JP2005508893A - 癒着、関節炎及び乾癬の治療へのフカン類の使用 - Google Patents

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Abstract

【課題】副作用を殆ど伴わずより効果的に癒着、関節炎及び乾癬を治療すること。
【解決手段】種々の形態でフカン類を投与する。

Description

関連出願への相互参照
本出願は、2001年8月29日に出願された米国仮特許出願第60/315,362号に基づき優先権を主張する。
手術に起因する癒着(手術性癒着)は、通常手術後に、身体の2つの部位の間に形成される瘢痕の一類型である。癒着は、深刻な問題を引き起こし得る。例えば、女性生殖器官(卵巣、輸卵管)に関する癒着は、不妊、***疼痛(有痛交合)及び重篤な骨盤痛を引き起こし得る。腸に生じる癒着は、腸閉塞ないし腸栓塞を引き起こし得る。癒着は、心臓の周囲、脊椎の周囲及び手のようなその他の部位にも生じ得る。手術によって生じるほかに、癒着は、子宮内膜症、感染症、化学療法、放射線照射及び癌のような事態によっても形成され得る。
癒着、並びに関節炎及び乾癬のような他の血管新生関連疾患は、数週間、数ヶ月或いは数年持続することがあり、その治療は長期間に及びかつ費用もかさむこととなる。Robbins Pathological Basis of Disease by Cotran, R.S., Kumar, V., Robbins, S.L., p75 (W. B. Saunders Co., 1989)参照。そのような疾患及び症状は、患者の精神的・肉体的健康状態の両者に過酷な結果を伴う慢性炎症症状に発展し得る。悪いことには、手術性癒着、関節炎及び乾癬に罹患している患者のための治療法の選択肢は殆どない。当該疾患の症状を緩和するためにステロイド系又は非ステロイド系抗炎症剤のような薬剤によって患者を治療することがしばしばある。しかしながら、このような治療法は、長期間に亘って適切な効果を示すことは恐らくなく、逆に、使用頻度が大きいと深刻な副作用(例えば非ステロイド系抗炎症剤に起因する胃潰瘍、或いはステロイドの濫用に起因するより深刻な毒性)に関わってくる。パクリタキセル、メトトレキセート、ドキソルビシン及びエトポシド等の抗癌剤のような他の、より強力な、抗増殖薬及び/又は抗血管新生薬は、強力な治療モダリティを示すであろうが、生命に関わるような疾患でない疾患に対するこれら強力な薬剤は、不所望の毒性及び副作用のため、限定的にしか使用することができない。
しかしながら、1又は2以上のこれら疾患を、好ましくは副作用を殆ど伴わずより効果的に治療するための化合物、組成物、方法等(送達方法を含む)に対する要求は未だ充足されていない。それゆえ、本発明の課題は、1又は2以上のそのような利点を実現する化合物、組成物、方法等を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明は、手術性癒着、関節炎及び乾癬の治療のためのとりわけフコイダン等のフカン類を含む組成物及び方法を提供する。フカン類は、そのような疾患の何れに対しても重要な治療効果を示すが、副作用は小さい。
1つの側面において、本発明は、動物(人間又はその他の所望の対象であり得る)における癒着の治療方法を提供する。この治療方法は、治療有効量のフカン(フコイダンであり得る)を癒着を有する可能性のある疾患部位へ投与することを含む。疾患部位は、手術部位であってもよく、フカンは、組成物として疾患部位へ直接送達してもよい。フカンは、重合体(高分子)剤形(polymeric dosage form)から徐放的に、疾患部位へ実質的に持続的に投与してもよい。重合体剤形は、フィルム、パッチ、ペースト、ミクロスフェア、インプラント、ゲル、スプレー又はリキッドであってもよい。フカンは、クリーム、ペースト、注射可能な賦形剤及びポリマの内の少なくとも1つを含む形態からなる医薬組成物として投与してもよい。(なお、特に明示した場合を除き又は文脈から明らかな場合を除き、「実施形態」、「側面」、「特徴」等はすべて、任意の態様で組合せたり入れ替えたり等することができる。)
フカンは、フカンと、少なくとも1つの治療有効量の他の薬剤とを含む医薬組成物として投与してもよい。他の薬剤は、パクリタキセル、ドキソルビシン、カンプトセシン、エトポシド、ミトキサントロン、メトトレキセート、メナジオン、プラムバジン、ユグロン、β−ラパコン・シクロスポリン、スルファサラジン、ステロイド、ラパマイシン、レチノイド、ドセタキセル及びコルヒチン、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイムの内の少なくとも1つでありうる。治療有効量のフカンは、組成物の一部として送達してもよく、フカンは、凡そ0.1%〜凡そ35%、凡そ5%〜凡そ50%、凡そ20%〜凡そ80%、凡そ80%〜凡そ100%w/vで当該組成物に含まれてもよい。
組成物は、更に、プルロニック、セルロース、アルギナート、アクリレート、ヒアルロン酸、ポリエチレングリコール、注射可能な賦形剤及びキトサン等のような少なくとも1つの医薬的に許容可能な賦形剤を含んでもよい。フカンは、経口投与、疾患部位への直接投与、疾患部位への注射による投与、眼内投与、腹腔内投与、筋肉内投与、関節内投与、病巣内投与、皮下投与、膣内投与、直腸投与又は局所投与、その他任意の方法により投与することができる。
他の側面においては、本発明の方法は、関節炎、乾癬又は血管新生性眼疾患を治療することを含み、治療有効量のフカンを疾患部位へ投与することを含む。
更なる側面においては、本発明は、治療有効量のフカンと、プルロニック、アルギナート、アクリレート、ヒアルロン酸、ポリエチレングリコール、注射可能な賦形剤及びキトサンからなる群から選択される少なくとも1つの医薬的に許容可能な賦形剤とを含むフカンの重合体剤形を含む医薬組成物を提供する。重合体剤形は、フィルム、ペースト、ミクロスフェア、スプレー、ローション、リキッド若しくはインプラント又はその他の所望の形態で構成してもよい。医薬組成物は、更に、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム及びオリゴヌクレオチドRNA阻害剤のような少なくとも1つの治療有効量の他の薬剤を含んでもよい。
組成物は、手術性癒着等の癒着、関節炎、乾癬又はその他の所望の疾患を治療するための薬剤の製造に使用することができる。本発明は、更に、人間の患者における癒着、関節炎及び乾癬の内の少なくとも1つと関連する症状を緩和することができる薬剤の製造方法も提供する。この製造方法は、治療有効量のフカン(フコイダン等)と医薬的に許容可能な賦形剤又は緩衝剤とを混合することを含む。
上記の及びその他の側面、特徴及び実施形態は、以下の詳細な説明及び添付の図面を含む本出願において開示されている。更に、本書においては、特定のシステム、装置、方法及びその他の情報について論じている種々の参考文献(関連出願への相互参照を含む)を摘示している。そのような参考文献はすべて、本書に明確に記載されているか否かに関わらず、引用を持って本書に繰り込みその全体、即ちその教示及び開示内容すべてが記載されたものと見做す。
本発明は、フカン類として知られている硫酸多糖を用いる、細胞増殖、炎症反応及び血管新生を阻害するためのアプローチを含む組成物及び方法を含み、手術性癒着(手術に起因する癒着)、関節炎及び乾癬の治療に使用することができる。フコイダン等のフカンは、好中球活性化の阻害、関節炎関連細胞からの炎症性酵素の放出の阻害、チック膜(chick membrane)及び手術性癒着における血管新生の阻害をするように思われる。細胞はすべてフコース結合レセプタを有するので、ある実施形態においては、重合体剤形から徐放的に、標的組織をフカン(フコイダン等)で実質的に持続的に曝露するために、フカンは疾患部位へ直接送達される。フカンは、in vivoで複数の効果を有しうる(とりわけ血中のトロンビン及び補体に影響を及ぼす)ので、フカンを部位特異的に徐放することは、血液毒性を減じうる全身投与の代替手段となる。
以下に、まず、フカン類、癒着、関節炎及び乾癬についての一般的な説明を行い、次に、本発明の幾つかの実施形態を説明し、最後に幾つかの実施例について説明を行う。
フカン類、癒着、関節炎及び乾癬についての一般的背景
フカン類
フカン類(フコイダンを含む)は、褐藻から抽出される高分子量硫酸多糖である。この化合物は、in vivo及びin vitroにおいて多重阻害活性(抗トロンビン、抗増殖、抗補体、抗癌及び抗好中球遊走効果を含む)を有すると報告されている。フカン類は、インテグリン−セレクチン分子を介する細胞間結合を含み、或いは血液中のトロンビン若しくは補体又は細胞表面上のフコースレセプタと結合することにより、細胞表面で生じる種々の結合現象を阻止するのかもしれない。
そのような活性は、(例えば)リンパ球又は好中球が血管内皮細胞に結合するのを阻害することに基づく抗炎症特性の一因をなすと考えられ、これらの細胞が組織区画へ侵襲し、その後炎症を引き起こすのを阻止するものと思われる。Patankar, M. S., et al., J. Biol. Chem. 268: 21770-21776(1993); Brandley, B. K., et al., J. Cell Bio1. 105: 991-997(1987)参照。また、最近の研究により、フカン類は血管平滑筋細胞増殖を阻害することも示された。Logeart, D., et al., Eur. J. Cell Biol. 74: 376-384及び385-390(1997)参照。これはフカン類が抗再狭窄能を有しうることを示唆している(但し実証されたわけではない。)。フカン類は、内皮細胞及び平滑筋細胞に表面結合した後ゆっくりと細胞内へ取り入れられることが示された。Glabe, C. G., et al., J. Cell Science 61: 475-490(1983); Logeart, D., et al., Eur. J. Cell Biol. 74: 376-384(1997)参照。
Riou, D., et al., Anticancer Res., 16 (3A): 1213-1218(1996); Itoh, H., Anticancer Res., 13(6A): 2045-2052(1993); Nishiro, T., et al., Thromb. Res., 62: 765-773(1991); Blondin, C., et al., Mol. Immunol., 31: 247-253(1994); Patankar, M. S., et al., J. Biol. Chem., 268: 21770-21776(1993)。日本では、種々の海藻から抽出したフコイダンは、健康食品として販売されている。フコイダンは、化粧ないし皮膚用剤として提案された。JP 01031707及びJP 01085905参照。フコイダンは、抗癌剤としての可能性についても報告されている。Riou. D., Anticancer Res. 16: 3a 1213-18(1996); Itoh, H., et al., Anticancer Res., 15: 5b 1937-47(1995)参照。フコイダンは、in vitroにおいては血管新生を阻害しないことが報告された。Soeda, S., et al., Biochim. Biophysica Acta (1): 127-134(2000)参照。同様に、フコイダンは、血清によって誘導される(in vitroにおける)HUVE細胞増殖を刺激することも見出された。これは、(線維芽細胞成長因子が存在する場合阻害が起こる可能性があったにもかかわらず)血管新生促進作用(効果)を有する可能性を示唆している。Giraux, J., et al., Eur. J. Cell Biol. 77 4: 352-9(1998)参照。フカン類は内皮細胞単膜結合を阻害することを示した研究も幾つかある。Glabe, C. G., J. Cell Science, 61: 475-490(1983)参照。毛細血管を構成する細胞は内皮細胞なので、この報告は、in vitroにおいては細胞接着のある局面(段階)は阻害されるかもしれないが、これらのデータはin vivoにおけるフコイダンの抗血管新生作用は全く実証していないことを示している。フコイダンは、胃の細胞へのヘリコバクタの結合を阻害することが報告された。これは、抗胃潰瘍作用を有することを示唆している。Shibat, H. J., Nutr. Sci. Vitaminol. 45: 325-336(1999)参照。
特異な抗凝血活性を有する他の硫酸多糖(有枝型及び直鎖型を含む)についての報告もある。Pereira, M. S., J. Biol. Chem. 12: 7656-67(1999)参照。硫酸デキストラン及びその誘導体が、癌細胞の増殖を阻害すること(Bittoun, P., Carbohydrate Res. (3-4): 247-255(1999)参照)及び抗凝血作用を有すること(Mauray, S., J. Biomat. Sci. Poly ed. 9: 373-87(1998)参照)も報告されされた。硫酸多糖は、例えばAIDSに対して使用するための抗ウイルス剤としても提案されている。EP 00293826; JP 01313433参照。
癒着
癒着の形成は、通常身体内で分離されている組織同士が増殖して互いの内部へと入り込んでいく複雑なプロセスである。(術後癒着としても知られている)手術性癒着は、外傷に対する組織の他の点では正常な創傷治癒反応から生じ、腹部の手術では患者全体の3分の2以上に生じる。Ellis, H.,, Surg. Gynecol. Obstet. 133: 497(1971); Wiebel, M-A. and Majno, G., Am. J. Surg. 126: 345(1973)参照。このような癒着の結果は、関連する手術部位に応じて変化する。疼痛、不妊症、腸閉塞のような問題が生じることもあり、心臓手術後に死に至る危険性が高まることさえありうる。diZerega, G. S., Prog. Clin. Biol. Res. 381: 1-18(1993);diZerega, G. S., Fertil. Steril. 61: 219-235(1994); Dobell, A. R., Jain, A. K., Ann. Thorac. Surg. 37: 273-278(1984)参照。
癒着形成プロセスは、最初に、フィブリン骨格の形成及び正常な組織修復を伴う。正常な修復プロセスでは、中皮修復と共にフィブリン溶解が見込まれる。しかしながら、手術性癒着形成においては、フィブリンマトリックスの成熟と共に、そのネットワーク中へ線維芽細胞が増殖し、血管新生が起こる。その結果、3〜5日以内に器質化された癒着が確立する。Buckman, R. F., et al., J. Surg. Res. 21: 67-76(1976); Raferty, A. T., J. Anat. 129: 659-664(1979)参照。
炎症プロセスは、外傷組織における好中球の活性化、フィブリン沈着及び隣接組織間の結合、マクロファージ侵襲、当該領域への線維芽細胞の増殖、コラーゲン沈着、血管新生、永久癒着組織の確立を含む。現在のところ、予防的治療法には、フィブリン沈着の阻止、炎症の緩和(ステロイド系及び非ステロイド系抗炎症薬)及びフィブリン沈着物の除去が含まれる。
術後癒着の形成を阻止するための介入的試みには、水浮遊法又はバリア装置の使用が含まれていた。水浮遊法は、デキストラン(Adhesion study group, Fertil. Steril. 40: 612-619(1983)参照)又はカルボキシメチルセルロース(Elkins, T. E., et al., Fertil. Steril. 41: 926-928(1984)参照)のような多量のポリマ溶液を手術部位に滴下して各器官ないし臓器を互いに離れた状態に維持することが試みられる。酸化再生セルロース(InterceedTM)、ポリテトラフルオエチレン(Gore-tex surgical membrane)から製造される合成バリア膜及び修飾ヒアルロン酸/カルボキシメチルセルロース(HA/CMC)混合物(SeprafilmTM)から製造される完全再吸収性膜も、動物及び人間における術後癒着形成を減少するために使用された。Burns, J. W., et al., Eur. J. Surg. Suppl. 577: 40-48(1997); Burns, J. W., et al., Fertil. Steril. 66: 814-821(1996); Becker, J. M., et al., J. Am. Coll. Surg. 183: 297-306(1996)参照。このHA/CMC膜の成功は、癒着が形成される際の腹膜創傷修復プロセス中におけるその組織分離能に起因するのかもしれない。この膜は、適用後3〜5日間損傷組織上に透明な粘性膜を形成することが観察された。この3〜5日という期間は、術後癒着形成の時間経過に対応する期間に相当する。Ellis, H., Br. J. Surg. 50: 10-16(1963)参照。デキサメサゾン又はコルチコステロイドのような抗炎症剤の腹腔内投与は、癒着形成をほとんど阻害しなかった。diZerega, G. S., Fertil. Steril. 61:219-235(1994); Hockel, M., Ann. Chir. Gynecol. 76:306-313(1987)参照。
関節炎
慢性関節リウマチ(RA)のような関節炎は、世界の人口の凡そ2%が罹患している衰弱性の慢性炎症性疾患である。その症状の特徴は、疼痛、腫脹、滑膜細胞の増殖(パンヌス生成)、血管新生及び関節組織の破壊である。病状が進行すると、関節炎は、重要な器官を損傷することがよくあり、死に至らしめることさえある。関節炎は、免疫系の多くの構成要素(マクロファージ/単球、好中球、B細胞及びT細胞)、複雑なサイトカイン反応及び滑膜細胞の機能不全及び増殖を伴う。メトトレキセートのような遅効性抗リウマチ薬(DMARDS)及びシクロスポリン又はアザチオプリンとの組合せによる、早期における集中的な治療が現在では勧められている。Arthritis and Rheumatism, 39(5):713-722(1996)参照。
結晶誘発性関節炎は、人口の凡そ1%が罹患しており、関節におけるマクロファージ及び好中球の結晶誘発性の活性化という特徴を有し、耐え難い苦痛が何日にも亘って続く。結晶誘発性関節炎が進行すると、発症の間隔がより短くなり患者の病状は許容し難いレベルに達する。結晶誘発性関節炎は、一般的には、NSAIDで症状に応じて治療が行われる。結晶誘発性関節炎の病態生理学及び炎症性関節炎の他の形態のより詳細な解説については、McCarty, et al., Arthritis and Allied Conditions by Lea and Febiger, Philadelphia 1495(1985)を参照されたい。
乾癬
乾癬は、ごくありふれた慢性炎症性皮膚疾患であり、痒み、ひりつき、刺痛及び容易な出血を引き起こす***性、肥厚性及び鱗状の病変を特徴とする。アメリカ人の2%以上が乾癬に罹患し、患者はしばしば付随的に関節炎の症状を伴う。乾癬の原因は不明であり、現状では乾癬の治療法はない。自己免疫疾患の概念を支持する証拠もある。乾癬は、更に、好中球の活性化、細胞増殖及び血管新生という特徴も有する。
皮膚細胞は、2つの増殖経路、即ち正常増殖及び創傷治癒に従っていると考えられる。正常増殖では、細胞は、基底層で発生し、表皮を介して皮膚表面へ移動する。死細胞は、その下方で新しい細胞が生成するのと同じ速さで皮膚表面から脱落する。創傷治癒の間、増殖及び修復の加速が誘発され、皮膚細胞の急速な代謝回転、血液供給の増加及び炎症が起こる。ある意味では、乾癬は、過剰な創傷治癒プロセスといえる。もし、皮膚が、皮膚細胞が作られるのと同じ速さで皮膚細胞(ケラチン生成細胞)を脱落させなければ、***(蓄積)が起こるであろう。そのため、鱗状病変及び血管新生(そして血液供給の増加)が起こるであろう。同時に、リンパ球、好中球及びマクロファージが、ひりつき、腫脹及び炎症を引き起こすであろう。現在の薬剤治療には、炎症症状を治療するためにステロイド系及び非ステロイド系抗炎症剤の使用が含まれる。わずかな効果しかないが、メトトレキセート及びシクロスポリンもまた使用される。現在のアメリカ合衆国における乾癬治療のためコストは、年間30億ドル以上に達している。
概説
本発明は、手術性癒着(手術に起因する癒着)、慢性関節リウマチ及び乾癬の治療又は予防するためのフカン類(その誘導体及びアナログを含む)を提供する(なお、本書において、「治療」とは、現に発症している症状の治療及び後に生じ得る症状の発症の阻止を含む)。以下の実施例に示したように、フカン類(及びとりわけフコイダン)は、例えば手術性癒着において現れるような、細胞増殖、炎症反応/現象及び血管新生を阻害する。
1つの実施形態では、フコイダン等のフカン類は、血管新生を阻害ないし防止するために使用される。他の実施形態では、フコイダン等のフカン類は、当該疾患部位において炎症反応を惹起する細胞が抑制されるように、炎症細胞の活性化を阻害ないし防止する。このことは、例えば、骨関節炎等のような多くの疾患は、疾患部位における炎症細胞の蓄積と必ずしも関連するわけではないので、重要である。従って、そのようなフカン類の使用によって、該疾患の不所望の慢性的作用を引き起こす常在性マクロファージ、好中球及びその他の炎症惹起細胞のより長期間続く活性化を阻害ないし防止することができる。このようなフカン活性は、本発明では、手術性癒着、関節炎及び乾癬に適用される。
本発明の一実施形態では、フカン類(その誘導体及びアナログを含む)は、疾患部位に供給されるべき薬剤の有効濃度を維持できるようにするために、徐放性の剤形として構成することができる。他の実施形態では、手術性癒着を治療するためにフコイダンを使用する。フコイダンについては具体的に実験を行った。そのような実施例は、新鮮軟骨に由来する原始(一次)軟骨細胞(慢性関節リウマチに関与する細胞)に対するフコイダンの阻害作用を示している。これは、この剤が抗関節炎剤としての可能性を有することを示唆している。とりわけ、フコイダンの明確なコラゲナーゼ及びストロメライシン産生阻害能は、これら及び/又はその他のメタロプロテイナーゼの放出が医学的問題を引き起こす場合に対する治療法を提供する。
他の実施形態では、フコイダンを他の治療剤と組合せて使用し、毒性の低い疾患プロセスに対する良好な効力を見込むことができる。例えば、手術性癒着の治療において、強力な抗増殖剤、例えばドキソルビシン、カンプトセシン、エトポシド、ミトキサントロン、メトトレキセート、メナジオン、プラムバジン、ユグロン、β−ラパコン・シクロスポリン、スルファサラジン、ステロイド、ラパマイシン、レチノイド、パクリタキセル、ドセタキセル、コルヒチン、及びその他の微小管阻害剤、及びそれらの他のアナログ及び誘導体は、フカンの不存在下では、癒着プロセス阻害に必要な薬剤濃度で不所望の毒性を有し得るが、フコイダン等のフカン類と組合せれば、所望の結果を達成するために、より低い濃度でも効力を発揮することができる。
他の実施形態では、フカンそれ自体を剤形(製剤形態)としてもよい。例えば、フカン類は、手術外傷部位へ直接当ててフカンをゆっくりと溶解(滲出)させることにより有効濃度の剤を持続的に組織(患部)へ施与することができる薄膜の形態に構成することができる。実際に、そのような製剤形態(剤形)は、(活性成分としての)それ自体のための、又は当該製剤形態中に取り込み可能な他の剤(パクリタキセル等)のための徐放性薬物送達システムとして作用することができる。また、フカン類は、錠剤、カプセル剤、ミクロスフェア(微小球)剤、ペースト剤、ゲル剤、散剤、煙霧剤の形態に構成することができ、固体又は液体として経口投与、直腸投与することもできる。
一般的に、フカン類は、ペースト、ゲル、スプレー、(微)粒子、フィルム、ソルーション(水溶液)、リキッド(液体)、ローション、クリーム又はインプラントとして塗布又は注射することにより、単独で又は組成物の一部として投与することができる。投与経路・部位には、経口投与、全身投与、眼内投与、皮下投与、腹腔内投与、筋肉内投与、関節内投与、病巣内投与、膣内投与、直腸内投与又は(例えばパッチ(貼付剤)による)局所的投与が含まれる。これら投与経路は、特定の場合には、フカン又はフカン−薬物組成物の剤形の作用予定部位であってもよい。治療有効量のフカンは、組成物の一部として送達することもでき、当該組成物に凡そ5%〜凡そ50%、凡そ20%〜凡そ80%、凡そ80%〜凡そ100%w/v(の割合)で含まれうる。フカン類は、適切な容器ないしコンテナに入れ、次いでこれをキットとし、更にラベル、好ましくは政府の取締当局(例えばアメリカ合衆国の食品医薬品局)の認可を表示するラベルを付与してもよい。
癒着を治療するために、フカン類又はフカン含有組成物は、ソルーション、(微)粒子、懸濁液、フィルム、ペースト、ゲル、スプレー、リキッド、ローション、インプラント又はその他の所望の形態で患部ないし手術部位へ直接投与することができる。また、癒着の治療は、静脈内投与、皮下投与、筋肉内投与、腹腔内投与、経口投与又はその他の所望の投与経路を利用した、フカンの全身送達によっても行うことができる。関節炎を治療するために、フカン類、又はフカン含有組成物は、ペースト、ゲル、スプレー、リキッド、ローション、ソルーション、懸濁液又はその他の所望の形態で、直接関節に注射することもできる。関節炎の治療又は予防は、静脈内投与、筋肉内投与、腹腔内投与、皮下投与又は経口投与の各経路を辿るフカンの全身送達によって行うこともできる。
ある側面では、本発明は、眼の血管新生疾患の治療にも適用される。例えば、糖尿病性網膜症は、網膜の血管を損壊して新たな血管が成長(血管新生)することにより視界がかすんだり網膜が破壊されたりするような失明を惹起しうる糖尿病の合併症である。黄斑変性症は、網膜下における新血管の侵入によって引き起こされ、アメリカ合衆国及び欧州における失明の主因であり、アメリカ合衆国では年間20万例新たに生じ現在のレーザ療法で治療可能なのはそのうち僅かに15%だけである。本発明は、ある実施形態において、眼への適用に適合された本書において説明する方法及び組成物を用いた、これらの疾患を治療するための薬理学的手法を提供する。そのようなシステムの修正は、剤形、又はプルロニック、アルギナート、アクリレート、セルロース、ヒアルロン酸、ポリエチレングリコール、キトサン、及びそれらのアナログ又は誘導体、及びその他各種の医薬的に許容可能な成形剤のような他の賦形剤との混合物からの溶解(滲出)速度を減速する化学的架橋結合を含む。
更に他の実施形態では、フカン類は、例えばキトサン又はポリ−l−リジンのような正に帯電した賦形剤を有する荷電水性ゲルを構成する。例えばアンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム及びオリゴヌクレオチドRNA阻害剤のような薬剤は、疾患部位へ投与するためにそのようなゲルに取り込むことができる。或いは、そのような薬剤含有ゲル、又はフカン溶液に溶解された薬剤を乾燥して粉砕しパーティクル(微粒子)とすることもできる。このパーティクルは、疾患部位へ投与されて徐放性剤形として機能することもできるし、或いは、該パーティクルは、表面に結合したフカン類が細胞内に取り込まれるので、移入剤として機能することもできる。そのようなパーティクルの投与は、プルロニック、セルロース、アルギナート、アクリレート、ヒアルロン酸、ポリエチレングリコール、キトサン、注射可能な賦形剤、及びそれらのアナログ又は誘導体、並びにその他各種の重合体系賦形剤のような賦形剤のような医薬的に許容可能な賦形剤を使用することによって更に容易化することができる。
形質移入(トランスフェクション)、及びフカン類と核酸配列剤との併用に関し、遺伝子治療として知られる先端医療分野は、薬物送達に関する問題によって制限を受けるが、リボザイム、アンチセンスヌクレオチド及びオリゴヌクレオチドRNA阻害剤を含むオリゴヌクレオチドのような遺伝子フラグメントないし核酸鎖は、これら化合物の電荷及び大きな分子量のせいで細胞内への取り込みが阻害されることがある。細胞表面と結合し、飲食作用ないし陥入によって取り込まれて遺伝子ないし核酸を細胞内へ導入するよう、遺伝子ないし核酸を含むマイクロパーティクル(リン酸カルシウム等)を形質移入剤として使用することが最近提案された。細胞の多くは、その膜表面にフコースレセプタを有する。本発明は、フカン類を核酸鎖のための形質移入剤としての使用を提供する。1つの実施形態においては、核酸鎖は、フコイダンマイクロパーティクル内に結合又はカプセル封入することができ、該マイクロパーティクルは、標的細胞部位へ投与される(到達する)前に溶解(滲出)するのを阻止するために、化学的に架橋結合することができる。
フカン類は、単独でも他の薬剤との組合せにおいてでも、身体への植込材料と組合せて使用することができる。このような植込材料は、カテーテル、シャント、メンブラン、ステント、スポンジ、充填材、人工関節、及びそれらの部分、並びに整形関連インプラントのような各種医用装置を含むが、これらに限定されない。そのようなインプラント(植込材料)は、フカン類単独又はフカン類と他の薬剤及び賦形剤との組合せを含むか、それらによって被覆可能である。
特許請求の範囲を除いて、特に明示しない限り、「又は(or)」と記載されている場合、当該記載は「及び(and)」も含み、「及び(and)」と記載されている場合、当該記載は「又は(or)」も含む。非限定的な用語は、明示されていない限り、又は文脈上明らかに別様に示唆されていない限り限定的なものとして解釈されるべきではない。(例えば、「含んでいる(including)」、「有している(having)」及び「含んでいる(comprising)」は、典型的に、「〜を含んでいるがそれ(ら)に限定されない」を意味する。)「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「(当)該ないし前記ないしその(the)」のような単数形は、これに関しては特許請求の範囲の場合にも当てはまるが、明示されていない限り、又は文脈上明らかに別様に示唆されていない限り、複数形を意味することもある。
本発明のシステム及び方法等の範囲には、概念「〜をする手段(means plus function)」及び「〜をするステップ(step plus function)」が含まれる。しかしながら、本出願において記載されているこれらの用語は、用語「手段(means)」がある請求項に特に規定されていない限り、特許請求の範囲においていわゆる「〜をする手段(means plus function)」関係を意味するものと解釈されるべきではなく、用語「手段(means)」がある請求項に特に規定されている場合に限り、特許請求の範囲においていわゆる「〜をする手段(means plus function)」関係を意味するものと解釈されるべきである。同様に、本出願に記載されているこれらの用語は、用語「ステップ(step)」が特許請求の範囲に特に規定されていない限り、方法ないしプロセスのクレームにおいていわゆる「〜をするステップ(step plus function)」関係を意味するものと解釈されるべきではなく、用語「ステップ(step)」がある請求項に特に規定されている場合に限り、特許請求の範囲においていわゆる「〜をするステップ(step plus function)」関係を意味するものと解釈されるべきである。
In vitroにおける滑膜細胞及び平滑筋細胞増殖に対するフコイダンの効果
ジメチルチアゾールジフェニルテトラゾリウムブロマイド塩(MTT)増殖/細胞障害アッセイを用いて増殖を測定した。
第1日目に、1ウェル当り1500〜2000個の平滑筋細胞(A7r5ラット胎性胸大動脈)又は滑膜細胞(HIG.82ラビット)を96ウェルプレートに入れた。その際、プレートの一列目のウェルには細胞は入れずブランクとした。このプレートを37℃のCOインキュベータにセットした。翌日、種々の濃度のフコイダンを加えた。その際、一列目のブランクのカラムと二列目のカラム(未処理カラム)にはフコイダンは入れずコントロールとした。細胞は48時間曝露した。曝露処理の終了時に、溶媒に溶かしたジメチルチアゾールジフェニルテトラゾリウムブロマイド塩(MTT)を50μl加え、37℃で4時間インキュベートした。そして、培地を吸引し、ジメチルスルホキシド(DMSO)を200μl加えた。プレートを30分間振盪し、562nmで吸光度を測定した。細胞数が既知の試料による吸光度(光学濃度)の検量線を用いて、吸光度の測定値から細胞数を求め、細胞生存度を%増殖(この値はコントロール細胞を基準とした%である。)で表した。
図1に示したように、フコイダンは、滑膜細胞と平滑筋細胞の何れに対しても、48時間曝露後に濃度依存性細胞増殖阻害を引き起こした。(滑膜細胞及び平滑筋細胞の)増殖に対し50%の(阻害)作用を示す阻害濃度(IC50)は、それぞれ、15μM及び6μMであった。
ホルボールエステルミリステート(PMA)誘導好中球化学発光に対するフコイダンの効果
この実験では、新たに調製したヒト好中球を0.5%w/vのフコイダンと共にインキュベートし、この細胞をPMAで刺激した。この細胞の刺激(ないし活性化)により、光の放出(化学発光)によって測定可能なスーパーオキサイドアニオンが生成された。好中球の機能の阻害は、化学発光の阻害により求めた。この実験では常にpH7.4のハンクス緩衝塩類溶液(HBBS)を用いた。特に別の業者を明示しない限り、化学薬品はすべてシグマ・ケミカル・コー(セントルイス、ミズーリ州)から購入した。実験はすべて37℃で行った。好中球は、新たに採取したヒトのクエン酸塩添加全血から調製した。簡単に説明すると、血液400mlをHBSS中の4%デキストランT500(ファルマシア LKB、バイオテクノロジ AB ウプサラ、スウェーデン)80mlと混合し、1時間静置した。プラズマを連続的に採取し、15mlのポリプロピレンチューブ(コーニング、ニューヨーク州)中のフィコールパーク5ml(ファルマシア)に5ml加えた。500×gで30分間遠心した後、好中球のペレットを、20秒間の低張ショックにより洗浄して赤血球を取り除く。好中球をHBSSに再懸濁し、氷冷し、3時間以内に実験に使用した。好中球の生存度及び純度は、常に90%を越えていた。
細胞は、種々の濃度のフコイダンと共に37℃で15分間インキュベートした後、PMAを加えた。
化学発光試験は、0.5μMのPMAを含むHBBS中の5×10細胞/mlの細胞濃度に対して行った。各チューブには、それぞれ、25%DMSOのHBSSに溶解したルミノール10μLを加え、終濃度を1mMとした。各サンプルを混合し、好中球の活性化を開始した。化学発光は、LKBルミノメータ(モデル1250)を用い37℃で測定した。なお、測定の直前に振盪を行った。コントロール用のチューブには、細胞、フコイダン及びルミノールが含まれていた。
図2に示したように、フコイダンは、PMA誘導好中球活性化を大きく阻害した。データは、3つの別々のPMA−好中球培養試料に対するものである。これらのデータは、フコイダンの抗炎症作用を実証している。
軟骨細胞におけるIL−1誘導コラゲナーゼ遺伝子及びストロメライシン遺伝子発現に対するフコイダンの効果
このアッセイでは、2つのメタロプロテイナーゼ、即ちコラゲナーゼ及びストロメライシンのRNAのレベルが測定される。これら遺伝子の過剰発現により、関節の軟骨細胞からこれら2つの酵素が分泌されて、慢性関節リウマチの病態生理の一部を呈するのであろう。コラゲナーゼ及びストロメライシンの過剰発現を阻害する剤は、抗関節炎剤として有望である。当該剤がプロテオグリカン遺伝子発現も著しく阻害するならば、この抗関節炎剤としての可能性は低下するかもしれない。プロテオグリカン遺伝子発現は、軟骨細胞の正常な生理機能の一部である。軟骨細胞の一次培養物を子ウシの軟骨から新たに単離した。細胞を100×20mmの培養皿に(2.5×10/mlで)移し、5%ウシ胎児血清(FBS)を含むハムF12培地中で終夜37℃でインキュベートする。そして、細胞は、無血清培地で終夜飢餓化した。次に、細胞は、10−6M、10−7M及び10−8Mの濃度のカンプトセシンで6時間前処理を行った。そして、IL−1(20ng/ml)を各プレートに加え、該プレートを更に18時間インキュベートした。酸性化グアニジンイソチオシアネート法によって全RNAを単離し、変性ゲルで電気泳動にかけた。変性RNAサンプル(15μg)をそれぞれ1%変性ゲルを用いてゲル電気泳動を行い、ナイロン膜に転写し、それぞれ32P標識コラゲナーゼcDNAプローブ、32P標識ストロメライシンcDNAプローブ、32P標識プロテオグリカンcDNAプローブ、及び32P標識グリセルアルデヒドフォスフェートデヒドロゲナーゼ(PAGDH)cDNAプローブでハイブリダイズすることによって分析した。PAGDHレベルは、ほぼ等しい投与量(loading)を保証するための内部標準として利用した。X線フィルムでの実験結果は、HP ScanJetを用いて走査・分析を行った。
図3に示したように、フコイダンは、0.5%w/vの濃度で、プロテオグリカン発現を過剰に阻害することなくコラゲナーゼ及びストロメライシン発現を完全に阻害した。濃度0.1%w/vでも、コラゲナーゼ及びストロメライシン発現を強力に阻害したが、プロテオグリカン発現に対する阻害作用は全くなかった。これらのデータは、フコイダンの抗炎症作用を実証している。
ニワトリ胚の漿尿膜における血管新生に対するフコイダンの効果(CAMアッセイ)
地方の孵化場から得たニワトリの受精卵を自動回転装置を有するインキュベータに37℃で3.5日間入れ、その後殻の(一部)除去ないしウインドウの形成を行った。
数枚の滅菌パラフィン紙を気室に形成されたウインドウにかぶせ、卵内容の汚染と脱水(乾燥)の阻止に用いた。このパラフィン紙は、4cm×4cm大であるが、70%エタノールでスプレーし、層流ドラフトで乾燥して滅菌した。3日後、卵を、その尖ったほうの先端部を5〜10分間上に向け、その内膜から卵内容が剥がれ落ちるように、インキュベータ内で手動で回転させた。70%エタノールとキムワイプを用いて卵殻全体を拭いて卵の表面を清浄・殺菌した。層流ドラフトの中で、卵は、その鈍端側を上に向けて保持し、ピンセットの尖端で殻を注意深くクラックする(亀裂を入れる)ことにより卵の鈍端に開口を形成した。殻の残留物をピンセットで丁寧に取り除き、鈍端部に開口を形成した。この円形の開口は、その直径は2〜3cm程度であり、内膜は損傷されていない。殻に開口を形成してから直ぐに、(卵黄と成長中のニワトリ胚を収容する)漿尿膜(CAM)を損傷しないように注意しながら、(卵内容を収容する)内殻膜を穏やかに破ってピンセットで除去した。
次に、開口は、一枚の滅菌パラフィルム(パラフィン紙)で覆った。その際パラフィルムはやさしく引き伸ばして開口を囲むように被せた。そして、卵は、インキュベータ(37℃)の卵ラックにおき、転がらないように位置決めした。6日後、卵を1つずつ(鈍端を上に向けながら)インキュベータから取り出し、ウインドウを覆っていたパラフィルムを取り除いてCAMに直接アクセスできるようにした。なお、CAMは、胚の後腸に起源を有する。フコイダン導入ポリ(ε−カプロラクトン)(PCL)ペレットの作成は、PCLを60℃で融解し、フコイダンを当該PCLへ物理的に混合し、室温にまで冷却してペレットを硬化することによって行った。フコイダンペレットを、CAMの成長中の毛細血管床上に載せた。そして、卵内容を再びパラフィルムシートで密閉し、37℃のインキュベータに戻した。更に2日後、CAM脈管構造の分析結果を記録した(当該薬剤のCAM毛細血管床への適用後48時間)。当該薬剤のCAMに対する作用効果を無血管等級(avascular scale)を用いて評価した。これは、該薬剤の作用効果を0、1、2、3として段階評価するものである。無血管等級の値を以下に示す:
0 抗血管新生活性無し
1 微小血管減少
2 薬剤ペレットの大きさ(直径2mm)に相当する小さな無血管領域の形成
3 直径4〜5mmの無血管領域の形成
表1に示した通り、フコイダンは、CAMにおける血管新生を強く阻害した。フコイダンは、PCL中の2%w/w程度の低い濃度でも、CAMの血管新生を部分的に(4個の卵)又は完全に(2個の卵)阻害した。
表1:フコイダンの抗血管新生活性。各欄の数値は、血管新生の阻害を全く示さなかったもの、部分的に示したもの、又は最大に示したものの卵(CAM)の数を示す。

表1
Figure 2005508893
これらのデータは、フコイダンの抗血管新生活性を実証しており、またフコイダンの重合体性徐放性剤形は、医薬的有効濃度の薬剤を過度の毒性を伴わずに放出する有効な方法であることを示している。
フコイダンのエチレンビニルアセテートフィルムによるカプセル被覆化、及び(フコイダンの)ポリカプロラクトンペースト。
フコイダン(シグマ)5mgとエチレンビニルアセテート(EVA、分子量約50k、ポリサイエンスィズ)45mgとをジクロロメタン1mlに溶解/懸濁した。その溶液の200μlをピペットで1cm径テフロンディスクに移し、終夜乾燥させ(溶媒蒸発)薄い伸縮性のフィルムを形成した。このフィルムは、質量約10mg、厚さ約100μmであった。
このフィルムからの薬剤放出速度の測定は、pH7.4のリン酸緩衝食塩水(PBS)10mlが入っている20ml蓋付ガラス管にフィルムの断片5mgを入れて行った。ガラス管の蓋を閉じ、37℃で回転式振盪器(orbital shaker)にセットした。所定の経過時間ごとに、ガラス管を取り出し、放出された薬剤の量を吸光分光法(absorbance spectroscopy)によって分析した。フコイダンの放出曲線(図4)から、薬剤(フコイダン)は、最初のうちは急激に放出されるが、その後はゆっくりと放出され続けられることが分かった。フコイダンのこの剤形は、薬剤を徐放的に放出する生体適合的、生分解的な注射可能な薬剤の製剤形態(剤形)であることを表している。
PCLペースト:60℃でスパチュラで擦り潰しながらフコイダンをポリカプロラクトン(PCL、バーミンガムポリマズ、分子量54K)に10%w/wの濃度で混合した。次に、この混合物をピペットで1mlプラスチックシリンジに入れて冷却した。この剤形は、56℃で18ゲージニードルによって注射することができた。
PCLペーストからの薬剤放出を測定するために、融解ペーストの10mgアリコートを15mlガラス管の底部に溜まるよう注射(注入)して冷却し、セットした。ガラス管は、それぞれ、PBS15mlを加えてから蓋を閉じ、37℃のオーブン内で、上下逆さまに引っくり返すことを何度か繰り返して混ぜ合わせた。所定の経過時間ごとに、ガラス管を取り出し、放出された薬剤の量を吸光分光法によって分析した。フコイダンの放出曲線を図5に示した。フコイダンは、最初のうちは急激に放出されるが、その後はゆっくりと放出され続けられることが分かった。フコイダンのこの剤形は、薬剤を徐放的に放出する生体適合的、生分解的な注射可能な薬剤の製剤形態(剤形)であることを表している。
ラットの手術性癒着を治療するためのフコイダン導入膜
ラットの盲腸側壁における手術性癒着モデルを、手術性癒着に対するフコイダンの作用効果を調べるために使用した。このモデルでは、16匹のラットそれぞれ8匹ずつ含む2つのグループに分けた。手術による外傷を加えた後、一方のグループのラットは、直ちにフコイダンを含む架橋ヒアルロン酸(HA)フィルムで処置し、他方のグループのラットは当該処置を行わなかった(コントロールグループ)。
材料及び方法。医用等級のヒアルロン酸ナトリウムは、ライフコア・サイエンティフィックから入手した。溶媒はすべてHPLC等級であり、フィッシャーから入手した。プラスチック製ペトリ皿は、フィッシャー・サイエンティフィックから入手した。エチル−3−(ジメチルアミノ)カルボジイミド(EDAC)及びフコイダンは、シグマ(セントルイス、ミズーリ州)から入手した。
フィルムの作成。フコイダン導入フィルムを作成するために、0.6%w/vフコイダン、0.4%w/vヒアルロン酸ナトリウム及び0.15%w/vグリセロールの水溶液を調製した。コントロールフィルム(フコイダン不含有)を作成するために、0.4%w/vヒアルロン酸ナトリウム及び0.15%w/vグリセロールの水溶液を調製した。フコイダン導入フィルム及びコントロールフィルムの成形は、まず、これら水溶液からピペットでそれぞれ4gを別々の2.5cm径プラスチックペトリ皿に入れ、60℃で24時間乾燥することによって行った。架橋剤EDACは、(終濃度で)4mM含まれていた。次に、乾燥したフィルムをそれぞれ注意深く手術用メスを用いてペトリ皿から引き剥がした。
滅菌。フィルムは、それぞれ、5cm×5cmのウェーペーパー(weighing paper:フィッシャー・サイエンティフィック)の間に挟んで包み、プラスチックの袋に入れてヒートシールした。次に、フィルムは、コバルト60線源からのガンマ線によって最終的に滅菌した。放射線の強度は2.5Mradであり、放射線照射は密閉した管を氷冷しながら行った。
動物実験。手術性外傷は以下のようにして形成した。体重が225〜350gの16匹の成熟したSDラットは、チャールズ・リバー・ラボラトリーズ、ウィルミントン、マサチューセッツ州から入手した。極めて正常であるように見えた(即ち、外被がけばだってなくきれいで、眼が明るく澄んでいて、活発に行動する)ラットのみを実験に用いた。ラットは、無作為に、2つのグループの何れか一方に割り当て、体重を量り、塩酸ケタミン(6mg/kg)を大腿筋に注射で単回投与して麻酔した。腹部を剪毛し、アルコールで消毒した。凡そ2cmの尾部から白線まで腹部を4cm切開し、筋肉は、鉗子で処置した。腹側の表面と背中側の表面において機械的擦過装置によって盲腸を4回擦過した。この機械的擦過装置は、手術者が特定の領域において所望の態様で自由に擦過を形成できるようにするものである。盲腸への癒着は、以下の評価基準に従って評価・段階分けを行った。
0=癒着なし
1=容易に認識可能な(癒着)面を伴う薄膜状の(極めて弱い)癒着
2=自由に引き離し可能な(癒着)面を伴う弱い癒着
3=引き離し困難な(癒着)面を伴う中程度の癒着
4=引き離し不能な(癒着)面を伴う強度の癒着
(段階1の癒着は、最も弱いレベルの認識可能な癒着を意味する(認識可能な(癒着)面を伴う薄膜状の癒着))
盲腸を擦過した後、第1グループのラットは、処置を施さなかった。第2グループのラットは、上述のフコイダン−HAフィルム処置を施した。盲腸はこのフィルムで包んだ。次に、3.0デクソン(Dexon)縫糸を用いて切開部を閉じた。手術後7日目に、ラットを安楽死させ、段階2(又はそれ以上)の手術後癒着が存在するか否かを評価した。段階2の癒着は、自由に引き離し可能な(癒着)面を伴う弱い癒着として定義されたものである。
結果

表2
Figure 2005508893

・盲腸は凡そ半分しか(フコイダン導入)膜で被覆しなかった。
・解剖の際異常は認められなかった(盲腸にも正中線切開部にも、残留物、腹水、異常な回復の徴候の何れも認められなかった)。
この結果は、癒着の平均形成率が減じられかつ癒着が形成されないラットの割合(%)がフコイダンで処置したラットでは増加しているので、フコイダン導入(含有)フィルムにより癒着の形成が有効に阻害されたことを実証している。フコイダン導入フィルムによって盲腸を完全に被覆していれば、癒着形成は一層効果的に阻害できるであろう。
以上、本書において特定の実施形態について説明したが、これは単に例示のためであって、本発明の思想及び教示を逸脱しない範囲において種々の修正を行うことができる。従って、本発明のシステム及び方法等は、そのような修正並びに本書に規定された主題の置換・組合せを含み、特許請求の範囲による場合を除いて何らの限定を受けない。
48時間曝露後の滑膜細胞及び平滑筋細胞に対するフコイダンによる細胞増殖阻害を示すグラフ。 フコイダンによるミリスチン酸ホルボールエステル(PMA)誘発性好中球活性化阻害を示すグラフ。 プロテオグリカン発現の過剰阻害を伴わない0.5%w/vの濃度でのコラゲナーゼ及びストロメライシン発現のフコイダン阻害を示す写真。 エチレンビニルアセテートフィルムからのフコイダンの放出を示すグラフ。 ポリカプロラクトンペーストからのフコイダンの放出を示すグラフ。

Claims (70)

  1. 癒着を有する可能性のある疾患部位に治療有効量のフカンを投与することを含むこと
    を特徴とする動物における癒着を治療する方法。
  2. 前記フカンは、フコイダンであること
    を特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記疾患部位は、手術部位であること、及び
    前記フカンは、組成物として、前記疾患部位へ直接送達されること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記フカンは、重合体剤形から徐放的に、前記疾患部位へ実質的に持続的に投与されること
    を特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の方法。
  5. 前記重合体剤形は、フィルム、パッチ、ペースト、ミクロスフェア、インプラント、ゲル、スプレー又はリキッドを含むこと
    を特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 前記フカンは、クリーム、ペースト、注射可能な賦形剤及びポリマのうちの少なくとも1つを含む形態からなる医薬組成物として投与されること
    を特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の方法。
  7. 前記フカンは、該フカンと少なくとも1つの治療有効量の他の薬剤とを含む医薬組成物として投与されること
    を特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の方法。
  8. 前記他の薬剤は、パクリタキセル、ドキソルビシン、カンプトセシン及びエトポシドのうちの少なくとも1つを含むこと
    を特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 前記他の薬剤は、ミトキサントロン、メトトレキセート、メナジオン、プラムバジン、ユグロン、β−ラパコン・シクロスポリン、スルファサラジン、ステロイド、ラパマイシン、レチノイド、ドセタキセル及びコルヒチンのうちの少なくとも1つを含むこと
    を特徴とする請求項7に記載の方法。
  10. 前記他の薬剤は、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム及びオリゴヌクレオチドRNA阻害剤のうちの少なくとも1つを含むこと
    を特徴とする請求項7に記載の方法。
  11. 前記治療有効量のフカンは、組成物の一部として送達され、該フカンは、該組成物に凡そ20〜凡そ80%w/v(の濃度)で含まれること
    を特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の方法。
  12. 前記治療有効量のフカンは、組成物の一部として送達され、該フカンは、該組成物に凡そ80〜凡そ100%w/v(の濃度)で含まれること
    を特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の方法。
  13. 前記治療有効量のフカンは、組成物の一部として送達され、該フカンは、該組成物に凡そ5〜凡そ50%w/v(の濃度)で含まれること
    を特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の方法。
  14. 前記組成物は、更に、少なくとも1つの医薬的に許容可能な賦形剤を含むこと
    を特徴とする請求項1〜13の何れか一項に記載の方法。
  15. 前記医薬的に許容可能な賦形剤は、プルロニック、セルロース、アルギナート、アクリレート、ヒアルロン酸、ポリエチレングリコール及びキトサンからなる群から選択されること
    を特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. 前記フカンは、経口的に投与されること
    を特徴とする請求項1〜15の何れか一項に記載の方法。
  17. 前記フカンは、前記疾患部位へ直接投与されること
    を特徴とする請求項1〜16の何れか一項に記載の方法。
  18. 前記フカンは、前記疾患部位へ注射によって投与されること
    を特徴とする請求項1〜17の何れか一項に記載の方法。
  19. 前記フカンは、眼内投与、皮下投与、腹腔内投与、筋肉内投与、関節内投与、病巣内投与、膣内投与、直腸投与又は局所投与されること
    を特徴とする請求項1〜18の何れか一項に記載の方法。
  20. 前記動物は、人間であること
    を特徴とする請求項1〜19の何れか一項に記載の方法。
  21. 関節炎を含む疾患部位へ治療有効量のフカンを投与することを含むこと
    を特徴とする動物における関節炎の治療方法。
  22. 前記関節炎は、慢性関節リウマチであり、前記フカンは、フコイダンであること
    を特徴とする請求項23に記載の方法。
  23. 前記フカンは、重合体剤形から徐放的に、前記疾患部位へ実質的に持続的に投与されること
    を特徴とする請求項21又は22に記載の方法。
  24. 前記重合体剤形は、フィルム、パッチ、ペースト、ミクロスフェア、インプラント、ゲル、スプレー又はリキッドを含むこと
    を特徴とする請求項23に記載の方法。
  25. 前記治療有効量のフカンは、組成物の一部として送達され、該フカンは、該組成物に凡そ0.1%〜凡そ35%w/w(の濃度)で含まれること
    を特徴とする請求項21〜24の何れか一項に記載の方法。
  26. 前記治療有効量のフカンは、組成物の一部として送達され、該フカンは、該組成物に凡そ20%〜凡そ80%w/v(の濃度)で含まれること
    を特徴とする請求項21〜25の何れか一項に記載の方法。
  27. 前記治療有効量のフカンは、組成物の一部として送達され、該フカンは、該組成物に凡そ5%〜凡そ50%w/v(の濃度)で含まれること
    を特徴とする請求項21〜26の何れか一項に記載の方法。
  28. 前記フカンは、クリーム、ペースト、注射可能な賦形剤及びポリマのうちの少なくとも1つを含む形態からなる医薬組成物として投与されること
    を特徴とする請求項21〜27の何れか一項に記載の方法。
  29. 前記組成物は、更に、少なくとも1つの医薬的に許容可能な賦形剤を含むこと
    を特徴とする請求項21〜28の何れか一項に記載の方法。
  30. 前記医薬的に許容可能な賦形剤は、プルロニック、セルロース、アルギナート、アクリレート、ヒアルロン酸、ポリエチレングリコール及びキトサンからなる群から選択されること
    を特徴とする請求項29に記載の方法。
  31. 前記フカンは、該フカンと少なくとも1つの治療有効量の他の薬剤とを含む医薬組成物として投与されること
    を特徴とする請求項21〜30の何れか一項に記載の方法。
  32. 前記他の薬剤は、パクリタキセル、ドキソルビシン、カンプトセシン及びエトポシドのうちの少なくとも1つを含むこと
    を特徴とする請求項31に記載の方法。
  33. 前記他の薬剤は、ミトキサントロン、メトトレキセート、メナジオン、プラムバジン、ユグロン、β−ラパコン・シクロスポリン、スルファサラジン、ステロイド、ラパマイシン、レチノイド、ドセタキセル及びコルヒチンのうちの少なくとも1つを含むこと
    を特徴とする請求項31に記載の方法。
  34. 前記他の薬剤は、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム及びオリゴヌクレオチドRNA阻害剤のうちの少なくとも1つを含むこと
    を特徴とする請求項31に記載の方法。
  35. 前記フカンは、経口的に投与されること
    を特徴とする請求項21〜34の何れか一項に記載の方法。
  36. 前記フカンは、前記疾患部位へ直接投与されること
    を特徴とする請求項21〜35の何れか一項に記載の方法。
  37. 前記フカンは、前記疾患部位へ注射によって投与されること
    を特徴とする請求項21〜36の何れか一項に記載の方法。
  38. 前記フカンは、眼内投与、皮下投与、腹腔内投与、筋肉内投与、関節内投与、病巣内投与、膣内投与、直腸投与又は局所投与されること
    を特徴とする請求項21〜37の何れか一項に記載の方法。
  39. 前記動物は、人間であること
    を特徴とする請求項21〜38の何れか一項に記載の方法。
  40. 乾癬を含む疾患部位へ治療有効量のフカンを投与することを含むこと
    を特徴とする乾癬の治療方法。
  41. 前記フカンは、フコイダンであること
    を特徴とする請求項40に記載の方法。
  42. 前記フカンは、重合体剤形から徐放的に、前記疾患部位へ実質的に持続的に投与されること
    を特徴とする請求項41又は42に記載の方法。
  43. 前記重合体剤形は、フィルム、パッチ、ペースト、ミクロスフェア、インプラント、ゲル、スプレー又はリキッドから構成されること
    を特徴とする請求項40〜42の何れか一項に記載の方法。
  44. 前記フカンは、クリーム、ペースト、注射可能な賦形剤及びポリマのうちの少なくとも1つを含む形態からなる医薬組成物として投与されること
    を特徴とする請求項40〜43の何れか一項に記載の方法。
  45. 前記フカンは、該フカンと少なくとも1つの治療有効量の他の薬剤とを含む医薬組成物として投与されること
    を特徴とする請求項40〜44の何れか一項に記載の方法。
  46. 前記他の薬剤は、パクリタキセル、ドキソルビシン、カンプトセシン及びエトポシドのうちの少なくとも1つを含むこと
    を特徴とする請求項45に記載の方法。
  47. 前記他の薬剤は、ミトキサントロン、メトトレキセート、メナジオン、プラムバジン、ユグロン、β−ラパコン・シクロスポリン、スルファサラジン、ステロイド、ラパマイシン、レチノイド、ドセタキセル及びコルヒチンのうちの少なくとも1つを含むこと
    を特徴とする請求項45に記載の方法。
  48. 前記他の薬剤は、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム及びオリゴヌクレオチドRNA阻害剤のうちの少なくとも1つを含むこと
    を特徴とする請求項45に記載の方法。
  49. 前記治療有効量のフカンは、組成物の一部として送達され、該フカンは、該組成物に凡そ0.1%〜凡そ35%w/w(の濃度)で含まれること
    を特徴とする請求項40〜48の何れか一項に記載の方法。
  50. 前記治療有効量のフカンは、組成物の一部として送達され、該フカンは、該組成物に凡そ20%〜凡そ80%w/v(の濃度)で含まれること
    を特徴とする請求項40〜49の何れか一項に記載の方法。
  51. 前記治療有効量のフカンは、組成物の一部として送達され、該フカンは、該組成物に凡そ5%〜凡そ50%w/v(の濃度)で含まれること
    を特徴とする請求項40〜50の何れか一項に記載の方法。
  52. 前記組成物は、更に、少なくとも1つの医薬的に許容可能な賦形剤を含むこと
    を特徴とする請求項40〜51の何れか一項に記載の方法。
  53. 前記医薬的に許容可能な賦形剤は、プルロニック、セルロース、アルギナート、アクリレート、ヒアルロン酸、ポリエチレングリコール及びキトサンからなる群から選択されること
    を特徴とする請求項52に記載の方法。
  54. 前記フカンは、パッチ(貼付剤)によって投与されること
    を特徴とする請求項40〜53の何れか一項に記載の方法。
  55. 前記フカンは、前記疾患部位へ直接投与されること
    を特徴とする請求項40〜54の何れか一項に記載の方法。
  56. 前記フカンは、局所的に投与されること
    を特徴とする請求項40〜55の何れか一項に記載の方法。
  57. 前記動物は、人間であること
    を特徴とする請求項40〜56の何れか一項に記載の方法。
  58. 治療有効量のフカンと、プルロニック、セルロース、アルギナート、アクリレート、ヒアルロン酸、ポリエチレングリコール及びキトサンからなる群から選択される少なくとも1つの医薬的に許容可能な賦形剤とを含むフカンの重合体剤形を含むこと
    を特徴とする医薬組成物。
  59. 前記重合体剤形は、フィルム、パッチ、ペースト、ミクロスフェア、インプラント、ゲル、スプレー又はリキッドから構成されること
    を特徴とする請求項58に記載の組成物。
  60. 前記フカンは、フコイダンであること
    を特徴とする請求項58に記載の組成物。
  61. 治療有効量のフカンと、治療有効量の少なくとも1つの他の薬剤とを含み、当該他の薬剤がアンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム及びオリゴヌクレオチドRNA阻害剤のうちの少なくとも1つを含むこと
    を特徴とする医薬組成物。
  62. 前記フカンは、フコイダンであること
    を特徴とする請求項61に記載の組成物。
  63. 癒着の治療のための薬剤の製造に使用するための請求項58〜62の何れか一項に記載の組成物。
  64. 前記癒着は、手術に起因する癒着であること
    を特徴とする請求項63に記載の組成物。
  65. 関節炎の治療のための薬剤の製造に使用するための請求項58〜62の何れか一項に記載の組成物。
  66. 乾癬の治療のための薬剤の製造に使用するための請求項58〜62の何れか一項に記載の組成物。
  67. 治療有効量のフコイダンと、医薬的に許容可能な賦形剤又は緩衝剤とを混合することを含むこと
    を特徴とする人間の患者における癒着、関節炎及び乾癬のうちの少なくとも1つと関連する症状を緩和可能な薬剤の製造方法。
  68. 前記症状は、手術に起因する癒着と関連すること
    を特徴とする請求項67に記載の製造方法。
  69. 前記症状は、関節炎と関連すること
    を特徴とする請求項67に記載の製造方法。
  70. 前記症状は、乾癬と関連すること
    を特徴とする請求項67に記載の製造方法。
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