JP2006001850A - 水性防腐剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 工業用水や工業製品などにおいて優れた防腐効果を発揮し、かつ安全性や剤自体の安定性にも優れ、さらには環境への負荷が極力軽減された水性防腐剤を提供する。
【解決手段】 水、または水と有機溶剤とからなる混合溶媒を溶媒とする水性防腐剤において、主殺菌剤としてハロゲン化脂肪族ニトロアルコール、およびイソチアゾリン化合物を、安定化剤として澱粉を含有する。

Description

本発明は、水性であるために環境に与える負荷が小さく、紙・パルプ工業における抄紙工程水や、各種工業用の冷却水や洗浄水などの工業用水、重油スラッジ、金属加工油剤、繊維油剤、塗料、ラテックス、接着剤、紙用塗工液、糊剤などの工業製品などに用いた際に優れた防腐効果を示し、かつ安定性にも優れて長期の保存が可能な水性防腐剤に関する。
従来より、製紙工程における抄紙工程水や、各種工業用の冷却水や洗浄水などの工業用水、重油スラッジ、金属加工油剤、繊維油剤、塗料、ラテックス、接着剤、紙用塗工液、糊剤、皮革などの工業製品などにおいては、細菌や黴などの微生物が増殖しやすく、それらの生産性低下や製造工程中の作業性低下を招来し、ひいては品質低下の原因となっている。
特に、製紙工業用水を用いて製造される紙用塗工液においては、有害微生物によりこれが固化したり、悪臭や異臭が発生して作業環境を悪化させ、公衆衛生上好ましくない現象を引き起こしたりしている。
また、製紙工程における用水系では、糸状菌類や酵母菌類などの有害微生物の増殖によりスライムが発生し、パルプスラリーが流れる水路や、チェスト、フローボックス、輸送パイプ、その他パルプスラリーの流速が小さくなって淀むような場所にスライムが多量に付着形成しやすい。
これらのスライムはしばしば剥離し、パルプスラリー中に再び混入して抄紙工程に移行し、紙切れ、あるいは製品汚染の原因となり、品質の低下や種々の障害を発生させ、殊に近年の高速抄紙においては、著しい生産性低下や断紙、損紙などの経済的損失を招来している。
他方、重油スラッジ、金属加工油剤、繊維油剤、塗料、ラテックス、接着剤、紙用塗工液、糊剤、皮革などの工業製品においても非常に微生物が繁殖しやすく、腐敗した場合、悪臭や異臭を発生したり、発泡を引き起こしたりするなどの製品衛生上好ましくない現象を生じることがあり、著しい品質の低下を招くなど種々の障害を発生させているのが現状である。
当該技術分野において、有害微生物の防除剤としては、これまで、例えば有機金属化合物類、有機塩素化合物類、有機硫黄化合物類、有機窒素化合物類、第四級アンモニウム塩化合物類などが用いられてきた。しかしこれらの化合物は、人体に対して毒性を有するうえ、悪臭や異臭を発したり、これを一般河川や海などに投流した場合には、魚介類などに対して悪影響を与えるなど、環境保護上でも問題を生じるものである。
このような問題を回避する有効な手段として、例えば2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミドなどの使用が知られているが、作用性に偏りがあり微生物に対する効力が不十分であるうえ、シアノ基を有する化合物であるため、作業に際しての安全性や排水を介しての動植物などの環境への影響が危惧されているのが実状である。
そこで、環境保全上の問題を低減するため、上記の様な化合物を使用しない防腐剤、具体的には、脂肪族ニトロアルコールと4,5−ジクロロ−2−オクチルイソチアゾリン−3−オンとを10:1〜1:10の重量割合で含有する防腐剤(特開平1−197411号公報)などが提案されている。
本剤は、上記の様な化合物を使用しないという点においては評価されるものの、溶媒として主に有機溶剤のみを用いている。
環境への負荷を極力軽減するためには、溶媒として水を用いて水性とすることが望まれるが、そうした場合、得られる防腐剤の安定性が十分ではないという問題を有していた。
特開平1−197411号公報
本発明が解決しようとする課題は、工業用水や工業製品などにおいて優れた防腐効果を発揮し、かつ安全性や剤自体の安定性にも優れ、さらには環境への負荷が極力軽減された水性防腐剤を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、環境負荷の低減という観点から溶媒を水、または水と有機溶剤との混合溶媒とすることにより水性としても、これに澱粉を加えること、あるいは防腐剤として特定のものを使用することなどにより剤自体の安定性を付与できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、一般式Iで表されるハロゲン化脂肪族ニトロアルコール、一般式IIで表されるイソチアゾリン化合物、および澱粉を含有することを特徴とする水性防腐剤をその要旨とし、
Figure 2006001850

式中、
、R:水素基、ハロゲン基、または置換基を有してもよいアルキル基
X:ハロゲン基

Figure 2006001850

式中、
:炭素数1〜8のアルキル基
Y、Z:水素基、またはハロゲン基

上記のハロゲン化脂肪族ニトロアルコールとイソチアゾリン化合物との重量比が、ハロゲン化脂肪族ニトロアルコール1に対して、イソチアゾリン化合物0.07以下であることを特徴とする該水性防腐剤、さらには、澱粉を0.01〜15重量%含有する該水性防腐剤をもその要旨とする。
本発明の水性防腐剤は、一般式Iで表されるハロゲン化脂肪族ニトロアルコールと一般式IIで表されるイソチアゾリン化合物をその主殺菌剤とする。
このうち、ハロゲン化脂肪族ニトロアルコールは、これ自体公知の化合物であって、それ単独では糸状菌類や酵母菌類に対して活性が著しく劣り、細菌類に対しても所望の効果が十分には得られない。
また、イソチアゾリン化合物も、これ自体公知の化合物であって、それ単独では、糸状菌類や酵母類、細菌類に対して低濃度では所望の効果が十分に得られない。
本発明の水性防腐剤は、このように、公知の殺菌剤をそれぞれ単独使用する場合からは到底予測することのできない極めて優れた防腐効果を発揮し、しかも有害微生物である糸状菌類や酵母菌類、細菌類などに対して、その種類に係わりなく広い防腐範囲を有するものである。
一般式Iの式中、R、Rの置換基を有してもよいアルキル基の置換基とは、ヒドロキシ,カルボキシ,アルコキシ,アリールオキシ,フェニル,フェノキシなどであって、R、Rの具体例としては、ヒドロキシメチル,ヒドロキシエチル,ヒドロキシプロピル,アセトキシメチルなどが挙げられる。
とRとは、同じ基としても良いし、それぞれ異なる基としても良い。
ハロゲン化脂肪族ニトロアルコールの具体例としては、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール、2−ブロモ−2−ニトロプロパンジオール−(1,3)、1,1−ジブロモ−1−ニトロプロパノ−ル(2)、2−クロロ−2−ニトロエタノール、1−クロロ−1−ニトロプロパノール(2)、3−クロロ−3−ニトロブタノール−(2)、2−クロロ−2−ニトロブタンジオール−(1,3)、1−クロロ−1−ニトロブタノール−(2)、2−クロロ−2−ニトロブタノール、2−クロロ−2−ニトロペンタノール(3)、2,2−ジクロロ−2−ニトロエタノール、2−クロロ−2−ブロモ−2−ニトロエタノール、3−クロロ−3−ニトロペンタンジオール−(2,4)、4−クロロ−4−ニトロヘキサノール−(3)、2−ブロモ−2−ニトロエタノール、2−ブロモ−2−ニトロプロパノール、2−ブロモ−2−ニトロブタンジオール−(1,3)、3−ブロモ−3−ニトロペンタンジオール−(2,4)、1,1−ジブロモ−1−ニトロプロパノール−(2)、4−ブロモ−4−ニトロヘキサノール−(3)、2−フルオロ−2−ニトロエタノール、2−フルオロ−2−ニトロブタンジオール−(1,3)、3−ヨード−3−ニトロブタノール−(2)、2−フルオロ−2−クロロ−2−ニトロエタノール、2−ヨード−2−ブロモ−2−ニトロエタノール、2−クロロ−2−ニトロプロパンジオール−(1,3)、2−ブロモ−2−ニトロ−アセトキシプロパノ−ルなどが挙げられる。
これらの中でも、コスト、入手のし易さ、あるいは防腐力などの理由から、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール、2−ブロモ−2−ニトロプロパンジオール−(1,3)などを好ましく用いることができる。
これらのハロゲン化脂肪族ニトロアルコールは、どれかを単独で用いても良いし、必要に応じて適宜の組み合わせによる2種以上を併用しても良い。
イソチアゾリン化合物の具体例としては、5−クロロ−2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−オクチルイソチアゾリン−3−オン、2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンなどが挙げられ、中でもコスト、入手のし易さ、防腐力などの面で4,5−ジクロロ−2−オクチルイソチアゾリン−3−オン、2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンなどが好ましく、さらには上記のハロゲン化脂肪族ニトロアルコールとの併用において優れた安定性を確保するために2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンなどがより好ましく使用できる。
これらのイソチアゾリン化合物は、単独で用いても良いし、必要に応じて適宜の組み合わせによる2種以上を併用しても良い。
2種以上を併用する場合には、本発明の水性防腐剤の高い安定性を確保する上で、4,5−ジクロロ−2−オクチルイソチアゾリン−3−オンと2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンとを組み合わせ使用することが、本発明の水性防腐剤に溶媒として使用される水に起因する経時的な影響が少なく好適であり、これらを組み合わせ使用する場合の4,5−ジクロロ−2−オクチルイソチアゾリン−3−オンと2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの使用割合は、重量比で1:10〜10:1が好ましく、より好ましくは1:5〜5:1である。
この範囲外であると、その理由は明らかではないが、長期に保存する際に、ハロゲン化脂肪族ニトロアルコールと、4,5−ジクロロ−2−オクチルイソチアゾリン−3−オンと2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンのいずれか一方あるいは双方とが互いに分離したり、これらの化合物が本発明の水性防腐剤から分離したり、あるいは上記した水に起因する経時的な影響を減少させることが困難になる場合があり、これらの化合物の相乗作用が得られ難くなり、高い防腐効果が期待できなくなる場合がある。
ハロゲン化脂肪族ニトロアルコールと、イソチアゾリン化合物との配合割合は、重量比で、ハロゲン化脂肪族ニトロアルコール1に対し、イソチアゾリン化合物0.07以下、好ましくは1:0.01〜1:0.07である。
ハロゲン化脂肪族ニトロアルコールに対するイソチアゾリン化合物の比がこれより大きすぎると、イソチアゾリン化合物により得られる効果が飽和しているにもかかわらず、過剰に配合することとなるため経済的に不利となる場合があり、これより小さすぎると、イソチアゾリン化合物による効果が十分に得られない場合がある。
また、本発明の水性防腐剤を対象物に添加する際の濃度は、対象物に存在する微生物の種類やその濃度などによっても異なるが、一般的には、製紙工業などの分野における工業用水に用いる場合は、1〜300ppm程度、好ましくは1〜100ppm程度が適しており、水性塗料、糊料、紙用塗工液、繊維用油剤などの工業製品に用いる場合には、10〜1000ppm程度、好ましくは100〜500ppm程度が適している。
本発明の水性防腐剤は、上記のハロゲン化脂肪族ニトロアルコールとイソチアゾリン化合物とを溶媒に均一に混合した液剤の形で用いる。
用いる溶媒としては、水、または水と有機溶剤との混合溶媒が挙げられ、溶液とならない場合でも、エマルジョンやサスペンジョンなどとして用いることができる。
有機溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、グリセリンなどのグリコール類、酢酸エチル、マレイン酸ジメチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレンなどの芳香族類、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、プロピレンカーボネート、テトラハイロドロフラン、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、グリセリンのトリアセテートなどを用いることができる。
中でも、経時での外観の変化や、各種工業用水・工業製品との相溶性などの理由から、特にジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどを好ましく用いることができる。
これらの有機溶剤は、単独でも、適宜の組み合わせによる2種以上を併用しても良い。
本発明において、水と上記の有機溶剤との混合溶媒とする場合の、水と有機溶剤との重量比は、1:0.5〜1:5、好ましくは1:1〜1:2が適している。
水に対する有機溶剤の比がこれより大きすぎると、溶媒として水を配合することによる環境への負荷の低減という効果が希薄になり、これより小さすぎると、本発明の水性防腐剤を構成する主殺菌剤の均一化に支障を来す場合がある。
本発明の水性防腐剤を構成する主殺菌剤と上記の溶媒との重量比は、1:1〜1:9、好ましくは1:1〜1:4が適している。主殺菌剤に対する溶媒の配合比がこれより大きすぎると、剤中における主殺菌剤の分散性の向上には寄与するが、容量が大きくなるため保管、運搬などに不都合を生じる場合があり、これより小さすぎると、剤中における主殺菌剤の分散保持に支障を来す場合がある。
本発明の水性防腐剤は、上記のように、ハロゲン化脂肪族ニトロアルコールとイソチアゾリン化合物からなる主殺菌剤を水、または水と有機溶剤とからなる混合溶媒に均一化することにより構成することができるが、水が含まれているために経時的な影響により主殺菌剤の安定性を損ない、その殺菌効果を失効、または減効してしまうことがある。
そのようなことを防ぐため、本発明の水性防腐剤では、イソチアゾリン化合物として特に上記のものを選択して使用したり、これらを上記の割合で組み合わせて使用するほか、澱粉を配合するといった手法を採用する。
澱粉としては、タピオカ澱粉、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉のような生澱粉類、酸化澱粉のような加工澱粉類などのいずれでも良く、単独で用いても、二種以上を併用して用いても良い。
安定化剤となる澱粉は、本発明の水性防腐剤に0.01〜15重量%、好ましくは0.05〜10重量%となるように配合する。水性防腐剤中の含有量がこれよりも多すぎると、本発明の水性防腐剤を構成する主殺菌剤の均一化に支障を来たす場合があり、主殺菌剤を安定的に保持するための効果が十分に得られない場合がある。また、これよりも少なすぎると、安定化剤としての機能を十分に発揮できない場合がある。
また、本発明の水性防腐剤には、必要に応じてノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、消泡剤、酸化防止剤などの添加剤を配合することもできる。
添加剤として界面活性剤を用いる場合は、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル系、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキル硫酸エステル塩、第四級アンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアミン等を単独で、または複数を混合して用いることができる。
本発明の水性防腐剤は、対象物に添加することにより優れた微生物防腐効果を発揮する。対象物は抄紙工程水、工業用冷却水、工業用設備の循環液、工業用洗浄水などの工業用水、工業用油剤、高分子ラテックス、塗工液、糊料、塗料、金属加工油、印刷インキ、接着剤、サイズ剤、皮革などの工業製品などが主であるが、上記の他、微生物による腐敗を防止することが必要とされるものの殆どに適用が可能である。
また、従来、種々ある防腐剤は、アルカリ雰囲気下において使用すると、その有効成分は速やかに、そして著しく分解し、防腐剤としての効力を持たなくなる。それに対し、本発明の水性防腐剤はアルカリ雰囲気下の使用においても、有効成分の分解が少なく、防腐効果を維持することができるため、本発明の水性防腐剤は、pH7〜10程度のアルカリ雰囲気下において使用することにより、その防腐効果をより顕著に発揮させることができる。
本発明の水性防腐剤は、溶媒として、水、または水と有機溶剤との混合溶媒を用いているため、環境への負荷が極力低減することができ、かつ微生物による腐敗を防止することが必要とされる工業用水や工業用品などに適用されて、優れた微生物防腐効果を発揮することができる。
下記の処方により防腐剤を製造した。例中の部は全て重量部を示す。なお、以後の略号は、下記の通りである。
DBNE:2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール
BNPD:2−ブロモ−2−ニトロプロパンジオール−(1,3)
DCOT:4,5−ジクロロ−2−オクチルイソチアゾリン−3−オン
OIT :2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン
DEG :ジエチレングリコール
BDG :ジエチレングリコールモノブチルエーテル
MDG :ジエチレングリコールモノメチルエーテル
〔実施例1〕
DBNE 25部
DCOT 1部
DEG 40部
水 33.9部
澱粉(MS#5300)※1 0.1部
※1:日本食品加工株式会社製(エステル化タピオカ澱粉)
〔実施例2〕
BNPD 28部
DCOT 1部
DEG 35部
BDG 5部
水 30.9部
澱粉(MS#3800)※2 0.1部
※2:日本食品加工株式会社製(酸化澱粉)
〔実施例3〕
BNPD 24部
OIT 1.5部
MDG 45部
水 29.4部
澱粉(MS#4600)※3 0.1部
※3:日本食品加工株式会社製(尿素リン酸エステル化澱粉)
〔実施例4〕
DBNE 20部
OIT 1部
MDG 29部
DEG 20部
水 29.9部
澱粉(CORN STARCH)※4 0.1部
※4:日本食品加工株式会社製(トウモロコシ澱粉)
〔実施例5〕
DBNE 25部
DCOT 0.1部
OIT 1部
DEG 40部
水 33.8部
澱粉(MS#5300)※1 0.1部
〔実施例6〕
DBNE 25部
DCOT 1部
OIT 0.1部
DEG 40部
水 33.8部
澱粉(MS#5300)※1 0.1部
〔比較例1〕
DBNE 25部
DCOT 1部
DEG 40部
水 34部
〔比較例2〕
BNPD 28部
DCOT 1部
DEG 35部
BDG 5部
水 31部
〔比較例3〕
BNPD 24部
OIT 2部
MDG 45部
水 29部
〔比較例4〕
DBNE 20部
OIT 1部
MDG 29部
DEG 20部
水 30部
〔比較例5〕
DBNE 20部
DCOT 2部
DEG 78部
〔比較例6〕
BNPD 14.5部
DCOT 14.5部
DEG 50.5部
BDG 20.5部
〔比較例7〕
BNPD 2部
OIT 20部
MDG 78部
〔比較例8〕
DBNE 8部
OIT 12部
MDG 45部
DEG 35部
〔比較例9〕
DBNE 21部
DEG 79部
〔比較例10〕
DCOT 26部
MDG 74部
〔比較例11〕
BNPD 26部
MDG 74部
〔比較例12〕
OIT 21部
MDG 79部
上記実施例1〜6、および比較例1〜12の防腐剤について、微生物生育阻止濃度、防腐効果、保存安定性試験について検討を行った。
〈微生物生育阻止濃度〉
試験例1
培地中において所定濃度となるように各防腐剤を加えたブイヨン液体培地10mlに前培養した供試菌(前培養後の菌数については下記に示す)50μlを加え、32℃にて振盪培養を行った。24時間後、培地の濁度を測定することにより微生物生育阻止濃度(ppm)を求めた。濃度は5、10、20、40、80ppmとした。結果を表1に示す。
Figure 2006001850
供試菌
〔1〕:Bacillus subtillis (菌数:10〜10CFU/ml)
〔2〕:Pseudomonas aeruginosa (菌数:10〜10CFU/ml)
〔3〕:Staphylococcus aureus (菌数:10〜10CFU/ml)
〔4〕:Aerobactor aerogenea (菌数:10〜10CFU/ml)
〔5〕:A製紙会社B工場よりの分離菌1(細菌) (菌数:10〜10CFU/ml)
〔6〕:A製紙会社B工場の分離菌2(糸状菌) (菌数:10〜10CFU/ml)
表1から明らかなように、本発明の水性防腐剤(実施例1〜6)は、いずれの供試菌に対しても10ppm以下の低濃度で効果を示すのに対し、比較例においては、全ての供試菌に対して一様に有効な効果を得ることができないことがわかる。
〈製紙用塗工液における菌増殖防止試験〉
試験例2
pH9.8の澱粉系塗工液50mlにブイヨン液体培地1ml、および予め腐敗させた該塗工液0.5mlを加え撹拌し、上記にて製造した各防腐剤の濃度が300ppmとなるようにこれを添加した。これを32℃の恒温器に5日間保存した後、各塗工液中の生菌数を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2006001850
表2から明らかなように、本発明の水性防腐剤(実施例1〜6)は、いずれも5日後の生菌数が10CFU/ml以下と優れた防腐効果を示すのに対し、比較例においては全てその生菌数が10CFU/ml以上と、有効な防腐効果を得ることができないことがわかる。
〈繊維用油剤エマルジョン液における菌増殖防止試験〉
試験例3
pH8.5のポリエステル系油剤エマルジョン液50mlにブイヨン液体培地1ml、および予め腐敗させた該油剤エマルジョン液0.5mlを加えて撹拌し、上記にて製造した各防腐剤の濃度が300ppmとなるようにこれを添加した。これを32℃の恒温器に15日間保存し、5、10、15日目の各油剤エマルジョン液中の生菌数を測定した。結果を表3に示す。
Figure 2006001850
表3の結果から明らかなように、本発明の水性防腐剤(実施例1〜6)は、いずれも15日間もの間、その生菌数が10個/ml以下と優れた防腐効果を示すのに対し、比較例においては有効な防腐効果を得ることができないことがわかる。
〈安定性試験1〉
試験例4
上記にて製造した各防腐剤を50℃の恒温器に30日間保存した後、液体クロマトグラフィーにより各防腐剤中に残存する有効成分の濃度を測定し、製造時との比較によりその残存率を求めた。結果を表4に示す。
Figure 2006001850
表4から明らかなように、本発明の水性防腐剤(実施例1〜6)は、いずれも99%以上の有効成分が残存していたのに対し、比較例においては有効成分の残存率が十分ではなく、本発明の水性防腐剤がより安定性に優れていることがわかる。
〈安定性試験2〉
試験例5
実施例1〜6について、恒温器の温度を80℃に上げる以外は試験例4の条件で3ヶ月間保存した後、液体クロマトグラフィーにより各防腐剤中に残存する有効成分の濃度を測定し、製造時との比較によりその残存率を求めた。結果を表5に示す。
Figure 2006001850
表5から明らかなように、80℃という過酷な条件下での3ヶ月間の長期保存の後にも、実施例5と6の水性防腐剤は、実施例1〜4の水性防腐剤に比べて、より高い安定性を維持していることがわかる。
本発明の水性防腐剤は、抄紙工程水、工業用冷却水、工業用設備の循環液、工業用洗浄水などの工業用水、工業用油剤、高分子ラテックス、塗工液、糊料、塗料、金属加工油、印刷インキ、接着剤、サイズ剤、皮革などの工業製品などに用いられて、優れた防腐効果を発揮し、上記の他にも微生物による腐敗を防止することが必要とされるものの殆どに適用が可能である。

Claims (3)

  1. 一般式Iで表されるハロゲン化脂肪族ニトロアルコール、一般式IIで表されるイソチアゾリン化合物、および澱粉を含有することを特徴とする水性防腐剤。
    Figure 2006001850

    式中、
    、R:水素基、ハロゲン基、または置換基を有してもよいアルキル基
    X:ハロゲン基

    Figure 2006001850

    式中、
    :炭素数1〜8のアルキル基
    Y、Z:水素基、またはハロゲン基
  2. 一般式Iで表されるハロゲン化脂肪族ニトロアルコールと一般式IIで表されるイソチアゾリン化合物との重量比が、該ハロゲン化脂肪族ニトロアルコール1に対して、該イソチアゾリン化合物0.07以下であることを特徴とする請求項1記載の水性防腐剤。
  3. 澱粉を0.01〜15重量%含有することを特徴とする請求項1、または2記載の水性防腐剤。
JP2004177743A 2004-06-16 2004-06-16 水性防腐剤 Pending JP2006001850A (ja)

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