JP2005514322A - 生体影響性成分と細胞標的化成分の所定の比を有する、実質的に均質な生体影響性物質、このような物質を作製するための方法、及びその使用法 - Google Patents

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Abstract

病的細胞を標的化し治療するための均質な複合体であって、薬剤分子とタンパク質分子の所定の比を有し、そのような細胞に優先的に結合する複合体、及びこのような複合体を作製するための方法。複合体を作製するこの方法は、連結剤のそれぞれの分子に関して薬剤の1分子を効果的に生成させるように、薬剤分子を連結分子に加え、次に薬剤−連結分子の組合せをタンパク質分子に加えて、薬剤分子とタンパク質分子の所定の比を得る。

Description

本発明は概して、生体影響性物質の分野、より具体的には実質的に均質なタンパク質−薬剤複合体、それらの作製方法、及びそれらの使用法に関するものである。
癌治療における2つの最も深刻な問題は、患者を衰弱させる薬剤毒性の問題、及び、癌が多量の薬剤用量にも通常は対抗することができるため、薬剤毒性の問題を増幅させ死をもたらすこととなる薬剤耐性の問題である。薬剤毒性の問題を解決するための1つの方法は、癌細胞のみを標的化するように薬剤を送達することである。多くの研究者は、薬剤を送達させるための抗体を開発するために作業しており、この手法は将来性があるが、抗体が問題を伴わないわけではない。例えば、抗体は正常な組織に結合することが多く、血管に損傷を与え(例えば血管漏出症候群)、危険なアレルギー反応(例えばアナフィラキシー)を引き起こす可能性もある。
特許文献1〜4中に記載されているように、トランスフェリンと抗癌剤の複合体の使用に関する研究が進行している。これらの特許中に記載された発明は、抗体は使用しない。その代りにそれらは、正常なヒトの血管中で見られるタンパク質を使用する。このタンパク質は、鉄を送達するトランスフェリンである。正常な細胞が鉄を必要とすることは珍しいが、癌細胞は、その病気により増大した代謝速度を維持するために、多量の鉄を必要とする。癌細胞はより一層の鉄を必要とするので、癌細胞はその表面上にほぼ永続的にトランスフェリン受容体を有しているが、一方で正常な細胞は有していない。これらの発明は、トランスフェリンと結合させた抗癌剤を投与することによってこれらの受容体を利用し、これによって実質的に癌細胞の表面上のトランスフェリン受容体のみに薬剤を送達する。
薬剤標的化は正常な細胞に危害を加えることはなく、あまり薬剤を必要とせず、薬剤毒性を大幅に低下させる。対照的に、標的化なしで抗癌剤を投与すると、抗癌剤は正常な細胞及び癌細胞を殺傷する。これらは免疫系の細胞、及び血液凝固の原因である系に対して特に毒性がある。したがって、感染及び出血は、癌患者の化学療法における主な合併症である。これらの合併症は、患者にとって不快であり高価である、高価なサービス、入院、集中的なケア、及び生命維持システムを必要とする。標的送達系を使用することによって、これらの問題は大抵防ぐことができる。
薬剤毒性の問題は、多大な医者及び看護婦の時間を消費させ、癌治療の大部分のコストの原因である。例えば、腫瘍研究者への約70%の問い合わせは、薬剤毒性の問題に関するものであることは一般的に理解されている。今日、少量の薬剤を使用すること以外には、薬剤毒性を治療するために満足できる方法は存在しない。標的送達は少量の薬剤を使用することができる。なぜなら、より多量の投与薬剤が、身体中に非特異的に分配されるのではなく、癌細胞に特異的に送達されるからである。この意味で、標的送達はライフルで射撃するようなものであり、一方従来の送達はショットガンで射撃するようなものである。薬剤毒性の問題の1つの解決策は、癌患者の化学療法を劇的に変えることであろう。化学療法のこのような悪影響を減らすことは、本発明の目的である。
薬剤耐性の問題は、薬剤毒性の問題と同程度に深刻である。この問題は、治療され数ヶ月間続く無症候性の寛解期に、いかなる知られている薬剤にももはや応答しない形であって後に癌の再発が見られる患者において象徴されるものである。薬剤耐性のこの傾向は非常に一般的であるが、多量のより強力な薬剤を使用すること以外、今日満足の行く解決策は存在せず、したがって重大な薬剤毒性の問題を引き起こす可能性があり、死をもたらすことが多い。薬剤耐性の問題のための解決策によって、薬剤毒性の問題が大幅に減少すると思われる。トランスフェリン標的型の薬剤送達によって、薬剤耐性の問題を克服することができる。したがって、本発明の他の目的は、薬剤耐性がある癌による痛みを伴う高価な死の問題を解決することである。
生体影響性分子と結合したタンパク質の有効性は実証されてきており、前述の米国特許中に記載されている。しかしながら、癌細胞などのストレスを受けた細胞の治療における、このような複合体の有効性は、凝集した複合体の存在によって、あるいは生体影響性分子とタンパク質断片、または2つまたは3つのタンパク質分子の複合体の存在によって低下し、タンパク質と生体影響性分子の比が1:1に近づくときに、大幅に向上することが決定されている。これまでは、有効性が高い複合体を得ることは、生体に影響を与える分子とタンパク質の望ましい平均比を有する複合体の分画を、タンパク質断片、複数のタンパク質と結合したこのような分子、及び、複数の生体に影響を与える分子と結合したタンパク質を含む大きなサンプル、から分離させることを必要とし、これらは緩慢、冗長かつ高価なプロセスであった。タンパク質成分が所定数の生体影響性分子を保有している、均質なタンパク質−薬剤複合体を使用することによって、薬剤耐性及び薬剤感受性癌細胞の両方を、さらに効果的に殺傷することができる。これまでは、このような複合体を商業化することに関して、及び、それらを薬中に広く使用することに関し、有用な体積の有用な複合体を生成させる際の固有の出費及び無効性が問題となってきた。実質的に均質な薬剤−タンパク質複合体に関する必要性、及びさらに有効で、さらに正確で、コストのかからないような複合体を作製する方法に関する必要性が存在する。さらに有効な方法によって作製されるこのような均質な複合体を提供することが、本発明の1つの目的である。
関連技術の説明
ヒト癌細胞のトランスフェリン受容体の最初の報告は、1980年のFaulk及び同僚によるものであった(1)。以下の表中に示すように、異なるタイプのヒトの癌中の、トランスフェリン受容体の多数の報告がこの報告に続いた(2)。
Figure 2005514322
正常な細胞及び癌細胞上のトランスフェリン受容体
ヒトの癌のすべてが上方制御型トランスフェリン受容体を有しているかどうか、あるいは正常な細胞すべてが下方制御型トランスフェリン受容体を有しているかどうかを検討する試験は1つも存在していないが、多くの方面からのデータによって、両方の質問に対する答えはイエスであることが示唆される。例えば、未熟な赤血球(すなわち正赤芽球及び網状赤血球)はその表面上にトランスフェリン受容体を有しているが、成熟した赤血球は有していない(17)。循環性単球も上方制御型トランスフェリン受容体を有しておらず(18)、クッパー細胞を含めたマクロファージは、赤血球貪食というトランスフェリン非依存性の方法によって、その鉄の大部分を得る(19)。実際、in vivoでの試験によって、血漿トランスフェリンから細網内皮系に入る鉄はほとんどないことが示される(概要に関しては、参照20を参照のこと)。マクロファージのトランスフェリン受容体は、γ−インターフェロンなどのサイトカインによって(21)、おそらく細胞内寄生虫を殺傷するための鉄摂取制限機構として(22)下方制御される。
休止状態のリンパ球では、トランスフェリン受容体が下方制御されるだけでなく、トランスフェリン受容体の遺伝子は測定不能である(23)。対照的に、刺激されたリンパ球では、トランスフェリン受容体がG後期に上方制御される(24)。受容体の発現は、c−myc原腫瘍遺伝子の発現の後に起こり、IL−2受容体の上方制御が続き(25)、鉄摂取制御型のタンパク質結合活性の測定可能な増加が伴い(26)、トランスフェリン受容体のmRNAを安定化させる(27)。これはT及びBリンパ球の両方に当てはまり(28)、IL−2依存性の応答である(29)。
トランスフェリンの受容体の上方制御をもたらす細胞の刺激は、経験するストレスからのものであること、例えばウイルス因子によって及び癌細胞によって侵入された細胞によるものであることが知られている。
正常な細胞及び腫瘍細胞のトランスフェリン受容体の上方及び下方制御は、抗原またはレクチン刺激の試験(すなわち受容体の上方制御)、及びレチノイン酸を使用する分化モデルの試験(30〜33)(すなわち受容体の下方制御)によって示されてきている。これらの実験モデルからの基準データによって、大部分の正常の、成体の、休止状態のヒト細胞の原形質膜からの、これらの受容体が下方制御されることが示唆される(34)。例外は、母胎児関門及びそのトランスフェリン受容体が豊富な合胞体栄養細胞(35)、血液脳関門及びそのトランスフェリン受容体が豊富な毛細管内皮細胞(36)、及び血液精巣関門及びそのトランスフェリン受容体が豊富なスルトリ細胞(37)を含めた、循環関門系である。
トランスフェリン−薬剤複合体による細胞殺傷の機構
トランスフェリン−ドキソルビシン複合体は、2つの反応を連続的に行うことによって原形質膜に結合する;最初にトランスフェリン成分がトランスフェリン受容体付近に結合し、その後主にカルジオリピンと帯電したリン酸の相互作用によって(58)、ドキソルビシン成分が脂質二重層付近に結合する。したがって、タンパク質及びリン脂質受容体中に結合することによって、複合体が適切な位置に置かれて、受容体の二量化、側部の移動性及び細胞質のカルシウム移動によって、シグナル伝達経路が活性化される(61)。
トランスフェリン−ドキソルビシン複合体による腫瘍細胞の殺傷に関する1つの機構は、原形質膜の酸化還元酵素の阻害、特にNADHオキシダーゼの阻害である(62)。NADHオキシダーゼの阻害によって細胞の死が引き起こされ(63)、ドキソルビシンはこの酵素の有効な阻害剤である(64,65)。トランスフェリン−ドキソルビシン複合体はNADHオキシダーゼ(66)、及びナトリウム−水素の対向輸送による電子の損失及び陽子の交換などの、NADHの酸化によって開始される下流の反応を阻害する(67)。
トランスフェリン−ドキソルビシン複合体による細胞の殺傷に関する第2の機構は、トランスフェリン受容体の分子制御に関するものである。例えば、ミクロ環境中の鉄のキレート化によって、正常な休止状態の細胞中ではなく腫瘍細胞中でアポトーシスが開始され(68)、このようなキレート化によって、シトシンアラビノシドの細胞毒性効果が著しく増大する(69)。薬剤耐性細胞は、トランスフェリン受容体のmRNAを安定化させることができないために、鉄摂取制限に非常に敏感であり、過剰な鉄によって、薬剤感受性細胞中よりも薬剤耐性細胞中においてより有効に、トランスフェリン受容体のmRNAが不安定になる(70)。
第3の機構は、酸化ストレスの酸化還元−活性生成物に関するものである(71)。例えば、一酸化窒素は鉄−イオウクラスターを分解し、鉄摂取制御型タンパク質の、鉄応答要素の結合及び保護を可能にする(72)。過酸化水素は同じ効果を引き起こすが(すなわちトランスフェリン受容体の上方制御)、トランスフェリン受容体は、鉄−イオウクラスター中でチオール基のニトロシウムル化を引き起こすニトロシウム(nitrosium)イオンによって下方制御される(73)。要するに、トランスフェリン−ドキソルビシン複合体による細胞の殺傷に関する、少なくとも3つの機構が存在する。
現在まで、ストレス及びトランスフェリン受容体が上方制御されたもとでのこのような機構による広範囲の細胞の治療は、タンパク質の二量体、ポリマーまたは分画を実質的に含まない制御された比のタンパク質と薬剤を含むタンパク質−薬剤複合体の分画を、かかる望ましくない分画を大抵は含む可能性がある反応生成物から単離するために必要とされる、コスト及び時間によって事実上妨げられてきている(他の箇所で述べるように、凝集、分画などされるトランスフェリンなどのタンパク質は、トランスフェリン受容体と正しく相互作用しないか、まったく相互作用しないであろう。)。これまでの方法の無効さによって、癌細胞及びウイルスに感染した細胞のこれらの機構による治療は、経済的に魅力のないものとなっている。
実験動物におけるトランスフェリン−薬剤複合体
トランスフェリン−薬剤複合体の有効性は、いくつかの動物モデルにおいて調査されてきている。例えば、トランスフェリンとジフテリア毒素の複合体によって、第14日にヌードマウス中の異種移植によるグリオーマが95%減少し、グリオーマは第30日まで再発することはなかった(74)。グルタルアルデヒドで調製したトランスフェリン−ドキソルビシン複合体は、ヒト中皮腫細胞による死からヌードマウスを救済すること、ドキソルビシンのみで処理した動物と比較して大幅に寿命が長いことが見出されている(75)。さらにトランスフェリンは、ビオチン−ストレプトアビジン技術を使用することによって単純ヘルペスチミジンキナーゼに結合しており、これらの複合体は、転移性K562腫瘍細胞を接種したヌードマウスの寿命を大幅に延ばした(76)。最後に、ヌードマウスにおけるヒトトランスフェリン−ドキソルビシン複合体の最大耐量は、複合体に関して20mg/kg(iv)、遊離薬剤に関してわずか8mg/kg(iv)であることが見出されている(41)。
ヒト患者におけるトランスフェリン−薬剤複合体
トランスフェリン−薬剤複合体の2つの臨床報告が存在する。1990年に発表された1件目の報告は、1日当たり1mgのグルタルアルデヒドで調製したトランスフェリン−ドキソルビシン複合体を用いた静脈内注射によって5日間治療した、7人の急性白血病患者の予備試験であった。これらの低い用量によって、毒性的な影響はなく、7人の患者の末梢血液中の白血病細胞の数は、治療後10日以内に86%減少した(77)。さらに、治療の前後に骨髄生検を調べることによって評価したように、疾患が拡大することはなかった。
1997年にNIHから発表された2件目の報告は、ジフテリア毒素の遺伝的変異体のチオエーテル結合トランスフェリン複合体で治療した、再発性の脳癌を有する15人の患者に関するものであった(44)。高流量の隙間へのミクロ注入によって複合体が送達され、これによって、霊長類の脳内において最小の炎症応答で、放射標識したトランスフェリンの有効な灌流が生み出されることが示されてきている(78)。磁気共鳴映像法によって、完全に寛解した2症例を含めて、15人中9人の患者の腫瘍体積が少なくとも50%減少したことが明らかになった(44)。
試験群(患者12人)及びプラシーボ群(患者11人)に無作為化した、卵巣癌が進行した23人の患者の、未発表の臨床試験が存在する。試験群には、1ヶ月の治療サイクルの第15日〜第19日に、1日当たり1mgのドキソルビシンに等しいトランスフェリン−ドキソルビシン複合体を与えた。診断と無作為化の間の時間が18ヶ月のとき、トランスフェリン−ドキソルビシン複合体で治療した患者の生存率のコックス回帰の推定値によって、有意な差が明らかになった。
他の未発表の試験は、従来のプロトコルによって治療して応答がない、その右心房の肉腫からの転移性疾患を有する22才の男性である。彼の肺には転移性病巣が充満しており、このとき彼の内科医である父親は、トランスフェリン−ドキソルビシン複合体を使用するために、FDAからINDを得て、2000年8月に治療を開始した。11月までに肺は転移性病巣が実質的に除去され、1月までには、腫瘍の放射線による形跡がなかった。彼は現在(2001年8月)健康であり、トランスフェリン−ドキソルビシンのみが与えられている。
薬剤の標的送達には、少量の薬剤を使用しながら有効性を高め、これによって毒性を低下させ、正常な細胞に対する損傷をあまり引き起こさないという利点があり、これらすべてによってコストが効果的に減少し、患者のケアの質が向上する。標的送達によって、薬剤の細胞への非特異的な侵入によって活性化される、薬剤耐性も回避される(79)。トランスフェリン−薬剤複合体は、受容体に特異的な経路によって特異的に細胞に侵入するので(80,81)、これらは耐性細胞中の輸送ポンプなどの、薬剤耐性機構の周辺を通される。
トランスフェリン−ドキソルビシン複合体は、多剤耐性細胞を効果的に殺傷することが1992年に報告された(82)。この発見は1993年に確認され(83)、1994(84)、1996(85)及び2000(86)に、いくつかのタイプの薬剤耐性細胞に広がった。
トランスフェリン−薬剤複合体の作製。
トランスフェリン−ドキソルビシン複合体を作製するための方法は、1984年に最初に発表され(38)、その後トランスフェリン−薬剤複合体を作製するための方法の多くの報告が存在しており、そのうちのいくつかを以下の表中に挙げる。
Figure 2005514322
ドキソルビシンのトランスフェリン複合体は、グルタルアルデヒド仲介のシッフ塩基形成を使用することによって作製することができ(56,57)、これによってトランスフェリンのε−アミノ酸のリジン基とドキソルビシンの3’アミノ酸位置の間に、酸耐性の結合が形成される。このようなドキソルビシンの複合体は、原形質膜仲介の機構によって癌細胞を殺傷することができる(概要に関しては、参照58を参照のこと)。DNA挿入はドキソルビシンによる細胞死の確立された機構であるが、デキストランなどの担体上の固定型ドキソルビシンは、原形質膜仲介の機構を活性化させて、細胞を殺傷する(59,60)。したがって、ドキソルビシンとトランスフェリン複合体は、ドキソルビシン及びトランスフェリン受容体の両方にと関連がある原形質膜仲介の機構を活性化させることによって、細胞を殺傷するようである。
抗癌剤と結合したトランスフェリンなどの非抗体タンパク質が、癌細胞を標的化し薬剤耐性細胞を効果的に殺傷する能力は、薬剤とトランスフェリンの分子比に依存することが見出されてきている。生体影響性分子をトランスフェリンなどのタンパク質に過剰に装荷することは、受容体と結合するタンパク質の能力を阻害すると考えられている。このようなタンパク質の過少の装荷によって、ブロッキングとして知られる現象、薬剤を保持していないタンパク質で満たされた受容体の生成がもたらされると考えられている。トランスフェリン−薬剤複合体を作製するためのこれまでの技法では、所定の比を有する複合体を生成することができない。現在利用可能な手順によって、過剰に装荷されているか過少に装荷されている多大なパーセンテージを含めて、複合体の不均質性がもたらされる。現在利用可能な製造手順からの、比較的少量の有用な分画の単離によって、臨床的に使用可能な分子の非常に低い収率、及び非常に高い製造コストがもたらされる。関連する支出によって、癌及び細胞にストレスを被らせる他の状態用の、他の有効な治療薬の製造及び使用が経済的に魅力のないものとなり、したがって、大部分の患者に対する物質の利点が否定される。このような複合体を作製する、多量の体積及び低コストの方法に関する必要性が存在する。
米国特許第5,108,987号 米国特許第5,000,935号 米国特許第4,895,714号 米国特許第4,886,780号 Berczi et al.,Arch Biochem Biophys 1993;300:356 Visitica et al.,Cancer Res 1994;51:2515 Seetheram,Ann Rev Nutr 1999;19:173 Schmidt−Erfurth et al.,Brit J Surg 1997;75:54
標的化剤と組み合わせた薬剤には薬剤の送達法を変える一般的な可能性、ならびに癌患者への薬剤の送達法を変える具体的な可能性があることは明らかである。しかしながら、タンパク質1分子あたりに所定の一貫した数の薬剤分子を有する、多量の均質な複合体を合成することがこれまでできていないことは問題である。トランスフェリン、セルロプラスミンなどのタンパク質、ビタミン、ビタミン結合タンパク質、ホルモン、サイトカイン、低密度リポタンパク質、及び成長因子と、抗癌剤(例えば細胞増殖抑制剤または細胞毒性剤、光増感剤、温熱増感剤、及びアポトーシス誘導化合物)の複合体を作製し使用するための知られている方法に関する、この問題及び他の問題は、本発明によって解決される。
一態様では本発明は、病的細胞を治療するための物質を含み、この物質は実質的に均質な、疾患に応答して細胞によって上方制御される受容体に結合することができ、生体影響性分子と複合する所定の比のタンパク質を含む。
他の態様では本発明は、生体影響性分子−連結基部分を形成することを含み、この連結基はタンパク質とさらに反応し、この部分をタンパク質に連結させることができ、タンパク質は疾患によってストレスを受けた細胞と結合することができ、生体影響性分子は細胞を治療し、画像技法に対して細胞を目に見える状態にする。他の態様では本発明は、このような細胞と物質を接触させることによって、タンパク質に関して比較的高い親和性を有する細胞を治療するための方法を含む。
現在好まれている方法は、それぞれの連結分子に結合する生体影響性物質の制御された比が存在するように、抗癌剤などの生体影響性物質を連結剤に加えることを含む。薬剤−連結物質は、トランスフェリンなどのタンパク質、ビタミン、ビタミン結合タンパク質、ホルモン、サイトカイン、低密度リポタンパク質、及び成長因子に、所望のモル比を得るための量で加える。現在好まれている方法では、連結剤はグルタルアルデヒドである。それがわずか2つの反応部位を表し、その反応動態がただ1つの生体影響性分子のそれぞれの連結分子への結合に好ましいので、グルタルアルデヒドは連結剤として選択された。過剰なグルタルアルデヒドは、例えばエタノールアミンを用いて除去することができ、後に複合体が形成される。
本発明は、タンパク質標的化剤1分子あたりに所定の一貫した数の抗癌剤または他の生体影響性分子を有する、均質な複合体に関する。本発明の標的化剤には、トランスフェリン、セルロプラスミン、ビタミン、ビタミン結合タンパク質、ホルモン、サイトカイン、低密度リポタンパク質、及び成長因子があるが、これらだけには限られない。抗癌剤または他の生体影響性分子には、ドキソルビシン、メトトレキセート、ビンクリスチン、ダウノマイシン、6−メルカプトプリン、シトシンアラビノシド、及びシクロホスファミドなどの細胞毒性剤、ヘマトポルフィリン及び少量のベラパミルなどの温熱増感剤、デフェロキサミンなどのアポトーシス誘導化合物、ポルフィマーナトリウム、メタテトラヒドロキシフェニルクロリン、及びヘマトポリフィリン誘導体などの光増感剤、同位体などの画像用物質、蛍光分子及び放射線不透過性物質があるが、これらだけには限られない。標的化剤はトランスフェリンであり、抗癌剤はドキソルビシンであることが好ましい。
画像用物質を含む複合体は、参照によってここに組み込んである、1990年1月23日に発行された米国特許第4,895,714号、及び2001年3月19日に発行された米国特許第5,000,935号中に記載されている。適切な同位体には、ヨウ素、ガリウム、インジウム、及びイットリウム、好ましくは125I、131I、111In、90Y、及び67Gaがあるが、これらだけには限られない。
本発明は、タンパク質標的化剤1分子あたりに所定の一貫した数の抗癌剤または他の生体影響性分子を有する実質的に均質な複合体を作製するための有効で経済的な方法に関する。この方法によって、トランスフェリンのポリマー及び二量体、またはトランスフェリン薬剤複合体の凝集体の生成が大幅に減少し、大抵の場合はほとんどなくなり、狭い範囲の薬剤とタンパク質の比が生じる。本発明によって、医療用途における複合体の有効性を増大させながら、大幅に製造コストが低下し効率が増大する。本発明の実質的に均質な複合体は、反応性のある薬剤−連結剤複合体の形成で始まる方法から生じる。本発明の方法のこの例では、生体影響性物質はドキソルビシンであり、連結剤はグルタルアルデヒドである。他の生体影響性物質及び連結剤も有用であろうことは、理解されるであろう。
所定のモル比を有する多量の均質なトランスフェリン−ドキソルビシン複合体の合成を、ドキソルビシン(DOX)の3’アミノ位置のアミノ基のみを使用して化学量論的に行って、グルタルアルデヒド(GLU)の2つの反応基の1つと反応させた。したがって、第1ステップは、DOXの生理食塩水溶液を、DMSOなどの溶媒を含むGLUの生理食塩水溶液、または他の適切な凍結保存液に滴下することにより、DOXとGLUのモル比1:1の最終濃度にすることであった。生成したDOX−GLUの溶液を、暗所において室温で3時間攪拌した。
遊離DOXも遊離GLUも含まないDOX−GLUの最終溶液を生成するために、DOXとGLUのモル濃度は前述の反応と同じであった。しかし、1つのGLUが2つのDOXと反応してDOX−GLU−DOXが生成する場合、溶液中に遊離GLUが存在する可能性があるが、一価のDOXを二価のGLUの溶液に滴下することによって生じる質量作用動態により、この可能性は最小限になる。これらの反応物の体積は制限されないので、多量の均質なDOX−GLUを調製することができる。
複合反応の第2ステップは、トランスフェリン(TRF)の生理食塩水溶液にDOX−GLUを滴下することである。トランスフェリンは鉄を含まないか(アポトランスフェリン)、あるいは鉄が飽和していてよい(ハロトランスフェリン)。DOXとTRFの所望のモル比を、TRFの体積を適切に調節することによって得た。生成したTRF−GLU−DOXの溶液を、暗所において室温で20時間攪拌した。DOXとGLUの反応とは異なり、DOX−GLUとTRFの反応は1つの結合部位に限られない。なぜなら、DOX−GLUのGLU成分は、TRF分子中のいくつかのε−アミノ酸のリジン基の、任意の1つと反応することができるからである。
TRFに結合するDOX分子の数を、第2ステップで決定した。例えば、DOX−GLUとTRFの最初の比が7.2:1.0であった場合、TRF−GLU−DOXの最終溶液は、TRF1分子当たり2.5個のDOX分子を含むと思われる。しかし、DOX−GLUとTRFの最初の比が4.0:1.0であった場合、TRF−GLU−DOXの最終溶液は、TRF1分子当たり1.4個のDOX分子を含むと思われる。同様に、DOX−GLUとTRFの最初の比が2.5:1.0であった場合、TRF−GLU−DOXの最終溶液は、TRF1分子当たり0.9個のDOX分子を含むと思われる。このようにして、DOXとTRFが所定の比である多量のTRF−GLU−DOXを、必要に応じて与えることができる。
複合体反応における他のステップは、エタノールアミン、または任意の過剰な連結基を除去するのに適した他の物質の添加、次に遠心分離及び透析である。DOXとTRFの反応は理論上はGLUをすべて消費するが、エタノールアミンを最終反応混合物に加えて、任意の利用可能なGLUを結合させた。この反応は、暗所において30分間続けた。最終溶液を2000rpmで10分間の遠心分離にかけ、100倍過剰の生理食塩水で6時間かけて2回透析し、同じ過剰のHepes緩衝生理食塩水で3回透析し、生成したTRF−GLU−DOX複合体が、使用するために用意された。
複合体の生化学的特性:
(39)に記載されたのと同様にHPLC及びポリアクリルアミドゲル電気泳動を使用することによって、TRF−GLU−DOX複合体の均質性を決定することができる。(89)に記載されたのと同様に分光光度法を使用することによっても、DOXとTRFの分子比を決定することができる。これらの技法によって、TRF−GLU−DOX複合体の一貫した均一性が繰り返し明らかになっている。さらにクロマトグラフィーは、これらの複合体の調製では必要とされない。なぜなら、凝集体または断片が存在しないからである。これによって多量の均質なトランスフェリン−薬剤複合体を作製することができ、収率が上がりコストは低下する。
他のタイプのトランスフェリン−薬剤複合体における、TRF及びDOXの損失によって引き起こされる犠牲は、それらを使用する障害となっている。例えば、DOX及びTRFの収率は、薬剤及び/またはタンパク質を変える、チオール化(44)などの手順を使用することによって低下する。溶媒系(86)を使用することによって、酸安定性及び酸不安定性の連結を作製するために使用するクロマトグラフィー(41)によっても、収率は低下する。DOXとTRFの間に結合したGLUは酸安定性であり(89)、本発明に従って作製したTRF−DOX複合体中の、DOX及びTRFの収率は高い。実際、他の手順(38,39,40)と比較すると、TRFの収率はほぼ2倍であり(90%と50%)、DOXの収率は5倍増大する。
トランスフェリン−ドキソルビシン複合体を作製するための従来から知られている手法は、トランスフェリン1分子当たりの薬剤分子の数が所定の割合である、多量の均質な複合体を生成することができない。さらに、他の手法はクロマトグラフィーを使用して、凝集体を除去し、均質な複合体中に豊富な分画を採取する。これらの手順は収率を低下させ、コストを増大させ、分子比を予め決定する能力を欠いている。
他の手順は、1ミリリットルのトランスフェリン(0.5mM)と1ミリリットルのデフェロキサミン(8.5mM)を150mMの塩化ナトリウム中で4分間混合し、次いで150mMの塩化ナトリウム中に21.5mMのグルタルアルデヒド1ミリリットルを加え、4分間混合することであると思われる。前述の反応は結合手順であり、150mMの塩化ナトリウム及び10mMのHepes緩衝液(pH8)の中に37.2mMのエタノールアミン0.8ミリリットルを加え、4分間攪拌することによって、これを停止させる。次いで混合物(3.8ミリリットル)を透析チューブに移し(分子量カットオフ12,000〜14,000)、暗所において5℃で3時間かけて、0.5リットルのHepes緩衝生理食塩水に対して透析した。この透析は、新鮮なHepes緩衝生理食塩水を用いて、少なくとも1度は繰り返さなければならない。次いで混合物を4℃において1600gで10分間遠心分離にかけ、その上澄みは、Hepes緩衝生理食塩水中で事前に平衡状態にし、ブルーデキストラン、トランスフェリン及びシトクロムCに関して5℃で目盛り調整した、Sepharose CL−4Bの2.6×34cmカラム上で、1時間あたりの流速22ミリリットルでクロマトグラフィーにかける。カラムからの溶出を280nmで監視し、3.8ミリリットルの分画を回収した。それぞれの分画中のトランスフェリン及びデフェロキサミンの濃度は、トランスフェリンに関しては280nm、デフェロキサミンに関しては365nmを使用することによって決定した、トランスフェリン及びデフェロキサミンの標準曲線からの逐次近似値によって計算する。わずかな改変によって、この結合手順を使用して、疎水性逆相シデロホアのタンパク質複合体などの、他の鉄キレート剤の標的化タンパク質複合体を作製することができる。
複合体の特性決定
純粋な薬剤−タンパク質複合体を単離した後、それらをポリアクリルアミドゲル電気泳動によって特定し、それらの分子量を決定し、タンパク質1分子あたりの薬剤分子の数を決定する。トランスフェリン1分子あたりの薬剤分子の正確な数は、吸光光度技法だけには限られないがこれを含めた任意の適切な技法を使用して、決定することができる。官能性薬剤とタンパク質の比は、約0.1:1.0と3.0:1.0の間である(非特許文献1)。複合体を調べて、それらが腫瘍細胞の表面上の受容体に結合するかどうかを決定し、複合体が正常な細胞ではなく癌細胞を殺傷するかどうかを決定する。癌細胞に結合し正常な細胞には結合しない複合体のみを、薬剤感受性及び薬剤耐性癌細胞を使用する毒性試験用に選択する。結合試験はフローサイトメトリーまたは任意の他の適切な方法を使用して行うことができ、殺傷試験はミクロ培養技法を使用して、同数の癌細胞を殺傷するのに必要とされる薬剤−タンパク質複合体中の薬剤の濃度と比較して、癌細胞の培養物50%を殺傷するのに必要とされる遊離薬剤の濃度を決定することによって行うことができる。温熱増感剤の複合体を試験するときは、MITテトラゾリウム非色アッセイ(非特許文献2)を使用することによって毒性試験を行う。これらの毒性試験によって、薬剤感受性及び薬剤耐性細胞の熱感度を最大にするための、最も有効なトランスフェリン増感剤比及び複合体の最適濃度が決定される。薬剤−タンパク質複合体中の薬剤と比較して、約10倍を超える遊離薬剤が、同数の細胞を殺傷するために必要とされる。
前述の記載事項はトランスフェリンが送達可能なタンパク質であることを指すが、細胞上の受容体部位に結合することができる他のタンパク質が、身体中に存在することが知られている。このような受容体部位が癌細胞中において活性化され、正常な細胞中では不活性である場合、したがって、このような受容体部位に結合する任意のタンパク質または他の分子(すなわちリガンド)を使用して、本発明で使用する薬剤を送達することができる。このような結合タンパク質の一例はトランスコバラミンであり、これはビタミンB12を、癌細胞を含めた細胞上のトランスコバラミン受容体に送達させる(非特許文献3)。低密度リポタンパク質は、光増感剤クロリンに結合し、網膜芽腫細胞上の低密度リポタンパク質受容体を標的としている、他のリガンドである(非特許文献4)。
薬剤−タンパク質複合体を作製し、精製し、特徴付けし、細胞の結合性及び殺傷性を確認した後、かつ結合性及び殺傷性の実験によって、複合体が正常な細胞ではなく癌細胞に結合しそれを殺傷することが示されるとき、次いでその複合体を等分し滅菌する。セシウム照射装置を使用することなどによって照射に曝すこと、またはMillipore濾過法を使用することだけには限られないが、これらを含めた任意の適切な方法によって、滅菌法を行うことができる。
本発明の他の態様に従って、鉄含有トランスフェリン、及びトランスフェリン1分子当たりに所定の一貫した割合の抗癌剤分子を有する、均質な複合体を含む、腫瘍を治療するための試薬キットを提供する。トランスフェリン受容体を有する患者の正常な細胞は、均質な複合体を投与する前に、これらの受容体を鉄含有トランスフェリンで飽和させることによって、複合体の影響に対して保護することができる。
本発明は、トランスフェリンといくつかの異なる抗癌剤の均質な複合体を、前記腫瘍細胞の一部分に別々に投与することを含む、抗癌剤に対する腫瘍細胞の感受性を判定するための方法も提供する。いくつかのこのような異なる複合体を含む試薬キットを、この目的のために提供することができる。本発明の均質な複合体は腫瘍細胞によって非常に急速に取り込まれるので、標的タンパク質と異なる抗癌剤の一定範囲の均質な複合体に対して、細胞を試験することができる。このような方法によって、任意の後の化学療法の有効性が増し、それを腫瘍細胞の単離後にすぐに開始することができる。
本明細書中で使用するように、「実質的に均質な複合体」という語は、さらに精製して、タンパク質二量体、ポリマーまたは凝集体を除去することをせずに、複合体を使用することができることを意味する。言い換えれば、タンパク質二量体、ポリマーまたは凝集体はほとんど存在しないか、あるいはまったく存在しない。
本発明の実質的に均質な複合体は、有効な量で動物に投与する。癌の治療においては、有効な量とは、腫瘍の大きさを減少させる、腫瘍の増殖を遅らせる、転移を予防または阻害する、あるいは冒された動物の平均余命を延ばすために有効な量を含む。本発明は、白血病癌、乳癌、卵巣癌、膵臓癌、肺癌、膀胱癌、胃腸癌、鼻咽頭部癌、頸部癌、骨髄腫、リンパ腫/メラノーマ、グリオーム、または星状細胞腫だけには限られないが、これらを含めたさまざまな癌を治療する方法を提供する。これら均質な複合体に関する用量は、患者の年齢、体重、及び状態、及び抗癌剤の薬物動態を考慮して、決定することができる。有効な治療のために必要とされる均質な複合体の量は、抗癌剤を単独で使用するのに必要な量未満であろう。例えば、トランスフェリン−ドキソルビシンの複合体の用量は、150ポンド(68kg)の人間に関して、28日間当たりで0.5〜50mgの間であると予想される。投薬量は分けることができ、28日間中さまざまな間隔で、少ない用量として投与することができる。
本発明の薬剤組成物は、経口、局所、直腸、膣内、肺経路、例えばエアロゾルの使用を含めたいくつかの経路によって投与することができ、また、これらによるものだけには限られない。更に、腹腔内、動脈内または静脈内を含めて非経口的に、投与することができ、また、これらによるものだけには限られない。組成物は単独で投与することができ、あるいは標準的な薬剤慣習に従って、薬剤として許容可能な担体または賦形剤と組み合わせることができる。経口形態の投与に関しては、錠剤、カプセル、薬用ドロップ、トローチ、粉末、シロップ、エリキシル、水溶液及び懸濁液などの形で、組成物を使用することができる。非経口投与に関しては、均質な複合体の滅菌溶液を通常作製し、その溶液のpHは適切に調整し緩衝させる。静脈内の使用に関しては、溶質の全体濃度を制御して、調製物を等張にしなければならない。眼部の投与に関しては、軟膏または滴眼可能な液体を、アプリケータまたは滴眼びんなどの当分野で知られている、眼部送達系によって送達させることができる。肺への投与に関しては、エアロゾルの形成を可能にするための適切な、希釈剤及び/または担体が選択されるであろう。本発明の複合体は非経口的に、すなわち静脈内または腹腔内に、注入または注射によって投与することが好ましい。
本発明の好ましい実施形態を、以下に記載する。変更形態及び変形形態が可能であり、それらはすべて本特許請求の範囲内に入ると考えられることは、以下の記載を読んだ後には、当業者には明らかであろう。
実施例1
均質なトランスフェリン−ドキソルビシン複合体の作製
所定のモル比を有する多量の均質なトランスフェリン−ドキソルビシン複合体の合成を、ドキソルビシン(DOX)の3’アミノ位置のアミノ基のみを使用して化学量論的に行って、グルタルアルデヒド(GLU)の2つの反応基の1つと反応させた。したがって、第1ステップは、DOXの生理食塩水溶液をDMSOなどの溶媒を含むGLUの生理食塩水溶液に一滴ずつ加えて、DOXとGLUのモル比が1:1である最終濃度にすることであった。生成したDOX−GLUの溶液を、暗所において室温で3時間攪拌した。
遊離DOXも遊離GLUも含まないDOX−GLUの最終溶液を生成するために、DOXとGLUのモル濃度は前述の反応と同じであった。しかしながら、1つのGLUが2つのDOXと反応してDOX−GLU−DOXが生成する場合、溶液中に遊離GLUが存在する可能性があるが、一価のDOXを二価のGLUの溶液に滴下することによって生じる質量作用動態により、この可能性は最小限になる。これらの反応物の体積は制限されないので、多量の均質なDOX−GLUを調製することができる。
複合反応の第2ステップは、DOX−GLUをトランスフェリン(TRF)の生理食塩水溶液に滴下することであった。TRFは鉄を含まないか(アポトランスフェリン)、あるいは鉄が飽和していてよい(ハロトランスフェリン)。DOXとTRFの所望のモル比を、TRFの体積を適切に調節することによって得た。生成したTRF−GLU−DOXの溶液を、暗所において室温で20時間攪拌した。DOXとGLUの反応とは異なり、DOX−GLUとTRFの反応は1つの結合部位に限られない。なぜなら、DOX−GLUのGLU成分は、TRF分子中のいくつかのε−アミノ酸のリジン基の、任意の1つと反応することができるからである。
TRFに結合するDOX分子の数を、第2のステップで決定した。例えば、DOX−GLUとTRFの最初の比が7.2:1.0であった場合、TRF−GLU−DOXの最終溶液は、TRF1分子当たり2.5個のDOX分子を含むと思われる。しかしながら、DOX−GLUとTRFの最初の比が4.0:1.0であった場合、TRF−GLU−DOXの最終溶液は、TRF1分子当たり1.4個のDOX分子を含むと思われる。同様に、DOX−GLUとTRFの最初の比が2.5:1.0であった場合、TRF−GLU−DOXの最終溶液は、TRF1分子当たり0.9個のDOX分子を含むと思われる。このようにして、DOXとTRFが所定の比である多量のTRF−GLU−DOXを、必要に応じて与えることができる。
複合反応のさらなるステップは、エタノールアミンを加え、次に遠心分離及び透析することによって除去することであった。DOXとTRFの反応は理論上はGLUをすべて消費するが、エタノールアミンを最終反応混合物に加えて、任意の利用可能なGLUを結合させた。この反応は、暗所において30分間続けた。最終溶液を2000rpmで10分間の遠心分離にかけ、100倍過剰の生理食塩水で6時間かけて2回透析し、同じ過剰のHepes緩衝生理食塩水で3回透析し、生成したTRF−GLU−DOX複合体が、使用するために用意された。
複合体に関する生化学的な特性決定:
(39)で記載のHPLC及びポリアクリルアミドゲル電気泳動を使用することによって、TRF−GLU−DOX複合体の均質性を決定することができる。(89)で記載の分光光度法を使用することによっても、DOXとTRFの分子比を決定することができる。これらの技法によって、TRF−GLU−DOX複合体の一貫した均一性が繰り返し明らかになっている。さらにクロマトグラフィーは、これらの複合体の調製では必要とされない。なぜなら、凝集体または断片が存在しないからである。これによって多量の均質なトランスフェリン−薬剤複合体を作製することができ、収率が上がりコストは低下する。
他のタイプのトランスフェリン−薬剤複合体における、TRF及びDOXの損失によって引き起こされる犠牲は、それらを使用する障害となっている。例えば、DOX及びTRFの収率は、薬剤及び/またはタンパク質を変える、チオール化(44)などの手順を使用することによって低下する。溶媒系(86)を使用することによって、酸安定性及び酸不安定性の連結(41)を作製するために使用するクロマトグラフィーによっても、収率は低下する。DOXとTRFの間に結合したGLUは酸安定性(89)であり、本発明に従って作製したTRF−DOX複合体中の、DOX及びTRFの収率は高い。実際、他の手順(38,39,40)と比較すると、TRFの収率はほぼ2倍であり(90%と50%)、DOXの収率は5倍増大する。
トランスフェリン−ドキソルビシン複合体を作製するための以前に知られている手法は、トランスフェリン1分子当たりの薬剤分子の数が所定の割合である、多量の実質的に均質な複合体を生成することができない。さらに、他の手法はクロマトグラフィーを使用して、凝集体を除去し、均質な複合体中に豊富な分画を採取する。これらの手順は収率を低下させ、コストを増大させ、分子比を予め決定する能力を欠いている。
in vitroでの複合体の特性決定:
本発明に従って作製したTRF−GLU−DOXの複合体は、正常な細胞ではなく癌細胞に結合し殺傷する能力を有する。(39)に記載されたのと同様にフローサイトメトリーを使用することによって、これらの複合体が、正常な末梢血リンパ球ではなく培養したヒト癌細胞に結合することが示されてきている。(39)に記載されたのと同様に細胞培養技法を使用することによっても、TRF−DOX複合体が、正常な細胞ではなく培養したヒト癌細胞を殺傷することが示されてきている。これらの手順は、本明細書に記載した均質なTRF−GLU−DOX複合体を品質管理するものとしても働く。
本特許中に記載したTRF−GLU−DOX複合体は、薬剤耐性癌細胞を殺傷する能力も有する。初期の実験データは、TRFと抗癌剤の他の複合体が、トランスフェリン受容体に結合することによって多剤耐性のヒト癌細胞を殺傷することができ(82)、このような耐性細胞は薬剤感受性細胞よりも、その表面上に多数のトランスフェリン受容体を有することが示された(90)ことを示した。現在未発表及び未報告であるが、本明細書に記載したTRF−GLU−DOX複合体は、薬剤耐性細胞に一様に結合し殺傷することが見出されてきている。したがって、本明細書に記載した複合体などの、所定の分子比を有する均質なTRF−GLU−DOX複合体によって、トランスフェリン受容体に一様かつ一貫して結合することにより、薬剤耐性及び薬剤感受性癌細胞を殺傷するための臨床上有用な分子が与えられる。
in vivoでの複合体の特性決定:
ヒトの薬剤耐性ヒト中皮腫癌細胞を異種移植したヌードマウスは、それらをTRF−DOX複合体で治療したとき、それらを遊離DOXで治療したときよりも大幅に長く生存し(75)、トランスフェリン−薬剤複合体は、マウスモデルにおいて薬剤耐性のヒト癌細胞を殺傷するという原則が証明される。しかしながら、これらの結果は、TRFの1分子当たりに所定の数のDOX分子を含む多量の均質なTRF−DOX複合体を生成する能力に依存する。
本明細書に記載したように作製したTRF−DOX複合体を使用する、未発表の実験では、致死量の薬剤感受性及び薬剤耐性ヒト癌細胞を異種移植したヌードマウスは、TRF−DOX複合体で治療したとき、プラシーボ(すなわち、アルブミン)、非複合状態のTRFまたは遊離DOXで治療したときよりも、大幅に長く生存した。これらの実験では、薬剤耐性腫瘍を有するマウスに、薬剤感受性腫瘍を有するマウスと同じ用量のTRF−DOXを与えた。
さまざまな連結剤、及び連結剤と生体影響性分子の比で、複合体を作製することができることは当業者には明らかであろうし、それらはすべて添付の特許請求の範囲内であると考えられる。このような複合体を作製する方法は、複合体が生体影響性分子の代わりにあるいはこれらに加えて、造影用の放射性同位体、または放射線不透過性物質を含むときにも、適用されるであろうことも明らかであろう。放射性同位体により腫瘍を造影する際、及び腫瘍を治療する際の、本発明の均質な複合体の使用は、添付の特許請求の範囲内であると考えられる。
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Claims (41)

  1. ドキソルビシンとトランスフェリンとの所定比を有するトランスフェリン−ドキソルビシン複合体を作製する方法であって、
    a)各ドキソルビシン分子がグルタルアルデヒド1分子に効果的に付加するように、ドキソルビシンをグルタルアルデヒド連結物質に加えるステップ、及び
    b)トランスフェリンとドキソルビシンとの所定比の複合体を生成するように、ドキソルビシン/グルタルアルデヒド結合体をトランスフェリンに加えるステップ
    を含み、
    前記トランスフェリン−ドキソルビシン複合体が、二量体、三量体及び凝集体を実質的に含まない方法。
  2. 任意の過剰なグルタルアルデヒド連結剤を除去することをさらに含む請求項1に記載の方法。
  3. 所定の薬剤対タンパク質の比を有する複合体を作製するための方法であって、
    a)薬剤の溶液をモル過剰の連結分子の溶液に一滴ずつ加えて、それぞれの薬剤分子を1つの連結分子に連結させて薬剤/連結分子の組合せにすること、及び
    b)薬剤/連結分子の組合せをタンパク質標的化剤に加えて、所定の薬剤対タンパク質の比を有する複合体を生成させること
    を含み、
    前記複合体が二量体、三量体及び凝集体を実質的に含まない方法。
  4. 任意の過剰な連結剤を除去することをさらに含む請求項3に記載の方法。
  5. 連結剤がグルタルアルデヒドである請求項3に記載の方法。
  6. 薬剤がドキソルビシン、メトトレキセート、ビンクリスチン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、6−メルカプトプリン、シトシンアラビノシド、及びシクロホスファミドからなる群から選択される請求項3に記載の方法。
  7. タンパク質がトランスフェリン、セルロプラスミン、ビタミン、ビタミン結合タンパク質、ホルモン、サイトカイン、低密度リポタンパク質、及び成長因子からなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
  8. 生体影響性分子とタンパク質分子との所定の比で生体影響性分子と結合したタンパク質を含む実質的に均質な物質であって、前記タンパク質が標的細胞上の受容体に誘引される物質。
  9. タンパク質がトランスフェリンである請求項8に記載の物質。
  10. 生体影響性分子がドキソルビシンである請求項8に記載の物質。
  11. 生体影響性分子とタンパク質分子との所定の比が0.1:1.0と4:1.0の間である請求項8に記載の物質。
  12. 生体影響性分子が、抗癌剤、光増感剤、温熱増感剤、アポトーシス誘導物質、抗ウイルス剤、抗原虫薬及び造影助剤からなる群から選択される請求項8に記載の物質。
  13. 造影助剤がヨウ素、ガリウム、インジウム、及びイットリウムの放射性同位体である請求項12に記載の物質。
  14. ヨウ素の放射性同位体が125I、131I、111In、90Y、及び67Gaからなる群から選択される請求項13に記載の方法。
  15. 細胞を請求項8に記載の物質と接触させることを含む、標的細胞を選択的に治療するための方法。
  16. 標的細胞の生体影響に適した均質なモノマー物質であって、前記物質がモノマー複合体から本質的になり、前記モノマー複合体が標的細胞上に豊富に見られる受容体に結合可能なタンパク質及び生体影響性活性分子を、生体影響性活性分子とタンパク質との所定の比で含み、かつ前記物質が二量体、三量体及び凝集体を実質的に含まない物質。
  17. 生体影響性活性分子とタンパク質の比が0.2:1.0〜8.0:1.0である請求項16に記載の物質。
  18. 生体影響性活性分子とタンパク質の比が0.1:1.0〜4.0:1.0である請求項16に記載の物質。
  19. 腫瘍を治療するための試薬キットであって、鉄含有トランスフェリン、及びトランスフェリン1分子当たり所定の一貫した数の抗癌剤分子を有する均質な複合体を含むキット。
  20. 抗癌剤に対する腫瘍細胞の感受性を判定するための試薬キットであって、トランスフェリン1分子当たり所定の一貫した数の抗癌剤分子を有する2つ以上の均質な複合体を含み、かつ前記均質な複合体が異なる抗癌剤を有するキット。
  21. 抗腫瘍療法に対して感受性がある腫瘍を有する被験者を治療する方法であって、抗腫瘍有効量の請求項8に記載の実質的に均質な物質を患者に投与することを含む方法。
  22. タンパク質がトランスフェリンである請求項21に記載の方法。
  23. 生体影響性分子がドキソルビシンである請求項21に記載の方法。
  24. 腫瘍を造影することをさらに含む請求項21に記載の方法。
  25. 腫瘍を請求項8に記載の実質的に均質な物質を使用して造影し、かつ生体影響性物質が同位体、蛍光分子及び放射線不透過性物質からなる群から選択される請求項24に記載の方法。
  26. 生体影響性分子とタンパク質分子の所定の比が0.1:1.0と4.0:1.0の間である請求項21に記載の方法。
  27. 請求項8に記載の実質的に均質な物質を細胞に投与することを含む、薬剤耐性細胞を治療するための方法。
  28. 腫瘍細胞中の原形質膜の酸化還元酵素を標的として阻害するための方法であって、請求項8に記載の実質的に均質な物質を前記腫瘍細胞に投与して、前記酵素を阻害することを含む方法。
  29. 酵素がNADHオキシダーゼまたはNADHリダクターゼである、請求項28に記載の方法。
  30. タンパク質がトランスフェリンである請求項28に記載の方法。
  31. 生体影響性分子がドキソルビシンである請求項28に記載の方法。
  32. 腫瘍細胞が患者中に存在し、前記実質的に均質な物質を前記患者に投与する、請求項28に記載の方法。
  33. トランスフェリン受容体mRNAを不安定化させることにより、薬剤耐性腫瘍細胞にアポトーシスを誘導する方法であって、請求項8に記載の実質的に均質な物質を前記腫瘍細胞に投与することを含む方法。
  34. タンパク質がトランスフェリンである請求項33に記載の方法。
  35. 生体影響性分子がドキソルビシンである請求項33に記載の方法。
  36. 腫瘍細胞が患者中に存在し、前記実質的に均質な物質を前記患者に投与する請求項33に記載の方法。
  37. 薬剤耐性癌細胞中のトランスフェリン受容体mRNAを不安定化させる方法であって、請求項8に記載の実質的に均質な物質を前記癌細胞に投与して鉄を捕え、これによって前記トランスフェリン受容体mRNAを不安定化させることを含む方法。
  38. タンパク質がトランスフェリンである請求項37に記載の方法。
  39. 生体影響性分子がデフェロキサミンである請求項37に記載の方法。
  40. 腫瘍細胞が患者中に存在し、前記実質的に均質な物質を前記患者に投与する、請求項37に記載の方法。
  41. 所定の薬剤対タンパク質の比を有する複合体を作製するための方法であって、
    a)連結分子の溶液を凍結保存液の溶液に一滴ずつ加えて、第1の中間生成物を生成するステップ、
    b)薬剤の溶液をモル過剰の前記第1の中間生成物に一滴ずつ加えて、それぞれの薬剤分子を1つの連結分子に連結させて薬剤/連結分子の組合せとし、第2の中間生成物を生成するステップ、
    及び
    c)第2の中間生成物をタンパク質標的化剤に加えて、所定の薬剤対タンパク質の比を有する第3の中間生成物を生成するステップ、
    d)連結除去剤を前記第3の中間生成物に加えて、第4の中間生成物を生成するステップ、
    及び
    e)前記第4の中間生成物を濾過して、所定の薬剤対タンパク質の比を有する複合体を得るステップ、
    を含み、
    前記複合体が二量体、三量体及び凝集体を実質的に含まない方法。
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