JP2005536231A - アデノウイルスに細胞選択的複製をもたらすための、スプライセオソーム媒介型rnaトランススプライシングの使用 - Google Patents

アデノウイルスに細胞選択的複製をもたらすための、スプライセオソーム媒介型rnaトランススプライシングの使用 Download PDF

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Abstract

本発明は特定の標的前駆体メッセンジャーRNA分子(癌細胞選択的標的プレmRNA)を発現する癌細胞に腫瘍選択的細胞死をもたらすための方法および組成物を提供する。本発明の組成物は、1以上の癌細胞標的プレmRNAと相互作用し、トランススプライシング反応を媒介し、その結果としてアデノウイルス特異的タンパク質をコードし得る新規なキメラRNA分子(キメラRNA)を生成するよう設計された1以上のプレトランススプライシング分子(PTM)を発現するように遺伝子操作された条件的複製アデノウイルスを含む。アデノウイルス特異的タンパク質は欠陥型アデノウイルスの複製に必要な必須の活性を相補するタンパク質を含む。本発明の方法および組成物は癌細胞に対して溶菌性アデノウイルス感染をターゲティングし、それにより、癌細胞を選択的に破壊する方法を提供するためにも用い得る。さらに本発明のアデノウイルスは、細胞内で感染性因子によりコードされた標的プレmRNAと相互作用し、それにより、そのような因子に感染した細胞の選択的破壊をターゲティングするよう設計されたPTMをコードするよう操作してもよい。

Description

1. 緒論
本発明は特定の標的前駆体メッセンジャーRNA(選択的標的プレmRNA)を発現する細胞に選択的アデノウイルス媒介性細胞死を付与するための方法および組成物を提供する。1以上の選択的標的プレmRNAと相互作用し、トランススプライシング反応を媒介し、その結果としてアデノウイルス特異的タンパク質をコードし得る新規なキメラRNA分子(キメラRNA)を生成するよう設計された1以上のプレトランススプライシング分子(PTM)を発現するように遺伝子操作された、条件的複製アデノウイルスを、本発明の組成物は含んでいる。アデノウイルス特異的タンパク質は条件的複製アデノウイルスの複製に必要な必須の活性を相補するそのようなタンパク質を含む。標的プレmRNAとPTMとの間のトランススプライシングが上手くいけば、このアデノウイルスペプチドが発現され、それにより条件的複製アデノウイルスの複製に必要な必須の活性の相補がもたらされる。このようなウイルス複製は細胞溶解をもたらし、それにより感染細胞の選択的破壊がターゲティングされる。
本発明の方法および組成物は特定の細胞種の選択的破壊を目的とする様々な異なる疾病を治療するために用いうる。例えば、本発明は、特定の標的前駆体メッセンジャーRNA分子(癌細胞選択的標的プレmRNA)を発現する癌細胞に選択的細胞死をもたらすための方法および組成物を提供する。1以上の癌細胞選択的標的プレmRNAと相互作用し、トランススプライシング反応を媒介し、その結果としてアデノウイルス特異的タンパク質をコードし得る新規なキメラRNA分子(キメラRNA)を生成するよう設計された1以上のプレトランススプライシング分子(PTM)を発現するように遺伝子操作された条件的複製アデノウイルスを、このような組成物は含む。あるいは、本発明は、病原性微生物に感染した細胞に選択的細胞死をもたらすために利用し得る。このような例では、条件的複製アデノウイルスは病原性微生物によってコードされている1以上の標的プレmRNAと、または病原性微生物に感染した細胞内で誘導された標的プレmRNAと相互作用するように設計されたPTMをコードし、かつ、アデノウイルスポリペプチドをコードするように遺伝子工学的に作製されている。標的プレmRNAとPTMとの間のトランススプライシングが上手くいけば、このアデノウイルスペプチドが発現され、それにより条件的複製アデノウイルスの複製に必要な必須の活性の相補がもたらされる。
2. 発明の背景
2.1 トランススプライシング
染色体中のDNA配列は、コード領域(エキソン)を含み、通常、介在する非コード領域(イントロン)も含んだプレmRNAへと転写される。イントロンはスプライシングと呼ばれる精密なプロセスでプレmRNAから除去される。ほとんどの場合、スプライシング反応は同じプレmRNA分子内で起こり、これはシススプライシングと呼ばれる。独立して転写された2つのプレmRNAの間のスプライシングをトランススプライシングと呼ぶ。トランススプライシングはトリパノソーマで初めて発見され(Sutton & Boothroyd, 1986, Cell 47: 527; Murphyら, 1986, Cell 47:517)、続いて線虫(Krause & Hirsh, 1987, Cell 49:753);扁形動物(Rajkovicら, 1990, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87:8879; Davisら, 1995, J. Biol. Chem. 270: 21813)および植物のミトコンドリア(Malekら, 1997, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94:553)で発見された。寄生虫Trypanosoma bruceiでは、全てのmRNAがトランススプライシングによりその5’末端にスプライスリーダー(SL)RNAを獲得する。線虫Caenorhabditis elegansでも、いくつかの遺伝子で5’リーダー配列がトランススプライシングされる。この機構は多くの異なる転写物に単一の共通配列を付加するのに好適である。
米国特許第6,083,702号、同第6,013,487号および同第6,280,978号は、プレトランススプライシング分子(PTM)を用い、標的前駆体mRNAと接触させることによりトランススプライシング反応を媒介して新規なキメラRNAを生成することを記載している。結果として生じたRNAは、細胞もしくは宿主生物に対する治療価値のあるタンパク質、特定の細胞の死滅を引き起こすジフテリア毒素サブユニットAなどの毒素、または細胞には通常存在しない新規なタンパク質、をはじめとする任意の遺伝子産物をコードし得る。このようなPTMはまた、エキソンタギング法を用いてプレmRNA分子のエキソン/イントロン境界を同定するため、また、特定の細胞種で発現されるタンパク質を精製および同定するために使用可能なペプチドアフィニティー精製タグをコードするものをはじめとするキメラタンパク質を生成するために、作製することもできる。
2.2. アデノウイルスに基づく遺伝子療法
最近、宿主細胞の一部または全てに遺伝情報を送達するための方法として遺伝子療法が開発された。遺伝情報は、あるタンパク質をコードし得るcDNAのような遺伝子または遺伝子の誘導体の形態であり得る。遺伝子療法の適用には、宿主細胞に存在しないかまたは宿主細胞では変異しているタンパク質を提供することによる遺伝疾患の治療、そして腫瘍またはその他の後天的疾病の治療が含まれる。
遺伝子療法の目的では、標的細胞に遺伝情報を首尾よく送達することが、困難な点の1つである。例えば、癌の遺伝子療法の分野において主に困難な点は、治療上の利益を得るのに十分な数の癌細胞に複製欠陥ベクターを送達することができないことである。最近開発された一つの方法として、目的の遺伝情報を発現するよう操作されたウイルスベクターの使用がある。アデノウイルス由来の遺伝子送達ベクターは、それらを遺伝子療法に特に有用なものとするいくつかの特徴を有する。例えば、アデノウイルスは広範に研究されているが、重篤な病理に関連しているとは知られておらず、またゲノムには組み込まれない。このウイルスは、非増殖細胞で複製することができ、また幅広い宿主域を持つ。このウイルスはそのウイルスの1以上の初期領域遺伝子を欠失させることにより複製欠陥とすることができる。1以上の初期領域遺伝子を欠失させて目的の遺伝子で置き換えたアデノウイルス由来のベクターが、臨床および前臨床段階にある遺伝子療法実験にこれまでに用いられている。このような組換えウイルスはウイルスゲノムの一部の欠失によって欠陥型となっている。しかしながら、このような場合、失ったアデノウイルス遺伝子産物をトランスで提供することにより、すなわち相補により、複製欠陥ウイルスのレスキューが達成できる。
アデノウイルスの初期遺伝子プロモーターを置き換えるには腫瘍選択的プロモーターが用いられており、これらのアデノウイルスは癌細胞で選択的に複製し、癌細胞を死滅させることが示されている(米国特許第5,998,205号; Kirnら, 2001, Nat. Med. 7:781-787)。初期遺伝子の発現およびアデノウイルスの複製の腫瘍選択性の程度は、用いる腫瘍プロモーターの選択によって異なる。多くの場合、このプロモーターは十分厳格な制御を提供するわけではなく、よって、正常な細胞においてアデノウイルス複製に由来する毒性が生じる。このようなベクターの使用に関連するもう一つの問題は、アデノウイルスゲノムに挿入できる腫瘍選択的プロモーターの大きさおよび数に物理的制約があることである。野生型アデノウイルスのゲノムは36キロベース(kb)であり、約38kbより大きなゲノムは十分パッケージングできない。
本発明は、特定の標的前駆体メッセンジャーRNA分子を発現している細胞に選択的細胞死をもたらす方法および組成物を提供する。具体的には本発明は、1以上の細胞選択的標的プレmRNAと相互作用し、トランススプライシング反応を媒介し、その結果としてアデノウイルスタンパク質をコードし得るキメラRNA分子を生成するよう設計されたPTM分子を発現するように作製された条件的複製アデノウイルスを提供する。アデノウイルスタンパク質の発現により、条件的複製アデノウイルスの複製が可能となり、それにより、選択された細胞の溶解がもたらされる。本発明は、腫瘍特異的プロモーターの使用に頼らない癌細胞破壊をターゲティングするための系を提供する。さらに、本発明は、病原性微生物に感染した細胞に対する選択的細胞死、または特定の細胞種の活性が疾病につながる場合の細胞死をターゲティングするための系を提供する。
3. 発明の概要
本発明は特定の標的前駆体メッセンジャーRNA(選択的標的プレmRNA)を発現する細胞に選択的アデノウイルス媒介性細胞死をもたらすための方法および組成物を提供する。1以上の選択的標的プレmRNAと相互作用し、トランススプライシング反応を媒介し、その結果、アデノウイルス特異的タンパク質をコードし得る新規なキメラRNA分子(キメラRNA)を生成するよう設計された、1以上のプレトランススプライシング分子(PTM)を発現するように遺伝子操作された条件的複製アデノウイルスを、本発明の組成物は含む。アデノウイルス特異的タンパク質は条件的複製アデノウイルスの複製に必要な必須の活性を相補するタンパク質を含む。標的プレmRNAとPTMとの間のトランススプライシングが上手くいくと、このアデノウイルスタンパク質が発現され、それにより条件的複製アデノウイルスの複製に必要な活性の必須の相補がもたらされる。このようなウイルス複製は細胞溶解をもたらし、それにより感染細胞の選択的破壊がターゲティングされる。
本発明は特定の標的前駆体メッセンジャーRNA分子(癌細胞選択的標的プレmRNA)を発現する癌細胞に腫瘍選択的細胞死をもたらすための方法および組成物を提供する。本発明の組成物は、1以上の癌細胞選択的標的プレmRNAと相互作用し、トランススプライシング反応を媒介し、その結果、アデノウイルス特異的タンパク質をコードし得る新規なキメラRNA分子(キメラRNA)を生成するよう設計された、プレトランススプライシング分子(PTM)を発現するように遺伝子操作された条件的複製アデノウイルスを含む。PTMへとトランススプライスされる標的プレmRNAの一部はキメラRNA分子の翻訳の開始に必要なシグナル配列を提供する。標的プレmRNAへとトランススプライスされるPTMの部分は、条件的複製アデノウイルスの相補に必要な必須の活性をもたらすアデノウイルス特異的タンパク質をコードする配列を提供する。
本発明の方法および組成物は、腫瘍中に拡散することができ、それにより、腫瘍内の癌細胞の選択的破壊のための方法を提供する自己増幅細胞傷害因子、例えばアデノウイルスを生成する手段を提供する。よって、本発明は、限定されるものではないが、乳癌、前立腺癌、膀胱癌、膵臓癌または肝臓癌をはじめとする種々の異なる癌を治療するための方法および組成物を提供する。
さらに本発明は、病原性感染因子によって生産されるmRNAを発現する細胞に選択的細胞死をもたらすための方法および組成物を提供する。このような場合、PTMは病原性感染因子によって生産される1以上の標的プレmRNAと相互作用するように設計される。病原体により生産され、PTMへとトランススプライスされる標的プレmRNAの一部は、キメラ分子の翻訳の開始に必要なシグナル配列を提供する。標的プレmRNAへとトランススプライスされるPTMの一部は、条件的複製アデノウイルスの相補に必要な必須の活性をもたらすアデノウイルス特異的タンパク質をコードする配列を提供する。本発明の方法および組成物は感染細胞の選択的破壊に利用し得る。
本発明のさらにもう一つの実施形態では、その細胞の活性が疾患または障害、例えば免疫障害またはホルモン障害につながる場合に、細胞死をもたらすために組換えアデノウイルスを用い得る。
さらに本発明は、選択的プレmRNAを発現する細胞に治療用または診断用ポリペプチドを発現する能力をもたらすための方法および組成物を提供する。例えば、条件的複製ウイルスを、選択的プレmRNAへとトランススプライスされた際に治療用または診断用ポリペプチドをコードし得るPTMを発現するように作製し得る。この診断または治療用ポリペプチドは独立に発現させてもよいし、あるいはアデノウイルス融合タンパク質として発現させてもよい。治療用ポリペプチドを発現するアデノウイルスは、特定の細胞種または組織に対する治療をターゲティングするために使用できるが、一方、診断用ポリペプチドを発現するアデノウイルスは標的プレmRNAを発現する細胞を、例えばイメージングによって検出するために使用できる。
4. 図面の簡単な説明
(図面の簡単な説明については後述)
5. 発明の詳細な説明
本発明は、特定の標的前駆体メッセンジャーRNA分子を発現する細胞に、アデノウイルスにより媒介される細胞死をもたらすための方法および組成物を提供する。この標的前駆体メッセンジャーRNA分子は癌細胞で選択的に発現されるものでもよく、あるいはそのRNA分子は細菌、寄生虫、真菌またはウイルスなどの感染因子によってコードされているものでもよい。標的プレmRNAはまた、細菌、寄生虫、真菌またはウイルス感染の際に誘導される細胞プレmRNA、またはそのプレmRNAの発現が特定の疾病または疾患に関連するプレmRNAを含む。本発明の組成物は、例えば1以上の癌細胞選択的標的プレmRNA、または感染性因子によりコードされている標的プレmRNAと相互作用し、トランススプライシング反応を媒介し、その結果、条件的複製アデノウイルスを生じ得るアデノウイルス特異的タンパク質をコードする新規なキメラRNA分子(キメラRNA)を形成するよう設計されたプレトランススプライシング分子(PTM)を発現するように遺伝子操作された組換えアデノウイルスを含む。特に、本発明のPTMは、条件的複製アデノウイルスの複製に必要なアデノウイルス特異的タンパク質をコードし、それにより、該アデノウイルスの相補をもたらすよう設計されている。本発明の方法および組成物は、癌細胞または病原性因子に感染した細胞に対する溶菌性アデノウイルス感染をターゲティングし、それにより、癌細胞または感染性因子に感染した細胞を選択的に破壊する方法を提供するために用い得る。さらにこの組換えアデノウイルスは診断用または治療用ポリペプチドをコードするPTM分子を発現するよう設計してもよい。これらのポリペプチドは独立に発現させてもよいし、あるいはアデノウイルス融合タンパク質として発現させてもよい。このような条件的複製組換えアデノウイルスは選択的プレmRNAを発現する細胞に対する治療用または診断用ポリペプチドのターゲティングを可能とする。
5.1 プレ-トランススプライシング分子の構造
本発明の組成物は、例えば癌細胞選択的標的プレmRNA、感染性因子によりコードされている標的プレmRNA分子、感染性微生物により誘導される標的細胞プレmRNA、またはそのプレmRNAの発現が疾患または障害に関連する標的プレmRNAなどの、1以上の選択的標的プレmRNA分子と相互作用するよう設計された、1以上のPTMを発現するように遺伝子操作された条件的複製組換えアデノウイルスを含む。このようなRNAはトランストランススプライシング反応を媒介し、その結果、新規なキメラRNA分子(キメラRNA)を生成するように設計される。この新規なキメラRNAは、条件的複製アデノウイルスの欠陥をレスキューし得る相補性アデノウイルスタンパク質をコードするように設計される。こうしたレスキューにより、溶菌性アデノウイルスが感染し、その結果、細胞溶解が起こる。本発明の組成物は、特定の標的プレmRNAを発現する細胞に選択的アデノウイルス媒介性細胞死をもたらす手段を提供する。本発明の条件的複製アデノウイルスは、(i)特定のプレmRNA標的に対するPTMの結合をターゲティングする1以上の標的結合ドメイン、(ii)3'スプライスアクセプター部位および/または5'スプライスドナー部位を含む3’スプライス領域、ならびに(iii)アデノウイルスの複製に必要な少なくとも1つのアデノウイルスタンパク質をコードし得るヌクレオチド配列、を含んでなる。アデノウイルスタンパク質の他、PTMは診断または治療用ポリペプチドをコードし得る配列を含んでもよい。このようなポリペプチドはアデノウイルス融合タンパク質として発現されてもよく、この場合、融合タンパク質のアデノウイルス部分は相補活性を提供する能力を保持しているものである。あるいは、PTMは診断または治療用ポリペプチドを独立に発現するように作製してもよい。
ある場合には、本発明のPTMは、標的結合ドメインとRNAスプライス領域を隔てる1以上のスペーサー領域および/または安全装置配列(safety sequence)をさらに含んでもよい。PTMの構造は特許第6,013,487号、第6,083,702号、第6,280,978号、および同時係属中の米国特許出願第09/756,095号、同第09/756,096号、同第09/756,097号(これらの開示は参照により本明細書に組み入れる)に詳細に記載されている。
PTMの標的結合ドメインは、標的特異的プレmRNA、例えば癌特異的プレmRNAまたは病原性微生物によりコードされているプレmRNAの標的領域に相補的であり、かつ、その標的領域に対してアンチセンス配向である複数の結合ドメインを含んでもよい。本明細書において標的結合ドメインは、核のスプライセオソームプロセシング装置がPTMの一部をプレmRANの一部へとトランススプライスすることが可能となるような結合特異性を付与し、空間上近接してプレmRNAを固定する任意の配列として定義される。標的結合ドメインは、数千までのヌクレオチドを含み得る。本発明の好ましい実施形態では、これらの結合ドメインは少なくとも10〜30個、最大数百個までのヌクレオチドを含み得る。PTMの特異性は標的結合ドメインの長さを増すことにより著しく高めることができる。さらに、この標的結合ドメインは「直鎖状」であってもよいが、このRNAは、結合ドメインがその標的と遭遇し、それによりスプライシングの効率が高まるまでPTMスプライス部位の活性化を妨げることによって複合体を安定化させ得る二次構造を形成するよう折りたたまれていてもよいものと理解される。癌細胞選択的プレmRNAとの絶対的な相補性は、好ましいが、必ずしも必要ではない。本明細書で言及する、RNAの一部に対する配列の「相補性」とは、当該RNAとハイブリダイズして安定な二重らせんを形成し得るに十分な相補性を有する配列を意味する。ハイブリダイズの可能性は相補性の程度と核酸の長さの双方に依存する(例えば、Sambrookら, 1989, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 第2版, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York参照)。一般に、ハイブリダイズする核酸が長いほど、それが含み得るRNAとの塩基の誤対合は多くなるが、なお、安定した二重らせんを形成する。当業者ならば、ハイブリダイズした複合体の安定性を求める標準的な手法を用いて二重らせんの誤対合の許容度または長さを確認することができる。
本発明の一実施形態では、その目的が癌細胞に対して溶菌性アデノウイルス感染をターゲティングし、それにより癌細胞の破壊をターゲティングすることである場合、PTMの標的結合ドメインは、癌細胞選択的標的プレmRNA分子と相補的であり、かつ、それとアンチセンス配向にある配列を含む。例えば、PTM結合部位は、標的プレmRNAの発現が増殖性障害または疾患に関連している限り、そのようないずれの標的プレmRNAと結合するように作製してもよい。このような標的プレmRNAは、癌細胞では発現するが、その正常な細胞対応物では存在しないかまたは低レベルでしか発現しないプレmRNAであると特徴づけられる。このような標的プレmRNAとしては、例えば、β-絨毛性ゴナドトロピン6プレmRNA、上皮増殖因子受容体プレmRNA、E2F-1プレmRNA、またはテロメラーゼプレmRNA(これらは各々腫瘍細胞で過剰発現することが知られている)、および前立腺癌で過剰発現することが知られている前立腺特異的Gタンパク質共役受容体(PSGR)プレmRNAが挙げられる。
本発明の方法および組成物は、癌細胞で示差的に発現し、正常細胞では発現しないことが知られている任意のプレmRNAをターゲティングするよう設計することができる。さらに、当業者に周知の技術を用いて、癌細胞で示差的に発現し、正常な対応物では発現しない新規な遺伝子を同定してもよい。このような技術としては、例えば、癌細胞において示差的に発現される遺伝子を同定するためのcDNAマイクロアレイの使用が含まれる。(Ausebelら, 2003, Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, Inc., Chapter 25参照)。
本発明のさらにもう1つの実施形態では、その目的が感染性因子に感染した細胞に対して溶菌性アデノウイルス感染をターゲティングし、それにより感染細胞の破壊をターゲティングすることである場合、PTMの標的結合ドメインは、感染性因子によりコードされている特定の標的プレmRNA分子と相補的であり、かつ、それに対してアンチセンス配向にある配列を含む。例えば、PTM結合部位は、標的プレmRNAの発現が例えばウイルス、細菌、真菌または寄生虫疾患に関連している限り、そのいずれの標的プレmRNAと結合するように作製してもよい。
結合はまた、例えば三重らせんの形成、またはタンパク質/核酸相互作用(PTMが特定のRNA結合タンパク質、例えば、特定の標的プレmRNAと結合しているタンパク質を認識するように作製されている場合の相互作用など)による他の機構によって達成してもよい。あるいは、本発明のPTMは、例えばRNA分子内のヌクレオチド間の分子内塩基対合から生じるヘアピン構造などの二次構造を認識するように設計してもよい。
上記に示すように、本発明のPTM分子はまた、分岐点、ピリミジン領域および3'スプライスアクセプターAG部位を含む3'スプライス領域、および/または5'スプライスドナー部位も含むよう設計される。RNAスプライシングに用いる5' スプライスドナー部位と3'スプライス領域のコンセンサス配列は当技術分野で周知である(Mooreら, 1993, The RNA World, Cold Spring Harbor Laboratory Press, p. 303-358参照)。さらに、5'ドナースプライス部位および3'スプライス領域として機能する能力を維持する改変型コンセンサス配列を本発明の実施に用いてもよい。簡単に説明すると、5'スプライス部位コンセンサス配列はAG/GURAGU(ここで、A=アデノシン、U=ウラシル、G=グアニン、C=シトシン、R=プリン、そして /=スプライス部位)である。3'スプライス部位は、分岐点または分岐部位、ポリピリミジン領域および3'コンセンサス配列(YAG)の別個の3つの配列エレメントからなる。哺乳類における分岐点コンセンサス配列はYNYURAC(Y=ピリミジン)である。下線のAは分岐形成部位である。ポリピリミジン領域は分岐点とスプライス部位アクセプターの間にあり、効率的な分岐点の利用および3'スプライス部位の認識に重要である。
最近、ジヌクレオチドAUではじまり、ジヌクレオチドACで終わるプレメッセンジャーRNAイントロンが同定され、U12イントロンと呼ばれている。U12イントロン配列、ならびにスプライスアクセプター/ドナー配列として機能する任意の配列もPTMにおいて使用し得る。
PTMには、RNAスプライス部位を標的結合ドメインから隔てるためのスペーサー領域も含んでよい。このスペーサー領域は、標的プレmRNAへのトランススプライシングを促進する配列などのさらなる特徴を有するものであり得る。本発明の特定の実施形態では、スプライスされていないRNAの選択的分解をターゲティングし、それにより、核から細胞質へのスプライスされていないRNAの翻訳および発現を妨げる機構として、本発明のPTMに開始コドンおよび未成熟停止コドンを組み込んでもよい。(Kimら, 2001 Science 293:1832-1836参照)
本発明の好ましい実施形態では、非特異的トランススプライシングを防ぐための「安全装置(safety)」もスペーサー、結合ドメインまたはPTMのその他のどこかに組み込まれる。これは、PTMの3'および/または5'スプライス部位のエレメント群を比較的弱い相補性により覆って、非特異的トランススプライシングを防ぐPTMの一領域である。このPTMは、PTMの結合/ターゲティング部分がハイブリダイズした際には3'および/または5'スプライス部位が覆われなくなり、完全に活性型となるように設計される。
この「安全装置」は、PTM分岐点、ピリミジン領域、3'スプライス部位および/または5'スプライス部位(スプライシングエレメント)の片側または両側に弱く結合するか、またはそれ自体スプライシングエレメントの一部と結合し得るシス配列の、1以上の相補的ストレッチ(あるいは、第2の別個の核酸鎖であってもよい)からなる。この「安全装置」の結合は、スプライシングエレメントが活性型とならないようにする(例えば、U2 snRNPまたはその他のスプライシング因子がPTMスプライス部位認識エレメントに結合しないようにする)。この「安全装置」の結合は、PTMの標的結合領域が標的プレmRNAへ結合することにより妨害され、それによりPTMスプライシングエレメントを露出させて活性化する(その結果、それは、標的プレmRNA中へトランススプライスするのに利用可能となる)。
本発明のPTMは、本発明の条件的複製アデノウイルスを相補し得るアデノウイルスポリペプチドをコードするヌクレオチド配列をさらに含んでなる。このようなアデノウイルスポリペプチドは好ましくはアデノウイルス初期領域によりコードされているものを含む。このような3つの領域E1、E2、E4はウイルス複製に不可欠である。よって、本発明のPTMは例えばアデノウイルスE1A、E1B、E2A、E2BまたはE4ポリペプチドをコードするように設計される。本発明の好ましい実施形態では、アデノウイルスタンパク質は例えばアデノウイルス2、5、9または35型に由来するものである。このようなアデノウイルスポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は公的に入手でき、当業者に周知である。翻訳の開始に必要なシグナル配列を提供する標的プレmRNAの一部が、アデノウイルスタンパク質をコードする配列を含むPTMの一部へとトランススプライスされると、相補活性を有するアデノウイルスタンパク質をコードし得る機能的キメラRNAが形成される。
このPTM分子には、アデノウイルスタンパク質をコードするヌクレオチド配列の後ろまたは前のいずれかにさらなる特徴を付加することができる。このような特徴としては、ポリアデニル化シグナル、スプライシングを促進し得る5’スプライス配列、付加的結合領域、または付加的スプライス部位が挙げられる。スプライスされていないプレmRNAの発現を防ぐために結合ドメインとスプライス部位の間の領域に停止コドンまたはその他のエレメントを付加してもよい。本発明のもう1つの実施形態では、3'標的イントロンまたはエキソンへの結合を促進し、固定的な真のシス-5'スプライス部位(U5および/またはU1結合部位)を遮断するように、翻訳可能なタンパク質をコードするヌクレオチド配列の下流に第2のアンチセンス結合ドメインを有するPTMを作製し得る。3'ヘアピン構造、環状化RNA、核局在およびスプライセオソーム組み込み、および安定性を促進または容易にする配列などのさらなるエレメントを組み込むこともできる。
合成PTMの構造中にエキソン性スプライシングエンハンサーと呼ばれる配列を含んでもよい。トランス作用スプライシング因子、すなわちセリン/アルギニン-リッチ(SR)タンパク質は、このようなエキソン性スプライシングエンハンサーと相互作用し、スプライシングをモジュレートすることが示されている(Tackeら, 1999, Curr. Opin. Cell Biol. 11:358-362; Tianら, 2001, J. Biological Chemistry 276:33833-33839; Fu, 1995, RNA 1:663-680参照)。このPTM分子中には核局在シグナルもまた含んでよい(DingwellおよびLaskey, 1986, Ann. Rev. Cell Biol. 2:367-390; DingwellおよびLaskey, 1991, Trends in Biochem. Sci. 16:478-481)。このような核局在シグナルは合成PTMの核(ここでトランススプライシングが起こる)への輸送を促進するために用いることができる。さらに、細胞核におけるPTMの保持を促進する配列を用いてもよい(Boelansら, 1995 RNA 1:273-83; Goodら, 1997 Gene Ther. 4:45-54)。
PTMはまた、選択される細胞種で治療用または診断用ポリペプチドを発現するよう作製してもよい。このような診断用ポリペプチドとしては、例えば、生物発光分子または蛍光分子、酵素およびタンパク質/ペプチドタグが挙げられる。治療用ポリペプチドとしては、例えば、いくつか挙げると、増殖因子、既知のリガンド分子、シグナル伝達レギュレーターまたは酵素がある。このようなPTMは選択された標的細胞に対して診断または治療用ポリペプチドの選択的発現をターゲティングするために使用できる。PTMはまた、アデノウイルス融合タンパク質として治療用または診断用ポリペプチドを発現するよう作製してもよい。あるいは、PTMはアデノウイルスタンパク質と治療用または診断用タンパク質の双方をコードするように設計してもよい。このようなPTMとしては、キメラRNAの第2の部位で翻訳開始を助ける内部リボソーム進入セグメント(IRES)(Ghattasら, Mol. Cell Biol. 11:5848-5859)を含む。
5.2. 組換えアデノウイルスの生産
本発明は選択的細胞死をターゲティングするのに利用し得る条件的複製組換えアデノウイルスを提供する。本発明の組換えアデノウイルスは、特定の標的プレmRNAとのトランススプライシング反応を媒介し得るPTM分子をコードするように作製される。このような組換えアデノウイルスは、Adenoviral Vectors for Gene Therapy, CurielおよびDouglas編2002, Academic PressおよびAusubelら(編), 1993, Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, NY; およびKriegler, 1990, Gene Transfer and Expression, A Laboratory Manual, Stockton Press, NYに記載のものをはじめ、当業者に公知の種々の異なるクローニング方法を用いて作製し得る。本発明の好ましい実施形態では、アデノウイルスは2、5、9または35型アデノウイルスである。
本発明は、複製欠陥型であるがPTM分子を発現し得る条件的複製組換えアデノウイルスに関する。本発明の意味の範囲内で、発現「条件的複製アデノウイルス」とは、ウイルス欠陥がトランスで相補されない限り、宿主細胞内で自律複製できない欠陥型アデノウイルスを指す。本発明は、本発明のアデノウイルスが、ウイルスにより発現されたPTMと標的プレmRNAの間で首尾よくトランススプライシングが起こった際に相補活性をもたらすことができることに基づくものである。
本発明は、少なくとも1つのアデノウイルス遺伝子が欠失している組換えアデノウイルスを提供する。本発明の好ましい実施形態では、アデノウイルス初期領域E1、E2またはE4遺伝子が欠失し、目的のPTMをコードする核酸配列で置き換えられている。本発明の組換えアデノウイルスはまた、複数の欠失を有し、1以上のPTMコード配列が挿入されているウイルスを含む。このようなアデノウイルスは条件によって複製するので、まずこれらのウイルスを、アデノウイルスの欠失した領域を相補する細胞、すなわち、「相補細胞系」で増殖させる。本発明の意味の範囲内で「相補細胞系」とは、欠陥型アデノウイルスの複製に必要な遺伝子産物を提供する細胞系をさす。このような細胞としては、ヘルパーウイルスに感染させたものが挙げられる。
本発明のある特定の実施形態では、初期領域1(E1)が欠失し、目的のPTMをコードする核酸配列で置き換えられており、このウイルスが293(Grahamら, 1977, J. Gen. Virol. 36:59-72)などのE1-トランス-相補細胞系で、またはプレmRNA標的を発現する細胞系で増殖させる。別の実施形態では、条件的複製アデノウイルスは、特定の標的プレmRNAを天然に発現する、または特定の標的プレmRNAを発現するように操作された細胞系においてin vitroで増殖させ得る。
E1欠失ベクターなどの、このような欠失アデノウイルスベクターを作製する標準的な方法としては、in vitroライゲーション法または相同組換え法を含み得る(Adenoviral Vectors for Gene Therpy, CurielおよびDouglas編 2002, Academic Press)。以下の節では、E1領域が目的のPTMをコードする核酸分子で置き換えられているE1欠失アデノウイルスの作製方法を記載するが、このような方法はまた、ウイルスの他の領域において欠失およびPTMコード核酸の挿入を有するアデノウイルスの作製にも使用できる。このようなウイルスを生産する際に用いられる相補細胞系は、例えばE1、E2またはE4など欠失のタイプによって異なり、当業者ならばそれを決定することができる。
in vitroライゲーション法は、(i)ウイルスE1領域から下流、すなわちゲノムの右末端のユニークな制限部位においてDNAを酵素消化することにより得られるアデノウイルスゲノムの断片、および(ii)右側逆方向末端リピート(ITR)、パッケージングシグナル、E1Aエンハンサー配列(マップユニット; 0〜1.3)および目的のPTMをコードする核酸分子を含むアデノウイルスゲノムの左末端を含むDNA断片、を用いる。この2つの断片を1つに連結することにより、PTMをコードする核酸分子がE1領域に挿入された組換えアデノウイルスが得られる。本発明のある好ましい実施形態では、ウイルスゲノム中のユニークなClaI部位(マップユニット; 2.6)を用いて、このウイルスE1領域の一部を、目的のPTMをコードする核酸分子で置き換える。いったん連結すれば、次にこのDNAを293細胞などのE1トランス相補細胞系に直接導入して、目的のPTMを発現し得る組換えアデノウイルスを作製する。あるいは、このDNAを、標的プレmRNAを発現する細胞へトランスフェクトしてもよく、これによりPTMにコードされた相補性アデノウイルスポリペプチドの発現がもたらされる。
相同組換え法では、in vivoで組換えるように設計されている重複配列を有する2つのDNA断片を用いる。本発明の一実施形態では、DNAの断片は組換えベクター配列、例えばプラスミド断片を含み得る。第1の断片はDNAパッケージングおよびE1領域が欠失した全Adゲノムを含み得る。第2の断片は右側ITR、パッケージングシグナルおよび第1のプラスミドと重複する配列を含み得る。この第2の断片はまた、目的のPTMをコードする核酸配列を含むよう作製される。相同組換え法では、この2つの断片を、E1領域を相補し得る細胞、例えば293細胞へ同時感染させる。
in vitroまたは相同組換えの両方で、相補細胞に核酸分子を送達するのに用い得るトランスフェクション法としては、エレクトロポレーション、リポフェクションまたはリン酸カルシウム媒介トランスフェクションなどの方法が挙げられる。次に、プラーク精製により組換えアデノウイルスを精製すればよい。
さらに、酵母人工染色体または細菌を用いた2つのプラスミドの相同組換えに基づくアデノウイルス製造法はまた、本発明の組換えアデノウイルスを作製するためにも使用できる。組換えアデノウイルスの製造を開示する米国特許としては、米国特許第5,962,313号; 同第5,962,311号;同第5,952,221号;同第5,932,210号;同第5,928,944号;同第5,922,576号;同第5,919,676号;同第5,891,690号;同第5,885,808号;同第5,880,102号;同第5,877,011号;同第5,871,982号;同第5,869,037号;同第5,858,351号;同第5,851,806号;同第5,843,742号;同第5,837,484号;同第5,820,868号;同第5,789,390号;同第5,756,283号;同第5,747,072号;同第5,731,172号;同第5,700,470号;同第5,670,488号;同第5,616,326号;同第5,589,377号;同第5,585,362号;および同第5,354,678号が挙げられる。対象となる他の参照文献としては、Berknerら (1983, Nucleic Acids Res. 11, 6003-6020); Bettら(1994, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 91, 8802-6); Chartierら (1996, J Virol. 70, 4805-4810); Crouzら (1997, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 94, 1414-1419); Gilardiら (1990, FEBS Lett. 267, 60-2); Heら (1998, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 95, 2509-2514); Ketnerら (1994, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 91, 6186-6190; Miyakeら (1996, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 93, 1320-1324);およびRosenfeldら (1991, Science. 252, 431-4)が挙げられ、これらの開示は参照によりその全体を本明細書に組み入れる。
本発明のさらにもう1つの実施形態では、本発明の条件的複製アデノウイルスはウイルス/細胞感染の機構を変更し、それにより、目的の特定の細胞種、すなわち、癌細胞または感染細胞に対する選択的アデノウイルス感染をターゲティングするようさらに操作してもよい。例えば、ウイルスキャプシドなどのアデノウイルス受容体結合成分の構造を、操作されたキャプシドと標的細胞で発現される標的細胞表面分子と間の特異的相互作用を促進するように遺伝子操作してもよい。例えば、受容体結合リガンドをキャプシド遺伝子の遺伝的操作によってキャプシドタンパク質に結合させることができる。あるいは、生物特異的化学コンジュゲートをアデノウイルス粒子に結合させることもできる。(Adenoviral Vectors for Gene Therpy, Curiel and Douglas, eds. 2002, Academic Press参照)
5.3. トランススプライシング分子の使用および投与
本発明の組成物および方法は癌細胞または感染性因子に感染した細胞に対してアデノウイルス媒介性細胞溶解をターゲティングすることを含む種々の異なる用途を有する。さらに、本発明は、選択された細胞種に対して治療用または診断用ポリペプチドの発現をターゲティングするための方法および組成物を提供する。特定の実施形態では、本発明の組換えアデノウイルスは、それが標的細胞に感染し、発現して目的のPTMを産生する場合は、直接in vivo投与する。これは標的細胞にアデノウイルスを直接感染させることで達成することができる。
標的細胞に組換えアデノウイルスを感染させれば、PTM分子が発現される。標的プレmRNA分子の存在下では、PTMと標的プレmRNA分子の間でトランススプライシング反応が起こり、その結果、キメラmRNA分子が形成される。キメラmRNA分子は欠陥型アデノウイルスの相補に必要なアデノウイルスタンパク質を発現するように作製される。従って、正確なトランススプライシング反応の存在下では、欠陥型アデノウイルスが複製し、それにより新たに複製されたウイルスによって細胞が溶解し、周囲の細胞が感染する。こうして本発明は、標的プレmRNA分子を発現する細胞に対してのみ、アデノウイルス媒介性細胞溶解をターゲティングする方法および組成物を提供する。
本発明はまた、PTMをコードする有効量の組換えアデノウイルスと製薬上許容される担体を含んでなる医薬組成物を提供する。特定の実施形態では、「製薬上許容される」とは、連邦政府もしくは州政府の規制当局が認可した、または米国薬局方に列挙されているか、または動物および特にヒトにおける使用に関して一般に認められている薬局方に列挙されていることを意味する。「担体」とは、治療薬と一緒に投与する希釈剤、アジュバント、賦形剤、またはビヒクルをさす。好適な医薬担体の例は、E.W. Martinによる"Remington's Pharmaceutical sciences"に記載されている。
特定の実施形態では、医薬組成物は(1)癌選択的標的プレmRNAの発現を伴う疾患または障害、例えば腫瘍細胞;(2)細胞が感染性因子に感染し、その感染性因子によってコードされている標的プレmRNAを発現するような疾患または障害;あるいは(3)特定の細胞種の活性から生じる疾患または障害において、投与する。
ある特定の実施形態では、本発明の医薬組成物は、治療の必要な領域、例えば腫瘍部位に局所投与するのが望ましい。これは例えば、限定するものではないが、吸入、手術中の局所注入、局所適用、例えば手術後の創傷の包帯と組み合わせて、注射により、カテーテルを用いて、坐剤を用いて、またはインプラント(このインプラントはシラスティック膜のような膜または繊維をはじめとする、多孔性、無孔性またはゼラチン質の材料である)を用いて、達成できる。ナノ粒子、徐放性ポリマーのようなマトリックス、ヒドロゲルなどのその他の徐放性薬物送達系がある。
本発明の組換えアデノウイルスは標的細胞において所望の効果、例えばアデノウイルス媒介性細胞溶解をもたらすのに有効な量で投与される。アデノウイルスの有効用量は、生体半減期、バイオアベラビリティーおよび毒性などのパラメーターを取り扱う当業者に周知の手順により決定することができる。
本発明の組成物の量は治療する疾患または障害の性質によって異なり、標準的な臨床技術によって決定することができる。さらにまた、所望により、最適な用量範囲を特定する助けとするためにin vitroアッセイを用いてもよい。
本発明は、本明細書に記載の特定の実施形態に範囲を限定されるものではない。実際に、以上の説明および添付の図面から当業者には本明細書に記載したものの他に本発明の種々の変形が明らかである。このような変形も付属の特許請求の範囲の技術的範囲に含まれるものとする。本明細書には種々の参照文献が挙げられているが、これらの開示は参照により本明細書にそのまま組み入れられる。
種々のトランススプライシング反応の模式図。 (a) 標的5'スプライス部位とPTM 3'スプライス部位の間のトランススプライシング反応;(b) 標的3'スプライス部位とPTM 5'スプライス部位の間のトランススプライシング反応;(c) PTMが5'スプライス部位と3'スプライス部位の両方を有する二重トランススプライシング反応による内部エキソンの置換。BD: 結合ドメイン、BP: 分岐点配列、PPT: ポリピリミジン領域、およびss: スプライス部位。 抗癌剤としてのアデノウイルスの模式図。 PTMにより媒介されるアデノウイルス複製制御の模式図。

Claims (81)

  1. トランスジーンを含んでなる条件的複製組換えアデノウイルスであって、該トランスジーンが下記a)〜d)を含んでなるプレトランススプライシング分子をコードする、前記アデノウイルス:
    a)癌細胞内で発現した標的プレmRNAへのプレトランススプライシング分子の結合をターゲティングする、1以上の標的結合ドメイン;
    b)分岐点および3'スプライスアクセプター部位を含む、3'スプライス領域;
    c)標的結合ドメインと3’スプライス領域を隔てるスペーサー領域;および
    d)標的プレmRNAへとトランススプライスされる、アデノウイルスタンパク質をコードするヌクレオチド配列。
  2. トランスジーンを含んでなる条件的複製組換えアデノウイルスであって、該トランスジーンが下記a)〜d)を含んでなるプレトランススプライシング分子をコードする、前記アデノウイルス:
    a)癌細胞内で発現した標的プレmRNAへのプレトランススプライシング分子の結合をターゲティングする、1以上の標的結合ドメイン;
    b)3'スプライスアクセプター部位;
    c)標的結合ドメインと3’スプライス領域を隔てるスペーサー領域;および
    d)標的プレmRNAへとトランススプライスされる、アデノウイルスタンパク質をコードするヌクレオチド配列。
  3. トランスジーンを含んでなる条件的複製組換えアデノウイルスであって、該トランスジーンが下記a)〜d)を含んでなるプレトランススプライシング分子をコードする、前記アデノウイルス:
    a)癌細胞内で発現した標的プレmRNAへのプレトランススプライシング分子の結合をターゲティングする、1以上の標的結合ドメイン;
    b)5'スプライス部位;
    c)標的結合ドメインと5’スプライス部位を隔てるスペーサー領域;および
    d)標的プレmRNAへとトランススプライスされる、アデノウイルスタンパク質をコードするヌクレオチド配列。
  4. プレトランススプライシング分子が5'ドナー部位をさらに含んでなる、請求項1に記載のアデノウイルス。
  5. 3’スプライス領域がピリミジン領域(pyrimidine tract)をさらに含んでなる、請求項1に記載のアデノウイルス。
  6. プレトランススプライシング分子が、5’スプライス部位の片側または両側に結合する1以上の相補配列を含む安全装置配列をさらに含んでなる、請求項1、2または3に記載のアデノウイルス。
  7. プレトランススプライシング分子が、3'スプライス領域の片側または両側に結合する1以上の相補配列を含む安全装置ヌクレオチド配列をさらに含んでなる、請求項1、2または3に記載のアデノウイルス。
  8. 標的プレmRNAへとトランススプライスされるヌクレオチド配列が、アデノウイルスポリペプチドをコードする、請求項1に記載のアデノウイルス。
  9. 前記ポリペプチドがE1、E2またはE4初期領域ポリペプチドからなる群から選択される、請求項8に記載のアデノウイルス。
  10. アデノウイルスポリペプチドがE1ポリペプチドである、請求項8に記載のアデノウイルス。
  11. 標的プレmRNAが、癌細胞で発現されるが、正常細胞では検出されないものである、請求項1に記載のアデノウイルス。
  12. トランスジーンを含んでなる条件的複製組換えアデノウイルスを含んでなる細胞であって、該トランスジーンが下記a)〜d)を含んでなるプレトランススプライシング分子をコードする、前記細胞:
    a)癌細胞内で発現した標的プレmRNAへのプレトランススプライシング分子の結合をターゲティングする、1以上の標的結合ドメイン;
    b)分岐点および3'スプライスアクセプター部位を含む、3'スプライス領域;
    c)標的結合ドメインと3’スプライス領域を隔てるスペーサー領域;および
    d)標的プレmRNAへとトランススプライスされる、アデノウイルスタンパク質をコードするヌクレオチド配列。
  13. トランスジーンを含んでなる条件的複製組換えアデノウイルスを含んでなる細胞であって、該トランスジーンが下記a)〜d)を含んでなるプレトランススプライシング分子をコードする、前記細胞:
    a)癌細胞内で発現した標的プレmRNAへのプレトランススプライシング分子の結合をターゲティングする、1以上の標的結合ドメイン;
    b)3'スプライスアクセプター部位;
    c)標的結合ドメインと3’スプライス領域を隔てるスペーサー領域;および
    d)標的プレmRNAへとトランススプライスされる、ヌクレオチド配列。
  14. トランスジーンを含んでなる条件的複製組換えアデノウイルスを含んでなる細胞であって、該トランスジーンが下記a)〜d)を含んでなるプレトランススプライシング分子をコードする、前記細胞:
    a)癌細胞内で発現した標的プレmRNAへのプレトランススプライシング分子の結合をターゲティングする、1以上の標的結合ドメイン;
    b)5'スプライス部位;
    c)標的結合ドメインと5’スプライス部位を隔てるスペーサー領域;および
    d)標的プレmRNAへとトランススプライスされる、アデノウイルスタンパク質をコードするヌクレオチド配列。
  15. 前記核酸分子が5'ドナー部位をさらに含んでなる、請求項12に記載の細胞。
  16. 3’スプライス領域がピリミジン領域をさらに含んでなる、請求項12に記載の細胞。
  17. 前記核酸分子が、3’スプライス領域の片側または両側に結合する1以上の相補配列を含む安全装置ヌクレオチド配列をさらに含んでなる、請求項12、13または14に記載の細胞。
  18. 癌細胞を選択的に破壊する方法であって、癌細胞を、トランスジーンを含んでなる条件的複製組換えアデノウイルスと接触させることを含んでなり、該トランスジーンが下記a)〜d):
    a)癌細胞内で発現した標的プレmRNAへのプレトランススプライシング分子の結合をターゲティングする、1以上の標的結合ドメイン;
    b)分岐点および3'スプライスアクセプター部位を含む、3'スプライス領域;
    c)標的結合ドメインと3’スプライス領域を隔てるスペーサー領域;および
    d)標的プレmRNAへとトランススプライスされる、アデノウイルスタンパク質をコードするヌクレオチド配列;
    を含んでなるプレトランススプライシング分子をコードし、
    かつ、前記接触を、核酸分子の一部が標的プレmRNAの一部へとトランススプライスされてアデノウイルスタンパク質をコードするキメラRNAが形成される条件下で行い、そして該アデノウイルスタンパク質の発現がウイルス複製をもたらし、その結果、癌細胞の破壊をもたらす、前記方法。
  19. 癌細胞を選択的に破壊する方法であって、癌細胞を、トランスジーンを含んでなる条件的複製組換えアデノウイルスと接触させることを含んでなり、該トランスジーンが下記a)〜d):
    a)癌細胞内で発現した標的プレmRNAへのプレトランススプライシング分子の結合をターゲティングする、1以上の標的結合ドメイン;
    b)3'スプライスアクセプター部位;
    c)標的結合ドメインと3’スプライス領域を隔てるスペーサー領域;および
    d)標的プレmRNAへとトランススプライスされる、ヌクレオチド配列;
    を含んでなるプレトランススプライシング分子をコードし、
    かつ、前記接触を、核酸分子の一部が標的プレmRNAの一部へとトランススプライスされて、アデノウイルスタンパク質をコードするキメラRNAが形成される条件下で行い、そして該アデノウイルスタンパク質の発現がウイルス複製をもたらし、その結果、癌細胞の破壊をもたらす、前記方法。
  20. 癌細胞を選択的に破壊する方法であって、癌細胞を、トランスジーンを含んでなる条件的複製組換えアデノウイルスと接触させることを含んでなり、該トランスジーンが下記a)〜d):
    a)癌細胞内で発現した標的プレmRNAへのプレトランススプライシング分子の結合をターゲティングする、1以上の標的結合ドメイン;
    b)5'スプライス部位;
    c)標的結合ドメインと5’スプライス部位を隔てるスペーサー領域;および
    d)標的プレmRNAへとトランススプライスされる、アデノウイルスタンパク質をコードするヌクレオチド配列;
    を含んでなるプレトランススプライシング分子をコードし、
    かつ、前記接触を、核酸分子の一部が標的プレmRNAの一部へとトランススプライスされて、アデノウイルスタンパク質をコードするキメラRNAが形成される条件下で行い、そして該アデノウイルスタンパク質の発現がウイルス複製をもたらし、その結果、癌細胞の破壊をもたらす、前記方法。
  21. プレトランススプライシング分子が5'ドナー部位をさらに含んでなる、請求項18に記載のアデノウイルス。
  22. 3’スプライス領域がピリミジン領域をさらに含んでなる、請求項18に記載のアデノウイルス。
  23. プレトランススプライシング分子が5’スプライス部位の片側または両側に結合する1以上の相補配列を含む安全装置配列をさらに含んでなる、請求項18、19または20に記載のアデノウイルス。
  24. プレトランススプライシング分子が3'スプライス領域の片側または両側に結合する1以上の相補配列を含む安全装置ヌクレオチド配列をさらに含んでなる、請求項18、19または20に記載のアデノウイルス。
  25. トランスジーンを含んでなる条件的複製組換えアデノウイルスであって、該トランスジーンが下記a)〜d)を含んでなるプレトランススプライシング分子をコードする、前記アデノウイルス:
    a)細胞内で発現した標的プレmRNAへのプレトランススプライシング分子の結合をターゲティングする1以上の標的結合ドメインであって、該標的プレmRNAは(i)病原性微生物から発現されるか、または(ii)病原性微生物に感染した被験体の細胞内で誘導されるものである、該標的結合ドメイン;
    b)分岐点および3'スプライスアクセプター部位を含む、3'スプライス領域;
    c)標的結合ドメインと3’スプライス領域を隔てるスペーサー領域;および
    d)標的プレmRNAへとトランススプライスされる、アデノウイルスタンパク質をコードするヌクレオチド配列。
  26. トランスジーンを含んでなる条件的複製組換えアデノウイルスであって、該トランスジーンが下記a)〜d)を含んでなるプレトランススプライシング分子をコードする、前記アデノウイルス:
    a)標的プレmRNAへのプレトランススプライシング分子の結合をターゲティングする1以上の標的結合ドメインであって、該標的プレmRNAは(i)病原性微生物から発現されるか、または(ii)病原性微生物に感染した被験体の細胞内で誘導されるものである、該標的結合ドメイン;
    b)3'スプライスアクセプター部位;
    c)標的結合ドメインと3’スプライス領域を隔てるスペーサー領域;および
    d)標的プレmRNAへとトランススプライスされる、アデノウイルスタンパク質をコードするヌクレオチド配列。
  27. トランスジーンを含んでなる条件的複製組換えアデノウイルスであって、該トランスジーンが下記a)〜d)を含んでなるプレトランススプライシング分子をコードする、前記アデノウイルス:
    a)標的プレmRNAへのプレトランススプライシング分子の結合をターゲティングする1以上の標的結合ドメインであって、該標的プレmRNAは(i)病原性微生物から発現されるか、または(ii)病原性微生物に感染した被験体の細胞内で誘導されるものである、該標的結合ドメイン;
    b)5'スプライス部位;
    c)標的結合ドメインと5’スプライス部位を隔てるスペーサー領域;および
    d)標的プレmRNAへとトランススプライスされる、アデノウイルスタンパク質をコードするヌクレオチド配列。
  28. プレトランススプライシング分子が5'ドナー部位をさらに含んでなる、請求項25に記載のアデノウイルス。
  29. 3’スプライス領域がピリミジン領域をさらに含んでなる、請求項25に記載のアデノウイルス。
  30. プレトランススプライシング分子が、5’スプライス部位の片側または両側に結合する1以上の相補配列を含む安全装置配列をさらに含んでなる、請求項25、26または27に記載のアデノウイルス。
  31. プレトランススプライシング分子が、3'スプライス領域の片側または両側に結合する1以上の相補配列を含む安全装置ヌクレオチド配列をさらに含んでなる、請求項25、26または27に記載のアデノウイルス。
  32. 病原性微生物がウイルス、真菌、細菌または寄生虫である、請求項25に記載のアデノウイルス。
  33. トランスジーンを含んでなる条件的複製組換えアデノウイルスを含んでなる細胞であって、該トランスジーンが下記a)〜d)を含んでなるプレトランススプライシング分子をコードする、前記細胞:
    a)標的プレmRNAへのプレトランススプライシング分子の結合をターゲティングする1以上の標的結合ドメインであって、該標的プレmRNAは(i)病原性微生物から発現されるか、または(ii)病原性微生物に感染した被験体の細胞内で誘導されるものである、該標的結合ドメイン;
    b)分岐点および3'スプライスアクセプター部位を含む、3'スプライス領域;
    c)標的結合ドメインと3’スプライス領域を隔てるスペーサー領域;および
    d)標的プレmRNAへとトランススプライスされる、アデノウイルスタンパク質をコードするヌクレオチド配列。
  34. トランスジーンを含んでなる条件的複製組換えアデノウイルスを含んでなる細胞であって、該トランスジーンが下記a)〜d)を含んでなるプレトランススプライシング分子をコードする、前記細胞:
    a)標的プレmRNAへのプレトランススプライシング分子の結合をターゲティングする1以上の標的結合ドメインであって、該標的プレmRNAは(i)病原性微生物から発現されるか、または(ii)病原性微生物に感染した被験体の細胞内で誘導されるものである、該標的結合ドメイン;
    b)3'スプライスアクセプター部位;
    c)標的結合ドメインと3’スプライス領域を隔てるスペーサー領域;および
    d)標的プレmRNAへとトランススプライスされるヌクレオチド配列。
  35. トランスジーンを含んでなる条件的複製組換えアデノウイルスを含んでなる細胞であって、該トランスジーンが下記a)〜d)を含んでなるプレトランススプライシング分子をコードする、前記細胞:
    a)標的プレmRNAへのプレトランススプライシング分子の結合をターゲティングする1以上の標的結合ドメインであって、該標的プレmRNAは(i)病原性微生物から発現されるか、または(ii)病原性微生物に感染した被験体の細胞内で誘導されるものである、該標的結合ドメイン;
    b)5'スプライス部位;
    c)標的結合ドメインと5’スプライス部位を隔てるスペーサー領域;および
    d)標的プレmRNAへとトランススプライスされる、アデノウイルスタンパク質をコードするヌクレオチド配列。
  36. 前記核酸分子が5'ドナー部位をさらに含んでなる、請求項33に記載の細胞。
  37. 3’スプライス領域がピリミジン領域をさらに含んでなる、請求項33に記載の細胞。
  38. 前記核酸分子が3'スプライス領域の片側または両側に結合する1以上の相補配列を含む安全装置ヌクレオチド配列をさらに含んでなる、請求項33、34または35に記載の細胞。
  39. 病原性微生物に感染した細胞を選択的に破壊する方法であって、該細胞と、トランスジーンを含んでなる条件的複製アデノウイルスを接触させることを含んでなり、該トランスジーンが下記a)〜d):
    a)標的プレmRNAへのプレトランススプライシング分子の結合をターゲティングする1以上の標的結合ドメインであって、該標的プレmRNAは(i)病原性微生物から発現されるか、または(ii)病原性微生物に感染した被験体の細胞内で誘導されるものである、該標的結合ドメイン;
    b)分岐点および3'スプライスアクセプター部位を含む、3'スプライス領域;
    c)標的結合ドメインと3’スプライス領域を隔てるスペーサー領域;および
    d)標的プレmRNAへとトランススプライスされる、アデノウイルスタンパク質をコードするヌクレオチド配列;
    を含んでなるプレトランススプライシング分子をコードし、
    かつ、前記接触を、核酸分子の一部が標的プレmRNAの一部へとトランススプライスされて、アデノウイルスタンパク質をコードするキメラRNAが形成される条件下で行い、そして該アデノウイルスタンパク質の発現がウイルス複製をもたらし、その結果、癌細胞の破壊をもたらす、前記方法。
  40. 病原性微生物に感染した細胞を選択的に破壊する方法であって、該細胞と、トランスジーンを含んでなる条件的複製アデノウイルスを接触させることを含んでなり、該トランスジーンが下記a)〜d):
    a)標的プレmRNAへのプレトランススプライシング分子の結合をターゲティングする1以上の標的結合ドメインであって、該標的プレmRNAは(i)病原性微生物から発現されるか、または(ii)病原性微生物に感染した被験体の細胞内で誘導されるものである、該標的結合ドメイン;
    b)3'スプライスアクセプター部位;
    c)標的結合ドメインと3’スプライス領域を隔てるスペーサー領域;および
    d)標的プレmRNAへとトランススプライスされるヌクレオチド配列;
    を含んでなるプレトランススプライシング分子をコードし、
    かつ、前記接触を、核酸分子の一部が標的プレmRNAの一部へとトランススプライスされて、アデノウイルスタンパク質をコードするキメラRNAが形成される条件下で行い、そして該アデノウイルスタンパク質の発現がウイルス複製をもたらし、その結果、癌細胞の破壊をもたらす、前記方法。
  41. 病原性微生物に感染した細胞を選択的に破壊する方法であって、該細胞と、トランスジーンを含んでなる条件的複製アデノウイルスを接触させることを含んでなり、該トランスジーンが下記a)〜d):
    a)標的プレmRNAへのプレトランススプライシング分子の結合をターゲティングする1以上の標的結合ドメインであって、該標的プレmRNAは(i)病原性微生物から発現されるか、または(ii)病原性微生物に感染した被験体の細胞内で誘導されるものである、該標的結合ドメイン;
    b)5'スプライス部位;
    c)標的結合ドメインと5’スプライス部位を隔てるスペーサー領域;および
    d)標的プレmRNAへとトランススプライスされる、アデノウイルスタンパク質をコードするヌクレオチド配列;
    を含んでなるプレトランススプライシング分子をコードし、
    かつ、前記接触を、核酸分子の一部が標的プレmRNAの一部へとトランススプライスされて、アデノウイルスタンパク質をコードするキメラRNAが形成される条件下で行い、そして該アデノウイルスタンパク質の発現がウイルス複製をもたらし、その結果、癌細胞の破壊をもたらす、前記方法。
  42. プレトランススプライシング分子が5'ドナー部位をさらに含んでなる、請求項39に記載のアデノウイルス。
  43. 3’スプライス領域がピリミジン領域をさらに含んでなる、請求項39に記載のアデノウイルス。
  44. プレトランススプライシング分子が5’スプライス部位の片側または両側に結合する1以上の相補配列を含む安全装置配列をさらに含んでなる、請求項39、40または41に記載のアデノウイルス。
  45. プレトランススプライシング分子が3'スプライス領域の片側または両側に結合する1以上の相補配列を含む安全装置ヌクレオチド配列をさらに含んでなる、請求項39、40または41に記載のアデノウイルス。
  46. トランスジーンを含んでなる条件的複製組換えアデノウイルスであって、該トランスジーンが下記a)〜d)を含んでなるプレトランススプライシング分子をコードする、前記アデノウイルス:
    a)疾患関連細胞内で発現した標的プレmRNAへのプレトランススプライシング分子の結合をターゲティングする、1以上の標的結合ドメイン;
    b)分岐点および3'スプライスアクセプター部位を含む、3'スプライス領域;
    c)標的結合ドメインと3’スプライス領域を隔てるスペーサー領域;および
    d)標的プレmRNAへとトランススプライスされる、アデノウイルスタンパク質をコードするヌクレオチド配列。
  47. トランスジーンを含んでなる条件的複製組換えアデノウイルスであって、該トランスジーンが下記a)〜d)を含んでなるプレトランススプライシング分子をコードする、前記アデノウイルス:
    a)疾患関連細胞内で発現した標的プレmRNAへのプレトランススプライシング分子の結合をターゲティングする、1以上の標的結合ドメイン;
    b)3'スプライスアクセプター部位;
    c)標的結合ドメインと3’スプライス領域を隔てるスペーサー領域;および
    d)標的プレmRNAへとトランススプライスされる、アデノウイルスタンパク質をコードするヌクレオチド配列。
  48. トランスジーンを含んでなる、条件的複製組換えアデノウイルスであって、該トランスジーンが下記a)〜d)を含んでなるプレトランススプライシング分子をコードする、前記アデノウイルス:
    a)疾患関連細胞内で発現した標的プレmRNAへのプレトランススプライシング分子の結合をターゲティングする、1以上の標的結合ドメイン;
    b)5'スプライス部位;
    c)標的結合ドメインと5’スプライス部位を隔てるスペーサー領域;および
    d)標的プレmRNAへとトランススプライスされる、アデノウイルスタンパク質をコードするヌクレオチド配列。
  49. プレトランススプライシング分子が5'ドナー部位をさらに含んでなる、請求項46に記載のアデノウイルス。
  50. 3’スプライス領域がピリミジン領域をさらに含んでなる、請求項46に記載のアデノウイルス。
  51. プレトランススプライシング分子が、5’スプライス部位の片側または両側に結合する1以上の相補配列を含む安全装置配列をさらに含んでなる、請求項46、47または48に記載のアデノウイルス。
  52. プレトランススプライシング分子が、3'スプライス領域の片側または両側に結合する1以上の相補配列を含む安全装置ヌクレオチド配列をさらに含んでなる、請求項46、47または48に記載のアデノウイルス。
  53. 標的プレmRNAへとトランススプライスされるヌクレオチド配列が治療用または診断用ポリペプチドをコードする、請求項46に記載のアデノウイルス。
  54. 診断用ポリペプチドが生物発光または化学発光ポリペプチドからなる群から選択される、請求項53に記載のアデノウイルス。
  55. アデノウイルス治療用ポリペプチドが増殖因子、リガンド、シグナル伝達のレギュレーターまたは酵素である、請求項53に記載のアデノウイルス。
  56. トランスジーンを含んでなる条件的複製組換えアデノウイルスを含んでなる細胞であって、該トランスジーンが下記a)〜d)を含んでなるプレトランススプライシング分子をコードする、前記細胞:
    a)疾患関連細胞内で発現した標的プレmRNAへのプレトランススプライシング分子の結合をターゲティングする、1以上の標的結合ドメイン;
    b)分岐点および3'スプライスアクセプター部位を含む、3'スプライス領域;
    c)標的結合ドメインと3’スプライス領域を隔てるスペーサー領域;および
    d)標的プレmRNAへとトランススプライスされる、アデノウイルスタンパク質をコードするヌクレオチド配列。
  57. トランスジーンを含んでなる条件的複製組換えアデノウイルスを含んでなる細胞であって、該トランスジーンが下記a)〜d)を含んでなるプレトランススプライシング分子をコードする、前記細胞:
    a)疾患関連細胞内で発現した標的プレmRNAへのプレトランススプライシング分子の結合をターゲティングする、1以上の標的結合ドメイン;
    b)3'スプライスアクセプター部位;
    c)標的結合ドメインと3’スプライス領域を隔てるスペーサー領域;および
    d)標的プレmRNAへとトランススプライスされるヌクレオチド配列。
  58. トランスジーンを含んでなる条件的複製組換えアデノウイルスを含んでなる細胞であって、該トランスジーンが下記a)〜d)を含んでなるプレトランススプライシング分子をコードする、前記細胞:
    a)疾患関連細胞内で発現した標的プレmRNAへのプレトランススプライシング分子の結合をターゲティングする、1以上の標的結合ドメイン;
    b)5'スプライス部位;
    c)標的結合ドメインと5’スプライス部位を隔てるスペーサー領域;および
    d)標的プレmRNAへとトランススプライスされる、アデノウイルスタンパク質をコードするヌクレオチド配列。
  59. 前記核酸分子が5'ドナー部位をさらに含んでなる、請求項56に記載の細胞。
  60. 3’スプライス領域がピリミジン領域をさらに含んでなる、請求項56に記載の細胞。
  61. 前記核酸分子が、3’スプライス領域の片側または両側に結合する1以上の相補配列を含む安全装置ヌクレオチド配列をさらに含んでなる、請求項56、57または58に記載の細胞。
  62. 疾患関連細胞を選択的に破壊する方法であって、該疾患関連細胞と、トランスジーンを含んでなる条件的複製アデノウイルスを接触させることを含んでなり、該トランスジーンが下記a)〜d):
    a)疾患関連細胞内で発現した標的プレmRNAへのプレトランススプライシング分子の結合をターゲティングする、1以上の標的結合ドメイン;
    b)分岐点および3'スプライスアクセプター部位を含む、3'スプライス領域;
    c)標的結合ドメインと3’スプライス領域を隔てるスペーサー領域;および
    d)標的プレmRNAへとトランススプライスされる、アデノウイルスタンパク質をコードするヌクレオチド配列;
    を含んでなるプレトランススプライシング分子をコードし、
    かつ、前記接触を、核酸分子の一部が標的プレmRNAの一部へとトランススプライスされて、アデノウイルスタンパク質をコードするキメラRNAが形成される条件下で行い、そして該アデノウイルスタンパク質の発現がウイルス複製をもたらし、その結果、疾患関連細胞の破壊をもたらす、前記方法。
  63. 疾患関連細胞を選択的に破壊する方法であって、該疾患関連細胞と、トランスジーンを含んでなる条件的複製アデノウイルスを接触させることを含んでなり、該トランスジーンが下記a)〜d):
    a)疾患関連細胞内で発現した標的プレmRNAへのプレトランススプライシング分子の結合をターゲティングする、1以上の標的結合ドメイン;
    b)3'スプライスアクセプター部位;
    c)標的結合ドメインと3’スプライス領域を隔てるスペーサー領域;および
    d)標的プレmRNAへとトランススプライスされるヌクレオチド配列;
    を含んでなるプレトランススプライシング分子をコードし、
    かつ、前記接触を、核酸分子の一部が標的プレmRNAの一部へとトランススプライスされて、アデノウイルスタンパク質をコードするキメラRNAが形成される条件下で行い、そして該アデノウイルスタンパク質の発現がウイルス複製をもたらし、その結果、疾患関連細胞の破壊をもたらす、前記方法。
  64. 疾患関連細胞を選択的に破壊する方法であって、該疾患関連細胞と、トランスジーンを含んでなる条件的複製アデノウイルスを接触させることを含んでなり、該トランスジーンが下記a)〜d):
    a)疾患関連細胞内で発現した標的プレmRNAへのプレトランススプライシング分子の結合をターゲティングする、1以上の標的結合ドメイン;
    b)5'スプライス部位;
    c)標的結合ドメインと5’スプライス部位を隔てるスペーサー領域;および
    d)標的プレmRNAへとトランススプライスされる、アデノウイルスタンパク質をコードするヌクレオチド配列;
    を含んでなるプレトランススプライシング分子をコードし、
    かつ、前記接触を、核酸分子の一部が標的プレmRNAの一部へとトランススプライスされて、アデノウイルスタンパク質をコードするキメラRNAが形成される条件下で行い、そして該アデノウイルスタンパク質の発現がウイルス複製をもたらし、その結果、疾患関連細胞の破壊をもたらす、前記方法。
  65. プレトランススプライシング分子が5'ドナー部位をさらに含んでなる、請求項62に記載の方法。
  66. 3’スプライス領域がピリミジン領域をさらに含んでなる、請求項62に記載の方法。
  67. プレトランススプライシング分子が5’スプライス部位の片側または両側に結合する1以上の相補配列を含む安全装置配列をさらに含んでなる、請求項62、63または64に記載の方法。
  68. プレトランススプライシング分子が3'スプライス領域の片側または両側に結合する1以上の相補配列を含む安全装置ヌクレオチド配列をさらに含んでなる、請求項62、63または64に記載の方法。
  69. 1以上のトランスジーンを含んでなる条件的複製組換えアデノウイルスであって、該トランスジーンが下記a)〜d)を含んでなるプレトランススプライシング分子をコードする、前記アデノウイルス:
    a)疾患関連細胞内で発現した標的プレmRNAへのプレトランススプライシング分子の結合をターゲティングする、1以上の標的結合ドメイン;
    b)分岐点および3'スプライスアクセプター部位を含む、3'スプライス領域;
    c)標的結合ドメインと3’スプライス領域を隔てるスペーサー領域;および
    d)標的プレmRNAへとトランススプライスされるヌクレオチド配列。
  70. 1以上のトランスジーンを含んでなる条件的複製組換えアデノウイルスであって、該トランスジーンが下記a)〜d)を含んでなるプレトランススプライシング分子をコードする、前記アデノウイルス:
    a)疾患関連細胞内で発現した標的プレmRNAへのプレトランススプライシング分子の結合をターゲティングする、1以上の標的結合ドメイン;
    b)3'スプライスアクセプター部位;
    c)標的結合ドメインと3’スプライス領域を隔てるスペーサー領域;および
    d)標的プレmRNAへとトランススプライスされるヌクレオチド配列。
  71. 1以上のトランスジーンを含んでなる条件的複製組換えアデノウイルスであって、該トランスジーンが下記a)〜d)を含んでなるプレトランススプライシング分子をコードする、前記アデノウイルス:
    a)疾患関連細胞内で発現した標的プレmRNAへのプレトランススプライシング分子の結合をターゲティングする、1以上の標的結合ドメイン;
    b)5'スプライス部位;
    c)標的結合ドメインと5’スプライス部位を隔てるスペーサー領域;および
    d)標的プレmRNAへとトランススプライスされるヌクレオチド配列。
  72. プレトランススプライシング分子が5'ドナー部位をさらに含んでなる、請求項69に記載のアデノウイルス。
  73. 3’スプライス領域がピリミジン領域をさらに含んでなる、請求項69に記載のアデノウイルス。
  74. プレトランススプライシング分子が、5’スプライス部位の片側または両側に結合する1以上の相補配列を含む安全装置配列をさらに含んでなる、請求項69、70または71に記載のアデノウイルス。
  75. プレトランススプライシング分子が、3'スプライス領域の片側または両側に結合する1以上の相補配列を含む安全装置ヌクレオチド配列をさらに含んでなる、請求項69、70または71に記載のアデノウイルス。
  76. 1以上のトランスジーンを含んでなる条件的複製組換えアデノウイルスを含んでなる細胞であって、該トランスジーンが下記a)〜d)を含んでなるプレトランススプライシング分子をコードする、前記細胞:
    a)疾患関連細胞内で発現した標的プレmRNAへのプレトランススプライシング分子の結合をターゲティングする、1以上の標的結合ドメイン;
    b)分岐点および3'スプライスアクセプター部位を含む、3'スプライス領域;
    c)標的結合ドメインと3’スプライス領域を隔てるスペーサー領域;および
    d)標的プレmRNAへとトランススプライスされるヌクレオチド配列。
  77. 1以上のトランスジーンを含んでなる条件的複製組換えアデノウイルスを含んでなる細胞であって、該トランスジーンが下記a)〜d)を含んでなるプレトランススプライシング分子をコードする、前記細胞:
    a)疾患関連細胞内で発現した標的プレmRNAへのプレトランススプライシング分子の結合をターゲティングする、1以上の標的結合ドメイン;
    b)3'スプライスアクセプター部位;
    c)標的結合ドメインと3’スプライス領域を隔てるスペーサー領域;および
    d)標的プレmRNAへとトランススプライスされるヌクレオチド配列。
  78. 1以上のトランスジーンを含んでなる条件的複製組換えアデノウイルスを含んでなる細胞であって、該トランスジーンが下記a)〜d)を含んでなるプレトランススプライシング分子をコードする、前記細胞:
    a)疾患関連細胞内で発現した標的プレmRNAへのプレトランススプライシング分子の結合をターゲティングする、1以上の標的結合ドメイン;
    b)5'スプライス部位;
    c)標的結合ドメインと5’スプライス部位を隔てるスペーサー領域;および
    d)標的プレmRNAへとトランススプライスされるヌクレオチド配列。
  79. 前記核酸分子が5'ドナー部位をさらに含んでなる、請求項76に記載の細胞。
  80. 3’スプライス領域がピリミジン領域をさらに含んでなる、請求項76に記載の細胞。
  81. 前記核酸分子が、3'スプライス領域の片側または両側に結合する1以上の相補配列を含む安全装置ヌクレオチド配列をさらに含んでなる、請求項76、77または78に記載の細胞。
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