に所定形状の耐熱性弾性材料を形成しうる。なお加熱条件は、通常60℃〜450℃、5分〜8時間行われる。
〔耐熱性弾性材料〕
本発明の耐熱性熱伝導材料は、前記耐熱性弾性材料からなるものである。本発明の耐熱性弾性材料は、耐熱性、熱伝導性、弾性、密着性、電気導電性に優れている。以下に本発明を更に具体的に説明するための実施例を記載する。
GE東芝シリコーン製両末端シラノールポリジメチルシロキサン(商品名:YF3057、MW=35,000、Mn=9,700、Mw/Mn=3.6)1molに、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学製シランカップリング剤KBE903 1mol)を添加し、脂肪酸錫化合物であるGE東芝シリコーン製CR15を、ジメチルシロキサン重量に対して2wt%添加し混合した。このゾル液に、電気化学工業製窒化ホウ素SP-2をゾル液に対して40wt%、アエロジル(日本アエロジル(株)R−972)3wt%を添加し、スクリュー攪拌機にて混合した。真空脱泡の後、テフロン(登録商標)型にて、150℃まで昇温し1時間保持、その後250℃まで昇温し1時間保持することで、機械的強度に優れた弾性シートを得た。このシートの機械的特性を測定した結果、表1のデータが得られた。また、このシートの熱伝導率を測定した結果、2.0W/m・Kの値が得られた。絶縁破壊電圧はJIS C2110に準じ測定した所、11.5kV/mmであった。また電気抵抗率はJIS K6911に準じ測定した所、20℃で1×1014Ω・cmであった。また200℃の雰囲気中では1×1012Ω・cmであった。
(比較例1)
比較例として、複写機・プリンタに用いられる定着ロール用の耐熱性シリコーンゴムの機械的特性を表1にデータを列記した。
Figure 2006002076
GE東芝シリコーン製両末端シラノールポリジメチルシロキサン(商品名:YF3057、Mw=35,000、Mn=9,700、Mw/Mn=3.6)1molに、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学製シランカップリング剤KBE903 1mol)を添加し、脂肪酸錫化合物であるGE東芝シリコーン製CR15を、ジメチルシロキサン重量に対して2wt%添加し混合した。このゾル液に、酸化亜鉛(シーアイ化成(株))をゾル液に対して40wt%、アエロジル(日本アエロジル(株)R−972)3wt%を添加し、スクリュー攪拌機にて混合した。真空脱泡の後、テフロン(登録商標)型にて、150℃まで昇温後1時間保持し、その後250℃まで昇温後1時間保持することで、機械的強度に優れた弾性シートを得た。また、このシートの熱伝導率を測定した結果、3.0W/m・Kの値が得られた。また、このシートの絶縁破壊電圧は11.5kV/mmで、電気抵抗率が、20℃で1×1014Ω・cmであった。また200℃の雰囲気中では、1×1012Ω・cmであった。
GE東芝シリコーン製ジメチルシロキサン(商品名:YF3905 MW=16,000、Mn=6,300、Mw/Mn=2.5)を0.7molに、無水エタノール0.1molを添加し、0.03molの濃塩酸を加え100℃に加熱処理しA液とした。別途、アセト酢酸エチル0.5molに和光純薬製Tiテトライソプロポキシド1molを窒素雰囲気下で加え、攪拌混合してB液とした。A液にB液を滴下し、混合ゾル液を調整した。このゾル液にγ-アミノプロピルトリエトキシシラン信越化学製シランカップリング剤KBE903 1molを添加し、脂肪酸錫化合物であるGE東芝シリコーン製CR15を、ジメチルシロキサン重量に対して2wt%添加し混合した。このゾル液に、高熱伝導を目的にアルミナを混合した。配合は、ゾル液に対して85wt%をスクリュー攪拌機にて混合した。この混合物を加圧圧延ロールでシート化し、最高温度250℃まで6時間かけて焼成した。このシートの熱伝導率を測定した結果、3.6W/m・Kの値が得られた。また、このシートの絶縁破壊電圧は11.5kV/mmで、電気抵抗率が、20℃で1×1014Ω・cmであった。また200℃の雰囲気中では1×1012Ω・cmであった。
GE東芝シリコーン製ジメチルシロキサン(商品名:YF3905 MW=16,000、Mn=6,300、Mw/Mn=2.5)を0.35molを100℃に加熱処理しA液とした。別途、3−オキソブタン酸エチル0.5molに和光純薬製Zrテトラプロポキシド1molを窒素雰囲気下で加え、攪拌混合してB液とした。A液にB液を滴下し、混合ゾル液を調整した。このゾルにγ-アミノプロピルトリエトキシシラン信越化学製シランカップリング剤KBE903 1molを添加し、脂肪酸錫化合物であるGE東芝シリコーン製CR15を、ジメチルシロキサン重量に対して2wt%添加し混合した。このゾル液に、電気化学工業製窒化ホウ素SP-2(アスペクト比6〜15)を合計40wt%、アエロジル(日本アエロジル(株)RX200、アスペクト比2〜4)5wt%を添加し、スクリュー攪拌機にて混合した。真空脱泡の後、150℃まで加温してゲル化を促進した後、T台押出しにて0.1mm厚にフィルム化し、最終的に250℃の雰囲気炉を通して固化させた。このフィルムの電気絶縁性を評価したところ、室温で1014Ω・cm以上、200℃においても1012Ω・cmという良好な耐熱絶縁特性を示した。また、このシートの熱伝導率を測定した結果、3.0W/m・Kの値が得られた。また、このシートの絶縁破壊電圧は11.5kV/mmで、電気抵抗率が、20℃で1×1014Ω・cmであった。また200℃の雰囲気中では1×1012Ω・cmであった。
GE東芝シリコーン製ジメチルシロキサン(商品名:YF3905 MW=16,000、Mn=6,300、Mw/Mn=2.5)を0.3molを100℃に加熱処理しA液とした。別途、3−オキソブタン酸エチル0.5molに和光純薬製Zrテトラプロポキシド1molを窒素雰囲気下で加え、攪拌混合してB液とした。A液にB液を滴下し、混合ゾル液を調整した。このゾルにγ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン信越化学製シランカップリング剤KBE402 1molを添加し、脂肪酸錫化合物であるGE東芝シリコーン製CE601を、ジメチルシロキサン重量に対して0.5wt%添加し混合した。このゾル液に、高熱伝導を目的にアルミナを混合した。配合は、ゾル液に対して90wt%を2軸混練押出し機にて混合した。真空押出し機にてシート状に押出し、最高温度250℃まで6時間かけて焼成した。このシートの熱伝導率を測定した結果、5.1W/m・Kの値が得られた。また、このシートの絶縁破壊電圧は11.5kV/mmで、電気抵抗率が、20℃で1×1014Ω・cmで、200℃の雰囲気中では1×1012Ω・cmであった。
GE東芝シリコーン製ジメチルシロキサン(商品名:YF3905 MW=16,000、Mn=6,300、Mw/Mn=2.5)を0.7molに、無水エタノール0.1molを添加し、0.03molの濃塩酸を加え100℃に加熱処理しA液とした。別途、アセト酢酸エチル0.5molに和光純薬製Tiテトライソプロポキシド1molを窒素雰囲気下で加え、攪拌混合してB液とした。A液にB液を滴下し、混合ゾル液を調整した。このゾルにγ-アミノプロピルトリエトキシシラン信越化学製シランカップリング剤KBE903 1molを添加し、脂肪酸錫化合物であるGE東芝シリコーン製CR15を、ジメチルシロキサン重量に対して2wt%添加し混合した。このゾル液に、導電剤として川崎製鉄製KMFC HA2500F(カーボン)を25wt%添加しスクリュー攪拌機にて混合した。この混合物を加圧圧延ロールでシート化し、最高温度250℃まで6時間かけて焼成した。このシートの絶縁破壊電圧は11.5kV/mmで、電気抵抗率が、20℃で1×1014Ω・cmで、200℃の雰囲気中では1×1012Ω・cmであった。
図1にICパッケージの放熱装置の一実施例を示す。上記放熱装置(1) はプリント配線基板(2) と該プリント配線基板(2) 上に設置されるセントラル・プロセッシング・ユニット(CPU)(3) と、CPU(3) 上面に形成される放熱被膜(4) と、該放熱被膜(4) 上面に載置される放熱板(5) とからなり、CPU(3) と放熱被膜(4) とは基板(2) と放熱板(5) 間にボルト(6) 、ナット(7) によって挟圧されている。
上記CPU(3) 表面に放熱被膜(4) を形成するには、CPU(3) 表面に実施例1のシートを設置した。上記放熱装置(1) は良好な放熱効果を有し、蓄熱量が少なく耐久性に富む。また低硬度で適度なタック性を示しており、密着性に富むことから良好な放熱材となり得る。
本発明の耐熱性弾性材料は、特に電気部材である耐熱性熱伝導部材、放熱部材等に応用される。
ICパッケージの放熱装置の断面図(実施例7)
符号の説明
4 放熱被膜

Claims (7)

  1. 絶縁破壊電圧が10kV/mm以上で、200℃における電気抵抗率が1×1012Ω・cm以上であることを特徴とする熱伝導性弾性材料。
  2. 官能基を有するポリジメチルシロキサン(PDMS)と、該PDMSの官能基と反応可能な官能基を有するシラン化合物との反応生成物であるシリコーンポリマー前駆体に良熱伝導材料を添加し加熱し硬化したことを特徴とする請求項1に記載の熱伝導性弾性材料。
  3. 官能基を有するポリジメチルシロキサン(PDMS)と、該PDMSの官能基と反応可能な官能基を有するシラン化合物と、金属およびまたは半金属アルコキシドとの反応生成物であるシリコーンポリマー前駆体に良熱伝導材を添加し、加熱し硬化したことを特徴とする請求項1〜請求項2に記載の熱伝導性弾性材料。
  4. 該良熱伝導材は、アスペクト比が5以上のものと、アスペクト比が5以下のものとを混合したことを特徴とする請求項1〜3に記載の熱伝導性弾性材料。
  5. 該PDMSと該シラン化合物との反応の際に、硬化剤として有機金属化合物を添加することを特徴とする請求項1〜請求項3に記載の熱伝導性弾性材料。
  6. 該PDMSと該シラン化合物と、該金属およびまたは該半金属アルコキシドとの反応の際に、硬化剤として有機金属化合物を添加することを特徴とする請求項1〜請求項4に記載の熱伝導性弾性材料。
  7. 該PDMSの官能基と反応可能な官能基を有するシラン化合物は、シラン系カップリング剤であることを特徴とする請求項1〜請求項5に記載の熱伝導性弾性材料。
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